JP4557317B2 - ポリエチレン樹脂製多孔性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

ポリエチレン樹脂製多孔性フィルム及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用セパレーター、精密濾過膜などの分離膜、透気性ジャンバーなどの衣料品、オムツ、生理用品などの衛生用品等として有用な多孔性フィルムに関するものである。詳しくは、適度な表面粗度を有する多孔性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多孔性フィルム(シートを含む)は、各種用途に広く使用され、かかる多孔性フィルムの製造方法についても種々の提案がなされている。例えば、電池用セパレーター(バッテリー・セパレーター)として使用するための多孔性フィルムの製造方法としては、ポリエチレンと可塑剤からなる樹脂組成物からフィルムを溶融成形し、次いで、該フィルムに含まれる可塑剤を有機溶媒で溶解除去する方法(特公昭60−23130号公報)、ポリエチレンを有機溶媒に溶解させた液からシートを成形し、該シート中の溶媒含有量を調整してから、延伸し、次いで、残留溶媒を除去する方法(特公平5−54495号公報)、あるいは、ポリエチレン、有機液体及び無機微粉体からなる樹脂組成物からフィルムを成形し、該フィルムに含まれる有機液体と無機微粉体を抽出除去する方法(特公昭60−23130号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる多孔性フィルムの大きな用途として、非水電解液電池用セパレーターがある。そして、近年、該電池の高度化を目的として、多孔性フィルムの表面をある程度粗面化させたいという要望がある。多孔性フィルムの表面を粗面化することにより、該フィルムを非水電解液セパレータとして用いたときに、電解液の保液量が増大し、電池の高容量化に好適であると共に、フィルムのすべり性が向上して電池の捲回加工時のハンドリング性が好適となる。
【0004】
ここで言う粗面化の一般的指標として、JIS−B−0601記載の方法により測定された多孔性フィルム表面の最大高さ(Rmax)値があるが、従来からの電池セパレータ用多孔性フィルムの場合、Rmax値が通常1〜2μm程度の範囲にある。また、表面に微細粒子や短繊維を付着させる等の公知のフィルム粗面化技術を多孔性フィルムに適用しようとすると、面強度、シャットダウン特性等の、電池用セパレータとして必須の物性要件が損なわれるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、電池用セパレーターとしての必須の物性要件を損なうことなく、フィルム表面をある程度粗面化した、電池用セパレーターとして好適な多孔性フィルムの製造について鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂99〜60重量%に対し、粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂1〜40重量%とを混合し、140〜240℃の温度で、超高分子量ポリエチレン樹脂が高分子量ポリエチレン樹脂とは完全には相溶せず、粒子形状を保持したままとなる結果、超高分子量ポリエチレン樹脂の粒子がフィルム表面において凹凸を形成し、フィルム表面が粗面化される条件でフィルム状に溶融押出成形後、該フィルムに含まれる可塑剤を除去して、厚さ5〜50μm、透気度10〜1000秒/100cc、ピン刺強度200gf/25μm以上、表面粗度が最大高さ(Rmax)値として3μm以上の特性を有するポリエチレン樹脂製多孔性フィルム製造する方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を更に詳細に説明する。本発明の多孔性フィルムの主要部分を構成する高分子量ポリエチレンとしては、粘度平均分子量30万以上100万未満のポリエチレン樹脂が用いられる。分子量30万未満では十分な強度を得ることが困難であり、また、分子量100万以上では延伸による配向内部応力が大きくなり、耐熱性が低下する傾向があるので好ましくない。なお、かかる粘度平均分子量はASTM D4020に準拠して測定される。
【0008】
本発明の多孔性フィルムにおける高分子量ポリエチレン樹脂は単一のものに限定されず、ブレンド後の分子量が左記の範囲内であれば複数グレードのポリエチレンのブレンド物も用いることができる。また、本発明で規定する物性を損なわない範囲においては、必要に応じて、ポリエチレンワックス(分子量が通常1000〜5000)、ポリブテン−1(分子量が通常400万以下)、ポリプロピレン(分子量が通常400万以下)などをポリエチレンに対して通常50重量%以下の範囲で添加してもよい。
【0009】
