JP2008083663A - 光ファイバアレイ並びにそれを用いた光部品および光スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 被覆付き光ファイバ(或いはその被覆を剥いだ光ファイバの部分)の折れや曲がりを防ぐ構造を有し、位置精度も高い光ファイバアレイとそれを用いた光部品を提供する。
【解決手段】 複数の貫通孔が形成されている基板に挿入位置決めして被覆付き光ファイバを配列する光ファイバアレイであって、被覆付き光ファイバは先端の被覆が除去されて光ファイバを露出させ、3枚の基板を用い、被覆を除去された光ファイバの部分は第1及び第2の基板の貫通孔に挿入されて位置決めされ、光ファイバの被覆は第3の基板の貫通孔に挿入され位置決めされている光ファイバアレイ。
【選択図】図1

Description

本発明は、広く光部品、光システム等において用いられる複数の光ファイバを配列した光ファイバアレイ、特に光ファイバの端面を2次元に配列した光ファイバアレイに関し、さらにはそれを用いた光スイッチ等の光部品に関する。
大容量の情報を高速で送受信するために、光通信システムが注目されている。いまや光ファイバは大都市の基地局間に敷設されるだけでなく、各ビルや家庭の端末にまで敷設されて緻密な光ファイバ網が整備されてきている。光ファイバ網の中の中継点においては、複数の光ファイバが集約し、経路の接続や切り替えが行われている。この接続や切り替えを行う上で、光ファイバはフィルター素子やスイッチ素子に接続される。この際、光ファイバを個別に固定するのではなく、光ファイバを配列した光ファイバアレイとして、複数の光ファイバを同時に取り扱い固定することで、作業効率を向上させることが行われている。
従来の光ファイバアレイは、光ファイバの端面が1列に並ぶように配置した1次元光ファイバアレイであったが、近年の通信容量の増大と素子の小型化により、高密度に配列することが求められており、光ファイバ端面を2次元に配列した2次元光ファイバアレイが望まれている。
2次元光ファイバアレイの構造としては、光ファイバの保持に3枚の基板を利用することが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1では、角度αに傾けた被覆付き光ファイバをハウジングエントリー基板の孔に挿入し、被覆付き光ファイバを被覆の部分にて角度アライメント基板の孔で曲げ、被覆を除去して露出させた光ファイバの部分をプライマリー基板の孔(アパーチャー)に挿入し固定する。
2次元光ファイバアレイの他の構造としては、光ファイバの保持に2枚の基板を用いることが知られている(例えば特許文献2)。特許文献2では、光ファイバをガイディングプレートの孔(アパーチャー)に通し、光ファイバの先端をセキュアリングプレートの孔(アパーチャー)に通して固定する。
2次元光ファイバアレイの他の構造としては、光ファイバの保持に3枚の基板(プレート)を用いることが知られている(例えば特許文献3)。特許文献3の方式では、光ファイバを前プレート、後プレートおよび第3プレートの各々の孔に通し、後プレートをオフセット(平行移動)させて孔の側壁で光ファイバを挟み込み、接着し固定する。
2次元光ファイバアレイの他の構造としては、光ファイバの保持に1枚の基板を用いることが知られている(例えば特許文献4)。特許文献4では、光ファイバを光ファイバアレイ用基板の貫通孔に挿入し固定する。
米国特許第6690875号明細書(Fig.4、第6〜7欄) 米国特許第5135590号明細書(Fig.1、第3〜5欄) 特開2003−14955号公報(図6、図7、第5頁右欄) 特開2004−271615号公報(図1〜3、第6〜8頁)
しかし、貫通孔が形成された基板を用いる光ファイバアレイには次の問題があった。挿入されるまえに、被覆付き光ファイバ先端近傍は樹脂製の被覆が除去されて、石英ガラス製の光ファイバが露出される。貫通孔にこの光ファイバの部分(すなわち、被覆付き光ファイバで被覆が除去された部分)が挿入されるが、貫通孔の深さは露出された光ファイバの部分の長さに比べて浅く、該光ファイバの部分の全体を収納し固定することはできない。よって前記光ファイバの部分の一部は貫通孔から出て露出することになる。
露出した光ファイバは、被覆がない分だけ強度が弱く、被覆付き光ファイバの予長(挿入する先端と反対側)を取り扱うときに、曲がってしまい、折れることがあった。また、曲がることによって曲げ損失が発生したり、光ファイバからの出射光が曲がって、フィルター素子などと接続するときに、接続損失が増大したりして、光学特性が劣化するという問題があった。
この問題を解決する1手段として貫通孔を深くする方法が考えられるが、基板の作製上好ましくない。すなわち、ホトリソグラフィの技術における液相エッチングや気相エッチングを採用して貫通孔を形成する場合は、エッチング深さが深くなると、垂直な貫通孔を形成しようとしても、孔の壁面が基板面に対して垂直から傾いてテーパ形状となり、挿入する光ファイバとのクリアランスが大きくなって、光ファイバが傾いてしまう問題が生じる。また、エッチング時間が長くなって作製工数が増大して不都合である。また、ドリルなどによる機械加工を採用して貫通孔を形成すれば、作製コストは低減するが、ドリルの磨耗やブレによって孔径がバラついたり、ステージの送り精度の問題で孔間のピッチがバラつくなど位置精度に問題がある。よっていずれも決定的解決策とはなっていない。
特許文献1では、角度バラツキを抑えることを目的として被覆を除去した光ファイバの部分をプライマリー基板の孔の壁面に押し付ける。しかし、角度アライメント基板によって被覆の部分を屈曲させるため、被覆の弾性変形または熱変形によって光ファイバのの位置が変動し、プライマリー基板の壁面に対して傾く光ファイバが現れるという問題がある。さらに、屈曲させることで被覆や光ファイバに負荷をかけており、強度的にも好ましくない。大きな曲率で曲げるのではなく光ファイバを屈曲させるので光学的により大きな曲げ損失を生じる。1つの被覆付き光ファイバについてプライマリー基板と他の基板は孔の軸線を共有せずオフセットされており、光ファイバを直線状に並べて固定するものではない。光ファイバをプライマリー基板1枚のみで固定する方式であるために、組立の際に曲がり易い光ファイバが孔からそれてプライマリー基板に当り、光ファイバが折れるという問題もある。
特許文献2では、径の小さい孔を有する2枚の基板に、被覆付き光ファイバから被覆を除去した光ファイバの部分を挿入しようとすると、曲がり易い光ファイバが孔からそれて基板に当り、光ファイバが折れるという問題がある。2枚の基板を支持する金属部材は、孔を有して、1本または数本の光ファイバを収容している。しかし、孔と光ファイバとの隙間および光ファイバ同士の隙間が大きくなり、前記孔は支持やガイドの機能を為さず、光ファイバは曲がってしまい折れるという問題もあった。
特許文献3では、後プレートをオフセットする際に光ファイバに負荷をかけており、強度や光学的損失の点で好ましくない。光ファイバのアレイをオフセットで一斉に位置決めするため、光ファイバの位置精度はピンの位置合わせ精度に制約され、光ファイバの位置を1本ずつ高精度にアライメントすることはできないという問題がある。
特許文献4では、径の小さい貫通孔を有する基板に光ファイバを挿入しようとすると、曲がり易い光ファイバが孔からそれて基板に当り、光ファイバが折れるという問題がある。ガラス層は孔を形成し、全ての光ファイバを収容している。しかし、孔と光ファイバとの隙間が大きくなり、前記孔は支持やガイドの機能を為さず、光ファイバは曲がってしまい折れるという問題もあった。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、光ファイバの折れや曲がりを防ぐ構造を有し、位置精度も高い光ファイバアレイ並びにそれを用いた光部品および光スイッチを提供することを目的とするものである。
本発明の光ファイバアレイは、複数の被覆付き光ファイバと、前記被覆付き光ファイバを挿入するための複数の貫通孔を有する、第1の基板、第2の基板及び第3の基板とを備え、前記基板は貫通孔同士を対置させて第1の基板、第2の基板及び第3の基板の順に配置され、前記被覆付き光ファイバは、その先端の被覆が除去されて光ファイバが露出されているとともに、対置された前記第1の基板、第2の基板及び第3の基板の貫通孔に挿入されており、前記第1及び第2の基板の貫通孔は被覆が除去された前記光ファイバの部分において支持するとともに、前記第3の基板の貫通孔は前記被覆付き光ファイバをその被覆の部分において支持することを特徴とする。前記構造により、被覆を除去した露出させた光ファイバの部分は第1の基板の貫通孔と第2の基板の貫通孔との2箇所で支持されることになり、光ファイバが曲がることを回避できる。よって、折れて破断する可能性を抑制し信頼性を確保することができる。さらに第3の基板の貫通孔で光ファイバの被覆を支持することによって、第2の基板の貫通孔から第3の基板の貫通孔に向かって露出する光ファイバの部分が曲がってしまうことを回避することができる。よって、露出する光ファイバが折れる可能性を抑制し、高い信頼性を得ることができる。前記構成によれば、光ファイバから被覆にかけての支持を一のブロックで行う場合に比べて、貫通孔の深さを浅くすることができるので、位置精度の高い光ファイバアレイを実現することができる。しかも、貫通孔を浅くできるので、貫通孔の作製に関する工程を簡略化できる。なお、本発明では、被覆付き光ファイバについて、その先端近傍で被覆を取り除いて光ファイバを露出させたものを用いる。この露出させた光ファイバの部分を芯線とも呼ぶが、被覆を剥いだ部分という意味である。光ファイバはコアとそれを覆うクラッドで構成されており、光はクラッドとコアの境界で反射され、コア内を伝播する。前記芯線は光ファイバにおけるコアのみを指す文言ではなく、内部にコアを有するクラッドに相当する。
