JP2002328316A - マイクロミラー素子およびその製造方法 - Google Patents
マイクロミラー素子およびその製造方法Info
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Abstract
ることができるとともに、トーションバーの各部を所望
の寸法に正確に仕上げることができるマイクロミラー素
子およびマイクロミラー素子の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 マイクロミラー素子の製造において、基
板110′上に、フレーム113およびミラー形成部1
11へと加工される箇所をマスクするための第1のマス
クパターン10を形成する工程と、基板110′上に、
架橋部112へと加工される箇所をマスクするための第
2のマスクパターン20を形成する工程と、第1および
第2のマスクパターン10,20をマスクとして、基板
110′に対して第1のエッチング処理を行う工程と、
第2のマスクパターン20を選択的に除去する工程と、
第1のマスクパターン10をマスクとして、基板11
0′に対して第2のエッチング処理を行う工程と、第1
のマスクパターン10を除去する工程と、を含めること
とした。
Description
ータの記録・再生処理を行う光ディスク装置や、複数の
光ファイバ間の光路の切り換えを行う光スイッチング装
置などの、光学装置に組み込まれる素子であって、光の
進路方向を変更するのに用いられるマイクロミラー素子
およびその製造方法に関する。
めのミラー面を備え、ミラー面の揺動により光の反射方
向を変化させる素子であり、静電気力を利用してミラー
面を揺動する静電駆動型のものが広く使用されている。
静電駆動型のマイクロミラー素子としては種々の構造が
提案されているが、これらは、その製造方法に基づいて
大きく2つに類別することができる。基板上において、
各構成部位に対応する材料薄膜を所望のパターンに加工
し、これを順次積層することにより、支持体、ミラー
面、電極部など、素子を構成する各部位や、後に除去さ
れる犠牲層を形成する、いわゆる表面マイクロマシン技
術によって製造されるマイクロミラー素子と、材料基板
自体をエッチングすることにより支持体やミラー形成部
を所望の形状に成形し、必要に応じてミラー面や電極を
薄膜形成する、いわゆるバルクマイクロマシン技術によ
って製造されるマイクロミラー素子である。表面マイク
ロマシン技術によって製造される静電駆動型マイクロミ
ラー素子は、例えば、特開平7−287177号公報に
開示されている。一方、バルクマイクロマシン技術によ
って製造される静電駆動型マイクロミラー素子は、例え
ば、特開平9−146032号公報、特開平9−146
034号公報、特開平10−62709号公報、および
特開2000−13443号公報に開示されている。
項の一つとして、光反射を担うミラー面の平面度が高い
ことを挙げることができるが、表面マイクロマシン技術
によると、最終的に形成されるミラー面が薄いため、ミ
ラー面が湾曲し易く、高平面度が保証されるのは、ミラ
ー面のサイズにおいて一辺の長さが数10μm程度のも
のに限られる。これに対して、バルクマイクロマシン技
術によると、相対的に分厚い材料基板自体を削り込んで
ミラー形成部を構成し、このミラー形成部上にミラー面
を設けるため、より広面積のミラー面であっても、その
剛性を確保でき、よって、充分に高い光学的平面度を有
するミラー面を構成することができる。従って、特に数
100μm角程度以上の面積のミラー面が必要とされる
マイクロミラー素子の製造においては、バルクマイクロ
マシン技術が広く採用されている。
れた従来のマイクロミラー素子の一例を図11に示す。
同図に示すマイクロミラー素子300は、いわゆる静電
駆動方式のものであり、ミラー基板310と電極基板3
20とが積層されたものである。ミラー基板310は、
図12に示すように、表面にミラー面311aが形成さ
れたミラー形成部311が、一対のトーションバー31
2を介してフレーム313に支持された構造を有してい
る。ミラー形成部311の裏面には、一対の電極314
a,314bが設けられている。電極基板320には、
図11に示すように、ミラー形成部311の電極314
a,314bに対向する一対の電極321a,321b
が設けられている。
成部311の電極314a,314bを正極に帯電させ
た状態において、電極基板320の電極321aを負極
にすると、これらの間には静電力が発生し、ミラー形成
部311は、一対のトーションバー312を捩じりなが
ら矢印N3方向に揺動ないし回転する。また、これに代
えて、電極321bを負極にすると、ミラー形成部31
1は上記とは反対方向に回転することとなる。このよう
に、ミラー形成部311を回転させると、ミラー面31
1aに向けて進行してくる光の反射方向を所定の方向に
切り換えることができる。
を製造するには、その原材料となる適当な基板(図示
略)に対してその片面側からウエットエッチングを行
い、上記基板に一対の空隙部315を上記基板に設ける
工程を行なっていた。一対の空隙部315は、図12に
示すように、互いに向かい合った恰好のコ字状を有して
おり、上記基板の厚み方向に貫通している。このような
手段によれば、ミラー基板310の各部の外形をエッチ
ング処理のみによってかたち取ることができる。
来の技術においては、次のように未だ改善すべき点があ
った。
ラー形成部311に揺動動作を行なわせる場合、このミ
ラー形成部311の揺動角度は、電極間に発生する静電
力と各トーションバー312の捩じり抵抗とが釣り合う
角度となる。したがって、マイクロミラー素子300の
光の反射方向を正確に規定するためには、マイクロミラ
ー素子300の製造に際して、各トーションバー312
の捩じり抵抗が予め設計された値となるように、各トー
ションバー312を正確な寸法に形成する必要がある。
ションバー312の厚みt1は、ミラー形成部311の
厚みt2と同一となってしまうのが一般的であった。例
えば、特開平9−146032号公報、特開平9−14
6034号公報、及び、特開平10−62709号公報
にも、ミラー形成部311とは異なる厚みでトーション
