JP4556421B2 - 光制御素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、光スキャナデバイスあるいはバーコードリーダなどに用いることができる光制御素子の製造方法に関する。
近年、光スキャナデバイスあるいはバーコードリーダなどに用いる光制御素子の分野では、シリコン基板の表面に二酸化ケイ素(SiO2 )などの酸化層およびシリコン薄膜をこの順に積層したいわゆるSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造する技術が研究されている(例えば、特許文献1参照。)。このような光制御素子としては、例えば、1枚のSOI基板を加工することによりシリコン薄膜から反射部材を形成すると共に、シリコン基板などから固定部材を形成し、反射部材を固定部材に対して変位可能に配設したいわゆるマイクロミラーと言われるものが知られている。この光制御素子では、反射部材について高い平坦性が求められるが、SOI基板を用いて製造することにより、比較的平坦性の高いものを得ることができる。
特開2002−250886号公報
しかしながら、このようにSOI基板を用いた光制御素子においても、製造工程において用いるレジスト膜による応力、あるいは液体エッチャントの表面張力などにより、反射部材に歪み、あるいは反りなどの変形が生じてしまったり、更には破損してしまったりする場合があるという問題があった。また、反射部材を構成するシリコン薄膜は赤色の光および赤外線に対する反射率が低いので、通常、反射部材にはそれらの反射率を高めるために金属などよりなる反射膜が設けられるが、この反射膜によっても残留応力が発生し、反射部材に歪み、あるいは反りなどが生じてしまうという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、残留応力の影響を小さくし、反射部材の平坦性を向上させることができる光制御素子の製造方法を提供することにある。
本発明による光制御素子の製造方法は、反射部材が固定部材に対して支持部材により変位可能に配設された光制御素子を、保持基板の表面に酸化層および半導体薄膜が順に積層された基板を用いて製造するものであって、半導体薄膜のうち反射部材の形成予定領域を残して他の少なくとも一部を選択的に除去し、支持部材の形成予定領域に不純物を添加した半導体材料よりなる通電層を形成し、保持基板および酸化層のうち固定部材の形成予定領域を残して他の少なくとも一部を選択的に除去して反射部材および固定部材を形成し、通電層の裏側に通電層よりも熱膨張率の高い材料よりなる膨張層を形成して支持部材を形成する工程を含み、保持基板を選択的に除去する際に、複数回に分けて異なる方法で行い、少なくとも最後の工程は、冷却しなくても半導体薄膜が100℃以上に加熱されない方法により行い、支持部材を反射部材に対して2個または3個以上、回転対称に配置し、各支持部材に、反射部材に対して互いに異なる位置で取り付けられた反射部材取付部と、この反射部材取付部から反射部材の周囲を囲むように延長された延長部とを設けるものである。
本発明による光制御素子の製造方法によれば、反射部材に対して互いに異なる位置で取り付けられた支持部材を2個、回転対称に配置するようにしたので、支持部材による残留応力が一部にかたよって発生することを抑制することができ、反射部材の平坦性を向上させることができる。よって、高い精度で光を制御することができる。
本発明による光制御素子の製造方法によれば、反射部材に対して互いに異なる位置で取り付けられた支持部材を3個以上、回転対称に配置するようにしたので、反射部材を二次元方向に変位させることができ、かつ、支持部材による残留応力が一部にかたよって発生することを抑制することができ、反射部材の平坦性を向上させることができる。よって、高い精度で光を二次元方向に制御することができる。
本発明による光制御素子の製造方法では、保持基板を選択的に除去する際に、複数回に分けて異なる方法で行うようにしたので、保持基板を選択的に除去する際に用いるレジスト膜による応力などにより、反射部材に歪み、あるいは反りなどの変形が生じてしまったり、更には破損してしまったりすることを抑制することができる。
また、保持基板を選択的に除去する少なくとも最後の工程を、冷却しなくても半導体薄膜が100℃以上に加熱されない方法により行うようにしたので、高い効果を得ることができる。

また、酸化層を選択的に除去する前に、固定部材の形成予定領域と反射部材の形成予定領域とを部分的につなぐ連結部材を形成し、反射部材および固定部材を形成したのちに連結部材を切断するようにすれば、酸化層を選択的に除去する際に用いる液体エッチャントの表面張力などにより、反射部材に歪み、あるいは反りなどの変形が生じてしまったり、更には破損してしまったりすることを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る光制御素子の断面構造を表すものである。この光制御素子は、例えば1次元のバーコードを読み取るバーコードリーダにおいてレーザ光を走査するために用いられるものであり、変位可能な反射部材10と、反射部材10に設けられた反射膜20とを備えている。反射部材10は、固定部材30に対して支持部材40により固定されている。
反射部材10は、変位によりレーザ光の反射方向を変更するものであり、例えば、反射膜20の積層方向における厚み(以下、単に「厚み」という)が6μmであり、シリコン(Si)などの半導体材料により構成されている。反射部材10は、例えば、シリコンなどよりなる保持基板の表面に、二酸化シリコン(SiO2 )などよりなる酸化層およびシリコンなどよりなる半導体薄膜が順に積層された基板、いわゆるSOI(Silicon On Insulator)基板などを加工することにより形成されたものである。具体的には、反射部材10は、SOI基板から保持基板および酸化層を除去した半導体薄膜により構成されている。このようにSOI基板を用いれば、半導体薄膜の内部応力を小さくすることができるので、反射部材10に撓みが生じることがなく、反射部材10の平坦性を高めることができるので好ましい。
反射膜20は、反射部材10のレーザ光が入射する面に設けられ、反射部材10の反射率、特に赤または赤外領域における反射率を高めるものである。反射膜20は、例えば、アルミニウム(Al)または金(Au)などの金属材料により構成されており、中でも金により構成されることが好ましい。金は、赤あるいは赤外領域における反射率が特に高いからである。
