JP6345153B2 - Siフォトニクス光波回路及びその製造方法 - Google Patents

Siフォトニクス光波回路及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、Siフォトニクス光波回路及びその製造方法に関し、より詳細には、光ファイバアレイブロックと接続可能なSiフォトニクス光波回路及びその製造方法に関する。
近年、各国において光通信を利用した各種サービス網が構築されつつあり、国内においても光加入者システムの導入やマルチメディアの実現に向けた、特にFTTH等の光通信網の開発が進められている。これらの光通信網のシステムには、低価格で信頼性に優れた高性能な集積型光部品が要求される。その代表的な部品に石英系プレーナ光波回路(PLC)がある。FTTHに必要な光スプリッタ等の光波回路はPLCにより作成され、光ファイバと接続される(例えば非特許文献1)。ここで、光ファイバは、ファイバブロックにより固定されて、PLCと接続される必要がある。
図1は、PLCと光ファイバアレイとの接続の様子を示す斜視図である。PLC110は、一例として、Si基板に光導波路を形成したビームスプリッタ111であり、ファイバブロック112により1本の光ファイバ113が接続される。一方、光ファイバアレイ120は、複数の光ファイバ121がガラスブロック122により固定されたものである。石英系プレーナ光回路と光ファイバアレイとは、ビームスプリッタ111の端面111−1とガラスブロック122の端面122−1との端面を付き合わせて、調芯され、接着剤等により固定される。
図2は、図1の光ファイバアレイ120の構造を示す図である。図2(a)は、光ファイバアレイ120の組み立ての様子を示す斜視図であり、図2(b)は、光ファイバアレイ120の端面を示す図である。光ファイバアレイ120は、ガラスブロック201に形成したV溝に光ファイバ芯線202を並べ、UV硬化型接着剤203を注入し、光ファイバ芯線202上にガラスブロック蓋204をかぶせて固定する。
図3は、PLCと光ファイバアレイとの接続部分を示す断面図である。光波回路310は、基板311上にビームスプリッタ312が形成される。ビームスプリッタ312は、光導波路コア313と、光導波路コア313を囲むガラスクラッド314とから形成される。一方で、光ファイバアレイ320は、図2に示すとおり、光ファイバ322がガラスブロック321とガラスブロック蓋324とにより挟まれている。基板311の端面311−1及びビームスプリッタ312の端面312−1は光学的に研磨される。同様に、ガラスブロック321の端面321−1、光ファイバ322の端面322−1、及びガラスブロック蓋324の端面324−1は光学的に研磨される。基板311の端面311−1及びビームスプリッタ312の端面312−1と、ガラスブロック321の端面321−1、光ファイバ322の端面322−1、及びガラスブロック蓋324の端面324−1とは、向かい合わされ、光導波路コア313と、光ファイバ322のコア323との中心が一致するように調芯され、結合される。
一方で、現在、PLCよりもさらに小型化された光波回路として、Siフォトニクスによる光波回路が研究・開発されている。Siフォトニクス光波回路は、半導体として広く使われるシリコンを材料に、微小な光導波路を作製した光波回路である。Siフォトニクスの場合、シリコン酸化膜やポリマー導波路に比べ屈折率が非常に大きいため、光の閉じ込めが強く、曲げ損失の影響を受けにくい。そのため極小半径の光回路が形成できるため、回路の小型化に非常に有利である。また、シリコンプロセスの進展により、nmオーダでの光導波路加工が容易となり、この微小な光導波路で構成した光波回路をプラットフォームとして、種々の光デバイスと組み合わせ小型で高機能な光通信用モジュールを実現することができる。しかし、Siフォトニクス光波回路を、光モジュールに組み込むためには、図2に記載のような光ファイバアレイと接続させる必要がある。
図4は、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとを接続させた場合の接続部分を示す図であり、図4(a)は、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続部分の断面図であり、図4(b)は、Siフォトニクス光波回路の上面透視図である。Siフォトニクス光波回路410は、Si基板411上のSiO2埋め込み層(クラッド層)415に埋め込まれたSi導波路コア412からなる光導波路413が形成されている。一方で、光ファイバアレイ420は、図1及び図2の光ファイバアレイ120と同一の構造であり、光ファイバ422がガラスブロック421とガラスブロック蓋424とにより挟まれている。
ここで、Siフォトニクス光波回路410の光導波路413のSi導波路コア412は、石英系ガラスにより形成された光導波路コアより細く、サブミクロンオーダー角である。このような細い光導波路は、通常の光ファイバとそのまま接続すると光結合損失が大きいので、光導波路端から出射される光のモードフィールド径を拡大して、光ファイバに入力する必要がある。Si導波路コア412端面から出射される光のモードフィールド径を拡大するために、一例として、図4(b)のように光導波路413のSi導波路コア412端面を狭テーパ型に形成したスポットサイズ拡大部を設ける。テーパ長は200μmであり、Si導波路コア412端面の反射を防止するため、光導波路413のSi導波路コア412端面と光導波路413端面との間には0.6μmのクラッド層(端面クラッド部414)を光学端面として配置する。端面クラッド部414と埋め込みクラッド層415は同じ材料のSiO2である。光導波路413のSi導波路コア412端にスポットサイズ拡大部を設けることにより、モードフィールド径は例えば3μmに拡大される。ここで、光導波路413のコア412と光ファイバ422との結合損失を低く抑えるために、コア412端面から光ファイバ422端面までの距離を1〜5μmとする必要がある。
「FTTHを支える光アクセス用PLC技術」NTT技術ジャーナル2005.5、[平成27年3月1日検索]、インターネット<URL:http://www.ntt.co.jp/journal/0505/files/jn200505016.pdf>
