JP4558829B2 - 光受信器 - Google Patents

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Description

この発明は、光通信システムに関するものであり、特に、アクセス系光通信システムの一つの方式であるPON(Passive Optical Network)システムに用いられる光受信器に関するものである。
従来、光ファイバを用いた公衆回線網を実現する方式として、PON(Passive Optical Network)システムと呼ばれるポイント・トゥ・マルチポイントのアクセス系光通信システムが広く用いられている。
PONシステムは、局側装置である1台のOLT(Optical Line Terminal)と、光スターカプラを介して接続される複数の加入者端末装置であるONU(Optical Network Unit)により構成される。多数のONUに対して、OLTと伝送路である光ファイバの大部分は共有できるため運用コストの経済化が期待できることや、受動部品である光スターカプラには給電が必要なく屋外設置が容易であり、信頼性も高いという利点があることから、ブロードバンドネットワークを実現する切り札として近年活発に導入が進められている。
例えば、IEEE802.3ahで規格化されている伝送速度が1.25Gbit/sのGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標) - Passive Optical Network)においては、OLTからONUへの下りは、光波長1.49μm帯を用いた同報通信方式を用い、各ONUは割り当てられたタイムスロットのデータのみ取り出す。一方、各ONUからOLTへの上りは、光波長1.31μm帯を用い、各ONUのデータが衝突しないように送出タイミングを制御する時分割多重通信方式を用いている。
上記のようなPONシステムの上り方向の通信において、各ONUは光スターカプラから異なる距離に位置することから、OLTにおける各ONUの受信レベルは受信パケット毎に異なるため、OLTの受信回路には異なる受光レベルのパケットを安定に再生する広ダイナミックレンジ特性が求められる。従って、一般的にOLTの受信回路には、受光レベルに応じて変換利得を変化させるAGC(Automatic Gain Control)回路が備えられている。
AGC回路には様々な方式が提案されているが、受光レベルに応じて前置増幅器の帰還抵抗値を段階的に切り替えるものがある(例えば、特許文献1参照)。また、受光レベルに応じて前置増幅器の帰還抵抗値をアナログ的に変化させるものがある(例えば、特許文献2参照)。あるいは、アナログ的に増幅率を変化させるとともに、AGCループの時定数も同時に変化させる機能を有するものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−151290号公報 特開平7−38342号公報 特公平6−91481号公報
しかしながら、上記特許文献1に示された技術では、受信するバースト信号が過渡的にレベル変動する場合、特に、過剰発光後に一定レベルに収束するような場合には、誤った変換利得に切り替えられてしまうという問題がある。また、上記特許文献2に示された技術では、AGCループ時定数の制約により、高速応答性と同符号連続耐力を両立することが困難であるという問題がある。あるいは上記特許文献3に示された技術は、高速応答性と同符号連続耐力を両立するために、AGCループの時定数を切り替える機能を有しているが、AGCの収束を高速に完了させるために、バースト信号の先頭に、データ列が{1、0、1、0、・・・}の固定パターンであるプリアンブル区間を設ける必要があるため、その効果は限定的である。
この発明は、上記の状況に鑑みてなされたもので、主にアクセス系光通信システムの一つの方式であるPONシステムにおいて、異なる受光レベルのパケットを安定に再生する広ダイナミックレンジ特性を有し、かつ高速応答性と同符号連続耐力に優れた光受信器を提供することを目的とするものである。
