JP6216485B1 - 変位拡大機構及びシャッタ装置 - Google Patents

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Abstract

変位拡大機構は、固定部2と、固定部2に連結された第1及び第2アクチュエータ3,4と、第1及び第2端部5a,5bを有し、第1端部5aが第1アクチュエータ3に連結された第1ビーム5と、第3及び第4端部6b,6cを有し、第3端部6bが第2アクチュエータ4に連結された第2ビーム6と、第1及び第2ビーム5,6が互いに並列に配置された並列配置部56に連結された被駆動部材7とを備えている。第1アクチュエータ3は第2端部5b側から第1ビーム5をその延在方向に引くように駆動し、第2アクチュエータ4は第4端部6c側から第2ビーム6をその延在方向に押すように駆動する。

Description

ここに開示された技術は、変位拡大機構及びシャッタ装置に関するものである。
従前より、所定の光路を遮断及び開通させるシャッタ装置が知られている。例えば、特許文献1(特にFig.6を参照)に記載のシャッタ装置は、シャッタと、シャッタを駆動するアクチュエータとを備えた変位拡大機構とを含んでいる。アクチュエータは、ビームと、2つの辺部材とを備え、ビームはベース部材から伸び、ビームの端部が折り返されて第1辺部材に連結され、第1辺部材の端部が折り返されて第2辺部材に連結され、第2辺部材の端部は固定されている。シャッタは第1辺部材と第2辺部材との連結部分に取り付けられている。該変位拡大機構において、加熱によりビームが伸長すると第1辺部材及び第2辺部材が湾曲してシャッタが駆動される。
米国特許出願公開第2003/0101721号明細書
特許文献1に記載のシャッタ装置は、第2辺部材の端部が固定されていることで、シャッタの変位が第1辺部材に連結されたビームの変位に依存する。したがって、シャッタをより大きな振り幅で駆動するにはビームを大きく伸縮させなければならない。しかしながら、ビームの伸長には限界があり、あまり大きく伸長できないという問題がある。また、頻繁にビームを伸縮させると変形に伴う負荷がビームに蓄積されて最悪の場合ビームが破損するおそれがある。
ここに開示され技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駆動部材のわずかな変位で被駆動部材を大きく変位させることができる変位拡大機構及びそのような変位拡大機構を備えたシャッタ装置を提供することにある。
ここに開示された変位拡大機構は、固定部と、固定部と、前記固定部に連結された第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部が前記第1アクチュエータに連結された第1ビームと、第3端部及び第4端部を有し、前記第3端部が前記第2アクチュエータに連結された第2ビームと、前記第1ビームの前記第2端部と前記第2ビームの前記第4端部とに連結された被駆動部材とを備え、前記第1ビーム及び前記第2ビームは、互いに並列に配置された並列配置部を有し、当該並列配置部の先端側において前記被駆動部材が連結され、前記第1アクチュエータは、前記第1ビームを前記第2端部側から当該第1ビームの延在方向に引くように駆動し、前記第2アクチュエータは、前記第2ビームを前記第4端部側から当該第2ビームの延在方向に押すように駆動する。
この構成によれば、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータが固定部に連結されており、第1ビームの第1端部が第1アクチュエータに連結されており、第2ビームの第3端部が第2アクチュエータに連結されており、被駆動部材が第1ビームの第2端部と第2ビームの第4端部とに連結されており、第1ビーム及び第2ビームは、互いに並列に配置された並列配置部を有し、並列配置部の先端側において被駆動部材が連結されている。第1アクチュエータは、第1ビームを第2端部側から第1ビームの延在方向に引くように駆動し、第2アクチュエータは、第2ビームを第4端部側から第2ビームの延在方向に押すように駆動する。すなわち、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータにそれぞれ駆動される第1ビーム及び第2ビームの駆動力が足し合わされて被駆動部材が駆動される。
また、ここに開示されたシャッタ装置は、前記変位拡大機構と、前記変位拡大機構の前記固定部上に配設され、前記変位拡大機構の前記第1アクチュエータの第1端部及び前記第2アクチュエータの第1端部に電気的に接続された第1電極と、前記変位拡大機構の前記固定部上に配設され、前記変位拡大機構の前記第1アクチュエータの第2端部及び前記第2アクチュエータの第2端部に電気的に接続された第2電極とを備え、前記変位拡大機構の前記被駆動部材で光路を遮断及び開通させるものである。
この構成によれば、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されると第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに電流が流れ、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータが加熱されて熱変形することで第1ビーム及び第2ビームが駆動されてこれら2つのビームに連結された被駆動部材が駆動される。
前記変位拡大機構によれば、駆動部材である第1アクチュエータ及び第2アクチュエータのわずかな変位で被駆動部材を大きく変位させることができる。また、そのような変位拡大機構を備えた前記シャッタ装置によれば、第1電極と第2電極との間に低い電圧の印加で被駆動部材を大きく変位させることができる。
本発明の一実施形態に係るシャッタ装置の平面図である。 シャッタ装置の、図1のII−II線における断面図である。 第1ビーム及び第2ビームと被駆動部材との連結部分の拡大平面図である。 シャッタ装置の、図3のIV−IV線における断面図である。 駆動状態のシャッタ装置の平面図である。 シャッタ装置の製造過程を示す図である。 変形例1に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例2に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例3に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例4に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例5に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例6に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例7に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例8に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例9に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例10に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例11に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例12に係るシャッタ装置の平面図である。 図18Aに示すシャッタ装置の駆動時の平面図である。 変形例13に係る被駆動部材の断面図である。 変形例13に係る被駆動部材の別の断面図である。 本発明の別実施形態に係るシャッタ装置の平面図である。 第1アクチュエータを省略したシャッタ装置の平面図である。 第2アクチュエータを省略したシャッタ装置の平面図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシャッタ装置1の平面図を、図2は、シャッタ装置1の、図1のII−II線における断面図を示す。なお、発明者らは、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。また、図面に描かれた各部材の寸法、厚み、細部の詳細形状などは実際のものとは異なることがある。
[シャッタ装置の構成]
シャッタ装置1は、固定部2と、固定部2に連結された第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4と、第1端部5a及び第2端部5bを有し、第1端部5aが第1アクチュエータ3に連結された第1ビーム5と、第3端部6b及び第4端部6cを有し、第3端部6bが第2アクチュエータ4に連結された第2ビーム6と、第1ビーム5の第2端部5bと第2ビーム6の第4端部6cとに連結された被駆動部材7と、第1電極101と、第2電極102とを備えている。
以下、説明の便宜上、第1ビーム5の長手方向をX方向、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4の長手方向をY方向、シャッタ装置1の厚み方向をZ方向と称する。なお、X方向において、図1における左側を単に左側、図1における右側を単に右側と称することもある。Y方向において、図1における上側を単に上側、図1における下側を単に下側と称することもある。Z方向において、図2における上側を上面、図2における下側を下面と称することもある。また、第1ビーム5の第1端部5aや第2ビーム6の第3端部6bを基端、第1ビーム5の第2端部5bや第2ビーム6の第4端部6cを先端と称することもある。
シャッタ装置1は、いわゆるMEMS(Micro ElectroMechanical Systems)シャッタであって、半導体微細加工技術を応用したマイクロマシニング技術で製造されている。シャッタ装置1は、SOI(Silicon on Insulator)基板200を用いて製造されている。SOI基板200は、単結晶シリコンで形成された第1シリコン層210と、SiOで形成された酸化膜層220と、単結晶シリコンで形成された第2シリコン層230とがこの順で積層されて構成されている。
このように、シャッタ装置1において、固定部2、第1アクチュエータ3、第2アクチュエータ4、第1ビーム5、第2ビーム6、及び被駆動部材7は、シリコン素材で一体成形され、変位拡大機構を構成している。
なお、酸化膜層220及び第2シリコン層230は固定部2を構成する第1ベース部材21及び第2ベース部材22の下面にのみ残され、可動部材である第1アクチュエータ3、第2アクチュエータ4、第1ビーム5、第2ビーム6、及び被駆動部材7の下面の酸化膜層220及び第2シリコン層230は製造過程において除去される。
