JP7158479B2 - Mems素子及びそれを用いたシャッタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS素子及びそれを用いたシャッタ装置に関する。
従前より、所定の光路を遮断及び開通させるシャッタ装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のシャッタ装置の駆動部である変位拡大機構は、シャッタと、シャッタを駆動するアクチュエータとを含んだ、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子である。変位拡大機構は、SOI(Silicon On Insulator)基板に設けられた固定部と、固定部に接続された熱式アクチュエータである第1及び第2アクチュエータと、基端側が第1アクチュエータに接続された第1ビームと、基端側が第2アクチュエータに接続された第2ビームと、第1及び第2ビームの先端側に接続され、シャッタとして機能する被駆動部材と、を備えている。第1及び第2ビームは先端側に、互いに並列に配置された並列配置部を有し、第1アクチュエータは第1ビームを介して移動部を押す一方、第2アクチュエータは第2ビームを介して被駆動部材に第1アクチュエータとは反対方向に力を作用する。このように構成されたシャッタ装置は、第1及び第2アクチュエータにそれぞれ駆動される第1及び第2ビームの駆動力が足し合わされて被駆動部材が駆動される。駆動された被駆動部材の変位により、光路が遮断または開通される。
特許第6216485号公報
ところで、上記のような変位拡大機構は、多くの場合、機械的強度を確保等するために、接着材を介して支持部材であるサブマウントに固定される。サブマウントは放熱性や強度等を考慮してセラミック等の無機材料が多く利用されている。また、この場合には、接着材として熱硬化性樹脂が用いられ、200℃を越えない程度の温度で2つの部材の接合が行われる。
しかし、サブマウントと変位拡大機構の主要構成材料であるシリコンとは熱膨張係数が異なるため、両者を接合した後に、熱膨張係数の違いによって、変位拡大機構に応力が加わる。この応力のうち、アクチュエータの延在方向に加わる応力は、アクチュエータの全長を伸長または収縮させるように働く。このように第1及び第2アクチュエータが伸長または収縮すると、これらのアクチュエータにそれぞれ接続された第1及び第2ビームを介してシャッタとして機能する被駆動部材が所定の位置から変位してしまうことがある。
また、上記のように、定常的に応力が加わる場合だけでなく、外部から衝撃が加わった場合にも、固定部にアクチュエータの延在方向に沿った力が加わると、被駆動部材が所定の位置から変位してしまうことがある。
通常、このような被駆動部材の変位を許容してシャッタ装置の設計がなされるが、近年、シャッタ装置に関して、さらなる小型化や性能向上が要求されており、上記の変位を低減することが求められてきている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、固定部の剛性、特にアクチュエータの延在方向の剛性を高めたMEMS素子及びそれを用いたシャッタ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るMEMS素子は、基板と、前記基板に設けられた固定部と、前記固定部に設けられた開口と、両端が前記固定部に接続されたアクチュエータと、基端側が前記アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在するビームと、前記ビームの先端側に接続された被駆動部材と、平面視で前記開口を分割する一方、両端が前記固定部に接続されて前記アクチュエータと並列に配置された支持部と、を有し、前記アクチュエータと前記ビームと前記被駆動部材と前記支持部とは、平面視で前記開口内に配置されている。
この構成によれば、固定部に設けられた開口を分割し、アクチュエータと並列に配置された支持部を設けることにより、アクチュエータの延在方向における固定部の剛性を高めることができる。また、固定部の剛性が高められることにより、被駆動部材が意図しない位置に変位するのを防止して、所定の位置に安定して保持できる。
また、本発明に係る別のMEMS素子は、基板と、前記基板に設けられた固定部と、前記固定部に設けられた開口と、両端が前記固定部に接続され、前記開口を第1開口と第2開口とに分割する第1支持部と、を有し、平面視で前記第1開口内に、両端が前記固定部に接続されたアクチュエータと、基端側が前記アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在する第1ビームと、前記第1ビームの先端側に接続された被駆動部材と、が配置され、平面視で前記第2開口内に、両端が前記固定部に接続された第2アクチュエータと、基端側が前記第2アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在する第2ビームと、前記第2ビームの先端側に接続された第2被駆動部材と、が配置され、前記第1支持部は、平面視で前記第1及び第2ビームと交差する方向に延在している。
この構成によれば、固定部に設けられた開口を第1開口と第2開口とに分割する第1支持部を設けることにより、固定部の剛性を高めることができ、第1及び第2被駆動部材がそれぞれ意図しない位置に変位するのを防止して、所定の位置に安定して保持できる。
本発明に係るシャッタ装置は、上記のMEMS素子と、前記固定部の上面に配設され、少なくとも前記アクチュエータの一端に電気的に接続された第1電極と、前記固定部の上面に配設され、少なくとも前記アクチュエータの他端に電気的に接続された第2電極と、を備え、前記被駆動部材で光路を遮断及び開通させる。
この構成によれば、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されると、アクチュエータが駆動し、アクチュエータに接続されたビームを介して被駆動部材が変位することで、所定の光路を開通及び遮断することができる。また、被駆動部材を所定の位置に安定して保持できるため、光路の開通及び遮断性能を高く維持できる。
以上説明したように、本発明に係るMEMS素子によれば、被駆動部材を安定して保持できる。また、本発明に係るシャッタ装置によれば、被駆動部材を所定の位置に安定して保持できるため、シャッタとして機能する光路の開通及び遮断性能を高く維持できる。
本発明の実施形態1に係るシャッタ装置の平面図である。 図1のII-II線における断面模式図である。 シャッタ装置の一の製造工程の説明図である。 図3Aに示す工程の続きを示す説明図である。 図3Bに示す工程の続きを示す説明図である。 図3Cに示す工程の続きを示す説明図である。 図3Dに示す工程の続きを示す説明図である。 変形例1に係るシャッタ装置の平面図である。 本発明の実施形態2に係るシャッタ装置の平面図である。 シャッタ装置の要部を示す斜視図である。 図6の破線で囲まれた部分の拡大図である。 変形例2に係るシャッタ装置の平面図である。 変形例3に係るシャッタ装置の平面図である。 本発明の実施形態3に係るアクチュエータの平面模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
[シャッタ装置の構成]
図1は、本発明の実施形態1に係るシャッタ装置の平面図を、図2は、図1のII-II線における断面図を示す。なお、図面に描かれた各部材の寸法、厚さ、細部の詳細形状などは実際のものとは異なっている。
図1に示すように、例えば、シャッタ装置500は、平面視で矩形の全体形状を有しており、SOI基板200(以下、単に基板200と呼ぶことがある。)と、サブマウント400と、基板200に設けられた固定部1の下面とサブマウント400の上面との間に設けられた接着材300とを有している。基板200は、単結晶シリコンで形成された第1シリコン層210と、SiOで形成された絶縁層220と、単結晶シリコンで形成された第2シリコン層230と、がこの順で積層されて構成されている。
基板200には、固定部1と固定部1の内側に開口2とが形成されており、固定部1は、シャッタ装置500及び後述する変位拡大機構510の一部をなし、平面視矩形のシャッタ装置500及び変位拡大機構510の全体形状を規定している。
サブマウント400は、基板200を機械的に支持する支持部材であり、例えば、セラミック等からなる。また、サブマウント400には、その厚さ方向に入射する光を通過させるための光通過口401が設けられている。また、接着材300は、基板200とサブマウント400とを接合するための接合部材であり、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂からなる。接着材300は、光通過口401にかからないように、また、基板200とサブマウント400とを確実に接合するために、平面視で固定部1と重なるように配設されている。なお、接着材300は、他の材料、例えば、シリコーン系樹脂を用いてもよい。
また、シャッタ装置500は、いわゆるMEMSシャッタであって、シャッタの駆動部である変位拡大機構510は、半導体微細加工技術を応用したマイクロマシニング技術を用いて基板200を加工して得られるMEMS素子である(図3A~3E参照)。変位拡大機構510として、シャッタ装置500は、さらに、両端が固定部1に接続されたアクチュエータ3と、基端側がアクチュエータ3に接続され、基板200の上面と平行に延在するビーム5と、を有している。また、シャッタ装置500は、アクチュエータ3と離間して設けられたアクチュエータ4(以下、別のアクチュエータ4と呼ぶことがある。)と、基端側がアクチュエータ4に接続され、基板200の上面と平行に延在するビーム6(以下、別のビーム6と呼ぶことがある。)と、ビーム5及びビーム6の先端側に接続された被駆動部材7と、を有している。なお、本実施形態では、アクチュエータ4は、ビーム5を挟んでアクチュエータ3と反対側に設けられている。さらに、シャッタ装置500は、ビーム5とビーム6とを連結する連結部材8と、両端が固定部1に接続されてアクチュエータ3,4と並列に配置され、平面視で開口2を分割する支持部9と、固定部1の上面に配設された第1電極101及び第2電極102と、を有している。なお、アクチュエータ3,4とビーム5,6と被駆動部材7と連結部材8と支持部9とは、平面視で開口2内に配置されている。また、以降の説明において、基板200及び基板200に設けられた上記の構造に対し、さらにサブマウント400と接着材300とを含んで、変位拡大機構510と呼ぶことがある。
