JP2007240781A - 平面光導波回路およびその作製方法 - Google Patents

平面光導波回路およびその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板内の任意の位置にミラーをレイアウトすることができ、高精度の光路変換ミラーを作製する。
【解決手段】コア105、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路と、光導波路の端部に、光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝140であって、少なくともミラー溝の底面に、液状樹脂に対して接触角が小さい領域と、領域に隣接する液状樹脂に対して接触角が大きい領域とを有するミラー溝140と、光導波路の光路を基板上方または下方に変換する光路変換ミラーであって、液状樹脂を硬化させてなるミラー支持体142と、ミラー支持体に接して形成された反射体143とから構成された光路変換ミラーとを備え、ミラー支持体は、接触角が小さい領域と、該領域に接するミラー溝の壁面とに接して設けられ、光導波路の光路に対して基板平面内で線対称に形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、平面光導波回路およびその作製方法に関し、より詳細には、フォトダイオード、面発光レーザ等の受発光素子を平面光回路に実装する際、または平面光導波回路の実装面に垂直に光ファイバを接続する際に必要な導波光の垂直入出力構造に関する。
光通信、光情報処理の分野においては、平面光導波回路を用いて光機能部品を構成し、集積することが行われている。このような平面光導波回路と受発光素子との間には、平面光導波回路の一領域から光波の一部または全部を取り出して、フォトダイオード(以下「PD」という)によって受光したり、または半導体レーザダイオード(以下「LD」という)からの出力光を平面光導波回路に入力させるための結合が必要になる。このような光素子と平面光導波回路との光結合構造として、平面光導波回路の導波路端部の微小部位に、光路を変換するための光路変換ミラーを設け、回路面と垂直方向に光を入出力する垂直入出力構造が知られている。
垂直入出力構造には、(1)平面光導波回路にダイシングソー等の機械加工により基板垂直方向に対して斜めに傾いた溝を形成し、この溝の中に、薄膜反射フィルタを挿入する構造、(2)ポリマ導波路の一端部にレーザブレーションによりマイクロミラーを形成する構造、(3)導波路端部にエッチングにより基板面まで溝を掘り、溝の中に斜面を有するミラー形状部材を実装する構造などが提案されている。(1)の機械加工による方法は、簡便なものの、導波路端部において、所望の光導波路以外の光導波路を、一緒に切断してしまう恐れがあり、用途が限定されるという問題がある。(2)の方法は、ポリマ導波路のみに適用でき、実用的な平面光導波回路として最も期待される石英系光導波路では、レーザブレーションによる加工が極めて難しいという問題がある。(3)の方法は、導波路材料を選ばないものの、実装によってミラーを配置形成するため、装置コスト、作業コストが高く、生産性をあげることが容易ではない。また、アライメント誤差が必ず存在することから、ミラーの性能に限界がある。さらに、個々のミラーに実装作業スペースをとる必要があり、ミラーが大型化しやすいという問題もある。
そこで、石英系光導波路をはじめとする各種導波路材料に幅広く適用でき、作製も容易な構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の構造は、樹脂斜面をミラー支持体とする構造であり、ミラーの鏡面精度、光導波路とのアライメント精度が極めて高く、高性能かつ生産性の高い光路変換ミラーである。
図1に、従来の光路変換ミラーの構造と作製方法とを示す。平面光導波回路は、Si基板11の上に、SiOを主成分とするガラスから成る石英系光導波回路が形成されている。石英系光導波回路は、コア12を取り囲んだクラッド13層からなる導波路14が作製されている。図1(a)に示すように、所望の導波路端部15を、Si基板11に達するまで堀り込み、断面形状が凹状の溝18を形成する。この溝18は、島状クラッド22を形成するように掘り込まれ、さらに、島状クラッド22には円形の液だめ23が設けられている。図1(b)に示すように、ディスペンサー25から、液だめ23に、液状樹脂24を適量供給し、加熱するなど適当な方法で硬化させる。
ここで、溝18の底面20はSi、壁面16は酸化物ガラスとなっている。Siに対してはヌレ性が悪く、酸化物ガラスに対してはヌレ性が良い液状樹脂を用いれば、液状樹脂は、島状クラッド22を取り囲むように壁面16に沿って回り込み、40〜50度の傾斜角の斜面19を得ることができる。導波路14からの出射光があたる斜面19の一部をミラーの支持体とし、金を蒸着するなど反射材を形成することにより光路変換ミラーを得ることができる。図1(c)に示すように、光路変換ミラーの上部に、受光素子21を配置することのより、導波路14と受光素子21とを光学的に結合することができる。
しかしながら、上述した光路変換ミラーには、以下のような問題があった。第一に、導波光を基板に対して垂直に取り出すためには、反射材の斜面角度が基板に対して45度であることが最も望ましい。しかしながら、液状樹脂の斜面19は、壁面16において凹面となるため、光軸の高さで斜面角度がほぼ45度となるように微妙に液量を調節しなければならない。ミラー面の曲率と反射角度を同時に満たすように液状樹脂の液量を調節することは難しく、光路変換ミラー作製時の反射角度の制御性が低かった。
第二に、溝18の底面20および壁面16の液状樹脂に対するヌレ性は、溝18のエッチング加工時の表面粗さなどによって大きく異なる。従って、液状樹脂の供給を自動的に行うことが難しく、歩留まりおよび生産性が低いという問題もあった。
第三に、液だめ23は、各回路毎に孤立した構造となっているため、1つのウェハ上に多数個の回路を形成しようとすると、各回路毎に液状硬化物質を供給しなければならず、量産性が低いという問題もあった。
図2に、これらの問題を解決するための、従来の光路変換ミラーの構造を示す(例えば、特許文献2,3参照)。平面光導波回路は、平坦な基板31上に、コア32を取り囲んだクラッド33層からなる導波路34が作製されている。図2(a)に示すように、所望の導波路端部35を、基板31に達するまで堀り込み、断面形状が凹状の溝38を形成する。図2(b)に示すように、溝38と連接して樹脂供給溝37が設けられている。樹脂供給溝37から液状樹脂を供給すると、液状樹脂は、溝38の壁面36に沿って流れ、40〜50度の傾斜角の斜面39を得ることができる。導波路34からの出射光があたる斜面39の一部をミラーの支持体とし、金を蒸着するなど反射材を形成することにより光路変換ミラーを得ることができる。