図1に示すように、例えば、シャッタ装置1は平面視で矩形の全体形状を有している。固定部2は、そのような平面視矩形のシャッタ装置1の全体形状を形成するフレームである。固定部2は、Y方向に対向して配置された第1ベース部材21及び第2ベース部材22を備えている。ここで、図1において、シャッタ装置1のY方向上側の辺を第1辺、それに対向するY方向下側の辺を第2辺、X方向左側の辺を第3辺、それに対向するX方向右側の辺を第4辺とすると、第1ベース部材21は、第1辺、第3辺の一部、及び第4辺の一部から形成されている。また、第2ベース部材22は、第2辺、第3辺の別の一部、及び第4辺の別の一部から形成されている。第1ベース部材21及び第2ベース部材22は、いずれも、第1アクチュエータ3、第2アクチュエータ4、第1ビーム5、第2ビーム6及び被駆動部材7の可動域を確保しつつできるだけ広い面積を占める形状にされている。
なお、固定部2は、第1シリコン層210において第1ベース部材21及び第2ベース部材22の2つのパーツに分かれているが、酸化膜層220及び第2シリコン層230では1つに繋がっている。このため、第1ベース部材21及び第2ベース部材22の相対位置は固定されており、第1ベース部材21及び第2ベース部材22で可動部材を支持することができる。
第1ベース部材21は、対向する第2ベース部材22に向けて開口する第1凹部21a及び第2凹部21bを有する。第1凹部21aは、第1ベース部材21のX方向左側端部に配置されている。第2凹部21bは、第1ベース部材21のX方向右側端部に配置されている。
第2ベース部材22は、対向する第1ベース部材21に向けて開口する第3凹部22a及び第4凹部22bを有する。第3凹部22aは、第2ベース部材22のX方向左側端部に配置されている。第4凹部22bは、第2ベース部材22のX方向右側端部に配置されている。
さらに、第1ベース部材21の第1凹部21aと第2ベース部材22の第3凹部22aとは開口が互いに対向する位置に配置され、第1アクチュエータ3を配置するためのY方向に長い概略矩形の開口部20Lを形成している。同様に、第1ベース部材21の第2凹部21bと第2ベース部材22の第4凹部22bとは開口が互いに対向する位置に配置され、第2アクチュエータ4を配置するためのY方向に長い概略矩形の開口部20Rを形成している。第1ベース部材21及び第2ベース部材22において当該開口部20L,20R以外の部分は比較的大きな面積のパターンが占めている。より詳細には、略矩形状に形成された固定部2のX方向左側の第3辺に沿って開口部20Lが形成され、当該第1辺と対向する固定部2のX方向右側の第4辺に沿って開口部20Rが形成され、これら対向する開口部20L及び開口部20Rにそれぞれ第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4が対向するように設けられている。
このように、固定部2は、可動部材の可動域を確保しつつできるだけ広い面積を占めるような形状にされていることで、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4を支持するフレームとして必要な高い剛性を確保している。
第1アクチュエータ3は、並列配置された2つのアクチュエータ31,31を備えている。2つのアクチュエータ31,31は、Y方向に伸びた棒状の部材であり、第1アクチュエータ3の第1端部3bから第2端部3cへの長手方向の略中央の中間部3aにおいて互いに連結されている。このように、2つのアクチュエータ31,31が中間部3aにおいて連結されていることで、2つのアクチュエータ31,31の各駆動力が結合されて第1アクチュエータ3は大きな駆動力を発揮することができる。後述するように、第1アクチュエータ3は通電による加熱で熱膨張して駆動力を発生させる。
2つのアクチュエータ31,31の第1端部3b,3bは、第1ベース部材21の第1凹部21aの底面部分において第1ベース部材21に連結されている。2つのアクチュエータ31,31の第2端部3c,3cは、第2ベース部材22の第3凹部22aの底面部分において第2ベース部材22に連結されている。
厳密に言うと、第1アクチュエータ3は、Y方向に一直線に伸びているわけではなく、中間部3aがその駆動方向であるX方向左側に突出するようにわずかに屈曲、あるいは全体的にX方向左側に膨らむようにわずかに湾曲している。
第2アクチュエータ4は、並列配置された2つのアクチュエータ41,41を備えている。2つのアクチュエータ41,41は、Y方向に伸びた棒状の部材であり、第2アクチュエータ4の第1端部4bから第2端部4cへの長手方向の略中央の中間部4aにおいて互いに連結されている。このように、2つのアクチュエータ41,41が中間部4aにおいて連結されていることで、2つのアクチュエータ41,41の各駆動力が結合されて第2アクチュエータ4は大きな駆動力を発揮することができる。後述するように、第2アクチュエータ4は通電による加熱で熱膨張して駆動力を発生させる。
2つのアクチュエータ41,41の第1端部4b,4bは、第1ベース部材21の第2凹部21bの底面部分において第1ベース部材21に連結されている。2つのアクチュエータ41,41の第2端部4c,4cは、第2ベース部材22の第4凹部22bの底面部分において第2ベース部材22に連結されている。
厳密に言うと、第2アクチュエータ4は、Y方向に一直線に伸びているわけではなく、中間部4aがその駆動方向であるX方向右側に突出するようにわずかに屈曲、あるいは全体的にX方向右側に膨らむようにわずかに湾曲している。また、上記のように、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4がその駆動方向に対して屈曲あるいは湾曲していることにより、加熱による熱膨張時に、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4が駆動方向と反対側に屈曲あるいは湾曲することがない。従って、駆動方向に向かって第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4を確実に屈曲あるいは湾曲させることができる。
このように、第1アクチュエータ3はシャッタ装置1においてX方向左側に配置され、第2アクチュエータ4はシャッタ装置1においてX方向右側に配置され、第1アクチュエータ3と第2アクチュエータ4とは平面視で対向している。
対向し合う第1アクチュエータ3と第2アクチュエータ4との間に被駆動部材7が配置されている。より詳細には、被駆動部材7は、第2アクチュエータ4寄りの位置に配置されている。当該シャッタ装置1において、被駆動部材7は、図略の光路を遮断及び開通させるシャッタとして機能する。したがって、被駆動部材7は、当該光路の断面よりも一回り大きい平面形状、具体的は円形に形成されている。
被駆動部材7は、上記変位拡大機構を構成する他の部材よりも薄く形成されている。これにより、被駆動部材7の質量を小さくして共振周波数を高くしている。また、被駆動部材7の表面全体に金属膜71、例えば、Au/Ti膜が形成されている。
被駆動部材7には第1ビーム5及び第2ビーム6が連結されている。図3は、第1ビーム5及び第2ビーム6と被駆動部材7との連結部分の拡大平面図を、図4は、シャッタ装置1の、図3のIV−IV線における断面図を示す。
第1ビーム5及び第2ビーム6と被駆動部材7との連結部分に放熱部72が形成されている。放熱部72は、第1ビーム5及び第2ビーム6の厚みと被駆動部材7の厚みの違いを用いて形成され、例えば、被駆動部材7の表面から立直する面を有している。当該面は、上述したように第1アクチュエータ3の駆動時に第1アクチュエータ3で発生して第1アクチュエータ3から第1ビーム5を経由して伝わってくる熱、及び/又は、第2アクチュエータ4の駆動時に第2アクチュエータ4で発生して第2アクチュエータ4から第2ビーム6を経由して伝わってくる熱を放熱する放熱面としての役割をする。したがって、放熱部72の表面積を広く確保するために、また、第1ビーム5及び第2ビーム6と被駆動部材7との連結部分の剛性を高めるために、放熱部72を被駆動部材7の周囲に沿って、かつ被駆動部材7よりもやや大きめの形状に形成してもよい。また、被駆動部材7の表面に図略の光源からの光を遮断する遮断膜として例えば金などの金属膜を形成することがあるが、上記の放熱部72を設けることで、被駆動部材7の昇温による当該金属膜中へのシリコンの拡散を防止し、光を遮断できないなどの光学特性の変化を防止することができる。なお、第1ビーム5及び第2ビーム6から被駆動部材7の厚みが段階的に変化する領域を有し、当該領域を放熱部72としてもよく、当該放熱部72が形成される箇所は第1ビーム5、第2ビーム6、被駆動部材7、これらの境界及びこれらとは別の部材であってもよく、また、放熱部72の形状は限定されない。また、被駆動部材7の厚みを第1ビーム5及び第2ビーム6の厚みよりも薄くすることにより、第1ビーム5や第2ビームの第2部材62から伝搬する熱の流入経路を小さくでき、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4で発生した熱が被駆動部材7に伝搬するのを抑制できる。このことにより、例えば、被駆動部材7において、金属膜71中にシリコンが拡散するのを防止し、光を遮断できないなどの光学特性の変化を防止することができる。
図1へ戻り、第1ビーム5は、X方向に伸びた棒状の部材である。第1ビーム5の第1端部5aは、第1アクチュエータ3の中間部3aに連結されている。第1ビーム5の第2端部5bは、被駆動部材7に連結されている。
第2ビーム6は、折り返し構造を有する部材であり、第2アクチュエータ4の中間部4aから第1アクチュエータ3の中間部3aの近傍まで伸びる第1部材61と、該第1部材61の端部6aから第2アクチュエータ4の方へ折り返された第2部材62とを備えている。第2ビーム6の第3端部6b(すなわち、第1部材61側の先端)は、第2アクチュエータ4の中間部4aに連結されている。第2ビーム6の第4端部6c(すなわち、第2部材62側の先端)は、被駆動部材7に連結されている。
第2部材62は、第1部材61の端部6aからX方向に伸びた、第1ビーム5とほぼ同じ細さの棒状の部材である。第2部材62は、第1ビーム5に対してY方向のわずかに下側において第1ビーム5と並列に配置されている。なお、以降の説明も含めて「第1ビーム5と第2ビームの第2部材62とが並列(に)配置されている」とは、第1ビーム5と第2ビームの第2部材62とが略平行関係を保って配置されているということである。また、第1ビーム5と第2ビーム6の第2部材62とが互いに並列に配置された部分56を並列配置部56と称することがある。すなわち、第1ビーム5と第2ビーム6の第2部材62とは並列して同じ方向から被駆動部材7に連結されている。言いかえると、第1ビーム5の先端側が放熱部72で折り返されることにより、第1ビーム5及び第2ビーム6と被駆動部材7との連結部分において、第1ビーム5と第2ビーム6の第2部材62とが並列に配置される。異なる言い方をすれば、第2ビーム6の第2部材62の先端側が放熱部72で折り返されることにより、第1ビーム5及び第2ビーム6と被駆動部材7との連結部分において、第1ビーム5と第2ビーム6の第2部材62とが並列に配置される。第1ビーム5は第2端部5bから第1ビーム5の延在方向へ被駆動部材7を引く一方、第2ビーム6は第4端部6cから第2ビーム6の延在方向へ被駆動部材7を押すことで被駆動部材7を駆動させる。後述するように、第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62は、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4により駆動されて弾性変形して被駆動部材7をXY平面上の別の位置へと移動させる。なお、上記とは逆に、第1ビーム5が被駆動部材7を押す一方、第2ビーム6が被駆動部材7を引くようにしてもよい。