しかしながら、Siフォトニクス光波回路410の端部は、Si基板411の下側が突出しており、光導波路413のSi導波路コア412端面を光ファイバアレイ420の光ファイバ422端面に近づけることができない。このSi基板411の下側が出っ張っている理由を以下に説明する。
このSiフォトニクス光波回路410の光導波路413の端部及びSi基板411の端部は、光ファイバ結合損を低くするため、光導波路413のSi導波路コア412端部において端面クラッド部414が残される厚さを、例えば0.6μm厚とサブミクロン精度で制御する必要がある。従って、従来は、Siフォトニクス光波回路410の端部を、以下のように加工していた。
図5は、Siフォトニクス光波回路510の従来の製造工程を示す図である。図5(a)〜(c)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示し、(a)〜(c)は、Siフォトニクス光波回路510の、Si導波路513を通り、Siフォトニクス光波回路510の表面に垂直な方向の断面図で、Si導波路コア端部を拡大して記載している。(c)には、さらに光ファイバアレイ530の光ファイバ533のコア534を通り、光ファイバの配列方向と直交する方向の断面図を記載している。
工程501(図5(a))において、Si基板511上に複数の光導波路512をアレイ状に形成した、Siフォトニクス光波回路510を用意する。光導波路512のそれぞれのSi導波路コア513の先端部はテーパ状に形成されている。ここで、Si導波路コア512端面の反射を防止のため、まず、それぞれのSi導波路コア513の先端部に光学端面としてクラッド層(端面クラッド部514)を残して、光導波路512及びSi基板511上部を深堀エッチングにより除去する。具体的には、光導波路512のSi導波路コア513の先端部から0.6μmの位置を基準として、この基準位置からSi導波路コア513が形成されていない部分の光導波路512及びSi基板511上部を深堀エッチングにより除去する。深堀エッチングは、例えばボッシュプロセスによるサブミクロン制度のフォトリソ工程によって行われる。なお、通常Si基板の切断に使用されるダイシングソーの加工誤差(位置精度)は±5〜10μmであり、サブミクロン精度で制御できるフォトリソ工程に比べて加工精度が劣るため、サブミクロンの精度を要する端面クラッド部514の加工には利用できない。深堀エッチング加工後の光導波路512端面(エッチング加工により形成された面)を面Aとする。
工程502(図5(b))において、工程501の深堀エッチング加工により除去した残りの部分の一部を、ダイシングソー520によりSi基板垂直方向に切断する。工程501におけるボッシュプロセス等による深堀エッチングの深さは、実用的な加工時間等も考慮して、通常最大でも100μm程度の深さしか加工することができない。従って、エッチング加工後、残りの基板を、ダイシングソー520により切断する必要がある。工程502におけるSi基板511の切断面を面Bとする。
ここで、残りの基板を切断する際、光導波路端面を傷つけないように切断しなければならないため、加工誤差を考慮すると、少なくとも光導波路端である面Aから10μmより離れた位置にダイシングソー520の刃を合わせて切断する必要がある。この場合、端面を傷つけず、かつ端面付近を平らになるように切断しようとしても、加工誤差が±10μmとすると、図5(b)のように基板下側が最大20μm程度突出する。
工程503(図5(c))において、光ファイバアレイ530をSiフォトニクス光波回路510に接続する。ここで、図4(b)のような狭テーパ構造を有する光導波路は、光結合損失を低減するためにビームスポットの広がりを考慮すると、光ファイバ533端と光導波路512端は5μm以内に近づけることが望ましい。しかし、光回路端面に最大20μmの段差が存在するため、光導波路512端面である面Aを、光ファイバ533端面に5μm以内に近接させることができない。従って、従来のSiフォトニクス光波回路の製造工程においては、光導波路512端面と光ファイバ533端面との間に最大20μmの隙間ができ、光結合損失が劣化するという問題があった。
このような問題を解決するために、本発明の第1の態様は、上面に光波回路が形成されるSi基板において、前記Si基板上部と前記Si基板上面に形成された前記光波回路とを、エッチングにより除去する第1の工程と、前記第1の工程のエッチングにより除去されない前記Si基板に、前記Si基板の上面及び下面から視認できるマーカを形成する第2の工程と、前記第1の工程により除去されない前記Si基板を切断する位置を、前記マーカを基準とし位置決めする第3の工程と、前記第1の工程により除去されない前記Si基板を、前記Si基板の下面側から切断する第4の工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様のSiフォトニクス光波回路の製造方法であって、前記第3の工程は、前記第1の工程により形成された前記光波回路端面と前記マーカまでの距離である第1の距離を測定し、前記第1の距離に前記第4工程の切断加工誤差を加算した第2の距離を導出し、前記マーカから前記第2の距離だけ離れた位置に位置決めする工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様のSiフォトニクス光波回路の製造方法であって、前記マーカは、前記第1の工程で除去されない前記Si基板を、光の導波方向と垂直方向に切断した前記Si基板の切断面とすることを特徴とする。
また、本発明の第4の態様は、第1又は2の態様のSiフォトニクス光波回路の製造方法であって、前記マーカは、前記第1の工程で除去されない前記Si基板の側面に形成した溝であり、前記第1の距離は、前記溝内の前記光波回路が形成される側の面と前記光波回路端との距離であることを特徴とする。
また、本発明の第5の態様は、第1乃至第4の態様のいずれか1つのSiフォトニクス光波回路の製造方法であって、前記Si基板上面には前記光波回路が前記光波回路のない領域を挟んで直線状に複数形成され、前記第1の工程は、1回の前記エッチングにより隣接する前記光波回路の端面を同時に形成することを特徴とする。