被覆付き光ファイバ支持の機能、コスト、作業性等の観点からは、基板の枚数としては3枚が好適であるが、被覆を除去し露出した光ファイバの部分を支持する基板を増やしたり、被覆部分を支持する基板の枚数を増やしたりして、支持する箇所を増やすことも可能である。また、本願発明の光ファイバアレイに係る基板に、コリメータレンズ、ミラー、光検出器等の他の光素子を搭載した基板を組み合わせることもできる。
貫通孔はその孔形状が基板の厚さ方向に変化しない円柱状であっても良いし、貫通孔全体がテーパを有するなど基板の厚さ方向に孔形状が変化していても良い。但し、被覆付き光ファイバ(又は被覆を剥いだ光ファイバの部分)の位置決め精度、アレイの高密度化の観点からは、円柱形状であることが好ましい。
前記光ファイバアレイにおいて、前記第1の基板および第2の基板の厚さが、挿入する光ファイバの部分の直径の10倍以下であることが好ましい。基板の厚さを挿入する光ファイバの部分の直径の10倍超としても被覆付き光ファイバを支持する機能上の利点がなく、作製工数が余分に必要となって非効率となる。貫通孔が深くなり過ぎると高い位置決め精度の維持が困難となる。
さらに前記第1の基板および第2の基板の厚さは、挿入する光ファイバの部分の直径の2倍以上であることが好ましい。基板の厚さが2倍以上であれば光ファイバの部分を支持する機能として十分である。基板の厚さを2倍未満とすると、貫通孔が浅くなり挿入した光ファイバの部分が傾きやすくなり、位置精度を確保しにくくなる。また、薄い基板は破損しやすく、被覆を除去した光ファイバの部分を貫通孔に挿入する際に、端面が基板に衝突して貫通孔の縁が欠けてしまう場合がある。その場合は貫通孔と光ファイバの部分とのクリアランスが広がって、位置精度が確保できなくなる。
さらに前記第3の基板の厚さは、挿入する光ファイバの被覆の直径より大きく且つ10倍以下であることが好ましい。基板の厚さが被覆の直径より大きければ被覆付き光ファイバを支持する機能として十分である。基板の厚さを被覆の直径とすると、貫通孔が浅くなり挿入した被覆付き光ファイバが傾きやすくなり、位置精度を確保しにくくなったり、十分な固定強度が得られなくなる。また、薄い基板は破損しやすく、被覆を除去した光ファイバの部分を貫通孔に挿入する際に、端面が基板に衝突して貫通孔の縁が欠けてしまう場合がある。その場合は貫通孔と光ファイバの部分とのクリアランスが広がって、位置精度が確保できなくなる。逆に基板の厚さを光ファイバの被覆の直径の10倍超としても光ファイバの被覆を支持する機能上の利点がなく、作製工数が余分に必要となって非効率となる。なお、前記被覆は、光学材料で構成されている光ファイバの表面を保護する保護被覆であることが望ましい。
また、前記光ファイバアレイにおいて、前記第1の基板および第2の基板が有する貫通孔は、平行孔部と、前記平行孔部の一端に接続されると共に基板表面に向かって拡開したテーパ部を有し、
前記平行孔部の深さは、前記光ファイバの部分の直径の2倍以上且つ10倍以下であるとよい。テーパ部は、光ファイバの部分を挿入するためのガイドの役割を果たし、挿入容易となって、作業効率が向上する。一方、平行孔部は光ファイバの部分の位置決め精度の確保に寄与する。なお、この場合、平行孔部の深さは、前述の理由に従って、光ファイバの部分の直径の2倍以上且つ10倍以下であることが望ましい。光ファイバの部分とは被覆付き光ファイバから被覆を除去して光ファイバを露出させた部分を指す。
また、前記光ファイバアレイにおいて、前記第3の基板が有する貫通孔は、平行孔部と、前記平行孔部の一端に接続されると共に基板表面に向かって拡開したテーパ部を有し、
前記平行孔部の深さは、前記光ファイバの被覆の直径よりも大きく且つ10倍以下であるとよい。テーパ部は、被覆付き光ファイバを挿入するためのガイドの役割を果たし、挿入容易となって、作業効率が向上する。一方、平行孔部は光ファイバの被覆の位置決め精度の確保に寄与する。なお、この場合、平行孔部の深さは、前述の理由に従って、光ファイバの部分の直径のより大きく且つ10倍以下であることが望ましい。
さらに、前記第1の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、前記光ファイバの部分の直径よりも0.1〜30μm大きいことが好ましい。これ以上大きいと光ファイバの部分と孔壁面との間の隙間が大きくなってしまい、光ファイバ先端の位置精度が確保しにくくなる。また、0.1μm未満では隙間が小さすぎて、光ファイバの部分の挿入作業そのものが困難になる。ここで、貫通孔の平行孔部の直径とは、平行孔部の孔形が円形の場合はその直径、楕円形や多角形の場合はその内接円の直径をいうものとする。また、貫通孔が平行孔部とテーパ部とに分かれていない場合の貫通孔の直径とは、孔形が円形の場合はその直径、楕円形や多角形の場合はその内接円の直径であって、貫通孔内で最小のものをいうものとする(貫通孔に係る直径の定義は、以下、同様とする)。
前記第1の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、光ファイバの部分の直径よりも0.1〜5μm大きいことがさらに好ましい。光ファイバの部分と孔壁面とのクリアランスが小さくなるので、光ファイバ先端の位置精度をさらに向上させることができる。
さらに、前記第2の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、前記光ファイバの部分の直径よりも0.1〜30μm大きいことが好ましい。貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径が光ファイバの部分の直径よりも30μmを超えて大きくなると、光ファイバの部分が傾いて、第1の基板の貫通孔に光ファイバの部分を挿入しにくくなる。また、0.1μm未満では隙間が小さすぎて、光ファイバの部分の挿入作業そのものが困難になる。ただし、第2の基板の貫通孔は光ファイバの部分の中間部を保持するので、光ファイバの部分を略平行に保てばよい。したがって第2の基板の貫通孔に関しては第1の基板の貫通孔よりは位置決めに対する制限は緩く、作業性の観点からは第1の基板の貫通孔よりも大きくする方が、より好ましい。
さらに、前記第3の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、前記光ファイバの被覆の直径よりも10μm以上大きく、前記被覆の直径の2倍よりも小さいことが好ましい。被覆は一般的に樹脂で形成されており、その直径の公差はガラス製の光ファイバの部分のそれに対して大きい。弾性変形や熱変形の可能性があるため、被覆と貫通孔もしくは貫通孔の平行孔部との隙間が小さいと、挿入作業そのものが困難になる。第3の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、光ファイバの被覆の直径よりも10μm以上大きいことが適切である。また、第3の基板の貫通孔は光ファイバ被覆の中間部を保持するので、曲げ損失や折れが発生しない程度に被覆付き光ファイバを略平行に保てばよい。したがって、第3の基板の貫通孔に関しては第1および第2の基板の貫通孔よりは位置決めに対する制限は緩く、作業性の観点からは第2の基板の貫通孔よりも大きくする方が、より好ましい。また、前記被覆の直径の2倍よりも大きくなると、間違って1つの貫通孔に2本以上の光ファイバの被覆が挿入されてしまう不具合が生じる可能性がある。2倍未満とすることで、この不具合を回避することができる。
前記第3の基板の貫通孔のうち、少なくとも1つの貫通孔はスリット状貫通孔であり、前記スリット状貫通孔は、前記第2の基板に設けられた複数の貫通孔が対置するように形成され、該第2の基板の複数の貫通孔に挿入されている各光ファイバの部分が、前記スリット状貫通孔に挿入されている構成としてもよい。第3の基板の貫通孔は被覆を支持するため、光ファイバの部分だけを支持する第1および第2の貫通孔に比べて大きくなり、それだけ貫通孔のピッチも大きくする必要がある。光ファイバの部分をより高密度に配列しようとすると貫通孔のピッチを小さくしなければならないが、第3の基板の貫通孔のピッチに制限され、高密度化には限界がある。前記構造では、複数の光ファイバの被覆を1つのスリット状貫通孔で支持することによって、この制限を回避し、被覆付き光ファイバの配列のピッチを被覆も含めた光ファイバの直径程度の間隔で構成することができ、信頼性を損なうことなく高密度化を達成することができる。スリット状貫通孔とは、孔径が一方向に長い長孔状、すなわちスリット状を呈している貫通孔である。位置精度を高く保つ観点からは、長手方向に垂直な方向、すなわちスリットの幅方向の長さは、長手方向において一定であることが好ましい。スリット状貫通孔の断面の形状は、円又は楕円を一方向に引き伸ばした形、矩形等とすることができる。これらの形状に係らず、前記断面において長手方向における長さを長径とし、幅方向の長さ(最も狭い部分の幅)を短径とする。スリット状貫通孔が平行孔部とテーパ部とに分かれている場合、平行孔部の断面でみることとする。
