JP2009252598A - Memsスイッチ - Google Patents

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Yoshiki Hayazaki
嘉城 早崎
Takaaki Yoshihara
孝明 吉原
Takeo Shirai
健雄 白井
Chomei Matsushima
朝明 松嶋
Hiroshi Kawada
裕志 河田
Yosuke Hagiwara
洋右 萩原
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Abstract

【課題】伝送損失の低減を図れ、且つ、アイソレーション特性の向上を図りながらも接圧を大きくすることができるMEMSスイッチを提供する。
【解決手段】ベース基板1の厚み方向の一表面上に形成され一端部が固定接点25,25となる一対の信号線34,34と、可動接点25が一対の信号線34,34の上記一端部間の隙間36に嵌入されるように可動接点25を上記厚み方向を駆動軸方向として変位させる駆動手段とを備える。各固定接点35,35および可動接点25は、駆動軸方向に直交する水平面に対して傾斜し互いに当接する傾斜面35a,35a,25aが形成されてなり、可動接点25が隙間36に嵌入されたときに一方の固定接点35と可動接点25と他方の固定接点35とで構成される導体部における信号の伝送方向において連続的な表面が形成され、駆動手段は、静電アクチュエータ5と圧電アクチュエータ4とで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMS(micro electro mechanical systems)スイッチに関するものである。
従来から、高周波信号伝送用のMEMSスイッチとして、静電アクチュエータを利用したMEMSスイッチ(例えば、特許文献1参照)や、磁気アクチュエータを利用したMEMSスイッチ(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
ここにおいて、上記特許文献1に開示されたMEMSスイッチは、図14に示すように、矩形板状のガラス基板からなるベース基板1’と、ベース基板1’の厚み方向の一表面側に固定された2つの支持部22’,22’に帯板状の可撓部23’,23’を介して上記厚み方向へ変位可能に支持され可動接点25’が設けられた可動板部21’を有する構造体部2’と、ベース基板1’の上記一表面上に形成され一端部が可動接点25’と接離する固定接点35’,35’となる一対の信号線34’,34’とを備え、可動接点25’が両固定接点35’,35’に近づく向きに可動接点25’を変位させる駆動手段として可動板部21’に設けられた可動電極51’およびベース基板1の上記一表面上に形成され可動電極51’に対向配置された固定電極52’を有し可動電極51’と固定電極52’との間に電圧を印加したときに可動接点25’が両固定接点35’,35’に近づく向きに可動接点25’を変位させる静電アクチュエータ5’を備えている。なお、図14に示した構成のMEMSスイッチでは、固定電極52’上に、固定電極52’と可動電極51’との短絡を防止するとともにスティッキングを防止するための絶縁膜53’が形成されている。また、図14に示した構成のMEMSスイッチは、上述の構造体部2’がシリコン基板を用いて形成されている。
また、上記特許文献2に開示されたMEMSスイッチは、図15(a),(b)に示すように、厚み方向の一表面の中央に十字状の凹部112が形成されたベース基板101と、ベース基板101の一表面側に形成され一端部が固定接点135,135となる各一対の信号線(固定接点層)134,134と、ベース基板101における凹部112の周部に両端部が支持されたV字状のばね部123の中央部に2つの可動接点(可動接点層)125,125が形成された細長の八角形状の可動接点基台部124を有するとともに当該可動接点基台部124の長手方向の両側縁から延設された針部128を有する構造体部102と、ベース基板1の上記一表面側に固着された電磁石形成基板(図示せず)とを備え、各可動接点を対応する一対の信号線134,134の上記一端部間に形成された隙間に介在するように可動接点125を変位させる駆動手段として、針部128に形成された磁性体(例えば、パーマロイなど)からなる磁性体部129および上記電磁石形成基板に形成され励磁コイル221への励磁電流に応じて磁束を発生する電磁石装置202を有する2つの磁気アクチュエータ106を備えている。
上記特許文献2に開示されたMEMSスイッチでは、例えば、図15(a)に示すように左側の可動接点125が左側の一対の信号線134,134の上記一端部間に形成された隙間に介在して固定接点135,135に接触し左側の電磁石装置202の励磁コイル221への通電が停止されている状態から、右側の電磁石装置202の励磁コイル221へ励磁電流を流すと右側の針部の磁性体部129が電磁石装置202に吸引されてばね部123が図15(b)に示すように逆向きに変形して右側の可動接点125が右側の一対の信号線134,134の上記一端部間に形成された隙間に介在して固定接点135,135に接触する。
特許第3852224号公報 特開平5−159679号公報
ところで、図14に示した構成のMEMSスイッチでは、ベース基板1’の厚み方向において重なる可動接点25’と両固定接点35’,35’との間の距離を大きくして寄生容量を低減することでアイソレーション特性を向上できるが、可動電極51’と固定電極52’との間の距離も大きくなるので、所望の接圧を確保するために必要な駆動電圧が大きくなり、消費電力が増加してしまう。