また、本発明の第6の態様は、第1乃至第5の態様のいずれか1つのSiフォトニクス光波回路の製造方法であって、前記第1の工程により形成される前記光波回路の端面は、光の導波方向に対して傾斜した端面に形成されることを特徴とする。
また、本発明の第7の態様は、第1乃至第6の態様のいずれか1つのSiフォトニクス回路の製造方法であって、前記第1の工程において、前記第1の工程で形成される前記光波回路端面の前記光波回路端の領域に窪みを形成することを特徴とする。
また、本発明の第8の態様は、第1乃至第7の態様のいずれか1つのSiフォトニクス光波回路であって、前記光波回路の光導波路は、Si導波路コアと前記Si導波路コアを覆うクラッド層とからなり、前記Si導波路コア端部にスポットサイズ拡大部が形成され、前記スポットサイズ拡大部の先端に前記クラッド層が配置されていることを特徴とする。
また、本発明の第9の態様は、第1又は第8の態様のいずれか1つのSiフォトニクス光波回の製造方法であって、前記第1の工程で形成された前記光波回路端と光ファイバ端とは光結合され接続固定されることを特徴とする。
また、本発明の第10の態様は、Siフォトニクス光波回であって、Si基板と、前記Si基板上面にSi導波路コアと前記Si導波路コアを覆うクラッド層からなる光波回路とを有し、前記光波回路の光出射端側の端面は複数の面から構成され、前記光出射端側の前記端面の光導波路端を含む面が前記光出射側の最前面にあることを特徴とする。
また、本発明の第11の態様は、第10の態様のSiフォトニクス光波回であって、前記Si導波路コア端部にスポットサイズ拡大部が形成され、前記スポットサイズ拡大部の先端に前記クラッド層が配置されていることを特徴とする。
また、本発明の第12の態様は、第10又は第11の態様のSiフォトニクス光波回であって、前記光波回路の前記光出射端側の前記端面は、光の導波方向に対して傾斜した端面に形成されることを特徴とする。
また、本発明の第13の態様は、第10乃至第12の態様のいずれか1つのSiフォトニクス光波回であって、前記光波回路の前記光出射端側の前記Si基板面の前記光波回路の光出射端が配置される部分が窪んだ平面に形成されることを特徴とする。
本発明は、Siフォトニクス光波回路の光ファイバアレイとの接続部におけるSi基板側の突出部を無くすことにより、接触面が平坦な光ファイバブロックを用いて、光の結合損失の改善等、Siフォトニクス光波回路の光学特性を改善することを可能にする。
PLCと光ファイバアレイとの接続の様子を示す斜視図である。 図1の光ファイバアレイの構造を示す図である。(a)は、光ファイバアレイの組み立ての様子を示す斜視図であり、(b)は、光ファイバアレイの端面を示す図である。 石英系プレーナ回路と光ファイバアレイとの接続部分を示す断面図である。 Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続部分を示す図であり、(a)は、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続部分の断面図であり、(b)は、Siフォトニクス光波回路の上面透視図である。 Siフォトニクス光波回路の従来の製造工程を示す図である。図5(a)〜(c)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示す。 本発明の第1の実施形態にかかるSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。図6(a)〜(e)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示す。 図6(e)において、Siフォトニクス光波回路と光ファイバブロックとを接着固定する際、2種類の接着剤で接着固定した場合の図を示す。 本発明の第2の実施形態にかかるSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。(a)〜(d)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示す。 本発明の第3の実施形態にかかるSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。(a)〜(c)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示す。 本発明の第4の実施形態における、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続部分の上面透視図である。 本発明の第5の実施形態に係るSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。(a)〜(c)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示す。 本発明の第6の実施形態における、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続部分の上面透視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図6は、本発明の第1の実施形態にかかるSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。図6(a)〜(e)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示し、(a)〜(e)には、Siフォトニクス光波回路610のSi導波路コア613を通り、Siフォトニクス光波回路610の表面に垂直な方向の断面図のSi導波路コア613端部を拡大して記載し、(d)、(e)には、さらに光ファイバアレイ630の光ファイバのコア634を通り、光ファイバの配列方向と直交する方向の断面図を記載している。