この発明に係る光受信器は、光信号の受光レベルに応じた電流を出力する受光素子と、制御電圧により利得が可変制御され、前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換するプリアンプと、前記プリアンプから出力される電圧信号の符号列から同符号連続部を検出し、その検出結果に応じた時定数切り替え信号を出力する同符号連続検出手段と、前記同符号連続検出手段からの時定数切り替え信号により切り替え制御される時定数に基づいて前記プリアンプから出力される電圧信号の電圧レベルを検出するレベル検出手段と、前記レベル検出回路の出力電圧を増幅して前記プリアンプに利得を制御する制御電圧を供給する増幅手段とを備えたものである。
この発明によれば、受信信号の符号列から同符号連続部を検出し、同符号連続時はAGCのループ時定数を長くし、異符号連続時はAGCのループ時定数を短くすることにより、異なる受光レベルのパケットを安定に再生する広ダイナミックレンジ特性を有し、かつ高速応答性と同符号連続耐力に優れた光受信器を提供する。
この発明の実施の形態1に係る光受信器の構成を示すブロック図である。 図1の各部の信号波形を示すタイミング波形図である。 この発明の実施の形態2に係る光受信器における同符号連続検出回路5の構成を示すブロック図である。 図3の各部の信号波形を示すタイミング波形図である。 この発明の実施の形態3に係る光受信器における同符号連続検出回路5の構成を示すブロック図である。 図5の各部の信号波形を示すタイミング波形図である。 この発明の実施の形態4に係る光受信器におけるレベル検出回路3の構成を示すブロック図である。
以下に、添付図面を参照して、この発明に係る光受信器について詳細に説明する。なお、この発明は図示される実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る光受信器の構成を示すブロック図である。図1に示すように、カソードが電源に接続され、アノードがプリアンプ2の入力端に接続された受光素子1は、受信した光信号の受光レベルに応じた電流を出力する。プリアンプ2は、受光素子1から出力される電流を電圧に変換して出力し、かつ、外部より入力される制御電圧により、電流を電圧に変換する変換利得が可変制御される。
レベル検出回路3は、プリアンプ2から出力される電圧信号の平均値を検出するもので、時定数が短いレベル検出部31と、時定数が長いレベル検出部32と、時定数を切り替えるための時定数切り替えスイッチ33とによって構成される。レベル検出回路3の出力電圧は、増幅器4によって所望の制御電圧に増幅され、プリアンプ2の変換利得を制御する。また、同符号連続検出回路5は、プリアンプ2から出力される電気信号の符号列から同符号連続部を検出し、その検出結果を、時定数切り替え信号として、時定数切り替えスイッチ33に出力する。
なお、レベル検出回路3の時定数切り替えスイッチ33は、同符号連続検出回路5が同符号連続を検出している場合、すなわち受信信号のビット列が{1、1、1、1、・・・}ないし{0、0、0、0、・・・}のように同符号が連続している場合には、時定数が長いレベル検出部32側を選択接続し、同符号連続検出回路5が同符号連続を検出していない場合、すなわち受信信号のビット列が{1、0、1、0・・・}のように頻繁に反転しているような場合には、時定数が短いレベル検出部33を選択接続するように動作する。
つまり、レベル検出回路3は、受信信号のビット列において、“1”ないし“0”の同符号が連続している場合には長い時定数のレベル検出回路として動作し、それ以外の場合には、短い時定数のレベル検出回路として動作する。
次に、図2は、図1の各部の信号波形を示すタイミング波形図である。(A)は受光素子1の出力電流、(B)はプリアンプ2の出力電圧、(C−1)は常に時定数が短いレベル検出部31を用いた場合のレベル検出回路3の出力電圧、(C−2)は常に時定数が長いレベル検出部32を用いた場合のレベル検出回路3の出力電圧、(C−3)は同符号連続検出回路5の検出結果に基づいて時定数切り替えスイッチ33を切り替えた場合のレベル検出回路3の出力電圧、(D)は同符号連続検出回路5の出力電圧をそれぞれ示している。なお、(C−1)、(C−2)、(C−3)については、プリアンプ2の出力電圧との関係を明確化するために、(B)に重ねて表示している。
図2を用いて、この発明の実施の形態1に係る光受信器の動作および特徴について説明する。図2において、(C−1)は、常に時定数が短いレベル検出部31を用いた場合のレベル検出回路3の出力電圧であり、時定数が短いため高速応答性に優れる反面、同符号が連続する場合にはレベル検出誤差が大きくなり、所望の変換利得に一定制御することが困難となる。