以下、説明の便宜上、ビーム5の長手方向をX方向、アクチュエータ3,4の長手方向をY方向、シャッタ装置500の厚さ方向、つまり、基板200及びサブマウント400の厚さ方向をZ方向と称する。なお、X方向において、図1における左側を単に左側、図1における右側を単に右側と呼ぶこともある。Y方向において、図1における上側を単に上側、図1における下側を単に下側と呼ぶこともある。Z方向において、図2における上側を上面、図2における下側を下面と呼ぶこともある。
シャッタ装置500において、固定部1、アクチュエータ3,4、ビーム5,6、被駆動部材7、連結部材8及び支持部9は、シリコン素材で一体成形されている。なお、固定部1を構成する第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bは、周縁部を除いて第1シリコン層210と絶縁層220と第2シリコン層230との積層構造であり、開口2内では、可動部材であるアクチュエータ3,4、ビーム5,6、被駆動部材7及び連結部材8の下面の絶縁層220及び第2シリコン層230は後述する製造工程において除去される。よって、アクチュエータ3,4、ビーム5,6、被駆動部材7及び連結部材8では、第1シリコン層210のみが残される。また、支持部9では、第2シリコン層230のみが残され、その上面の絶縁層220と第1シリコン層210とは、同じ製造工程において除去される。
固定部1は、Y方向に対向して配置された第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bを有した平面視で矩形状の部材である。なお、第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bは、第1シリコン層210においてそれぞれY方向に分かれているが、前述したように、絶縁層220及び第2シリコン層230では1つに繋がっており、第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bの相対位置は固定されている。よって、第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bでアクチュエータ3,4やビーム5,6や被駆動部材7等の可動部材を支持することができる。
このように、固定部1は、可動部材の可動域を確保しつつできるだけ広い面積を占めるような形状にされていることで、可動部材を支持するフレームとして機能している。
アクチュエータ3は、Y方向に伸びた棒状の駆動ビームであり、上端部3aは、第1ベース部材1aの第1シリコン層210に、下端部3cは、第2ベース部材1bの第1シリコン層210にそれぞれ接続されている。また、アクチュエータ3の中間部3bはビーム5に接続されている。また、アクチュエータ3に電流が流れていない場合、言いかえると、アクチュエータ3の初期形状は、中間部3bがその駆動方向であるX方向左側に突出するようにわずかに屈曲、あるいは全体的にX方向左側に膨らむようにわずかに湾曲している。
アクチュエータ4は、Y方向に伸びた棒状の駆動ビームであり、上端部4aは、第1ベース部材1aの第1シリコン層210に、下端部4cは、第2ベース部材1bの第1シリコン層210にそれぞれ接続されている。また、アクチュエータ4の中間部4bはビーム6に接続されている。また、アクチュエータ4に電流が流れていない場合、言いかえると、アクチュエータ4の初期形状は、中間部4bがその駆動方向であるX方向右側に突出するようにわずかに屈曲、あるいは全体的にX方向右側に膨らむようにわずかに湾曲している。
アクチュエータ3及びアクチュエータ4は電流が流れることで発熱して各々の延在方向であるY方向に熱膨張する熱式アクチュエータである。また、上記のように、アクチュエータ3,4がその駆動方向であるX方向に沿って屈曲あるいは湾曲していることにより、加熱による熱膨張時に、アクチュエータ3,4が駆動方向と反対側に屈曲あるいは湾曲することがない。従って、所望の駆動方向に向かってアクチュエータ3,4を確実に屈曲あるいは湾曲させることができる。
また、図1に示すように、アクチュエータ3はシャッタ装置500においてX方向左側に配置され、アクチュエータ4はX方向右側に配置され、アクチュエータ3とアクチュエータ4とは平面視で対向している。
ビーム5は、X方向に延びる棒状の部材である。ビーム5の第1端部5aはアクチュエータ3の中間部3bに接続されている。また、ビーム5の第2端部5bは被駆動部材7に接続されている。なお、以降の説明において、ビーム5の第1端部5aをビーム5の基端と、ビーム5の第2端部5bをビーム5の先端とそれぞれ呼ぶことがある。
ビーム6は、折り返し構造を有する部材であり、アクチュエータ4の中間部4bからアクチュエータ3の中間部3aの近傍まで伸びる第1部材6aと、第1部材6aの第3端部6eからアクチュエータ4の方へ折り返された第2部材6bとを備えている。第1部材6aの第1端部6cは、アクチュエータ4の中間部4bに接続されている。また、第2部材6bの第4端部6fは、被駆動部材7に接続されている。なお、以降の説明において、第1部材6aの第1端部6cをビーム6の基端と、第2部材6bの第4端部6fをビーム6の先端とそれぞれ呼ぶことがある。
第2部材6bは、第1部材6aの第3端部6eからX方向右側に伸びた、ビーム5とほぼ同じ幅の棒状の部材である。第2部材6bは、ビーム5と交差する方向であるY方向にビーム5と離間して並列に配置されている。なお、以降の説明も含めて「ビーム5とビーム6の第2部材6bとが並列(に)配置されている」とは、ビーム5とビームの第2部材6bとが略平行関係を保って配置されているということである。また、ビーム5とビーム6の第2部材6bとが互いに並列に配置された部分を並列配置部600と称することがある。すなわち、ビーム5とビーム6の第2部材6bとは並列して同じ方向から被駆動部材7に接続されている。言いかえると、ビーム5の先端側が折り返されることにより、ビーム5及びビーム6と被駆動部材7との接続部分において、ビーム5とビーム6の第2部材6bとが並列に配置される。異なる言い方をすれば、ビーム6の第2部材6bの先端側が折り返されることにより、ビーム5及びビーム6と被駆動部材7との接続部分において、ビーム5とビーム6の第2部材6bとが並列に配置される。ビーム5は第2端部5bからビーム5の延在方向へ被駆動部材7を引く一方、ビーム6は第4端部6fからビーム6の延在方向へ被駆動部材7を押すことで被駆動部材7を駆動させる。後述するように、ビーム5及びビーム6の第2部材6bは、アクチュエータ3及びアクチュエータ4によりそれぞれ駆動されて弾性変形して被駆動部材7をXY平面上の別の位置へと移動させる。なお、上記とは逆に、ビーム5が被駆動部材7を押す一方、ビーム6が被駆動部材7を引くようにしてもよい。
第1部材6aは、被駆動部材7を迂回するような例えば半弧状の形状を一部に有する部材である。第1部材6aは、第1端部6cからX方向左側に延びて第2端部6dでY方向下側に折り返されて第2部材6bに接続されている。また、第1部材6aは、第2部材6bよりも剛性が高くなるように高剛性領域を少なくとも一部に有し、例えば幅広に形成されている。後述するように、ビーム6がアクチュエータ4により駆動されても、第1部材6aはほとんど弾性変形せずにその形状を留めてアクチュエータ4の駆動力を第2部材6bへと伝達する。なお、高剛性領域を設けるにあたって、第1部材6aの一部を第2部材6bよりも厚くしたり、第1部材6aの一部に金属膜を成膜するなどしてもよい。また、第1部材6aには肉抜き構造6gが形成されている。肉抜き構造6gを形成することにより、ビーム6の質量が小さくなり、共振周波数が高くなるという効果が得られる。さらに、第1部材6aに肉抜き構造6gを設けることにより、ビーム6の表面積が増加する。このことにより、ビーム6からの放熱が促進され、熱式アクチュエータであるアクチュエータ4から被駆動部材7に伝わる熱を緩和することができる。
被駆動部材7は、ビーム5の第2端部5b及びビーム6の第4端部6f、言いかえると、並列配置部600の先端側に連結された略円形の部材であり、アクチュエータ3,4によってビーム5,6がそれぞれ駆動されるときに、基板200の上面(XY平面)と平行な方向に移動する。また、また、被駆動部材7の表面全体に金属膜7a、例えば、Au/Ti膜が形成されている。シャッタ装置500において、被駆動部材7は、図示しない入射光の光路を遮断及び開通させるシャッタとして機能する。従って、被駆動部材7は、当該光路の断面よりも一回り大きい平面形状に形成されている。また、アクチュエータ3,4によって被駆動部材7が駆動されるとき、被駆動部材7は、平面視で、サブマウント400に設けられた光通過口401の全部または一部を覆うように変位する。シャッタ装置500が入射光の光路を完全に遮断するように設計されている場合は、被駆動部材7の平面形状は、光通過口401の平面形状と同じ大きさかあるいはそれ以上とするのが好ましい。