第1部材61は、被駆動部材7を迂回するような例えば鈎状の形状を有する部材である。第1部材61の一部は、第1アクチュエータ3が形成される開口部20Lの一部及び第2アクチュエータ4が形成される開口部20Rの一部を区画するように伸びて形成されている。また、第1部材61は、第2部材62よりも弾性率が高くなるように高弾性領域を少なくとも一部に有し、例えば幅広に形成されている。第1部材61は、特許請求の範囲に言う高弾性領域に相当する。後述するように、第2ビーム6が第2アクチュエータ4により駆動されても、第1部材61はほとんど弾性変形せずに鈎状の形状を留めて第2アクチュエータ4の駆動力を第2部材62へと伝達する。その他、当該高弾性領域は、第1部材61の一部を第2部材62よりも厚くしたり、第1部材61の一部に金属膜を成膜するなどしてもよい。なお、本実施形態の第2アクチュエータ4をなくし、第2ビーム6が固定部2に直接連結されていてもよく、具体的には、第2ビーム6を第2部材62のみで構成し、当該第2部材62の第4端部6cとは反対側の端部が固定部2(第1ベース部材21又は第2ベース部材22)に直接連結されていてもよい。その場合、当該第2部材62が略直線の状態又は若干の曲率を有した状態で固定部2に直接連結されていてもよいし、当該第2部材62の第4端部6cとは反対側の端部付近が折り曲げられたのち固定部2と連結されていてもよい。
第1電極101は、第1ベース部材21の上面に形成された金属膜、例えば、Au/Ti膜である。
第2電極102は、第2ベース部材22の上面に形成された金属膜、例えば、Au/Ti膜である。
[シャッタ装置の動作]
続いて、このように構成されたシャッタ装置1の動作について説明する。図5は、駆動状態のシャッタ装置1の平面図を示す。
シャッタ装置1は、第1電極101と第2電極102との間に電圧を印加することで駆動される。第1電極101と第2電極102との間に電圧が印加されると、第1ベース部材21及び第2ベース部材22を通じて第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に電流が流れる。このとき、シリコン素材でできた第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4にジュール熱が発生し、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4は一瞬のうちに400〜500℃に加熱される。
第1アクチュエータ3は、加熱されることにより全長が伸びるように熱膨張する。第1アクチュエータ3の第1端部3b及び第2端部3cは固定部2により位置が固定されて移動することができないため、第1アクチュエータ3の熱膨張により、中間部3aはあらかじめ突出している方向であるX方向左側へ押し出される。
第2アクチュエータ4もまた、加熱されることにより全長が伸びるように熱膨張する。第2アクチュエータ4の第1端部4b及び第2端部4cは固定部2により位置が固定されて移動することができないため、第2アクチュエータ4の熱膨張により、中間部4aはあらかじめ突出している方向であるX方向右側へ押し出される。
第1アクチュエータ3の中間部3aがX方向左側へ押し出されると、それに連結されている第1ビーム5が全体的にX方向左側へ引っ張られる。また、第2アクチュエータ4の中間部4aがX方向右側へ押し出されると、それに連結されている第2ビーム6が全体的にX方向右側へ引っ張られる。
すなわち、第1ビーム5の第1端部5a及び第2ビーム6の第2端部6bは、互いに遠ざかる方向に相対位置が変化する。
第2ビーム6が全体的にX方向右側へ引っ張られても、第2ビーム6の第1部材61はほとんど弾性変形しないため、第2ビーム6による引っ張り力のほとんどは端部6aに集中して第2部材62をX方向右側へ押し出す力に変化する。この結果、並列配置された第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62において、第1ビーム5がX方向左側へ引っ張られ、第2ビーム6の第2部材62がX方向右側へ押し出されることで、第1ビーム5の第2端部5b及び第2ビーム6の第4端部6cがXY平面上で左斜め上へ駆動され、第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62はそれぞれ異なる曲率で大きく湾曲又は屈曲し、第2ビーム6の第4端部6cが被駆動部材7を押す一方、第1ビーム5の第2端部5bが被駆動部材7を引くことで、第2ビーム6の第1部材61は第3端部6bを軸としてXY平面上で反時計回りに若干回転して、被駆動部材7は、図5に示したようなXY平面上の位置へ押し出される。また、本実施形態のように、第2アクチュエータ4を複数のアクチュエータを連結して構成することで、第2アクチュエータ4を1つのアクチュエータで構成する場合と比較して、第2ビーム6の第1部材61が第3端部6bを軸としたXY平面上での反時計回りの回転剛性を高めることができる。
一方、第1電極101と第2電極102との間で電圧が印加されなくなると、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に電流が流れなくなり、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4は急速に自然冷却され、それまで伸びていた全長が元に戻る。このとき、X方向左側へ押し出されていた第1アクチュエータ3の中間部3aはX方向右側へ引き戻され、また、X方向右側へ押し出されていた第2アクチュエータ4の中間部4aはX方向左側へ引き戻される。
第1アクチュエータ3の中間部3aがX方向右側へ引き戻されると、それに連結されている第1ビーム5が全体的にX方向右側へ引き戻される。また、第2アクチュエータ4の中間部4aがX方向左側へ引き戻されると、それに連結されている第2ビーム6が全体的にX方向左側へ引き戻される。
すなわち、第1ビーム5の第1端部5a及び第2ビーム6の第2端部6bは、互いに近づく方向に相対位置が変化する。
第2ビーム6が全体的にX方向左側へ引き戻されても、第2ビーム6の第1部材61はほとんど弾性変形しないため、第2ビーム6による引き込み力のほとんどは端部6aに集中して第2部材62をX方向左側へ引っ張る力に変化する。この結果、並列配置された第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62において、第1ビーム5がX方向右側へ押し込まれ、第2ビーム6の第2部材62がX方向左側へ引っ張られることで、第1ビーム5の第2端部5b及び第2ビーム6の第4端部6cがXY平面上で右斜め下へ押し戻され、湾曲又は屈曲していた第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62は元の略直線状に戻り、第2ビーム6の第1部材61は第3端部6bを軸としてXY平面上で時計回りに若干回転して元の位置に戻り、被駆動部材7は、図1に示したようなXY平面上の位置に戻る。
上記のように、電極101及び電極102への電圧印加(シャッタ装置1の駆動状態)及び解除(シャッタ装置1の被駆動状態)を切り替えることで、XY平面上における被駆動部材7の位置が図5及び図1に示したように切り替わる。図1に示した被駆動部材7又は図5に示した被駆動部材7に重なるように図略の光路が配置されており、被駆動部材7の位置が図5及び図1に示したように切り替わることで、被駆動部材7は、図略の光路を遮断及び開通させるシャッタとして機能する。被駆動部材7が第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4によって駆動されていない位置で図略の光路を遮断し、駆動された位置で当該光路を開通させてもよいし、逆に、被駆動部材7が第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4によって駆動されていない状態で図略の光路を開通し、駆動された位置で当該光路を遮断させてもよい。
本実施形態では構成部材の熱膨張により被駆動部材7を駆動させる熱駆動方式のアクチュエータの構成を例示したが、第1ビーム5及び第2ビーム6は上記のように駆動させるものであれば熱駆動方式以外の方式、例えば静電容量駆動方式や圧電駆動方式であってもよい。また、シャッタは、光路を遮断及び開通させる以外にも光路の一部を遮断及び開通させる光減衰器を含む概念である。
[シャッタ装置の製造方法]
続いて、シャッタ装置1の製造方法について説明する。図6は、シャッタ装置1の製造過程を示す。なお、図6に描かれた各製造過程の図は、図1のII−II線における断面図に対応する。
まず、デバイス層(第1シリコン層210)、Box層(酸化膜層220)、及びハンドル層(第2シリコン層230)からなるSOIウエハー(SOI基板200)を用意する。例えば、デバイス層の厚さは30μm、Box層の厚さは1μm、ハンドル層の厚さは250μmである。
デバイス層をエッチング処理して、デバイス層に、固定部2、第1アクチュエータ3、第2アクチュエータ4、第1ビーム5、第2ビーム6、及び被駆動部材7からなる変位拡大機構を一体形成する。なお、図6では、便宜上、当該変位拡大機構の一部のみ描かれている。
特に、被駆動部材7は、他の部材よりもエッチング回数を1回多くして、厚さが7μm程度になるように薄く形成される。つまり、図示しないが、被駆動部材7の厚みは第1アクチュエータ3、第2アクチュエータ4、第1ビーム5及び第2ビーム6の厚みよりも薄い。さらに、第1ベース部材21の表面に第1電極101が形成され、第2ベース部材22の表面に第2電極102が形成され、被駆動部材7の表面に金属膜71が形成される。電極101,102及び金属膜71は、例えば、厚さ20nmのTi及び厚さ300nmのAuからなるAu/Ti膜である。
デバイス層にシャッタ装置1の原形が形成されると、次に、デバイス層にワックス240でダミーウエハー250を貼り合わせてシャッタ装置1の裏面の層、すなわち、Box層及びハンドル層をエッチング処理する。このエッチング処理により、固定部2にはSOI基板200が残され、その他の変位拡大機構における可動部材である第1アクチュエータ3、第2アクチュエータ4、第1ビーム5、第2ビーム6、及び被駆動部材7にはデバイス層のみが残される。
最後に、ワックス240及びダミーウエハー250を除去してシャッタ装置1が完成する。
[効果]
したがって、前記変位拡大機構は、固定部2と、固定部2に連結された第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4と、第1端部5a及び第2端部5bを有し、第1端部5aが第1アクチュエータ3に連結された第1ビーム5と、第3端部6b及び第4端部6cを有し、第3端部6bが第2アクチュエータ4に連結された第2ビーム6と、第1ビーム5の第2端部5bと第2ビーム6の第4端部6cとに連結された被駆動部材7とを備え、第1ビーム5は第2端部5bから第1ビーム5の延在方向に被駆動部材7を引くように構成され、第2ビーム6は第4端部6cから第2ビーム6の延在方向に被駆動部材7を押すように構成されている。