さらに前記第3の基板が有するスリット状貫通孔は、前記第3の基板上に互いに離間して複数個形成されていることが好ましい。被覆付き光ファイバ同士の間隔が広い場合、単一のスリット状貫通孔ですべての光ファイバの被覆を収納しようとすると、被覆付き光ファイバの間の隙間に大きな偏りが生じて、被覆付き光ファイバが曲がってしまう不都合が生じる。被覆付き光ファイバ同士のピッチが広い場合(もしくは広い方向)には、離間した複数の貫通孔を設置し、それぞれの貫通孔に被覆付き光ファイバを固定するのが望ましい。複数のスリット状貫通孔を採用することによって、狭ピッチでの被覆付き光ファイバの配列を可能にするだけでなく、狭いピッチと広いピッチが混在するような場合にでも対応でき、配列の自由度を高めることができ、好ましい。
さらに前記第3の基板が有するスリット状貫通孔の短径が被覆の直径の2倍よりも小さく、且つ被覆の直径よりも10μm以上大きいことが好ましい。短径が2倍よりも小さいため、被覆付き光ファイバは1つのスリット状貫通孔の中で1列状に配列する。また、挿入作業の際に貫通孔の中で互いに入れ違って、順序が入れ替わることを回避できる。また、前記の理由によって、スリット状貫通孔の短径は被覆の直径よりも10μm以上大きいことが望ましい。
さらに、前記スリット状貫通孔に挿入された複数の被覆付き光ファイバの互いの間に生じる隙間は、被覆の直径の2倍以下であることが好ましい。長径の長いスリット状貫通孔に被覆付き光ファイバを挿入すると、隙間が2倍以上とななる場合がある。この場合偏って固定されると被覆が曲がってしまい不都合である。この不都合を回避するには、前記スリット状貫通孔に挿入された複数の被覆付き光ファイバの互いの間に生じる隙間を、被覆の直径の2倍以下に抑えることが好ましい。2倍以上の隙間が生じる場合は、スリット状貫通孔ではなく、1本ずつの被覆付き光ファイバの被覆を収納する複数の離間する貫通孔のほうが好ましい。
さらに、前記光ファイバアレイにおいて、前記第1の基板と第2の基板との間隔が1mm以上且つ10mm以下であることが好ましい。基板間に1mm以上且つ10mm以下の間隔を設けることにより、離れた2つの貫通孔で保持された光ファイバの部分は、互いに精度よく平行に保たれることになる。貫通孔間の距離が1mmより小さいと、光ファイバが傾く角度が大きくなり、平行度は低下する。第1基板と第2の基板との間隔を大きくすると平行度は上がるが、10mm超としても殆ど変化はなく、材料費増大によるコスト高や占有体積の増大を招くので10mm以下が好ましい。
第1の基板と第2の基板との間に間隔を設けるためには、所定の厚さのスペーサを前記基板間に挟む構成とすることが好ましい。加工によって高精度に作製しやすいスペーサを用いることによって、第1の基板と第2の基板との間に高精度の間隔を設けることができる。
なお、第1の基板と第2の基板との間の隙間を、光ファイバの部分の挿入固定後にUV硬化性樹脂などを流し込み、固定してもよい。光ファイバの部分は樹脂で囲まれ、さらに強固に固定することが可能となる。同様に第2の基板と第3の基板との間に隙間を設け、UV硬化性樹脂などを流し込み、光ファイバおよび被覆を固定してもよい。
さらに、前記複数の貫通孔とは別に、位置決めピンが嵌挿可能であるように前記第1乃至第3の基板に位置決め孔が対置して設けられていることが望ましい。前記第1乃至第3の基板に形成されている複数の貫通孔とは別に設けられた位置決め孔を設けておけば、該位置決め孔に位置決めピンを挿入することによって、前記第1乃至第3の基板同士の位置決めを、容易に実現することができる。したがって、光ファイバの中心軸も一致させやすい。なお、基板をスペーサに接着剤などで固定したあとに、位置決めピンを取り外してもよい。また、各基板を金属などの板の上にL字アングルを介して固定して、離間させる構造としてもよい。また、基板の外形を囲う枠を用意し、基板の縁と枠との間を接着剤で固定して、離間させる構造としてもよい。
さらに少なくとも前記第1の基板の材質がシリコンであり且つ表面に酸化シリコンの膜が形成されていることが好ましい。シリコン基板は安価で容易に入手でき、ホトリソグラフィと種々のエッチングの手法を組み合わせることで、サブミクロン以下の精度の加工を一括して施すことが可能であり、本発明の基板の貫通孔の作製方法として最適である。特に第1の基板の貫通孔は光ファイバの部分のピッチを決めるため、要求精度が厳しく、この方法を採用するのが望ましい。シリコンの表面は撥水性が高く、接着剤を滴下すると弾いてしまい、所望の場所のみに留めておくことが困難である。光ファイバの部分と基板とを接着剤で固定する場合、光ファイバの部分が挿入される貫通孔の近傍に接着剤を滴下するが、隣の貫通孔にも接着剤の一部が移動して、貫通孔を埋没させる、といった不具合が生じる(以下、滴下とは、接着したい箇所に接着剤を塗ることを表す。)。酸化シリコンの膜は撥水性が低く、このような不具合が生じにくいため、より好適である。酸化シリコンの膜は基板表面全体渡ってに存在しても良いし、貫通孔の壁面のみに存在してもよい。後者の場合は貫通孔の近くに接着剤が留まり易くなる。なお、ここで滴下とは、接着したい箇所に接着剤を塗布することに相当する。
なお、第1の基板だけでなく、第2の基板および第3の基板も、材質をシリコンとし且つ表面に酸化シリコンの膜を形成してもよい。バラツキが少なく高精度に貫通孔を形成でき、光ファイバの平行度を向上させることができる。ただし、第1の基板に比べて、第2の基板及び第3の基板の貫通孔の要求精度は緩く、コスト効果を優先する場合には、バラツキが大きいがより安価な作製方法、例えば金属基板のエッチングやドリル加工、を採用してもよい。
2つの対向する表面とそれらの中間にスリットが設けられている保持部材を用い、前記保持部材の対向する表面に前記第1の基板および第3の基板を固定し、スリットの壁面(内壁面)に前記第2の基板を固定することが好ましい。第1の基板と第2の基板との間、および第2の基板と第3の基板との間をスペーサで離間させると、スペーサが2個以上必要になる。前記保持部材では、1つの部材で第1の基板と第2の基板との間、および第2の基板と第3の基板との間を離間でき、部品点数の削減が可能である。また、2個以上のスペーサを使う場合は、スペーサと基板はボルトや接着剤で固定されるが、スペーサと基板を交互に積み上げる形となり、剛性が低く変形しやすい。しかし、前記保持部材を採用すれば、1つの部材に第1乃至第3の基板が固定されるので、剛性が高く変形が生じにくい。なお、保持部材のスリットは、第1及び第3の基板と平行になるように第2の基板を固定できる表面を備えていれば、孔状、溝状もしくは切り欠き状のいずれかの形状であってもよい。
また、前記光ファイバアレイにおいて、前記光ファイバの部分の端面が斜め研磨加工されていることが好ましい。光ファイバの端面が斜め研磨加工されていることによって、端面から光が出射するときに発生する反射戻り光を低減することが可能となる。反射戻り光はレーザー素子の動作を不安定にさせるので、少ない方が望ましい。研磨加工は、光ファイバを挿入する前に実施するか、もしくは挿入した後に実施するか、どちらでもよいが、一括加工できること、斜面が同じ向きとなることから、挿入後に実施したほうがよい。
また、前記光ファイバアレイにおいて、前記光ファイバの部分の端面に反射防止膜が設けられていることが望ましい。反射防止膜によって、光ファイバの端面から光が出射するときに発生する反射戻り光を低減することが可能となる。また、前記反射防止膜の種類としては、膜構成が単一の屈折率の単層膜や、複数の屈折率の層を規則的に積層させた多層膜を、適宜選択することが可能である。
また、本発明の光部品は、複数の光ファイバを用いる光部品であって、前記複数の光ファイバとして前記光ファイバアレイを用いることを特徴とする。特に、アレイ型の光部品を構成する場合に好適である。ここで“アレイ型”とは、1本の光ファイバを伝搬する光に、合波、分波、スイッチング、増幅などの作用をさせる単体の光部品に対応する用語であり、複数の光ファイバを伝搬する光のそれぞれに、合波、分波、スイッチング、増幅などの作用をさせる構造のことをいう。本発明の光ファイバアレイは、光ファイバの曲がりや折れを抑制し、位置精度も高いので、光部品としての信頼性を向上できる。また、高密度に光ファイバを配列することが可能であるため、光部品としての小型化を達成できる。
また、本発明の光スイッチは、複数の光ファイバを用い、前記光ファイバ間の光路を切り替える光スイッチであって、前記複数の光ファイバとして前記光ファイバアレイを用いることを特徴とする。特に、アレイ型の光スイッチを構成する場合に好適である。本発明の光ファイバアレイは、光ファイバの曲がりや折れを抑制されるので、光スイッチとしての信頼性を向上できる。また、高密度に光ファイバを配列することが可能であるため、光部品としての小型化を達成でき、単体の光スイッチを並列させる場合よりも占有体積を小さくすることができる。また、光ファイバそれぞれの位置精度が高いことから、位置ズレによる結合損失を抑制した、低損失の光スイッチの実現に有利である。
本発明によれば、光ファイバの曲がりや折れを防ぎ、かつ高い位置精度の光ファイバアレイと、それを用いた光部品および光スイッチを提供することができる。