また、図14に示した構成のMEMSスイッチでは、可動接点25’と固定接点35’,35’との互いの対向面が接触するが、可動接点25’および固定接点35’,35’それぞれの上記対向面の微細な凹凸(数〜数十nmの凹凸)に起因して微視的には点接触になるので、オン抵抗が大きく、オン抵抗のより一層の低減が望まれている。
また、図14に示した構成のMEMSスイッチでは、可動接点25’が両固定接点35’,35’に跨る形で両固定接点35’,35’に接触するので、一方の固定接点35’と可動接点25’と他方の固定接点35’とで構成される導体部における信号の伝送方向において可動接点25’の厚み分の段差が形成されてしまうが、表皮効果により信号周波数が高くなるほど表皮の厚さが薄くなるので、高周波信号の信号周波数の増加に伴い伝送損失が大きくなってしまう。
一方、図15に示した構成のMEMSスイッチでは、磁気アクチュエータを利用しているので、静電アクチュエータを利用したMEMSスイッチに比べて駆動電圧を低くできるとともに駆動力を大きくできるものの、可動接点125と両固定接点135,135との間の距離が大きくなると可動接点125の変位を大きくするために励磁コイル221への励磁電流を大きくする必要があるので、低消費電力化が難しかった。
また、図15に示した構成のMEMSスイッチでは、固定接点135,135の並設方向に直交する方向における可動接点125の断面積と固定接点135の断面積とが異なっており、上述の表皮効果に起因して伝送損失が大きくなってしまう。なお、図15に示した構成のMEMSスイッチにおいて、可動接点125と固定接点135,135との断面積を同じに設定したとしても、可動接点基台部124とベース基板101の凹部112の内底面との間に間隙がある状態で可動接点125が両固定接点135,135と接触するので、ベース基板1の厚み方向において可動接点125の位置が固定接点135,135の位置からずれやすく、上記導体部の表面に段差が形成されて伝送損失が大きくなってしまうことが考えられる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、伝送損失の低減を図れ、且つ、アイソレーション特性の向上を図りながらも接圧を大きくすることができるMEMSスイッチを提供することにある。
請求項1の発明は、ベース基板と、ベース基板の厚み方向の一表面側に固定された支持部に前記厚み方向へ変位可能に支持され可動接点が設けられた可動板部を有する構造体部と、一端部が可動接点の接離する固定接点となる一対の信号線と、可動接点が一対の信号線の前記一端部間に形成された隙間に嵌入されるように可動接点を前記厚み方向を駆動軸方向として変位させる駆動手段とを備え、各固定接点および可動接点は、前記駆動軸方向に直交する水平面に対して傾斜し互いに当接する傾斜面が形成されてなり、可動接点が前記隙間に嵌入されたときに一方の固定接点と可動接点と他方の固定接点とで構成される導体部における信号の伝送方向において連続的な表面が形成され、駆動手段は、静電アクチュエータと圧電アクチュエータとで構成されることを特徴とする。
この発明によれば、各固定接点および可動接点は、前記駆動軸方向に直交する水平面に対して傾斜し互いに当接する傾斜面が形成されてなり、可動接点が前記隙間に嵌入されたときに一方の固定接点と可動接点と他方の固定接点とで構成される導体部における信号の伝送方向において連続的な表面が形成されるので、オン抵抗の低減を図れるとともに伝送損失の低減を図れ、駆動手段が、静電アクチュエータと圧電アクチュエータとで構成されるので、両固定接点間が開放された状態における両固定接点と可動接点との間の距離を大きくできてアイソレーション特性の向上を図りながらも接圧を大きくすることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、各固定接点は、傾斜面が前記駆動軸方向において可動接点の中心線に近づく形状に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、各固定接点と可動接点との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、各固定接点は、傾斜面として、前記駆動軸方向において可動接点の中心線に近づく形状に形成された第1の傾斜面と、前記駆動軸方向において可動接点の中心線から離れる形状に形成された第2の傾斜面とが形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、各固定接点と可動接点との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、一方の固定接点の傾斜面と他方の固定接点の傾斜面とは、前記駆動軸方向を回転軸方向として2回回転対称性を有するように形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、各固定接点の傾斜面において可動接点の傾斜面がすべる方向が異なることとなり、各固定接点と可動接点との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。
請求項1の発明では、伝送損失の低減を図れ、且つ、アイソレーション特性の向上を図りながらも接圧を大きくすることができるという効果がある。
(実施形態1)
以下、本実施形態のMEMSスイッチについて図1〜図3を参照しながら説明する。
本実施形態のMEMSスイッチは、矩形板状のベース基板1と、ベース基板1の厚み方向の一表面側に固定された4つの支持部22それぞれに帯板状の可撓部23を介して上記厚み方向へ変位可能に支持され可動接点25が設けられた可動板部21を有する構造体部2と、ベース基板1の上記一表面上に設けられ一端部が可動接点25の接離する固定接点35,35となる一対の信号線34,34と、ベース基板1の上記一表面側に構造体部2を収納する形で気密的に接合されたカバー7とを備えている。