ここで、図1に示した光路変換ミラーと異なる点は、図2(c)に示すように、溝38の底面40に、液状樹脂に対してヌレ性の良い(接触角の小さい)領域41と、これと隣接するヌレ性の悪い(接触角の大きい)領域42をあらかじめ形成しておくことである。このような領域を作製するためには、例えば、特許文献3に記載された方法を用いる。すなわち、基板31の斜め上方35.3度の角度から、Tiを0.1μmの厚みで斜めに蒸着を行う。すると、図2(c)の網点の部分は影となって、ここにはTiは付着しない。次に、基板31を回転させながら、影ができないように、Crを0.1μmの厚みで全面に蒸着する。希フッサン液に浸積してTiでCrをリフトオフすると、図2(c)の網点の部分にCrが残る。次に、希釈したシリコン油等、液状樹脂に対して高接触角を与える表面処理剤を全面にスピンコートする。Crエッチング液で表面処理膜をリフトオフすると、図2(c)の網点の領域は、液状樹脂に対してヌレが良く、一方それ以外の領域は接触角が45度以上となって液状硬化樹脂に対してヌレが悪くなる。
図2に示した光路変換ミラーの作製方法によれば、液状樹脂の供給量を微量に調節する必要がない。すなわち、溝38を加工する際に、溝38の底面40および壁面36の表面粗さが多少ばらついても、多量の液状樹脂を供給すれば、自動的に高接触角領域と低接触角領域の境界で液状樹脂がせき止められるので、容易にミラー斜面を形成することができる。
特開平9−26515号公報 特開平9−318850号公報 特開平11−84183号公報 特開2005−241762号公報
しかしながら、上述した従来の光路変換ミラーでは、以下のような問題があった。第一に、基板内に複数の光路変換ミラーを形成する場合、ミラーごとに反射角度が大きく異なってしまうという問題があった。すなわち、特許文献4にも記載されている通り、ミラーを形成するための溝を、基板内に位置をずらして複数個配置し、一括して斜め蒸着を行い、ミラーを形成する場合を考える。蒸着を行う際に、蒸着源と個々のミラーとの相対位置関係が異なるため、ヌレ性の良い領域が、個々のミラーによって異なる。従って、基板内の位置に応じて、個々のミラーの角度にもバラツキが発生し、精度よく45度の角度を得られない。
これを防ぐために、例えば、特許文献4には、基板内の個々のミラーのミラー面の向きを、統一することが提案されている。しかし、この方法では、ミラー面の向きが一意に決まってしまうため、平面光導波回路のレイアウトが著しく制約されてしまうという問題があった。この問題は、とりわけ光路変換ミラーを高密度に配置し、集積度の高い光回路を実現しようとする場合に大きな障害となる。つまり、ミラー面の向きにあわせて光導波路の出射方向を調節するために、ミラー前段の光導波路を引き回す必要が生じる。光回路では、光導波路の曲げ半径が数mm必要であることから、大きなスペースを費やすことになる。このように、第二の問題は、光路変換ミラーの小型化が難しいことである。
光路変換ミラー図2に示した光路変換ミラーにおいては、ミラーが形成される斜面39は、一端が樹脂供給溝37aに接続され、他端にはミラーが形成されない斜面39が、樹脂供給溝37bまでつづく。従って、ミラーが形成される斜面39は、平坦なミラー面として利用できる有効領域は、溝38の中央付近の一部に限られ、両端はミラー面形状が歪んでしまう。そこで、ミラーの有効領域を十分広くとるためには、必然的に溝38自体を大きくせざるを得ず、例えば、溝38の深さが50μm程度の場合、溝幅Wを200μm程度に設計する必要があった。
光ファイバへの出力、アレイ状半導体光素子との光接続に、このような光路変換ミラーを用いるためには、多くの場合、250μmピッチまたはそれ以下のピッチでミラーを配置することが望ましい。また、複雑な集積光回路では、250μmピッチで配置した個々のミラーの間隙に、3〜5本程度の光導波路をレイアウトすることもある。このような場合に、光導波路間のモード結合、偏波依存ロスおよび偏波回転などの影響なく導波路を配置するためには、少なくとも60〜80μm程度のミラー間のスペースが必要である。しかしながら、溝幅Wが200μm程度の光路変換ミラーによって、このような光導波路をレイアウトすることは、極めて困難かまたは不可能であった。
第三の問題は、複数の導波路に対して、一体にミラーを形成することが困難なことである。すなわち、複数の光導波路端に一体の大きな溝を形成し、この中に光路変換ミラーを一体に形成する構造は、高密度にミラーを集積する上で有効である。例えば、アレイ導波路など多光束干渉計の出力を、直接空間に取り出す構造として有用である。しかしながら、上述したように、従来の構造では、斜め蒸着を行うため、基板内の位置に応じてミラーの角度が変化し、たとえ一体に形成したミラーであってもミラー内の位置によって反射角度がわずかに異なってしまう。
第四の問題は、高度なミラー面制御ができない点にある。光結合性能の向上を図るためには、光導波路からの出射光をコリメート化する機能、集光する機能などを光路変換ミラーに付与することが望ましい。しかし、従来の技術では、液状樹脂の供給量を調節すれば、基板垂直方向には凹面鏡を形成できるものの、基板面内で凹面を形成するなど、所望のミラー面制御を高精度に行うことは困難であった。例えば、アレイ導波路格子の出力側スラブ導波路の端部に沿って、曲面状にミラーを形成して、複数の出力導波路の出射光を取り出す場合、ミラーを形成する斜面のクラッド上面を曲面にする。しかし、クラッド上面を曲面にして、斜め蒸着を行うと、クラッド上面の曲面の影が、溝底面には位置がずれて投影されるため、個々のミラーごとに傾斜が異なる歪んだミラーが形成されてしまう。このような湾曲したミラー形状を高精度に作製することはできない。また、高速のPDに集光する場合など、反射角度や出射ビームの歪みが、素子の性能に影響を与える場合には適用することができない。
第五は、生産性の問題である。すなわち、斜め蒸着法では、蒸着源と基板との位置関係をあらかじめ計算に入れて設計を行うため、一回の蒸着で1枚の回路の蒸着しかできず、量産性にかける問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、基板内の任意の位置にミラーをレイアウトすることができ、高密度・狭ピッチな配列、複数の光導波路に対する一体形成、基板面内に湾曲したミラー形状に対応することができる、高精度かつ生産性の高い光路変換ミラーを含む平面光導波回路およびその作製方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板上に形成された平面光導波回路において、コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路と、該光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝であって、少なくとも該ミラー溝の底面に、該ミラー溝の壁面に接し、液状樹脂に対して接触角が小さい領域と、該領域に隣接する前記液状樹脂に対して接触角が大きい領域とを有するミラー溝と、該ミラー溝の内部に設けられ、前記光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーであって、前記液状樹脂を硬化させてなるミラー支持体と、該ミラー支持体に接して形成された反射体とから構成された光路変換ミラーとを備え、前記ミラー支持体は、前記接触角が小さい領域と、該領域に接する前記ミラー溝の壁面とに接して設けられ、および前記光導波路の光路に対して前記基板平面内で線対称に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の平面光導波回路において、前記ミラー溝の深さは、40μm以上70μm以下であり、前記光導波路の光路に対して垂直方向の前記ミラー溝の幅は、120μm以上170μm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