以下、本発明についてさらに具体的な実施例を用いて説明する。ただし、これら実施例により本発明が限定されるものではない。なお、類似の部品については同じ符号で説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例に係る光ファイバアレイの1例を示す断面図、図2は正面図である。図1に示す光ファイバアレイでは、複数の被覆付き光ファイバ14と、前記被覆付き光ファイバ14を挿入するための複数の貫通孔41、42および43をそれぞれ有する第1の基板1、第2の基板2及び第3の基板3とを備え、前記基板は貫通孔同士を対向して配置させて第1の基板、第2の基板及び第3の基板の順に配置されている。前記各基板は、被覆付き光ファイバ14を整列するための整列基板として機能する。図1に示すように、前記被覆付き光ファイバ14は、その先端の保護被覆9が除去されて光ファイバ8が露出されているとともに、対向して配置された前記第1の基板、第2の基板及び第3の基板の貫通孔に挿入されており、前記第1及び第2の基板の貫通孔41,42は前記被覆付き光ファイバ14をその光ファイバ8の部分において支持するとともに、前記第3の基板の貫通孔43は前記被覆付き光ファイバ14をその保護被覆9の部分において支持している。第1の基板1、第2の基板2及び第3の基板3は、離間して配置されているが、基板同士は平行に保持され、各基板に形成されている貫通孔は、被覆付き光ファイバ14が挿入可能となるように対向して配置されているため、図1のように被覆付き光ファイバ14の直線的挿入が可能となっている。
図2のように第1の基板1に形成された複数の貫通孔41のそれぞれに被覆付き光ファイバ14が挿入され、光ファイバの先端10が見えている。複数の貫通孔とは別に、位置決めピン13が嵌挿可能であるように前記第1乃至第3の基板に位置決め孔7が対置して設けられている。図2では、位置決め孔7に位置決めピン13が挿入され、第1の基板1、第2の基板2および第3の基板3とが位置決め固定されている。
実施例1では、図1のように貫通孔41,42,43が平行孔部51,52,53と、前記平行孔部の一端に接続されると共に基板表面に向かって拡開したテーパ部61,62,63を有する構成を用いて説明するが、図3のように、テーパ部を有さない構成としてもよい。テーパ部を有する図1の構成は、光ファイバの先端10が挿入しやすい点で優れ、テーパ部を有さない図3の構成は、貫通孔が平行孔部で構成されており、光ファイバアレイの高密度化に有利である。
基板の材質としては、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板、樹脂基板などから適宜選択することができる。本実施例ではホトリソグラフィが容易に適用できるシリコン基板を採用した。
第1の基板1に形成された貫通孔41は平行孔部51と、前記平行孔部51の一端で、基板表面に向かって拡開したテーパ部61とで構成されている。テーパ部は少なくとも被覆付き光ファイバ14の挿入側に形成されていればよく、図1では第3の基板3から第1の基板1に向かう方向が被覆付き光ファイバ14の挿入方向であるので、該被覆付き光ファイバ14の挿入側に形成されている。平行孔部51は断面、すなわち孔形が円形で直径が126μmである。テーパ部61は四角錘形状で基板表面の開口部12に向かって大きくなっている。テーパ部61の底は126μm角の正方形、開口部12は440μm角の正方形である。テーパ部61によって光ファイバ先端10は平行孔部51に導かれて挿入される。
基板の作製方法について説明する。厚さが0.525mmで面方位(100)のシリコン基板(Si)を熱処理して表面に酸化シリコン膜(SiO)を形成した。ホトリソグラフィの手法、すなわちレジスト塗布、マスク露光、現像、酸化膜エッチングを行い、片面の酸化シリコン膜にテーパ部61の開口部12用の440μm角のパターンを複数形成する。パターンのピッチは縦1mm横1mmで、縦4個横4個で計16個を格子状に形成した。併せて位置決め孔7用にも四角パターンを形成した。基板の厚さは0.525mmなので、挿入する光ファイバ8として後述の125μmのものを用いて図1の構成の基板を構成すると、第1の基板および第2の基板の厚さは、ともに挿入する光ファイバの8の直径の4.2倍となる。
パターンを形成した基板を40重量%の水酸化カリウム水溶液に浸漬させ、結晶異方性エッチングを行った。これにより440μm角の開口部12を持つ四角錐のテーパ部61を形成する。孔の底は126μm角とした。
テーパ部61を形成した面と反対面にアルミ膜(Al)をスパッタ法により形成し、アルミ膜上にホトリソグラフィによって126μmの円形パターンを形成した。パターンのピッチは反対面のテーパ部61と等しくし、円形の中心はテーパ部61の中心と一致するようにした。
反応性イオンエッチング装置にてエッチングを行い、断面が円形の平行孔部51を形成した。反応性イオンエッチングでは、シリコンをエッチングする工程と孔の壁面を保護する工程とを繰り返すため、平行孔部51を形成するためにはそれぞれの条件を適当に設定する必要がある。エッチングする工程では、エッチングガスである六フッ化硫黄(SF)のガス流量と導入時間、プラズマを発生させるためのアンテナ出力、電極基板間に印加するバイアス出力および基板温度を、孔の壁面を保護するための工程では、保護膜形成ガスであるオクタフルオシクロブタン(C)のガス流量と導入時間、プラズマを発生させるためのアンテナ出力、電極基板間に印加するバイアス出力および基板温度を、制御してエッチングを行い、テーパ61の底面を貫通させて、平行孔部51を形成した。平行孔部51の深さ、すなわち基板に垂直な方向の長さは300μmであった。なお、平行孔部の光ファイバ先端11側の位置精度が重要であるため、テーパ部と反対側からエッチングする以外は上記と同様の条件にして基板を作製したところ、孔同士のピッチをより高い精度で形成することができた。
併せて位置決め孔7の平行孔部も形成した。ドライエッチング後、アルミ膜をフッ化水素酸水溶液に浸して除去し、再び熱処理を行って表面に酸化シリコン膜を形成した。以上の工程で第1の基板が完成する。
同様の方法を用いて、第2の基板2と第3の基板3を作製した。第2の基板2では平行孔部52の径を140μm、第3の基板3では平行孔部53の径を270μm、テーパ孔63の開口部12を700μmと変更した。すなわち、第1の基板の貫通孔の直径よりも第2の基板の貫通孔の直径が大きく、第2の基板の貫通孔の直径よりも第3の基板の貫通孔の直径が大きくなるようにしてある。さらに第1の基板の貫通孔におけるクリアランスよりも第2の基板の貫通孔におけるクリアランスが大きく、第2の基板の貫通孔におけるクリアランスよりも第3の基板の貫通孔におけるクリアランスが大きくなるようにしてある。これにより、作業性が向上し、破損等も少なくなった。一方、光ファイバ8固定用の貫通孔、位置決め孔の位置・間隔は第1の基板1と等しくした。これにより、第1の基板の貫通孔41に対応する、第2の基板の貫通孔42と第3の基板の貫通孔43は、同一中心軸上にあることになる。これによって挿入する被覆付き光ファイバ14は互いの平行を保つことが可能となった。
次に光ファイバアレイの組立について説明する。第1乃至第3の基板の位置決め孔7に位置決めピン13を挿入し固定した。各基板間には厚さ4mmのスペーサを挟み、離間させた。すなわち、第1の基板と第2の基板との間隔と第2の基板と第3の基板との間隔を4mmに設定した。スペーサの図示は省略した。被覆付き光ファイバ(或いは被覆を剥いだ光ファイバの部分)同士の平行度は、第1の基板と第2の基板の貫通孔のクリアランスと貫通孔間の距離に依存する。貫通孔のクリアランスが大きければ、被覆付き光ファイバ(或いは被覆を剥いだ光ファイバの部分)の可動範囲が大きくなって平行度は低下する。また、貫通孔間の距離が小さいと、被覆付き光ファイバ(或いは被覆を剥いだ光ファイバの部分)が傾く角度が大きくなり、平行度は低下する。第1の基板の貫通孔を光ファイバの部分よりも5μm大きい孔、第2の基板の貫通孔を光ファイバ8よりも30μm大きい孔とした場合、平行度が1°以内となるためには、貫通孔間の距離、すなわち第1の基板と第2の基板との距離を1mm以上としなくてはならない。したがって、前記第1の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径が、光ファイバ8の直径よりも0.1〜5μm大きく、前記第2の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径が、光ファイバ8の直径よりも0.1〜30μm大きい場合を想定すると、光ファイバの平行度を1°以内とするためには、第1の基板と第2の基板との距離を1mm以上とすることが好ましい。
ついで、挿入する被覆付き光ファイバ14を準備した。光ファイバの先端の保護被覆9を除去し、光ファイバ8を露出させた。専用のカッターで平滑な端面10を得た。被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8の直径は125μm、保護被覆9の直径は250μm、露出する光ファイバ8の長さは7mmとした。
準備した被覆付き光ファイバ14を、第3の基板3の貫通孔43、第2の基板2の貫通孔42、第1の基板1の貫通孔41、の順に挿入し、貫通させた。テーパ部63、62、61が光ファイバの先端10を平行孔部53、52、51に導き、挿入が容易になっている。
光ファイバの先端10の位置を決めたあと、各貫通孔43、42、41と光ファイバの8と保護被覆9を接着剤で固定した。接着剤の図示は省略した。
この作業を繰り返して16本の被覆付き光ファイバを挿入・固定し、光ファイバアレイを完成させた。