また、本実施形態のMEMSスイッチは、可動接点25が一対の信号線34,34の上記一端部間に形成された隙間36(図1(b)参照)に嵌入されるように可動接点25を上記厚み方向を駆動軸方向として変位させる駆動手段として、可撓部23に設けられてなり圧電層42の厚み方向の両側の電極41,43間に電圧を印加したときに可動接点25が上記厚み方向において両固定接点35,35に近づく向きに変位するように可撓部23を変形させる圧電アクチュエータ4と、可動板部21に設けられた可動電極51および当該可動電極51に対向配置された固定電極52を有し可動電極51と固定電極52との間に電圧を印加したときに可動接点25が上記厚み方向において両固定接点35,35に近づく向きに可動接点25を変位させる静電アクチュエータ5とを備えている。
上述のベース基板1は、セラミック基板により構成されており、上記一表面上に各信号線34,34および静電アクチュエータ5の固定電極52が形成されている。ここにおいて、本実施形態では、固定電極52がグランド電極を兼ねている。なお、ベース基板1は、セラミック基板に限らず、例えば、ガラス基板、サファイア基板、SOI基板、シリコン基板などを用いて形成してもよく、基板材料として誘電率の低い材料を採用することが好ましい。
ベース基板1は、上記一表面の中央部において上述の一対の信号線34,34が一直線上に形成されている。ここで、一対の信号線34,34は同じ金属材料により形成されている。また、一対の信号線34,34は、上記隙間36を中心とし固定接点35,35の並設方向を左右方向として左右対称の形状に形成され、厚み寸法および幅寸法が同じとなっている。
各信号線34,34の材料としては、Auを採用しているが、Auに限らず、例えば、Au,Ni,Cu,Pd,Rh,Ru,Pt,Ir,Osの群から選択される1種あるいはこれらの合金を採用してもよい。
圧電アクチュエータ4は、圧電層42の圧電材料として、鉛系圧電材料の一種であるPZTを採用し、圧電層42の厚み方向の両側の電極41,43のうち可撓部23の厚み方向において可撓部23に近い側の電極(以下、下部電極と称する)41の材料として、Ptを採用し、可撓部23から遠い側の電極(以下、上部電極と称する)43の材料としてAuを採用しているが、これらの材料は特に限定するものではない。ここで、圧電アクチュエータ4は、上部電極43と圧電層42との接触面積を規定する開口部44aを有する絶縁膜44が形成されており、上部電極41および絶縁膜44は可撓部23におけるベース基板1側とは反対の表面に沿ってベース基板1の上記一表面上まで延設され、上述の支持部22を補強している。なお、絶縁膜44は、シリコン酸化膜により構成されているが、シリコン酸化膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜や、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜により構成してもよい。
圧電層42の圧電材料は、鉛系圧電材料であれば、PZTに限らず、例えば、PZTに不純物を添加したものや、PMN−PZTなどを採用してもよい。また、圧電層42の圧電材料は、鉛系圧電材料に限らず、例えば、鉛フリーのKNN(K0.5Na0.5NbO)や、KN(KNbO)、NN(NaNbO)、KNNに不純物(例えば、Li,Nb,Ta,Sb,Cuなど)を添加したものでもよい。ここで、圧電層42の圧電材料として、上述の鉛系圧電材料や、KNN,KN,NNなどを採用すれば、AlNやZnOなど採用する場合に比べて圧電定数が大きいので、接圧を大きくすることができる。また、圧電層42の材料として、KNN,KN,NNなどを採用すれば、鉛フリーになるので、環境負荷を低減できる。なお、本実施形態の圧電アクチュエータ4は、ユニモルフ型であるが、バイモルフ型としてもよい。
一方、静電アクチュエータ5は、可動板部21の可動電極基台部26に設けられた上述の可動電極51と、ベース基板1の上記一表面側において可動電極51に対向する部位に設けられた固定電極52とを備えており、可動電極51と固定電極52との間に電圧を印加したときに可動電極51と固定電極52との間に発生する静電力によって両固定接点35,35に近づく向きに可動接点25を変位させる。ここにおいて、可動電極51は、可撓部23におけるベース基板1側の面に沿ってベース基板1の上記一表面上まで延設されており、支持部22を補強している。また、可動電極51は、可撓部23の厚み方向に貫設されたビア46(図3参照)を介して圧電アクチュエータ4の下部電極41と電気的に接続されている。また、ベース基板1の上記一表面側には、固定電極52と可動電極51との短絡を防止するとともにスティッキングを防止するために固定電極52を覆う絶縁膜53が形成されている。なお、固定電極52の材料としては、Auを採用し、可動電極51の材料としては、Ptを採用しているが、これらの材料は特に限定するものではない。また、絶縁膜53は、シリコン酸化膜により構成しているが、シリコン酸化膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜でもよい。
