JPH0790282A - 重質油分解・水素化処理方法 - Google Patents

重質油分解・水素化処理方法

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JPH0790282A
JPH0790282A JP26044193A JP26044193A JPH0790282A JP H0790282 A JPH0790282 A JP H0790282A JP 26044193 A JP26044193 A JP 26044193A JP 26044193 A JP26044193 A JP 26044193A JP H0790282 A JPH0790282 A JP H0790282A
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heavy oil
cracking
molybdenum
oil
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JP26044193A
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Teruhiko Atobe
輝彦 跡部
Toshikazu Kitsuka
俊和 木塚
Sadataka Kanejima
節隆 金島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理が困難な重質油の効果的な分解・処理方
法の提供。 【構成】 第一段反応器で、特定のモリブデン化合物と
と超微粒子からなる触媒(スラリー触媒)の存在下、重
質油を水素化熱分解を行い、水素化触媒を充填した第二
段反応器に反応生成物を通し、水素化、脱硫、脱窒素な
どの反応を行わせ、得られた軽質留分を蒸留分離して高
品質の石油製品とし、残渣を低硫黄燃料油とし、一方ス
ラリー触媒を物理的処理方法で回収してリサイクルする
重質油の分解・水素化処理方法。 【効果】 分解が困難な重質油の高分解が達成され、高
品質の分解製品、残渣として低硫黄重油の提供が可能
で、かつ使用済みスラリ−触媒のリサイクルが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は減圧残渣油、常圧残渣
油、非在来型原油、溶剤脱瀝タ−ルなどの重質油の軽質
化合物とその分解製品の高度水素化に関する。より詳細
には、本発明は、固体を実質的に含まない良質の石油製
品と低硫黄重油を提供できると共に、スラリー触媒を再
利用できる、新規な重質油の分解・水素化処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、重質油にはアスフアルテン、金
属、硫黄、窒素化合物などを多く含み経済的価値が低
く、何らかの方法で軽質化が図られていたが、これまで
に完全な方法がないのが現状である。これら重質油の多
くはアスフアルテン、金属化合物を多く含むため、固定
床反応器による分解は触媒の著しい劣化や装置の閉塞な
どの好ましくない現象が起こるので、処理される原料の
範囲及び分解、水素処理の程度が限定されたものとなっ
ている。さらに、沸騰床反応器においても使用する触媒
の制限から実用的な原料の選定範囲及び分解や水素処理
の度合には限度がある。
【0003】残炭素分の多い、または金属含有量の多い
原料の処理或いは炭素質の析出するような過酷な条件下
での分解反応を行う目的のためには、スラリ−触媒が好
まれ、各種の方法が提案されている。しかしながら、ス
ラリ−触媒による製品の品質があまり良くないこと、使
用済の触媒がそのまま廃棄されるので、環境保護的、省
資源的見地から好ましくない等の問題がある。
【0004】重質油の軽質化のためにスラリ−触媒によ
る方法としては以下のような方法が提案されている。例
えば、米国特許第3,161,585号明細書、同第
4,134,825号明細書、同第4,888,104
号明細書、特開昭57−139181号公報 、特開昭6
3−146989号公報、特公平4−71577号公報
等がある。また、油溶性の触媒前駆体として欧州公開特
許第503,742号公報等がある。さらに、スラリ−
触媒と固定床或いは沸騰床との組み合わせによる2段反
応プロセスについては、米国特許第4,389,301