の平面光導波回路において、前記光導波路は、複数の光導波路からなり、前記光路変換ミラーは、前記複数の光導波路の光路を一括して変換することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の前記ミラー支持体は、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面と接続する側壁の壁面に接して設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の平面光導波回路においいて、前記ミラー支持体が接して形成される前記ミラー溝の壁面は、前記光導波路の端部を中心として、前記基板平面内で湾曲し、および前記接触角が小さい領域と前記接触角が大きい領域との境界線は、前記光導波路の端部を中心として、前記基板平面内で湾曲していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、基板上に形成された平面光導波回路において、コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路を有し、該光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーを作製する平面光導波回路の作製方法であって、前記光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深くミラー溝を形成する第1の工程と、マスクを用いて、前記ミラー溝の少なくとも底面の一部を撥水処理する第2の工程と、前記ミラー溝の前記撥水処理されていない底面と、該底面に接する前記ミラー溝の壁面とに接するように液状樹脂を供給し、該液状樹脂を硬化させてミラー支持体を形成する第3の工程と、硬化させた前記液状樹脂の傾斜面上に、反射膜を形成する第4の工程とを備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の前記第2の工程は、前記マスクとして蒸着マスクを用いて、前記基板垂直上方から自公転を加えながら、前記ミラー支持体を形成する領域に犠牲層材料を蒸着またはスパッタリングする工程と、前記犠牲層の少なくとも一部を含む所望の領域に撥水処理のための表面処理剤を形成する工程と、前記犠牲層を溶解することにより、前記表面処理剤を除去する工程とを含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の前記第2の工程は、前記マスクとして蒸着マスクを用いて、前記基板垂直上方から自公転を加えながら、前記ミラー支持体を形成する領域以外の領域に、撥水処理のための表面処理剤を蒸着またはスパッタリングする工程を含むことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項6、7および8に記載の前記蒸着マスクは、前記基板内における前記光路変換ミラーの位置と蒸着源との位置関係、および自公転の角度に応じて設計されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載の前記第2の工程は、撥水処理のための感光性の表面処理剤を全面に塗布する第21の工程と、前記マスクとして露光マスクを用いて露光・現像により、前記ミラー支持体を形成する領域に、前記表面処理剤をパターニングする第22の工程とを含むことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の前記第21の工程は、前記感光性の表面処理剤をスプレーコートによって塗布することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項10および11に記載の前記第21の工程は、前記感光性の表面処理剤を厚さ1μm以上3μm以下に塗布することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項10、11および12に記載の前記感光性の表面処理剤は、透明およびネガ型であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、斜め蒸着法を用いることなく、少なくとも溝の底面への表面処理膜のパターニングを行う。これによって、基板内の任意の位置にミラーをレイアウトすることができるとともに、高精度なミラー反射角度を設定することができる。また、ミラー溝の壁面の影を利用する斜め蒸着の代わりに、マスクを用いて撥水処理を行うので、溝の形状、ミラーの面方向の設計自由度が格段に向上する。
また、本発明によれば、レイアウトの自由度向上と併せて、高密度・狭ピッチなミラーの配列が可能となり、高い集積度の平面光導波回路を実現できる。さらに、複数の光導波路に対する一体形成、基板面内に湾曲したミラー形状に対応することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。はじめに、上述した従来の問題の根本的な原因は、ミラーの反射角度の精度と、基板内におけるミラーのレイアウト設計の自由度とがトレードオフの関係にある点にある。このため、自由度の高いミラー配置、高密度・狭ピッチな配置が困難になり、さらにはミラー構造の自由度も低くなる。そして、複数光導波路への一体的なミラー形成、基板面内で湾曲したミラーを高精度に作製することもできなかった。ところで、このようなトレードオフの関係が生じてしまうのは、従来の作製方法における斜め蒸着工程に起因することは明らかである。しかしながら、従来、液状樹脂に対して低接触角を与える領域を形成する方法として、斜め蒸着以外の方法は提案されていない。これは、40μm〜60μmと深い狭小な溝の底面に、液状樹脂に対して高接触角を呈する表面処理剤を高精度にパターニングする方法が知られていないためである。
従来の半導体プロセスで用いられる薄膜の高精度パターニング方法は、最初に、所望の薄膜の上層にフォトレジストを、スピンコート等によって均一な厚みに塗布する。その後、露光・現像工程を経てフォトレジストをパターニングし、これをマスクとして薄膜をエッチングする。このような方法は、3つの理由により、表面処理剤のパターニングには直接適用できない。第一の理由は、ミラーを形成する溝の深さが40〜60μmにも達し、かつ溝の最小幅も50μm程度と、極めて狭小でアスペクト比の高い溝を形成する必要がある。このような溝の底面に、精度の高いパターニングを行うことは、一般的に困難である。例えば、平面光導波回路の入出力構造として用いるミラーの反射角度精度は、±5°程度に抑えることが望ましい。この精度を得るためには、40μmの深さの溝の場合、溝の底面のパターニングを±3μm程度の精度で行う必要がある。このようなパターニング精度は、従来知られている方法では極めて困難である。
第二の理由は、より深刻かつ本質的なものである。パターニングすべき薄膜は、液状樹脂に対して高接触角、すなわち撥水・撥油性の表面処理剤である。すなわち、このような表面処理剤の表面に、やはり液状樹脂であるフォトレジスト等の材料を塗布すること自体がほとんど困難である。