連結部材8は、ビーム5とビーム6とを互いに連結するヘアピン形状の部材であり、ビーム5との連結部である一端からY方向上側に延在して折り返され、他端がビーム6の第1部材6a、具体的には、第1部材6aの第2端部6dに連結されている。このような連結部材8を設けることにより、ビーム6の第1端部6cがアクチュエータ4によって駆動したとき、ビーム6の第1部材6aが第1端部6cを軸としてXY平面上で反時計回りに若干回転するのを防止し、被駆動部材7の変位量をより大きくすることができる。また、本実施形態に示すように、アクチュエータ3,4が熱式アクチュエータの場合、アクチュエータ3,4からビーム5,6にそれぞれ伝わる熱が連結部材8でも放熱されるため被駆動部材7への熱伝達が防止できる。また、アクチュエータ4によるビーム6の第1端部6cの駆動量を大きく軽減させることがない。なお、連結部材8の延在方向は、ビーム5及びビーム6と略垂直方向でなくてもよく、ビーム5やビーム6と交差する方向であればよいが、アクチュエータ3,4を駆動させた場合に、アクチュエータ3に接触しないように、アクチュエータ3との間隔を適切にあけて配置する必要がある。
支持部9は、第2シリコン層230からなる部材であり、Y方向の上端部が第1ベース部材1aの第2シリコン層230に、下端部が第2ベース部材1bの第2シリコン層230にそれぞれ接続されている。また、支持部9は、アクチュエータ3,4と並列に配置され、平面視で開口2をX方向で分割するように配置されている。また、支持部9は、第1シリコン層210で構成されたビーム5,6のZ方向下方に所定の間隔、この場合は、絶縁層220の厚さに相当する分の間隔をあけて配置されている。
第1電極101は、第1ベース部材1aの上面に形成された金属膜であり、第2電極102は、第2ベース部材1bの上面に形成された金属膜である。当該金属膜として、例えば、Au/Ti膜を用いる。
[シャッタ装置の動作]
続いて、このように構成されたシャッタ装置500の動作について説明する。
シャッタ装置500は、第1電極101と第2電極102との間に電圧を印加することで駆動される。第1電極101と第2電極102との間に電圧が印加されると、第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bを通じてアクチュエータ3及びアクチュエータ4に電流が流れる。このとき、シリコン素材でできたアクチュエータ3及びアクチュエータ4にジュール熱が発生し、アクチュエータ3及びアクチュエータ4は一瞬のうちに400~500℃に加熱される。
アクチュエータ3は、加熱されることにより全長が伸びるように熱膨張する。アクチュエータ3の上端部3a及び下端部3cは固定部1により位置が固定されているため、中間部3bはあらかじめ突出している方向であるX方向左側へ押し出される。
アクチュエータ4もまた、加熱されることにより全長が伸びるように熱膨張する。アクチュエータ4の上端部4a及び下端部4cは固定部1により位置が固定されているため、中間部4bはあらかじめ突出している方向であるX方向右側へ押し出される。
アクチュエータ3の中間部3bがX方向左側へ押し出されると、それに接続されているビーム5が全体的にX方向左側へ引っ張られる。また、アクチュエータ4の中間部4bがX方向右側へ押し出されると、それに接続されているビーム6が全体的にX方向右側へ引っ張られる。すなわち、ビーム5の第1端部5a及びビーム6の第1端部6cは、互いに遠ざかる方向に相対位置が変化する。
ビーム6が全体的にX方向右側へ引っ張られても、ビーム6の第1部材6aはほとんど弾性変形しないため、ビーム6による引っ張り力のほとんどは第3端部6eに集中して第2部材6bをX方向右側へ押し出す力に変化する。この結果、並列配置されたビーム5及びビーム6の第2部材6bにおいて、ビーム5がX方向左側へ引っ張られ、ビーム6の第2部材6bがX方向右側へ押し出されることで、ビーム5の第2端部5b及びビーム6の第4端部6fがXY平面上で左斜め下へ駆動され、ビーム5及びビーム6の第2部材6bはそれぞれ異なる曲率で大きく湾曲又は屈曲し、ビーム6の第4端部6fが被駆動部材7を押す一方、ビーム5の第2端部5bが被駆動部材7を引くことで、被駆動部材7は、平面視で、サブマウント400に設けられた光通過口401と重なる位置へ押し出される。
一方、第1電極101と第2電極102との間で電圧が印加されなくなると、アクチュエータ3及びアクチュエータ4に電流が流れなくなり、アクチュエータ3及びアクチュエータ4は急速に自然冷却され、それまで伸びていた全長が元に戻る。このとき、X方向左側へ押し出されていたアクチュエータ3の中間部3bはX方向右側へ引き戻され、また、X方向右側へ押し出されていたアクチュエータ4の中間部4bはX方向左側へ引き戻される。
アクチュエータ3の中間部3bがX方向右側へ引き戻されると、それに接続されているビーム5が全体的にX方向右側へ引き戻される。また、アクチュエータ4の中間部4bがX方向左側へ引き戻されると、それに接続されているビーム6が全体的にX方向左側へ引き戻される。すなわち、ビーム5の第1端部5a及びビーム6の第1端部6cは、互いに近づく方向に相対位置が変化する。
ビーム6が全体的にX方向左側へ引き戻されても、ビーム6の第1部材6aはほとんど弾性変形しないため、ビーム6による引き込み力のほとんどは第3端部6eに集中して第2部材6bをX方向左側へ引っ張る力に変化する。この結果、並列配置されたビーム5及びビーム6の第2部材6bにおいて、ビーム5がX方向右側へ押し込まれ、ビーム6の第2部材6bがX方向左側へ引っ張られることで、ビーム5の第2端部5b及びビーム6の第4端部6fがXY平面上で右斜め上へ押し戻され、湾曲又は屈曲していたビーム5及びビーム6の第2部材6bは元の略直線状に戻り、被駆動部材7は、図1に示すXY平面上の位置に戻る。
なお、アクチュエータ3及びアクチュエータ4の屈曲または湾曲方向をそれぞれ反対にすることで、ビーム5が被駆動部材7を押す一方、ビーム6が被駆動部材7を引くようにしてもよい。
上記のように、第1電極101及び第2電極102への電圧印加(シャッタ装置500の駆動状態)及び解除(シャッタ装置500の被駆動状態)を切り替えることで、XY平面上における被駆動部材7の位置が切り替わる。このことにより、被駆動部材7は、図略の光路を遮断及び開通させるシャッタとして機能する。本実施形態では、被駆動部材7がアクチュエータ3及びアクチュエータ4によって駆動されていない状態で図略の光路を開通し、駆動された位置で当該光路を遮断するようにしているが、被駆動部材7がアクチュエータ3及びアクチュエータ4によって駆動されていない位置で図略の光路を遮断し、駆動された位置で当該光路を開通させてもよい。その場合は、サブマウント400に設けられた光通過口401の位置が変更されることは言うまでもない。また、シャッタは、光路を遮断及び開通させる以外にも光路の一部を遮断及び開通させる光減衰器を含む概念である。
[シャッタ装置の製造方法]
続いて、シャッタ装置500の製造方法について説明する。図3A~3Eは、本実施形態に係るシャッタ装置の製造工程を示す。なお、図3A~3Eに描かれた各製造工程の図は、図2に示す断面図に対応する。
まず、図3Aに示すように、第1シリコン層210、絶縁層220、及び第2シリコン層230からなるSOI基板200を用意する。例えば、第1シリコン層210の厚さは30μm、絶縁層220の厚さは1μm、第2シリコン層230の厚さは250μmである。
次に、図3Bに示すように第1シリコン層210をエッチング処理して、第1シリコン層210に、固定部1の原形、アクチュエータ3,4、ビーム5,6、被駆動部材7及び連結部材8を一体形成する。なお、図3Bでは、便宜上、これらの部材の一部のみ描かれている。また、ビーム6の第1部材6aに設けられた肉抜き構造6gは、第1シリコン層210のエッチング時に同時に形成される。また、本実施形態において、SOI基板200に形成された複数の変位拡大機構510をチップに個片化するときに、レーザスクライブ法を用いる。この方法では、照射したレーザ光のエネルギーが単結晶シリコンに吸収される必要がある。第2シリコン層230にレーザ光を吸収させるため、この段階で、チップの分割領域にある第1シリコン層210もあわせて除去する。なお、個片化の方法は特にこれに限定されず、例えば、ダイシングによってもよいし、図3A~図3Dに示す工程において、エッチングにより個片化を行ってもよい。
さらに、第1ベース部材1aの表面に第1電極101が形成され、第2ベース部材1bの表面に第2電極102が形成され、被駆動部材7の表面に金属膜7aが形成される。第1及び第2電極101,102及び金属膜7aは、例えば、厚さ20nmのTi及び厚さ300nmのAuからなるAu/Ti膜である。
第1シリコン層210にシャッタ装置500及び変位拡大機構510の原形が形成されると、次に、図3Cに示すように、第1シリコン層210にワックス700でダミーウエハ800を貼り合わせてシャッタ装置500の裏面の層、すなわち、絶縁層220及び第2シリコン層230をエッチング処理する。なお、この場合、支持部9に対応する部分を残すために、図示しないマスクを第2シリコン層230の裏面の所定の位置に形成する。このエッチング処理により、固定部1にはSOI基板200が残され、その他の可動部材であるアクチュエータ3、アクチュエータ4、ビーム5、ビーム6、被駆動部材部7及び連結部材8には第1シリコン層210のみが残される。また、支持部9には第2シリコン層230のみが残される。なお、図3Bに示す工程で、図示しないマスクを用いて、支持部9に対応する部分の絶縁層220を除去するようにしてもよい。
次に、図3Dに示すように、ワックス700及びダミーウエハ800を除去する。また、変位拡大機構510が形成されたチップの個片化も行う。
最後に、図3Eに示すように、所定の位置に接着材300が配置されたサブマウント400の上に、変位拡大機構510が形成されたチップを配置し、接着材300を介してサブマウント400とチップとを接合する。なお、図1,2に示すように、接着材300は固定部1のZ方向下方に位置するようにサブマウント400上に配置される。また、所定の荷重をかけてチップの裏面に接着材300を接触させ、所定の温度、例えば、接着材300がエポキシ系の熱硬化性樹脂であれば、120℃~180℃で接着材300を熱硬化させることで、サブマウント400とチップとを接合する。このようにして、シャッタ装置500が完成する。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係るMEMS素子である変位拡大機構510は、基板200と、基板200に設けられた固定部1と、固定部1に設けられた開口2と、両端が固定部1に接続されたアクチュエータ3と、両端が固定部1に接続され、アクチュエータ3と離間して設けられた別のアクチュエータ4と、を有している。また、変位拡大機構510は、基端側がアクチュエータ3に接続され、基板200の上面と平行に延在するビーム5と、基端側が別のアクチュエータ4に接続され、基板の上面と平行に延在する別のビーム6と、ビーム5及び別のビーム6の先端側に接続された被駆動部材7と、を有している。