反射膜20の厚みは、500nm以下とされている。反射膜20の厚みが500nmよりも厚いと、製造工程で加えられる熱により反射膜20に生じた残留応力などの影響が大きくなり、反射部材10が撓んでしまうおそれがあるからである。例えば、反射膜20がアルミニウムにより構成されている場合、製造工程において200℃以上の熱にさらされると200MPa以上の圧縮応力を持つようになり、反射膜20の厚みが500nmよりも厚くなると、その圧縮応力が顕著に影響してくるからである。
更に、反射膜20の厚みは、100nm以下であればより好ましい。反射膜20の残留応力が極めて小さくなるので、反射部材10の撓みを極めて小さくすることができるからである。
表1および図2は、厚み6μmのシリコンよりなる反射部材10にアルミニウムよりなる反射膜20を設け、200℃で5秒間以上熱した後における反射部材10の撓みを計測したシミュレーション結果を表している。反射膜20の厚みは、40nm,100nm,200nm,300nm,400nmおよび500nmと変化させた。このように、反射膜20の厚みが大きくなるほど反射部材10の撓みが大きくなるが、500nm以下とすれば、反射部材10の撓みを1.3μm以下と実用に十分耐え得る程度に小さくできることが分かる。また、反射膜20の厚みを100nm以下とすれば、反射部材10の撓みを0.3μm以下と高い精度で光を制御することができることが分かる。
Figure 0004556421
また、反射膜20の厚みは、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であればより好ましい。反射膜20が薄すぎると反射率が低下してしまい、また剥がれなど、膜としての安定性にも欠けてしまうからである。表2および図3は、表1および図2と同様に厚み6μmのシリコンよりなる反射部材10にアルミニウムよりなる反射膜20を設けた場合における反射膜20の厚みと波長550nmの光に対する反射率との関係を表すものである。このように、反射膜20の厚みが30nm以上であれば90%以上の十分な反射率が得られ、40nm以上であればそれ以上厚みを厚くしても反射率はそれほど変わらないことが分かる。
Figure 0004556421
固定部材30は、反射部材10と共に同一のSOI基板から形成されたものである。具体的には、固定部材30は、SOI基板から半導体薄膜が除去されたシリコン基板および酸化層に必要に応じて他の膜が形成された構造を有している。
支持部材40は、1枚のSOI基板から反射部材10および固定部材30を形成する工程において形成されたものである。支持部材40は、例えば、熱膨張率の異なる複数の層、例えば通電層41と膨張層42とを積層した構造を有しており、通電層41と膨張層42との熱膨張率の差を利用して反射部材10を矢印A方向に変位させることができるようになっている。反射部材10の振れ角は例えば25°であり、光学的には50°である。通電層41の上には、例えばアルミニウムよりなる電極パッド44が設けられている。
通電層41は、通電により加熱するためのものであり、例えば、厚みが1μm程度であり、リン(P)などの不純物を添加した多結晶シリコンにより構成されている。
膨張層42は、例えば、厚みが1.2μm程度であり、金属材料により構成されている。金属材料としては、例えば、アルミニウムまたは金が好ましい。中でもアルミニウムは、熱膨張係数が23×10-6/Kであり、通電層41を構成する多結晶シリコンの熱膨張係数が2.3×10-6/Kであるのに対して10倍程度大きく、また、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems;微小電気機械システム)あるいは半導体プロセスにおいて標準的に使われている材料であり、扱いやすいので好ましい。また、金は、変質しにくいので好ましい。
通電層41と膨張層42との間には、窒化シリコン(Si3 4 )などよりなる絶縁膜43が設けられている。絶縁膜43は、例えば厚みが200nmとされている。なお、絶縁膜43は必ずしも設けられていなくてもよい。
図4は、図1に示した光制御素子を反射膜20の側から見た構成を表している。支持部材40は、反射部材10の一方の側に延長して設けられ、反射部材10は、支持部材40の延長方向(矢印Bで示した方向)に長くなっている。このようにすれば、反射部材10が変位する際の回転軸心が反射部材10の外側にあるために反射部材10の変位に伴ってレーザ光の入射位置がずれてもレーザ光が反射部材10から外れないので好ましい。また、反射部材10の幅を小さくして光制御素子を小型化・薄型化することができるので好ましい。
反射部材10の中心を通る長さD1,D2は、600μm以上であることが好ましい。図5に示したように、反射部材10と対象物との距離Lおよびレーザ光の絞り限界dから、反射部材10の位置におけるレーザ光の径は約0.6mmより大きいことが必要であり、したがって、反射部材10の最短寸法Dも約0.6mmより大きいことが必要であるからである。すなわち、反射部材10の最短寸法Dは数1により与えられ、例えばバーコードリーダの場合には、対象物であるバーコードと反射部材10との距離Lは100mm程度、レーザ光は約250μmに絞る必要があることから、レーザ光の波長λを650nmとすると、数1から反射部材10の最短寸法Dは0.63mmとなる。
(数1)
NA=1.22×λ/d
NA=D/(2×L)
(式中、Dは反射部材10の最短寸法、λは入射する光の波長、dは絞り限界、Lは対象物と反射部材10との距離をそれぞれ表す。)
支持部材40は2個設けられており、各支持部材40における各通電層41は互いに電気的につながっている。なお、支持部材40は、必ずしもV字形に限られず平行になっていてもよい。
この光制御素子は、例えば、次のようにして製造することができる。
図6はこの光制御素子の製造方法の流れを表すものであり、図7ないし図13はその工程を順に表すものである。まず、図7(A)に示したように、厚みが例えば625μmのシリコンよりなる保持基板51の表面に、厚みが例えば1μmの二酸化シリコンよりなる酸化層52および厚みが例えば6μmのシリコンよりなる半導体薄膜53が順に積層されたSOI基板50を用意し、このSOI基板50の裏面に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition ;化学的気相成長)法により、例えば厚みが300nmの二酸化シリコンよりなる酸化膜61を形成する。なお、図7(A)にも示したように、酸化膜61はSOI基板50の表面にも形成される。