号明細書等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのスラ
リ−触媒技術には、触媒の再利用により資源の節減を図
り、環境の保護に努める配慮に乏しい。さらに、これら
の技術では、分解製品の水素化が十分ではなく、再度水
素化せねば、今後の製品に期待される品質水準に合致し
ない場合が多い。従って、スラリ−触媒を含む残渣を除
く揮発分のみは再処理されて高品質の製品となりうる
が、残渣は価値の低い廃棄物としてその処分が問題であ
る。特に、スラリ−触媒を用いて重質油から燃料用重油
を製造する場合には触媒の分離が不可欠であり、従来技
術ではこれがなされていない。
【0006】一方、固定床触媒にて重質油を水素化する
場合には、製品品質を長期的に満足させる可能性が高
く、目的に応じて各種の技術が提案されているが、触媒
の活性が経時的に低下するため、定期的に交換する必要
があり、その取り扱いや廃触媒の処分に技術的問題があ
る。本発明は、この領域の技術的、環境的問題を解決す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、(a)
第一段反応器において、スラリ−触媒を用いて重質油を
高分解率で分解し、(b)その反応生成物を第二段反応
器、すなわち固定床又は沸騰床の水素化装置に通して目
的とする製品品質を得るに際し、第一段反応器で用いた
スラリ−触媒を分離することなく第二段の該水素化装置
に導入し、水素化反応を行わせた後、(c)得られる軽
質留分を蒸留装置で回収し、該スラリ−触媒を物理的分
離装置により回収し、固体を実質的に含まない製品を得
ると同時に触媒の再利用を可能とするものである。
【0008】本発明者らは、上記課題を解決するために
種々研究を重ねた結果、(i)モリブデンを含むヘテロ
ポリ酸及びその遷移金属化合物である特定のモリブデン
化合物と(ii)特定粒径範囲の超微粉体から生成した
触媒の存在下で水素化熱分解することにより、これらの
重質油の高い分解率が容易に達成され、しかもその反応
物を第一段反応器から直接、第二段反応器に移して追加
的な水素化を行わせることが可能となると共に、反応終
了後、軽質留分を蒸留分離して高品質の製品とし、かつ
物理的な処理方法によりスラリ−触媒を回収することが
可能となり、その結果固体を実質的に含まない燃料用重
油を製造することができ、スラリ−触媒を再利用されう
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は: (a)第一段反応器に(i)ポリ原子としてモリブ
デン原子を含有するヘテロポリ酸およびその遷移金属塩
から選ばれる少なくとも一種のモリブデン化合物と、
(ii)1〜1,000nmの範囲の平均一次粒子径を
有する微粉体と、を触媒として水素の存在化で重質油の
熱分解を行い、(b)その反応生成物をそのまま、又は
水素或いは軽質留分を添加し温度、水素/油の比その他
の条件を調整した後、水素化触媒を充填した第二段反応
器に通し、分解製品の水素化、脱硫、脱窒素などの反応
を行わせ、(c)第一段反応器に使用した触媒(以下ス
ラリ−触媒と言う)を物理的な処理方法にて回収して再
使用し、得られた軽質留分を蒸留分離して製品とし、残
渣を燃料油とする、重質油の分解・水素化処理方法を提
供する。また、
【0010】 微粉体(ii)が1〜200nmの範
囲にある平均一次粒子径を有する炭素質である点にも特
徴を有する。また、 モリブデン化合物(i)が水溶性化合物である点に
も特徴を有する。 モリブデン化合物(i)が式(1) :
【化2】 〔(R1 )(R2 )(R3 )NH〕x y 〔A〕 ・・・(1) (ただし、上式でR1 は10〜46の炭素数の脂肪族炭
化水素基であり、R2、R3 はそれぞれ独立に炭素数1
〜46の脂肪族炭化水素基であり、Aはモリブデンを含
むヘテロポリ基であり、Xは3〜14の整数、Yは0〜
11の整数である)で表現される点にも特徴を有する。
また、
【0011】 スラリ−触媒の物理的回収方法が高勾
配磁気分離装置であるか、或いはハイドロ・サイクロン
と濾過との組み合わせ又はそれらのいずれかである点に
も特徴を有する。また、 第一段の反応器が管式或いは筒型のいずれかである
点にも特徴を有する。また、 第二段の反応器が沸騰床或いは固定床のいずれかで
