JPH0812979A - 重質油の処理方法 - Google Patents

重質油の処理方法

Info

Publication number
JPH0812979A
JPH0812979A JP6170471A JP17047194A JPH0812979A JP H0812979 A JPH0812979 A JP H0812979A JP 6170471 A JP6170471 A JP 6170471A JP 17047194 A JP17047194 A JP 17047194A JP H0812979 A JPH0812979 A JP H0812979A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heavy oil
oil
light fraction
catalyst
residue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6170471A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kato
恒一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP6170471A priority Critical patent/JPH0812979A/ja
Publication of JPH0812979A publication Critical patent/JPH0812979A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Coke Industry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽質留分の収量を増大させ、製品としての価
値の高いコークスを製造でき、収益性を著しく高めた重
質油の処理方法を提案すること。 【構成】 重質油をスラリー触媒の存在下に、特には管
型反応器を用いて、好ましくは、分解率が35〜70%
となるまで水素化分解し、軽質留分を分離した後、残留
分を、特には、ディレードコーカー法によって、熱分解
し、軽質留分とともにコークスを製造することからなる
重質油の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重質油を分解して軽質
留分とコークスとを製造する重質油の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】常圧残渣油あるいは減圧残渣油中には、
メタル分や残炭分等の触媒被毒物質が多く含まれ、これ
を水素化分解に供すると触媒の活性劣化が早く、触媒を
頻繁に交換する必要があるため、従来から種々の反応形
式が提案されている。
【0003】固定床反応器による水素化分解は、簡単で
はあるが、分解率を高くしたり、触媒被毒物質の高い重
質油を処理すると触媒を頻繁に交換しなければならず、
そのたびに装置の運転を止める必要が生じ、処理能力が
著しく低下すると共に触媒コストの上昇により、収益性
を著しく悪化させる。
【0004】このため、触媒を半連続あるいは連続的に
入れ替える方式が提案され、H−OILプロセス(アメ
リカ特許3,412,010号公報)、LC−FINNI
NGプロセス等の沸騰床式プロセス、VCCプロセス
(特開昭63-146989号公報)、CANMETプロ
セス(アメリカ特許4,176,051号公報)、SOCプ
ロセス(特公平4-71577号公報)等のスラリー式プ
ロセスが開発され、前者のH−OILプロセス、LC−
FINNINGプロセスは既に商業的に採用されてい
る。これらのプロセスのうち、SOCプロセスを除いて
は、槽型の反応器で、半連続あるいは連続的に劣化した
触媒を抜出し、交換しているため固体床反応器に比べ、
より過酷な条件で運転を行うことができる。しかし、水
素化分解反応は、高温、高圧で行われるため、槽型反応
器では、形状、材質、製作上から種々の制約があり、装
置の大型化が困難で、建設費、および運転コストが著し
く高くなるという欠点がある。さらに、上記H−OIL
プロセス、LC−FINNINGプロセス等の沸騰床方
式のプロセスでは、固体触媒とガス、油との混合、接触
およびコーキング防止の観点から分解率は70%程度で
運転され、軽質留分の収量が十分に高くなく、収益性が
低く、しかも環境保全上、コークの付着した廃触媒の処
理装置が必要となる等の問題があった。一方、VCCプ
ロセス、CANMETプロセスおよびSOCプロセス等
のスラリー式プロセスでは、90%程度の高い分解率を
得ることができるが、生成したコークは触媒とともにス
ラリー状態で得られ、特殊な燃焼装置で燃焼処理しなけ
ればならず、製品価値を有する石油コークスを得ること
はできない。
【0005】また、SOCプロセスは、スラリー触媒の
存在下に、槽型反応器に代えて管型反応器を用いて水素
化分解を行うものであり、建設コストは比較的安いが、
反応管内にコークが付着し、反応管を閉塞し、しばしば
運転を中止し、デコーキング操作を行わなければなら
ず、処理能力が著しく低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するもので、本発明の目的は、特定の水素化分解と
熱分解を組合せることにより、軽質留分の収量を増大さ
せ、製品としての価値の高いコークスを製造でき、収益
性を著しく高めた重質油の処理方法を提案するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の重質油の処理方
法は、重質油をスラリー触媒の存在下に、特には管型反
応器を用いて、好ましくは、分解率が35〜70%とな
るまで水素化分解し、軽質留分を分離した後、残留分
を、特には、ディレードコーカー法によって、熱分解
し、軽質留分とともにコークスを製造することからなる
ものである。
【0008】上記本発明の重質油とは、原油、シェール
オイル、タールサンドあるいは石炭液化油等あるいはこ
れらの常圧蒸留残渣油および減圧蒸留留分、減圧蒸留残
渣油さらには減圧蒸留残渣油の脱瀝油あるいは脱瀝残渣
油等をいい、特には原油の常圧蒸留残渣油および減圧蒸
留残渣油等が、本発明に好適である。
【0009】また上記スラリー触媒とは、固体触媒物質
で、重質油等の液体搬送流体に混合され、当該触媒物質
が、搬送中で、沈降、分離しない粒径を持つもので、一
般には、1〜100μmのカーボンブラック等の炭素質