次いで、図7(B)に示したように、SOI基板50の裏面に、例えばエッチングにより、アライメントマーク62を形成する。続いて、図7(C)に示したように、SOI基板50の表面の酸化膜61を除去して、半導体薄膜53を露出させる。
続いて、図7(D)に示したように、例えばディープRIE法により、反射部材10の形成予定領域10Aを残して、SOI基板50の半導体薄膜53を選択的に除去する(ステップS101)。
半導体薄膜53を選択的に除去したのち、図8(A)に示したように、SOI基板50の表面に、例えばLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition;低圧気相成長)法により、上述した厚みおよび材料よりなる絶縁膜43を形成する。なお、図8(A)にも示したように、絶縁膜43はSOI基板50の裏面にも形成される。
続いて、図8(B)に示したように、SOI基板50の表面に、例えばLPCVD法により、上述した厚みおよび材料よりなる通電層41を形成する。なお、図8(B)にも示したように、通電層41はSOI基板50の裏面にも形成される。そののち、図8(C)に示したように、SOI基板50の表面に形成された通電層41を、支持部材40の形成予定領域40Aを残して選択的に除去する(ステップS102)。
通電層41を選択的に除去したのち、図9(A)に示したように、SOI基板50の表面に、フォトレジストよりなるマスク63を形成する。続いて、図9(B)に示したように、このマスク63を用いて、反射部材10の形成予定領域10A、および反射部材10と固定部材30とを分離するための領域に形成された絶縁膜43を選択的に除去する(ステップS103)。そののち、マスク63を除去する。
絶縁膜43を選択的に除去したのち、図10(A)に示したように、SOI基板50の表面に、例えばスパッタ法により、反射膜20および電極パッド44を形成するためのアルミニウム膜64を形成する。このとき、アルミニウム膜64の厚みは500nm以下とする。
アルミニウム膜64を形成したのち、図10(B)に示したように、アルミニウム膜64をエッチングするため、フォトレジストよりなるマスク65を形成する。
続いて、図10(C)に示したように、このマスク65を用いてアルミニウム膜64をエッチングすることにより厚みが500nm以下の反射膜20および電極パッド44を形成する(ステップS104)。そののち、マスク65を除去する。
反射膜20および電極パッド44を形成したのち、図11(A)に示したように、SOI基板50の表面に、厚く塗布したフォトレジスト膜66を介してハンドリング用シリコン基板67を貼り付ける。このフォトレジスト膜66は、この後の工程においてディープRIE法により保持基板51をエッチングする際の放熱層としての役割も有している。
そののち、同じく図11(A)に示したように、SOI基板50の裏面にフォトレジストよりなるマスク68を形成し、このマスク68を用いたエッチングにより、固定部材30の形成予定領域30Aを残して、SOI基板50の裏面に形成された通電層41および絶縁膜43を選択的に除去する。
続いて、図11(B)に示したように、マスク68を用いて、例えばディープRIE法により、固定部材30の形成予定領域30Aを残すように保持基板51を選択的に除去する(ステップS105)。このとき、反射膜20の厚みが500nm以下とされているので、ディープRIE法により半導体薄膜53すなわち反射部材10の形成予定領域10Aおよび反射膜20が高温になった場合でも、反射膜20の残留応力により半導体薄膜53に反りが発生してしまうことが抑制される。
保持基板51を選択的に除去したのち、図12(A)に示したように、フォトレジスト膜66,ハンドリング用シリコン基板67およびマスク68を除去し、SOI基板50の表面に、例えばフォトレジストよりなる保護膜69を形成する。この保護膜69は、この後の工程においてBHF(Buffered Hydrogen Fluoride;緩衝化したフッ化水素)をエッチャントとして用いたウェットエッチングにより酸化層52を選択的に除去する際に反射膜20および電極パッド44をBHFから保護するものである。保護膜69には、BHFを通過させるための開口69Aを形成する。
保護膜69を形成したのち、図12(B)に示したように、例えばBHFをエッチャントとして用いるウェットエッチングにより、固定部材30の形成予定領域30Aを残すように酸化層52を選択的に除去し、反射部材10および固定部材30を形成する(ステップS106)。そののち、保護膜69を除去する。
反射部材10および固定部材30を形成したのち、通電層41の裏側に例えば金属材料により膨張層42を形成する(ステップS107)。膨張層42の形成は、図13(A)に示したように、シャドウマスク70を用いて行うことが好ましい。反射部材10と固定部材30とが分離されているため、フォトレジストマスクの形成が困難であるからである。具体的には、SOI基板50の表面に、局所的にフォトレジスト膜71を形成し、このフォトレジスト膜71を介してハンドリング用シリコン基板72を配設する。また、SOI基板50の裏面には、局所的にフォトレジスト膜73を形成し、このフォトレジスト膜73を介してシャドウマスク70を配設する。続いて、図13(B)に示したように、シャドウマスク70を介して、例えば蒸着法により膨張層42を形成する。これにより、支持部材40が形成される。そののち、例えばアセトンを用いてフォトレジスト膜71,73を除去し、ハンドリング用シリコン基板72およびシャドウマスク70を取り外す。以上により、図1および図4に示した光制御素子が完成する。
この光制御素子では、通電層41に通電することにより支持部材40が加熱され、通電層41と膨張層42との熱膨張率の差により支持部材40および反射部材10が矢印A方向に変位し、入射したレーザ光の反射方向が一軸方向に変化することによりレーザ光が走査される。ここでは、反射膜20の厚みが500nm以下であるので、反射膜20の残留応力による反射部材10の反りが抑制され、反射部材10の平坦性が高くなっている。よって、高い精度でレーザ光が制御される。