バー312を形成する方法については開示されていな
い。このため、従来においては、ミラー形成部311の
厚みt2とは独立して、トーションバー312の厚みt
1を適切に変更することによって、ミラー形成部311
に対して各トーションバー312が所望の捩じり抵抗を
もつようにすること、即ち、トーションバー312の設
計に多様性をもたせて対処するといったことが困難なも
のとなっていた。
されたものであって、トーションバーの各部を所望の寸
法に正確に仕上げることによって、トーションバーの設
計仕様に多様性をもたせることができるマイクロミラー
素子の製造方法およびこれによって製造されるマイクロ
ミラー素子を提供することを課題としている。
ると、フレームと、ミラー形成部と、当該フレームおよ
びミラー形成部を連結する架橋部と、を備えるマイクロ
ミラー素子の製造方法が提供される。この製造方法は、
基板上に、フレームおよびミラー形成部へと加工される
箇所をマスクするための第1のマスクパターンを形成す
る工程と、基板上に、架橋部へと加工される箇所をマス
クするための第2のマスクパターンを形成する工程と、
第1および第2のマスクパターンをマスクとして、基板
に対して第1のエッチング処理を行う工程と、第2のエ
ッチングマスクを選択的に除去する工程と、第1のマス
クパターンをマスクとして、基板に対して第2のエッチ
ング処理を行う工程と、第1のマスクパターンを除去す
る工程と、を含むことを特徴とする。
マシン技術によるマイクロミラー素子の製造において、
基板における、第1および第2のマスクパターンでマス
クされない箇所を、第2のマスクパターンでマスクして
いた箇所よりも深くエッチングすることができる。その
結果、第1のマスクパターンによりマスクされていたフ
レームとミラー形成部との間を、架橋部を残して貫通加
工すること、即ち、フレームとミラー形成部との間に架
橋部と空隙部とを形成することが可能となるとともに、
当該架橋部を、フレームおよびミラー形成部よりも薄肉
に成形することが可能となる。この架橋部には、ミラー
形成部がフレームに対して揺動する際の回転軸心に又は
その近傍に位置するトーションバーが含まれるが、支持
梁を含ませてもよい。ここで、支持梁とは、マイクロミ
ラー素子の製造工程中の機械的ストレスをトーションバ
ーに集中することを防止するために形成される、フレー
ムとミラー形成部とを連結する部位であって、後の工程
において切断除去される一時的な架橋部をいう。
バーの厚みをミラー形成部よりも小さな厚みにすること
ができ、且つ、このトーションバーの厚みを、エッチン
グ深さによって所望の寸法に規定することができるの
で、本発明によれば、トーションバーの捩じり剛性を所
望の値にするための要素として、トーションバーの幅に
加えて、その厚みをも要素とすることができ、したがっ
てトーションバーが所望の捩じり剛性をもつように設計
するときのトーションバーの寸法および形状に多様性を
もたせることができる。そのため、マイクロミラー素子
の設計において、ミラー形成部の揺動駆動に関して、き
め細かな対応が可能となる。
との間に空隙部を形成する手段としては、第1および第
2のマスクパターンをマスクとする第1のエッチング処
理により、最終的に成形される架橋部の厚みに略相当す
る深さまで基板構成材料を除去し、第1のマスクパター
ンのみをマスクとする第2のエッチング処理により、フ
レームとミラー形成部とが架橋部のみにより連結される
ように基板構成材料を除去することによって、架橋部と
空隙部とを同時に完成させる方法がある。これに代え
て、第1のエッチング処理により、基板において第1お
よび第2のマスクパターンがマスクしていない箇所の基
板構成材料を全て除去することによって、まず空隙部を
形成し、第2のエッチング処理により、前記架橋部が成
形されるまで基板構成材料を除去することによって、架
橋部を完成させる方法を採用してもよい。
よび第2のエッチング処理のいずれか一方または両方
を、ドライエッチング法により行う。ドライエッチング
としては、Deep RIE(Reactive Ion Etching)
法を採用するのが好ましい。Deep RIE法による
と、エッチング速度が高いためマイクロミラー素子の製
造効率を高めることができる。
ラー素子が提供される。このマイクロミラー素子は、フ
レームと、ミラー形成部と、フレームとミラー形成部と
を連結する薄肉のトーションバーと、を備え、フレー
ム、ミラー形成部、及び、トーションバーは、同一の導
電材料を含んで一体的に成形されていることを特徴とす
る。
が薄肉であることによって、トーションバーについて良
好な捩じり剛性が達成され得るとともに、フレーム、ミ
ラー形成部、及び、トーションバーが同一導電材料を含
んで一体的に成形されていることよって、トーションバ
ー表面において別途配線を形成する必要がない。
動するミラー形成部に対してその駆動力となる電位を与
えるために、ミラー形成部に電極を設けるとともに、当
該電極と外部端子とを導通させるための配線をトーショ
ンバーの表面に形成しなければならなかった。しかしな
がら、良好な捩じり剛性を有するようにトーションバー
を薄肉ないし小幅に成形する場合には、そのようなトー
ションバー表面への配線形成は困難なものとなる。これ
に対し、本発明の第2の側面に係るマイクロミラー素子
は、トーションバー自体が導電性を有するため、トーシ
ョンバー上に別途配線を形成する必要はなく、従って、
薄肉形成によって良好な捩じり剛性を達成する場合にお
いても、ミラー形成部に対して適切に電位を付与するこ
とが可能である。
は、フレームに接続する第1の基部とミラー形成部に接
続する第2の基部とを有し、第1の基部は、フレームに
接近するにつれて漸次的に分厚くなっており、第2の基
部は、ミラー形成部に接近するにつれて漸次的に分厚く
なっている。
捩じれ剛性について、更に良好に設計することができ
る。具体的には、トーションバーにおける、フレーム付
近およびミラー形成部付近の基部に対して生じやすい応
力集中を適切に低減することによって、トーションバー
全体の捩じれ剛性を良好に設計することができるのであ
る。例えば上記本発明の第1の側面に係るマイクロミラ
ー素子の製造方法において、第2のエッチング処理をド