ところで、ベース基板1は、各信号線34、静電アクチュエータ5の固定電極52、静電アクチュエータ5の可動電極51、および圧電アクチュエータ4の上部電極43それぞれが電気的に接続される貫通孔配線14,12,11,13が厚み方向に貫設されており、厚み方向の他表面側に、各貫通孔配線14,12,11,13それぞれが電気的に接続される外部接続用電極114,112,111,113が形成されている。ここにおいて、本実施形態では、上述のように圧電アクチュエータ4の下部電極41が可撓部23の厚み方向に貫設されたビア46を介して静電アクチュエータ5の可動電極51と電気的に接続されているが、ビア46を設けずに下部電極41をベース基板1の上記一表面上まで延設し、下部電極41と可動電極51とを各別の貫通孔配線を介して外部接続用電極と電気的に接続するようにしてもよい。なお、各貫通孔配線14,12,11,13の材料としては、Auを採用しているが、Auに限らず、例えば、Cu,Niなどを採用してもよい。また、各外部接続用電極114,112,111,113の材料としては、Auを採用しているが、Auに限らず、例えば、Cu,Cr,Ptなどを採用してもよい。
また、ベース基板1は、厚み方向の中間に所定パターンの埋込グランド電極15が形成されており、グランド電極を兼ねる固定電極52が上述の貫通孔配線12により埋込グランド電極15と電気的に接続されている。なお、各信号線34は、固定接点35となる上記一端部とは反対側の他端部が貫通孔配線14を介して外部接続用電極114と電気的に接続されている。
また、可動板部21は、可動接点25が形成された可動接点基台部24と可動電極51が形成された可動電極基台部26との間に一対の固定接点35,35の並設方向の幅が可動接点基台部24および可動電極基台部26に比べて細幅の2つの接圧ばね部27が設けられている。可動板部21および各可撓部23および各支持部22を備えた構造体部2は、ノンドープのポリシリコンにより形成されているが、構造体部2の材料はノンドープのポリシリコンに限らず、例えば、SiやSiOなどを採用してもよい。
ところで、上述の構造体部2は、ベース基板1の上記厚み方向に直交する面内の中央部に可動接点25が設けられ、支持部22が平面視において可動接点25を中心として可動板部21を囲む仮想四角形VS(図2参照)の4つの角それぞれに設けられ、可撓部23が仮想四角形VSの各辺のうち固定接点35,35の並設方向に直交する辺に沿って配置され、可撓部23における支持部22側とは反対側の端部が上記並設方向に沿って形成された連結部28を介して可動板部21と連結され、圧電アクチュエータ4は、可動接点25を中心として4つの可撓部23それぞれの同じ位置に設けられ、静電アクチュエータ5は、可動板部21において可動接点25を中心として固定接点35,35の上記並設方向に直交する方向の両側の同じ位置で、上記並設方向において隣り合う可撓部23,23の間に設けられ、圧電アクチュエータ4よりも平面視における面積が大きくなっている。ここにおいて、本実施形態のMEMSスイッチは、2つ1組の可撓部23により1つの可動電極基台部26を支持している。更に説明すれば、本実施形態のMEMSスイッチは、各可動電極基台部26の平面視形状が長方形状であり、4つの帯板状の可撓部23が、可動電極基台部26の長手方向の両側縁に沿って配置され、可撓部23の支持部22側とは反対側の端部が連結部28を介して可動電極基台部26に連結されている。また、可動板部21は、各信号線34,34の固定接点35,35以外の部位を平面視において露出させる切欠部21b,21bが形成されている。
また、カバー7は、矩形板状の絶縁性基板(例えば、ガラス基板、セラミック基板など)を用いて形成されており、ベース基板1側に、構造体部2を収納する凹所7aが形成され、凹所7aの周部がベース基板1の上記一表面側に気密的に接合されている。したがって、可動接点51と両固定接点35,35との間に異物が侵入するのを防止できて可動接点51と両固定接点35,35との接触信頼性を向上させることができる。
ここにおいて、ベース基板1の上記一表面の周部には全周に亘って第1の接合用金属層18が形成され、カバー7におけるベース基板1側の表面(凹所7aの周部)には全周に亘って第2の接合用金属層78が形成されており、ベース基板1とカバー7とは接合用金属層18,78同士が接合されている。ここにおいて、各接合用金属層18,78の材料としては、固定電極52と同じ材料(ここでは、Au)を採用しており、ベース基板1の上記一表面側には固定電極52と第1の接合用金属層18とを電気的に接続する連絡用金属層19が固定電極52および第1の接合用金属層18と連続一体に形成されている。
なお、ベース基板1とカバー7との接合方法としては、接合前に互いの接合表面へアルゴンのプラズマ若しくはイオンビーム若しくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、接合表面同士を接触させ、常温下で直接接合する常温接合法を採用しているが、常温接合法に限らず、AuSnや半田などの低融点共晶材料を用いた接合法や、陽極接合法などを採用してもよい。
ここで、本実施形態のMEMSスイッチをプリント基板のような実装基板に実装する際には、例えば、ベース基板1の上記他表面側の各外部接続用電極111〜113それぞれを上記実装基板の一表面側に形成された導体パターンとバンプなどを介して適宜接続すればよい。
以下、本実施形態のMEMSスイッチの製造方法について簡単に説明する。
まず、埋込グランド電極15、各貫通孔配線11〜14、および各外部接続用電極111〜114を形成したベース基板1の上記一表面上に固定電極52を形成する固定電極形成工程を行う。ここにおいて、固定電極形成工程では、ベース基板1の上記一表面上に固定電極52の基礎となる金属層をスパッタ法や蒸着法などにより成膜してから、当該金属層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、各固定電極52、第1の接合用金属層18(図1参照)、各連絡用金属層19(図1参照)を形成している。