工程601(図6(a))において、Si基板611上に光導波路612を形成した、Siフォトニクス光波回路610を用意する。光導波路612はSi導波路コア613とそれを取り囲むSiO2クラッド層615からなり、複数の光導波路612は、アレイ状に配置され、光導波路612のそれぞれのSi導波路コア613の先端部はテーパ状に形成されている。テーパ状のSi導波路コア613の先端部に光学端面としてクラッド層(端面クラッド部614)を残し、光導波路612及びSi基板611上部を深堀エッチングにより除去する。具体的には、テーパ状のSi導波路コア613の先端部から0.6μmの位置を基準として、Si導波路コア613が形成されていないクラッド層616及びSi基板611上部を深堀エッチングにより除去する。深堀エッチングは、例えばボッシュプロセスによって行われる。このとき、深堀エッチングの深さは、通常最大でもSiフォトニクス光波回路610上面から100μm程度である。エッチング加工後の光導波路612端面(エッチング加工により形成された面)を面Cとする。
工程602(図6(b))において、工程601の深堀エッチング加工により除去した残りの部分に、Si基板611表裏両方から視認可能な切断基準位置を示すマーカを形成する。本実施形態においては、工程601の深堀エッチング加工により除去した残りの部分の一部を、ダイシングソー620によりSi基板垂直方向に切断し、このSi基板の切断面をマーカとする。図6(b)において、破線で囲む部分がダイシングソー620により削られ除去される部分である。Si基板611の切断する位置については、図5のように光導波路612の端面(面C)に合わせる必要は無い。その後の工程により、端面形状の調整を行うからである。工程602におけるSi基板611の切断面を面Dとする。
工程603(図6(c))において、光導波路612端面(面C)から突出しているSi基板611を削除する。具体的には、Si基板611を裏返して、裏側からダイシングソー620を用いてSi基板611を切断する。この工程において、まず、Si基板611端面から光導波路612端面の距離、つまり面Cから面Dの光軸方向の距離(距離a)を測定し、切断位置を決定する。つまり、ダイシングソー620の位置決めを行う。切断位置は、工程602におけるダイシングソー620による切断面(面D)を基準として、面Cに対しダイシングソー620の加工誤差だけ光導波路612が形成される側に入った位置とし、Si基板611の裏面から、Si基板611の突出部を切断する。例えば、Si基板端面(面D)から光導波路端の距離aにダイシングソーの加工誤差を加えた位置にダイシングソー620を合わせる。光ファイバアレイ630とSiフォトニクス光波回路610とを接着固定することから、面Cより光導波路612側への切込は、できるだけ小さい方が良い。接着剤の硬化や湿度による膨潤による体積変化は接着剤の量が少ない方が小さいためである。Si基板端面から光導波路端の距離aに最大の加工誤差を加えた位置にダイシングソー620を位置合わせすれば、Si基板611下部の突出部は削除され、窪みが形成される。しかも、Si基板611下部の凹みは制御可能な範囲で最小とすることができる。また、このときのダイシングソー620の切断深さは、Si基板611内にとどめておき、光導波路612まで達しないようにする。具体的には、工程601の深堀エッチングの底、例えばSiフォトニクス光波回路610表面から100μmに加工誤差を加えて深さ位置を決める。Si基板611の破線で囲む部分がダイシングソー620により削られ除去される部分であり、例えば、ダイシングソーの切断深さは10μmオーダの精度で調整可能である場合には、Siフォトニクス光波回路610表面から最大90μmの位置まで削られる。ここで、工程603におけるダイシングソー620による切断面を面Eとする。
工程604(図6(d))は光ファイバアレイ630とSiフォトニクス光波回路610の近接配置工程である。具体的には、工程603で裏返したSi基板611を元の状態に戻して、光ファイバアレイ630とSiフォトニクス光波回路610とを光結合するように接続する。光ファイバアレイ630は、光ファイバ633をガラスブロック631とガラスブロック蓋632とにより挟んで、光ファイバを光の導波方向と垂直方向かつガラスブロック631水平面に(図6(d)紙面垂直方向)にアレイ状に配置したものである。接続は、光ファイバアレイ630をSiフォトニクス光波回路610に近接配置し、光導波路612のSi導波路コア613からの出射光のビームスポット中心が光ファイバ633のコア634の中心に一致するように位置を調整する。ここで、光導波路612と光ファイバ633との結合損失を低く抑えるために、光導波路612端面から光ファイバ633端面までの距離を1〜5μmとする必要があるが、Si基板611下部が窪んでいるため、光導波路612端面に光ファイバ633端面を1〜5μmの距離に近接させることが可能である。
工程605(図6(d))において、光ファイバアレイ630とSiフォトニクス光波回路610とを接着固定する。接着は、例えばUV硬化型接着剤640を用いて行うことができる。光導波路612端面と光ファイバ633端面との間の接着剤640の層厚は、光学端面(端面クラッド部614)の厚さよりも厚くなる場合も想定されるが、実際に接続実験を行ったところ、光導波路612端面と光ファイバ633端面との間の接着剤640の層厚が、例えば20μm程度に厚くなっても、Siフォトニクス光波回路610と光ファイバアレイ630との接続は、光結合損失、長期信頼性共に問題ないことを確認した。本実施形態の光導波路612端面と光ファイバ633端面との間は20μm以上に接続されることはないので、光結合損失や長期信頼性には問題ない。