ライエッチング法、より好ましくはDeep RIE法
で行うことによって、このような形状のトーションバー
を成形することが可能となる。
第1櫛歯電極部を設け、フレームには、第1櫛歯電極部
との間に静電力を生じさせることによってミラー形成部
を変位させるための第3櫛歯電極部を設けることによっ
て、マイクロミラー素子を櫛歯電極型として構成する。
より好ましい実施の形態では、第1櫛歯電極は、ミラー
形成部の肉厚以内に設けられており、第2の櫛歯電極
は、フレームの肉厚以内に設けられている。これに代え
て、ミラー形成部の第2の面に対面するベース部材を備
え、当該ベース部材に、第2の面に対面するように平板
状電極を設けることによって、マイクロミラー素子を平
行平板電極型として構成してもよい。平行平板型として
構成する場合には、ミラー形成部の第2の面には、ベー
ス部材の平板状電極に対面するように平板状電極を設け
る。ただし、ミラー形成部の第2の面の少なくとも1部
自体が導電性材料により構成されている場合には、必ず
しも第2の面に対して平板状電極を設けなくともよい。
ーションバーを介してミラー形成部に連結された内フレ
ーム部と、当該内フレーム部から離隔する外フレーム部
と、当該内フレーム部および外フレーム部を連結する追
加トーションバーを備え、追加トーションバーは、トー
ションバーの延設方向に対して非平行に延設されてい
る。こうすることによって、マイクロミラー素子を2軸
型として構成してもよい。2軸型であって、櫛歯電極型
として構成する場合には、上述の櫛歯電極の構成に加え
て、内フレーム部には第2櫛歯電極部が設けられ、外フ
レーム部には、第2櫛歯電極部との間に静電力を生じさ
せることによって内フレーム部を変位させるための第4
櫛歯電極部を設ける。
ー部、及び、トーションバーの少なくとも一部は、複数
の導体層と、当該導体層間の絶縁層とからなる多層構造
を有している。このような構成により、導体層による配
線形成の自由度が高くなり、マイクロミラー素子につい
て、多様に設計することが可能となる。また、好ましく
は、フレームおよびミラー形成部が、絶縁膜または空隙
により相互に絶縁された複数の区画を有することによ
り、マイクロミラー素子の内部構造において適切に絶縁
設計されている。
態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
イクロミラー素子100の分解斜視図であり、図2は、
図1に示すマイクロミラー素子100の組み立て状態の
断面図である。本実施形態のマイクロミラー素子100
は、いわゆる静電駆動方式のものであり、ミラー基板1
10と電極基板120とが積層された構造を有してい
る。ミラー基板110は、例えば、n型不純物をドープ
することによって導電性を付与されたシリコン製の基板
を用いて、後述する製造方法により製造されたものであ
る。ミラー基板100は、その厚み方向に貫通する所定
形状の一対の空隙部110aが設けられていることによ
り、これら一対の空隙部110aによって外周形状がか
たち取られた略矩形のミラー形成部111と、このミラ
ー形成部111を一対の空隙部110aを介して囲んで
いるフレーム113と、このフレーム113とミラー形
成部111とを繋ぐ一対のトーションバー112とを有
している。このように本実施形態では、マイクロミラー
素子100は、一対のトーションバー112を備えた1
軸型として構成されている。
部111の表面には、ミラー面114が設けられ、かつ
その裏面には、一対の電極115a,115bが設けら
れている。これらミラー面114や電極115a,11
5bは、金属膜を蒸着するなどして形成されている。各
空隙部110aの幅は、例えば10〜200μm程度で
あり、ミラー形成部111の厚みは、例えば10〜20
0μm程度である。ただし、ミラー基板110の導電性
を充分に高く構成した場合には、電極115a,115
bは、設けなくともよい。
3の長手方向に延びる内方側面の中央付近と、ミラー形
成部111の長手方向に延びる側面の中央付近とに一体
的に接続している。トーションバー112の全体的な厚
みは、図1におけるI部破断拡大斜視図によく示されて
いるように、ミラー形成部111の厚みよりも小さくさ
れており、トーションバー112が、ミラー基板110
ないしミラー形成部111の上面から退避するように形
成されている。また、トーションバー112の両端部付
近、即ち、ミラー形成部111およびフレーム113に
接続する基部は、ミラー形成部111およびフレーム1
13に近接するにつれて、部材厚が次第に厚肉となるよ
うに形成されている。
面が電極基板120の外周縁の凸状段部121の上向き
面に接合されていることにより、電極基板120の上に
積層されている。電極基板120は、ミラー形成部11
1の一対の電極115a,115bに対して適当な間隔
を隔てて対向する一対の電極122a,122bを具備
している。すなわち、本実施形態に係るマイクロミラー
素子100は、いわゆる平行平板型として構成されてい
る。
成部111の電極115a,115bを正極に帯電させ
た状態において、電極基板120の電極122aを負極
にすると、これらの間には静電力が発生し、ミラー形成
部111は、一対のトーションバー112を捩じりなが
ら矢印N1方向に揺動する。また、これに代えて、電極
122bを負極にすると、ミラー形成部111は上記と
は反対方向に揺動することとなる。このように、ミラー
形成部111を揺動させると、ミラー面114に向けて
進行してくる光の反射方向を所定の方向に切り換えるこ
とができる。ミラー形成部111の電極115a,11
5bへの電位付与は、導電材料で構成されたフレーム1
13、トーションバー112、及び、ミラー形成部11
1を介して行い。電極基板120の電極122a、12
2bへの電位付与は、絶縁材料で構成された電極基板1
20に適切に形成された配線(図示略)を介して行う。
0の製造方法について、図3および図4を参照して説明
する。図3は、本発明に係るマイクロミラー素子100
のミラー基板110の製造工程の斜視図であり、図4
は、図3に示す一連の工程を、断面図で表したものであ
る。図4(a)は図3(a)の線IV−IVに沿った断