被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8の直径125μmに対し、第1の基板1の貫通孔41の平行孔部51の直径は126μmであり、第1の基板が有する貫通孔41の平行孔部51の直径は、前記被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8の直径よりも1μm大きく、平行孔部51と光ファイバ8との間には合せて1μmの隙間がある。すなわち光ファイバ先端10を、ピッチ縦横1mm±0.5μmで配列することができた。
また、被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8の直径125μmに対し、第2の基板2の貫通孔42の平行孔部52の直径は130μmであり、第2の基板が有する貫通孔42の平行孔部52の直径は、前記被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8の直径よりも5μm大きく、平行孔部51と光ファイバ8との間には合せて5μmの隙間がある。
また、被覆付き光ファイバ14の保護被覆9の直径250μmに対し、第3の基板3の貫通孔43の平行孔部53の直径は270μmであり、第3の基板が有する貫通孔43の平行孔部53の直径は、前記被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8の直径よりも20μm大きく、平行孔部53と光ファイバ8との間には合せて20μmの隙間がある。
被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8の直径125μmに対し、平行孔部51の深さ、すなわち基板に垂直な方向の長さは300μmであり、2.4倍となっている。光ファイバの先端の挿入時に貫通孔の縁が欠けることはなかった。
被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8は第1の基板1の貫通孔41と第2の基板2の貫通孔42で固定され、略平行に保持された。これにより、各光ファイバの端面10からの出射光11は互いに±1°以内の平行光であった。すなわち、光軸の平行度に優れた光ファイバアレイが得られた。したがって、本発明の光ファイバアレイを、コリメータレンズ、ミラー、光検出素子等と組み合わせて光部品を構成した場合に、折れや曲がり等の不具合を回避しつつ、高精度の光部品を実現できる。
被覆付き光ファイバ14の保護被覆9は第3の基板3の貫通孔43で固定した。これにより、被覆付き光ファイバ14の予長を動かしても、光ファイバ8は曲がることなく保たれるので、折れが発生しない。
さらに、この光ファイバアレイに反射防止膜を施した。光ファイバ先端10に酸化シリコンと酸化タンタルの多層膜を真空蒸着にて成膜した。反射防止膜を施す前では、反射損失が−14.7dBであったが、成膜処理により、光ファイバ先端10から光が出射するときの反射戻り光を低減し、反射損失を−30dBにまで抑えることができた。
さらに、比較として、第3の基板を削除した構成の光ファイバアレイ(比較例1とする)および、第2の基板を削除した構成の光ファイバアレイ(比較例2とする)を作製した。図4は比較例1の光ファイバアレイの断面図、図5は比較例2の光ファイバアレイの断面図を示している。比較例2では、第3の基板と第1の基板の間を4mm離間させ、被覆付き光ファイバの保護被覆が除去された露出する光ファイバの長さを3mmとした。その他、被覆付き光ファイバ14の本数などは図1に示した光ファイバアレイと同一である。
比較例1の光ファイバアレイでは、各光ファイバ端面10からの出射光は互いに±1°以内の平行光であったが、ハンドリングの際、被覆付き光ファイバ14の予長を動かしたときに、光ファイバと保護被覆との境目で折れが発生した。発生の頻度は16本中7本であった。光ファイバ8が曲がってしまったためと考えられる。
比較例2の光ファイバアレイでは、ハンドリングの際の折れは無かったものの、各光ファイバ端面10からの出射光は平行度が低下し、互いに±1.6°以内の平行光であった。これは、光ファイバ8と第2の基板の平行孔部との隙間が5μmであるのに対し、保護被覆9と第3の基板の貫通孔との間は20μmと大きく、保護被覆9の可動範囲が大きいため平行度が低下したものと考えられる。保護被覆は樹脂で形成されているため、直径の公差が光ファイバに比べて大きく、これ以上第3の基板の貫通孔を小さくすることはできない。また、熱変形や曲がりクセがあり、被覆付き光ファイバ14の平行度が悪化した要因も考えられる。比較例2の光ファイバアレイでは、被覆付き光ファイバ14の折れは防ぐことは出来るものの、出射光の平行度が劣り、コリメータレンズ、ミラー、光検出素子等と組み合わせるときに余計な損失が生じる。
図1の実施例1の光ファイバアレイと比較例1、2の光ファイバアレイの特性を比較した表を図6に示す。比較例1は被覆付き光ファイバ14中の光ファイバが折れる不具合、比較例2は光軸の平行度が低下する不具合があるが、図1の光ファイバアレイは、折れの防止と高い光軸の平行度を両立できる優れた構造であることがわかる。
また、光ファイバ先端10を斜め研磨した光ファイバアレイを作製した。その他の構成は図1の光ファイバアレイと同一にした。図7にその断面図を示す。研磨機の砥石の面に対し、基板1が3°傾いて接触するようにして、基板1と光ファイバ先端10を研磨した。光ファイバ先端10は、その端面が被覆付き光ファイバ14の中心軸に対して垂直から傾いた角度となる。これにより光ファイバ先端10から光が出射するときの反射戻り光を低減し、反射損失を抑えることができた。また、基板1と光ファイバ先端10とを同時研磨したが、被覆付き光ファイバ14を基板1の表面から突出させて、突出した先端を樹脂で埋没させて固定し、樹脂と光ファイバ先端を同時研磨するようにしてもよい。この場合、基板の研磨代を考慮しなくてよい利点がある。
なお、実施例1では被覆付き光ファイバ14を配列するピッチは実施例1のように縦横1mmとしたが、ホトマスクのパターンを変えて貫通孔41、42、43の位置を設定し、適宜変更することができる。また、配列の形状も格子状のみならず、1直線状、円周状や不規則な配列と自由に設定できる。配列する被覆付き光ファイバの本数も適宜設定できる。また、光ファイバ8および保護被覆9の径が異なる場合は、平行孔部51、52、53とテーパ部61、62、63の大きさを変更して対応することができる。
また、実施例1では、平行孔51、52、53の断面、すなわち孔形を円形としたが、被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8や保護被覆9が内接する三角形、四角形や多角形でも構わない。また、テーパ部を有さない貫通孔を採用する場合の孔形も円形に限らず、三角形、四角形や多角形でも構わない。このとき、断面形状の内接円の直径と被覆付き光ファイバ14の径の差が、被覆付き光ファイバ14の動きうる範囲となり、配列位置のバラツキとなる。この場合は、前記内接円の直径を、本発明における平行孔部または貫通孔の直径とする。また、本実施列のテーパ部61、62、63の断面は四角形としたが、円形、三角形や多角形でも構わない。
(実施例2,3)
孔形状の参考として、第1の基板のテーパ部61は四角錘形状で、底が140μm角の正方形の光ファイバアレイ(参考例1とする)、底が80μm角の正方形の光ファイバアレイ(実施例2とする)、110μm角の正方形の光ファイバアレイ(実施例3とする)を作製した。平行孔部51は共通で断面が円形で直径が126μmであり、実施例1と同一である。図8は第1の基板の貫通孔をファイバ挿入側、すなわち第2の基板側から見た正面図であり、(a)は実施例1、(b)は参考例1、(c)は実施例2、(d)は実施例3を示している。
参考例1では、平行孔部51の断面の直径は、テーパ部61の底の正方形の内接円の直径よりも小さく、平行孔部の円形の縁を囲うようにテーパ部61の底面の一部が残っている。光ファイバの先端を挿入する際、この底面の一部が光ファイバの部分と垂直のため突っ掛かりとなって、挿入を阻害したり、光ファイバ先端11が欠けたりした。
実施例2では、平行孔部51の断面の直径は、テーパ部61の底の正方形の内接円の直径よりも大きく、さらに外接円の直径よりも大きい。テーパ部61の底の正方形の縁は消え平行孔部の円形の縁のみが見えている。この形状ではテーパ部61の底面が残っておらず、光ファイバの先端の挿入は容易である。しかし、平行孔部をエッチングで作製する時にテーパ部61の斜面をも貫通しなくてはならず、エッチング残りやバリが発生し、好ましくない。
実施例1では、テーパ部61の底の正方形は126μm角で、平行孔部51の断面の直径126μmと前者の内接円の直径は一致し、両者は接している。テーパ部61の正方形の四隅には底面が一部残っているが、光ファイバの先端の挿入は容易であった。平行孔部を作製する時にテーパ部61の底面のみを貫通するのでエッチング残りやバリが発生しない。
実施例3では、平行孔部51の断面の直径は、テーパ部61の底の正方形の内接円の直径よりも大きいが、外接円の直径よりは小さい。テーパ部61の正方形の四隅には底面が一部残っているが、光ファイバの先端の挿入は容易であった。平行孔部を作製する時にテーパ部61の斜面を貫通するが、その面積は小さくエッチング残りやバリが発生しなかった。