このように本実施の形態では、反射部材10に設けられた反射膜20の厚みを500nm以下とするようにしたので、反射膜20の残留応力による反射部材10の反りを抑え、反射部材10の平坦性を向上させることができる。よって、高い精度で光の反射方向を制御することができる。
(第2の実施の形態)
図14は本発明の第2の実施の形態に係る光制御素子の製造方法の流れを表すものであり、図15ないし図18はその工程を順に表すものである。この製造方法は、第1の実施の形態で説明した製造方法とは反射膜20を形成する工程の順番が異なるものである。なお、この製造方法は、第1の実施の形態に係る光制御素子を製造する場合に限られるものではないが、理解を容易とするために、第1の実施の形態で示した図1および図4に示したような支持部材40が反射部材10の一方の側に延長して設けられ、反射部材10は支持部材40の延長方向における長さの方が延長方向に対して垂直な方向における長さよりも長くなっている光制御素子を製造する場合について説明する。また、第1の実施の形態と製造工程が重複する部分については、図7および図8を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態と同様に、保持基板51の表面に酸化層52および半導体薄膜53が順に積層された基板、例えばSOI基板50を用意し、図7に示した工程により、反射部材10の形成予定領域10Aを残して、SOI基板50の半導体薄膜53を選択的に除去する(ステップS201)。次いで、第1の実施の形態と同様に、図8に示した工程によりSOI基板50の上に絶縁膜43および通電層41を形成し、支持部材40の形成予定領域40Aを残して通電層41を選択的に除去する(ステップS202)。
通電層41を選択的に除去したのち、図15(A)に示したように、図11(A)に示した工程と同様にして、SOI基板50の表面にフォトレジスト膜66を介してハンドリング用シリコン基板67を貼り付ける。そののち、同じく図15(A)に示したように、SOI基板50の裏面にフォトレジストよりなるマスク68を形成し、このマスク68を用いたエッチングにより、固定部材30の形成予定領域30Aを残して、SOI基板50の裏面に形成された通電層41および絶縁膜43を選択的に除去する。
続いて、図15(B)に示したように、図11(B)に示した工程と同様にして、マスク68を用いて、例えばディープRIE法により、保持基板51を、固定部材30の形成予定領域30Aを残して選択的に除去する(ステップS203)。
保持基板51を選択的に除去したのち、図16(A)に示したように、図9(A)に示した工程と同様にして、フォトレジスト膜66,ハンドリング用シリコン基板67およびマスク68を除去し、SOI基板50の表面に、フォトレジストよりなるマスク63を形成する。続いて、図16(B)に示したように、図9(B)に示した工程と同様にして、このマスク63を用いて、反射部材10の形成予定領域10A、および反射部材10と固定部材30とを分離するための領域に形成された絶縁膜43を選択的に除去する(ステップS204)。そののち、マスク63を除去する。
続いて、図16(C)に示したように、図12(B)に示した工程と同様にして、例えばBHFをエッチャントとして用いるウェットエッチングにより、固定部材30の形成予定領域30Aを残すように酸化層52を選択的に除去し、反射部材10および固定部材30を形成する(ステップS205)。
反射部材10および固定部材30を形成したのち、図17(A)(B)に示したように、図13に示した工程と同様にして、シャドウマスク70を用いて、通電層41の裏側に例えば金属材料により膨張層42を形成する(ステップS206)。これにより、支持部材40が形成される。そののち、例えばアセトンを用いてフォトレジスト膜71,73を除去し、ハンドリング用シリコン基板72およびシャドウマスク70を取り外す。
膨張層42を形成したのち、反射部材10に例えば金属材料により反射膜20を形成すると共に電極パッド44を形成する(ステップS207)。その際、反射部材10と固定部材30とが分離されているので、図18(A)に示したように、シャドウマスク74を用いて行うことが好ましい。具体的には、SOI基板50の裏面に、局所的にフォトレジスト膜75を形成し、このフォトレジスト膜75を介してハンドリング用シリコン基板76を配設する。また、SOI基板50の表面には、局所的にフォトレジスト膜77を形成し、このフォトレジスト膜77を介してシャドウマスク74を配設する。続いて、図18(B)に示したように、シャドウマスク74を介して、例えば蒸着法により、反射膜20および電極パッド44を形成する。
反射膜20の厚みは第1の実施の形態と異なり限定されない。反射膜20を形成した後にディープRIEのように高温になる工程がないので、残留応力が発生するおそれが小さいからである。但し、反射膜20の厚みを500nm以下、更には100nm以下とすれば、反射膜20により反射部材10にかかる応力を小さくすることができるので好ましい。
そののち、例えばアセトンを用いてフォトレジスト膜75,77を除去し、ハンドリング用シリコン基板76およびシャドウマスク74を取り外す。以上により、図1および図4に示した光制御素子が完成する。なお、この製造方法により、反射部材10を厚み6μmのシリコン薄膜、反射膜20を厚み100nmのアルミニウム膜により形成した光制御素子を実際に作製し、得られた光制御素子について反射部材10の撓みを調べたところ、500nm以下と十分に小さくすることができた。
このように本実施の形態では、保持基板51を選択的に除去したのち、反射部材10に反射膜20を形成する工程を含むようにしたので、反射膜20がディープRIEなどのエッチングにより高温になってしまうことがなく、反射膜20に圧縮応力が発生することを抑制することができる。よって、平坦性の高い反射部材10を有する光制御素子を製造することができる。
なお、本実施の形態では、製造工程の最後に反射部材10に反射膜20を形成する場合について説明したが、保持基板51を選択的に除去したのちであればいつ形成するようにしてもよい。その場合、酸化層52を選択的に除去し反射部材10と固定部材30とを分離する前であれば、反射部材10の形成予定領域10Aに反射膜20を形成する。
(第2の実施の形態の変形例)