ある点にも特徴を有する。また、 第一段の反応温度が400〜500℃で、第二段の
反応温度が350〜450℃の範囲であり、反応圧力が
100〜300×105 ・パスカルである点にも特徴を
有する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の方法によると、良質の石油製品と低硫黄重油を得
ることができる。さらに、本発明の方法によると、第1
段の反応器においてモリブデンを含むヘテロポリ酸及び
その遷移金属化合物であるモリブデン化合物(i)と特
定の粒子径範囲の超微粉体(ii)から生成したスラリ
ー触媒が用いられ点に特徴を有する。まず、モリブデン
化合物(i)は、それ自身が触媒ではなく、触媒前駆体
である。
【0013】該モリブデン化合物(i)であるヘテロ・
ポリ・モリブデン酸化合物群の特徴の一つとして、ヘテ
ロ・ポリ・モリブデン酸アニオンの特異な構造が挙げら
れる。すなわち、このアニオンは12個の八面体MoO
3 (Mo原子が中心)と中心の1個の四面体PO4 ( P
原子が中心)との規則正しい縮合で構成されており、ア
ニオンの実像としては36個の酸素イオンで覆われた直
径約1nmの球形に近い形を有している。このように、
ヘテロ・ポリ・モリブデン酸アニオンは一般の無機酸金
属塩、有機酸金属塩、複合酸化物などのような無限長の
結晶構造とは全く異なる構造を有しており、水素化触媒
種金属の分散性を高めるのに重要な役割を担っている。
【0014】例えば、H3 〔PMo1240〕水溶液を用
いる場合は、公知の乳化安定剤を添加することによりヘ
テロ・ポリ・モリブデン酸アニオンを安定的に原料油中
に分散させることが可能である。さらに、この水素化触
媒金属種をより均一に原料油の中に分散させるために
は、油溶性であることが望ましい。この目的のために
は、欧州公開特許第503,742号公報に示されるよ
うな油溶性モリブデン化合物は特に有用である。また、
ヘテロ・ポリ・モリブデン酸化合物の容易な分解性のた
めに特別な前処理を全く必要とせずに、反応物の予熱過
程で触媒前駆体が水素化活性種であるモリブデン硫化物
に変化することも重要な特徴の1つである。
【0015】本発明のモリブデン化合物(i)を構成す
る触媒前駆体が活性を有する硫化物になるためには、当
然に硫黄源が必要であり、直接的には硫化水素が必要で
ある。しかし、通常の原料油、例えば中東原油、カナダ
産タ−ル・サンド、中南米重質原油などに由来する減圧
残渣油、溶剤脱瀝タ−ルなどの処理においては、原料と
水素の予熱の過程でアスフアルテンなどが分解し硫化水
素が容易に発生するので、特別に触媒前駆体からの活性
触媒種の生成のための処理も硫化水素の添加も不要であ
る。勿論原料の性状によっては硫黄源の添加と前処理が
必要な場合もありうる。
【0016】この硫化モリブデンの触媒としての機能は
分解機能ではなく、熱によって生成したラジカルを水素
化することにより安定な軽質分に変化させ、好ましくな
い副反応のラジカルの縮合によるコ−クまたはコ−ク前
駆体の生成を抑制することにある。一方、超微粉体(i
i)は、前記の硫化モリブデンの担体の役目を持つ以外
に、原料の分解の副反応によって生じるコ−ク前駆体の
吸着剤という重要な機能も有する。定性的には、いかな
る性状の粉体であろうとも、この目的のためには用いら
れるが、炭素質の粉体の場合には、コ−ク前駆体の吸着
に優れていること、分解残渣の処理に際して、それが燃
料油に残存する、或いは部分酸化またはコ−カ−で処理
する場合に全く弊害を及ぼさないという特徴がある。
【0017】上記炭素質粉体の形態は特に制限されない
が、平均一次粒子径が1〜200nmの範囲に属する一
次粒子粉体またはその凝集体である二次粒子粉体のうち
実質的に炭素質である粉体である。このような炭素質粉
体を得るには、チャ−コ−ル、ペトロコ−クなどの固体
炭素の粉砕と分級によって得ることは可能であるが、カ
−ボン・ブラックであればいかなる方法にて製造された
ものであっても殆ど平均一次粒子径が10〜150nm
の範囲の一次粒子で構成されており、本発明の範囲に包
含される。
【0018】本発明に用いられる炭素質粉体の平均一次
粒子径の分布は1〜200nm、好ましくは1〜50n
m、さらに好ましくは1〜30nmの範囲にあるものと
規定される。また、炭素質粉体の個々の粒子の表面積に
ついては特に制限されない。すなわち、平均一次粒子径