固定電極形成工程の後、ベース基板1の上記一表面上に上記一端部が固定接点35,35となる一対の信号線34,34を形成する信号線形成工程を行う。ここにおいて、信号線形成工程では、例えば、ベース基板1の上記一表面側に各信号線34の形成予定領域が露出するようにパターニングされたレジスト層を形成してから、ベース基板1の上記一表面側に各信号線34,34を無電解めっき法などにより形成し、その後、レジスト層および当該レジスト層上のめっき膜(金属皮膜)を除去するリフトオフを行っている。
信号線形成工程の後、ベース基板1の上記一表面側に、固定電極52を覆う絶縁膜53を形成する第1の絶縁膜形成工程を行う。ここにおいて、第1の絶縁膜形成工程では、ベース基板1の上記一表面側の全面に絶縁膜53の基礎となる絶縁層をスパッタ法やCVD法などによって成膜してから、当該絶縁層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、絶縁膜53を形成している。
第1の絶縁膜形成工程の後、ベース基板1の上記一表面側の全面に構造体部形成用の犠牲層を形成する犠牲層形成工程を行う。なお、犠牲層の材料としてはポリイミドを採用している。
犠牲層形成工程の後、ベース基板1の上記一表面側に可動電極51を形成する可動電極形成工程を行う。ここにおいて、可動電極形成工程では、ベース基板1の上記一表面側に可動電極51の形成予定領域が露出するようにパターニングされたレジスト層を形成してから、ベース基板1の上記一表面側に各可動電極51を無電解めっき法などにより形成し、その後、レジスト層および当該レジスト層上のめっき膜(金属皮膜)を除去するリフトオフを行っている。
可動電極形成工程の後、可動接点25を形成する可動接点形成工程を行う。ここにおいて、可動接点形成工程では、ベース基板1の上記一表面側に可動接点25の形成予定領域が露出するようにパターニングされたレジスト層を形成してから、ベース基板1の上記一表面側に可動接点25を無電解めっき法などにより形成し、その後、レジスト層および当該レジスト層上のめっき膜(金属皮膜)を除去するリフトオフを行っている。
可動接点形成工程の後で構造体部2を形成する構造体部形成工程を行う。ここにおいて、構造体部形成工程では、ベース基板1の上記一表面側の全面に構造体部2の基礎となるノンドープのポリシリコン層をCVD法などによって成膜してから、当該ポリシリコン層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、可動板部21、各可撓部23および各支持部22を有する構造体部2を形成するとともにビア46用のビアホールを形成している。
構造体部形成工程の後、下部電極41を形成する第1の電極形成工程を行う。ここにおいて、第1の電極形成工程では、ベース基板1の上記一表面側の全面に下部電極41の基礎となる金属層(例えば、Pt層など)をスパッタ法などによって成膜してから、当該金属層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、下部電極41およびビア46を形成している。
下部電極形成工程の後、圧電層42を形成する圧電層形成工程を行う。圧電層形成工程では、圧電層42の基礎となる圧電材料層(例えば、PZT層など)をスパッタ法やCVD法などにより成膜してから、当該圧電材料層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、圧電層42を形成している。
圧電層形成工程の後、圧電層42と上部電極43との接触面積を規定するための開口部44aを有する絶縁膜44を形成する第2の絶縁膜形成工程を行う。ここにおいて、第2の絶縁膜形成工程では、ベース基板1の上記一表面側に絶縁膜44の形成予定領域が露出するようにパターニングされたレジスト層を形成してから、ベース基板1の上記一表面側に絶縁膜44をCVD法などにより形成し、その後、レジスト層および当該レジスト層上の絶縁膜を除去するリフトオフを行っている。
第2の絶縁膜形成工程の後、上部電極43を形成する第2の電極形成工程を行う。ここにおいて、第2の電極形成工程では、ベース基板1の上記一表面側の全面に上部電極43の基礎となる金属層(例えば、Au層など)を蒸着法などによって成膜してから、当該金属層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、上部電極43を形成している。
第2の電極形成工程の後、上記犠牲層を選択的に除去する犠牲層除去工程を行い、その後、ベース基板1とカバー7とを接合する接合工程を行うことによって、図1および図3に示す構造のMEMSスイッチが得られる。
ところで、本実施形態のMEMSスイッチは、各固定接点35,35および可動接点25は、上記駆動軸方向に直交する水平面に対して傾斜し互いに当接する傾斜面35a,35a,25aが形成されており、図1(c)に示すように可動接点25が一対の信号線34,34の上記一端部間に形成された隙間36に嵌入されたときに一方の固定接点35と可動接点25と他方の固定接点35とで構成される導体部における信号の伝送方向において連続的な表面が形成される(伝送損失の原因となるような凹凸が形成されずに表面が滑らかに連続する)ので、オン抵抗の低減を図れるとともに伝送損失の低減を図れる。ここにおいて、本実施形態のMEMSスイッチでは、各固定接点35,35の傾斜面35a,35aが、上記駆動軸方向において可動接点25の中心線A1に近づく形状に形成されているので、各固定接点35,35と可動接点25との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。また、各固定接点35,35の傾斜面35a,35aが、上記駆動軸方向において可動接点25の中心線A1に近づく形状に形成されていることにより、図4に示すように可動接点25が傾いて動いた場合でも各固定接点35,35と可動接点25との良好な接触状態を得ることができる。
