JP2002156514A - 可変形状鏡及びその作成方法 - Google Patents

可変形状鏡及びその作成方法

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JP2002156514A
JP2002156514A JP2000349925A JP2000349925A JP2002156514A JP 2002156514 A JP2002156514 A JP 2002156514A JP 2000349925 A JP2000349925 A JP 2000349925A JP 2000349925 A JP2000349925 A JP 2000349925A JP 2002156514 A JP2002156514 A JP 2002156514A
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electrode
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JP2000349925A
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Shinji Kaneko
新二 金子
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、小型で高い結像性能が得られる低コ
ストの可変形状鏡及びその作成方法を提供する。 【解決手段】本発明の一態様によると、開口部を有する
枠部材と、反射面を有する第1の領域と、上記第1の領
域の外周部であり上記第1の領域より高剛性である第2
の領域を有し、上記開口部に支持された薄膜とを有する
ことを特徴とする可変形状鏡が提供される。また、本発
明の別態様によると、可変形状の反射面側の枠部材と、
基板とを所定の間隔で接合して可変形状鏡を作成する方
法であり、上記枠部材又は上記基板の一方に、感光性の
塗布材を塗布し、所定のマスクを用いて露光し、現像し
てスペーサを形成する手順と、上記枠部材又は上記基板
の他方を、上記スペーサに接合し、熱処理して接着する
手順とを有することを特徴とする可変形状鏡の作成方法
が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は曲率を連続的に可変
せしめる可変形状鏡に係り、特に、半導体技術を応用し
た小型の可変形状鏡及びその作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップなどのマイクロオプティ
クスに適用される微小な光学系において、従来は、電磁
式アクチュエータを用いていたフォーカシング等に関係
する機構の簡素化を目的として、反射面の曲率を変える
ことができる超小型の可変焦点鏡の提案が行われてい
る。
【0003】また、小型の撮像用光学系においても、可
変焦点鏡の適用は、小型化に大きく寄与することができ
る。
【0004】このような可変焦点鏡では、半導体製造技
術を適用した、いわゆるMEMS(Micro Electro-Mecha
nicalSystem)技術を適用することによって、低コスト・
高精度の製作が期待できる。
【0005】この種の技術の一例として、特開平2−1
01402号公報に開示されている可変焦点鏡としての
反射鏡装置が挙げられる。
【0006】次に、上記特開平2−101402号公報
に開示されている反射鏡装置について、図1及び図2を
用いて簡単に説明する。
【0007】図1の(a),(b)は、上記特開平2−
101402号公報に開示されている静電引力駆動方式
を用いる反射鏡装置の構成を示す断面図と斜視図であ
る。
【0008】図1の(a),(b)において、参照符号
11は、ガラス等の絶縁基板(以下、ガラス基板と記
す)であり、このガラス基板11の上面には、導電性薄
膜からなる固定側電極層12が被着されている。
【0009】また、参照符号13は、シリコン等の半導
体基板(以下、シリコン基板と記す)であり、このシリ
コン基板13の一主面には絶縁薄膜として二酸化シリコ
ンの薄膜14が形成されている。
【0010】また、参照符号15は、上記シリコン基板
13の中央部の他主面に形成された空所であり、この空
所15は上記二酸化シリコンの薄膜14の中央部を厚さ
方向へ変位可能に設定するものである。
【0011】また、参照符号16は、可動側電極層であ
り、この可動側電極層16は上記二酸化シリコンの薄膜
14に積層されて形成されている。
【0012】上記二酸化シリコンの薄膜14及び可動側
電極層16の中央部は反射鏡部17を構成している。
【0013】そして、この反射鏡部17は、固定側電極
層12と可動側電極層16との両電極層間に印加された
電圧により、該固定側電極層12側へ凹入変形するよう
になっている。
【0014】上記シリコン基板13は、二酸化シリコン
薄膜14側を下側にしてガラス基板11にスペーサ部材
18を介して接合されている。
【0015】なお、図1の(a),(b)において、参
照符号19は、シリコン基板13の他主面に形成された
二酸化シリコンの薄膜である。