この構成によれば、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4が固定部2に連結されており、第1ビーム5の第1端部5aが第1アクチュエータ3に連結されており、第2ビーム6の第3端部6bが第2アクチュエータ4に連結されており、被駆動部材7が第1ビーム5の第2端部5bと第2ビーム6の第4端部6cとに連結されており、第1ビーム5が第2端部5bから第1ビーム5の延在方向に被駆動部材7を引く一方、第2ビーム6が第4端部6cから第2ビーム6の延在方向に被駆動部材7を押すことでこれら2つのビーム5,6に連結された被駆動部材7が駆動される。すなわち、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4にそれぞれ駆動される第1ビーム5及び第2ビーム6の駆動力が足し合わされて被駆動部材7が駆動される。したがって、駆動部材である第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4のわずかな変位で被駆動部材7を大きく変位させることができる。
また、前記シャッタ装置1は、半導体材料で一体成形された前記変位拡大機構と、前記変位拡大機構の固定部2上に配設され、前記変位拡大機構の第1アクチュエータ3の第1端部3b及び第2アクチュエータ4の第1端部4bに電気的に接続された第1電極101と、前記変位拡大機構の固定部2上に配設され、前記変位拡大機構の第1アクチュエータ3の第2端部3c及び第2アクチュエータ4の第2端部4cに電気的に接続された第2電極102とを備え、前記変位拡大機構の被駆動部材7で光路を遮断及び開通させるものである。
この構成によれば、第1電極101と第2電極102との間に電圧が印加されると第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に電流が流れ、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4が加熱されて熱変形することで第1ビーム5及び第2ビーム6が駆動されてこれら2つのビーム5,6に連結された被駆動部材7が駆動される。したがって、第1電極101と第2電極102との間に低い電圧の印加で被駆動部材7を大きく変位させることができる。
[シャッタ装置の変形例]
続いて、シャッタ装置1の変形例について説明する。
なお、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4をそれぞれ1つのアクチュエータから構成してもよい(図12〜18(B)、21,22参照)。また、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4の大きさや構造は同じである必要はなく互いに違えてもよい。例えば、第1アクチュエータ3を1つのアクチュエータから構成し、第2アクチュエータ4を2つのアクチュエータから構成するなど、第1アクチュエータ3および第2アクチュエータ4を構成するアクチュエータの数が異なっていてもよい。また、第1アクチュエータ3を構成する部材の長さと第2アクチュエータ4を構成する部材の長さが異なっていてもよい。さらには、第1アクチュエータ3を熱駆動方式とし、第2アクチュエータ4を静電容量駆動方式とするなど、アクチュエータの駆動方式が異なっていてもよい。また、第1アクチュエータ3および第2アクチュエータ4のうちいずれか一方のみを駆動させることで被駆動部材7を駆動させてもよい。また、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4のいずれか一方を省略してもよい(図21,22参照)。以降に説明する変形例を含め全ての実施形態において、対応する部材に上記の構成を適用することができる。
≪変形例1≫
図7は、変形例1に係るシャッタ装置1Aの平面図を示す。シャッタ装置1Aにおいて、第2ビーム6の第1部材61は、端部6aから第3端部6bにかけて第2部材62及び被駆動部材7に沿って、第1部材61と第2部材62の間の空間がより狭くなるような鈎状の形状に形成されている。また、図1の構成と比較して、第2ビーム6の第1部材61には肉抜き部(孔)611,611,・・・が形成されている。これにより、第1部材61の質量が小さくなり、共振周波数が上がるという効果が得られる。さらに、熱駆動方式のアクチュエータを用いた場合、第2ビーム6の一部、すなわち第1部材61の肉抜き構造により第1部材61の表面積が増加することで放熱が促進され、第2アクチュエータ4から被駆動部材7に伝わる熱を緩和することができる。なお、必要に応じて第1ビーム5及び第2ビーム6のいずれか若しくは双方に肉抜き部を設けることができる。
また、第2ビーム6の第2部材62の長手方向の中央部には、第2部材62の他の領域よりも基板面方向の弾性を高くするために、例えば若干幅広に形成された高弾性領域621が設けられている。一般に、長尺に形成された部材では長手方向の中央部に応力が集中し変形が生じやすく、当該中央部の弾性(剛性)を高めることで変形を抑制できる。本変形例でも棒状に形成された第2部材62の長手方向の中央部に高弾性領域621を設けることで当該箇所の変形を抑制でき、優先的に第1ビーム5を変形させることにより被駆動部材7の移動量の減少を防止することができる。また、第2部材62の高弾性領域621を第2部材62の他の領域よりも幅を広くして形成した場合には、第2部材62の表面積が大きくなるため放熱効果が高くなり、熱駆動方式のアクチュエータを用いた際の被駆動部材7への熱伝達を軽減できる放熱領域となり得る。第2部材62の弾性を高くするために、上記以外に、第2部材62を厚く成形したり、他の金属を成膜するなどしてもよい。また、第2ビーム6の第2部材62の一部の領域の弾性率を他の領域よりも相対的に下げるため、当該一部の領域を細く形成するなどしてもよい。本変形例においては、第2ビーム6の第2部材62の一部の領域の弾性率を他の領域よりも相対的に高く又は低くしたが、第2ビーム6の第1部材61も第2部材62と同様の構成を用いて一部の領域の弾性率を他の領域よりも相対的に高く又は低くしてもよい。
また、第1アクチュエータ3を構成する2つのアクチュエータ31,31において中間部3a及び第1端部3bの中央部及び中間部3a及び第2端部3cの中央部には、アクチュエータ31の他の領域よりも基板面方向の弾性を高くするために、例えば若干幅広に形成された高弾性領域32,32,32,32が設けられている。同様に、第2アクチュエータ4を構成する2つのアクチュエータ41,41において中間部4a及び第1端部4bの中央部及び中間部4a及び第2端部4cの中央部には、アクチュエータ41の他の領域よりも基板面方向の弾性を高くするために、例えば若干幅広に形成された高弾性領域42,42,42,42が設けられている。高弾性領域32は、アクチュエータ31の他の領域、すなわち、第1端部3b、第2端部3c及び中間部3aの各周辺領域よりも相対的に弾性率が高いため、第1アクチュエータ3が加熱され膨張した際、高弾性領域32の撓み量はこれら各周辺領域の撓み量よりも小さくなるため、第1端部3b付近、第2端部3c付近及び中間部3a付近の変形量が大きくなる。アクチュエータ41における高弾性領域42についてもこれと同様である。なお、アクチュエータ31,41の弾性を高くするために、上記以外に、アクチュエータ31,41を厚く成型したり、他の金属を成膜するなどしてもよい。
このように、第1アクチュエータ3の中間部3aと第1端部3bとの中央部及び中間部3aと第2端部3cとの中央部並びに第2アクチュエータ4の中間部4aと第1端部4bとの中央部及び中間部4aと第2端部4cとの中央部がそれぞれ幅広に形成されていることで、変形しやすいこれら中央部の変形による第1アクチュエータ3の中間部3a及び第2アクチュエータ4の中間部4aの駆動量の減少を防止することができる。
また、開口部20L,20Rにおいて、各々のコーナー部は面取りされて曲率を有する形状となっている。各開口部をこのような形状にすることにより、コーナー部に応力が集中するのを抑制し、開口部の剛性を高めることができる。例えば、シャッタ装置1Aを実装基板(図示せず)等に実装する際、シャッタ装置1Aと実装基板との熱膨張係数の違いにより、コーナー部に応力が集中し、シャッタ装置1Aが変形する場合がある。この変形が大きいと、第1、第2ベース部材21,22にクラックが発生したり、場合によってはシャッタ装置1Aが破損したりする場合がある。本変形例の構成によれば、このような変形や破損が発生するのを防止できる。なお、コーナー部を面取りされた形状とする構造は、図1に示すシャッタ装置1Aや以降の変形例に示す構成に適用できることは言うまでもない。
≪変形例2≫
図8は、変形例2に係るシャッタ装置1Bの平面図を示す。図7のシャッタ装置1Aと比較して、シャッタ装置1Bでは、第2ビーム6の第1部材61と第2部材62との間隔が端部6aに向かって徐々に狭くなるように、第2ビーム6の第1部材61が第2部材62に対して若干斜めに形成されている。このように、第2ビーム6の第1部材61を若干斜めにしても図7のシャッタ装置1Aと同様に第2ビーム6は第2アクチュエータ4の駆動力を被駆動部材7に伝達することができる。
≪変形例3≫
図9は、変形例3に係るシャッタ装置1Cの平面図を示す。シャッタ装置1Cは、図7のシャッタ装置1Aに連結部材8を追加したものである。
連結部材8は、開口部20Lに形成されたヘアピン状の形状の部材であり、第1端部8aが第1ビーム5の第1端部5aの近傍に連結され、第1ビーム5に対して略垂直方向に離間するように延在して折り返され、第2端部8bが第2ビーム6の端部6aの近傍に連結され、第1ビーム5と第2ビーム6とを互いに連結する。第1ビーム5において連結部材8の第1端部8aが連結される部分、すなわち第1ビーム5の第1端部5aの近傍は、強度を増すために若干太めに形成されている。このような連結部材8を設けることにより、第2ビーム6の第3端部6bが駆動したとき、図5に示したように第2ビーム6の第1部材61が第3端部6bを軸としてXY平面上で反時計回りに若干回転するのを防止し、被駆動部材7の駆動量をより大きくすることができる。熱駆動方式のアクチュエータを採用した場合、連結部材8でも放熱されるため被駆動部材7への熱伝達が防止できる。また、第2アクチュエータ4による第3端部6bの駆動量を大きく軽減させることがない。さらに上記回転を防止するための別の例として、連結部材8は第2ビーム6の端部6a近傍から第2ビーム6に略垂直方向に延在して固定部2(より詳細には第2ベース部材22)に連結されてもよく、また、第1部材61が回転した際、第1部材61と固定部2(より詳細には第2ベース部材22)とが接触することで回転を防止する図略の回転防止構造を、固定部2又は第1部材61に設けてもよい。なお、連結部材8の延在方向は、第1ビーム5及び第2ビーム6と略垂直方向でなくてもよく、第1ビーム5や第2ビーム6と交差する方向であればよい。
≪変形例4≫