本発明では、上記高分子量ポリエチレン樹脂に対し、超高分子量ポリエチレン樹脂を添加する。超高分子量ポリエチレン樹脂は粒子状であり、高分子量ポリエチレン樹脂に添加混合してフィルム加工しても、フィルム加工を通じ高分子量ポリエチレン樹脂とは完全には相溶せず、粒子形状を保持したままである。その結果、超高分子量ポリエチレン樹脂の粒子がフィルム表面において凹凸を形成し、フィルム表面の粗面化が実現される。なお、ここで言う粒子形状の保持とは、粒子形状の形跡が残り、高分子量ポリエチレンとの完全溶融物とならないことを指し、超高分子量ポリエチレン樹脂の粒子形状がそのまま残ることを意味するものではない。
【0010】
本発明において使用される超高分子量ポリエチレン樹脂としては、粘度平均分子量が200万以上、好ましくは400万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂粉末が使用される。粘度平均分子量が200万を下回ると、前述の高分子量ポリエチレン樹脂との相溶性が高くなり、粒子形状を保持して、最終膜表面を凹凸化させる効果が損なわれる。
【0011】
高分子量ポリエチレン樹脂と超高分子量ポリエチレン樹脂の混合比率は、高分子量ポリエチレン樹脂99〜80重量%、超高分子量ポリエチレン樹脂1〜40重量%が適当である。超高分子量ポリエチレンの量が1重量%を下回ると表面の凹凸化の効果が損なわれ、40重量%を上回ると、組成物全体の粘度が高くなり、成形加工が困難になる恐れがある。
【0012】
また、ポリエチレン樹脂成分と併用する可塑剤としては、上記高分子量ポリエチレン樹脂との相溶性が良く、しかも該ポリエチレン樹脂の融点より低い融点及び該ポリエチレン樹脂の溶融温度より高い沸点を有し、かつ、ポリエチレン樹脂不溶性の有機溶媒に可溶な物質が好適に用いられ、例えば、ステアリルアルコール、セリルアルコールなどの高級脂肪族アルコール、n−デカン、n−ドデカンなどのn−アルカン類、パラフィンワックス、流動パラフィン、灯油等が挙げられる。また、押出成形時の原料ハンドリングの簡便性を考慮すると、可塑剤としては常温固体のものが好適に用いられる。
【0013】
高分子量ポリエチレン樹脂と可塑剤との使用割合は、目的とするフィルムの多孔度によるが、高分子量ポリエチレン樹脂が通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%で、可塑剤が通常95〜40重量%、好ましくは90〜50重量%の範囲から選ばれる。
【0014】
なお、本発明においては、このような割合で高分子量ポリエチレン樹脂、可塑剤及び超高分子量ポリエチレン樹脂、更に、必要に応じて前記ポリブテン−1等を含む原料組成物に対し、公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤などを、0.01〜5重量%程度の範囲で添加してもよい。
以上のような原料成分を用いてなる本発明の多孔性フィルムの好適な製造方法としては、以下の3つの方法が挙げられる。
【0015】
(第1の方法)
高分子量ポリエチレン樹脂、可塑剤及び超高分子量ポリエチレンを含有する樹脂組成物をフィルム状に溶融押出成形後、該フィルムに含まれる可塑剤を除去する方法。
(第2の方法)
(1)高分子量ポリエチレン樹脂及び可塑剤を含有する樹脂組成物と、(2)高分子量ポリエチレン樹脂、可塑剤及び超高分子量ポリエチレン樹脂を含有する樹脂組成物を、フィルム状に溶融押出成形時、あるいは溶融押出成形後に、積層した後、該積層フィルムに含まれる可塑剤を除去する方法。
【0016】
(第3の方法)
(2)高分子量ポリエチレン樹脂及び可塑剤を含有する樹脂組成物と、(2)高分子量ポリエチレン樹脂、可塑剤及び超高分子量ポリエチレン粒子を含有する樹脂組成物を、各々フィルム状に溶融押出成形後に、各々のフィルムに含まれる可塑剤を除去した後、積層する方法。
【0017】
上記の第1の製造方法においては、上記原料組成物を、公知の一軸又は二軸の押出機で均一に混練して溶融押出成形する。押出機としては、押出量、押出安定性、混練強度の点から二軸の押出機が好適に使用される。押出成形は、通常140〜240℃の温度で実施され、Tダイ、インフレーション成形等の公知の方法で、通常、10μm〜1mmの厚さの原反フィルムを成形する。なお、この時のフィルム厚みは、後工程での厚み変化および最終的に得ようとする厚みから勘案して、任意に設定することができる。
【0018】
得られたフィルム中から可塑剤を除去して多孔化する。可塑剤の除去方法としては、例えば、フィルム中の可塑剤をイソプロパノール、エタノール、ヘキサンなどの有機溶媒で溶解し、溶媒置換により抽出除去する、所謂、公知の有機溶媒法が挙げられる。
また、必要に応じ、可塑剤除去の前、あるいは除去後に、その機械的強度向上のために一軸又は二軸延伸を行うことができる。延伸に際してはロール延伸機、テンター等の公知の任意の延伸装置を用いることができる。一軸延伸に関しては縦延伸、横延伸のいずれを選択することもできる。また、二軸延伸に関しては逐次二軸延伸、同時二軸延伸のいずれも可能である。
【0019】