以上から、平行孔部51の断面の直径は、テーパ部61の底の正方形の内接円の直径に等しい、もしくは、テーパ部61の底の正方形の内接円の直径よりも大きく、外接円の直径よりは小さい事が光ファイバの先端の挿入の作業性と貫通孔作製の都合上、好ましい。
(実施例4)
また、実施例1では、被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8および保護被覆9と貫通孔41、42、43とを接着剤を用いて固定した。これとは別に、光ファイバ8と貫通孔41とを接着剤で固定しないこと以外は実施例1と同様にして光ファイバアレイを作製した(実施例4)。実施例4において、被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8と貫通孔41の平行孔部51との隙間は1μmと極めて小さく、光ファイバ8は嵌合されるので、接着剤を用いなくても平行孔部51に固定された。この場合、接着剤が光ファイバ先端10に回り込んで光の出射を妨げることを回避でき、さらに接着剤の滴下する工数が削減でき利点がある。ただし、被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8と貫通孔41の平行孔部51との隙間が大きい場合は、可動範囲が大きく不適であり接着剤を滴下する必要がある。
(実施例5)
また、実施例1では、第1乃至3の基板の表面に酸化シリコン膜が形成されており、接着剤の濡れは良好で、強固な固定が得られた。参考のために、基板表面に酸化シリコン膜の無い光ファイバアレイ(参考例2)、およびホトリソグラフィによって貫通孔の壁面のみ酸化シリコン膜が形成された光ファイバアレイ(実施例5)を作製した。図9は基板と貫通孔の断面図であり、(a)は実施例1、(b)は参考例2、(c)は実施例5を示している。
参考例2は、接着剤をテーパ孔部に滴下すると、一部が水滴状となって他の貫通孔に移動し、その貫通孔を塞いでしまうという不具合が生じた。シリコンの表面は撥水性が高く、接着剤を弾いて滴下した場所から移動しやすくなったと考えられる。
実施例1では、滴下した接着剤の一部が他の貫通孔に移動して塞ぐということは無かった。実施例5では、テーパ孔部からはみ出た接着剤は、自己調節的にテーパ孔部に戻って、他の貫通孔に移動して塞ぐということはなかった。これは、テーパ孔部の外の基板表面はシリコンで濡れ性が悪く接着剤が弾かれるが、テーパ孔部には酸化シリコン膜が形成されて濡れ性の良いがよいため、自己調節的に移動したと考えられる。
接着剤で強固な固定を得る観点からは、酸化シリコン膜が貫通孔の内部も基板表面もどちらにも形成されていれば良いが、接着剤を滴下する作業性という面では、貫通孔の内部のみに酸化シリコン膜が形成されていることが好ましい。これは、狭いピッチで貫通孔が形成されている場合には都合がよい。
また、実施例1では、被覆付き光ファイバ14の光ファイバ8および保護被覆9と貫通孔41、42、43とを接着剤を用いて固定したが、銀ペーストやハンダによって固定してもよい。ハンダで固定すれば、湿度による膨潤がなく強固な固定が得られる。この場合は、光ファイバ8および保護被覆9に金属膜を施してハンダ濡れを向上させる。
さらに、2つの対向する表面24とその中間にスリット23が設けられている保持部材22を用い、第1乃至第3の基板を固定して光ファイバアレイを作製した。図10にその上面模式図を示す。対向する表面24のそれぞれに第1の基板1および第3の基板3を接着剤で固定した。スリット23に第2の基板2を挿入し、スリットの壁面25に固定した。基板の順序は、光ファイバの先端を挿入する方向に第3の基板3、第2の基板2、第1の基板1であり、2つの対向する表面24とスリットの壁面25は略平行で基板同士が傾かないようにした。基板上の貫通孔がテーパ部を有する場合は、テーパ部の拡開する方向が光ファイバの先端を挿入する元の位置を向くように表裏を決め、光ファイバの先端を挿入する時にテーパ部がガイドの役割を果たすようにする。第1乃至第3の基板には位置決め孔(図示せず)が設けられており、位置決めピンを挿入することで位置決めをした。これにより各基板に形成されている光ファイバ用の貫通孔が対向して配置され、光ファイバの先端の直線的な挿入が可能となった。なお、保持部材には、位置決めピンを収納する孔と光ファイバの部分(或いは被覆付き光ファイバの部分)を収納する孔(図示せず)が形成されているが、これらは位置決めピンおよび光ファイバの部分(或いは被覆付き光ファイバの部分)とのクリアランスが大きく、固定や位置決めの機能を為さない。
スペーサを2個以上使用する場合に比べ、前記保持部材22では部材点数を1点とすることができ、低コストを実現できる。また、2個以上のスペーサを用いる場合、スペーサを介して基板を交互に積み重なる構造で、剛性が低く、衝撃試験や高温試験で変形してしまう不具合があったが、前記保持部材22を用いる構造は、1部材にすべての基板が固定されるので、剛性が高く、変形を小さく抑えることができた。
(実施例6)
図11は本発明の実施例に係る光ファイバアレイの他の1例を示す断面図である。被覆付き光ファイバ14の配列のピッチは縦0.4mm横1mmで、縦3本横8本の計24本の被覆付き光ファイバを高密度に配列した。基板の位置決め方法などは実施例1と同じである。
実施例6では縦方向のピッチが0.4mmと小さいため、実施例1と貫通孔41、42、43の形状を同じにすると、第3の基板3の貫通孔43のテーパ部63の開口部12(700μm角)が、隣孔と重なってしまう不都合が生じうるが、以下の構成を採用して解決した。
実施例6では、第3の基板の貫通孔43がスリット状貫通孔であり、前記スリット状貫通孔は、1つのスリット状貫通孔に対して前記第2の基板2の複数の貫通孔42が対置するように形成され、第2の基板2の複数の貫通孔42に挿入されている各被覆付き光ファイバ14が、対置された前記スリット状貫通孔に挿入されているものとした。より具体的には、第3の基板3に形成する貫通孔43の平行孔部53を、3本の被覆付き光ファイバ14を挿入する、孔形が長円形の貫通孔、すなわちスリット状の貫通孔とした。第2の基板2の3つの貫通孔42に挿入されている3本の各被覆付き光ファイバ14が、対置された1個の前記スリット状貫通孔に挿入されている。実施例6では、3本の被覆付き光ファイバ14が挿入される前記スリット状の貫通孔がスリットの幅方向に8個アレイ化されており、該構成によって全体の光ファイバアレイが構成されている。図12は基板3の正面図であり、テーパ部63の方向から見た模式図である。すなわち、平行孔部53の断面は縦1070μm(長径)横270μm(短径)で、長方形と半円を組み合わせた形状であり、テーパ部63は開口部12が縦1500μm横700μmの長方形となる四角錐とした。スリット状の平行孔部の横方向、すなわちスリットの短径の長さは、保護被覆9の径250μmよりも20μm大きくしてあり、同方向のズレは20μm以内に抑えられた。挿入した3本の被覆付き光ファイバ14は、その保護被覆9の部分において第3の基板3の貫通孔43に接着剤で固定した。
このように光ファイバの先端を導く機能を損なうことなく、0.4mmの狭いピッチで配列することが可能であった。第3の基板3の貫通孔43がスリット状の貫通孔であるため、スリットの長径方向に被覆付き光ファイバが動くことができるが、その際に生じる保護被覆9同士の間の隙間は、片側に2本、その反対側に1本と偏ったときが最も大きく、長径方向の隙間は320μmとなる。これは保護被覆9の径の2倍以下である。偏りによって被覆付き光ファイバ14はある程度曲がるが、曲げ損失が発生することは無かった。また、被覆付き光ファイバを固定するために滴下した接着剤が、3本の保護被覆9の間に充満し、自己調節的に等間隔となり互いに傾いたり、偏ったりすることが抑制され、折れや曲げ損失が発生することはなかった。
スリット状貫通孔の平行孔部の横方向、すなわちスリットの短径の長さは、被覆付き光ファイバ14の保護被覆9の径250μmの2倍以下であり、平行孔部の中で隣り合う被覆付き光ファイバ14が入れ違って、配列の順番が変るということを防ぐことができた。
実施例6では、第3の基板3に該スリット状貫通孔を1mmピッチで8個形成したが、不等間隔で形成することも可能であり、その配置は任意である。ただし、スリット状貫通孔が、第1および第2の基板の貫通孔に対して対置し、被覆付き光ファイバが直線的に挿入できるように配置する。また、1つのスリット状貫通孔にすべての被覆付き光ファイバ14の保護被覆9を挿入するようにすると、保護被覆9同士の間に生じる隙間が大きくなって、被覆付き光ファイバ14が曲がって損失が発生したり、折れたりする不都合が生じた。これは不等間隔で配列するときや、すべての被覆付き光ファイバ14の保護被覆9を束ねたりする場合に顕著である。これらの不都合は、実施例6のように複数のスリット状貫通孔を形成することで回避することができた。
実施例6の孔形状を採用することにより、被覆付き光ファイバの曲げ損失や折れを回避しつつ、より狭ピッチでの被覆付き光ファイバの配列が可能となった。これは、配列の自由度の向上、光ファイバ集積効率の向上、光ファイバアレイ自身の小型化に貢献することができる。
(実施例7)