図19は、第2の実施の形態の変形例に係る光制御素子の製造方法の流れを表すものであり、図20および図21はその工程を順に表すものである。第2の実施の形態と同一の工程についてはその図面を参照し同一の符号を用いて説明する。まず、図7に示した工程により、反射部材10の形成予定領域10Aを残してSOI基板50の半導体薄膜53を選択的に除去する(ステップS201)。
次いで、図8(A)および図8(B)に示した工程によりSOI基板50の上に絶縁膜43および通電層41を形成する。続いて、図8(C)に示した工程により、支持部材40の形成予定領域40Aを残して通電層41を選択的に除去する。このとき、図20に示したように、固定部材30の形成予定領域30Aと反射部材10の形成予定領域10Aとの間に通電層41を部分的に残存させることにより、固定部材30の形成予定領域30Aと反射部材10の形成予定領域10Aとを部分的につなぐ連結部材90を形成する(ステップS302)。
続いて、図15に示した工程により、固定部材30の形成予定領域30Aを残すように保持基板51を選択的に除去する(ステップS203)。そののち、図16(A)に示した工程によりマスク63を形成し、図16(B)に示した工程により、マスク63を用いて、絶縁膜43を選択的に除去する(ステップS204)。そののち、マスク63を除去する。
絶縁膜43を選択的に除去したのち、図16(C)に示した工程により、固定部材30の形成予定領域30Aを残すように酸化膜52を選択的に除去し、反射部材10および固定部材30を形成する(ステップS205)。このとき、図21に示したように、反射部材10と固定部材30とが連結部材90により部分的につながれているので、酸化層52をエッチングした後の乾燥時に反射部材10が変形したり壊れてしまうことが抑制される。
そののち、図17に示した工程により通電層41の裏側に膨張層42を形成して支持部材40を形成し、(ステップS206)、図18に示した工程によりシャドウマスク74を用いて反射膜20および電極パッド44を形成する(ステップS207)。最後に、連結部材90を例えばレーザにより切断することにより、反射部材10と固定部材30とを完全に分離する(ステップS308)。以上により、図1および図4に示した光制御素子が完成する。
このように本変形例では、保持基板51および酸化層52を選択的に除去する前に、固定部材30の形成予定領域30Aと反射部材10の形成予定領域10Aとを部分的につなぐ連結部材90を形成し、反射部材10および固定部材30を形成したのちに連結部材90を切断するようにしたので、酸化層52を選択的に除去する際に用いる液体エッチャントの表面張力などにより、反射部材10に歪み、あるいは反りなどの変形が生じてしまったり、更には破損してしまったりすることを抑制することができる。
なお、本変形例では、連結部材90を多結晶シリコンよりなる通電層41の一部を利用して形成する場合について説明したが、連結部材90は、他の材料により構成されていてもよい。また、連結部材90は、酸化層52を除去する前であればその形成時期は限定されない。例えば、図7(D)に示した工程において、反射部材10の形成予定領域10A以外の半導体薄膜53の一部を残存させることにより連結部材90を形成するようにしてもよい。あるいは、例えば図9(B)または図16(B)に示した工程において、絶縁膜43の一部を残存させることにより連結部材90を形成するようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
図22は、本発明の第3の実施の形態に係る光制御素子の製造方法の流れを表すものであり、図23はその工程を表すものである。この製造方法は、保持基板51を選択的に除去する際に、二回に分けて異なる方法で行なうことが、第1の実施の形態で説明した製造方法とは異なるものである。なお、この製造方法は、第1の実施の形態に係る光制御素子を製造する場合に限られるものではないが、理解を容易とするために、第1の実施の形態で示した図1および図4に示したような支持部材40が反射部材10の一方の側に延長して設けられ、反射部材10は支持部材40の延長方向における長さの方が延長方向に対して垂直な方向における長さよりも長くなっている光制御素子を製造する場合について説明する。また、第1の実施の形態と製造工程が重複する部分については、図7ないし図13を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態と同様に、保持基板51の表面に酸化層52および半導体薄膜53が順に積層された基板、例えばSOI基板50を用意し、図7に示した工程により、反射部材10の形成予定領域10Aを残してSOI基板50の半導体薄膜53を選択的に除去する(ステップS401)。次いで、第1の実施の形態と同様に、図8に示した工程によりSOI基板50の上に絶縁膜43および通電層41を形成し、支持部材40の形成予定領域40Aを残して通電層41を選択的に除去する(ステップS402)。
続いて、第1の実施の形態と同様に、図9に示した工程によりマスク63を用いて絶縁膜43を選択的に除去する(ステップS403)。そののち、第1の実施の形態と同様に、図10に示した工程により反射部材10の形成予定領域10Aに反射膜20を形成すると共に電極パッド44を形成する(ステップS404)。反射膜20の厚みは限定されないが、第1の実施の形態と同様に500nm以下、更には100nm以下とすることが好ましい。第1の実施の形態で説明したように、後続の保持基板51を選択的に除去する工程において高温となっても、残留応力による反りを小さくすることができるからである。
反射膜20および電極パッド44を形成したのち、第1の実施の形態と同様に、図11(A)に示した工程により、SOI基板50の表面にフォトレジスト膜66を介してハンドリング用シリコン基板67を貼り付け、マスク68を用いて、SOI基板50の裏面に形成された通電層41および絶縁膜43を、固定部材30の形成予定領域30Aを残して選択的に除去する。
続いて、図23(A)に示したように、マスク68を用いて、例えばディープRIE法により固定部材30の形成予定領域30Aを残すように保持基板51の厚み方向の一部を選択的に除去する(ステップS405)。残存させる保持基板51の厚みは、例えば100μmとする。これにより、フォトレジスト膜66の収縮力により反射部材10の形成予定領域10Aまたは通電層41などが変形したり破損してしまうことが抑制される。