が小さければ必要な全表面積は大きくなるので、上記の
場合に凡そ50〜250BET−m2 /gの範囲にあり
それで十分であるが、特殊な処理をして粒子の表面積を
大きくするように加工したものを用いることは、本発明
の特徴をさらに有利にできる。
【0019】また、原料重質油に含まれる油溶性金属化
合物はアスフアルテンなどの重質油の分解と同時に分解
し、金属硫化物として炭素質粒子の上に析出する。これ
らの金属成分は主にバナジウム、ニッケル、鉄などであ
り、モリブデンよりは活性は弱いものの水素化能力があ
ることが知られている。一般の水素化触媒の場合には、
これらの金属化合物は、用いられる触媒の活性点を覆っ
てしまい、細孔を塞ぐなどのために触媒毒と見做されて
いるが、本発明によれば、これらの触媒毒と考えられて
いる金属が全く触媒毒とならないばかりか、それぞれの
金属の特性に対応して触媒作用を発揮するということで
特異性を有する。
【0020】勿論、本発明に従って触媒種として添加さ
れるモリブデン化合物(ii)は第二段反応器において
も触媒活性を持続するので、第二段反応器において第二
段反応器に充填されたものとスラリ−触媒の2種類の触
媒の相乗効果が発揮される。さらに、本発明の大きな特
徴は、このように炭素質微粒子の上に析出した原料重質
油中の金属は微細な硫化物となっているので、第二段反
応器で用いられる水素化触媒の触媒毒とならないばかり
か、上記の通り触媒機能を有し、さらにその微細な粒子
径のために(ちなみに、固定床の触媒層への堆積は10
μ以下の微小粒子によっては起こらないことが知られて
おり、本発明の場合ではコ−ク前駆体が析出したり、粒
子が凝集したとしても殆どの粒子は1μ以下である)、
固定床触媒であっても触媒上に堆積することなく、触媒
層の圧力損失を増加させることなく通過することであ
る。
【0021】さらに、本発明では、この炭素質粒子は第
二段反応器におけるコ−ク前駆体の吸着をするために、
通常は金属分を除去した後でもコ−ク前駆体による触媒
活性の著しい低下を防止しうることが明らかになり、そ
の触媒活性の持続に効果があることが分かった。従来の
技術、例えば米国特許第3,161,585号明細書お
よび同第4,134,825号明細書の記載によれば、
硫化モリブデンなどをコロイド状もしくは非コロイド状
に原料中に分散させてスラリ−触媒として用いることが
説明されている。
【0022】しかし、これらの場合には、コロイドまた
は非コロイドと記載されている触媒粒子の大きさを決定
する作用機構が不明であり、仮にコロイド状の硫化モリ
ブデンが発生したにせよ、それが凝集して大きな粒子に
なることを防ぐ手段はない。さらに、そのようなスラリ
−触媒を第二段階の固定床または沸騰床の反応器に導入
する場合には、従来から多く提案されている触媒毒とな
る原料重質油中の金属成分と同様に、第二段反応器中の
水素化触媒に付着してその機能を妨げることになる。
【0023】しかるに、本発明の方法によれば、特にカ
−ボン・ブラックを炭素質微粒子として用いた場合に
は、その粒子の形状が球状であり、かつ大きさ(平均粒
子径)が1〜30nmという特定の範囲にあるために、
触媒前駆体であるヘテロ・ポリ・モリブデン酸化合物な
どが分解して生成した硫化モリブデンが該炭素質微粒子
の規則的な微小粒子の上に析出し、生成する触媒粒子
は、極めて小さい規則的な大きさと形状を有している。
さらに、原料重質油中の金属化合物も同様に硫化物とし
て該炭素質微粒子の上にモリブデンと同時に析出するの
で、モリブデンと同じような形状と大きさを保った粒子
として存在する。
【0024】この形状と大きさの粒子は第二段反応器で
用いられる水素化触媒の活性を損なうことは全くなく、
該第二段反応器が固定床であっても圧力損失を引き起こ
すことなく、その触媒層を通過するのである。また、米
国特許第4,169,038号明細書の記載によれば、
10μ以下の平均粒径のコ−クをガス化装置から分離し
て触媒坦体として利用することが述べられている。しか
し、もとのコ−クが平均粒径が10μ以下であっても、
それをスラリ−反応に使用した後に、さらに固定床に通
した場合には、コ−クの生成や、金属の析出及び粒子の
凝集などにより、粒子が大きくなっているのでやはり問
題を生ずる恐れがある。
【0025】米国特許第4,376,037号明細書に