図7は、図6の工程605において、Siフォトニクス光波回路610と光ファイバブロック630とを2種類の接着剤で接着固定した場合の図を示している。接着剤は、間隔が広いSi基板611の面Eとガラスブロック631との接続部と、間隔の狭い光導波路612端面(面C)と光ファイバ633端との接続部とで、異なる種類の接着剤を使い分ける。具体的には、間隔が広い面Eとガラスブロック631との接続部に使用する接着剤641は、間隔の狭い面Cと光ファイバ633端との接続部に使用する接着剤642に比べ、熱膨張係数がより小さいものを用いている。温度変化により接着剤は膨張するが、厚さの変化は、接着剤の厚さに比例する。従って、異なる間隔を同じ接着剤で接続固定する場合、間隔が広い面Eとガラスブロック631との接続部の方が、間隔の狭い面Cと光ファイバ633端との接続部よりも、温度変化による厚さ変動が大きい。温度変化による厚さ変動が生じると、光軸ずれによる光導波路612と光ファイバ633との光結合の損失の増大、及び両者の接続面への応力集中による、光導波路612と光ファイバ633の端面の劣化という問題がある。これらの問題は、Siフォトニクス光波回路の信頼性低下の原因となる。そのため、接着剤が厚くなる部分の接着剤641の熱膨張係数を接着剤の厚さが薄い部分の接着剤642に比べ小さくし、熱膨張の差を低減することで、Siフォトニクス光波回路610と光ファイバブロック630の変動が小さくなり、光軸の歪みや応力集中が抑制できるため、Siフォトニクス光波回路の高信頼化が実現できる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態1においては、図6(c)のSi基板611の面E形成工程(工程603)で、Si基板垂直方向の切断面(面D)を用いたが、第2の実施形態2においては、Si基板の側面に形成する溝をマーカとして用いている。
図8は、本発明の第2の実施形態にかかるSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。図6(a)〜(d)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示し、Si導波路コア813を含む、Siフォトニクス光波回路810表面に垂直な方向の断面図のSi導波路コア813端部を拡大して記載している。(d)には、さらに光ファイバアレイ830の光ファイバのコア834を通り、光ファイバの配列方向と直交する方向の断面図を記載している。
工程801(図8(a))において、Si基板811上に光導波路812をアレイ状に形成した、Siフォトニクス光波回路810を用意する。光導波路812はSi導波路コア813とそれを取り囲むSiO2クラッド層815からなり、光導波路812のそれぞれのSi導波路コア813の先端部はテーパ状に形成されている。テーパ状のSi導波路コア813の先端部に光学端面としてクラッド層(端面クラッド部814)を0.6μm残し、Si導波路コア613が形成されていないクラッド層816及びSi基板811上部を深堀エッチングにより除去する。このとき、深堀エッチングの深さは、通常最大でもSiフォトニクス光波回路810上面から100μm程度である。エッチング加工後の光導波路812端面を面Fとする。
工程802(図8(b))において、工程801の深堀エッチング加工により除去した残りの部分に、Si基板811表裏両方から視認可能な切断基準位置を示すマーカを形成する。具体的には、Si基板811をSi基板811の側面がダイシングソー820に相対するように設置し、(つまり、光の導波方向を中心軸として、90度回転させる)、Si基板811側面にダイシングソー820により溝を形成する。図8(b)においては、紙面垂直方向にダイシングソー820を上から下に移動し、マーカとなる面Gを含む溝を形成する。Si基板811をもとの向きに戻せば、ダイシングソー820のあるSi基板811上部からは、形成した溝が窪みとして視認できるため、後工程でのダイシングソー820の位置決めマーカとして利用できる。図8(b)において、実線で囲む部分がダイシングソー820により削られ除去される部分である。Si基板811の切断する位置は、作業の容易性などからダイシングソー820の切除領域2個分以内が好ましい。
なお、第2の実施形態において、ダイシングソー820により形成したSi基板811の側面の溝をSi基板811の表裏両方から見えるマーカの例として掲げたが、Si基板811の表裏両面から見える基準として用いることができれば、溝に限定されない。例えば、レーザを照射したマーカをSi基板811の側面につけても良く、その他の手段の傷、描画、塗布物であってもよい。
さらに、Si基板811の表裏両面から同一の位置基準として機能するものであれば、Si基板811の切断面及び側面といった構造にも限定されない。エッチングによりSi基板811を垂直に貫通するような穴であってもよい。あるいは校正することにより、結果的にSi基板811の表裏の位置を高精度に規定して、ダイシングソーの位置と光導波路端との位置を規定することが可能であれば、Si基板811表裏を垂直に交差する形状に限定されない。例えば一定角度傾いた溝やダイシング端面であってもSi基板811の裏表の位置ずれが把握されていれば、Si基板切断の基準位置として用いることができる。
工程803(図8(c))において、Si基板811の端面が光導波路812端面(面F)から突出しないように加工する。具体的には、Si基板811を裏返して、裏側からダイシングソー620を用いてSi基板611を切断する。この工程において、まず、Si基板811のマーカを示した溝の一端から光導波路812端面(面F)の距離bを測定する。次に、切断位置の決定、つまりダイシングソー820の位置決めを行う。光軸方向の切断位置は、工程802におけるダイシングソー820による切断位置(面Gの一端)を基準として、ダイシングソー820の加工誤差だけ、面Fから光導波路612が形成される側に入った位置とし、Si基板811の裏側からSi基板811の突出部を切断する。例えば、Si基板側面溝(面G)の一端から光導波路端(面F)の距離bにダイシングソーの加工誤差を加えた位置にダイシングソー820を合わせる。光ファイバアレイ830とSiフォトニクス光波回路810とを接着固定することから、面Fに対する面Hの光導波路812側辺の位置は、できるだけ小さい方が良い。接着剤の硬化や湿度による膨潤による体積変化は接着剤の量が少ない方が小さいためである。Si基板端面から光導波路端の距離bに最大の加工誤差を加えた位置にダイシングソー820を位置合わせすれば、Si基板811下部の突出は削除され、凹みが形成され、窪み深さも最小とすることができる。また、このときのダイシングソー820の切断深さは、Si基板811内にとどめておき、光導波路812まで達しないようにする。具体的には、工程801の深堀エッチングの底が、Siフォトニクス光波回路810表面から100μmの場合には、100μmに加工誤差を加えて深さ位置を決める。例えば、ダイシングソーの切断深さが10μmオーダの精度で調整可能である場合には、Si基板811の破線で囲む部分がダイシングソー820により削られ除去される部分であり、Siフォトニクス光波回路810表面から最大90μmの位置まで削られる。ここで、工程803におけるダイシングソー820による切断面を面Hとする。