また、変位拡大機構510は、平面視で開口2を分割する一方、両端が固定部1に接続されてアクチュエータ3,4と並列に配置された支持部9を有しており、アクチュエータ3,4とビーム5,6と被駆動部材7と支持部9とは、平面視で開口2内に配置されている。
変位拡大機構510をこのように構成することで、開口2が形成された固定部1の剛性、特に、アクチュエータ3,4の延在方向であるY方向の剛性を高めることができる。また、固定部1の剛性が高められることにより、被駆動部材7が意図しない位置に変位するのを防止でき、入射光の光路の開通及び遮断に関し、シャッタ装置500の性能が低下するのを抑制できる。このことについて、さらに説明する。
前述したように、変位拡大機構510の固定部1に対して、アクチュエータ3,4の延在方向、この場合は、Y方向に所定以上の応力が加わると、アクチュエータ3,4は、それぞれの全長が伸長または収縮するように変形する。特に、本実施形態に示すように、固定部1に開口2を設け、アクチュエータ3,4の両端がそれぞれ、開口2の内周縁に接続されている場合、固定部1との接続部分である両端部を除いて、アクチュエータ3,4を機械的に支持する構造がないため、固定部1に所定以上のY方向の応力が加わると、アクチュエータ3,4は容易に伸長または収縮しうる。
固定部1に対してY方向の応力が加わる現象は、例えば、互いに熱膨張係数の異なる基板200とサブマウント400とを熱処理により接合する場合に起こりうる。また、基板200の主要構成材料である単結晶シリコンとサブマウント400との熱膨張係数が同程度であっても、単結晶シリコンと接着材300との熱膨張係数が大きく異なる場合には、固定部1に対して、Y方向に所定以上の応力が加わる場合もある。また、これらに限られず、外部からの衝撃により、一時的にでも、固定部1に対して、Y方向に所定以上の応力が加わる場合もあることも前述したとおりである。特に、アクチュエータ3,4は、電流が流れることで発熱して延在方向であるY方向に熱膨張する熱式アクチュエータであるため、これらの全長の変化は、アクチュエータ3,4がそれぞれ所定量駆動されたことと同じ意味を持つ。つまり、アクチュエータ3,4の変位量が、ビーム5,6の運動によって拡大され、ビーム5,6の先端側に接続された被駆動部材7が所定の位置から変位してしまう。特に、本実施形態に示す変位拡大機構510は、アクチュエータ3,4にそれぞれ接続されたビーム5,6が並列配置部600を有し、X方向の同じ側から、ビーム5,6によって互いに反対方向に力を受けることで、並列配置部600の先端側に接続された被駆動部材7が変位する。このような変位拡大機構510では、アクチュエータ3,4が接続された固定部1が、応力等によりアクチュエータ3,4の延在方向へわずかに変形することでも、被駆動部材7の変位量が拡大されてしまう。
一方、本実施形態によれば、平面視で開口2を分割し、両端がそれぞれ固定部1に接続された支持部9をアクチュエータ3,4と並列に配置することで、応力によって固定部1がY方向に変形しようとするのを抑制することができる。このことにより、アクチュエータ3,4の全長が意図せずに変化するのを防止して、被駆動部材7を所定の位置に安定して保持することができる。
なお、支持部9は、開口2をX方向の略中央で分割するように配置されている。固定部1の第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bのうち、X方向に延びる部分を一種の梁として見ると、両端が固定された梁が最も大きく変形するのは中央部分である。よって、この部分に対応した位置、つまり、開口2のX方向での略中央を通る位置に支持部9を配置することにより、応力によって固定部1が変形しようとするのを効果的に抑制することができる。ただし、開口2内での支持部9の配置は特にこれに限定されず、アクチュエータ3に寄った側に配置されていてもよいし、アクチュエータ4に寄った側に配置されていてもよい。固定部1のY方向の剛性を高められる位置に支持部9が配置されていればよい。
支持部9は、ビーム5,6と所定の間隔をあけてビーム5,6のZ方向下方に設けられている。このことにより、アクチュエータ3,4によってビーム5,6がそれぞれ駆動された場合にも、ビーム5,6の動きが妨げられることがない。よって、被駆動部材7を所望の量、変位させることができる。
また、変位拡大機構510を構成する基板200は、第1シリコン層210と絶縁層220と第2シリコン層230とがこの順で積層されてなり、ビーム5,6及びアクチュエータ3,4は第1シリコン層210で構成される一方、支持部9は第2シリコン層230で構成されている。このことにより、支持部9を所定の間隔をあけてビーム5,6のZ方向下方に容易に配置することができる。
また、本実施形態の変位拡大機構510には、基板200を支持する支持部材であるサブマウント400と、固定部1の下面とサブマウント400の上面との間に設けられ、基板200とサブマウント400とを接合する接合部材である接着材300とをさらに含んでいてもよい。
サブマウント400と基板200との熱膨張係数に差があると、基板200に設けられた固定部1に応力が加わって変形しやすくなるが、本実施形態によれば、支持部9によって固定部1の剛性を高めることで、アクチュエータ3,4の全長が意図せずに変化するのを防止して、被駆動部材7を所定の位置に安定して保持することができる。
また、本実施形態に係るシャッタ装置500は、上記の変位拡大機構(MEMS素子)510と、固定部1の第1ベース部材1aの上面に配設され、アクチュエータ3,4の上端部3a,4aのそれぞれに電気的に接続された第1電極101と、固定部1の第2ベース部材1bの上面に配設され、アクチュエータ3,4の下端部3c,4cのそれぞれに電気的に接続された第2電極102と、を備え、被駆動部材7で光路を遮断及び開通させる。
シャッタ装置500をこのように構成することで、第1電極101と第2電極102との間に電圧が印加されると、アクチュエータ3,4がそれぞれ駆動し、アクチュエータ3,4に接続されたビーム5,6を介して被駆動部材7が変位することで、被駆動部材7の変位量を大きくでき、所定の光路を確実に開通及び遮断することができる。また、被駆動部材7を所定の位置に安定して保持できるため、入射光の光路の開通及び遮断性能を高く維持できる。また、このようなシャッタ装置500を、光波長多重伝送装置等に組み込まれる可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)に用いると、所定の要求仕様に従って、VOAを通過する光の全部または一部を開通及び遮断できるため、高性能の光波長多重伝送装置等を実現できる。
<変形例1>
図4は、本変形例に係るシャッタ装置の平面図を示す。なお、本変形例において、実施形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図4に示す本変形例に係る構成と、実施形態1に示す構成とでは、開口2内に配置されたアクチュエータの個数及びビーム5の基端が第1ベース部材1aに接続されている点で異なる。
このように、シャッタ装置500において、アクチュエータ3を省略してもよい。この場合にも、アクチュエータ4に駆動されたビーム6が被駆動部材7を押し、連結部材8を介してアクチュエータ4からの駆動力を受けたビーム5が被駆動部材7を引くことで、被駆動部材7は、平面視で、サブマウント400に設けられた光通過口401と重なる位置へ押し出される。また、支持部9によって、固定部1のY方向の剛性を高められ、アクチュエータ4の全長が意図せずに変化するのを防止して、被駆動部材7を所定の位置に安定して保持することができる。
なお、ビーム5の第1端部5aを第1ベース部材1aではなく第2ベース部材1bに接続してもよい。また、図示しないが、アクチュエータ3の代わりにアクチュエータ4を省略してもよい。この場合にも、アクチュエータ3の全長が意図せずに変化するのを防止して、被駆動部材7を所定の位置に安定して保持することができる。なお、アクチュエータ4が省略される場合には、ビーム6の第1端部6cが第1ベース部材1aまたは第2ベース部材1bに接続される。また、この場合に、ビーム6は発熱する部材に直接接続されておらず、放熱をあまり考慮しなくてもよいため、第1部材6aにおける肉抜き構造6gは形成されていなくてもよい。
なお、本変形例において、第2ベース部材1bの下面とサブマウント400との間に接着材300を設けていないが、図1に示すように、当該箇所に接着材300を設けてもよい。
(実施形態2)
図5は、本実施形態に係るシャッタ装置の平面図を、図6は、シャッタ装置の要部の斜視図をそれぞれ示し、図7は、図6の破線で囲まれた部分の拡大図を示す。なお、本実施形態において、実施形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態に示す構成と実施形態1に示す構成とでは、まず、固定部10に設けられた開口20が第1支持部161によって第1開口21と第2開口22とに分割されている点で異なる。なお、第1~第4アクチュエータ30,90,40,110、第1~第4ビーム50,120,60,130、第1及び第2被駆動部材70,140は、それぞれ図2に示す第1シリコン層210で構成されている。また、図示しないが、第1被駆動部材70の上面全体及び第2被駆動部材140の上面全体には、図2に示す金属膜7aに相当する金属膜が形成されている。なお、以降の説明において、第1被駆動部材70を被駆動部材70と呼ぶことがある。