更に、必要に応じ、上記のようにして多孔化したフィルムに対し、熱寸法安定性を付与するため、熱処理を行うことも可能である。熱処理は、加熱ロールによる接触加熱、オーブン中での空気中加熱、等、公知の任意の方法で行うことができる。また、前述の延伸装置を転用することも可能である。熱処理温度は、ポリエチレンの融点未満の任意の温度で行うことができるが、好ましくは110℃以上ポリエチレンの融点未満、より好ましくは110℃以上125℃以下とする。また、熱処理に際しては、最終的な多孔性フィルムの物性を損なわない範囲で、延伸処理を行っても構わない。延伸の方法としては、前述の、縦方向、横方向の積極的な延伸はもちろん、流れ方向、幅方向を拘束しフィルムの加熱収縮を阻害することで延伸効果を付与する、いわゆる消極的延伸も用いることができる。
【0020】
次に、前記の第2、第3の方法においても、第1の方法と同様に、押出成形、可塑剤の除去、更に、必要に応じて延伸、熱処理の工程が実施されるが、第2、第3の方法の場合は、超高分子量ポリエチレン粒子を含む層と、超高分子量ポリエチレン樹脂を含まない層を積層させる工程を含む。積層においては、超高分子量ポリエチレン樹脂を含む層が少なくとも一方の表面、好ましくは両方の表面となるように、積層するのが適当である。積層にあたっては、押出成形時の溶融樹脂状態での共押出法、あるいは、押出冷却後に積層する方法、多孔化後に積層する方法のいずれも用いることができる。
【0021】
以上のような方法で製造される本発明の多孔性フィルムは5〜50μm、好ましくは15〜35μmの厚みを有する。また、透気度はJIS P8117に準拠して測定した値で10〜1000秒/100cc程度である。例えば本多孔性フィルムを電池セパレーターとして用いる場合、透気度の値が1000秒/100ccを超えると抵抗が大きくなり、電池としての所望の性能が得られない恐れがある。
【0022】
また、本発明の多孔性フィルムは、日本農林規格告示1019号に準じて測定(ピン径1mmφ,先端部0.5R,ピン刺速度300mm/min)したピン刺し強度値で、200gf/25μm膜厚以上である。
以上の物性値は、例えば、電池用セパレータ用の多孔性フィルムとして好適な物性範囲にあるが、本発明の多孔性フィルムは、これらを満たした上で、フィルム表面の最大高さ(Rmax)の値が、3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上である。なお、上限は特に制限はないが、通常20μm以下である。
【0023】
また、多孔性フィルムを電池用セパレーターとして用いる場合、幅方向の熱収縮率が低い方が一般的に好ましいことが知られているが、本発明の多孔性フィルムの幅方向熱収縮率は通常10%以下、好ましくは5%以下であり、電池用セパレーターとして実用可能な熱収縮率を示す。なお、熱収縮率の測定は、105℃に設定した熱風オーブン中に1時間放置後、冷却した多孔性フィルムの寸法を測定し、加熱前後の寸法変化から算出する。
【0024】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定をされるものではない。
実施例1
粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂8重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂16重量部(前記両者の混合組成物の粘度平均分子量はおよそ80万となる)、パラフィンワックス(平均分子量389)76重量部、および粘度平均分子量570万の超高分子量ポリエチレン樹脂(平均粒径150μm)10重量部の混合物を、40mmφ二軸押出機を用い押出温度170℃、押出量10kg/hで押出し、インフレーション法で原反フィルムを成形した。
【0025】
得られた原反フィルムをロール延伸機を用い、40℃にて縦方向に2.5倍延伸後、テンタ延伸機にて110℃の温度にて横方向に8倍延伸した。
得られたフィルムを60℃のイソプロパノール中に浸漬して、パラフィンワックスを抽出除去した。
得られたフィルムをロール延伸機を用い、115℃の温度で熱固定を行った。熱固定に際しては、ロール速比を調整し、縦方向の延伸倍率が1.2倍となるようにした。得られた25μmの多孔性フィルムの物性を表−1に示す。
【0026】
実施例2
粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂8重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂16重量部(前記両者の混合組成物の粘度平均分子量はおよそ80万となる)、およびパラフィンワックス(平均分子量389)76重量部の混合物、並びに、粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂8重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂16重量部、パラフィンワックス76重量部、および粘度平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン粒子(平均粒径30μm)15重量部の混合物を、各々40mmφ二軸押出機を用い押出温度170℃、押出量10kg/hで押出し、インフレーション法で2種の原反フィルムを成形した。