工程804(図8(d))において、光ファイバアレイ830をSiフォトニクス光波回路810に接続する。接続後、光ファイバアレイ830とSiフォトニクス光波回路810とを接着固定する。この工程は、工程604と工程605と同様である。
[第3の実施形態]
Siフォトニクス光波回路の製造工程において、実際のSi基板上には、複数の光波回路を並べて形成し、ダイシングソーにより複数の回路に切断する。第3の実施形態は、複数のSiフォトニクス光波回路が並んで形成されたSi基板を切断するのに適用可能な製造方法を示す。
図9は、本発明の第3の実施形態にかかるSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。図9(a)〜(c)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示し、(a)〜(c)には、Siフォトニクス光波回路910のSi導波路コア913及び915を含む、Siフォトニクス光波回路910表面に垂直な方向の断面図を記載している。
工程901(図9(a))において、Si基板911上に光導波路912−1及び912−2が光の導波方向に直線状に形成された、Siフォトニクス光波回路910を用意する。光導波路912−1はSi導波路コア913−1とそれを取り囲むSiO2クラッド層914−1からなり、光導波路912−2はSi導波路コア913−2とそれを取り囲むSiO2クラッド層914−2からなる。また、Si導波路コアのないクラッド層915を挟んで光導波路912−1と光導波路912−2とは対向している。Si基板911水平面に光軸と直交する方向(図6(a)の紙面垂直方向)には、光導波路912−1及び912−2が複数アレイ状に配置されている。Si導波路コア913−1及び913−2のそれぞれの両端の先端部はテーパ状に形成されている。Si導波路コア913−1の両先端部には光学端面として0.6μmのクラッド層(端面クラッド916−1、916−2)を残し、またSi導波路コア913−2の両先端部には0.6μmのクラッド層(端面クラッド916−3)を残し、Si導波路コア913−1及び913−2が形成されていないクラッド層915、917及びSi基板911上部をボッシュプロセス等の深堀エッチングにより除去する。ここで、光の導波方向に隣り合う光導波路912−1と912−1との間には、深堀エッチングによる溝が形成されるが、この溝の幅は、ダイシングソーの刃の厚さ及びダイシングソーの基板水平方向の加工精度を考慮して、ダイシングソーの一度の切断により、基板下部の突出部分が形成されないように設計される。具体的には、ダイシングソーの刃の厚さから加工誤差を減じた幅で形成するのが良い。ダイシングソーの厚さはダイシングソーの選定により、端面間の距離はフォトリソ時のマスク設計により、共に所望の状態に設計可能である。エッチング加工後の光導波路912−1の導波路91−2と反対側の端面を端面Iと、光導波路912−1の導波路912−2側の端面を端面Jと、光導波路912−2の導波路912−1側の端面を端面Kとする。
工程902(図9(b))は対向する光導波路のない端面Iの加工工程を示す図であり、第1の実施形態の工程602と同様にSi基板611の切断面をマーカとしても良いし、第2の実施形態の工程802と同様に側面に溝を形成しても良い。図9(b)は工程602と同様にSi基板の切断面をマーカとした場合である。ここで、ダイシングソー920によりSi基板911を基板垂直方向に切断した切断面をL(端面I側)とする。図9(b)において、破線で囲む部分がダイシングソー920により削られ除去される部分である。
工程903(図9(c))において、Si基板911を裏返して、Si基板の裏面がダイシングソー920に相対するように設置し、ダイシングソー920を用いてSi基板911を削除する。具体的には、Si基板911のエッチング加工した溝(光導波路912−1と912−2との間の溝)の中心と、ダイシングソー920の中心を位置合わせし、裏面からSi基板911を切断する。次に、端面I部分を裏面からSi基板911を切断する。この工程は、第1の実施形態の工程603や第2の実施形態の工程803と同様である。本実施形態においては、面Lから端面Iの距離cを測定し、距離cに加工誤差を加えた位置にダイシングソー920をセットし、裏面からSi基板911を切断する。なお、面Lから端面Kの距離d(図の修正)を測定し、それを基準にダイシングソー920の位置決めを行っても良い。
なお、本例では、光導波路912−1と912−2との間の溝の距離と、ダイシングソー厚さを事前の設計・確認により、1回のダイシングで両方の端面が同じ形状で形成できるように設計している。そのため上述の方法により、1対の導波路端を、1回のダイシングで、共に同じ形状にすることが可能である。
さらに、Si基板911上に形成された、光導波路912−1及び912−2以外の光導波路についても、工程903における位置決め、切断を順次行うことにより、全く同一の光導波路端面出しを行うことが可能である。ダイシングソーによる切断では、事前に切断位置を指定すれば、Si基板(ウエハ)上、さらに多くの切断箇所をまとめて設定して自動に順次切断することが可能である。当然ウエハ全面に渡りさらに多くの光導波路端面の切断を、1回位置設定して、後は自動で順次切断していくことが可能である。
[第4の実施形態]
Siフォトニクス光波回路の光導波路端面の表面はクラッド層であり、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続は、UV硬化型の接着剤で行うため、わずかではあるが屈折率差が存在する。そのため、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続部分が図6(e)のような垂直端面では、反射戻り光が存在する。従って、反射戻り光を防ぐべく、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続面を、共に斜めに形成した例を、第4の実施形態とする。