【0016】上記反射鏡装置の製造は、図2の(a)乃
至(e)に示す製作工程図に基づいて行われる。
【0017】図2の(a)乃至(e)は、上記特開平2
−101402号公報に開示されている静電引力駆動方
式を用いる反射鏡装置の製作工程を説明するための断面
図である。
【0018】まず、図2の(a)に示すように、両面を
鏡面研磨した面方位<100>のシリコン基板13の両
面に厚さ400〜500nmの二酸化シリコン薄膜1
9,14を形成し、さらに、下側の薄膜14上に厚さ1
00nm程度の金薄膜16を被着する。
【0019】次に、図2の(b)に示すように、所定パ
ターンのフォトレジスト20を塗布し、フォトリソグラ
フィーにより円形の窓孔21を形成する。
【0020】その後、基板の下側の面を保護した状態
で、フォトレジスト20をマスクとして、フッ酸系の溶
液で二酸化シリコン薄膜14に窓あけを行う。
【0021】次に、図2の(c)に示すように、エチレ
ン・ジアミン・ピカテコールの水溶液にシリコン基板1
3を浸して、窓孔21の部分からシリコン基板をエッチ
ングする。
【0022】この際、図示したように、エッチングは、
下面側の二酸化シリコン16が露出した時点で停止す
る。
【0023】このようにして、二酸化シリコン膜14と
金薄膜16とからなる薄膜上の反射鏡部17が残存す
る。
【0024】一方、上記工程とは別に、図2の(d)に
示すように、厚さ300nmのガラス基板11の上面
に、固定側電極層12として、厚さ100nmの金属膜
を形成する。
【0025】次に、図2の(e)に示すように、ガラス
基板11上に、厚さ100μm程度のポリエチレン製ス
ペーサ部材18を介してシリコン基板13を接着すれ
ば、図1に示した反射鏡装置が製作される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な上記特開平2−101402号公報に開示されている
基板張り合わせによる可変焦点鏡は、高精細カメラなど
の高い結像性能が要求される光学系に適用した場合、以
下のような2つの問題がある。
【0027】まず、第1の問題は、反射面を形成する上
部基板の開口部形状に関する問題である。
【0028】すなわち、開口部を形成するには、コスト
や、薄膜部材との選択性の問題から、上述のエチレン・
ジアミン・ピカテコールや水酸化カリウム水溶液などの
アルカリ溶液を用いたエッチングによるのが、特に、好
適である。
【0029】しかるに、このエッチングでは、シリコン
基板の結晶方位依存性があり、正確な円形もしくは楕円
形の開口形状を得ることはできない。
【0030】そして、開口部が方形もしくは多角形とな
っていると、応力による反射面の変形が非対称となり、
非点収差が増大して結像性能が低下する。
【0031】第2の問題としては、アセンブリ時の上部
基板の歪みの問題である。
【0032】すなわち、上部基板には単結晶シリコン基
板を用いることによって、高いミラーの平面性が確保さ
れるが、下部基板との接合時や、上部基板の電極を外部
リードに引き出すための接続工程に生じる応力によっ
て、上部基板が微妙に変形して、ミラーの結像性能に悪
影響を及ぼす。
【0033】この問題は、基板間の接合部位や上部基板
の電極の外部への接続部位をミラー開口部から十分に離
すことによってある程度までは回避することができる
が、それでは全体としてのミラー素子のサイズが大きく
なってしまい、光学系の小型化と低コスト化の妨げとな
る。
【0034】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、小型で高い結像性能が得られる低コストの可変形状
鏡及びその作成方法を提供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題を解決するために、(1) 開口部を有する枠部材
と、反射面を有する第1の領域と、上記第1の領域の外
周部であり上記第1の領域より高剛性である第2の領域
とを有し、上記開口部に支持された薄膜と、を有するこ
とを特徴とする可変形状鏡が提供される。
【0036】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(2) 第1の開口部及び第2の開口部を有
する枠部材と、反射面を有するとともに、電極が形成さ
れ、上記第1の開口部に支持された第1の薄膜と、上記
第1の薄膜の電極と電気的に導通する電極が形成され、
上記第2の開口部に支持された第2の薄膜と、上記枠部
材と所定の間隔をおいて接合され、上記第2の薄膜の電
極と対向する位置に電極をもつ基板と、上記第2の薄膜
の電極又は上記基板の電極に設けられ、上記所定の間隔
を上回る高さをもつ、導電性の突起部と、を有すること
を特徴とする可変形状鏡が提供される。
【0037】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(3) 開口部を有する枠部材と、上記開口
部に支持された反射面を有する薄膜と、上記枠部材とス
ペーサ部を介して所定の間隔で接合された基板と、を有