図10は、変形例4に係るシャッタ装置1Dの平面図を示す。シャッタ装置1Dは、図7のシャッタ装置1Aに緩衝部材23L,24L,25L,23R,24R,25Rを追加したものである。
シャッタ装置1Dにおいて、固定部2を構成する第1ベース部材21及び第2ベース部材22は、図7のシャッタ装置1Aと比較して、X方向左右両端におけるY方向の長さが短く形成されている。緩衝部材24Lは、シャッタ装置1DのX方向左端において第1ベース部材21と第2ベース部材22との間の中央に配置され、そのY方向の上下に緩衝部材23L,25Lが配置されている。すなわち、緩衝部材23L,24L,25Lは、固定部2に設けられ、平面視矩形のシャッタ装置1DのX方向左側の辺の一部から形成されている。また、緩衝部材23L,24L,25Lは、それぞれ、X方向右側に突出する突起部26L、27L、28Lを有する。同様に、緩衝部材24Rは、シャッタ装置1DのX方向右端において第1ベース部材21と第2ベース部材22との間の中央に配置され、そのY方向の上下に緩衝部材23R,25Rが配置されている。すなわち、緩衝部材23R,24R,25Rは、固定部2に設けられ、平面視矩形のシャッタ装置1DのX方向右側の辺の一部から形成されている。また、緩衝部材23R,24R,25Rは、それぞれ、X方向左側に突出する突起部26R、27R、28Rを有する。
第1アクチュエータ3が駆動されていない状態において、突起部26L、27L、28Lと第1アクチュエータ3との間には若干の隙間が存在する。第1アクチュエータ3が駆動されてX方向左側に突出するようにある程度屈曲あるいは湾曲すると、第1アクチュエータ3が突起部26L、27L、28Lの先端に当接して第1アクチュエータ3の中間部3aがそれ以上X方向左側に駆動しないように制止される。同様に、第2アクチュエータ4が駆動されていない状態において、突起部26R、27R、28Rと第2アクチュエータ4との間には若干の隙間が存在する。第2アクチュエータ4が駆動されてX方向右側に突出するようにある程度屈曲あるいは湾曲すると、第2アクチュエータ4が突起部26R、27R、28Rの先端に当接して第2アクチュエータ4の中間部4aがそれ以上X方向右側に駆動しないように制止される。
このように、第1アクチュエータ3の中間部3a及び第2アクチュエータ4の中間部4aの駆動量を制限することで、被駆動部材7が必要以上に駆動されて第1ベース部材21に衝突して破損することを防ぐことができる。さらに、緩衝部材23L,24L,25L,23R,24R,25Rはそれぞれ独立した島状に形成されているため、第1アクチュエータ3が突起部26L、27L、28Lに当接すると、第1アクチュエータ3から緩衝部材23L,24L,25Lへ熱が伝達されて放熱されやすくなり、また、第2アクチュエータ4が突起部26R、27R,28Rに当接すると、第2アクチュエータ4から緩衝部材23R,24R,25Rへ熱が伝達されて放熱されやすくなり、第1アクチュエータ3又は第2アクチュエータ4の温度上昇を抑制することができる。また、第1アクチュエータ3が駆動して突起部26L、28Lに当接するか、第2アクチュエータ4が駆動して突起部26R、28Rに当接することで、被駆動部材7が駆動される際に第2ビーム6の第1部材61が第3端部6bを軸とした反時計回りに必要以上に回転することを防止することもできる。
なお、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4がこれら緩衝部材の突起部に当接すると、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に流れる電流がこれら緩衝部材に流れ込むが、緩衝部材23L,24L,25L,23R,24R,25R、第1ベース部材21及び第2ベース部材22は互いに電気的に絶縁されて電気抵抗が高くなっているため、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に流れる電流がこれら緩衝部材に流れ込んでも第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4の駆動に影響しない。
≪変形例5≫
図11は、変形例5に係るシャッタ装置1Eの平面図を示す。シャッタ装置1Eは、図7のシャッタ装置1Aに、図10のシャッタ装置1Dとは異なる形状の緩衝部材24L,24Rを追加したものである。また、図10のシャッタ装置1Dとは異なり、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4は、中間部3a及び中間部4aにおいて突起がなく平坦に形成されている。
シャッタ装置1Eにおいて、固定部2を構成する第1ベース部材21及び第2ベース部材22は、図7のシャッタ装置1Aと比較して、X方向左右両端におけるY方向の長さが短く形成されている。緩衝部材24Lは、シャッタ装置1EのX方向左端において第1ベース部材21と第2ベース部材22との間に配置されている。すなわち、緩衝部材24Lは、平面視矩形のシャッタ装置1EのX方向左側の辺の一部から形成されている。また、緩衝部材24Lは、開口部20Lに若干はみ出して形成されている。同様に、緩衝部材24Rは、シャッタ装置1EのX方向右端において第1ベース部材21及び第2ベース部材22との間に配置されている。すなわち、緩衝部材24Rは、平面視矩形のシャッタ装置1EのX方向右側の辺の一部から形成されている。また、緩衝部材24Rは、開口部20Rに若干はみ出して形成されている。
第1アクチュエータ3が駆動されていない状態において、緩衝部材24LのX方向右側端部と第1アクチュエータ3との間には若干の隙間が存在する。第1アクチュエータ3が駆動されてX方向左側に突出するようにある程度屈曲あるいは湾曲すると、第1アクチュエータ3が緩衝部材24LのX方向右側端部に当接して第1アクチュエータ3の中間部3aがそれ以上X方向左側に駆動しないように制止される。同様に、第2アクチュエータ4が駆動されていない状態において、緩衝部材24RのX方向左側端部と第2アクチュエータ4との間には若干の隙間が存在する。第2アクチュエータ4が駆動されてX方向右側に突出するようにある程度屈曲あるいは湾曲すると、第2アクチュエータ4が緩衝部材24RのX方向左側端部に当接して第2アクチュエータ4の中間部4aがそれ以上X方向右側に駆動しないように制止される。つまり、緩衝部材23L,24L,25Lは第1アクチュエータ3の駆動範囲内に、緩衝部材23R,24R,25Rは第2アクチュエータ4の駆動範囲内にそれぞれ配置されているといえる。
このように、第1アクチュエータ3の中間部3a及び第2アクチュエータ4の中間部4aの駆動量を制限することで、被駆動部材7が必要以上に駆動されて第1ベース部材21に衝突して破損することを防ぐことができる。さらに、緩衝部材24L,24Rはそれぞれ独立した島状に形成されているため、第1アクチュエータ3が緩衝部材24Lに当接すると、第1アクチュエータ3から緩衝部材24Lへ熱が伝達されて放熱されやすくなり、また、第2アクチュエータ4が緩衝部材24Rに当接すると、第2アクチュエータ4から緩衝部材24Rへ熱が伝達されて放熱されやすくなり、第1アクチュエータ3又は第2アクチュエータ4の温度上昇を抑制することができる。特に、図10のシャッタ装置1Dと比較すると、シャッタ装置1Eでは第1アクチュエータ3と緩衝部材24Lとの当接部分の面積及び第2アクチュエータ4と緩衝部材24Rとの当接部分の面積がより広いため、第1アクチュエータ3又は第2アクチュエータ4からこれら緩衝部材への熱伝達が大きい。このため、第1アクチュエータ3又は第2アクチュエータ4の温度上昇の抑制効果が高い。また、第1アクチュエータ3が駆動して緩衝部材24Lに当接するか、第2アクチュエータ4が駆動して緩衝部材24Rに当接することで、被駆動部材7が駆動される際に第2ビーム6の第1部材61が第3端部6bを軸とした反時計回りに必要以上に回転することを防止することもできる。
なお、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4がこれら緩衝部材の端部に当接すると、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に流れる電流がこれら緩衝部材に流れ込むが、緩衝部材24L,24R、第1ベース部材21及び第2ベース部材22は互いに電気的に絶縁されて電気抵抗が高くなっているため、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に流れる電流がこれら緩衝部材に流れ込んでも第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4の駆動に影響しない。
≪変形例6≫
図12は、変形例6に係るシャッタ装置1Fの平面図を示す。シャッタ装置1Fは、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4をそれぞれ1つのアクチュエータで構成したものである。また、シャッタ装置1Fでは、シャッタ装置1,1A〜1Eと比較して、第1ビーム5及び第2ビーム6の位置関係がY方向で上下逆になっている。このため、被駆動部材7のXY平面上における駆動方向がシャッタ装置1,1A〜1Eの場合と逆になり、被駆動部材7はXY平面上で左斜め下へ駆動される。なお、被駆動部材7の駆動方向は第1ビーム5及び第2ビーム6の剛性や形状等により異なり、左斜め下の他、下方等、他の方向への駆動も可能である。
シャッタ装置1Fにおいて、第2ビーム6の第2部材62の長手方向の中央部には、第2部材62の他の領域よりも基板面方向の弾性を高くするために、例えば若干幅広に形成された高弾性領域621が設けられている。このように、棒状に形成された第2部材62の中央部に高弾性領域621を設けることで、第2部材62の中央部の変形による被駆動部材7の移動量の減少を防止することができる。また、第2部材62の高弾性領域621を第2部材62の他の領域よりも幅を広くして形成した場合には、第2部材62の表面積が大きくなるため放熱効果が高くなり、熱駆動方式のアクチュエータを用いた際の被駆動部材7への熱伝達を軽減できる放熱領域となり得る。第2部材62の弾性を高くするために、上記以外に、第2部材62を厚く成形したり、他の金属を成膜するなどしてもよい。また、第2ビーム6の第2部材62の一部の領域の弾性率を他の領域よりも相対的に下げるため、当該一部の領域を細く形成するなどしてもよい。本変形例においては、第2ビーム6の第2部材62の一部の領域の弾性率を他の領域よりも相対的に高く又は低くしたが、第2ビーム6の第1部材61も第2部材62と同様の構成を用いて一部の領域の弾性率を他の領域よりも相対的に高く又は低くしてもよい。また、第1ビーム5の中央部に第1ビーム5における他の領域よりも相対的に弾性率の高い領域を設けてもよい。