第三の理由は、こうしたヌレ性の悪い表面処理皮膜は、エッチングによって除去することも一般的には容易ではないことである。発明者らの経験によれば、上述したシリコン油は、石油類の溶解剤によってウエットエッチングすることも可能である。しかし、溶解したシリコン油が、ミラー支持体を形成すべき低接触角領域に再付着してしまい、完全に除去することが難しいという問題があった。また、表面にマスク剤を一度付着させた高接触角領域のシリコン油の表面には、微小な粗さが残るため、低接触角領域と高接触角領域のヌレ性の差異を十分に確保できないという問題もあった。さらに、シリコン油では所望の高接触角を得ることが不十分なことも多いので、フッ素樹脂系の表面処理剤を用いることもある。しかし、フッ素樹脂は、耐薬品性に優れているため、一端硬化したフッ素系樹脂膜を除去する効果的な方法がない。以上の理由により、従来、斜め蒸着以外の方法は提案されていない。
(本実施形態の第1の方法)
これに対して、本願発明者らは、斜め蒸着法を用いることなく、少なくとも溝の底面へ撥水処理のための表面処理膜のパターニングが可能であることを見出した。すなわち、本実施形態の第1の方法の特徴は、斜め蒸着の代わりに、蒸着マスクを用いてミラーを形成する領域に、犠牲層材料を蒸着またはスパッタリングすることにある。この方法によれば、溝の側壁の影を利用せず、斜め方向からではなく基板垂直方向から蒸着またはスパッタリングすればよいので、溝の形状、ミラーの面方向の設計自由度が格段に向上する。
例えば、従来の方法では、ミラーの角度精度を不問にしても、ミラー面方向が対向したミラーを一括して処理することはできない。本発明の第一の方法によれば、ミラー面方向は任意に設定可能となり、かつ溝の側壁の形状と溝の底面の表面処理剤パターンとを独立に設計することができる。本発明の第一の方法によれば、基板垂直方向から蒸着すればよいので、斜め蒸着と比較すると、見かけ上、基板サイズが半減したことに相当する。従って、基板内の位置に応じて、個々のミラーに発生する角度のバラツキを、斜め蒸着法の場合のおよそ半分に抑えることができる。
また、基板垂直方向から蒸着するので、溝の側壁近傍の必要部位にのみ犠牲層を形成できるので、犠牲層のパターニングは一度の蒸着で終了することができ、工程を大幅に短縮することができる。さらに、垂直方向にパターニングするので、汎用的な蒸着装置を用いることができ、自公転ドームに複数の基板をとりつけて、一括して複数の基板をプロセス処理することができる。従って、特殊な装置を必要とせず、量産性を確保することができる。
このとき、蒸着マスクの開口を自公転した場合に、蒸着源と各ミラーとの位置関係を考慮して設計しておくことは、高精度なミラーを得るためには望ましい。本実施形態の第1の方法によれば、基板垂直方向から蒸着するので、斜め蒸着と比較すると、同一の基板サイズにおけるミラーの角度のバラツキを半減できる。しかしながら、4インチ基板の全面にわたって形成した複数のミラーにおいて、±5°以下のばらつきを求める場合には、やはり従来の斜め蒸着と同様の問題が生じるため、自公転を用いた蒸着中の蒸着源と各ミラーとの位置関係を考慮して、あらかじめ各ミラーの開口部の位置と形状を設計しておく必要がある。
なお、蒸着マスクを用いて深い溝の底面に薄膜のパターンを形成することは、フォトリソグラフィを用いない簡易プロセスとして知られている。しかしながら、本実施形態の第1の方法にかかる、蒸着マスクを用いてパターニングする方法を、犠牲層に適用することによって、狭小な深い溝の底面へ表面処理剤をパターニングする工程は、全く知られていない。蒸着マスクを用いたパターニングでは、蒸着の回り込みが問題となるため、フォトリソグラフィと比較してパターン精度が劣るからである。本発明の第一の方法によれば、高精度なミラーを形成するために、蒸着源と各ミラーとの位置関係を考慮した開口部の設計を行うことにより、溝の底面への高精度なパターニングが可能となる。
(本実施形態の第2の方法)
本実施形態の第2の方法は、蒸着マスクを用い、溝の底面の所望の領域に表面処理膜を蒸着またはスパッタリングによって直接付着させて、パターニングする。この方法によれば、犠牲層をパターニングした後に、犠牲層の上に表面処理膜を堆積し、リフトオフによって表面処理膜をパターニングするという本実施形態の第1の方法よりも、さらに工程を短縮することができる。また、狭小な溝の底面に、膜厚の自由度も高く均一な膜を形成することができるという効果も有する。
(本実施形態の第3の方法)
本実施形態の第3の方法の特徴は、感光性を付与した表面処理剤を用いることにある。この方法によれば、表面処理剤を塗布した後に、通常のフォトマスクを用いた露光、現像工程によりパターニングすることができ、極めて簡便に高精度なパターニングを行うことができる。このとき、表面処理剤は少なくとも露光波長に対して高い透明性を有し、露光された部位が現像後に残るネガ型であることが望ましい。すなわち、このような表面処理剤を用いれば、深くて狭小な溝の内部であっても、露光の際に影ができないので、壁面のごく近傍または壁面自体への露光が可能となる。
一方、壁面への露光は、底面と比較して大きく露光量が少なくなるため、壁面に十分な露光を行うことは容易ではない。壁面への露光に関してとりわけ問題になるのは、ミラーの支持体を形成する壁面である。この部分は、液状樹脂に対してヌレ性が高いことが必須であるので、高接触角を呈する表面処理剤を完全に除去する必要がある。そこで、上述したネガ型の表面処理剤を用いることにより、所望の壁面が露光されないようにフォトマスクを設計しておけば、ミラーの支持体を形成する壁面の表面処理剤を完全に除去することができる。
このような感光性の表面処理剤を溝に成膜する方法として、液状の感光性表面処理剤をスプレーコートする方法が効果的である。従来の工程では、スピンコートによって、表面処理剤を薄く塗布することを行っていたが、狭小な溝に薄く均一に成膜することが困難であった。従来の工程では、あらかじめ形成しておいた犠牲層とともに、表面処理剤をリフトオフすることによってパターニングしていた。そのため、スピンコートの回転数を上げて、溝の底面中央部の厚みをある程度薄くできれば、溝の底面中央部と溝の壁面近傍とで膜厚が均一でなくとも、ミラーを形成する上で問題にならなかった。ところが、感光性の表面処理剤を露光・現像によって直接パターニングする場合には、溝の底面の膜厚が均一でなければ、それに応じたパターン歪みが発生し、高精度なパターンが形成できない。加えて、表面処理剤に添加される感光基は、熱に弱いため、上述した本実施形態の第2の方法のように、固形材料を直接蒸着またはスパッタリングによって直接基板表面に成膜することも困難である。そこで、スプレーコートを適用することにより、表面処理剤を溝の底面に均一に塗布することができ、精度よくパターニングを行うことができる。
また、スプレーコートを用いた表面処理剤のパターニングにおいて、膜厚を1〜3μm程度とすることによって歩留まりよくミラーを作製することができる。従来のスピンコートを用いた方法では、膜厚の条件に厳しい制約はなく、ミラー底面の最も薄い部位でも0.1〜0.5μm程度の膜厚があれば十分である。ところが、スプレーコートを用いた場合には、0.5μm程度の厚さでは表面処理剤をパターニングした後に、液状樹脂を溝の内部に供給してミラーの支持体を形成する際に、少なくない頻度で液状樹脂が表面処理剤の境界線で止まらず、溝内部に流れ出してしまう。これは、溝の底面の粗さが加工した基板ロットごとに若干異なることが原因である。さらに、スプレーコートした表面処理剤の膜表面は、スピンコートした膜と比較して完全な平坦面ではなく、わずかに微小な粗さがある。スプレーコートでは、微小液滴を噴霧状態で基板表面に塗布するが、微小液滴は堆積と比較して表面積が極めて大きい。このため、噴霧中に微小液滴が乾燥してしまい、基板表面では流動性が低くなる。そして、液体の表面張力による滑らかな表面が形成されずに、微小液滴の形状がそのまま残るためだと考えられる。さらに、スピンコートでは基板ロットごとに溝のエッチング加工における粗さが多少異なっていても、液体の表面張力により平坦な底面を形成するのに対し、スプレーコートでは、表面張力によるメカニズムが働きにくく、底面の粗さが膜表面の粗さに反映されやすい。