は、スラリ−触媒を含まないスラリ−反応の生成物を第
二段の反応ゾ−ンに通すことが開示されている。また、
米国特許第4,525,267号明細書にはスラリ−触
媒の水素化による再生の可能性が述べられているが、そ
の水素化処理に用いられる触媒に対するスラリ−触媒の
影響には言及されていない。
【0026】本発明の方法を要約すると、ヘテロ・ポリ
・モリブデン酸化合物(i)を触媒前駆体として用いた
スラリ−法により重質油の高度の分解が可能となり、か
つ超微細な炭素質粉末(ii)は触媒金属の坦体として
機能し、また原料重質油中の油溶性金属を安定な硫化物
として捕獲して第二段反応に用いられる触媒を保護する
のみならず、モリブデンと同様に触媒作用を発揮し、さ
らに該炭素質微細粒子は第二段反応に用いられる触媒の
炭素質又はコ−ク前駆体の析出による活性の低下を防止
してその触媒の寿命を著しく延長し、さらにこのスラリ
−触媒は物理的な処理方法で分離・回収しリサイクルが
可能となるのである。
【0027】以下、本発明をさらに詳細に説明する。ま
ず、本発明の方法の対象となる重質油は、その種類又は
性質に制限されることなく使用可能となる。むしろ通常
の方法で取り扱いが困難とされるような重質油、例えば
ヴェネズエラのオリノコ・タ−ル、メキシコのマヤ原油
やカナダのタ−ル・サンドの減圧残渣、溶剤脱瀝のアス
フアルトなどが容易に処理される。次に、本発明の方法
で使用する微粉体(ii)は、第一段反応器の触媒の坦
体となり、コ−ク・プレカ−サ−(前駆体)やコ−クの
装置内部への蓄積を防止する微粒子である。
【0028】すなわち、該微粉体(ii)は、特公平4
−71577号公報に開示されるように、平均粒子径が
1〜200nm、好ましくは1〜50nmの範囲の一次
粒子よりなる超微細な添加物である。これを原料重質油
中に効果的に分散させることにより、本発明の特定のモ
リブデン化合物などの触媒活性を高め、分解反応によっ
て生成するコ−クやコ−ク・プレカ−サ−を装置内に蓄
積することなしに系外に排出することが可能となる。
【0029】さらに、この超微粒子は、第一段反応器に
おける分解反応と同時に起こる、原料重質油中のバナジ
ウム、ニッケル、鉄などの油溶性金属化合物の分解によ
り発生するそれらの金属硫化物を該超微粒子の上に捕捉
し、無害化して系外に排出する機能を持っている。この
超微粉体は粒子の表面積や細孔の有無は必須条件ではな
く、粒子径が上記の範囲内であればそれで十分である。
【0030】本発明に使用される触媒前駆体のモリブデ
ン化合物は、ポリ原子としてモリブデンを含むヘテロ・
ポリ酸(以下、ヘテロ・ポリ・モリブデン酸と言う)及
びその遷移金属塩またはヘテロ・ポリ・モリブデン酸の
脂肪族アミンより選ばれる。これらのモリブデン化合物
はそれ自身が触媒ではなく、触媒前駆体であり、予熱器
及び第一段反応器の中において、それらのモリブデン化
合物が水素及び硫化水素の存在化で硫化モリブデンに変
化することにより触媒活性を示すようになる。
【0031】モリブデンを含むヘテロ・ポリ酸またはそ
の遷移金属化合物は水溶性であり、水溶液と重質油の混
合は常識的にあまり容易ではないが、炭素質粉体と同時
に、高剪断力を与えながら解砕すれば満足すべき分散状
態が得られる。一方、モリブデンを含むヘテロ・ポリ酸
の脂肪族アミンの場合には、原料にほぼ任意の割合に溶
解するので炭素質粉体さえ分散させればモリブデンは原
料中に均一に分散される。いずれにせよ、ヘテロ・ポリ
・モリブデン酸の特異な結晶構造が高分散を可能にする
重要な要因である。
【0032】原料油に加えられる触媒を構成する成分と
しての添加剤の量は、触媒前駆体モリブデンの化合物の
種類、原料重質油中のアスフアルテンの量、重質油成分
の性状、水素化分解の程度、装置の形式などにより左右
されるが、概ねモリブデン金属換算で5〜300(重
量)ppm、さらに好ましくは10〜180(重量)p
pmの範囲であり、炭素質粉体は0.02〜1.5重量
%、さらに好ましくは0.05〜1.0重量%の範囲に
なるように選定できる。ただし、これらの範囲を越え
て、多量に使用することは製品の品質、重縮合物のよう
な副製品を抑制するという観点からは好ましいので増加
させて使用することもできる。
【0033】水素化分解のための第一段反応器の温度と
圧力は用いる装置の形式により、必ずしも同一である必