面図であり、図4(b)〜(f)は、図4(a)と同一
箇所の断面図である。
ように、ミラー基板110の原材料となる基板110’
の表面(片面)に、第1のマスクパターン10を形成す
る。基板110’としては、シリコンウエハを用いるこ
とができる。第1のマスクパターン10は、基板11
0’の表面に第1のエッチングマスクを成膜した後、基
板110’において最終的にミラー形成部111および
フレーム113が形成される箇所をマスクするように、
第1のエッチングマスクをパターン化して形成される。
ように、基板110’上に、第2のマスクパターン20
を形成する。第2のマスクパターン20は、基板11
0’上に第2のエッチングマスクを成膜した後、基板1
10’において最終的にトーションバー112が形成さ
れる箇所をマスクするように、第2のエッチングマスク
をパターン化して形成される。後に行われるエッチング
パターン除去工程において、同一条件で基板表面から除
去されないように、第2のエッチングマスクは、第1の
エッチングマスクとは異なるエッチング特性を示すレジ
スト材料から選択する。
ように、第1および第2のマスクパターン10,20を
マスクとして、基板110’に対して第1のエッチング
処理を施す。このエッチングは、例えばDeep RI
E法により行う。ただし、ICP(Inductively Couple
d Plasma)エッチング法を採用してもよい。DeepR
IE法およびICPエッチング法は、半導体製造プロセ
スで多用されているドライエッチング法の一つであり、
異方性を有し、深溝を形成するのに好適である。この第
1のエッチング処理は、一定深さL1を達成するまで行
う。この深さL1は、最終的に形成されるトーションバ
ー112の厚みに相当する。よって、本実施形態では、
第1のエッチング処理によりトーションバー112の厚
みを調整することができる。
ように、第2のマスクパターン20を、トーションバー
形成予定箇所から除去する。このとき、第1のマスクパ
ターン10を基板110’上に残しつつ、第2のマスク
パターン20のみを除去するように、除去条件を適宜決
定する。
ように、第1のマスクパターン10をマスクとして、一
定深さL1まで既に基板材料が除去されている基板11
0’に対して第2のエッチング処理を施す。このエッチ
ングは、第1のエッチング処理のエッチング手段と同一
であってもよいし、異なるものでもよい。この第2のエ
ッチング処理によって、ミラー形成部111が空隙部1
10aを介してフレーム113から離隔し、これらミラ
ー形成部111とフレーム113とが一対のトーション
バー112によって架橋された形態が完成する。
ように、第1のマスクパターン10を基板110’から
除去する。
図2に示したマイクロミラー素子100のミラー基板1
10の各部の外形をかたち取ることができる。ミラー面
114や一対の電極115a,115bは、上記した一
連の工程を行なう前に基板110に予め設けられている
が、図3および図4においては描写を省略している。た
だし、ミラー面114や一対の電極115a,115b
の形成工程は、上記した一連の工程の後に行ってもよ
い。このようにして、ミラー基板110を製造し、公知
のエッチング技術および成膜技術によって材料基板から
別途作製した電極基板120に対して、当該ミラー基板
110を積層固定することによって、マイクロミラー素
子100が製造される。
2を、ミラー形成部111上面から退避した箇所に設け
ることができるとともに、トーションバー112の幅お
よび厚みを所望の寸法に正確に規定することができる。
したがって、図1および図2に示すマイクロミラー素子
100において、電極115a,122a間、または電
極115b,122b間に静電力を発生させることによ
ってミラー形成部111を各トーションバー112の軸
心周りに回転させるときには、各トーションバー112
に良好な捩じり抵抗力を発揮させて、ミラー形成部11
1を所定の傾斜角度で正確に停止させることが可能とな
る。また、各トーションバー112は、ミラー形成部1
11の厚みとは異なる厚みにすることができるために、
各トーションバー112の捩じり剛性を所定の値に設定
する場合には、各トーションバー112の幅と厚みのそ
れぞれの寸法値を適宜選択することにより、きめ細かく
対応することも可能となる。更に、本実施形態において
は、Deep RIE法によりエッチング処理を行うた
め、トーションバー112を形成するに際して、図4
(e)および図4(f)によく表われているように、各
トーションバー112の両端部を、ミラー形成部111
およびフレーム113に接近するにしたがって連続的に
厚みが増すように成形することができる。
ミラー基板110では、ミラー形成部111、トーショ
ンバー112、フレーム113が導電性材料により一体
的に構成されており、トーションバー112を介してミ
ラー形成部111の電極115a,115bに対して適
切に電位を付与することができるため、従来のマイクロ
ミラー素子とは異なり、ミラー基板110の電極115
a,115bに電位を付与するための配線を、トーショ
ンバー112上に別途形成する必要はない。
態に係るマイクロミラー素子200を表す。図5(a)
はマイクロミラー素子200の上面図であり、図5
(b)は下面図である。図6(a)〜(c)は、各々、
図5の線A−A、線B−B、線C−Cに沿った断面図で
ある。
おけるマイクロミラー素子200は、ミラー形成部21
0、これを囲む内フレーム220、内フレーム220を
囲む外フレーム230、ミラー形成部210と内フレー
ム220とを連結する一対のトーションバー240、内
フレーム220と外フレーム230とを連結する一対の
トーションバー250とを備える。一対のトーションバ
ー250は、一対のトーションバー240の延設方向に
対して略直角に延設されている。本実施形態のマイクロ
ミラー素子200は、後述するミラー面211および絶
縁層260を除いて導電性材料により一体的に構成され
ている。導電性材料としては、Si等の半導体にPやA
sなどのn型不純物やBなどのp型不純物をドープした
ものを用いる。ただし、これに代えて、W等の金属を用
いてもよい。
表れているように、その上面にミラー面211が薄膜形