このように、溝の底面に粗さが残っている場合には、底面の材料の有するヌレ性が変化してしまい、表面処理剤をパターニングした領域の高接触角を保てなくなる。そこで、表面処理剤の膜厚を1〜3μm程度とすれば、歩留まりよくミラーを作製することができる。ある程度の膜厚を塗布すれば、溝の底面の粗さを十分に平坦にし、液滴形状もくずれて、より平坦になるからである。ただし、溝の大きさにもよるが、表面処理剤の膜厚を3μm以上とすると、液体の流動性が発現して、溝の壁面近傍にたまりやすくなるため、膜厚の均一性の観点からは好ましくはない。
以下、具体的な実施例について詳細な説明を行う。なお、以下の実施例ではすべて、光導波路として石英系平面光導波回路を用い、光導波路上部にPDを設置することを想定して説明を行う。しかし、これは単に説明を容易にするためのものであって、本発明はこれに限定するものではなく、光導波路上部の素子、素子の実装構造に関しては特に限定しない。また、液状樹脂を供給する樹脂供給溝の構造、および供給方法に関しては、主として特許文献2、3に記載されたものを適用し、詳細を省略する。さらに、以下の実施例では、複数の構造と作製方法の中から、任意に組み合わせた例を述べるが、異なる構造と作製方法の組み合わせでも同様に実施できる。
図3に、本発明の実施例1にかかる平面光導波回路の構成を示す。石英系光導波路で作製した16チャネルのタップモニタ回路の例を示している。平面光導波回路は、光ファイバアレイに接続される、250μmピッチで配置された16個の入力ポート101−1〜101−16と、各々の入力ポート101(以下、添え字は省略する)に接続された16個の非対称マッハツェンダ干渉計102とを含む。非対称マッハツェンダ干渉計102は、光信号の90%のパワーを出力ポート103に分岐し、10%のパワーをタップポート105に分岐する。タップポート105に入力された光信号は、タップポート105の導波路端に設けられた光路変換ミラー104を介して、基板垂直上方に出力され、PDに入力される。一方、出力ポート103は、250μmピッチで配置され、光ファイバアレイに接続される。PDは、250μm間隔で受光径80μmの受光部を設けた8チャネルのモニタPDアレイである。このモニタPDアレイを2個実装して、16チャネルの光信号のパワーをモニタする。
図4に、本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの構成を示す。ミラーを形成するための溝(以下、ミラー溝という)140は、幅W=160μm、光軸方向の奥行きd=80μmである。タップポートである光導波路105の導波路端部141と対向する壁面に沿って、ミラーを形成するための斜面142が形成されている。光導波路105からの出射光があたる斜面142には、ミラー143が形成されている。また、斜面142の一端には、液状樹脂を供給する樹脂供給溝144が設けられている。この構成によれば、ミラー143の向きは、平面光導波回路内で全て同一であるので、光導波路を無用に引き回すことなくレイアウトできる。また、ミラー溝140の開口の形状は、光導波路105の光軸に対して基板面内で線対称の形状を有しているため、安定して均一なミラーを形成することができる。なお、この平面光導波回路は、4インチ基板に50個レイアウトすることができ、全ての平面光導波回路のミラーを、すべて同じ方向に配置することができる。ミラーの反射角度を測定したところ、基板内の配置によらず、基板垂直方向に対して45°±5°に収まる。
次に、光路変換ミラーの作製方法について説明する。最初に、Si基板上に30μmの下部クラッド層、6μmのコア層を火炎堆積法によって形成する。フォトリソグラフィとドライエッチングにより、光導波路の形状にコアを加工した後、上部クラッド層を堆積する。次に、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、幅W=160μm、奥行きd=80μm、深さ=50μmのミラー溝140と、これに連接した樹脂供給溝144とを形成する。このような作製工程は、従来の石英系光導波路の作製方法を適用できる。
図5に、本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す。図5(a)は、図4に示したミラー溝の断面を示す。下部クラッド層201、コア202および上部クラッド層203からなる光導波路と、ミラー溝204とが形成されている。予めミラー溝204の底面および壁面にわたって形成する斜面に対応した開口を有するメタルの蒸着マスク205を用意しておく。基板と蒸着マスク205との位置合わせを行って、蒸着装置に設置する。図5(b)に示したように、通常の自公転動作を行いながら、犠牲層207としてCrを蒸着する。次に、フッ素系の表面処理剤208をスピンコートにより塗布する(図5(c))。そして、Crをウエットエッチングにより溶解することにより、表面処理剤208をパターニングする。このようにして、少なくともミラー溝204の底面に、液状樹脂に対して高接触角を呈する領域209、すなわち表面処理剤208塗布された領域と低接触角を呈する領域210とを形成する。
ここで、図3に示したように、樹脂流路溝144から液状樹脂をミラー溝140(204)に流し込む。図5(e)に示したように、液状樹脂211は、流路を伝ってミラー溝204の所望の領域に達し、ミラー溝204の底面の低接触角を呈する領域210と、これに接する壁面との間にミラー支持体となる斜面を形成する。最後に、斜面の上に、反射材212を形成して、光路変換ミラーが完成する(図5(f))。反射材212は、Crを下層としてAuを蒸着する。
実施例1では、蒸着マスクの開口を自公転した場合に、蒸着源と各ミラーとの位置関係を考慮して設計しておく。光路変換ミラーの上部に設置するモニタPDの受光面が、反射材212から1mm程度とすると、ミラーの反射角度は、±5°程度の精度が必要になる。図6に、蒸着装置の概略の構成を示す。従来の自公転ドーム型の蒸着装置であって、蒸着源301と基板303を設置するドーム302との関係を示す。ドーム302は、蒸着源301を中心とした球面となるように設計されているので、各々の基板303の中心と蒸着源301との距離は一定である。しかし、基板303内に配置した各々の光路変換ミラーと蒸着源301との位置関係は、基板内のミラーの位置に応じて個々に異なる。
図7に、蒸着マスクの開口部の設計方法を示す。図7(a)に示した場合は、蒸着源301の方向が基板303の垂直上方からθ1だけずれている。このとき、ミラー溝204の底面と蒸着マスク205との間の距離をTとして、T×tan(θ1)だけ通常のパターンから開口を広げておけばよい。図7(b)に示した場合は、蒸着源301の方向が基板303の垂直上方からθ2だけずれている。このとき、ミラー溝204の底面と蒸着マスク205との間の距離をTとして、T×tan(θ2)だけ通常のパターンから開口を狭めておけばよい。基板上の各々の光路変換ミラーに対応する蒸着マスクの開口を、同様の手順で設計を行えばよい。また、実際の蒸着装置では、ドーム形状や基板の取り付け位置が蒸着源を中心とした球面からずれている場合もある。このような場合、基板からみると蒸着源がある周期運動をすることになり、刻々と蒸着源とミラーとの位置は変化する。そこで、蒸着源から到達する蒸着物質が、蒸着マスクの開口から基板面に付着する最も大きい面積が、所望のパターン形状となるように設計する。