保持基板51の厚み方向の一部を選択的に除去したのち、フォトレジスト膜66,ハンドリング用シリコン基板67およびマスク68を除去し、図23(B)に示したように、固定部材30の形成予定領域30Aを残すように保持基板51の厚み方向の残り全部を選択的に除去する(ステップS406)。このとき、保持基板51の厚み方向の残り全部を除去する工程は、冷却しなくても半導体薄膜53すなわち反射部材10の形成予定領域10Aが100℃以上に加熱されない方法、例えば等方性エッチングにより行うことが好ましい。図23(B)に示したように、SOI基板50の表面に局所的にフォトレジスト膜78を介してハンドリング用シリコン基板79を取り付ければよく、冷却用の放熱層としてSOI基板50の表面全面にわたって厚いフォトレジスト膜を形成する必要がないので、フォトレジスト膜の収縮力による影響を小さくすることができるからである。
保持基板51の厚み方向の全部を選択的に除去したのち、フォトレジスト膜78およびハンドリング用シリコン基板79を除去し、図12(A)に示した工程により、SOI基板50の表面に保護膜69を形成する。続いて、図12(B)に示した工程により、例えばウェットエッチングにより、固定部材30の形成予定領域30Aを残すように酸化層52を選択的に除去し、反射部材10および固定部材30を形成する(ステップS407)。そののち、図13に示した工程により、通電層41の裏側に膨張層42を形成し、支持部材40を形成する(ステップS408)。以上により、図1および図4に示した光制御素子が完成する。
なお、反射膜20は、図24に示したように保持基板51の厚み方向の一部を選択的に除去したのちに形成してもよいし(ステップS504)、図25に示したように保持基板51の厚み方向の残り全部を選択的に除去したのちに形成してもよいし(ステップS504)、図26に示したように膨張層42を形成したのちに形成してもよい(ステップS504)。これらの場合には、反射膜20の厚みは第1の実施の形態と異なり限定されない。反射膜20を形成した後にディープRIEのように高温になる工程がないので、残留応力が発生するおそれが小さいからである。但し、反射膜20の厚みを500nm以下とすれば、反射膜20により反射部材10にかかる応力を小さくすることができるので好ましく、反射膜20の厚みを100nm以下とすれば、反射部材10にかかる応力を極めて小さくすることができるのでより好ましい。
また、図27に示したように、第2の実施の形態の変形例と同様に、保持基板51および酸化層52を選択的に除去する前に、固定部材30の形成予定領域30Aと反射部材10の形成予定領域10Aとを部分的につなぐ連結部材90を形成し(ステップS602)、反射部材10および固定部材30を形成したのちに連結部材90を切断する(ステップS609)ようにすれば、酸化層52を選択的に除去する際に用いる液体エッチャントの表面張力などにより、反射部材10に歪み、あるいは反りなどの変形が生じてしまったり、更には破損してしまったりすることを抑制することができるので好ましい。この場合も、図示しないが、反射膜20は、保持基板51の厚み方向の一部を選択的に除去したのちに形成してもよいし、保持基板51の厚み方向の全部を選択的に除去したのちに形成してもよいし、膨張層42を形成したのちに形成してもよい。
更に、例えば、保持基板51を三回以上に分けて選択的に除去するようにしてもよい。その場合、保持基板51を選択的に除去する少なくとも最後の工程を、冷却しなくても半導体薄膜53すなわち反射部材10の形成予定領域10Aが100℃以上に加熱されない方法により行うようにすればよい。
このように本実施の形態では、保持基板51を選択的に除去する際に、二回に分けて異なる方法で行うようにしたので、保持基板51を選択的に除去する際に用いるフォトレジスト膜66による応力などにより、反射部材10に歪み、あるいは反りなどの変形が生じてしまったり、更には破損してしまったりすることを抑制することができる。よって、平坦性の高い反射部材10を有する光制御素子を製造することができる。
特に、保持基板51を選択的に除去する少なくとも最後の工程を、冷却しなくても半導体薄膜53すなわち反射部材10の形成予定領域10Aが100℃以上に加熱されない方法により行うようにすれば、反射膜20による残留応力に起因した反射部材10の反りを抑え、平坦性の高い反射部材10を有する光制御素子を製造することができる。また、冷却用の放熱層としてSOI基板50の表面全面にわたって厚いフォトレジスト膜を形成する必要がなく、フォトレジスト膜の収縮力による影響を小さくすることができる。
また、特に、保持基板51および酸化層52を選択的に除去する前に、固定部材30の形成予定領域30Aと反射部材10の形成予定領域10Aとを部分的につなぐ連結部材90を形成し、反射部材10および固定部材30を形成したのちに連結部材90を切断するようにすれば、酸化層52を選択的に除去する際に用いる液体エッチャントの表面張力などにより、反射部材10に歪み、あるいは反りなどの変形が生じてしまったり、更には破損してしまったりすることを抑制することができる。
(第4の実施の形態)
図28は、本発明の第4の実施の形態に係る光制御素子の構成を表すものである。この光制御素子は第1の実施の形態と同様に、反射部材10が固定部材30に対して支持部材40により変位可能に配設されたものである。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
反射部材10はほぼ円形状とされ、その中心を変位の回転中心とすることを除き、第1の実施の形態と同様の構成を有している。反射部材10には、第1の実施の形態と同様に反射膜20が設けられている。反射膜20の厚みは、特に限定されないが、第1の実施の形態と同様に500nm以下であれば、反射膜20の残留応力を小さくして反射部材10の平坦性を高めることができるので好ましく、100nm以下であればより好ましい。また、反射膜20の厚みは、30nm以上であれば、反射率および膜としての安定性も高めることができるので、より好ましく、40nm以上であればより好ましい。