要はなく、400〜500℃、100〜300kg/c
2の範囲で行われる。管式反応器を用いる場合は、温
度は高めに設定可能であり、プラグ・フロ−が実現され
るので装置はコンパクトとなり、製作、据え付けなどで
有利である。筒式反応器の場合には、逆混合が起こって
くるので反応器は大きめになり、設計上の制約から低め
の温度をとることになるが、いずれの形式も採用可能で
ある。
【0034】第一段反応器における反応が終了した後、
反応生成物の全体または一部はスラリ−触媒を含んだま
ま第二段反応器へ送り込まれる。この第二段反応器はそ
の製品の性状が要求される品質を満足するように決めら
れる各種の形式の装置と触媒が用いられる。すなわち、
沸騰床装置であっても、固定床装置であっても、またそ
れらが複数の触媒床であっても良い。
【0035】さらに本発明の方法に用いる触媒は、使用
する目的に応じて、通常用いられる水素化用触媒、例え
ばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、その他の担体にコバルト−モリブデン、コバ
ルト−タングステン、ニッケル−モリブデン、ニッケル
−タングステン、及びそれらの組み合わせ等を担持させ
たものなどが挙げることができる。これらの装置と触媒
の組み合わせは個々の原料重質油と得られるべき製品品
質を考慮して決定される。
【0036】本発明の特徴を最大に活用し、製品の品質
を最大に高めるには、第一段反応器には管式反応器を用
い、反応温度を可能な限り高くし、分解率を高め、第二
段反応器には固定床反応器を用いることが望ましい。後
者は内部に複数の触媒層を用いることができ、必要なら
ば複数の反応器を用いることも可能である。それらは上
述の通り、本発明による微小粉体により構成されるスラ
リ−触媒の通過を妨げず、二種類の触媒の相乗効果のみ
が期待できる。
【0037】通常用いられるこれらの水素化触媒に適し
た反応温度は350〜450℃と、本発明の特徴である
第一段反応器でのスラリ−触媒に用いられる温度より低
いので、第一段反応器で得られた反応物に水素または軽
質留分を添加し温度を調整し、さらに必要ならば水素/
油の比を調整した後に第二段反応器へ通す。通常には、
水素化分解の触媒毒となる原料重質油中の油溶性金属化
合物及び水素化分解の副反応で生成するコ−ク・プレカ
−サ−が第一段反応器で用いられるスラリ−触媒を構成
する微粉体、特に炭素質粉体の上に析出し、その微小な
粒径のために第二段の触媒層を閉塞することなく、第二
段反応器での水素化触媒の機能を十分に発揮させる。
【0038】さらに注目すべきことは、第一段反応器の
スラリ−触媒が第二段反応器においても高活性のモリブ
デン触媒として機能し続け、さらにその微粒子の上に硫
化モリブデンと同様に結晶性を示さないほどの微細な大
きさで析出したバナジウムなどの硫化物も触媒として機
能するので、最初に生成された硫化モリブデンの上にコ
−クまたはコ−ク・プレカ−サ−が析出することがあっ
たにせよ、全体としてはスラリ−触媒として活性を持続
し、後続の固定床または沸騰床の触媒の活性にプラスさ
れる水素化反応が起こることである。
【0039】以上のように、本発明による二段反応によ
り、通常の方法では分解と製品品質の向上が困難な重質
油の軽質化と低硫黄化、低窒素化などの品質向上のアッ
プ・グレ−デイングが可能となる。しかし、残渣にはス
ラリ−触媒が残っており、これらはその小さな粒径のた
めに通常の濾過や沈降分離などの方法では分離できず、
従って再利用も困難であった。しかしながら、モリブデ
ンやバナジウムは化合物でも弱磁性体であることに着目
し、本発明では、物理的な後処理方法として特に高勾配
磁気分離装置等を用いることにより、使用済みのスラリ
−触媒を回収することに成功した。
【0040】炭素質粉体は当然、非磁性体であるが、そ
の上にモリブデンやバナジウムが析出すると、その磁性
により付着した炭素質粉体が磁性を持つようになるの
で、磁気分離装置で分離が可能となる。また、鉄分の多
い原料重質油の場合には磁性が強くなり、使用済みのス
ラリ−触媒の回収は容易となる。従って、スラリ−触媒
を回収したあとは、必要なら固形分を含まない低硫黄重
油を生産することも可能であるし、また回収した触媒
は、蓄積した不純物を考慮して再利用することができる
など、従来技術では到達し得なかった利点を実現した。