図7(b)に示した場合には、ミラー溝204と蒸着源301との位置関係により、犠牲層、表面処理剤などの蒸着物質は、ミラー溝204の側壁の影となって、ミラー溝204の底面に到達しない。しかしながら、表面処理剤のパターンは、液状樹脂のヌレ性を低くして、樹脂の流れを止めることが目的であり、液状樹脂が斜面を形成する部分と、形成しない部分との境界線を形成できればよい。また、実施例1の方法では、概ね基板垂直上方から蒸着されることになるので、壁面の影となる領域は、壁面から10μm程度の微小な範囲である。
図8に、図7(b)に示した場合の犠牲層のパターンと液状樹脂のパターンとを示す。図8(a)に示すように、犠牲層207のパターンは、ミラー溝204の壁面から10μm程度の領域には形成されていない。この状態で、表面処理剤208を塗布して、ウエットエッチングを行い、表面処理剤208のパターニングを行う。そして、液状樹脂を供給すると、図8(b)に示すように、ミラー支持体となる斜面を形成することができる。
蒸着源と各ミラーとの位置関係を考慮すると、ミラー溝の深さが40〜70μmの場合、対応するミラー溝の横幅が120(〜150μm)以下になるとミラーの反射角度の精度に影響を及ぼす。これは、ミラー溝の両側の壁面に沿って液状樹脂が流れようとするので、ミラー支持体となる壁面に沿って斜面形状が歪むからである。従って、この影響を受けない程度にミラー溝の幅を設定する必要がある。実施例1では、250μmピッチで光路変換ミラーを配置する。さらに、隣接するミラー溝の間に3本以上の導波路をレイアウトしなければならない。従って、導波路間および導波路とミラー溝との間の距離を15〜20μmとすると、隣接するミラー溝の間隔は、60〜80μm以上必要となる。従って、ミラーの反射角度の精度と小型化とを両立する観点から、ミラー溝の横幅を120μm以上170μm以下とするのが好ましい。
実施例1によれば、基板内の任意の位置にミラーをレイアウトすることができ、高密度・狭ピッチな配列を有する平面光導波回路を実現することができる。また、従来の蒸着装置を用いて、一括してプロセス処理することができ、生産性を改善することもできる。
図9に、本発明の実施例2にかかる光路変換ミラーの構成を示す。実施例1と異なる点は、導波路端部と対向する壁面に沿って、ミラーを形成するための斜面402が形成されているだけでなく、ミラー溝401の両側の壁面にも斜面を形成している点である。ミラー支持体の形状をこのようにすると、ミラー403を形成する上で、ミラーの形状を安定して作製できるという利点がある。
この理由について述べる。実施例1に示したミラー溝の形状は、不要な斜面をなくすことによって、光路変換ミラーの小型化を図る。このためには、表面処理剤、液状樹脂の材質、表面処理のプロセス条件などを高度に制御して、常時変動のないように保つことが必要である。プロセス条件が安定していないと、ミラー溝の壁面の液状樹脂に対するヌレ性が変動してしまう。すると、ミラーを形成するための斜面は、ミラー溝の両側の壁面に沿って液状樹脂が流れようとするので、両側の壁面に沿って斜面形状が歪むことになる。この歪みが、プロセス誤差として作製するごとに異なると、ミラーの形状を安定して得ることができないという問題がある。これに対して、実施例2に示したミラー溝401の形状では、歪みが発生しやすいミラー斜面の端部を、ミラー403を形成する領域から離した設計とすることができる。また、ミラー溝401の開口の形状は、光導波路405の光軸に対して基板面内で線対称の形状を有しているため、安定して均一なミラーを形成することができる。
図10に、本発明の実施例3にかかる光路変換ミラーの構成を示す。ミラー溝411は、島状クラッド414を取り囲むように形成されている。島状クラッド414の周囲に、ミラー支持体となる斜面412を形成し、導波路415端部と対向する壁面に沿って、ミラー413を形成する。島状クラッド414には、液だめ416が形成され、液状樹脂を供給するようになっている。図1に示した従来の光路変換ミラーと異なる点は、ミラー溝411の少なくとも底面に、液状樹脂に対する高接触角領域と低接触角領域を設けていることである。底面の低接触角領域と壁面との間に、液状樹脂によるミラー支持体を形成することにより、高精度でかつ平坦なミラーを形成することができる。
実施例1および実施例2と異なる点は、小型化には適していないものの、実施例2と比較して、ミラーの形状を安定して形成できる点にある。ミラー溝の両側の壁面にわたって斜面を設ける場合、液状樹脂の表面張力によって壁面のコーナー部は丸く変形する。この度合いは、液状樹脂の粘性管理、表面処理剤のプロセス条件の安定性に依存し、これらのバランスによる。実施例3においては、このような壁面のコーナー部における変形が発生しにくいために、ミラーの形状を安定して形成できる。
図11に、本発明の実施例4にかかる光路変換ミラーの構成を示す。16本の光導波路425からの出射光を一括して反射するミラーを形成する。62.5μm間隔の等ピッチで平行に並べた16本の光導波路425の端部に、幅W=1.2mm、奥行きd=80μm、深さT=40μmのミラー溝421を一体で形成する。導波路端部と対向する壁面に沿って、最大傾斜角が45°となるミラーを形成する。この構成によれば、高密度にミラーを配置することができる。
図12に、本発明の実施例4にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す。図12(a)は、図11に示したミラー溝の断面を示す。実施例1と同様に、下部クラッド層221、コア222および上部クラッド層223からなる光導波路と、ミラー溝224とが形成されている。予めミラー溝224の高接触角領域に対応した開口を有するメタルの蒸着マスク225を用意しておく。基板と蒸着マスク225との位置合わせを行って、蒸着装置に設置する。図12(b)に示したように、通常の自公転動作を行いながら、液状樹脂に対して高接触角を呈する固体のフッ素系樹脂材料を表面処理剤として蒸着する。このようにして、少なくともミラー溝224の底面に、液状樹脂に対して高接触角を呈する領域と低接触角を呈する領域とを形成する。
ここで、図11に示したように、樹脂流路溝424から液状樹脂をミラー溝421(224)に流し込む。図12(c)に示したように、液状樹脂231は、流路を伝ってミラー溝224の所望の領域に達し、ミラー溝224の底面の低接触角を呈する領域と、これに接する壁面との間にミラー支持体となる斜面を形成する。最後に、斜面の上に、反射材232を形成して、光路変換ミラーが完成する(図12(d))。反射材232は、Crを下層としてAuを蒸着する。