図10は、本発明の第4の実施形態における、Siフォトニクス光波回路1010と光ファイバアレイ1020との接続部分の上面透視図である。本実施形態においては、Siフォトニクス光波回路1010のSi基板1011及び光導波路1012の光ファイバアレイ1020との接続面を、斜め角度として、Si基板1011水平方向に8度傾け、光導波路1012のコア1013を、127μmピッチで4アレイに配列している。すなわち、接続面はSi基板1011水平面に対し垂直な線を回転軸とし、光軸に対し8度の角度を有している。Siフォトニクス光波回路1010の接続面以外の構造や作製方法は、角度を持たせてエッチングやダイシングすること以外は、第1から第3の実施形態と共通である。
光ファイバアレイ1020についても、ガラスブロック1021の、Siフォトニクス光波回路との接続面をSi基板1011水平方向に8度傾けて切断、あるいは研磨することにより、図10のような斜め端面のSiフォトニクス光波回路及び光ファイバアレイを容易に作製可能である。
[第5の実施形態]
第4の実施形態においては、反射戻り光を防止するべく、光導波路及び光ファイバ端面を、Si基板水平方向に傾けたが、本実施形態においては、光導波路及び光ファイバ端面を、Si基板垂直方向に傾けることにより、反射戻り光を防止する。すなわち、Si基板の光導波路の配列方向の線を軸として接合面を回転させることで、反射戻り光を防止する。
図11は、本発明の第5の実施形態に係るSiフォトニクス光波回路の製造工程を示す図である。図11(a)〜(c)は、Siフォトニクス光波回路の各製造工程を示し、(a)〜(c)には、Siフォトニクス光波回路1110のSi導波路コア1113、1115を通り、Siフォトニクス光波回路1110の表面に垂直な方向の断面図のSi導波路コア1113、1115端部を拡大して記載し、(c)には、さらに光ファイバアレイ1130の光ファイバ配列方向と垂直方向かつ光の導波方向の断面図を記載している。
工程1101(図11(a))において、Si基板1111上に光導波路1112及び1114をそれぞれアレイ状に形成した、Siフォトニクス光波回路1110を用意する。それぞれの光導波路1112と1114のSi導波路コア1113及び1115のそれぞれの両先端部はテーパ状に形成されている。ここで、まず、Si導波路コア1113及び光Si導波路コア1115の先端部から0.6μmの位置を基準とすることは、実施形態1〜4と同様であるが、本実施形態では深堀エッチングのガス流量やガス圧などの条件を調節し、深いほど幅が広くなる溝形状を形成する。溝の深さは100μm程度であり、光導波路1112の端面の角度は光軸に対し垂直面と約8度である。光導波路1112と1114との間のエッチングによる溝の幅については、ダイシングソー1120の刃の厚さ及びダイシングソー1120の基板水平方向の加工精度を考慮して、ダイシングソー1120の一度の切断により、基板下部の突出部分が形成されないように設計するが、光ファイバアレイ1130との結合を考慮すると、接着面が平行になるように、光導波路1112の端面に合わせて切断する工程と光導波路1114の端面に合わせて切断する工程の2回に分けても良い。この場合、工程は増えるが光導波路1112と1114との距離の設計の自由度は増す。
工程1102(図11(b))において、Si基板1111を裏返して、ダイシングソー1120を用いてSi基板1111のエッチング加工した溝(光導波路1112と1114との間の溝)の部分を、Si基板1111裏面から切断する。ダイシングソー1120の位置決めについては、第1から第3の実施形態と共通する方法が使用される。ダイシングソー1120の位置決め完了後、治具等を利用してSi基板1111を光の導波方向に対して所望の角度傾け、ダイシングソー1120によりSi基板1111を切断する。Si基板1111の破線で囲む部分がダイシングソー1120により削られ除去される部分である。
工程1103(図11(c))において、光ファイバアレイ1130をSiフォトニクス光波回路1110に接続する。接続後、光ファイバアレイ1130とSiフォトニクス光波回路1110とを接着固定する。光ファイバアレイ1130のような斜め端面を持つ光ファイバブロックは、公知手段により既に商品化されており廉価で作製可能である。
[第6の実施形態]
第1から第5の実施形態のSiフォトニクス光波回路の光導波路端面は、従来のものに比べて、面積が狭く強度が弱い。したがって、Siフォトニクス光波回路と光ファイバブロックとが接触した際の、接触面の機械強度が懸念される。そのため、Siフォトニクス光波回路作製プロセスにおいて高精度に光導波路端面をエッチングする際、光導波路端面を窪んだ平面に形成し、光ファイバブロックが直接に光導波路端面に接触しないように形成すると、接触時による光導波路端面の破壊を防止することができる。
図12は、本発明の第6の実施形態における、Siフォトニクス光波回路と光ファイバアレイとの接続部分の上面透視図である。本実施形態においては、第4の実施形態のSiフォトニクス光波回路の光導波路端面をさらにエッチングにより窪んだ平面に形成される。
図12において、Siフォトニクス光波回路1210の光導波路1212の光ファイバアレイ1230との接続面を、Siフォトニクス光波回路をエッチングする際に窪んだ平面に形成する。光導波路端を窪んだ平面に形成される部分をM部とする。ここで、Siフォトニクス光波回路をエッチングする際のフォトリソグラフィーのエッチング工程は、サブミクロンの精度でエッチング可能であるため、例えばM部の窪みは1μm以下で形成することが可能であり、光結合損失の増加を最小限に抑えつつ、光導波路端に光ファイバブロックが接触するのを防ぐことが可能である。Siフォトニクス光波回路1210の接続面以外の構造や作成法は、第1から第3の実施形態と共通である。
[光導波路の作製方法概略]