【0041】具体的には、スラリ−触媒の回収は、まず
反応生成物からガス分を高温高圧ガス分離槽にて分離
し、軽質留分を常圧蒸留塔にて回収したのちに行う。原
料の性状、反応条件によってはコ−クの生成が多く、ま
たはコ−クと触媒微粒子が凝集し易いこともあり、その
場合にはハイドロ・サイクロンにて凝集させて大粒の触
媒を分離することも可能となる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を制限しない。ライン−
ら供給される原料重質油は、ライン−から来るメ−ク
・アップ水素とリサイクル・ガスの混合物と合流する。
それに先立ち、触媒調合装置にてカ−ボン・ブラッ
ク、ヘテロ・ポリ・モリブデン酸化合物および回収触媒
は原料重質油の一部と混合され、カ−ボン・ブラックは
十分に解砕される。これらの触媒前駆体はライン−
由で原料重質油と合流し、ガスと混合された後、予熱器
に導かれ、そこで原料及びガスの予熱に伴って触媒が
生成する。
【0043】反応が開始できる状態にされた原料重質
油、ガス、及び触媒の混合物は第一段反応器に入り、
水素化分解反応が起こる。第一段反応生成物にライン−
10にてリサイクル・ガスの一部が入り、温度と水素/
油の比の調整を行って、第二段反応器11に導かれる。
反応生成物は高圧分離槽13にてガスと液体に分離され
る。その中、ガス層は冷却されて反応器にリサイクルさ
れ、一部はオフガスとして系外へ送り出される。一方、
液体は常圧蒸留塔15にてガス、ナフサ、ガス・オイル
が回収され、触媒分離装置17にて触媒が分離された
後、減圧蒸留塔20へ送られて減圧ガス・オイルが回収
される。残渣はコ−カ−またはガス化装置へ送られるか
または燃料となる。
【0044】燃料重油を生産する場合は、減圧蒸留塔
を経ずに直接燃料油タンクへ送られる。触媒分離装置
から分離された触媒の一部はリサイクルされ、残りは金
属回収等に回される。
【0045】(実施例1)原料としてカフジ原油の減圧
残渣油(沸点520 度C以上の留分96.6%。S含有量
4.13%、N含有量0.25重量%)を用い、この中
に予め同じ原料油中にH3 〔PMo1240〕29H2
と実施例2にて回収した使用済み触媒をMo原子比で
7:3になるように添加し、電子顕微鏡による平均一次
粒子径20nmのカ−ボン・ブラック1重量%を加え、
高剪断力を生じる高速回転撹拌型分散機にて十分に混合
撹拌しておいた添加物をMo重量ppmになるように注
入し、原料を調整した。
【0046】第一段反応の水素化分解は、予熱器とし
て、6mm×5mのスパイラル状パイプを用い、反応器
には内径21mm高さ2.5mの垂直パイプを用いた。
第二段反応器としては内径25mm長さ2mの垂直円筒
型の装置を用い、触媒として1/32”Co−Mo水素
化脱硫触媒を用いた。第一段反応の条件は200kg/
cm2 、480℃であり、第二段反応器の条件は160
kg/cm2 、390℃であり、かつ第一段反応器の滞
留時間34分、第二段反応器のLHSVは1.0/時で
あった。 以下に原料及び反応生成物の性状を示す。
【0047】
【表1】
【0048】60日間のテストにおいて、第二段反応器の
触媒へのスラリ−触媒の堆積及び第二段反応における水
素化活性の低下は認められなかった。 (比較例1)やしがら活性炭を粉砕し、分級して平均粒
子径25μの微粒子を準備した。これを実施例1のカ−
ボン・ブラックの代わりに用い、それ以外は全く同じ条
件で実験を行った。9時間の後、第二段の触媒層の差圧
が4kg/cm2 となり実験を打ち切った。
【0049】(比較例2)第一段反応の生成物を、一旦
気液分離し、液体からスラリ−触媒をろ過分離して、炭
素質微細粒子を含まない液体を第二段反応装置に実施例
1と同じ条件で通した。第二段水素化触媒の脱硫活性は
およそ80重量%で、24時間安定を保った後に、脱硫
率は平均1%/日の割合で低下し続け、4日後にテスト
を打ち切った。
【0050】(実施例2)図1に示される触媒分離装置
として用いられる高勾配磁気分離装置17は実験に用い
る研究用設備では能力的に上流の設備と合わないので、
常圧蒸留塔15の残渣を容器に蓄えておき、間欠的に以
下の条件で磁気分離操作を行った。 磁場強度 : 10キロ・ガウス 温度 : 200℃ 充填物 : フエライト系スチ−ル・ウ−ル 回収率 : 74% 供給油中のV+Ni=507(重量)ppm、 処理油中のV+Ni=132(重量)ppm、