一方、(C−2)は、常に時定数が長いレベル検出部32を用いた場合のレベル検出回路3の出力電圧であり、時定数が長いため同符号が連続する場合であっても精度良くレベル検出でき、所望の変換利得に一定制御可能である反面、高速応答性に難があるため、バースト受信用には不向きである。
(C−3)は、同符号連続検出回路5の出力電圧(D)に基づいて、レベル検出回路3を構成する時定数切り替えスイッチ33により、レベル検出回路3の時定数を切り替えた場合のレベル検出回路の出力電圧であり、同符号が連続する場合には長い時定数で、それ以外の場合には短い時定数でレベル検出を行う。従って、同符号が連続する場合であっても精度良くレベル検出でき、所望の変換利得に一定制御可能であるとともに、高速応答性も兼ね備えている。
上記のように構成され動作する光受信器においては、レベル検出回路3における時定数の切り替えおよびAGC機能は、バースト信号受信時にはビット列に応じて常に動作しており、仮に一つのパケット内で受信レベルが変化するような場合においても、追従可能な特徴を有している。また、パケット先頭部に特定のビット列を設ける必要も無い。
なお、同符号連続検出回路5の動作として、何ビット以上同符号が連続した場合を同符号連続とみなすかについては、何ビット以上の同符号連続耐力を実現するかによって決まる。
このように、実施の形態1によれば、変換利得を変えることが可能なプリアンプ2と、時定数を切り替えることが可能なレベル検出回路3と、受信信号のビット列を解析し同符号連続部を検出する同符号連続検出回路5とを備え、同符号連続検出回路5の検出結果に基づいて、同符号連続時にはレベル検出回路3の時定数が長くなるように制御し、異符号連続時にはレベル検出回路3の時定数が短くなるように制御し、さらに、上記のように制御されたレベル検出回路3の検出結果に基づいてプリアンプ2の変換利得を制御するため、異なる受光レベルのパケットを安定に再生する広ダイナミックレンジ特性を有し、かつ高速応答性と同符号連続耐力に優れた光受信器を実現できる。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係る光受信器における同符号連続検出回路5の構成を示すブロック図である。図3に示す同符号連続検出回路5は、図1に示される同符号連続検出回路5の内部構成を示すもので、プリアンプ2から出力される電圧信号を所定の閾値と比較する比較器51と、前記比較器51の比較結果に基づいてその符号列の変化点を検出する立ち上がり変化点検出部52と、NOT素子54を介した比較器51の比較結果に基づいてその符号列の変化点を検出する立ち下がり変化点検出部53と、立ち上がり変化点検出部52と立ち下がり変化点検出部53の変化点検出結果を論理演算していずれかの変化点検出結果がHighレベルのときLowレベルを出力するNOR素子58とを備えている。
ここで、立ち上がり変化点検出部52と立ち下がり変化点検出部53とは、等価な回路でなり、それぞれ、遅延回路55と、NOT素子56と、遅延回路55及びNOT素子56を介して信号と介していない信号との論理積演算処理された結果を出力するAND素子57とを有する。
次に、図3に示す同符号連続検出回路5の動作について説明する。プリアンプ2から出力される電圧信号が比較器51に入力される。比較器51は、閾値電圧Vthと比較した結果、入力電圧が閾値電圧Vthよりも高い場合にはLowレベル、入力電圧が閾値電圧Vthよりも低い場合にはHighレベルを出力する。比較器51の出力信号は2分岐され、片方は立ち上がり変化点検出部52に、もう片側はNOT素子54により反転されたのちに、立ち下がり変化点検出部53に入力され、それぞれの立ち上がりと立ち下がりの変化点検出結果はNOR素子58により論理演算され、同符号連続検出回路5の出力信号となる。
変化点検出部52と53とは、等価な回路であり、入力された信号は2分岐され、片方はAND素子57に、もう片方は遅延回路55により所望の時間遅延された後に、NOT素子56により反転され、さらにAND素子57に入力され、AND素子57でそれぞれの入力信号に対して演算処理された結果を出力する。