固定部10は、第1ベース部材11及び第2ベース部材12と、これらとY方向に対向して配置された第3ベース部材13とを有している。第1~第3ベース部材11~13は、実施形態1に示す第1ベース部材1a及び第2ベース部材1bと同様に、周縁部を除いて第2シリコン層230と絶縁層220と第1シリコン層210とがこの順に積層されてなる。なお、第1ベース部材11及び第2ベース部材12は、第1シリコン層210においてそれぞれX方向に分かれているが、絶縁層220及び第2シリコン層230では1つに繋がっている。また、第1ベース部材11と第3ベース部材13及び第2ベース部材12と第3ベース部材230は、第1シリコン層210においてそれぞれY方向に分かれているが、絶縁層220及び第2シリコン層230では1つに繋がっている。このため、第1~第3ベース部材11~13の相対位置は固定されており、第1~第3ベース部材11~13で変位拡大機構520内の可動部材を支持することができる。また、固定部10は、可動部材の可動域を確保しつつできるだけ広い面積を占めるような形状にされていることで、可動部材を支持するフレームとして機能している。
また、前述したように、第1ベース部材11の第1シリコン層210は、第2ベース部材12の第1シリコン層210とX方向で、第3ベース部材230の第1シリコン層210とY方向でそれぞれ物理的に分離されている。従って、第1ベース部材11の上面に配設された第1電極171と、第2ベース部材12の上面に配設された第2電極172と、第3ベース部材13の上面に配設された第3電極173とは、互いに電気的に絶縁分離されている。
第1支持部161は、一端が第1ベース部材11と第2ベース部材12との境界部に、他端が第3ベース部材13にそれぞれ接続され、開口20を第1開口21と第2開口22とに分割している。第1支持部161はY方向に延在した部材であり、その大部分は基板200と同じ構造、つまり、第2シリコン層230と絶縁層220と第1シリコン層210との積層構造である。ただし、図6,7に示すように、第1ベース部材11と第2ベース部材12との境界部に接続されたY方向上端部では、第1シリコン層210が除去されており、絶縁層220と第2シリコン層230との2層構造となっている。よって、第1支持部161は、第1ベース部材11の第1シリコン層210及び第2ベース部材12の第1シリコン層210と物理的に分離されている。このことにより、第1支持部161は、第1ベース部材11の上面に配設された第1電極171と電気的に絶縁されている。同様に、第1支持部161は、第2ベース部材12の上面に配設された第2電極172と電気的に絶縁されている。
なお、後述する第1アクチュエータ30や第2アクチュエータ90が駆動されたとき、それらの中間部の変位を妨げないように、第1支持部161と第1アクチュエータ30(以下、アクチュエータ30と呼ぶことがある。)とのX方向の間隔及び第1支持部161と第2アクチュエータ90とのX方向の間隔は、それぞれ適切に設定する必要がある。なお、本実施形態において、第1支持部161と第1アクチュエータ30とのX方向の間隔及び第1支持部161と第2アクチュエータ90とのX方向の間隔はそれぞれ同じであるが、これらの間隔を互いに異なるようにしてもよい。
次に異なるのは、第1開口21内、第2開口22内にそれぞれ一組のアクチュエータと一組のビームと被駆動部材とがセットとなって配置されている点である。例えば、第1開口21内には、両端が固定部10に接続された第1アクチュエータ30と、基端側が第1アクチュエータ30の中間部に接続され、X方向左側に延びてY方向下側に折り返された第1部材51と、第1部材51のX方向左側端部からX方向右側に延びる第2部材52とを有する第1ビーム50とが配置されている。また、第1開口21内には、両端が固定部10に接続されるとともに、第1ビーム50を挟んで第1アクチュエータと反対側に対向して設けられた第3アクチュエータ40と、基端側が第3アクチュエータ40の中間部に接続され、Y方向に第1ビーム50の第2部材52と離間し、かつ第2部材52と並列に配置される一方、基板200の上面と平行に延在する第3ビーム60と、が配置されている。さらに、第1開口21内には、第1ビーム50及び第3ビーム60の先端側に接続された第1被駆動部材70と、第1ビーム50と第3ビーム60とを連結する第1連結部材80が配置されている。また、サブマウント400には、第1開口21と連通した第1光通過口401が設けられている。
第1開口21内に配置された各種部材は、それぞれ、図1に示すシャッタ装置500の開口2内に配置された部材に対応している。例えば、第1アクチュエータ30はアクチュエータ4に、第3アクチュエータ40はアクチュエータ3にそれぞれ対応している。また、第1ビーム50はビーム6に、第3ビーム60はビーム5に、第1被駆動部材70は被駆動部材7に、第1連結部材80は連結部材8にそれぞれ対応している。また、対応関係にある部材間で、各部材が有する機能は同じである。従って、第1電極171と第3電極173との間に電圧が印加されると、第1及び第3アクチュエータ30,40にそれぞれ電流が流れ、第1アクチュエータ30の中間部はX方向右側に押し出され、第3アクチュエータ40の中間部はX方向左側に押し出される。このことにより、第1ビーム50は第1被駆動部材70をX方向右側に押し、第3ビーム60は第1被駆動部材70をX方向左側に引くように駆動する。その結果、第1被駆動部材70は、斜め左下に変位し、平面視で、サブマウント400に設けられた第1光通過口401と重なる位置へ押し出される。
一方、第2開口22内には、第1開口21内に配置された各種部材とそれぞれ対応する部材が、第1支持部161に対して線対称に配置されている。例えば、第2開口22内には、第2アクチュエータ90が第1支持部161に対して第1アクチュエータ30と線対称に配置されている。同様に、第2開口22内には、第1支持部161に対して第4アクチュエータ110が第3アクチュエータ40と線対称に、第2ビーム120が第1ビーム50と線対称に、第4ビーム130が第3ビーム60と線対称にそれぞれ配置されている。また、第1支持部161に対して第2被駆動部材140が第1被駆動部材70と線対称に、第2連結部材150が第1連結部材80と線対称にそれぞれ配置されている。さらに、サブマウント400には、第2光通過口402が第1支持部161に対して第1光通過口401と線対称に設けられている。また、図5,6から明らかなように、第1被駆動部材70と第2被駆動部材140とは、第1支持部161とX方向に所定の同じ間隔をあけてそれぞれ配置されている。また、別の見方をすると、第1被駆動部材70と第2被駆動部材140とは、第1支持部161を挟んで、かつ第1支持部161に近接してそれぞれ配置されている。なお、本実施形態において、第1支持部161と第1被駆動部材70とのX方向の間隔及び第1支持部161と第2被駆動部材140とのX方向の間隔はそれぞれ同じであるが、これらの間隔を互いに異なるようにしてもよい。また、第1光通過口401の中心と第2光通過口402の中心とのX方向の間隔は数百μm~1mm程度に設定されており、第1光通過口401及び第2光通過口402の直径はそれぞれ数百μm程度、例えば、250μm程度に設定されている。
また、第1支持部161に対して互いに線対称となる配置関係にある部材間では、各部材が有する機能は同様である。ただし、各部材の駆動及び変位方向は第1支持部161に対して反転している。従って、第2電極172と第3電極173との間に電圧が印加されると、第2及び第4アクチュエータ90,110にそれぞれ電流が流れ、第2アクチュエータ90の中間部はX方向左側に押し出され、第4アクチュエータ110の中間部はX方向右側に押し出される。このことにより、第2ビーム120は第2被駆動部材140をX方向左側に押し、第4ビーム130は第2被駆動部材140をX方向右側に引くように駆動する。その結果、第2被駆動部材140は、斜め右下に変位し、平面視で、サブマウント400に設けられた第2光通過口402と重なる位置へ押し出される。
以上説明したように、本実施形態に係るMEMS素子である変位拡大機構520は、基板200と、基板200に設けられた固定部10と、両端が固定部10に接続され、開口20を第1開口21と第2開口とに分割する第1支持部161と、を有している。平面視で第1開口21内に、両端が固定部10に接続された第1アクチュエータ30(アクチュエータ30)と、両端が固定部10に接続され、第1アクチュエータ30と離間して設けられた第3アクチュエータ40と、が配置されている。また、平面視で第1開口21内に、基端側が第1アクチュエータ30に接続され、基板200の上面と平行に延在する第1ビーム50と、基端側が第3アクチュエータ40に接続され、基板200の上面と平行に延在する第3ビーム60と、第1ビーム50及び第3ビーム60の先端側に接続された第1被駆動部材70(被駆動部材70)と、が配置されている。
また、平面視で第2開口22内に、両端が固定部10に接続された第2アクチュエータ90と、両端が固定部10に接続され、第2アクチュエータ90と離間して設けられた第4アクチュエータ110と、が配置されている。また、平面視で第2開口22内に、基端側が第2アクチュエータ90に接続され、基板200の上面と平行に延在する第2ビーム120と、基端側が第4アクチュエータ110に接続され、基板200の上面と平行に延在する第4ビーム130と、第2ビーム120及び第4ビーム130の先端側に接続された第2被駆動部材140と、が配置されている。また、第2及び第4アクチュエータ90,110と、第2及び第4ビーム120,130と、第2被駆動部材140とは、平面視で第2開口22内に配置されている。第1支持部161は、平面視で第1ビーム50及び第2ビーム120と交差するY方向に延在している。
本実施形態の変位拡大機構520によれば、平面視で開口20を第1開口21と第2開口22とに分割する第1支持部161を設けることで、固定部10の剛性、特に、第1~第4アクチュエータ30,90,40,110の延在方向であるY方向の剛性を高めることができる。また、固定部10の剛性が高められることにより、実施形態1に示すのと同様に、第1及び第2被駆動部材70、140がそれぞれ意図しない位置に変位するのを防止でき、入射光の光路の開通及び遮断に関し、シャッタ装置500の性能が低下するのを抑制できる。