【0027】
得られた2種の原反フィルムをロール延伸機入口にて積層した後、40℃にて縦方向に2.5倍延伸後、テンタ延伸機にて110℃の温度にて横方向に8倍延伸した。この時、中心部に超高分子量ポリエチレン粒子を含まない層を配し、両外側に超高分子量ポリエチレンを含む層を配す2種3層構成とした。
得られたフィルムを60℃のエタノール中に浸漬して、パラフィンワックスを抽出除去した。
【0028】
得られたフィルムをロール延伸機を用い、115℃の温度で熱固定を行った。熱固定に際しては、ロール速比を調整し、縦方向の延伸倍率が1.2倍となるようにした。得られた25μmの多孔性フィルムの物性を表−1に示す。
【0029】
実施例3
粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂18重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂6重量部(前記両者の混合組成物の粘度平均分子量はおよそ60万となる)、およびパラフィンワックス(平均分子量389)76重量部の混合物、並びに、粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂18重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂6重量部、パラフィンワックス76重量部、および粘度平均分子量340万の超高分子量ポリエチレン樹脂(平均粒径150μm)10重量部の混合物を、各々40mmφ二軸押出機にて混練し、共押出により押出温度170℃、押出量10kg/hで押出し、Tダイ法で原反フィルムを成形した。この時、中層が超高分子量ポリエチレン樹脂を含まない層、両外層が超高分子量ポリエチレン樹脂を含む層の構成の、2種3層構成とした。
【0030】
得られた原反フィルムをロール延伸機を用い、40℃にて縦方向に2.5倍延伸後、テンタ延伸機にて110℃の温度にて横方向に8倍延伸した。
得られたフィルムを60℃のイソプロパノール中に浸漬して、パラフィンワックスを抽出除去した。
得られたフィルムをロール延伸機を用い、115℃の温度で熱固定を行った。
熱固定に際しては、ロール速比を調整し、縦方向の延伸倍率が1.2倍となるようにした。得られた25μmの多孔性フィルムの物性を表−1に示す。
【0031】
実施例4
粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂18重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂6重量部(前記両者の混合組成物の粘度平均分子量はおよそ60万となる)、およびパラフィンワックス(平均分子量389)76重量部の混合物、並びに、粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂18重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂6重量部、パラフィンワックス76重量部、および粘度平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン樹脂(平均粒径30μm)10重量部の混合物を、各々40mmφ二軸押出機を用い押出温度170℃、押出量10kg/hで押出し、Tダイ法で2種の原反フィルムを成形した。
【0032】
得られた2種の原反フィルムを各々、二軸延伸機を用い、110℃にて縦方向に3倍、横方向に8倍延伸した。
得られた2種のフィルムを60℃のエタノール中に浸漬して、パラフィンワックスを抽出除去した。
得られた2種のフィルムをロール延伸機入口で積層し、115℃の温度で熱固定を行った。この時、中心部に超高分子量ポリエチレン樹脂を含まない層を配し、両外側に超高分子量ポリエチレン樹脂を含む層を配す、2種3層構成とした。
熱固定に際しては、ロール速比を調整し、縦方向の延伸倍率が1.2倍となるようにした。得られた25μmの多孔性フィルムの物性を表−1に示す。
【0033】
比較例1
粘度平均分子量50万のポリエチレン樹脂8重量部、粘度平均分子量100万のポリエチレン樹脂16重量部(2つの混合組成物の粘度平均分子量はおよそ80万となる)、およびパラフィンワックス(平均分子量389)76重量部の混合物を、40mmφ二軸押出機を用い押出温度170℃、押出量10kg/hで押出し、インフレーション法で原反フィルムを成形した。
【0034】
得られた原反フィルムをロール延伸機を用い、40℃にて縦方向に2.5倍延伸後、テンタ延伸機にて110℃の温度にて横方向に6倍延伸した。