さらに、シャッタ装置1Fは、連結部材8を備えている。連結部材8は、開口部20Lに形成されたヘアピン状の形状の部材であり、第1端部8aが第1ビーム5の第1端部5aの近傍に連結され、第1ビーム5に対して略垂直方向に離隔するように延在して折り返され、第2端部8bが第2ビーム6の端部6aの近傍に連結され、第1ビーム5と第2ビーム6とを互いに連結する。第1ビーム5において連結部材8の第1端部8aが連結される部分、すなわち第1ビーム5の第1端部5aの近傍は、強度を増すために若干太めに形成されている。このような連結部材8を設けることにより、第2ビーム6の第3端部6bが駆動したとき、第2ビーム6の第1部材61が第3端部6bを軸としてXY平面上で時計回りに若干回転するのを防止し、被駆動部材7の駆動量をより大きくすることができる。熱駆動方式のアクチュエータを採用した場合、連結部材8でも放熱されるため被駆動部材7への熱伝達が防止できる。また、第2アクチュエータ4による第3端部6bの駆動量を大きく軽減させることがない。さらに上記回転を防止するための別の例として、連結部材8は第2ビーム6の端部6a近傍から第2ビーム6に略垂直方向に延在して固定部2(より詳細には第1ベース部材21)に連結されてもよく、また、第1部材61が回転した際、第1部材61と固定部2(より詳細には第1ベース部材21)とが接触することで回転を防止する図略の回転防止構造を、固定部2又は第2部材62に設けてもよい。なお、連結部材8の延在方向は、第1ビーム5及び第2ビーム6と略垂直方向でなくてもよく、第1ビーム5や第2ビーム6と交差する方向であればよい。
≪変形例7≫
図13は、変形例7に係るシャッタ装置1Gの平面図を示す。シャッタ装置1Gは、図12のシャッタ装置1Fから連結部材8をなくして緩衝部材29a,29aを追加したものである。
シャッタ装置1Gにおいて、固定部2を構成する第1ベース部材21及び第2ベース部材22のX方向右側部分が一部切り欠かれて切り欠き部29,29が形成されており、当該切り欠き部29,29に緩衝部材29a,29aが配置されている。緩衝部材29a,29aは、第1ベース部材21の第2凹部21b及び第2ベース部材22の第4凹部22bよりもX方向左側に突出するように形成されている。さらに、緩衝部材29aには肉抜き部(孔)29b,29b,・・・が形成されている。
第2アクチュエータ4が駆動されていない状態において、緩衝部材29a,29aのX方向左側先端と第2アクチュエータ4との間には若干の隙間が存在する。第2アクチュエータ4が駆動されてX方向右側に突出するようにある程度屈曲あるいは湾曲すると、第2アクチュエータ4が緩衝部材29a,29aのX方向左側先端に当接して第2アクチュエータ4の中間部4aがそれ以上X方向右側に駆動しないように制止される。つまり、緩衝部材29a,29aは第2アクチュエータ4の駆動範囲内に設けられているといえる。
このように、緩衝部材29a,29aを設けて第2アクチュエータ4の中間部4aの駆動量を制限することで、被駆動部材7が必要以上に駆動されて第2ベース部材22に衝突して破損することを防ぐことができる。また、第2アクチュエータ4が駆動して緩衝部材29a,29aに当接することで、被駆動部材7が駆動される際に第2ビーム6の第1部材61が第3端部6bを軸とした時計回りに必要以上に回転することを防止することもできる。また、緩衝部材29a,29aに肉抜き部29b,29b,…を設けることで、断面積を小さくして熱抵抗を高めることができ、さらに、緩衝部材29a,29aは酸化膜層220からX方向左側へ突出するように設けられているため、第2アクチュエータ4から緩衝部材29a,29aへの熱の逃げを抑制することができる。
なお、第2アクチュエータ4が緩衝部材29a,29aの先端に当接すると、第2アクチュエータ4に流れる電流が緩衝部材29a,29aに流れ込むが、緩衝部材29a,29a、第1ベース部材21及び第2ベース部材22は互いに電気的に絶縁されて電気抵抗が高くなっているため、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4に流れる電流がこれら緩衝部材に流れ込んでも第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4の駆動に影響しない。
≪変形例8≫
図14は、変形例8に係るシャッタ装置1Hの平面図を示す。シャッタ装置1Hは、図12のシャッタ装置1Fとは異なり、第1ビーム6の第2部材62をほぼ均等な幅で形成したものである。
≪変形例9≫
図15は、変形例9に係るシャッタ装置1Iの平面図を示す。シャッタ装置1Iは、図12のシャッタ装置1Fにおける第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62をわずかに湾曲した形状に形成したものである。より具体的には、被駆動部材7が第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4により駆動されていない初期状態において、あらかじめ並列する第1ビーム5と第2ビーム6の第2部材62とが異なる曲率でわずかに湾曲した形状に形成されている。これ以外にも、第2部材62を直線形状にし、第1ビーム5をわずか湾曲させた形状にしてもよい。第2部材62の曲率をX、第1ビーム5の曲率をYとした場合、X>Yとなっている場合には、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4の駆動時に第2部材62よりも先に第1ビーム5が変形するため、被駆動部材7をより大きく駆動させたり、被駆動部材7を駆動させる際に必要な駆動力を小さくしたりすることができる。
シャッタ装置1Iにおいて、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4が駆動されると第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62はそれぞれ異なる曲率で大きく湾曲又は屈曲して被駆動部材7をXY平面上で左斜め下へ押し出す。そこで、第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62をあらかじめ被駆動部材7の駆動方向にわずかに湾曲して形成する。こうすることで、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4が駆動するときに、第1ビーム5及び第2ビーム6が所定の方向に湾曲又は屈曲しやすくなる。
≪変形例10≫
図16は、変形例10に係るシャッタ装置1Jの平面図を示す。図14のシャッタ装置1Hと比較して、シャッタ装置1Jでは、第2ビーム6の第1部材61と第2部材62との間隔が端部6aに向かって徐々に狭くなるように、第2ビーム6の第1部材61が第2部材62に対して若干斜めに形成されている。このように、第2ビーム6の第1部材61を若干斜めにしてもシャッタ装置1Jと同様に第2ビーム6は第2アクチュエータ4の駆動力を被駆動部材7に伝達することができる。また、図14のシャッタ装置1Hとは異なり、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4は、中間部3a及び中間部4aにおいて突起がなく平坦に形成されている。
また、第1アクチュエータ3において中間部3aと第1端部3bとの中央部及び中間部3aと第2端部3cとの中央部には、第1アクチュエータ3の他の領域よりも基板面方向の弾性を高くするために、例えば若干幅広に形成された高弾性領域32,32が設けられている。同様に、第2アクチュエータ4において中間部4aと第1端部4bとの中央部及び中間部4aと第2端部4cとの中央部には、第2アクチュエータ4の他の領域よりも基板面方向の弾性を高くするために、例えば若干幅広に形成された高弾性領域42,42が設けられている。
このように、第1アクチュエータ3の中間部3aと第1端部3bとの中央部及び中間部3aと第2端部3cとの中央部並びに第2アクチュエータ4の中間部4aと第1端部4bとの中央部及び中間部4aと第2端部4cとの中央部がそれぞれ幅広に形成されていることで、変形しやすいこれら中央部の変形による第1アクチュエータ3の中間部3a及び第2アクチュエータ4の中間部4aの駆動量の減少を防止することができる。
≪変形例11≫
図17は、変形例11に係るシャッタ装置1Kの平面図を示す。図15のシャッタ装置1Iと同様に、第1アクチュエータ3の中間部3aに第1端部5aが連結された第1ビーム5が第2端部5bで被駆動部材7に連結されている。また、第2アクチュエータ4の中間部4aに第3端部6bが連結された第2ビーム6が第4端部6cで被駆動部材7に連結されている。第2ビーム6は第1部材61と第2部材62とを有し、第1部材61は、被駆動部材7のY方向上側を迂回しつつ、第3端部6bのX方向左側に延びており、また、肉抜き部(孔)611,611・・・を有している。第2ビーム6の第2部材62は第1部材61との連結部分からX方向右側に延びている。また、第1ビーム5と第2ビームの第1部材61とが第1ビーム5の第1端部5aの近傍で連結部材8によって連結されている。図15に示すシャッタ装置1Iと比較して異なる点は、まず、第1ビーム5及び第2ビーム6にヒンジ91〜94が設けられている点である。具体的には、第2ビーム6の第2部材62の基端側にヒンジ91が設けられ、第2ビーム6の第1部材61と第2部材62とが連結されている。並列配置部56における第1ビーム5の基端側にヒンジ92が設けられている。また、第2ビーム6の先端側にヒンジ93が設けられ、第1ビーム5の先端側にヒンジ94が設けられている。すなわち、並列配置部56において、それぞれのビームの両端側にヒンジ91〜94が設けられている。ヒンジ91〜94の弾性率は第1ビーム5や第2ビーム6の第2部材62よりも低くなっている。また、並列配置部56において、ヒンジ92とヒンジ94の中間部は、第1ビーム5の一部に肉抜き部(孔)501,501・・・が、ヒンジ91とヒンジ93の中間部は、第2ビーム6の第2部材62の一部に肉抜き部(孔)622,622・・・がそれぞれ形成されている。
このように、ヒンジ91〜94を設けることで、並列配置部56において、それぞれのビームは変形しにくく、各ヒンジ91〜94が変形するようになる。このことにより、第1ビーム5や第2ビーム6の第2部材62自体の変形量が抑制されるため、これらのビームが略平行関係を保って同じ側から被駆動部材7を押し引きすることができ、被駆動部材7の駆動量が低減しない。特に、第1ビーム5や第2ビーム6の第2部材62の長さが長くなる程、これらの剛性が低下し、変形しやすくなるため、ヒンジ91〜94を設ける効果が大きくなる。また、この構成によれば、被駆動部材7の駆動量を維持しつつ、共振周波数が大きく低下しないようにすることができ、シャッタ装置1Kの設計が容易となる。なお、ヒンジ91〜94の長さや形状等は、図17に示した構成に特に限定されず、シャッタ装置1Kの設計仕様等に応じて適宜決められる。また、第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62に放熱構造として肉抜き部(孔)501,501・・・や肉抜き部(孔)622,622・・・を設けることにより、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4からそれぞれ第1ビーム5及び第2ビームに伝わる熱を当該放熱構造で放熱して、被駆動部材7に多くの熱が伝わらないようにすることができる。さらに第1ビーム5及び第2ビームの質量を低減できるため、共振周波数を高めることができる。また、並列配置部56において、肉抜き部(孔)501,501・・・及び肉抜き部(孔)622,622・・・が設けられた部分はヒンジ91〜94を含めた他の部分よりも弾性率が高くなるよう幅広に形成されており、第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62の変形を防止する効果が高くなる。