し、上記枠部材の開口部を有する部分と上記基板との間
の空間は、閉塞されていないことを特徴とする可変形状
鏡が提供される。
【0038】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(4) 可変形状の反射面側の枠部材と、基
板とを所定の間隔で接合して可変形状鏡を作成する方法
であり、上記枠部材又は上記基板の一方に、感光性の塗
布材を塗布し、所定のマスクを用いて露光し、現像して
スペーサを形成する手順と、上記枠部材又は上記基板の
他方を、上記スペーサに接合し、熱処理して接着する手
順と、を有することを特徴とする可変形状鏡の作成方法
が提供される。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図3乃至図5を参照して本
発明の実施の形態について説明する。
【0040】本実施の形態では、形状可変の反射面及び
上部電極を有する上部基板と、下部電極を有する下部基
板を張り合わせることによって、可変形状鏡を構成す
る。
【0041】図3は、本発明の一実施の形態による可変
形状鏡の構成を示す分解斜視図である。
【0042】すなわち、図3には、上部基板101と下
部基板102とが示されている。
【0043】上部基板101は、主として、ミラー開口
部103と電極開口部104とを有する単結晶シリコン
よりなる枠部105で構成さる。
【0044】この枠部105の表面(図中で下側の面)
には、後述するようにポリイミド膜106が形成され
る。
【0045】このポリイミド膜106のミラー開口部1
03における所定領域には、上部電極107が形成され
る。
【0046】この上部電極107から引き出された上部
電極パッド108が、電極開口部104の端の部分に配
置されている。
【0047】また、電極開口部104におけるポリイミ
ド膜106は、上部電極パッド108及びその周囲を除
いて除去されている。
【0048】一方、単結晶シリコン基板109で構成さ
れる下部基板102には、絶縁膜110(ここでは図示
せず)を介して下部電極111及びそこから引き出され
た第1電極パッド112と、下部電極111とは電気的
に分離された第2電極パッド113とが形成されてい
る。
【0049】そして、この第2電極パッド113の所定
領域には、Auバンプ114が形成されている。
【0050】また、下部電極111の周囲には、ネガテ
ィブ型の厚膜フォトレジストよりなるスペーサ115が
配置されている。
【0051】ここで、スペーサ113は、下部電極11
1の周囲を完全には囲わず、切り欠き116をもって配
置されている。
【0052】また、スペーサ113の高さは、Auバン
プ114よりも若干低くなされているものとする。
【0053】図4の(a),(b),(c)は、それぞ
れ、上部基板101の構造の詳細を示す上面図、該上面
図におけるA−A′断面図,B−B′断面図である。
【0054】なお、ここで言う、図4の(a)に示す上
面図は、図3における上部基板101を下側からみた図
に該当する。
【0055】枠部105のミラー開口部103において
は、下層ポリイミド膜106−1と上部電極107及び
上層ポリイミド膜106−2とで構成される薄膜が残存
しており、上部電極107の直上の上層ポリイミド膜1
06−2は、外周部のわずかな領域以外では除去されて
いる。
【0056】一方、電極開口部104におけるポリイミ
ド膜106は、上部電極107から引き出された上部電
極パッド108の領域とその周囲のわずかな領域のみで
存在する。
【0057】具体的には、図中の領域117と118の
領域において、ポリイミド膜106は除去されている。
【0058】従って、上記電極パッド108は、ポリイ
ミド膜106によって枠部105に支持された両持ち梁
の構造となっている。
【0059】なお、電極開口部104に残存するポリイ
ミド膜106の内、上層ポリイミド膜106−2は、上
部電極パッド108の直上では除去されており、上部電
極パッドの上面側は露出した状態となっている。
【0060】また、上層ポリイミド膜106−2は、下
層ポリイミド膜106−1や上部電極107と比較して
十分に厚いものとする。
【0061】次に、上部基板101と下部基板102と
を張り合わせ後の断面構造について、図5の(a),
(b)を用いて説明する。
【0062】ここで、図5の(a),(b)は、図4の
(b),(c)に示したA−A′断面,B−B′断面に
対応する領域について示している。
【0063】張り合わせ工程では、ネガティブ型の厚膜
フォトレジストのスペーサ115を接着剤としても用い
る。
【0064】具体的には、フリップチップボンダーなど
を用いて上部基板101と下部基板102のアライメン
トを行い、極く微小な力を加えて加熱することによって
両基板101,102間の接合を得る。
【0065】このとき、下部基板102の製作工程にお
いて、ネガティブ型の厚膜フォトレジストは、スピンコ
ートで塗布され、通常の露光装置で所定のマスクを用い
て露光し、これを現像した後に比較的低温の熱処理を行
うことで形成される。
【0066】この後で、下部基板102に上部基板10