支持部材40は、第1の実施の形態と同様の積層構造を有しており、反射部材10に対して2個設けられている。但し、支持部材40の形状は第1の実施の形態と異なっており、各支持部材40は、反射部材10に対して互いに異なる位置で取り付けられた反射部材取付部45と、この反射部材取付部45から反射部材10の周囲を囲むように延長された延長部46とを有している。延長部46は、反射部材10の形状に沿って形成されていなくても、結果的に周囲の少なくとも一部を囲むような形状に形成されていればよい。これにより、この光制御素子では、各支持部材40の残留応力による撓みを反射部材10に対して対称的に影響させ、反射部材10の平坦性を向上させることができ、反射部材10が変位していない初期状態において反射部材10を固定部材30に対して平行にすることができるようになっている。よって、この光制御素子をバーコードリーダなどに配設する場合に、反射部材10のレーザ光に対する位置合わせが簡単になり、光学部品としての取扱いの容易さという点で極めて有利である。更に、支持部材40が回転対称に配置されていれば、より好ましい。
図29は、図28に示した光制御素子を反射膜20の側から見た構成を表している。通電層41は、各支持部材40ごとに制御することができるように個別に独立して設けられている。具体的には、通電層41は、各支持部材40ごとに往路通電層41Aと復路通電層41Bとを例えば1個ずつ有しており、往路通電層41Aと復路通電層41Bとは互いに電気的につながっている。
固定部材30は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
この光制御素子は、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。また、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例、第3の実施の形態または第3の実施の形態の変形例と同様にして製造するようにしてもよい。
この光制御素子では、いずれかの支持部材40の通電層41に通電することにより、その支持部材40だけが加熱され、通電層41と膨張層42との熱膨張率の差により反射部材10がその中心を変位の回転中心にして矢印C方向または矢印E方向に変位し、入射したレーザ光の反射方向が一軸方向に変化することによりレーザ光が走査される。ここでは、2個の支持部材40が、反射部材10に対して互いに異なる位置で取り付けられているので、支持部材40による残留応力が反射部材10の一部にかたよって発生することが抑制され、反射部材10の平坦性が高くなっている。よって、レーザ光が高精度で走査される。
このように本実施の形態では、2個の支持部材40を反射部材10に対して互いに異なる位置で取り付けるようにしたので、支持部材40による残留応力が反射部材10の一部にかたよって発生することを抑制し、反射部材10の平坦性を向上させることができる。また、反射部材10を初期状態において固定部材30に対して高い精度で平行とすることができ、装置に配設する際に高い精度で位置合わせすることができる。よって、光の反射方向を高い精度で制御することができる。
更に、反射膜20の厚みを500nm以下とすれば、反射膜20の残留応力を小さくして反射部材10の平坦性を更に高めることができる。
なお、本実施の形態では、支持部材40が熱膨張率の差により矢印C方向または矢印E方向に反る場合について説明したが、例えば2本の支持部材40において通電層41と膨張層42との積層方向を逆にし、いずれか一方を矢印C方向または矢印E方向と逆の方向に反るようにしてもよい。
(第5の実施の形態)
図30および図31は、本発明の第5の実施の形態に係る光制御素子の構成を表すものである。この光制御素子は、支持部材40が反射部材10に対して3個取り付けられていることを除いては、第4の実施の形態の光制御素子と同様である。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
この光制御素子では、支持部材40が、反射部材10に対して3個取り付けられることにより、反射部材10を二次元方向に変位させることができるようになっていると共に、支持部材40による残留応力が反射部材10の一部にかたよって発生することを抑制し、反射部材10の平坦性を向上させることができるようになっている。各支持部材40は回転対称に配置されていれば、より好ましい。
なお、図30および図31では支持部材40が反射部材10に対して3個取り付けられている場合について表したが、支持部材40は4個以上取り付けられていてもよい。
この光制御素子は、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例、第3の実施の形態または第3の実施の形態の変形例と同様にして製造することができる。
この光制御素子では、3個の支持部材40のいずれかまたは各々に通電することにより3個の支持部材40のいずれかまたは各々が加熱され、通電層41と膨張層42との熱膨張率の差により反射部材10がその中心を変位の回転中心にして変位する。ここでは、支持部材40が反射部材10に対して3個取り付けられているので、反射部材10が二次元方向に変位し、入射したレーザ光が二次元方向に走査される。また、支持部材40による残留応力が反射部材10の一部にかたよって発生することが抑制され、反射部材10の平坦性が高くなっている。よって、レーザ光が高精度で二次元方向に走査される。
このように本実施の形態では、支持部材40を、反射部材10に対して3個設けるようにしたので、反射部材10を二次元方向に変位させることができる。よって、従来のいわゆるジンバル型のものに比べて構成が簡単であり、第1の実施の形態のような一次元方向に光を制御する光制御素子と同様の製造方法で製造することができる。また、支持部材40による残留応力が反射部材10の一部にかたよって発生することを抑制することができ、反射部材10の平坦性を向上させることができる。更に、反射部材10を初期状態において固定部材30に対して高い精度で平行とすることができ、装置に配設する際に高い精度で位置合わせすることができる。よって、光の反射方向を高い精度で二次元に制御することができる。
また、第1の実施の形態と同様に、反射膜20の厚みを500nm以下、更には100nm以下とすれば、反射膜20の残留応力を小さくして反射部材10の平坦性を更に高めることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記第1の実施の形態では、図7(D)に示した工程において、反射部材10の形成予定領域10A以外の半導体薄膜53の全体を除去する場合について説明したが、この工程では、反射部材10の形成予定領域10Aを分離することができればよいので、反射部材10の形成予定領域10A以外の半導体薄膜53の一部のみを除去するようにしてもよい。