成されている。また、ミラー形成部210の相対向する
2つの側面には、第1櫛歯電極210a,210bが延
出成形されている。
6によく表れているように、内フレーム主部221と、
一対の電極基台222と、これらの間の絶縁層260と
からなる積層構造を有する。一対の電極基台222に
は、内方に延出する第2櫛歯電極222a、222bが
一体的に成形されており、内フレーム主部221には、
外方に延出する第3櫛歯電極221a、221bが一体
的に成形されている。第2櫛歯電極222a,222b
は、ミラー形成部210の第1櫛歯電極210a,21
0bの直下に位置しているが、ミラー形成部210の揺
動動作時において、第1櫛歯電極210a,210bの
歯と第2櫛歯電極222a,222bの歯とが当接しな
いように、図6(c)によく表れているように互いの歯
が位置ずれするように配されている。また、図6(b)
に示すように、一対のトーションバー240は、各々、
ミラー形成部210よりも薄肉であり、内フレーム22
0の内フレーム主部221に接続している。
るように、第1外フレーム部231と、第2外フレーム
部232と、これらの間の絶縁層260とからなる積層
構造を有する。第2外フレーム部232には、図5
(b)によく表れているように、空隙を介して第1アイ
ランド233、第2アイランド234、第3アイランド
235、及び、第4アイランド236が設けられてい
る。図6(b)および図6(c)によく表れているよう
に、第1アイランド233および第3アイランド235
には、各々、内方に延出する第4櫛歯電極232a、2
32bが一体的に成形されている。第4櫛歯電極232
a,232bは、内フレーム主部221の第3櫛歯電極
221a,221bの直下に位置しているが、内フレー
ム220の揺動動作時において、第3櫛歯電極221
a,221bの歯と第4櫛歯電極222a,222bの
歯とが当接しないように、互いの歯が位置ずれするよう
に配されている。また、図6(a)に示されているよう
に、一対のトーションバー250は、第1トーションバ
ー部251と第2トーションバー部252と、これらの
間の絶縁層260とからなる積層構造を有している。第
1トーションバー部251は、内フレーム主部221お
よび第1外フレーム部231と接続し、第2トーション
バー部252は、電極基台222および第2外フレーム
部232と接続している。
に電位を付与すると、図5(a)を参照するとよく理解
できるように、同一の導電材料により一体的に成形され
ている一対の第1トーションバー部251、内フレーム
主部221、一対のトーションバー240、およびミラ
ー形成部210を介して、第1櫛歯電極210a、21
0bと第3櫛歯電極221a、221bとが同電位とな
る。この状態において、第2櫛歯電極222a,222
bに所望の電位を付与し、第1櫛歯電極210a,21
0bと第2櫛歯電極222a,222bとの間に静電力
を発生させることによって、ミラー形成部210を一対
のトーションバー240の軸心周りに揺動させることが
できる。また、第4櫛歯電極232a,232bに所望
の電位を付与し、第3櫛歯電極221a,221bと第
4櫛歯電極232a,232bとの間に静電力を発生さ
せることによって、内フレーム220およびミラー形成
部210を一対のトーションバー250の軸心周りに揺
動させることができる。
6(a)を参照するとよく理解できるように、同一の導
電材料で一体的に成形されている第2外フレーム部23
2の第4アイランド236、これに接続する第2トーシ
ョンバー部252、および電極基台222を介して行
う。同様に、第2櫛歯電極222bへの電位付与は、第
2アイランド234、これに接続する第2トーションバ
ー部252、および電極基台222を介して行う。一
方、第4櫛歯電極232aへの電位付与は、図6(b)
を参照するとよく理解できるように、第2外フレーム部
232の第1アイランド233を介して行い、第4櫛歯
電極232bへの電位付与は、第3アイランド235を
介して行う。第2外フレーム部232における4つのア
イランドが電気的に独立しているので、第2櫛歯電極2
22a,222bおよび第4櫛歯電極への電位付与は、
選択的に行うことができる。その結果、ミラー形成部2
10ないしミラー面211を所望の方向へ傾斜させるこ
とができる。
のマイクロミラー素子200の製造方法を説明する。図
7は、図5に示すマイクロミラー素子200の製造方法
の一部の工程を、図5の線E−Eに沿った断面図で表し
たものである。図8は、図7に続く工程を、同じく図5
の線E−Eの実線箇所に沿った断面図で表したものであ
る。
素子200の製造においては、まず、Asなどのn型の
不純物をドープをすることによって導電性を付与したシ
リコンウエハ200’を2枚用意する。ウエハの抵抗率
は0.01〜0.1Ω・cmの範囲とするのが望ましい。
また、導電性の付与に際しては、Bなどのp型の不純物
を用いてもよい。2枚のウエハ200’には、各々、熱
酸化法により、表面に500nmの二酸化ケイ素膜26
0を成長させる。
ケイ素膜260同士を合わせて、1100℃程度の窒素
アニール処理を行うことによって、2枚のウエハ20
0’を貼り合わせる。その後、ウエハ表面を研磨して、
ウエハ200’の厚みを各々100μmに調整する。こ
のようにして、まず、Si/SiO2/Siの構成で、
100μm/1μm/100μmの厚み構造を有するS
OI(Silicon on Insulator)ウエハ201’を形成す
る。
ウエハ201’の上面に、第1のエッチングマスクとし
ての二酸化ケイ素膜30’を成膜する。膜厚は、100
〜1000nmの範囲とする。このとき、下面にも二酸
化ケイ素膜を成膜してもよい。ただし、エッチングマス
クの成膜においては、後に行うDeep RIE法によ
るSiエッチングの際に、マスク材として機能できる成
膜材料、即ち、Siよりもエッチング速度が遅い成膜材
料であれば、SiO2に限らず、他の材料を使用しても
よい。成膜手段としては、熱酸化法を採用してもよい
し、CVD法を採用してもよい。
ケイ素膜30’をエッチングして、第1のマスクパター
ン30を形成する。このエッチングには、図9(a)に
示す構成の第1のマスク40を用いる。第1のマスク4