≪変形例12≫
図18A,18Bは、変形例12に係るシャッタ装置1Lの平面図を示し、図18Aは駆動前のシャッタ装置1Lを、図18Bは駆動時のシャッタ装置1Lをそれぞれ示す。図15のシャッタ装置1Iと比較して、第1及び第2ベース部材21,22と第1アクチュエータ3との間の開口部20Lにカンチレバー301,302が、また、第1及び第2ベース部材21,22と第2アクチュエータ4との間の開口部20R内にカンチレバー303,304がそれぞれ設けられている。カンチレバー301〜304はそれぞれ第1ベース部材21及び第2ベース部材22から第1ビーム5が接続される第1アクチュエータ3の中間部3a及び第2ビーム6の第1部材61が接続される第2アクチュエータ4の中間部4aに向かって延びるように設けられている。また、カンチレバー301〜304はそれぞれ第1ベース部材21及び第2ベース部材22との連結部を支点として所定の範囲で変位可能となるように可撓性を有している。また、カンチレバー301,302は第1アクチュエータ3の駆動範囲内に、カンチレバー303,304は第2アクチュエータ4の駆動範囲内にそれぞれ設けられている。なお、図示しないが、カンチレバー301〜304は、図6に示す製造工程において、デバイス層のエッチングにより、固定部2、第1アクチュエータ3、第2アクチュエータ4、第1ビーム5、第2ビーム6とともに一体形成される。また、図18A,18Bに示すように、第1アクチュエータ3の中間部3aにおいて、固定部2側には、X方向左側の先端が平面である当接部3dが設けられており、当接部3dに対向する固定部2の第3ベース部材23には、先端が平面である当接部23aが設けられている。当接部3dの先端と当接部23aの先端とは略同じ幅である。なお、図18A,18Bに示すように、第2アクチュエータ4の中間部4aにおいて、第1アクチュエータ3の中間部3aと同様にX方向右側に当接部4dが設けられており、当接部4dに対向する第3ベース部材23には当接部23aが設けられている。また、当接部3dの先端と当接部23aの先端との幅は必ずしも同じでなくてもよく、両者が異なっていてもよい。さらに、当接部3dや当接部23aのサイズは、図18A,18Bに限定されず、これよりも大きくてもよい。また、第1ベース部材21と第3ベース部材23との間及び第2ベース部材22と第3ベース部材23との間で第1シリコン層210が除去されている。このようにすることで、当接部23a,23aとカンチレバー301〜304とは電気的に絶縁され、第1アクチュエータ3や第2アクチュエータ4が当接部23aあるいはカンチレバー301〜304に接触した際に不必要な電流の迂回路が形成されるのを防止できる。
図18Bに示すように、第1アクチュエータ3に通電して駆動させると、両端部3b、3cが固定部20に固定された第1アクチュエータ3は図1に示すX方向左側に湾曲または屈曲する。このとき、カンチレバー301,302が第1アクチュエータ3に当接することで、第1アクチュエータ3の変位が抑制される。また、第1アクチュエータ3がカンチレバー301,302へ当接すると、可撓性を有するカンチレバー301,302はX方向左側に向かって所定の範囲で変位し、第1アクチュエータ3が当接したときの衝撃を緩和する。このことにより、第1アクチュエータ3は、破損等することなくカンチレバー301,302によってその変位が規制される。また、第1アクチュエータ3がカンチレバー301,302に当接した後、さらに固定部2側に向かって変位する場合、第1アクチュエータ3に設けられた当接部3dが、固定部2に設けられた当接部23aに当接するため、それ以上に第1アクチュエータ3が変位するのを規制できる。また、当接部3dと当接部23aとは平面同士が当接するため、第1アクチュエータ3の変位を規制し、さらには、第1アクチュエータ3の破損も確実に防止できる。さらに、当接部3dと当接部23aとの接触により、第1アクチュエータ3で発生した熱が第3ベース部材23に直接、放散されるため、第1アクチュエータ3での温度上昇を抑制できる。第1アクチュエータ3の駆動時は中間部3aにおいて温度上昇が大きくなるが、当接部3d及び当接部23aを設けることにより第1アクチュエータ3内での温度ばらつきを抑制でき、第1アクチュエータ3での熱や応力に起因する破損、損傷を抑制できる。また、第1アクチュエータ3で発生した熱が第1ビーム5や第2ビームの第2部材62を介して被駆動部材7に伝搬するのを抑制できる。このことにより、例えば、被駆動部材7において、金属膜71中にシリコンが拡散するのを防止し、光を遮断できないなどの光学特性の変化を防止することができる。また、カンチレバー301,302を設けることによっても、第1アクチュエータ3で発生した熱が第1ベース部材21及び第2ベース部材22に放散されるため、第1アクチュエータ3での温度上昇を抑制できる。なお、当接部4d,23a及びカンチレバー303,304を設けることにより、第2アクチュエータ4の変位規制や温度上昇抑制等が行えることは上記と同じである。
≪変形例13≫
図19A,19Bは、変形例13に係る被駆動部材の平面図を示し、図4に示す断面図にそれぞれ対応する。図2,4,6を用いて説明したように、上記の実施形態では、被駆動部材7を、上記変位拡大機構を構成する他の部材よりも薄く形成することで、被駆動部材7の質量を小さくして共振周波数を高くしている。これに対し、図19A,19Bに示す構成では、被駆動部材7を、上記変位拡大機構を構成する他の部材よりも薄く形成するとともに、あるいはそれに代えて、材質も他の部材と異なるようにすることで、共振周波数を高めている。例えば、図19Aに示す構成では、被駆動部材7を多孔質シリコン層210aと金属膜71との積層構造としている。多孔質シリコン層210aは、第1シリコン層210よりも密度が低いため、図4に示すように、被駆動部材7を第1シリコン層210で構成した場合よりも被駆動部材7の質量を小さくすることができる。また、図19Bに示す構成では、被駆動部材7を酸化膜層220と金属膜71との積層構造としている。酸化膜層220も、第1シリコン層210よりも密度が低いため、図4に示すように、被駆動部材7を第1シリコン層210で構成した場合よりも被駆動部材7の質量を小さくすることができる。なお、被駆動部材7と第1、第2ビーム5,6との連結強度を確保するため、酸化膜層220は、第1、第2ビーム5,6の下層に一部残すようにしている。
なお、図19Aに示す構成において、多孔質シリコン層210aは、デバイス層のエッチング前に予め陽極酸化法等により、被駆動部材7が形成される予定の領域に形成される。多孔質シリコン層210aが形成された状態で、変位拡大機構が一体形成される。また、図示しないが、図19Bに示す構成において、被駆動部材7と第1、第2ビーム5,6との連結強度を確保するため、酸化膜層220を、第1、第2ビーム5,6の下層に一部残す代わりに、あるいは酸化膜層220を残すとともに、酸化膜層220の表面に第1シリコン層210を薄く残した状態としてもよい。また、多孔質シリコン層210a、酸化膜層220とも第1シリコン層210よりも熱伝導係数が小さいため、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4で発生した熱が被駆動部材7への伝搬するのを抑制する効果を向上させることができる。
≪その他の実施形態≫
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるべきとの認定をするべきではない。
上記実施の形態について、以下のような構成としてもよい。
第1ビーム5が第2端部5bから第1ビーム5の延在方向に被駆動部材7を引く一方、第2ビーム6が第4端部6cから第2ビーム6の延在方向に被駆動部材7を押す構造、又はそれぞれ反対の方向に力を作用させる構造であれば、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4は上記と異なる構造であってもよい。例えば、図20は、本発明の別実施形態に係るシャッタ装置1Mの平面図を示す。シャッタ装置1Mでは、これまで説明したシャッタ装置における第1ベース部材21がX方向に2分割されて第3ベース部材23が形成されている。第3ベース部材23は、第1ベース部材21及び第2ベース部材22から電気的に絶縁されており、第3ベース部材23の上面に第3電極103が形成されている。第2アクチュエータ4は、第1ベース部材21と第3ベース部材23との境界に配置されており、第1ベース部材21のX方向右端からY方向下側へ延在する棒状の第1部材43と、第1部材43よりも幅広で第3ベース部材23のX方向左端からY方向下側へ延在する第2部材44とを有する。第1部材43の第1端部43aは第1ベース部材21に連結され、第2部材44の第1端部44aは第3ベース部材23に連結され、第1部材43の第2端部43b及び第2部材44の第2端部44bは互いに連結されている。また、第2ビーム6の第3端部6bは第2アクチュエータ4の第2部材44の第2端部44bに連結されている。このような構成のシャッタ装置1Mにおいて第1電極101と第3電極103との間に電圧を印加すると、第2アクチュエータ4の第1部材43及び第2部材44に電流が流れ、これら部材が加熱されて熱膨張する。ここで、幅広の第2部材44よりも幅狭の第1部材43の方がより大きく膨張するため、第2部材44の第2端部44bがX方向右側に駆動され、第2アクチュエータ4は、全体的にX方向右側に湾曲あるいは屈曲するように変形し、第2ビーム6がX方向右側へ押し出される。一方、第1電極101と第2電極102との間に電圧にも電圧を印加することで、上述したように第1ビーム5はX方向左側へ引っ張られる。この結果、被駆動部材7はXY平面の左斜め下へ駆動される。
シャッタ装置1Mにこのような変更を加えても、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4にそれぞれ駆動される第1ビーム5及び第2ビーム6の駆動力が足し合わされて被駆動部材7が駆動されることで、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4のわずかな変位で被駆動部材7を大きく変位させることができる。
また、第1ビーム5及び第2ビーム6の第2部材62に放熱構造としてフィン、凹凸、切り欠き、肉抜き構造などを設けてもよい。
また、第1アクチュエータ3及び第2アクチュエータ4のいずれか一方を省略してもよい。例えば、図21は、図15のシャッタ装置1Iから第1アクチュエータ3を省略したシャッタ装置1Nの平面図を示す。シャッタ装置1Nにおいて、第1ビーム5の第1端部5aは第1ベース部材21に連結されている。なお、第1ビーム5の第1端部5aを第1ベース部材21ではなく第2ベース部材22に連結してもよい。図22は、図15のシャッタ装置1Iから第2アクチュエータ4を省略したシャッタ装置1Oの平面図を示す。シャッタ装置1Oにおいて、第2ビーム6の第3端部6bは第1ベース部材21に連結されている。なお、第2ビーム6の第3端部6bを第1ベース部材21ではなく第2ベース部材22に連結してもよい。また、シャッタ装置1Oにおいて第2ビーム6は発熱する部材に直接連結されておらず放熱を考慮する必要がないため、第1部材61における肉抜き部611は形成されていなくてもよい。