また、本実施形態のMEMSスイッチでは、上記駆動手段として、可撓部23に設けられてなり圧電層42の厚み方向の両側の電極41,43間に電圧を印加したときに可動接点25が両固定接点35,35に近づく向きに変位するように可撓部23を変形させる圧電アクチュエータ4と、可動板部21に設けられた可動電極51および当該可動電極51に対向配置された固定電極52を有し可動電極51と固定電極52との間に電圧を印加したときに可動接点25が両固定接点35,35に近づく向きに可動接点25を変位させる静電アクチュエータ5とを備えていることにより、両固定接点35,35間が開放された状態(図1(b))から可動接点25を両固定接点35,35に接触する状態(図1(c))に変位させる際に、圧電アクチュエータ4による駆動力で可動接点25を両固定接点35,35に近づけた後で、静電アクチュエータ5による駆動力で可動接点25を両固定接点35,35に接触させることができるので、両固定接点35,35間が開放された状態(図1(b))における両固定接点35,35と可動接点25との間の距離を大きくできてアイソレーション特性の向上を図りながらも低電圧の駆動電圧で接圧を大きくすることができる。
ここにおいて、本実施形態のMEMSスイッチでは、構造体部2は、ベース基板1の上記厚み方向に直交する面内の中央部に可動接点25が設けられ、支持部22が平面視において可動接点25を中心として可動板部21を囲む仮想四角形VSの4つの角それぞれに設けられ、可撓部23が仮想四角形VSの各辺のうち固定接点35,35の並設方向に直交する辺に沿って配置され、可撓部23における支持部22側とは反対側の端部が上記並設方向に沿って形成された連結部28を介して可動板部21と連結され、圧電アクチュエータ4は、可動接点25を中心として4つの可撓部23それぞれの同じ位置に設けられ、静電アクチュエータ5は、可動板部21において可動接点25を中心として固定接点35,35の並設方向に直交する方向の両側の同じ位置で、上記並設方向において隣り合う可撓部23,23の間に設けられ、圧電アクチュエータ4よりも平面視における面積が大きいので、所望の接圧を確保するための静電アクチュエータ5の駆動電圧をより一層低減でき、可動接点25と両固定接点35,35との間の寄生容量を低減しつつ、より低消費電力で所望の接圧を確保することが可能となる。また、本実施形態のMEMSスイッチでは、可動板部21を支持部22から離し、可動電極51および固定電極52の面積を大きくしているので、静電アクチュエータ5による駆動時の静電力を大きくでき、接圧を大きくすることができる。また、本実施形態のMEMSスイッチによれば、圧電アクチュエータ4と静電アクチュエータ5とが別々に設けられているので、圧電アクチュエータ4および静電アクチュエータ5それぞれで別の動きが可能となり、駆動手段の動きの自由度の高いMEMSスイッチとすることができる。
また、本実施形態のMEMSスイッチでは、各信号線34,34と圧電アクチュエータ4の各電極41,43とが電気的に絶縁されているので、各信号線34,34に圧電アクチュエータ4の各電極41,43からノイズが重畳されるのと信号が漏洩するのとを防止することができて、信号線34,34と圧電アクチュエータ4とが異なるグランドを有するような回路に適用することができ、各信号線34,34と静電アクチュエータ5の可動電極51および固定電極52とが電気的に絶縁されているので、各信号線34,34に静電アクチュエータ5の可動電極51および固定電極52からノイズが重畳されるのと信号が漏洩するのとを防止することができて、信号線34,34と静電アクチュエータ5とが異なるグランドを有するような回路に適用することができる。
また、本実施形態のMEMSスイッチは、静電アクチュエータ5の可動電極51が圧電アクチュエータ4の下部電極41と電気的に接続されるとともにグランド電極を兼ねており、圧電アクチュエータ4と静電アクチュエータ5とに共通のグランド電極を有しているので、圧電アクチュエータ4と静電アクチュエータ5とを併用する駆動手段の制御が容易になる。
また、本実施形態のMEMSスイッチでは、可動板部21は、可動接点25が形成された可動接点基台部24と可動電極51が形成された可動電極基台部26との間に固定接点35,35の並設方向の幅が可動接点基台部24および可動電極基台部26に比べて細幅の接圧ばね部27が設けられているので、可動接点基台部24が接圧ばね部27を介して可動電極基台部26に支持されていることにより、接圧ばね部27のばね力を適宜設定することによって所望の接圧を得ることができて可動接点25と両固定接点35,35との接触信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態のMEMSスイッチでは、可動板部21は、各信号線34,34の固定接点35,35以外の部位を平面視において露出させる切欠部21b,21bが形成されているので、可動電極51と各信号線34,34との容量結合を抑制することができ、アイソレーション特性を向上させることができる。
ところで、上述の例では、各固定接点35,35の傾斜面35a,35aが、上記駆動軸方向において可動接点25の中心線A1および駆動軸に近づく形状に形成されているが、図5(a)に示すように、幅方向の一側面から他側面にかけて傾斜した形状に形成して両傾斜面35a,35aが同一平面上に形成されるようにしてもよい。