0は、マイクロミラー素子200におけるミラー形成部
210、一対の第1櫛歯電極210a,210b、内フ
レーム主部221、一対の第3櫛歯電極221a,22
1b、第1外フレーム部231の平面視形態に相当す
る。従って、第1のマスクパターン30も、第1のマス
ク40と同一の形状となる。また、このエッチングは、
HFを含む溶液によるウェットエッチング法で行っても
よいし、CHF3やC4F8等のガスによるドライエッチ
ング法で行ってもよい。
0.5〜50μmの範囲で第2のエッチングマスクとし
てのフォトレジスト膜を成膜する。ただし、第2のエッ
チングマスクとしては、フォトレジスト膜に代えて、S
i3N4膜を成膜してもよい。成膜手段としては、熱酸化
法を採用してもよいし、CVD法を採用してもよい。そ
して、これをエッチングして、図7(e)に示すように
第2のマスクパターン50を形成する。このエッチング
には、図9(b)に示す構成の第2のマスク60を用い
る。第2のマスク60は、マイクロミラー素子200に
おける一対のトーションバー240、一対の第1トーシ
ョンバー部251、及び、支持梁270の平面視形態に
相当する。従って、第4のマスクパターン51も、第4
のマスク61と同一の形状となる。支持梁とは、上述し
たように、マイクロミラー素子の製造工程中の機械的ス
トレスをトーションバーに集中することを防止するため
に設けられ、後の工程において切断除去される一時的な
架橋部であり、本実施形態においては、内フレーム22
0とミラー形成部210、及び、外フレーム230と内
フレーム220を連結する部位である。また、このエッ
チングは、フォトエッチングに代えて、可能であれば、
HFを含む溶液によるウェットエッチング法で行っても
よいし、CHF3やC4F8等のガスによるドライエッチ
ング法で行ってもよいが、第1のマスクパターン30を
エッチングしない条件で行う。
マスクパターン30および第2のマスクパターン50を
マスクとして、ウエハ201’に対して第1のエッチン
グ処理を行う。このエッチングは、SF6ガス及びC4F
8ガスを用いたDeep RIE法により、所望の深さ、
5μmまで行う。ただし、Deep RIE法に代え
て、KOH溶液などによるウェットエッチング法を採用
してもよい。
マスクパターン50のみを、有機溶剤あるいは酸素プラ
ズマにさらして除去する。このときの有機溶剤として
は、第2のマスクパターン50の構成材料に応じて、例
えば、トリプロピレングリコールメチルエーテル、アミ
ノエチルエタノールアミン、リン酸水溶液、及び、モノ
エタノールアミンとジメチルスルホキシドの混合液など
を使用することができるが、第1のマスクパターン30
を有意に除去しない溶剤を選択する必要がある。例え
ば、SiO2により第1のマスクパターン30を構成
し、Si3N4により第2のマスクパターン50を構成し
た場合には、リン酸水溶液によって、第1のマスクパタ
ーン30を残しつつ、第2のマスクパターン50のみを
選択的に除去することができる。
マスクパターン30のみをマスクとして第2のエッチン
グ処理を行う。第2のエッチング処理は、SF6ガス及
びC4F8ガスを用いたDeep RIE法により、ウエ
ハを構成する材料の表面から95μmの深さまで行う。
必要であれば、製造プロセス誤差を吸収するために、更
に深さ1μmのオーバーエッチングを行う。
に、マイクロミラー素子200におけるミラー形成部2
10、一対の第1櫛歯電極210a,210b、内フレ
ーム主部221、一対の第3櫛歯電極221a,221
b、第1外フレーム部231、一対のトーションバー2
40、一対の第1トーションバー部251、及び、支持
梁270に相当する部位が形成される。また、本実施形
態のように第2のエッチング処理をDeep RIE法
により行うと、図7(h)に示すように、第2トーショ
ンバー部252の付け根部分は厚さ変化が直角でなく、
曲率を有する形状を得ることが可能である。
の上位の構造が破損することを防止すべく、液状ガラス
を塗布し、これをアニールすることによって、図8
(a)に示すように犠牲膜70を形成する。ただし、こ
のような保護手段に代えて、AZやTSCRなどのレジ
スト材料を塗布形成してもよいし、紫外線硬化型接着フ
ィルムシートなどのような接着力を制御できるフィルム
を張りつけることによって保護してもよい。
説明したのと略同様の方法により、絶縁層260の下位
を加工する。まず、ウエハ201’の下面に対して、第
3のエッチングマスクとしての二酸化ケイ素膜を、10
0〜1000nmの範囲の膜厚で成膜し、これをエッチ
ングして、図8(b)に示すように、第3のマスクパタ
ーン31をを成膜する。このエッチングには、図10
(a)に示す構成の第3のマスク41を用いる。第3の
マスク41は、マイクロミラー素子200における一対
の電極基台222、第2櫛歯電極222a,222b、
第2外フレーム部232の第1〜4アイランド233,
234,235,236、及び、第4櫛歯電極232
a,232bの平面視形態に相当する。従って、第3の
マスクパターン31も、第3のマスク41と同一の形状
となる。
50μmの範囲で第4のエッチングマスクとしてのフォ
トレジスト膜を成膜し、これをエッチングして、同じく
図8(b)に示すように第4のマスクパターン51を形
成する。また、このエッチングは、第3のマスクパター
ン31を除去しない条件で行う。
マスクパターン31および第4のマスクパターン51を
マスクとして、ウエハ201’に対して第1のエッチン
グ処理を行う。このエッチングは、SF6ガス及びC4F
8ガスを用いたDeep RIE法により、所望の深さ、
5μmまで行う。ただし、Deep RIE法に代え
て、KOH溶液などによるウェットエッチング法を採用
してもよい。
を、有機溶剤あるいは酸素プラズマにさらして除去した
後、図8(d)に示すように、第3のマスクパターン3
1のみをマスクとして第2のエッチング処理を行う。第
2のエッチング処理は、SF6ガス及びC4F8ガスを用
いたDeep RIE法により、ウエハを構成する材料
の表面から95μmの深さまで行う。必要であれば、製
造プロセス誤差を吸収するために、更に深さ1μmのオ
ーバーエッチングを行う。