実施例4によれば、表面処理剤のパターニングを一度の蒸着工程で行うことができるので、作製工程を短縮することができる。なお、フッ素系樹脂材料など、撥水・撥油性の有機材料を基板表面に直接蒸着しても十分な付着性が得られない。しかしながら、ミラーの作製工程においては、表面処理剤のパターンは、液状樹脂を止める工程のみに必要であり、長期にわたって使用することはない。すなわち、液状樹脂を硬化させた後は、不要であることから、十分に適用することができる。ミラー作製後に表面処理膜を除去する場合には、むしろ好都合である。
一方、実施例4は、ミラーの歪がやや大きくなる場合がある点で、実施例1と比較してデメリットを有する。図13に、蒸着マスクの開口部の設計方法を示す。図13(a)に示した場合は、図6に示した蒸着装置を用いた場合に、蒸着源の方向が基板の垂直上方からθ1だけずれている。このとき、ミラー溝224の底面と蒸着マスク225との間の距離をTとして、T×tan(θ1)だけ通常のパターンから開口を広げておけばよい。図13(b)に示した場合は、蒸着源の方向が基板の垂直上方からθ2だけずれている。このとき、ミラー溝224の底面と蒸着マスク225との間の距離をTとして、T×tan(θ2)だけ通常のパターンから開口を狭めておけばよい。図13(b)に示した場合には、ミラー溝224と蒸着源との位置関係により、表面処理剤は、ミラー溝224の側壁の影となって、ミラー溝224の底面に到達しない。この部分に沿って樹脂が流れ、ミラーの形状の歪みがやや大きくなるという問題がある。
図14に、図13(b)に示した場合の表面処理剤のパターンと液状樹脂のパターンとを示す。図14(a)に示すように、表面処理剤228のパターンは、ミラー溝224の壁面から10μm程度の領域には形成されていない。この状態で、液状樹脂を供給すると、図14(b)に示すように、ミラー溝224の側壁の壁面に沿って斜面の歪みが生ずる。そこで、側壁近傍の歪みが、ミラーを形成する領域にかからないように、16本の光導波路のうち最も外側の光導波路の光路と、ミラー溝224の側壁の壁面との距離を100μm以上とする。
図15に、本発明の実施例5にかかる光路変換ミラーの構成を示す。上述した実施例と異なる点は、ミラー433は、平坦ではなく、基板平面内で湾曲しており、レンズ機能を有する。ミラー溝431は、深さ40μmであり、斜面432は、光導波路435の端部を中心として半径80μmの円弧状に形成される。一方、ミラー溝431の底面には、高接触角領域と低接触角領域との境界線が、光導波路端を中心として半径40μmの円弧状になるように表面処理を施してある。ミラー433は、一方向のみではあるが、光導波路435からの出射光を、基板上方60μm程度の位置に集光するように出力することができる。実施例5によれば、このようなレンズ機能を付与することができるので、入出射光のビーム広がりを制御して外部の光デバイスとの接続性能を向上することができる。
図16に、本発明の実施例5にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す。図16(a)は、図15に示したミラー溝の断面を示す。実施例1と同様に、下部クラッド層241、コア242および上部クラッド層243からなる光導波路と、ミラー溝244とが形成されている。予めミラー溝244の高接触角領域に対応した開口を有する露光マスク246を用意しておく。表面処理剤として、ネガ型の感光性を付与した透明液体状のフッ素系樹脂剤を用いる。スプレー式コーターを用いて、表面処理剤を基板全面に1μmの厚さに塗布し、所定のプリベークを行う。露光マスク245を用いて露光・現像して高接触角を呈する表面処理パターンを形成する(図16(b),(c))。このようにして、少なくともミラー溝244の底面に、液状樹脂に対して高接触角を呈する領域と低接触角を呈する領域とを形成する。
ここで、図15に示したように、樹脂流路溝434から液状樹脂をミラー溝431(244)に流し込む。図16(c)に示したように、液状樹脂251は、流路を伝ってミラー溝244の所望の領域に達し、ミラー溝244の底面の低接触角を呈する領域と、これに接する壁面との間にミラー支持体となる斜面を形成する。最後に、斜面の上に、反射材252を形成して、光路変換ミラーが完成する(図16(d))。反射材252は、Crを下層としてAuを蒸着する。
実施例5によれば、蒸着やスパッタリング等の工程もなく、一度のフォトリソグラフィで表面処理剤のパターニングを完了することができるため、極めて簡便である。上述した蒸着による方法と比較すると、蒸着の際に影となる部分が生じないという利点もある。ただし、表面処理剤の塗布方法や、膜厚等の塗布条件、さらにはミラー形成領域から表面処理剤を確実に除去するための露光・現像工程などに関しては、本実施形態の第3の方法で述べたとおりである。
図17に、本発明の実施例6にかかる光路変換ミラーの構成を示す。実施例5と同様に、ミラー443は、平坦ではなく、斜面442に沿って湾曲しており、レンズ機能を有し、4本の光導波路445からの出射光を一括して反射する。20μm間隔の等ピッチで平行に並べた4本の光導波路445の端部に、深さT=40μmのミラー溝441を形成する。ミラーを形成する斜面442は、4本の導波路端の中央を中心として半径100μmの円弧状とし、ミラー溝441の底面には、高接触角領域と低接触角領域との境界線が光導波路端を中心として半径60μmの円弧状になるように表面処理を施してある。
斜面442には、最大傾斜角が45°で、光導波路445の端部に向かって凹面となるミラー443を形成する。このようなミラー443を用いれば、4本の光導波路からの出射光を、基板上方40〜80μm程度の位置に集光することができる。例えば、この位置に受光面がくるように1個のPDを配置して、4本の光導波路からの出射光を受光することができる。
図18に、本発明の実施例7にかかる平面光導波回路の構成を示す。図18(a)に示すアレイ導波路格子は、入力スラブ導波路502に接続された入力導波路501と、入力スラブ導波路502と出力スラブ導波路503とを接続する複数のアレイ導波路504とを有する。実施例7では、出力スラブ導波路503に接続される出力導波路を設ける代わりに、光路変換ミラーを用いて出力を取り出す。アレイ導波路格子の出力スラブ導波路503は、アレイ導波路504からの出力光の多光束干渉によって、それ自体がレンズとして機能している。アレイ導波路504からの出力光は、出力スラブ導波路503の端部の異なる位置に、波長に応じて集光される。
図18(b)に示すように、出力スラブ導波路503の端部に、45°の傾斜を有するミラー533を設けることにより、アレイ導波路格子によって分波した光信号を基板垂直方向に取り出すことができる。複数の出力導波路を出力スラブ導波路503に接続すると、隣接する出力導波路で干渉するなど、損失が発生する。実施例7によれば、ミラー533により、低損失で出力を取り出すことができる。