1を乗せて高温の熱処理を行うことにより、下部基板1
02と上部基板101との間に十分な接着力が得られ
る。
【0067】例として、一般的なネガティブ型フォトレ
ジストにおいては、前述の下部基板102の製造工程に
おける比較的低温の熱処理は80°C程度、接合のため
の高温の熱処理は150°C程度である。
【0068】このように両基板101,102間の接合
にネガティブ型の厚膜フォトレジストを使うと、スピン
コートによって均一な厚さのスペーサを容易に形成でき
ることから、両基板101,102間の接着時の抑圧力
を極く小さくしても安定した接合が可能になる。
【0069】この場合、スペーサ部位の高さが均一であ
ることと、接合時の抑圧力を小さくすることとは、接合
時の両基板101,102の歪みを抑制する上で、非常
に重要である。
【0070】このため、A−A′断面においては、下部
基板102上に形成されたスペーサ115の表面で上部
基板101の枠部105上のポリイミド膜106に接合
されルコトにより、両基板101,102間の間隔はス
ペーサ115の高さによって正確に規定されるようにし
ている。
【0071】また、B−B′断面においては、下部基板
102の第2電極パッド113上に形成されたAuバン
プ114の上部に上部電極パッド108が対応する。
【0072】ここでも両基板101,102間の間隔
は、スペーサ115の高さによって規定されるが、前述
したようにAuバンプ114の高さは、スペーサ113
の高さよりもわずかに高いので、上部電極パッド108
はAuバンプ114に接触してその周囲のポリイミド膜
106と共にわずかに押し上げられる。
【0073】この際、ポリイミド膜106は、枠部10
5に支持された両持ち梁の形となっているので、このポ
リイミド膜106の張力によってAuバンプ114と上
部電極パッド108との間で安定した電気的接合を得る
ことが可能になる。
【0074】この構成では、第1電極パッド112が下
部電極111と導通し、第2電極パッド113が上部電
極107に導通している。
【0075】従って、これら2つの電極パッド112,
113に電圧を印加することによって、上部電極107
と下部電極111との間に静電引力が作用し、上部電極
107がその領域の下層ポリイミド膜106−1と共に
変形し、所定の曲率を得ることができる。
【0076】この場合、上部電極107が反射面として
機能するが、張り合わせ後に別途金属薄膜を蒸着などの
方法で形成して、これを反射面とすることももちろん可
能である。
【0077】このとき、静電力は上部電極107と下部
電極111との間の領域に作用するが、ミラー開口部1
03の領域で上部電極107が形成されていない領域に
あっては、下層ポリイミド膜106−1の他に上層ポリ
イミド膜106−2が形成されているので、上部電極1
07の領域よりも十分に剛性が高く、変形は非常に小さ
くなる。
【0078】これによって、ミラー開口部103の形状
に依らずに変形部位を規定することができるので、ミラ
ー開口部にアルカリ性溶液によるシリコンの異方性エッ
チングを用いることにより、そのエッチング速度の面方
位依存性から最適な開口形状を得られない場合にあって
も、非点収差の少ない良好な結像性能を得ることができ
る。
【0079】すなわち、上部電極107と下部電極11
1との間に静電引力が作用した際に、その周囲の上層ポ
リイミド膜106−2が形成されている領域では十分に
剛性が高いので、大きく変形することがない。
【0080】このため、ミラー開口部103の形状に依
らずに任意の変形領域を規定できるので、不適正なミラ
ー開口部形状に起因した結像性能の低下を緩和すること
ができる。
【0081】ここで、外部からのリード線接続に当たっ
ては、第1電極パッド112と、第2電極パッド113
のAuバンプ114から離れた領域(図5においては、
参照符号113′で示されている)で、上部基板101
の電極開口部104においてポリイミド膜が除去された
領域118を通して下部基板102に直接的に接続する
ことができるので、上部基板101に対して応力が加わ
るような接続工程を行う必要はない。
【0082】すなわち、上部電極107はポリイミド膜
106と上部電極107とで構成される薄膜のわずかな
張力によって安定した導通を得ながら、リード線接続部
位を下部電極111に移せるので、上部電極107に直
接的にリード線を接続する場合や、半田付け等の方法で
下部基板102の電極に導通させる方法と比較して枠部
105の歪みが非常に小さく、これに起因した結像性能
の低下を回避することができる。
【0083】また、図5では図示されていないが、図3
に示したようにスペーサ115には切り欠き116が設
けられているので、静電引力によってミラー部位が変形
する際に、スペーサ115で規定される両基板間10
1,102間の空間領域119内の空気が外部にスムー
スに流れるので、この領域の空気の吸引・掃き出しに起
因した応答性の低下を緩和することができる。
【0084】なお、本実施の形態の可変焦点鏡の作成方
法について簡単に言及すると、上部基板101、下部基