また、基板200は、実施形態1に示すのと同様に、第1シリコン層210と絶縁層220と第2シリコン層230とがこの順で積層された積層構造であり、第1~第4ビーム50,120,60,130と第1~第4アクチュエータ30,90,40,110とはそれぞれ第1シリコン層210で構成されている。一方、第1支持部161は固定部10に接続された一端部、具体的には、第1ベース部材11と第2ベース部材12との境界部に接続されたY方向上端部を除いて、基板200と同じ積層構造である。また、第1支持部161のY方向上端部は、第1シリコン層210が除去されており、第2シリコン層230と絶縁層220とが積層されてなる。
本実施形態によれば、第1支持部161の大部分が基板200と同じ積層構造であるため、例えば、実施形態1に示す支持部9よりも強固な構造となり、固定部10のY方向の剛性を高めることができる。また、第1支持部161のY方向上端部で第1シリコン層210が除去されることで、前述したように、第1支持部161は、第1~第3電極171~173と互いに電気的に絶縁分離される。このため、第1支持部161を介して、第1~第3電極171~173間で意図しない短絡を生じるおそれがない。
また、第1~第4アクチュエータ30,90,40,110はそれぞれ、電流が流れることで発熱して延在方向であるY方向に熱膨張する熱式アクチュエータである。第1アクチュエータ30と第2アクチュエータ90とは、第1支持部161とX方向に所定の間隔をあけてそれぞれ配置されている。また、第1アクチュエータ30は第1被駆動部材70よりも第1支持部161に近い側に、第2アクチュエータ90は第2被駆動部材140よりも第1支持部161に近い側にそれぞれ配置されている。
本実施形態によれば、第1及び第2アクチュエータ30,90を、それぞれ第1支持部161に近づけて設けることで、第1アクチュエータ30と第2アクチュエータ90との間で発生する熱的クロストークを抑制することができる。
2つの入射光の光路をそれぞれ独立に開通及び遮断する場合、第1アクチュエータ30及び第2アクチュエータ90の一方は駆動状態であるのに対し、他方は非駆動状態である。また、一方のアクチュエータ、例えば、第1アクチュエータ30が駆動されると、その中間部は他方のアクチュエータである第2アクチュエータ90に近づくように屈曲または湾曲する。
一方、前述したように、第1アクチュエータ30や第2アクチュエータ90が駆動されると、それぞれの温度は数百℃に達する。例えば、このように高温に熱せられた第1アクチュエータ30が第2アクチュエータ90に所定の間隔よりも近づくと、その発熱が第2アクチュエータ90に伝搬し、全長が伸びるように第2アクチュエータ90が変形してしまう。これが、上記の熱的クロストークにあたる。この熱的クロストークが生じることにより、第2被駆動部材140が意図しない位置に変位し、第2光通過口402から意図しない光が漏れ出たり、あるいは通過させるべき光の一部が遮断されたりするおそれがある。
本実施形態によれば、第1支持部161に近接させて第1アクチュエータ30と第2アクチュエータ90とを配置することで、上記の熱的クロストークを抑制して、第1及び第2被駆動部材70、140がそれぞれ意図しない位置に変位するのを防止でき、入射光の光路の開通及び遮断に関し、シャッタ装置500の性能が低下するのを抑制できる。
特に、Y方向上端部を除き、第1支持部161を基板200と同じ積層構造とすることで、第1支持部161の第1シリコン層210と、第1シリコン層210で構成された第1及び第2アクチュエータ30,90とを近接して対向させることができ、第1支持部161の第1シリコン層210を介して、第1アクチュエータ30または第2アクチュエータ90で発生した熱を第3ベース部材13から放散させることができる。
また、本実施形態の変位拡大機構520は、固定部10に設けられ、第1支持部161によって互いに分割された第1開口21と第2開口22の各々に、2つのアクチュエータと、これらアクチュエータにそれぞれ接続された2つのビームと、2つのビームの先端側にそれぞれに接続された被駆動部材とを配置し、これらの被駆動部材、つまり、第1及び第2被駆動部材70,140は、第1支持部161とX方向に所定の間隔をあけてそれぞれ配置されている。このことにより、異なる光路の光を近接させて変位拡大機構520に入射させることができるとともに、これらの入射光を開通及び遮断するシャッタ装置500を簡便な構成で実現できる。
VOA等において、異なる光路の光を開通及び遮断するシャッタアレイを使用する場合、装置を小型化するために、入射光の間隔、つまり、第1光通過口401と第2光通過口402との間隔を近づける必要がある。しかし、実施形態1に示すシャッタ装置500を並置してシャッタアレイを構成する場合、2つの入射光の間隔を、X方向でビーム5,6の長さよりも大きく取る必要がある。ビーム5,6の長さは数mm程度あるため、これ以上に2つの入射光の間隔を近づけられないという問題があった。
一方、本実施形態によれば、同じ基板200に対して2つの開口21,22を設け、その各々に、上記のセットを配置することで、第1被駆動部材70と第2被駆動部材140とのX方向の間隔、ひいては、第1光通過口401と第2光通過口402とのX方向の間隔を1mm以下に近づけることが可能となり、異なる光路の光が入射される変位拡大機構520及びシャッタ装置500の小型化が図れる。
また、実施形態1に示すシャッタ装置500を並置してシャッタアレイを構成する場合、組立公差を考慮すると、変位拡大機構520内の各部材の配置精度、特に第1被駆動部材70と第2被駆動部材140との間の位置精度や、第1及び第2光通過口401,402に対する第1及び第2被駆動部材70,140の配置精度を高めるには限界があった。一方、本実施形態によれば、一つの基板200に第1及び第2被駆動部材70,140を有する変位拡大機構520を形成することで、各部材の配置精度を高めることができる。このことにより、シャッタ装置500における入射光の開通及び遮断性能を高く維持することができる。
また、第1被駆動部材70と第2被駆動部材140とは、平面視で、第1支持部161に対して線対称となるように配置され、第1アクチュエータ30と第2アクチュエータ90とは、平面視で、第1支持部161に対して線対称となるように配置されている。また、第3アクチュエータ40と第4アクチュエータ110とは、平面視で、第1支持部161に対して線対称となるように配置され、第3アクチュエータ40は第1アクチュエータ30よりも第1支持部161から遠い側に、かつ第4アクチュエータ110は第2アクチュエータ90よりも第1支持部161から遠い側にそれぞれ配置されている。
このようにすることで、変位拡大機構520及びシャッタ装置500の設計を簡便にでき、かつ、入射光の間隔を簡便に近づけることができる。また、第1被駆動部材70と第2被駆動部材140、ひいては、これらの変位後の位置に配置された第1光通過口401と第2光通過口402とを第1支持部161に対して線対称に配置することで、VOA等に変位拡大機構520やシャッタ装置500を実装する場合に、例えば、第1支持部161を位置合わせマークとでき、VOA等に対して正確な位置にかつ簡便に実装できる。
<変形例2>
図8は、本変形例に係るシャッタ装置の平面図を示す。なお、本変形例において、実施形態2と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例に示す構成と実施形態2に示す構成とでは、平面視で、第1開口21内に第2支持部162が、第2開口22内に第3支持部163がそれぞれ設けられている点で異なる。また、第2支持部162は、両端が固定部10に接続されて第1アクチュエータ30と並列に配置され、第3支持部163は、両端が固定部10に接続されて第2アクチュエータ90と並列に配置されている。
変位拡大機構520のサイズあるいは第1開口21及び第2開口22のサイズによっては、第1支持部161のみで固定部10の剛性を所定値以上に高く維持できない場合がある。一方、本変形例によれば、上記のように第2支持部162と第3支持部163とを設けることにより、固定部10の剛性、特に、第1開口21の周囲におけるY方向の剛性及び第2開口22の周囲におけるY方向の剛性を高めることができる。このように、固定部10の剛性が高められることで、実施形態2に示すのと同様に、第1及び第2被駆動部材70、140がそれぞれ意図しない位置に変位するのを防止でき、入射光の光路の開通及び遮断に関し、シャッタ装置500の性能を高く維持することができる。
また、第2及び第3支持部162,163は、図1,2に示す支持部9と同様に、第2シリコン層230で構成されている。よって、第2支持部162は、第1及び第3ビーム50,60と所定の間隔をあけて第1及び第3ビーム50,60のZ方向下方に設けられ、第3支持部163は、第2及び第4ビーム120,130と所定の間隔をあけて第2及び第4ビーム120,130のZ方向下方に設けられている。
また、第2支持部162を第1及び第3ビーム50,60のZ方向下方に配置することで、第1及び第3アクチュエータ30,40によって第1及び第3ビーム50,60がそれぞれ駆動された場合にも、第1及び第3ビーム50,60の動きが妨げられることがない。よって、第1被駆動部材70を所望の量、変位させることができる。同様に、第2支持部163を第2及び第4ビーム120,130のZ方向下方に配置することで、第2及び第4アクチュエータ90,110によって第2及び第4ビーム120,130がそれぞれ駆動された場合にも、第2及び第4ビーム120,130の動きが妨げられることがない。よって、第2被駆動部材140を所望の量、変位させることができる。