【0051】
【発明の効果】実施例1と比較例の結果から明らかなよ
うに、本発明の方法によると、固定床反応器の触媒にス
ラリ−触媒の堆積が起こらない。また、固定床触媒の活
性が長期にわたって維持された。従って、通常は硫黄
分、窒素分、金属分などが多い重質油の高度の分解と分
解製品の高度の水素化処理による、高品質の石油製品を
得る技術が本発明により確立されたと言える。
【0052】さらに、スラリ−触媒の回収は金属資源の
保護および環境保護の観点から重要なものである。石油
資源が先細りであり、重質、超重質原油の比率が高まる
将来の石油産業に本発明が果たす役割は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に従う水素化分解、水素化処理及
びスラリ−触媒の回収とリサイクルの概要を示すフロ−
・シ−トである。
【符号の説明】
7 予熱器 9 第一段反応器 11 第二段反応器 13 高圧分離槽 15 常圧蒸留塔 17 高勾配磁気分離装置 20 減圧蒸留塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 47/02 2115−4H 47/26 2115−4H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)第一段反応器に(i)ポリ原子と
    してモリブデン原子を含有するヘテロポリ酸およびその
    遷移金属塩から選ばれる少なくとも一種のモリブデン化
    合物と、(ii)1〜1,000nmの範囲の平均一次
    粒子径を有する微粉体と、を触媒として水素の存在化で
    重質油の熱分解を行い、(b)その反応生成物をそのま
    ま、又は水素或いは軽質留分を添加し温度、水素/油の
    比その他の条件を調整した後、水素化触媒を充填した第
    二段反応器に通し、分解製品の水素化、脱硫、脱窒素な
    どの反応を行わせ、(c)第一段反応器に使用した触媒
    (以下スラリ−触媒と言う)を物理的な処理方法で回収
    して再使用し、得られた軽質留分を蒸留分離して製品と
    し、残渣を燃料油とすることを特徴とする、重質油の分
    解・水素化処理方法。
  2. 【請求項2】 微粉体(ii)が1〜200nmの範囲
    にある平均一次粒子径を有する炭素質であることを特徴
    とする、請求項1記載の重質油の分解・水素化処理方
    法。
  3. 【請求項3】 モリブデン化合物(i)が水溶性化合物
    であることを特徴とする、請求項1記載の重質油の分解
    ・水素化処理方法。
  4. 【請求項4】 モリブデン化合物(i)が式(1) : 【化1】 〔(R1 )(R2 )(R3 )NH〕x y 〔A〕 ・・・(1) (ただし、上式でR1 は10〜46の炭素数の脂肪族炭
    化水素基であり、R2、R3 はそれぞれ独立に炭素数1
    〜46の脂肪族炭化水素基であり、Aはモリブデンを含
    むヘテロポリ基であり、Xは3〜14の整数、Yは0〜
    11の整数である)で表現されることを特徴とする、請
    求項1記載の重質油の分解・水素化処理方法。
  5. 【請求項5】 スラリ−触媒の物理的回収方法が高勾配
    磁気分離装置であるか、或いはハイドロ・サイクロンと
    濾過との組み合わせ又はそれらのいずれかであることを
    特徴とする、請求項1記載の重質油の分解・水素化処理
    方法。
  6. 【請求項6】 第一段の反応器が管式或いは筒型のいず
    れかであることを特徴とする、請求項1記載の重質油の
    分解・水素化処理方法。
  7. 【請求項7】 第二段の反応器が沸騰床或いは固定床の
    いずれかであることを特徴とする、請求項1記載の重質
    油の分解・水素化処理方法。
  8. 【請求項8】 第一段の反応温度が400〜500℃
    で、第二段の反応温度が350〜450℃の範囲であ
    り、反応圧力が100〜300×105 ・パスカルであ
    ることを特徴とする、請求項1記載の重質油の分解・水
    素化処理方法。
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