おいて、マイクロミラー素子200の一対の電極基台2
22、第2櫛歯電極222a,222b、第2外フレー
ム部232、第4櫛歯電極232a,232b、および
第2トーションバー部252に相当する部位が形成され
る。また、本実施形態のように第2のエッチング処理を
Deep RIE法により行うと、上述したように、各
トーションバーの付け根部分は厚さ変化が直角でなく、
曲率を有する形状を得ることが可能である。
201’表面の第1のマスクパターン30および第3の
マスクパターン31、並びに所定箇所の絶縁層260を
ウェットエッチング法などにより除去した後、ウエハか
らチップに切り出すことにより、支持梁270を伴った
マイクロミラー素子200を完成させる。支持梁270
は、この後の適切な段階で除去される。除去に際して
は、支持梁270に対して、レーザによって溶断・ブロ
ーしてもよいし、電流を流してジュール熱により溶断し
てもよい。
以上の一連の工程の前に、ミラー形成部210が形成さ
れる箇所において、所定形状で形成する。ただし、本実
施形態に関しては、ミラー面211の形成工程は図示し
ない。ミラー面210の形成においては、ミラー形成部
210ないしその形成予定箇所に、例えば、チタンを5
0nm成膜した後、その上に金を500nm成膜し、こ
れらをエッチングする。こような構成によると、ミラー
面211は、光学反射膜として機能するだけでなく、ウ
エハ材料との導通をとることが可能となり、必要な場合
には、ボンディングワイヤ接続することができることと
なる。
レームとミラー形成部との間に空隙部を形成する手段と
して、第1のエッチング処理により、最終的に成形され
る架橋部の厚みに略相当する深さまで基板構成材料を除
去し、第1のマスクパターンのみをマスクとする第2の
エッチング処理により、フレームとミラー形成部とが架
橋部のみにより連結されるように基板構成材料を除去す
ることによって、架橋部と空隙部とを同時に完成させる
方法を示したが、これに代えて、第1のエッチング処理
により、基板において第1および第2のマスクパターン
がマスクしていない箇所の基板構成材料を全て除去する
ことによって、まず空隙部を形成し、第2のエッチング
処理により、前記架橋部が成形されるまで基板構成材料
を除去することによって、架橋部を完成させる方法を採
用してもよい。
成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙す
る。
と、当該フレームおよびミラー形成部を連結するトーシ
ョンバーを含む架橋部と、を備えるマイクロミラー素子
を製造するための方法であって、基板上に、前記フレー
ムおよび前記ミラー形成部へと加工される箇所をマスク
するための第1のマスクパターンを形成する工程と、前
記基板上に、前記架橋部へと加工される箇所をマスクす
るための第2のマスクパターンを形成する工程と、前記
第1および第2のマスクパターンをマスクとして、前記
基板に対して第1のエッチング処理を行う工程と、前記
第2のマスクパターンを選択的に除去する工程と、前記
第1のマスクパターンをマスクとして、前記基板に対し
て第2のエッチング処理を行う工程と、前記第1のマス
クパターンを除去する工程と、を含むことを特徴とす
る、マイクロミラー素子の製造方法。 (付記2) 前記架橋部は、前記トーションバーに加え
て支持梁を含む、付記1に記載のマイクロミラー素子の
製造方法。 (付記3) 前記第1のエッチング処理により、前記基
板の厚み方向の途中の深さまで基板構成材料を除去し、
前記第2のエッチング処理により、前記フレームと前記
ミラー形成部とが前記架橋部のみにより連結されるよう
に基板構成材料を除去する、付記1または2に記載のマ
イクロミラー素子の製造方法。 (付記4) 前記第1のエッチング処理により、前記基
板において前記第1および第2のマスクパターンがマス
クしていない箇所の基板構成材料を全て除去し、前記第
2のエッチング処理により、前記架橋部が成形されるま
で基板構成材料を除去する、付記1または2に記載のマ
イクロミラー素子の製造方法。 (付記5) 前記各工程を、前記基板の表面側と裏面側
とから各々について行う、付記1から4のいずれか1つ
に記載のマイクロミラー素子の製造方法。 (付記6) 前記第1及び/又は第2のエッチング処理
は、ドライエッチング法により行う、付記1から5のい
ずれか1つに記載のマイクロミラー素子の製造方法。 (付記7) 前記第1および/または第2のエッチング
処理は、Deep RIE法により行う、付記6に記載
のマイクロミラー素子の製造方法。 (付記8) フレームと、ミラー形成部と、前記フレー
ムと前記ミラー形成部とを連結する薄肉のトーションバ
ーと、を備え、前記フレーム、前記ミラー形成部、及
び、前記トーションバーは、同一の導電材料を含んで一
体的に成形されていることを特徴とする、マイクロミラ
ー素子。 (付記9) 前記トーションバーは、前記フレームに接
続する第1の基部を有し、当該第1の基部は、前記フレ
ームに接近するにつれて漸次的に分厚くなっている、付
記8に記載のマイクロミラー素子。 (付記10) 前記トーションバーは、前記ミラー形成
部に接続する第2の基部を有し、当該第2の基部は、前
記ミラー形成部に接近するにつれて漸次的に分厚くなっ
ている、付記8または9に記載のマイクロミラー素子。 (付記11) 前記ミラー形成部には第1櫛歯電極部が
設けられ、前記フレームには、前記第1櫛歯電極部との
間に静電力を生じさせることによって前記ミラー形成部
を変位させるための第2櫛歯電極部が設けられている、
付記8から10のいずれか1つに記載のマイクロミラー
素子。 (付記12) 前記第1櫛歯電極は、前記ミラー形成部
の肉厚以内に設けられており、前記第2の櫛歯電極は、
前記フレームの肉厚以内に設けられている、付記11に
記載のマイクロミラー素子。 (付記13) 更に、前記ミラー形成部に対面するベー
ス部材を備え、当該ベース部材には、前記ミラー形成部
に対面するように平板状電極が設けられている、付記8
から12のいずれか1つに記載のマイクロミラー素子。 (付記14) 前記ミラー形成部の第2の面には、前記
平板状電極に対面するように平板状電極が設けられてい