なお、第2及び第3支持部162,163を、第1及び第2開口21,22のX方向での略中央を通る位置にそれぞれ配置することにより、固定部10が変形しようとするのを効果的に抑制することができることは、実施形態1に示したのと同様である。なお、第1開口21内での第2支持部162の配置は特にこれに限定されず、第1アクチュエータ30に寄った側に配置されていてもよいし、第3アクチュエータ40に寄った側に配置されていてもよい。同様に、第2開口22内での第3支持部163の配置は特にこれに限定されず、第2アクチュエータ90に寄った側に配置されていてもよいし、第4アクチュエータ110に寄った側に配置されていてもよい。固定部10のY方向の剛性を高められる位置に第2及び第3支持部162,163がそれぞれ配置されていればよい。
<変形例3>
図9は、本変形例に係るシャッタ装置の平面図を示す。なお、本変形例において、実施形態2と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例に係る構成と実施形態2に示す構成とでは、第1開口21内に配置されたアクチュエータの個数及び第3ビーム60の基端が第1ベース部材11に接続されている点で異なる。また、第2開口22内に配置されたアクチュエータの個数及び第4ビーム120の基端が第2ベース部材12に接続されている点で異なる。
このように、シャッタ装置500において、第3アクチュエータ40及び第4アクチュエータ110を省略してもよい。この場合にも、第1開口21内で、第1アクチュエータ30に駆動された第1ビーム50が第1被駆動部材70をX方向右側に押し、第1連結部材80を介して第1アクチュエータ30からの駆動力を受けた第3ビーム60が第1被駆動部材70をX方向左側に引くことで、被駆動部材70は、平面視で、サブマウント400に設けられた光通過口401と重なる位置へ押し出される。また、第2開口22内で、第2アクチュエータ90に駆動された第2ビーム120が第2被駆動部材140をX方向左側に押し、第2連結部材150を介して第2アクチュエータ90からの駆動力を受けた第4ビーム130が第1被駆動部材70をX方向右側に引くことで、第2被駆動部材140は、平面視で、サブマウント400に設けられた光通過口402と重なる位置へ押し出される。
なお、第3ビーム60の基端を第1ベース部材11ではなく第3ベース部材13に接続してもよい。同様に、第4ビーム130の基端を第2ベース部材12ではなく第3ベース部材13に接続してもよい。この場合にも、第1及び第2アクチュエータ30,90の全長が意図せずに変化するのを防止して、第1及び第2被駆動部材70,140を所定の位置に安定して保持することができる。
なお、特に説明しないが、図5~図9に示す変位拡大機構520及びシャッタ装置500が、図3A~3Eに示すのと同様の製造工程を経て得られることは言うまでもない。また、要求される固定部10の剛性に応じて、第2及び第3支持部162,163を省略してもよい。
(実施形態3)
図10は、アクチュエータの平面模式図を示し、(a)図は、本実施形態に係るアクチュエータの平面形状を、(b)図は、比較のためのアクチュエータの平面形状をそれぞれ示す。なお、図10に示すアクチュエータ180は、図1に示すアクチュエータ3に対応している。また、本実施形態において、実施形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
前述したように、変形例1~3を含む実施形態1,2に示すアクチュエータ3,4,30,90,40,110はいずれも、電流が流れることで発熱し、延在方向であるY方向に熱膨張する熱式アクチュエータである。また、これらのアクチュエータは、単結晶シリコンである第1シリコン層210で構成されているため、500℃程度の温度では、通常、塑性変形は起こらない。
しかし、単結晶シリコンからなる部材においても、所定の応力が加わることで塑性変形を生じうる。また、部材の温度が高くなるほど、内部の欠陥の運動等に起因して、塑性変形を生じる応力は低下する。従って、実施形態1,2等に示すアクチュエータ3,4,30,90,40,110においても、固定部1,10から加わる応力や自身の形状によっては、駆動中の発熱で塑性変形を生じるおそれがある。また、1回の駆動で変形しなくても長期的に複数回にわたってアクチュエータを駆動させることで、塑性変形を生じるおそれがある。このような塑性変形が生じると、アクチュエータの変位量が所定量に達しなくなるだけでなく、極端な場合には、アクチュエータが破損してしまうおそれがあった。言いかえると、アクチュエータの信頼性を低下させるおそれがあった。
そこで、本願発明者等は、主にアクチュエータの形状に着目し、アクチュエータの幅を後述するように規定することで、上記の不具合や信頼性低下を低減できることを見出した。まず、最初に、比較のためのアクチュエータ181において、大きな温度分布が生じうることを説明する。
図10の(b)図に示すように、アクチュエータ181のX方向の幅(以下、単に幅という)を一定の値W3とすると、電流密度は一定であるため、アクチュエータ181の上端部181a、下端部181b及び中間部181bともに同様に発熱する。一方、上端部181aは第1ベース部材1aに、下端部181bは第2ベース部材1bにそれぞれ接続されている。第2ベース部材1a,1bは、アクチュエータ181に対して表面積、体積ともに十分に大きいため、アクチュエータ181で発生した熱を放散するヒートシンクとしても機能する。
一方、アクチュエータ181の中間部181bにはビーム5の基端が接続されているが、ビーム5自体は、第1及び第2ベース部材1a,1bに比べて表面積、体積ともに小さく、ヒートシンクとして十分な機能を果たさない。このため、アクチュエータ181の中間部181bは、上端部181a、下端部181cに比べて温度が大きく上昇する。このため、中間部181bでは、塑性変形を生じうる応力が他の部分に比べて小さくなっている。加えて、アクチュエータ181が駆動されたときに、最も変形量が大きいのは中間部181bの近傍である。このため、中間部181bでは応力が高まり、塑性変形を生じるおそれが最も高くなると言える。
そこで、本実施形態のアクチュエータ180では、図10の(a)図に示すように、幅が連続的に変化するように構成されている。具体的には、アクチュエータ180の中間部180bから第1ベース部材1aとの接続部である上端部180aにかけて、幅が連続的に減少するように構成されている。また、アクチュエータ180の中間部180bから第2ベース部材1bとの接続部である下端部180cにかけて、幅が連続的に減少するように構成されている。
アクチュエータ180をこのように構成することで、アクチュエータ180が塑性変形するのを抑制して、その信頼性を高めることができる。このことについてさらに説明する。
前述したように、アクチュエータ180の駆動時に、中間部180bの温度が最も高くなるおそれがある。一方、本実施形態によれば、中間部180bの幅W1が他の部分、例えば、第1ベース部材1aとの接続部近傍の幅W2よりも太くなるようにすることで、中間部180bでの電流密度を低下させて、発熱量を抑制することができる。このことにより、中間部180bでの温度上昇を抑制し、一定の応力がアクチュエータ180に加わった場合にも、塑性変形を生じにくくすることができる。また、中間部180bの幅W1が他の部分よりも太くなるようにすることで、当該部分での剛性を高め、応力の影響を低減することができる。また、中間部180bがXY平面回りに回転しようとするのを抑制できるため、ビーム5のX方向への駆動力を損なわず、被駆動部材7を所望の量、変位させることができる。特に、アクチュエータ3と交差するビーム5に接続された被駆動部材7が、当該ビーム5と交差する方向へ移動する場合には、中間部180bの回転による被駆動部材7の駆動量の低減を防止することができる。なお、アクチュエータ180において、中間部180bの断面積を他の部分の断面積よりも大きくなるようにすると、電流密度が低下するとともに表面積が増加し、温度の上昇抑制効果が高くなる。ただし、中間部180bの幅W1だけでなく厚さも変更しようすると、図3A~3Eに示す製造工程において、アクチュエータの加工工程が追加される。
なお、本実施形態では、図1に示すアクチュエータ3に対応するアクチュエータ180を例に取って説明したが、アクチュエータ180の特徴、すなわち、X方向の幅が中間部180bから固定部1との接続部である上端部180a及び下端部180bにかけて連続的に減少している形状は、変形例1~3を含む実施形態1,2に示すアクチュエータのすべてに適用可能である。しかし、実施形態1、2では2つのアクチュエータのうち一方のみに、アクチュエータ180が適用されていてもよく、さらには、ビーム6がアクチュエータではなく、固定部1に接続されている場合には、アクチュエータ3にアクチュエータ180を適用してもよい。
(その他の実施形態)
実施形態1及び変形例1に示す支持部9はいすれもY方向に沿って延在しているが、Y方向から傾斜していてもよい。また、開口2内に複数配置されていてもよい。支持部9が開口2内に複数配置される場合は、互いに平行であってもよいし、所定の角度をなすように配置されていてもよい。交わるように一体化されていてもよい。同様に、変形例2,3に示す第2及び第3支持部162,163はいすれもY方向に沿って延在しているが、Y方向から傾斜していてもよい。また、第2支持部162が第1開口21内に複数配置されていてもよいし、第3支持部163が第2開口22内に複数配置されていてもよいし、その両方を満たしていてもよい。第2支持部162が第1開口21内に複数配置される場合は、互いに平行であってもよいし、所定の角度をなすように配置されていてもよい。交わるように一体化されていてもよい。第3支持部163が第2開口22内に複数配置される場合も同様である。