図13は本発明の実施例に係る光ファイバアレイを用いた光スイッチの一例を示す断面図である。光ファイバアレイは実施例6と同構造のものを用いる。すなわち、被覆付き光ファイバの配列のピッチは縦0.4mm横1mmで、縦3本横8本の計24本の被覆付き光ファイバが配列されている。図13は、3本の被覆付き光ファイバ(先端近傍では被覆が除去されて光ファイバが露出されている。)が平行に並ぶ面の断面図であり、紙面の垂直方向に8本が並んでいる。光スイッチアレイは、光ファイバアレイと、複数のレンズ18と可動プリズム19から構成される。1組の光スイッチの要素は、図13の断面の3本の被覆付き光ファイバと、3個のレンズ18と可動プリズム19から構成される。
3本の被覆付き光ファイバを入力用被覆付き光ファイバ15、出力1用被覆付き光ファイバ16、出力2用被覆付き光ファイバ17とする。入力用被覆付き光ファイバ15を出力1用被覆付き光ファイバ16と出力2用被覆付き光ファイバ17が挟むような順番で並んでいる。入力用被覆付き光ファイバ15、出力1用被覆付き光ファイバ16、出力2用被覆付き光ファイバ17の先端に対応してレンズ18が対置されている。さらに光ファイバの先端10から見てレンズ18よりも遠方に可動プリズム19を配置する。可動プリズム19は、図の上下方向、すなわち、入力用被覆付き光ファイバ15、出力1用被覆付き光ファイバ16、出力2用被覆付き光ファイバ17が並列する方向に、可動する機構を備える。図13では、出力1用被覆付き光ファイバ16の側に寄った位置となっている。可動プリズム19は、断面が直角2等辺三角形で、斜辺が光ファイバ8の中心軸に対し垂直になる姿勢を維持する。
スイッチング動作(光路の切り替え)を図13に示す1組の光スイッチの要素で説明する。入力用被覆付き光ファイバ15を伝送する光は、先端から空気中に出射する(出射光11)。出射光11は、入力用被覆付き光ファイバ15に対置するレンズ18を通過して平行光となり、可動プリズム19の斜面に入射する。さらに出射光11は、プリズム中で直角をなす2面で反射し折り返され、出力1用被覆付き光ファイバ16に対置するレンズ18に達し、集光されて出力1用被覆付き光ファイバ16に入射する。すなわち、入力用被覆付き光ファイバ15からの光が出力1用被覆付き光ファイバ16に入射して、光結合している。
可動プリズム19を可動し、出力2用被覆付き光ファイバ17の側に寄った位置とする。図14はその模式図である。同じように、入力用被覆付き光ファイバ15を伝送する光は、先端から空気中に出射する(出射光11)。出射光は、入力用被覆付き光ファイバ15に対置するレンズ18を通過して平行光となり、可動プリズム19の斜面に入射する。さらに出射光11は、プリズム中で直角をなす2面で反射し折り返され、今度は出力2用被覆付き光ファイバ17に対置するレンズ18に達し、集光されて出力2用被覆付き光ファイバ17に入射する。すなわち、入力用被覆付き光ファイバ15からの光が出力2用被覆付き光ファイバ17に入射して、光結合している。
プリズムを可動することによって、入力用被覆付き光ファイバ15を伝送する光を、出力1用被覆付き光ファイバ16に入射させるか、出力2用被覆付き光ファイバ17に入射させるか、を変更することができ、スイッチング動作を実現できた。すなわち、入力の被覆付き光ファイバが1本、出力の被覆付き光ファイバが2本の1×2の光スイッチの要素となる。
(実施例8)
図15は本発明の実施例に係る光ファイバアレイを用いた光スイッチの一例を示す断面図であり、図14のプリズム19の代わりにミラー40を用い、反射された光が出力1用被覆付き光ファイバ16側に入射するようにレンズ18とミラー40の配置を調整した以外は、図14と同様にした。ミラー40は紙面に垂直な向きに沿った軸を有し、軸中心に傾斜することで反射された光を出力2用被覆付き光ファイバ17側に入射させ、光路を切り替えることができた。切り替えには、ミラー40の裏側(反射面の反対側)の端近傍に略平行に配置した一対の電極50とミラーに印加する電圧を変えることでミラー40に加わる静電引力を調整し、シーソーのようにミラーの傾く向きを変更する方式を用いた。
さらに、本発明の光ファイバアレイを用いることで、光スイッチの要素を複数構成できる。具体的には、被覆付き光ファイバ3本(先端近傍では被覆が除去されて光ファイバが露出されている。)の組み合わせが、図13の紙面垂直方向に積層されている構造を実現した。3本の被覆付き光ファイバで被覆が除去された先端に対応するレンズ18と可動プリズム19とを用意して、光スイッチの要素が複数構成できる。具体的には図13の構成が紙面垂直方向に積層されている構造を作製したところ、光ファイバアレイの位置精度が高く、光学的に低損失な状態で光路を切り替えられる光スイッチを得た。
また、光スイッチにおける光ファイバアレイとプリズムとの位置調整について、ポイントレーザによる平行合わせを行った。図16にその模式図を示す。図16(a)に示すように、プリズムの斜面29にポイントレーザ26を垂直入射させ、その反射光27をスクリーン(図示せず)に当てて、その照射位置を記録した(各部材はその位置を固定する)。次に光ファイバアレイをプリズム19と対向させた。図16(b)に示すように、光ファイバアレイの第1の基板1の外形は、第2の基板2、第3の基板3の外形よりも大きくし、ポイントレーザ26を当てる反射面28を設けておいた。反射面28で反射されたポイントレーザの反射光27をスクリーンに当て、その照射位置がプリズム19の時と同じ場所になるように光ファイバアレイを角度調整した。図10の保持部材22を用いたところ、各被覆付き光ファイバ(及びその被覆の除去された光ファイバの部分)は第1の基板1に対して精度良く垂直に固定されており、この操作によってプリズム19の斜面29に対しても各被覆付き光ファイバを精度良く垂直にすることができた。さらに正確な位置調整には、この平行合わせに加えて、他に並進3軸と光ファイバの中心軸回りの回転1軸の、計4軸の調整が必要になるが、平行合わせをしなかった場合、並進3軸と回転3軸の計6軸の調整となり、作業はより煩雑である。前記平行合わせを実施することにより、位置調整の作業を簡略化できる。
また、レンズ18の代わりに、同一基板上に形成されたレンズアレイ基板を用いたところ、レンズ基板にもポイントレーザの反射位置を設けることで、同様の平行合わせを行い、位置調整作業を簡略化することができた。
実施例6の構造では、光ファイバアレイは紙面垂直方向に8本の光ファイバが配列されており、1×2の光スイッチの要素が8個積層された構造を実現できた。すなわち、1×2光スイッチの要素が8個アレイ化された光スイッチアレイである。
採用した光ファイバアレイは、被覆付き光ファイバの曲がりや折れを抑制されるので、光スイッチとしての信頼性を向上できる。また、光ファイバアレイの被覆付き光ファイバのピッチが小さいため、本光スイッチアレイの小型化が可能であり、単体の1×2スイッチを複数並べる場合に対して、占有体積を小さくすることが可能である。光ファイバアレイの各光ファイバは精度良く位置決めされているので、位置ズレによる結合損失の低下は極めて小さいものとなった。
(実施例9)
図17は、本発明の実施例に係る光ファイバアレイを用いた可変光減衰器の一例を示す断面図である。光ファイバアレイは縦2本横8本の計16本の被覆付き光ファイバが配列したものであり、その他は実施例6と同構造のものを用いた。被覆付き光ファイバの配列のピッチは縦0.4mm横1mmである。図17は2本が平行に並ぶ面の断面図であり、紙面の垂直方向に8本が並んでいる。可変光減衰器は、光ファイバアレイとレンズ18と可動プリズム19とから構成される。1組の可変光減衰器の要素は、図16(b)の断面のうち、2本の被覆付き光ファイバ(先端近傍では被覆が除去されて光ファイバが露出されている。)のアレイ、レンズ18及び可動プリズム19から構成される。
2本の被覆付き光ファイバを入力用被覆付き光ファイバ15、出力用被覆付き光ファイバ30とする。入力用被覆付き光ファイバ15、出力用被覆付き光ファイバ30の先端に対応してレンズ18が対置されている。さらに光ファイバ先端10から見てレンズ18よりも遠方に可動プリズム19を配置する。可動プリズム19は、図の上下方向、すなわち、入力用被覆付き光ファイバ15、出力用被覆付き光ファイバ30が並列する方向に、可動する機構を備える。可動プリズム19は、断面が直角2等辺三角形で、斜辺が光ファイバ8の中心軸に対し垂直になる姿勢を維持する。
光量を減衰させる動作を図17に示す1組の可変減衰器の要素で説明する。入力用被覆付き光ファイバ15を伝送する光は、先端から空気中に出射された(出射光11)。出射光11は、入力用被覆付き光ファイバ15に対置するレンズ18を通過して平行光となり、可動プリズム19の斜面に入射した。さらに出射光11は、プリズム中で直角をなす2面で反射し折り返され、出力用被覆付き光ファイバ30に対置するレンズ18に達し、集光されて出力用被覆付き光ファイバ30に入射した。すなわち、入力用被覆付き光ファイバ15からの光が出力用被覆付き光ファイバ30に入射して、光結合した。
可動プリズム19を可動し、上方に移動して点線の位置に移ったとする。同じように、入力用被覆付き光ファイバ15を伝送する光は、先端から空気中に出射された(出射光11)。出射光は、入力用被覆付き光ファイバ15に対置するレンズ18を通過して平行光となり、可動プリズム19の斜面に入射した。さらに出射光11は、プリズム中で直角をなす2面で反射し折り返され、出力用被覆付き光ファイバ30に対置するレンズ18に達するが、図17中の点線で示すように、その光軸が上方に平行移動している。レンズ18で集光されて出力用被覆付き光ファイバ30に入射するときに、集光位置のズレが生じ、出力用被覆付き光ファイバ30に入射する光量は、可動プリズム19の移動前と比べて、変化した。