図4は、図3の各部の信号波形を示すタイミング波形図である。(A)は比較器51の入力信号、(B)は閾値電圧Vthと比較された比較器51の出力信号、(C)は立ち上がり変化点検出部52の入力信号を遅延および反転した信号、(D)は立ち上がり変化点検出部52の出力信号、(E)は立ち下がり変化点検出部53の入力信号、(F)は立ち下がり変化点検出部53の入力信号を遅延および反転した信号、(G)は立ち下がり変化点検出部53の出力信号、(H)は、立ち上がり変化点検出部52の出力信号と立ち下がり変化点検出部53の出力信号、それぞれをNOR演算処理した出力信号を示している。
図4を用いて、この発明の実施の形態2に係る光受信器の動作および特徴について説明する。(A)は比較器51の入力信号と閾値電圧Vthとの関係を示しており、(B)では、入力電圧が閾値電圧Vthよりも高い場合にはLowレベル、入力電圧が閾値電圧Vthよりも低い場合にはHighレベルの信号が出力されている。
(C)は(B)を遅延させかつ反転させた信号であるが、所望の動作をさせるためには、その遅延量は1ビット程度が望ましい。(D)は(B)と(C)とをAND演算したものであるが、(B)のビット列におけるLowからHighへ変化する点、すなわち立ち上がり変化点においてHightが出力されており、立ち上がり変化点検出部52は、入力信号のビット列における立ち上がり点を検出する回路として動作する。
(E)は(B)を反転させた信号であり、立ち下がり変化点検出部53に入力される。立ち下がり変化点検出部53は立ち上がり変化点検出部52と同様の動作をするが、(E)は入力信号を反転させた信号であるため、入力信号のビット列における立ち下がり点を検出する回路として動作する。
(H)は、立ち上がり変化点検出部52の出力信号と立ち下がり変化点検出部53の出力信号、それぞれをNOR演算処理した出力信号である。
従って、(A)の入力信号のビット列に対して、“0”から“1”ないし、“1”から“0”の変化点を検出し、変化点が検出された場合にLowレベルの信号を出力するよう動作する。言い換えると、入力信号のビット列において、同符号が連続している場合にはHighレベルの信号を出力し、同符号連続検出回路として動作する。
なお、入力信号の電圧振幅が比較器51の閾値電圧Vthを下回るような場合にのみ、本同符号連続検出回路5は動作する。つまり、プリアンプ2の出力電圧振幅が小さい場合、すなわち、受光レベルが小さい場合には、本同符号連続検出回路5は動作しない。
このような場合、レベル検出回路3の時定数切り替えは行われないため、同符号が連続する場合には精度良くレベル検出をできなくなる恐れがあるが、そもそも受光レベルが小さい場合には、プリアンプ2の変換利得は最大になるよう固定しておけば良い。つまり、プリアンプ2においては、変換利得が最大で動作する受光レベル範囲と、所望の変換利得に制御されて動作する受光レベル範囲の2つの受光レベル範囲が存在し、その閾値の受光レベルにおけるプリアンプ2の出力振幅で比較器51が動作するように、比較器51の閾値電圧Vthを設定することが望ましい。
また、同符号連続検出回路5はデジタル的に動作するのに対して、プリアンプ2はアナログ的に動作するため、同符号連続検出回路5が動作するときに生じるデジタル雑音の影響によって、プリアンプ2が誤動作する可能性が考えられる。
受光素子1によって光電変換された電流信号と、前記デジタル雑音との比率によってプリアンプ2が誤動作する確率が変わり、受光レベルが低い程デジタル雑音の影響が大きくなる。
しかしながら、同符号連続検出回路5においては、比較器51の閾値電圧Vthによって、同符号連続検出回路5が動作する受光レベル範囲を設定することが可能であり、ある一定レベル以上の信号を受信した場合にのみ同符号連続検出回路5を動作させることが可能である。
すなわち、比較器51の閾値を、同符号連続検出回路5が動作する受光レベル範囲と、レベル検出回路3の検出結果に基づいてプリアンプ2の利得を可変制御する受光レベル範囲とが等しくなるように設定することが望ましい。