従来の光路変換ミラーの構造と作製方法とを示す図である。(a)は、ミラー溝を示す斜視図であり、(b)は、液状樹脂を滴下してミラー支持体を形成する方法を示す斜視図であり、(c)は、光路変換ミラーの構造を示す断面図である。 従来の光路変換ミラーの構造と作製方法とを示す図である。(a)は、光路変換ミラーの構造を示す斜視図であり、(b)は、光路変換ミラーの構造を示す断面図であり、(c)は、蒸着工程を説明するための模式図である。 本発明の実施例1にかかる平面光導波回路の構成を示す上面図である。 本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの構成を示す斜視図である。 本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す図である。 蒸着装置の概略の構成を示す図である。 蒸着マスクの開口部の設計方法を示す図である。 図7(b)に示した場合の犠牲層のパターンと液状樹脂のパターンとを示す図である。 本発明の実施例2にかかる光路変換ミラーの構成を示す図である。 本発明の実施例3にかかる光路変換ミラーの構成を示す斜視図である。 本発明の実施例4にかかる光路変換ミラーの構成を示す上面図である。 本発明の実施例4にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す図である。 蒸着マスクの開口部の設計方法を示す図である。 図13(b)に示した場合の表面処理剤のパターンと液状樹脂のパターンとを示す図である。 本発明の実施例5にかかる光路変換ミラーの構成を示す上面図である。 本発明の実施例5にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す図である。 本発明の実施例6にかかる光路変換ミラーの構成を示す上面図である。 本発明の実施例7にかかる平面光導波回路の構成を示す上面図である。
符号の説明
140,421,431 ミラー溝
141 導波路端部
142,422,432 斜面
143,423,433 ミラー
144,424,434 樹脂供給溝
201,221 下部クラッド層
202,222 コア
203,223 上部クラッド層
204,224 ミラー溝
205,225 蒸着マスク
246 露光マスク
207 犠牲層
208,228,248 表面処理剤
209 高接触角を呈する領域
210 低接触角を呈する領域
211,231,251 液状樹脂
212,232,252 反射材

Claims (13)

  1. 基板上に形成された平面光導波回路において、
    コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路と、
    該光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝であって、少なくとも該ミラー溝の底面に、該ミラー溝の壁面に接し、液状樹脂に対して接触角が小さい領域と、該領域に隣接する前記液状樹脂に対して接触角が大きい領域とを有するミラー溝と、
    該ミラー溝の内部に設けられ、前記光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーであって、前記液状樹脂を硬化させてなるミラー支持体と、該ミラー支持体に接して形成された反射体とから構成された光路変換ミラーとを備え、
    前記ミラー支持体は、前記接触角が小さい領域と、該領域に接する前記ミラー溝の壁面とに接して設けられ、および前記光導波路の光路に対して前記基板平面内で線対称に形成されていることを特徴とする平面光導波回路。
  2. 前記ミラー溝の深さは、40μm以上70μm以下であり、
    前記光導波路の光路に対して垂直方向の前記ミラー溝の幅は、120μm以上170μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の平面光導波回路。
  3. 前記光導波路は、複数の光導波路からなり、
    前記光路変換ミラーは、前記複数の光導波路の光路を一括して変換することを特徴とする請求項1に記載の平面光導波回路。
  4. 前記ミラー支持体は、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面と接続する側壁の壁面に接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平面光導波回路。
  5. 前記ミラー支持体が接して形成される前記ミラー溝の壁面は、前記光導波路の端部を中心として、前記基板平面内で湾曲し、前記接触角が小さい領域と前記接触角が大きい領域との境界線は、前記光導波路の端部を中心として、前記基板平面内で湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の平面光導波回路。
  6. 基板上に形成された平面光導波回路において、コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路を有し、該光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーを作製する平面光導波回路の作製方法であって、
    前記光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深くミラー溝を形成する第1の工程と、
    マスクを用いて、前記ミラー溝の少なくとも底面の一部を撥水処理する第2の工程と、
    前記ミラー溝の前記撥水処理されていない底面と、該底面に接する前記ミラー溝の壁面とに接するように液状樹脂を供給し、該液状樹脂を硬化させてミラー支持体を形成する第3の工程と、
    硬化させた前記液状樹脂の傾斜面上に、反射膜を形成する第4の工程と
    を備えたことを特徴とする平面光導波回路の作製方法。
  7. 前記第2の工程は、
    前記マスクとして蒸着マスクを用いて、前記基板垂直上方から自公転を加えながら、前記ミラー支持体を形成する領域に犠牲層材料を蒸着またはスパッタリングする工程と、
    前記犠牲層の少なくとも一部を含む所望の領域に撥水処理のための表面処理剤を形成する工程と、
    前記犠牲層を溶解することにより、前記表面処理剤を除去する工程と
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の平面光導波回路の作製方法。
  8. 前記第2の工程は、前記マスクとして蒸着マスクを用いて、前記基板垂直上方から自公転を加えながら、前記ミラー支持体を形成する領域以外の領域に、撥水処理のための表面処理剤を蒸着またはスパッタリングする工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の平面光導波回路の作製方法。
  9. 前記蒸着マスクは、前記基板内における前記光路変換ミラーの位置と蒸着源との位置関係、および自公転の角度に応じて設計されていることを特徴とする請求項6、7および8に記載の平面光導波回路の作製方法。
  10. 前記第2の工程は、
    撥水処理のための感光性の表面処理剤を全面に塗布する第21の工程と、
    前記マスクとして露光マスクを用いて露光・現像により、前記ミラー支持体を形成する領域に、前記表面処理剤をパターニングする第22の工程と
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の平面光導波回路の作製方法。
  11. 前記第21の工程は、前記感光性の表面処理剤をスプレーコートによって塗布することを特徴とする請求項10に記載の平面光導波回路の作製方法。
  12. 前記第21の工程は、前記感光性の表面処理剤を厚さ1μm以上3μm以下に塗布することを特徴とする請求項10および11に記載の平面光導波回路の作製方法。
  13. 前記感光性の表面処理剤は、透明およびネガ型であることを特徴とする請求項10、11および12に記載の平面光導波回路の作製方法。
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