また、支持部9や第2及び第3支持部162,163は第2シリコン層230で構成されているが、これらのX方向の幅は、必要とされる固定部1または10の剛性や変形許容量等に応じて適宜変更されうる。また、Z方向の厚さが第2シリコン層230よりも薄くなるように支持部9や第2及び第3支持部162,163を加工してもよい。例えば、ビーム5,6と支持部9とのZ方向の間隔は絶縁層220の厚さである1μm程度であるから、外力、例えば、外部からの衝撃や、ビーム5,6と支持部9との間に生じる静電引力等によって、ビーム5,6等が支持部9等に衝突することが起こりうる。この衝撃が強ければビーム5,6が破損してしまうし、仮に、衝撃が弱くても、ビーム5,6等と支持部9等が固着してしまう場合がある。このような固着が生じると、変位拡大機構510、ひいてはシャッタ装置500が正常に動作しなくなる。このような不具合を回避するために、例えば、図3Bに示す工程で、図示しないマスクを用いて、支持部9に対応する部分の絶縁層220を除去するとともに、支持部9に対応する部分の第2シリコン層230をZ方向上側から所定の厚さだけ除去するようにしてもよい。
なお、各変形例を含む各実施形態に示すMEMS素子である変位拡大機構510,520において、被駆動部材7または70に接続されるビームの本数を2本としたが、1本のビームが被駆動部材7または70に接続されるようにしてもよい。その場合、例えば、1本のアクチュエータによって当該ビームが駆動されて被駆動部材7が変位する。また、被駆動部材7や第1及び第2被駆動部材70,140を構成する第1シリコン層210を所定の厚さだけ除去して、これらの部材が第1シリコン層210よりも薄くなるようにしてもよい。このようにすることで、被駆動部材7や第1及び第2被駆動部材70,140の質量を低減でき、共振周波数を向上させることができる。
また、基板200とサブマウント400との間で所望の接合強度が確保されていれば、図1に示す構成において、図4に示すように第2ベース部材1bの下面とサブマウント400との間に接着材300を設けなくてもよい。同様に、図5,8,9に示す構成において、第3ベース部材13の下面とサブマウント400との間に接着材300を設けなくてもよい。あるいは、図1,4に示す構成において、第2ベース部材1bの下面とサブマウント400との間に接着材300を設け、第1ベース部材1bの下面とサブマウント400との間に接着材300を設けないようにしてもよい。同様に、図5,8,9に示す構成において、第3ベース部材13の下面とサブマウント400との間に接着材300を設け、第1及び第2ベース部材11,12下面とサブマウント400との間に接着材300を設けないようにしてもよい。
また、実施形態3に示すアクチュエータ180の特徴は、図1及び図4に示す構成において、支持部9が設けられていない場合にも適用可能である。また、図8及び図9に示す構成において、第2支持部162及び第3支持部163が設けられていない場合にも適用可能である。また、上記の変形例及び実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
本発明のMEMS素子は、固定部の剛性を高めることで、被駆動部材を所定の位置に安定して保持できるため、シャッタ装置に適用する上で有用である。
1 固定部
1a 第1ベース部材
1b 第2ベース部材
2 開口
3 アクチュエータ
4 アクチュエータ(別のアクチュエータ)
5 ビーム
6 ビーム(別のビーム)
6a 第1部材
6b 第2部材
7 被駆動部材
8 連結部材
9 支持部
10 固定部
11 第1ベース部材
12 第2ベース部材
13 第3ベース部材
20 開口
21 第1開口
22 第2開口
30 第1アクチュエータ(アクチュエータ)
40 第3アクチュエータ
50 第1ビーム
60 第3ビーム
70 第1被駆動部材(被駆動部材)
80 第1連結部材
90 第2アクチュエータ
101 第1電極
102 第2電極
110 第4アクチュエータ
120 第2ビーム
130 第4ビーム
140 第2被駆動部材
150 第2連結部材
161~163 第1~第3支持部
171~173 第1~第3電極
180 アクチュエータ
180a アクチュエータ180の上端部
180b アクチュエータ180の中間部
180c アクチュエータ180の下端部
200 SOI基板(基板)
210 第1シリコン層
220 絶縁層
230 第2シリコン層
300 接着材(接合部材)
400 サブマウント(支持部材)
401 光通過口(第1光通過口)
402 第2光通過口
500 シャッタ装置
510,520 変位拡大機構(MEMS素子)

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられた固定部と、
    前記固定部に設けられた開口と、
    両端が前記固定部に接続されたアクチュエータと、
    基端側が前記アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在するビームと、
    前記ビームの先端側に接続された被駆動部材と、
    平面視で前記開口を分割する一方、両端が前記固定部に接続されて前記アクチュエータと並列に配置された支持部と、を有し、
    前記アクチュエータと前記ビームと前記被駆動部材と前記支持部とは、平面視で前記開口内に配置されているMEMS素子。
  2. 両端が前記固定部に接続され、前記アクチュエータと離間して設けられた別のアクチュエータと、
    基端側が前記別のアクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在する別のビームと、をさらに有し、
    前記別のアクチュエータ及び前記別のビームは、平面視で前記開口内に配置されており、
    前記被駆動部材は、前記ビーム及び別のビームの先端側に接続されている請求項1に記載のMEMS素子。
  3. 前記支持部は前記ビームと所定の間隔をあけて前記ビームの下方に設けられている請求項1または2に記載のMEMS素子。
  4. 前記基板は、第1シリコン層と絶縁層と第2シリコン層とがこの順で積層されてなり、
    前記ビーム及び前記アクチュエータは前記第1シリコン層で構成される一方、前記支持部は前記第2シリコン層で構成されている請求項1に記載のMEMS素子。
  5. 基板と、
    前記基板に設けられた固定部と、
    前記固定部に設けられた開口と、
    両端が前記固定部に接続され、前記開口を第1開口と第2開口とに分割する第1支持部と、を有し、
    平面視で前記第1開口内に、
    両端が前記固定部に接続されたアクチュエータと、
    基端側が前記アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在する第1ビームと、
    前記第1ビームの先端側に接続された被駆動部材と、が配置され、
    平面視で前記第2開口内に、
    両端が前記固定部に接続された第2アクチュエータと、
    基端側が前記第2アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在する第2ビームと、
    前記第2ビームの先端側に接続された第2被駆動部材と、が配置され、
    前記第1支持部は、平面視で前記第1及び第2ビームと交差する方向に延在しているMEMS素子。
  6. 両端が前記固定部に接続されて前記アクチュエータと並列に配置された第2支持部と、
    両端が前記固定部に接続されて前記第2アクチュエータと並列に配置された第3支持部と、をさらに有し、
    前記第2支持部は、前記第1開口内に、前記第1ビームと所定の間隔をあけて前記第1ビームの下方に設けられ、
    前記第3支持部は、前記第2開口内に、前記第2ビームと所定の間隔をあけて前記第2ビームの下方に設けられている請求項5に記載のMEMS素子。
  7. 両端が前記固定部に接続され、前記アクチュエータと離間して設けられた第3アクチュエータと、
    基端側が前記第3アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在する第3ビームと、
    両端が前記固定部に接続され、前記第2アクチュエータと離間して設けられた第4アクチュエータと、
    基端側が前記第4アクチュエータに接続され、前記基板の上面と平行に延在する第4ビームと、をさらに有し、
    前記第3アクチュエータ及び前記第3ビームは、平面視で前記第1開口内に配置され、前記被駆動部材は、前記第1及び第3ビームの先端側に接続されており、
    前記第4アクチュエータ及び前記第4ビームは、平面視で前記第2開口内に配置され、前記第2被駆動部材は、前記第2及び第4ビームの先端側に接続されている請求項5または6に記載のMEMS素子。
  8. 前記基板は、第1シリコン層と絶縁層と第2シリコン層とがこの順で積層された積層構造であり、
    前記アクチュエータ及び前記第2アクチュエータは前記第1シリコン層で構成され、
    前記第1支持部は前記固定部に接続された一端部を除き、前記基板と同じ積層構造であり、前記一端部は前記第2シリコン層と前記絶縁層とが積層されてなる請求項5に記載のMEMS素子。
  9. 前記アクチュエータは、電流が流れることで発熱して延在方向に熱膨張する熱式アクチュエータである請求項1または5に記載のMEMS素子。
  10. 前記アクチュエータの幅は、前記ビームとの接続部または前記第1ビームとの接続部から前記固定部との接続部にかけて連続的に減少している請求項9に記載のMEMS素子。
  11. 前記基板を支持する支持部材と、
    前記固定部の下面と前記支持部材の表面との間に設けられ、前記基板と前記支持部材とを接合する接合部材と、をさらに有する請求項1ないし10のいずれかに記載のMEMS素子。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載のMEMS素子と、
    前記固定部の上面に配設され、少なくとも前記アクチュエータの一端に電気的に接続された第1電極と、
    前記固定部の上面に配設され、少なくとも前記アクチュエータの他端に電気的に接続された第2電極と、を備え、
    前記被駆動部材で光路を遮断及び開通させるシャッタ装置。
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