また、図6(a)に示すように、一方の固定接点35の傾斜面35aと他方の固定接点35の傾斜面35aとが、上記駆動軸方向を回転軸方向として2回回転対称性を有するように形成されていてもよく、この場合は、各固定接点35,35の傾斜面35a,35aにおいて可動接点25の傾斜面25a,25aがすべる方向が異なることとなり、図6(b)に示すように可動接点25を両固定接点35,35に接触させたときに、各固定接点35,35と可動接点25との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。なお、図5(a)や図6(a)に示した構成における傾斜面35a,35aを有する固定接点35,35や傾斜面25aを有する可動接点25の形成にあたっては、例えば、固定接点35,35や可動接点25の形成時に基礎となる金属膜を形成してから、当該金属膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることで固定接点35,35や可動接点25を形成するようにし、フォトリソグラフィ工程で用いるフォトマスクとして、光透過率が徐々に変化したグレーテッド型の光透過領域を有するフォトマスクを利用すればよい。
また、図7(a)に示すように、各固定接点35の傾斜面35aとして、上記駆動軸方向において可動接点25の中心線A1および駆動軸に近づく形状に形成された第1の傾斜面35aと、上記駆動軸方向において可動接点25の中心線A1および駆動軸から離れる形状に形成された第2の傾斜面35aとが形成されていてもよく、図7(b)に示すように可動接点25を両固定接点35,35に接触させたときに、各固定接点35,35と可動接点25との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。
また、図8(a)に示すように、各固定接点35,35それぞれに2つの隣り合う傾斜面35a,35aを当該2つの隣り合う傾斜面35a,35a全体の平面視形状がV字状となるように形成する一方で、図8(b)に示すように、可動接点25の両端部それぞれに2つの隣り合う傾斜面25a,25aを当該2つの隣り合う傾斜面25a,25a全体の投影視形状がV字状となるように形成し、図8(c)に示すように、可動接点25が両固定接点35,35から離間して配置されるようにしてもよく、このような構成を採用することにより、可動接点25が固定接点35,35に接触した状態で平面視において可動接点25が固定接点35,35の並設方向に直交する方向へずれるのを防止することができるので、接触信頼性が向上し、高周波特性が向上する。
また、図5に示した構成の固定接点35,35および可動接点25に図8と同様の傾斜面35a,35a,25aを設けて図9(a)に示すような形状の固定接点35,35および可動接点25を採用してもよく、図9(b)に示すように可動接点25を両固定接点35,35に接触させたときに、各固定接点35,35と可動接点25との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。
また、図6に示した構成の固定接点35,35および可動接点25に図8と同様の傾斜面35a,35a,25aを設けて図10(a)に示すような形状の固定接点35,35および可動接点25を採用してもよく、図10(b)に示すように可動接点25を両固定接点35,35に接触させたときに、各固定接点35,35と可動接点25との良好な接触状態を得ることができ、オン抵抗を低減することができる。
また、図11(a)に示すように各固定接点35の平面視における傾斜面35aの形状をU字状とし、図11(b)に示すように可動接点25の投影視における傾斜面25aの形状をU字状として、両固定接点35,35と可動接点25とが図11(c)に示すように配置されるようにしてもよく、このような構成を採用することにより、可動接点25が固定接点35,35に接触した状態で平面視において可動接点25が固定接点35,35の並設方向に直交する方向へずれるのを防止することができるので、接触信頼性が向上し、高周波特性が向上する。また、図5や図6に示した構成の固定接点35,35および可動接点25に図11と同様の傾斜面35a,35a,25aを設けてもよい。
(実施形態2)
本実施形態のMEMSスイッチの基本構成は実施形態1と略同じであって、図12および図13に示すように、一端部が固定接点35となる各信号線34および各固定電極51が、カバー基板7の凹所7aの内底面に形成され、可動板部21におけるベース基板1側とは反対側に可動接点25および各可動電極52が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態のMEMSスイッチによれば、各信号線34,34に圧電アクチュエータ4の各電極41,43や静電アクチュエータ5の可動電極51からノイズが重畳されるのと信号が漏洩するのとを防止することができて、信号線34,34と圧電アクチュエータ4および静電アクチュエータ5とが異なるグランドを有するような回路に適用することができる。
以下、本実施形態のMEMSスイッチの製造方法について簡単に説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、ベース基板1の上記一表面上に第1の接合用金属層18を形成する接合用金属層形成工程を行ってから、ベース基板1の上記一表面側に構造体部2を形成するための犠牲層を形成する犠牲層形成工程を行う。
犠牲層形成工程の後、ベース基板1の上記一表面側に構造体部2を形成する構造体部形成工程を行う。ここにおいて、構造体部形成工程では、ベース基板1の上記一表面側の全面に構造体部2の基礎となるノンドープのポリシリコン層をCVD法などによって成膜してから、当該ポリシリコン層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、可動板部21、各可撓部23、および各支持部22を有する構造体部2を形成している。
構造体部形成工程の後、下部電極41を形成する第1の電極形成工程を行う。ここにおいて、第1の電極形成工程では、ベース基板1の上記一表面側の全面に下部電極41の基礎となる金属層(例えば、Pt層など)をスパッタ法などによって成膜してから、当該金属層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、下部電極41および静電アクチュエータ5の可動電極51を形成している。