このように、実施の形態2によれば、比較器51の閾値電圧Vthによって自身が動作する受光レベル範囲を設定することが可能であり、かつ入力信号のビット列に対して、“0”から“1”ないし、“1”から“0”の変化点を検出し、変化点が検出された場合にLowレベルの信号を出力するよう動作する同符号連続検出回路5を備えているため、異なる受光レベルのパケットを安定に再生する広ダイナミックレンジ特性を有し、かつ高速応答性と同符号連続耐力に優れた光受信器を実現できる。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係る光受信器における同符号連続検出回路5の構成を示すブロック図である。図5に示す同符号連続検出回路5は、図1に示される同符号連続検出回路5の内部構成を示すもので、プリアンプ2から出力される電圧信号を所定の閾値と比較する閾値比較用比較器61と、前記比較器61の比較結果の通過帯域を制限するためのローパスフィルタ62と、ローパスフィルタ62通過後の信号の出力振幅を検出するための振幅検出用比較器63及び64と、比較器63の出力とNOT素子65を介した比較器64の出力とのいずれかがHighレベルのときLowレベルを出力するNOR素子66とを備えている。
次に、図5に示す符号連続検出回路5の動作について説明する。プリアンプ2から出力される電圧信号が比較器61に入力される。比較器61は、閾値電圧Vth1と比較した結果、入力電圧が閾値電圧Vth1よりも高い場合にはLowレベル、入力電圧が閾値電圧Vth1よりも低い場合にはHighレベルを出力する。比較器61の出力信号は、ローパスフィルタ62を通過後に2分岐され、片方は“1”連続を検出するための比較器63に、もう片方は“0”連続を検出するための比較器64に入力される。比較器64の出力信号はNOT素子65によって反転され、比較器63の出力信号とともに、OR素子66によって演算処理されて出力される。
図6は、図5の各部の信号波形を示すタイミング波形図である。(A)は比較器61の入力信号、(B)は閾値電圧Vth1と比較された比較器61の出力信号、(C)は比較器61の出力信号を入力信号としたローパスフィルタ62の出力信号、(D)は閾値電圧Vth2と比較された比較器63の出力信号、(E)は閾値電圧Vth3と比較された比較器64の出力信号を反転した信号、(F)は比較器63の出力信号と比較器64の反転出力信号とをOR演算処理した出力信号を示している。
図6を用いて、この発明の実施の形態3に係る光受信器の動作および特徴について説明する。(A)は比較器61の入力信号と閾値電圧Vth1との関係を示しており、(B)では、入力電圧が閾値電圧Vth1よりも高い場合にはLowレベル、入力電圧が閾値電圧Vth2よりも低い場合にはHighレベルの信号が出力されている。
(C)は(B)を入力としたローパスフィルタ62通過後の出力信号であり、閾値電圧Vth2とVth3との関係も示している。ローパスフィルタ62により周波数が高い信号成分は減衰するため、“1”“0”が交互に続くような周波数の高いビット列ではその振幅が小さくなり、“1”や“0”が連続するような周波数の低いビット列ではその振幅はあまり変化しない。従って、ローパスフィルタ62の遮断周波数と閾値電圧Vth2、Vth3を最適化することによって、あるビット数以上同符号が連続した場合に、(D)や(E)のように、同符号連続部を検出可能となる。
つまり、ローパスフィルタ62の遮断周波数と比較器63、64の閾値電圧を調整することにより、検出する同符号連続数を変化させることが可能な同符号連続検出回路5が得られる。
このように、実施の形態3によれば、ローパスフィルタ62の遮断周波数と比較器63、64の閾値電圧を調整することにより、検出する同符号連続数を変化させることが可能な同符号連続検出回路5を備えているため、異なる受光レベルのパケットを安定に再生する広ダイナミックレンジ特性を有し、かつ高速応答性と同符号連続耐力に優れた光受信器を実現できる。
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4に係る光受信器におけるレベル検出回路3の構成を示すブロック図である。図7に示すレベル検出回路3は、図1に示されるレベル検出回路3の他の構成例を示すもので、ゲートに印加される同符号連続検出回路5からの時定数切り替え信号に基づいてドレイン−ソース間の抵抗値が変化するFET71と、FET71のソースまたはドレインに接続されたローパスフィルタと72とを備えている。
次に、図7に示すレベル検出回路3の動作について説明する。ローパスフィルタ72の前段にFET71を備えており、FET71のソースまたはドレインがローパスフィルタ72に接続され、FET71のゲートには同符号連続検出回路5によって生成される時定数切り替え信号が入力される。
FET71は、ゲート−ソース間に印加する電圧によって、ドレイン−ソース間の抵抗値が変化する特性を有しているため、FET71のゲートに印加する電圧によってレベル検出回路3の時定数を変化させることができる。