物質からなる微細粒子にバナジウム、クロム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅、マンガン、亜鉛、モリブデン、タ
ングステン等の1種および2種以上を含有させたものを
重質油に添加したものが好適である。この種の触媒は、
反応中に重質油に対して0.02〜3重量%になるよう
に添加するとよい。
【0010】水素化分解は、400〜500℃、好まし
くは、430〜520℃の範囲の温度、30〜300kg
/cm2、好ましくは、100〜250kg/cm2の水素分圧、
水素/重質油比が50〜5000Nm3/kl、好ましくは1
00〜500Nm3/klの条件下に行うと良い。
【0011】この水素化分解は、分解率をあまりに高く
すると、装置を大きくするか処理量を低下させる必要が
あるとともに、コーキングによるトラブルが起こりやす
くなり、収益性が低下する。このため、分解率が35〜
70%になるように、反応条件、特には反応時間を調整
すると良い。なお、ここでいう分解率とは、原料重質油
中の540℃以上の沸点留分の減少率で、次式により算
出されるものである。 分解率(%)=(1−A/B)×100 式中、Aは水素化分解して得た生成油中の沸点が540
℃以上の残渣油の重量%、Bは原料重質油中の沸点が5
40℃以上の残渣油の重量%を示す。
【0012】この水素化分解は、槽型反応器を用いて行
っても良いが、建設費等の安い、管型反応器を用いるこ
とが好ましい。すなわち、特には、SOCプロセスを用
いて、分解率を35〜70%となるように水素化分解す
る方法が最も好ましい。
【0013】本発明においては、上記のような水素化分
解後に、水素や分解ガスおよび軽質化油等の軽質留分を
分離した後の残留分を熱分解するものである。この場
合、軽質留分として、沸点が540℃より低い留分を分
離回収することが好ましい。
【0014】軽質留分を分離した後の残留分の熱分解
は、450〜550℃の温度に加熱することにより行な
われ、特には、製品として価値の高いディレードコーカ
−法を用いることが好ましい。ディレードコーカ−法で
は、上記残留分を加熱炉で、450〜530℃、好まし
くは、480〜510℃の温度に加熱し、これを、10
kg/cm2以下、好ましくは2〜6kg/cm2の圧力のコ−クス
ドラムに導入してコ−クス化することにより行なわれ
る。この場合、上記残留分に、他の重質油を加えて、デ
ィレードコーキングを行っても良い。このディレードコ
ーキングによって、さらに上記残留分は分解されて、分
解ガスおよび軽質化油等の軽質留分がコ−クスドラムの
上部から得らるとともに、コークスがドラム内に残る。
このコークスを取り出して製品とするが、所望により1
300〜1500℃でか焼することにより、良質の石油
コークスを得ることができる。
【0015】
【実施例】
(実施例)中東系減圧残油(比重;1.042、残炭分;
23重量%、硫黄;5.6重量%)を、スラリー触媒用管
型反応器を用いて、水素化分解を行った。反応器は管径
が122mm、長さが2000mのチューブが箱型形式の
加熱炉中に納められたもので、このチューブの1000
m分を反応管として用いた。触媒としては、重質油にカ
ーボンブラック微粉末を加え、これにヘテロポリモリブ
デン酸水溶液と硫黄を加え、激しく混合撹拌して懸濁さ
せた懸濁液を用い、これを原料重質油に対しモリブデン
濃度として80ppmWとなるように添加した。
【0016】水素化分解の反応条件および結果を表1に
示した。180日間運転したが、運転期間中は、コーキ
ングにより反応管が閉塞することがなく、連続的に運転
できた。
【0017】
【表1】
【0018】上記分解生成物のうち、減圧蒸留残渣を5
02℃に加熱し、コーカードラムでディレードコークス
化させた結果、表2に示す割合の生成物(対減圧蒸留残
渣)が得られた。尚、表2には、水素化分解とあわせた
各留分のトータル収率を示した。
【0019】
【表2】
【0020】(比較例)実施例の水素化分解において、
反応管の長さを2000mとして用いた以外は、同様の
条件で運転した。このときの分解率は、87重量%であ
り、生成物得率は表3に示すとうりであった。また、こ
の運転においては、運転開始から100日目に反応管が
コーキングにより閉塞し、運転を中止し、デコーキング
操作を行わなければならなかった。
【0021】
【表3】
【0022】上記実施例と比較例の生成物得率から明ら
かなように、本発明の水素化分解と熱分解とを組合せた
処理方法の方が軽質留分の収率が多く、また通油量を多
くできることと考えあわせれば、本発明の方法が収益性
の上で極めて優れていることが分かる。
【0023】
【発明の効果】以上のような本発明の重質油の処理方法
は、軽質留分の収量を増大させ、製品としての価値の高
いコークスを製造でき、収益性を著しく高めることがで
きるという格別の効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油をスラリー触媒の存在下に水素化
    分解し、軽質留分を分離した後、残留分を熱分解して、
    軽質留分とともにコークスを製造することを特徴とする
    重質油の処理方法。
  2. 【請求項2】 重質油をスラリー触媒の存在下に管型反
    応器を用いて、分解率が35〜70%となるまで水素化
    分解し、軽質留分を分離した後、残留分をディレードコ
    ーカー法により熱分解して、軽質留分とともにコークス
    を製造することを特徴とする重質油の処理方法。
JP6170471A 1994-06-30 1994-06-30 重質油の処理方法 Pending JPH0812979A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6170471A JPH0812979A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 重質油の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6170471A JPH0812979A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 重質油の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0812979A true JPH0812979A (ja) 1996-01-16

