JP2004177674A - 光学デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学デバイスにおいて、光学部品の移動量を大きくし、かつ薄型化を可能にする。
【解決手段】光スイッチ本体である基板1に、凹部4と、可動ステージ5と、先端が可動ステージ5を向いている光ファイバ2a〜2dが設けられている。可動ステージ5は、凹部4内にある平面部5aと、平面部5aを凹部4の内周面に接続するバネ性の梁部5bとからなり、平面部5aにはミラー6と磁性体7が設けられている。電磁石3が基板1の側方にある。初期状態では、光ファイバ2a〜2dの中心にあるミラー6の反射により、光ファイバ2aから2bに至る光路と、光ファイバ2cから2dに至る光路が形成されている。電磁石3の駆動で可動ステージ5が磁力により移動すると、ミラー6が光路外に退出して、光ファイバ2aから2dに至る光路と、光ファイバ2cから2bに至る光路が形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】光スイッチ本体である基板1に、凹部4と、可動ステージ5と、先端が可動ステージ5を向いている光ファイバ2a〜2dが設けられている。可動ステージ5は、凹部4内にある平面部5aと、平面部5aを凹部4の内周面に接続するバネ性の梁部5bとからなり、平面部5aにはミラー6と磁性体7が設けられている。電磁石3が基板1の側方にある。初期状態では、光ファイバ2a〜2dの中心にあるミラー6の反射により、光ファイバ2aから2bに至る光路と、光ファイバ2cから2dに至る光路が形成されている。電磁石3の駆動で可動ステージ5が磁力により移動すると、ミラー6が光路外に退出して、光ファイバ2aから2dに至る光路と、光ファイバ2cから2bに至る光路が形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ装置、光減衰装置、光波長選択装置などの光学デバイスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信分野などにおいて様々な光学デバイスが使用されており、例えば、光ファイバ伝送路の光路の切り換えや遮断を行う光スイッチ装置として、複数の光ファイバとミラーを有する構成のものがある。
【0003】
特開2000−137177号公報には、図13,14に示すように、基板21上に複数の光ファイバ22a〜22dが平行に整列し、それらの先端部の前方に、2つの反射面(ミラー)23a,23bを組み合わせた可動反射部材23がカンチレバー24により上下動可能に配置されている構成の光スイッチ装置が開示されている。この構成では、カンチレバー24に磁性体25が設けられ、基板21の下方に電磁石26が設けられている。そして、電磁石26の作動によってカンチレバー24を上下させて、可動反射部材23が光ファイバ22b,22cの先端の前方に進入した状態とそこから退出した状態とを切り換えることができる。可動反射部材23が光ファイバ22b,22cの先端の前方に進入した状態では、反射面23a,23bが光ファイバ22a,22cからのビームの光路中に位置するため、固定されている反射面27a,27bと協働して、光ファイバ22aから光ファイバ22bへの光路と、光ファイバ22cから光ファイバ22dへの光路が形成される。これに対し、可動反射部材23が光ファイバ22b,22cの先端の前方から退出した状態では、反射面23a,23bが光ファイバ22a,22cの光路中に位置せず、その奥に固定されている反射面27a,27bのみが用いられて、光ファイバ22aから光ファイバ22dへの光路と、光ファイバ22cから光ファイバ22bへの光路が形成される。このようにして、光ファイバの光路を切り換えられる光スイッチ装置が構成されている。
【0004】
特開2002−116388号公報には、図15,16に示すように、基板31上に複数の光ファイバ32と、これらの先端部と対向可能な位置にある可動の支持部33と、支持部33上に設けられているミラー等の光学部品34と、支持部33を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられている静電アクチュエータの駆動部35a,35bを有する構成が開示されている。この静電アクチュエータは、固定された櫛形電極36a,36bと、支持部33に接続された板バネ38に一体的に形成されている櫛形フローティング電極37a,37bとからなる。この構成によると、一方の駆動部(例えば35a)に電圧を印加すると、その静電力によって、櫛形フローティング電極(例えば37a)と板バネ38と支持部33が引き寄せられ、他方の駆動部(例えば35b)に電圧を印加すると、その静電力によって、櫛形フローティング電極(例えば37b)と板バネ38と支持部33が反対側に引き寄せられることによって、スイッチング動作が行える。そして、いずれかの駆動部(例えば35a)に電圧が印加されて支持部33が引き寄せられたときに、光学部品34が光ファイバ32の光路上に位置し、他方の駆動部(例えば35b)に電圧が印加されて支持部33が引き寄せられたときに、光学部品34が光ファイバ32の光路から退出することによって、複数の光ファイバ32による光路の切り換え等が行われる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−137177号公報(段落[0029]〜[0032]、図1,6)