つまり、FET71のゲートに接続される同符号連続検出回路5が、同符号連続検出時にLowレベルの信号を出力するような場合には、FET71をnチャンネルのMOSとすることにより、同符号連続検出時には、FET71はOFF状態、すなわちドレイン−ソース間は非常に大きな抵抗値となるため、レベル検出回路3の時定数は長くなる。
一方、異符号連続時には同符号連続検出回路5はHighレベルの信号を出力し、FET71はON状態、すなわちドレイン−ソース間は非常に小さな抵抗値となるため、レベル検出回路3の時定数は短くなる。
このように、実施の形態4によれば、ゲート電圧によりその抵抗値が変化するFET71とローパスフィルタ72によって構成されるレベル検出回路3を備え、同符号連続検出回路5の出力信号によってFET71のゲート電圧を制御するよう動作するため、異なる受光レベルのパケットを安定に再生する広ダイナミックレンジ特性を有し、かつ高速応答性と同符号連続耐力に優れた光受信器を実現できる。

Claims (6)

  1. 光信号の受光レベルに応じた電流を出力する受光素子と、
    制御電圧により利得が可変制御され、前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換するプリアンプと、
    前記プリアンプから出力される電圧信号の符号列から同符号連続部を検出し、その検出結果に応じた時定数切り替え信号を出力する同符号連続検出手段と、
    前記同符号連続検出手段からの時定数切り替え信号により切り替え制御される時定数に基づいて前記プリアンプから出力される電圧信号の電圧レベルを検出するレベル検出手段と、
    前記レベル検出回路の出力電圧を増幅して前記プリアンプに利得を制御する制御電圧を供給する増幅手段と
    を備えた光受信器。
  2. 請求項1に記載の光受信器において、
    前記レベル検出手段は、
    時定数が短いレベル検出部と、
    時定数が長いレベル検出部と、
    時定数を切り替えるための時定数切り替えスイッチと
    により構成し、
    前記時定数切り替えスイッチは、前記同符号連続検出手段が同符号連続を検出している場合に、時定数が長いレベル検出部側を選択接続し、前記同符号連続検出手段が同符号連続を検出していない場合に、時定数が短いレベル検出部を選択接続する
    ことを特徴とする光受信器。
  3. 請求項1に記載の光受信器において、
    前記レベル検出手段は、
    ゲートに印加される前記同符号連続検出手段からの時定数切り替え信号に基づいてドレイン−ソース間の抵抗値が変化するFETと、
    前記FETのソースまたはドレインに接続されたローパスフィルタと
    により構成したことを特徴とする光受信器。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光受信器において、
    前記同符号連続検出手段は、
    前記プリアンプから出力される電圧信号を所定の閾値と比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果に基づいてその符号列の変化点を検出する変化点検出手段と
    により構成したことを特徴とする光受信器。
  5. 請求項4に記載の光受信器において、
    前記比較器は、
    前記同符号連続検出手段が動作する受光レベル範囲と、前記レベル検出手段の検出結果に基づいて前記プリアンプの利得を可変制御する受光レベル範囲とが等しくなるように、閾値を設定する
    ことを特徴とする光受信器。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光受信器において、
    前記同符号連続検出手段は、
    前記プリアンプから出力される電圧信号を所定の閾値と比較する閾値比較用比較器と、
    前記比較器の比較結果の通過帯域を制限するためのローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタ通過後の信号の出力振幅を検出するための振幅検出用比較器と
    により構成したことを特徴とする光受信器。
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