板102は共にシリコンウェハー上に通常の半導体プロ
セスを応用して製作され、個々のデバイスは各々の基板
をダイシングした後で組み立てられる。
【0085】このため、スペーサ115を下部基板10
2にフォトリソグラフィーで一括して形成できること
は、個々のチップにスペーサ部材を貼り付ける方法より
もコストや製作安定性の点で有利である。
【0086】さらに、多数のチップを形成した上部基板
101と下部基板102をウェハーの状態で接合した後
にダイシングを行うことにより、製造コストの面で、特
に、好適なものとなる。
【0087】また、本実施の形態においては、ミラー開
口部103の、上部電極107が形成されていない領域
の剛性を高めるために、比較的厚さの大きい上層ポリイ
ミド膜106−2を配したが、この代わりにセラミック
薄膜などのより弾性率の大きい材料を用いることはもち
ろん可能である。
【0088】また、本実施の形態では、スペーサ115
やAuバンプ114を下部基板102に形成したが、こ
れを上部基板101に、あるいは上部基板101と下部
基板102との両方に形成することも可能であるのはい
うまでもない。
【0089】
【発明の効果】従って、以上説明したように、請求項1
乃至3記載の本発明によれば、小型で高い結像性能が得
られる低コストの可変形状鏡を提供することができる。
【0090】また、以上説明したように、請求項4記載
の本発明によれば、小型で高い結像性能が得られる低コ
ストの可変形状鏡の作成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(a),(b)は、従来技術として特開
平2−101402号公報に開示されている静電引力駆
動方式を用いる反射鏡装置の構成を示す断面図と斜視図
である。
【図2】図2の(a)乃至(e)は、従来技術として特
開平2−101402号公報に開示されている静電引力
駆動方式を用いる反射鏡装置の製作工程を説明するため
の断面図である。
【図3】図3には、本発明の一実施の形態による可変形
状鏡の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図4の(a),(b),(c)は、それぞれ図
3の上部基板101の構造の詳細を示す上面図、該上面
図におけるA−A′断面図,B−B′断面図である。
【図5】図5の(a),(b)は、図3の上部基板10
1と下部基板102を張り合わせ後の断面構造につい
て、図4の(b),(c)に示したA−A′断面,B−
B′断面に対応する領域について示す図である。
【符号の説明】
101…上部基板、 102…下部基板、 103…ミラー開口部、 104…電極開口部、 105…枠部、 106…ポリイミド膜、 107…上部電極、 108…上部電極パッド、 109…単結晶シリコン基板、 111…下部電極、 112…第1電極パッド、 113…第2電極パッド、 114…Auバンプ、 115…スペーサ、 116…切り欠き、 106−1…下層ポリイミド膜、 106−2…上層ポリイミド膜、 117,118…電極開口部104においてポリイミド
膜が除去された領域、 113′…第2電極パッド113のAuバンプから離れ
た領域、 119…基板間の空間領域。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有する枠部材と、 反射面を有する第1の領域と、上記第1の領域の外周部
    であり上記第1の領域より高剛性である第2の領域とを
    有し、上記開口部に支持された薄膜と、 を有することを特徴とする可変形状鏡。
  2. 【請求項2】 第1の開口部及び第2の開口部を有する
    枠部材と、 反射面を有するとともに、電極が形成され、上記第1の
    開口部に支持された第1の薄膜と、 上記第1の薄膜の電極と電気的に導通する電極が形成さ
    れ、上記第2の開口部に支持された第2の薄膜と、 上記枠部材と所定の間隔をおいて接合され、上記第2の
    薄膜の電極と対向する位置に電極をもつ基板と、 上記第2の薄膜の電極又は上記基板の電極に設けられ、
    上記所定の間隔を上回る高さをもつ、導電性の突起部
    と、 を有することを特徴とする可変形状鏡。
  3. 【請求項3】 開口部を有する枠部材と、 上記開口部に支持された反射面を有する薄膜と、 上記枠部材とスペーサ部を介して所定の間隔で接合され
    た基板と、 を有し、 上記枠部材の開口部を有する部分と上記基板との間の空
    間は、閉塞されていないことを特徴とする可変形状鏡。
  4. 【請求項4】 可変形状の反射面側の枠部材と、基板と
    を所定の間隔で接合して可変形状鏡を作成する方法であ
    り、 上記枠部材又は上記基板の一方に、感光性の塗布材を塗
    布し、所定のマスクを用いて露光し、現像してスペーサ
    を形成する手順と、 上記枠部材又は上記基板の他方を、上記スペーサに接合
    し、熱処理して接着する手順と、 を有することを特徴とする可変形状鏡の作成方法。
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