得られたフィルムを60℃のイソプロパノール中に浸漬して、パラフィンワックスを抽出除去した。
得られたフィルムをロール延伸機を用い、115℃の温度で熱固定を行った。
熱固定に際しては、ロール速比を調整し、縦方向の延伸倍率が1.2倍となるようにした。得られた25μmの多孔性フィルムの物性を表−1に示す。
【0035】
【表1】
表−1
Figure 0004557317
【0036】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明は、電池セパレーターとして適当な面強度、透気度を保持しつつ、粗面化されたポリエチレン樹脂製多孔性フィルムを提供する。

Claims (3)

  1. 粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂、可塑剤及び粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂を含有する樹脂組成物であって、粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂99〜60重量%に対し、粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂1〜40重量%を混合してなる樹脂組成物、140〜240℃の温度で、超高分子量ポリエチレン樹脂が高分子量ポリエチレン樹脂とは完全には相溶せず、粒子形状を保持したままとなる結果、超高分子量ポリエチレン樹脂の粒子がフィルム表面において凹凸を形成し、フィルム表面が粗面化される条件でフィルム状に溶融押出成形後、該フィルムに含まれる可塑剤を除去することを特徴とする、厚さ5〜50μm、透気度10〜1000秒/100cc、ピン刺強度200gf/25μm以上、表面粗度が最大高さ(Rmax)値として3μm以上の特性を有するポリエチレン樹脂製多孔性フィルムの製造方法。
  2. (1)粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂及び可塑剤を含有する樹脂組成物と、(2)粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂、可塑剤及び粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂を含有する樹脂組成物であって、粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂99〜60重量%に対し、粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂1〜40重量%を混合してなる樹脂組成物を、140〜240℃の温度で、超高分子量ポリエチレン樹脂が高分子量ポリエチレン樹脂とは完全には相溶せず、粒子形状を保持したままとなる結果、超高分子量ポリエチレン樹脂の粒子がフィルム表面において凹凸を形成し、フィルム表面が粗面化される条件でフィルム状に溶融押出成形時あるいは溶融押出成形後に、積層した後、該積層フィルムに含まれる可塑剤を除去することを特徴とする、厚さ5〜50μm、透気度10〜1000秒/100cc、ピン刺強度200gf/25μm以上、表面粗度が最大高さ(Rmax)値として3μm以上の特性を有するポリエチレン樹脂製多孔性フィルムの製造方法。
  3. (1)粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂及び可塑剤を含有する樹脂組成物をフィルム状に溶融押出成形し、(2)粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂、可塑剤及び粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂を含有する樹脂組成物であって、粘度平均分子量30万以上100万未満の高分子量ポリエチレン樹脂99〜60重量%に対し、粘度平均分子量200万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂1〜40重量%を混合してなる樹脂組成物を、140〜240℃の温度で、超高分子量ポリエチレン樹脂が高分子量ポリエチレン樹脂とは完全には相溶せず、粒子形状を保持したままとなる結果、超高分子量ポリエチレン樹脂の粒子がフィルム表面において凹凸を形成し、フィルム表面が粗面化される条件でフィルム状に溶融押出成形後、各々のフィルムに含まれる可塑剤を除去した後、積層することを特徴とする、厚さ5〜50μm、透気度10〜1000秒/100cc、ピン刺強度200gf/25μm以上、表面粗度が最大高さ(Rmax)値として3μm以上の特性を有するポリエチレン樹脂製多孔性フィルムの製造方法。
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