る、付記13に記載のマイクロミラー素子。 (付記15) 前記フレームは、前記トーションバーを
介して前記ミラー形成部に連結された内フレーム部と、
当該内フレーム部から離隔する外フレーム部と、当該内
フレーム部および外フレーム部を連結する追加トーショ
ンバーを備え、前記追加トーションバーは、前記トーシ
ョンバーの延設方向に対して交差する方向に延設されて
いる、付記8から14のいずれか1つに記載のマイクロ
ミラー素子。 (付記16) 前記内フレーム部には第3櫛歯電極部が
設けられ、前記外フレーム部には、前記第3櫛歯電極部
との間に静電力を生じさせることによって前記内フレー
ム部を変位させるための第4櫛歯電極部が設けられてい
る、付記15に記載のマイクロミラー素子。 (付記17) 前記フレームの少なくとも一部は、複数
の導体層と、当該導体層間の絶縁層とからなる多層構造
を有する、付記8から16のいずれか1つに記載のマイ
クロミラー素子。 (付記18) 前記ミラー形成部の少なくとも一部は、
複数の導体層と、当該導体層間の絶縁層とからなる多層
構造を有する、付記8から17のいずれか1つに記載の
マイクロミラー素子。 (付記19) 前記トーションバーまたは前記追加トー
ションバーの少なくとも一部は、複数の導体層と、当該
導体層間の絶縁層とからなる多層構造を有する、付記8
から18のいずれか1つに記載のマイクロミラー素子。 (付記20) 前記フレームまたは前記ミラー形成部
は、絶縁膜または空隙により相互に絶縁された複数の区
画を有する、付記8から19のいずれか1つに記載のマ
イクロミラー素子。
るトーションバーを形成することができる。このよう
に、トーションバーの設計上の自由度を高めるこによ
り、ミラー形成部の回転ないし揺動動作に関し、より適
切に規定することが可能となる。また、トーションバー
をミラー部よりも薄肉に設計した場合において、トーシ
ョンバーと、ミラー形成部と、フレームとを同一の導電
性材料により一体的に構成することにより、ミラー形成
部への電位付与を、トーションバーを介して適切に行う
ことが可能となる。
素子の分解斜視図である。
断面図である。
一部の斜視図である。
に沿った断面図で表したものである。
素子の上面図および下面図である。
る。
部を、図5の線E−Eに沿った断面図で表したものであ
る。
部を、図5の線E−Eに沿った断面図で表したものであ
る。
ン形成用マスクの平面図である。
ーン形成用マスクの平面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 フレームと、ミラー形成部と、当該フレ
ームおよびミラー形成部を連結するトーションバーを含
む架橋部と、を備えるマイクロミラー素子を製造するた
めの方法であって、 基板上に、前記フレームおよび前記ミラー形成部へと加
工される箇所をマスクするための第1のマスクパターン
を形成する工程と、 前記基板上に、前記架橋部へと加工される箇所をマスク
するための第2のマスクパターンを形成する工程と、 前記第1および第2のマスクパターンをマスクとして、
前記基板に対して第1のエッチング処理を行う工程と、 前記第2のマスクパターンを選択的に除去する工程と、 前記第1のマスクパターンをマスクとして、前記基板に
対して第2のエッチング処理を行う工程と、 前記第1のマスクパターンを除去する工程と、を含むこ
とを特徴とする、マイクロミラー素子の製造方法。 - 【請求項2】 前記架橋部は、前記トーションバーに加
えて支持梁を含む、請求項1に記載のマイクロミラー素
子の製造方法。 - 【請求項3】 前記第1のエッチング処理により、前記
基板の厚み方向の途中の深さまで基板構成材料を除去
し、前記第2のエッチング処理により、前記フレームと
前記ミラー形成部とが前記架橋部のみにより連結される
ように基板構成材料を除去する、請求項1または2に記
載のマイクロミラー素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記第1のエッチング処理により、前記
基板において前記第1および第2のマスクパターンがマ
スクしていない箇所の基板構成材料を全て除去し、前記
第2のエッチング処理により、前記架橋部が成形される
まで基板構成材料を除去する、請求項1または2に記載
のマイクロミラー素子の製造方法。 - 【請求項5】 前記第1及び/又は第2のエッチング処
理は、Deep RIE法により行う、請求項1から4
のいずれか1つに記載のマイクロミラー素子の製造方
法。 - 【請求項6】 フレームと、ミラー形成部と、前記フレ
ームと前記ミラー形成部とを連結する薄肉のトーション
バーと、を備え、 前記フレーム、前記ミラー形成部、及び、前記トーショ
ンバーは、同一の導電材料を含んで一体的に成形されて
いることを特徴とする、マイクロミラー素子。 - 【請求項7】 前記トーションバーは、前記フレームに
接続する第1の基部と前記ミラー形成部に接続する第2
の基部とを有し、前記第1の基部は、前記フレームに接
近するにつれて漸次的に分厚くなっており、前記第2の
基部は、前記ミラー形成部に接近するにつれて漸次的に
分厚くなっている、請求項6に記載のマイクロミラー素
子。 - 【請求項8】 前記ミラー形成部には第1櫛歯電極部が
設けられ、前記フレームには、前記第1櫛歯電極部との
間に静電力を生じさせることにより前記ミラー形成部を
変位させるための第2櫛歯電極部が設けられている、請
求項6または7に記載のマイクロミラー素子。 - 【請求項9】 更に、前記ミラー形成部に対面するベー
ス部材を備え、当該ベース部材には、前記ミラー形成部
に対面するように平板状電極が設けられている、請求項
6または7に記載のマイクロミラー素子。 - 【請求項10】 前記フレームは、前記トーションバー
を介して前記ミラー形成部に連結された内フレーム部
と、当該内フレーム部から離隔する外フレーム部と、前
記内フレーム部および前記外フレーム部を連結する追加
トーションバーとを備え、前記追加トーションバーは、
前記トーションバーの延設方向に対して交差する方向に
延設されている、請求項6から9のいずれか1つに記載
のマイクロミラー素子。
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