また、例えば、上記各実施の形態では、支持部材40が通電層41と膨張層42との熱膨張率の差を利用して反射部材10を変位させる場合について説明したが、反射部材10を他の方法により変位させるようにしてもよい。例えば、静電力、電磁力、磁力などにより反射部材10を変位させるようにしてもよい。
更に、例えば、上記各実施の形態においては、光制御素子の構成を具体的に挙げて説明したが、光制御素子の構成は上記実施の形態に限られない。例えば、第1の実施の形態であれば、図32に示したように、支持部材40が反射部材10の一ヶ所に取り付けられると共に反射部材10の両側に分割されて延長されているようにしてもよい。この場合、反射部材10の変位の回転軸心が反射部材10のほぼ中央に位置し、反射部材10が変位してもレーザ光の入射位置はほとんど変わらないので、反射部材10の形状はほぼ円形とすることができる。
更にまた、例えば、上記各実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
本発明は、一次元バーコードあるいは二次元バーコードを読み取るバーコードリーダ、または光スキャナデバイスに用いられる。また。本発明は、反射部材を二次元方向に変位させることができるので、例えば、描画機能を有するポインティングデバイスへの応用が可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る光制御素子の構成を表す断面図である。 図1に示した反射部材に反射膜を設け、熱した後における反射部材の撓みを計測したシミュレーション結果を表す図である。 図1に示した反射部材に反射膜を設けた場合における反射膜の厚みと波長550nmの光に対する反射率との関係を表す図である。 図1に示した光制御素子を反射膜の側から見た構成を表す平面図である。 図1に示した反射部材の長さを説明するための図である。 図1に示した光制御素子の製造方法の流れを表す図である。 図6に示した光制御素子の製造方法を工程順に表す断面図である。 図7に続く工程を表す断面図である。 図8に続く工程を表す断面図である。 図9に続く工程を表す断面図である。 図10に続く工程を表す断面図である。 図11に続く工程を表す断面図である。 図12に続く工程を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光制御素子の製造方法の流れを表す図である。 図14に示した光制御素子の製造方法を工程順に表す断面図である。 図15に続く工程を表す断面図である。 図16に続く工程を表す断面図である。 図17に続く工程を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る製造方法の流れを表す図である。 図19に示した製造方法を工程順に表す平面図である。 図20の後の工程を表す平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る製造方法の流れを表す図である。 図22に示した製造方法を工程順に表す断面図である。 第3の実施の形態の変形例に係る製造方法の流れを表す図である。 第3の実施の形態の他の変形例に係る製造方法の流れを表す図である。 第3の実施の形態の更に他の変形例に係る製造方法の流れを表す図である。 第3の実施の形態の更に他の変形例に係る製造方法の流れを表す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る光制御素子の構成を表す斜視図である。 図28に示した光制御素子を反射膜の側から見た構成を表す平面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る光制御素子の構成を表す斜視図である。 図30に示した光制御素子を反射膜の側から見た構成を表す平面図である。 第1の実施の形態に係る光制御素子の変形例を表す平面図である。
符号の説明
10…反射部材、20…反射膜、30…固定部材、40…支持部材、41…通電層、42…膨張層、43…絶縁膜、44…電極パッド、50…SOI基板、51…保持基板、52…酸化層、53…半導体薄膜、90…連結部材

Claims (4)

  1. 反射部材が固定部材に対して支持部材により変位可能に配設された光制御素子を、保持基板の表面に酸化層および半導体薄膜が順に積層された基板を用いて製造する光制御素子の製造方法であって、
    前記半導体薄膜のうち前記反射部材の形成予定領域を残して他の少なくとも一部を選択的に除去し、前記支持部材の形成予定領域に不純物を添加した半導体材料よりなる通電層を形成し、前記保持基板および前記酸化層のうち前記固定部材の形成予定領域を残して他の少なくとも一部を選択的に除去して前記反射部材および前記固定部材を形成し、前記通電層の裏側に前記通電層よりも熱膨張率の高い材料よりなる膨張層を形成して前記支持部材を形成する工程を含み、
    前記保持基板を選択的に除去する際に、複数回に分けて異なる方法で行い、少なくとも最後の工程は、冷却しなくても前記半導体薄膜が100℃以上に加熱されない方法により行い、
    前記支持部材を前記反射部材に対して2個または3個以上、回転対称に配置し、
    前記各支持部材に、前記反射部材に対して互いに異なる位置で取り付けられた反射部材取付部と、この反射部材取付部から前記反射部材の周囲を囲むように延長された延長部とを設ける光制御素子の製造方法。
  2. 前記保持基板を選択的に除去する際に、少なくとも最後の工程は、等方性エッチングにより行う請求項記載の光制御素子の製造方法。
  3. 前記保持基板を選択的に除去する工程を少なくとも1回行ったのち、前記反射部材の表面または前記反射部材の形成予定領域の表面に反射膜を形成する工程を含む請求項記載の光制御素子の製造方法。
  4. 前記保持基板および前記酸化層を選択的に除去する前に、前記固定部材の形成予定領域と前記反射部材の形成予定領域とを部分的につなぐ連結部材を形成し、前記反射部材および前記固定部材を形成したのちに前記連結部材を切断する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光制御素子の製造方法。
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