第1の電極形成工程の後、圧電層42を形成する圧電層形成工程を行う。圧電層形成工程では、圧電層42の基礎となる圧電材料層(例えば、PZT層など)をスパッタ法やCVD法などにより成膜してから、当該圧電材料層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることにより、圧電層42を形成している。
圧電層形成工程の後、圧電層42と上部電極43との接触面積を規定するための開口部44aを有する絶縁膜44を形成する絶縁膜形成工程を行う。
絶縁膜形成工程の後、上部電極43を形成する第2の電極形成工程を行い、その後、ベース基板1の上記一表面側に可動接点25を形成する可動接点形成工程を行う。ここにおいて、可動接点形成工程では、ベース基板1の上記一表面側に可動接点25の形成予定領域が露出するようにパターニングされたレジスト層を形成してから、ベース基板1の上記一表面側に可動接点25を無電解めっき法などにより形成し、その後、レジスト層および当該レジスト層上のめっき膜(金属皮膜)を除去するリフトオフを行っている。
可動接点形成工程の後、上記犠牲層を選択的に除去する犠牲層除去工程を行うことによって、構造体部2の可動接点基台部24、接圧ばね部27、可動接点基台部26および可撓部23とベース基板1の上記一表面との間にギャップが形成された構造が得られる。
犠牲層除去工程の後で各信号線34,34および固定電極52などが形成されているカバー基板7をベース基板1の上記一表面側に接合する接合工程を行うことによって、図12および図13に示す構造のMEMSスイッチが得られる。
以上説明した製造方法によれば、ベース基板1の上記一表面側に圧電アクチュエータ4を形成した後に可動接点25を形成するので、圧電アクチュエータ4の圧電層42の成膜温度に左右されることなく可動接点25の材料を選択できるので、可動接点25の材料の選択の自由度が高くなる。
実施形態1のMEMSスイッチを示し、(a)は概略分解斜視図、(b)は要部概略断面図、(c)は動作説明図である。 同上のMEMSスイッチの要部概略平面図である。 同上のMEMSスイッチの概略断面図である。 同上のMEMSスイッチの動作説明図である。 同上の他の構成例に関し、(a)は固定接点および可動接点の概略斜視図、(b)は動作説明図である。 同上の他の構成例に関し、(a)は固定接点および可動接点の概略斜視図、(b)は動作説明図である。 同上の他の構成例に監視、(a)は固定接点および可動接点の概略断面図、(b)は動作説明図である。 同上の他の構成例に関し、(a)は固定接点の平面図、(b)は可動接点の平面図、(c)は固定接点および可動接点の側面図である。 同上の他の構成例に関し、(a)は固定接点および可動接点の概略斜視図、(b)は動作説明図である。 同上の他の構成例に関し、(a)は固定接点および可動接点の概略斜視図、(b)は動作説明図である。 同上の他の構成例に関し、(a)は固定接点の平面図、(b)は可動接点の平面図、(c)は固定接点および可動接点の側面図である。 実施形態2のMEMSスイッチの概略分解斜視図である。 同上のMEMSスイッチの概略断面図である。 従来例のMEMSスイッチの概略分解斜視図である。 他の従来例のMEMSスイッチの動作説明図である。
符号の説明
1 ベース基板
2 構造体部
4 圧電アクチュエータ
5 静電アクチュエータ
7 カバー
21 可動板部
22 支持部
23 可撓部
25 可動接点
25a 傾斜面
26 可動電極基台部
34 信号線
35 固定接点
35a 傾斜面
35a 第1の傾斜面
35a 第2の傾斜面
36 隙間
A1 中心線

Claims (4)

  1. ベース基板と、ベース基板の厚み方向の一表面側に固定された支持部に前記厚み方向へ変位可能に支持され可動接点が設けられた可動板部を有する構造体部と、一端部が可動接点の接離する固定接点となる一対の信号線と、可動接点が一対の信号線の前記一端部間に形成された隙間に嵌入されるように可動接点を前記厚み方向を駆動軸方向として変位させる駆動手段とを備え、各固定接点および可動接点は、前記駆動軸方向に直交する水平面に対して傾斜し互いに当接する傾斜面が形成されてなり、可動接点が前記隙間に嵌入されたときに一方の固定接点と可動接点と他方の固定接点とで構成される導体部における信号の伝送方向において連続的な表面が形成され、駆動手段は、静電アクチュエータと圧電アクチュエータとで構成されることを特徴とするMEMSスイッチ。
  2. 各固定接点は、傾斜面が前記駆動軸方向において可動接点の中心線に近づく形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のMEMSスイッチ。
  3. 各固定接点は、傾斜面として、前記駆動軸方向において可動接点の中心線に近づく形状に形成された第1の傾斜面と、前記駆動軸方向において可動接点の中心線から離れる形状に形成された第2の傾斜面とが形成されてなることを特徴とする請求項1記載のMEMSスイッチ。
  4. 一方の固定接点の傾斜面と他方の固定接点の傾斜面とは、前記駆動軸方向を回転軸方向として2回回転対称性を有するように形成されてなることを特徴とする請求項1記載のMEMSスイッチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104201059A (zh) * 2014-09-03 2014-12-10 太原理工大学 基于静电斥力和引力混合驱动的射频mems开关

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