Family

ID=15905563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6170471A Pending JPH0812979A (ja) 1994-06-30 1994-06-30 重質油の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0812979A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8155535B2 (en) 2006-03-03 2012-04-10 Mitsubishi Electric Corporation Optical receiver
KR20180040600A (ko) * 2015-08-04 2018-04-20 사우디 아라비안 오일 컴퍼니 애노드 등급 코크스를 생산하기 위한 통합 공정
US11384300B2 (en) 2019-12-19 2022-07-12 Saudi Arabian Oil Company Integrated process and system to upgrade crude oil

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8155535B2 (en) 2006-03-03 2012-04-10 Mitsubishi Electric Corporation Optical receiver
KR20180040600A (ko) * 2015-08-04 2018-04-20 사우디 아라비안 오일 컴퍼니 애노드 등급 코크스를 생산하기 위한 통합 공정
US11384300B2 (en) 2019-12-19 2022-07-12 Saudi Arabian Oil Company Integrated process and system to upgrade crude oil

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4067799A (en) Hydroconversion process
CA1238289A (en) Heavy oil hydroprocessing
US4564439A (en) Two-stage, close-coupled thermal catalytic hydroconversion process
US6511937B1 (en) Combination slurry hydroconversion plus solvent deasphalting process for heavy oil upgrading wherein slurry catalyst is derived from solvent deasphalted rock
US4485004A (en) Catalytic hydrocracking in the presence of hydrogen donor
US4525267A (en) Process for hydrocracking hydrocarbons with hydrotreatment-regeneration of spent catalyst
US4151070A (en) Staged slurry hydroconversion process
EP0456058B1 (en) Refining of heavy slurry oil fractions
US4443325A (en) Conversion of residua to premium products via thermal treatment and coking
US5064523A (en) Process for the hydrogenative conversion of heavy oils and residual oils, used oils and waste oils, mixed with sewage sludge
US4923838A (en) Process for preparing an iron-coal slurry catalyst for hydrocracking heavy oils
GB2050414A (en) Catalytic hydrotreatment of heavy hydrocarbons
EP0504523A1 (en) A process for the preparation of recarburizer coke
US4761220A (en) Hydroprocessing catalyst fines as a first-stage catalyst in a two-stage, close-coupled thermal catalytic hydroconversion process
JPH0790282A (ja) 重質油分解・水素化処理方法
US4560465A (en) Presulfided red mud as a first-stage catalyst in a two-stage, close-coupled thermal catalytic hydroconversion process
JP3875001B2 (ja) 石油系重質油の水素化分解方法
CA1322746C (en) Hydrocracking of heavy oils in presence of petroleum coke derived from heavy oil coking operations
US4169042A (en) Cracking process and catalyst for same containing tellurium
JPS5950276B2 (ja) 鉱油類の水素化処理方法
US4559129A (en) Red mud as a first-stage catalyst in a two-stage, close-coupled thermal catalytic hydroconversion process
US4560467A (en) Visbreaking of oils
JPH0812979A (ja) 重質油の処理方法
US4259178A (en) Coke from coal and petroleum
US2717866A (en) Hydrocarbon conversion of reduced crudes in the presence of coke particles