すなわち、可動プリズム19を可動することによって、入力用被覆付き光ファイバ15を伝送する光を、出力用被覆付き光ファイバ30に入射させるときの、光量を変化させることができ、可変光減衰器の動作を実現できた。
つまり、図17に示した構成が可変光減衰器の要素となる。さらに本発明の光ファイバアレイを用いることで、可変光減衰器の要素を複数構成できる。具体的には、被覆付き光ファイバ2本の組み合わせが、図16の紙面垂直方向に積層されている構造を実現できた。2本の被覆付き光ファイバに対応するレンズ18と可動プリズム19とを用意して、可変光減衰器の要素が複数構成できた。具体的には図17の構成が紙面垂直方向に積層されている構造を実現できた。
また、光スイッチアレイのときと同様に光ファイバアレイの第1の基板1にポイントレーザの反射位置を設けて、プリズム18との平行合わせを実施することも可能である。
採用した光ファイバアレイは、被覆付き光ファイバの曲がりや折れを抑制されるので、可変光減衰器としての信頼性を向上できる。また、光ファイバアレイの被覆付き光ファイバのピッチが小さいため、本可変光減衰器の小型化が可能であり、単体の可変光減衰器を複数並べる場合に対して、占有体積を小さくすることが可能である。光ファイバアレイの各被覆付き光ファイバ(或いはその被覆を剥いだ光ファイバの部分)は精度良く位置決めされているので、位置ズレによる結合損失の低下や定常時の光量変動は極めて小さいものとなる。
前述の実施例は、光スイッチの要素を複数有するアレイ型光スイッチ、および可変光減衰器の要素を複数有するアレイ型可変光減衰器であるが、本発明の光ファイバアレイを用いて、合波器、分波器、増幅器などの要素を複数有するアレイ型の光部品を構成することが可能であり、高い信頼性と小型化、低損失を実現できる。
本発明の実施例の光ファイバアレイの断面の模式図である。 図1の光ファイバアレイの正面の模式図である。 本発明の他の実施例の光ファイバアレイの断面の模式図である。 比較例の光ファイバアレイの断面の模式図である。 他の比較例の光ファイバアレイの断面の模式図である。 本発明の実施例および比較例の光ファイバアレイの特性を示す表である。 本発明の他の実施例の光ファイバアレイの断面の模式図である。 本発明の実施例および参考例の光ファイバアレイの基板の正面の模式図である。 本発明の実施例、参考例の光ファイバアレイの基板の断面の模式図である。 本発明の他の実施例の光ファイバアレイの上面の模式図である。 本発明の他の実施例の光ファイバアレイの断面の模式図である。 図11の光ファイバアレイの基板の正面の模式図である。 本発明の実施例のアレイ型光スイッチの断面の模式図である。 図13のアレイ型光スイッチの光路を切り替えた様子を示す断面の模式図である。 本発明の他の実施例のアレイ型光スイッチの断面の模式図である。 本発明の実施例で光ファイバアレイとプリズムの位置合わせ方法を説明する模式図である。 本発明の実施例のアレイ型可変光減衰器の断面の模式図である。
符号の説明
1:第1の基板 2:第2の基板 3:第3の基板 41、42、43:貫通孔
51、52、53:平行孔部 61、62、63:テーパ部 7:位置決め孔
8:光ファイバ 9:保護被覆 10:光ファイバの先端 11:光ファイバの出射光
12:開口部 13:位置決めピン 14:被覆付き光ファイバ 15:入力用被覆付き光ファイバ
16:出力1用被覆付き光ファイバ 17:出力2用被覆付き光ファイバ 18:レンズ 19:可動プリズム
20:酸化シリコン膜 21:バリ 22:保持部材 23:スリット
24:対向する表面 25:スリットの壁面 26:ポイントレーザ光
27:反射光 28:反射面 29:プリズムの斜面 30:出力用被覆付き光ファイバ
40:ミラー 50:電極

Claims (19)

  1. 複数の被覆付き光ファイバと、前記被覆付き光ファイバを挿入するための複数の貫通孔を有する、第1の基板、第2の基板及び第3の基板とを備え、前記基板は貫通孔同士を対置させて第1の基板、第2の基板及び第3の基板の順に配置され、前記被覆付き光ファイバは、その先端の被覆が除去されて光ファイバが露出されているとともに、対置された前記第1の基板、第2の基板及び第3の基板の貫通孔に挿入されており、前記第1及び第2の基板の貫通孔は被覆が除去された前記光ファイバの部分において支持するとともに、前記第3の基板の貫通孔は前記被覆付き光ファイバをその被覆の部分において支持する光ファイバアレイ。
  2. 前記第1の基板および第2の基板の厚さは、挿入する光ファイバの部分の直径の10倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバアレイ。
  3. 前記第1の基板および第2の基板の厚さは、挿入する光ファイバの部分の直径の2倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバアレイ。
  4. 前記第3の基板の厚さは、挿入する光ファイバの被覆の直径より大きく且つ10倍以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  5. 前記第1の基板および第2の基板が有する貫通孔は、平行孔部と、前記平行孔部の一端に接続されると共に基板表面に向かって拡開したテーパ部を有し、
    前記平行孔部の深さは、前記光ファイバの部分の直径の2倍以上且つ10倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバアレイ。
  6. 前記第3の基板が有する貫通孔は、平行孔部と、前記平行孔部の一端に接続されると共に基板表面に向かって拡開したテーパ部を有し、
    前記平行孔部の深さは、前記光ファイバの被覆の直径よりも大きく且つ10倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバアレイ。
  7. 前記第1の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、前記光ファイバの部分の直径よりも0.1〜30μm大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  8. 前記第2の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、前記光ファイバの部分の直径よりも0.1〜30μm大きいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  9. 前記第3の基板が有する貫通孔の直径または貫通孔の平行孔部の直径は、前記光ファイバの被覆の直径よりも10μm以上大きく、前記被覆の直径の2倍より小さいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  10. 前記第3の基板の貫通孔のうち、少なくとも1つの貫通孔はスリット状貫通孔であり、前記スリット状貫通孔は、前記第2の基板に設けられた複数の貫通孔が対置するように形成され、該第2の基板の複数の貫通孔に挿入されている各光ファイバが前記スリット状貫通孔に挿入されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  11. 前記第3の基板が有するスリット状貫通孔は、前記第3の基板上に互いに離間して複数個形成されていることを特徴とする請求項10に記載の光ファイバアレイ。
  12. 前記第3の基板が有するスリット状貫通孔の短径が被覆の直径の2倍よりも小さく、且つ被覆の直径よりも10μm以上大きいことを特徴とする請求項11に記載の光ファイバアレイ。
  13. 前記スリット状貫通孔に挿入された複数の光ファイバの互いの間に生じる隙間は、被覆の直径の2倍以下であることを特徴とする請求項12に記載の光ファイバアレイ。
  14. 前記第1の基板と第2の基板との間隔が1mm以上且つ10mm以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  15. 前記複数の貫通孔とは別に、位置決めピンが嵌挿可能であるように前記第1乃至第3の基板に位置決め孔が対置して設けられていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  16. 少なくとも前記第1の基板の材質はシリコンであり且つ表面に酸化シリコンの膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  17. 2つの対向する表面とそれらの中間にスリットが設けられている保持部材を用い、前記保持部材の対向する表面に前記第1の基板および第3の基板を固定し、スリットの壁面に前記第2の基板を固定したことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の光ファイバアレイ。
  18. 複数の光ファイバを用いる光部品であって、前記複数の光ファイバとして請求項1乃至17のいずれかに記載の光ファイバアレイを用いることを特徴とする光部品。
  19. 複数の光ファイバを用い、前記光ファイバ間の光路を切り替える光スイッチであって、前記複数の光ファイバとして請求項1乃至17のいずれかに記載の光ファイバアレイを用いることを特徴とする光スイッチ。
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