光波回路は、まず、Si層(基板)、SiO2層(下部クラッド)、Si層(Si導波路)からなるSOI基板の上面のSi層を回路形状にエッチング加工し、細線のSi導波路からなる光波回路を形成する。例えば、異方性ドライ・エッチングによって、コア部を細線状に加工することができる。Si導波路コアのテーパ形状は、Si導波路コア上にフォトレジストでパターニングし、水酸化カリウム溶液や硝酸と過酸化水素水の混合液を用いたウェットエッチングによって形成する。最後に、下部のクラッド同じ材料(SiO2)で上部のクラッドとなるSiO2層を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって堆積し、光波回路は作製される。
110、310 PLC光波回路
111 ビームスプリッタ
112 ファイバブロック
113、121、322、422、533、633、833 光ファイバ
111−1、122−1、312−1、311−1、321−1、322−1、324−1、A〜L 端面
120、320、420、530、630、830、1020、1130、1230 光ファイバアレイ
122、201、321、421、631、831、1021 ガラスブロック
202 光ファイバ芯線
203、640、641、642 UV硬化型接着剤
204、324、424、632、832 ガラスブロック蓋
311、411、511、611、811、911、1011、1111 Si基板
312、413、512、612、812、912、914、1012、1112、1114、1212 光導波路
313 光導波路コア
412、513、613、813、913、915、1013、1113、1115 Si導波路コア
314 ガラスクラッド
323、423、634、834 光ファイバコア
410、510、610、810、910、1010、1110、1210 Siフォトニクス光波回路
414、514、614 端面クラッド部
415 クラッド層
520、620、820、920、1120 ダイシングソー
M 窪み

Claims (13)

  1. 上面に光波回路が形成されるSi基板において、
    前記Si基板上部と前記Si基板上面に形成された前記光波回路とを、エッチングにより除去する第1の工程と、
    前記第1の工程のエッチングにより除去されない前記Si基板に、前記Si基板の上面及び下面から視認できるマーカを形成する第2の工程と、
    前記第1の工程により除去されない前記Si基板を切断する位置を、前記マーカを基準とし位置決めする第3の工程と、
    前記第1の工程により除去されない前記Si基板を、前記Si基板の下面側から切断する第4の工程と
    を含むことを特徴とするSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  2. 前記第3の工程は、前記第1の工程により形成された前記光波回路端面と前記マーカまでの距離である第1の距離を測定し、前記第1の距離に前記第4工程の切断加工誤差を加算した第2の距離を導出し、前記マーカから前記第2の距離だけ離れた位置に位置決めする工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  3. 前記マーカは、前記第1の工程で除去されない前記Si基板を、光の導波方向と垂直方向に切断した前記Si基板の切断面とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  4. 前記マーカは、前記第1の工程で除去されない前記Si基板の側面に形成した溝であり、
    前記第1の距離は、前記溝内の前記光波回路が形成される側の面と前記光波回路端との距離であることを特徴とする請求項に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  5. 前記Si基板上面には前記光波回路が前記光波回路のない領域を挟んで直線状に複数形成され、
    前記第1の工程は、1回の前記エッチングにより隣接する前記光波回路の端面を同時に形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  6. 前記第1の工程により形成される前記光波回路の端面は、光の導波方向に対して傾斜した端面に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  7. 前記第1の工程において、前記第1の工程で形成される前記光波回路端面の前記光波回路端の領域に窪みを形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  8. 前記光波回路の光導波路は、Si導波路コアと前記Si導波路コアを覆うクラッド層とからなり、前記Si導波路コア端部にスポットサイズ拡大部が形成され、前記スポットサイズ拡大部の先端に前記クラッド層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  9. 前記第1の工程で形成された前記光波回路端と光ファイバ端とは光結合され接続固定されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のSiフォトニクス光波回路の製造方法。
  10. Si基板と、前記Si基板上面にSi導波路コアと前記Si導波路コアを覆うクラッド層からなる光導波路とを有し、
    前記光導波路の光出射端側の前記Si基板の端面は複数の面から構成され、前記複数の面のうち前記光導波路に隣接する面が最前面にあることを特徴とするSiフォトニクス光波回路。
  11. 前記Si導波路コア端部にスポットサイズ拡大部が形成され、前記スポットサイズ拡大部の先端に前記クラッド層が配置されていることを特徴とする請求項10に記載のSiフォトニクス光波回路。
  12. 前記光導波路の前記光出射端側の前記Si基板の端面は、光の導波方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項10又は11に記載のSiフォトニクス光波回路。
  13. 前記光導波路の前記光出射端が配置される部分が窪んだ平面に形成されることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のSiフォトニクス光波回路。
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