上述した実施形態に関し、さらに下記の付記を開示する。
(付記1)
固定部と、
前記固定部に連結された第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部が前記第1アクチュエータに連結された第1ビームと、
第3端部及び第4端部を有し、前記第3端部が前記第2アクチュエータに連結された第2ビームと、
前記第1ビームの前記第2端部と前記第2ビームの前記第4端部とに連結された被駆動部材とを備え、
前記第1ビーム及び前記第2ビームは互いに並列に配置された並列配置部を有し、当該並列配置部の先端側に前記被駆動部材が連結され、
前記第1アクチュエータは、前記第1ビームを前記第2端部側から当該第1ビームの延在方向に引くように駆動し、
前記第2アクチュエータは、前記第2ビームを前記第4端部側から当該第2ビームの延在方向に押すように駆動する、変位拡大機構。
(付記2)
前記第3端部は前記固定部に連結された第2アクチュエータを介して前記固定部に連結されている付記1に記載の変位拡大機構。
(付記3)
前記第1ビーム及び前記第2ビームは、前記被駆動部材に対して同じ方向から連結されている付記1または付記2に記載の変位拡大機構。
(付記4)
前記第1端部と前記第3端部とは対向配置され、
前記被駆動部材は前記第1端部と前記第3端部の間に配置され、
前記第1ビームまたは第2ビームは折返し構造を有する付記1〜3のいずれか記載の変位拡大機構。
(付記5)
前記被駆動部材を押して屈曲する前記第1ビームもしくは前記第2ビームの一部に高弾性領域が設けられている付記1〜4のいずれか記載の変位拡大機構。
(付記6)
前記被駆動部材は前記第1ビームおよび/または前記第2ビームより薄く形成され、該被駆動部材と該第1ビームまたは第2ビームとの厚さの差によりなる放熱部を有する付記1〜5のいずれかに記載の変位拡大機構。
(付記7)
基板と、
前記基板に設けられた固定部と、
前記固定部に連結された第1アクチュエータと、
基端側が前記第1アクチュエータに連結され前記基板の上面と平行に延在する第1ビームと、
前記固定部に設けられた第2アクチュエータと、
基端側が前記第2アクチュエータに連結され前記基板の上面と平行に延在する第2ビームと、
前記第1ビームおよび前記第2ビームの先端側に連結された被駆動部材と、
を有し、
前記第1ビームの先端側は折返されて前記第2ビームの先端側と連結され、
前記第1ビーム及び前記第2ビームは互いに並列に配置された並列配置部を有し、
前記第1アクチュエータは前記第1ビームを介して前記被駆動部材を押すかまたは引く一方、前記第2アクチュエータは前記第2ビームを介して前記被駆動部材に前記第1アクチュエータとは反対方向に力を作用する変位拡大機構。
(付記8)
基板と、
前記基板に設けられた固定部と、
前記固定部に設けられたアクチュエータと、
前記基板面内に設けられた被駆動部材と、
先端部側が前記被駆動部材に連結されて延在する第1ビームと、
先端部側が前記第1ビームと並列して前記被駆動部材に連結されて延在する第2ビームと、を有し、
前記第2ビームの基端側は折返され、
前記第1ビームの基端側および前記第2ビームの基端側の一方は前記アクチュエータに連結され、他方は前記固定部に連結されている変位拡大機構。
以上説明したように、ここに開示された技術は、変位拡大機構及びシャッタ装置について有用である。
1,1A〜1M シャッタ装置
2 固定部
21 第1ベース部材
22 第2ベース部材
23 第3ベース部材
23a 当接部
3 第1アクチュエータ
3a 中間部
3b 第1端部
3c 第2端部
3d 当接部
4 第2アクチュエータ
4a 中間部
4b 第1端部
4c 第2端部
4d 当接部
5 第1ビーム
56 並列配置部
5a 第1端部
5b 第2端部
6 第2ビーム
6b 第3端部
6c 第4端部
611 肉抜き部(肉抜き構造)
621 高弾性領域
7 被駆動部材
72 放熱部
8 連結部材
101 第1電極
102 第2電極
210 第1シリコン層
210a 多孔質シリコン層
220 酸化膜層
230 第2シリコン層
91〜94 ヒンジ
301〜304 カンチレバー(可撓性部材)

Claims (21)

  1. 固定部と、
    前記固定部に連結された第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、
    第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部が前記第1アクチュエータに連結された第1ビームと、
    第3端部及び第4端部を有し、前記第3端部が前記第2アクチュエータに連結された第2ビームと、
    前記第1ビームの前記第2端部と前記第2ビームの前記第4端部とに連結された被駆動部材とを備え、
    前記第1ビーム及び前記第2ビームは、互いに並列に配置された並列配置部を有し、当該並列配置部の先端側において前記被駆動部材が連結され、
    前記第1アクチュエータは、前記第1ビームを前記第2端部側から当該第1ビームの延在方向に引くように駆動し、
    前記第2アクチュエータは、前記第2ビームを前記第4端部側から当該第2ビームの延在方向に押すように駆動する、変位拡大機構。
  2. 前記第1ビーム及び前記第2ビームは、前記被駆動部材に対して同じ方向から連結されている請求項1に記載の変位拡大機構。
  3. 前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとは対向して配置されている請求項1に記載の変位拡大機構。
  4. 前記被駆動部材は前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとの間に配置され、
    前記第1ビーム又は前記第2ビームは折り返し構造を有する請求項3に記載の変位拡大機構。
  5. 前記第1ビームと前記第2ビームとは連結部材を介して互いに連結されている請求項1に記載の変位拡大機構。
  6. 前記第1ビームまたは前記第2ビームの一部に肉抜き構造が形成されている請求項1に記載の変位拡大機構。
  7. 前記被駆動部材の厚みは、前記第1ビーム又は前記第2ビームの厚みよりも薄い請求項1に記載の変位拡大機構。
  8. 前記第1ビーム及び前記第2ビームの少なくとも一方に前記被駆動部材との厚みの違いによりなる放熱部が形成されている請求項7に記載の変位拡大機構。
  9. 前記第1ビーム及び前記第2ビームはそれぞれ前記被駆動部材の駆動方向にわずかに湾曲した形状に形成されている請求項1に記載の変位拡大機構。
  10. 少なくとも前記第1ビームまたは前記第2ビームのいずれか一方の並列配置部は、部分的に当該並列配置部内の他の部分よりも弾性率の高い部分を有する請求項1に記載の変位拡大機構。
  11. 少なくとも前記第1アクチュエータまたは前記第2アクチュエータのいずれか一方の駆動範囲内には、前記固定部に緩衝部材が設けられている請求項1に記載の変位拡大機構。
  12. 少なくとも前記第1アクチュエータまたは前記第2アクチュエータのいずれか一方の駆動範囲内には、前記固定部から延在する可撓性部材が設けられている請求項1に記載の変位拡大機構。
  13. 少なくとも前記第1アクチュエータの中間部または前記第2アクチュエータの中間部のいずれか一方において、前記固定部に対向する部分に先端が平面である当接部が設けられており、前記固定部における当該中間部に対向する部分に先端が平面である別の当接部が設けられている請求項12に記載の変位拡大機構。
  14. 前記第1ビーム及び前記第2ビームの前記並列配置部における両端側は当該並列配置部内の他の部分よりも弾性率が低い請求項1に記載の変位拡大機構。
  15. 前記第1ビーム及び前記第2ビームの前記並列配置部における両端側にヒンジが設けられている請求項1に記載の変位拡大機構。
  16. 基板と、
    前記基板に設けられた固定部と、
    前記固定部に連結された第1アクチュエータと、
    基端側が前記第1アクチュエータに連結され、前記基板の上面と平行に延在する第1ビームと、
    前記固定部に設けられた第2アクチュエータと、
    基端側が前記第2アクチュエータに連結され、前記基板の上面と平行に延在する第2ビームと、
    前記第1ビームおよび前記第2ビームの先端側に連結された被駆動部材と、
    を有し、
    前記第1ビームの先端側は折返されて前記第2ビームの先端側と連結され、
    前記第1ビーム及び前記第2ビームは互いに並列に配置された並列配置部を有し、
    前記第1アクチュエータは前記第1ビームを介して前記被駆動部材を押すかまたは引く一方、前記第2アクチュエータは前記第2ビームを介して前記被駆動部材に前記第1アクチュエータとは反対方向に力を作用する変位拡大機構。
  17. 前記第2ビームはさらに折返されて基端側が前記第2アクチュエータに連結されている請求項16に記載の変位拡大機構。
  18. 基板と、
    前記基板に設けられた固定部と、
    前記固定部に連結されたアクチュエータと、
    前記基板に設けられた被駆動部材と、
    先端側が前記被駆動部材に連結された第1ビームと、
    先端側が前記第1ビームと並列して延在し、かつ前記被駆動部材に連結された第2ビームと、を有し、
    前記第2ビームの基端側は折返され、
    前記第1ビームの基端側および前記第2ビームの基端側の一方は前記アクチュエータに連結され、他方は前記固定部に連結されている変位拡大機構。
  19. 前記アクチュエータは第1アクチュエータと第2アクチュエータを含み、
    前記第1ビームは前記第1アクチュエータに連結され、前記第2ビームは前記第2アクチュエータに連結されている請求項18に記載の変位拡大機構。
  20. 請求項1〜17、19のいずれか1つに記載の変位拡大機構と、
    前記変位拡大機構の前記固定部上に配設され、前記変位拡大機構の前記第1アクチュエータの第1端部及び前記第2アクチュエータの第1端部に電気的に接続された第1電極と、
    前記変位拡大機構の前記固定部上に配設され、前記変位拡大機構の前記第1アクチュエータの第2端部及び前記第2アクチュエータの第2端部に電気的に接続された第2電極とを備え、
    前記変位拡大機構の前記被駆動部材で光路を遮断及び開通させるシャッタ装置。
  21. 請求項18に記載の変位拡大機構と、
    前記変位拡大機構の前記固定部上に配設され、前記変位拡大機構の前記アクチュエータの第1端部に電気的に接続された第1電極と、
    前記変位拡大機構の前記固定部上に配設され、前記変位拡大機構の前記アクチュエータの第2端部に電気的に接続された第2電極とを備え、
    前記変位拡大機構の前記被駆動部材で光路を遮断及び開通させるシャッタ装置。
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