【特許文献2】
特開2002−116388号公報(段落[0014],[0026]〜[0027]、図1,4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した特許文献1の構成では、カンチレバー24および可動反射部材23を上下動させるために、電磁石26を基板21の上方や下方に配置しなければならず、基板21の厚さ方向の大型化を招く。これは、この光スイッチ装置を組み込むべき光学装置全体の微細化や高密度化の大きな妨げになる。また、カンチレバー24および可動反射部材23が必要以上に移動しすぎて破損することを防ぐために、基板21の上下にストッパー(図示せず)を設ける必要があるなど、部品点数の増加や構成の複雑化、ひいてはコストの上昇を招く。
【0007】
一方、特許文献2の構成では、基板31の厚さ方向に大型化する必要がなく、薄型化可能であるという大きな利点を有するとともに、部品点数の増加を必要としないが、静電力を利用する構成では支持部33の移動量が小さいという問題がある。すなわち、通常の設計によると、光学部品34の移動範囲は数十μm程度にしかできない。従って、ビーム径が100μm程度であるファイバコリメータなどのコリメート光学系を、この光デバイスに用いることができない。すなわち、この光デバイスでは、位置合わせが容易で組立工程などが簡単にできるために通常の光デバイスに多用されているコリメート光学系を用いることができず、より細い径のビームを取り扱うため、精緻で煩雑な組立作業が必要になり、製造コストが上昇する。また、コリメート光学系を用いられないため、ビームの拡がりを抑制する構造が必要になり、例えば、光ファイバ32の端面同士を近接させて配置したり、光ファイバ32の端面間を密封してマッチングオイルを注入したりする必要があるため、設計上の制約が大きくなるか、または構成が複雑になる。
【0008】
そこで本発明の目的は、薄型化が可能で、構成が簡単で組立が容易であるとともに、光学部品の十分大きな移動量が得られる光学デバイスとその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学デバイスは、基板と、基板上に配置されている複数の光ファイバと、基板内に設けられており水平方向に往復移動可能な可動ステージと、前記可動ステージに設けられている磁性体と、基板の側方に設けられており、磁性体に作用する磁力を発生可能な電磁石と、可動ステージ上に配置されており、電磁石の作動による可動ステージの移動に伴って少なくとも1本の光ファイバの光軸上の位置と光軸外の位置の間を移動可能な光学部品とを含むことを特徴とする。
【0010】
この構成によると、電磁石の作用により可動ステージを水平方向に移動することによって光学部品を光ファイバの光路上に位置させたり光路外へ退出させたりできるため、電磁石を基板の側方に配置して光スイッチ装置全体を薄型化することができる。また、磁力を用いているため可動ステージの移動量が大きく、光学系の選択の幅が広がり、構成の簡略化や製造方法の容易化が図れる。
【0011】
可動ステージは、基板と一体的に形成されており、基板に設けられた凹部内に位置する平面部と、平面部を凹部の内周面に接続するバネ性を有する梁部とからなる。これによって、梁部のバネ定数を小さくして、小さな力で可動ステージを移動できるようにして電磁石の消費電力を低くすることができる。また、共振周波数を高くして、可動ステージの移動を高速化することもできる。
【0012】
光学部品は、ミラー、プリズム、光遮蔽板、光学フィルタのうちのいずれかである。
【0013】
可動ステージの重心は3次元的な中心位置に存在することが好ましく、さらに、磁性体は、可動ステージの3次元的な中心位置に配置されていることが好ましい。これによって、可動ステージの移動時にねじり等が生じず平行移動する。
【0014】
また、凹部の内周面が可動ステージのストッパーとして作用すると、別部材としてストッパーを設ける必要がなく、構成および製造工程が簡略化できる。
【0015】
本発明の光学デバイスの製造方法は、基板をエッチングして、凹部を形成するとともに、凹部内に位置する平面部と、平面部を凹部の内周面に接続するバネ性を有する梁部とからなる可動ステージを基板に一体的に形成する工程と、可動ステージに磁性体を設ける工程と、可動ステージ上に光学部品を配置する工程と、基板上に複数の光ファイバを配置する工程と、基板の側方に、可動ステージを移動させて光学部品を少なくとも1本の光ファイバの光軸上の位置と光軸外の位置との間で移動させるために磁性体に及ぼす磁力を発生可能な電磁石を配置する工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
この製造方法では、基板のエッチングによって、光学部品と、光ファイバのガイド溝を同時に形成することができ、また、可動ステージの平面部および梁部とストッパー(凹部の内周面)とを同時に形成することができる。従って、これらの部材の相対位置精度が良好で、組立作業が非常に容易であるため、製造コストが削減できる。
【0017】
可動ステージに磁性体を設ける工程は、可動ステージの下面に設けられた円錐状凹部内に球状の磁性体を配置する工程であることが好ましい。すなわち、円錐状凹部に球状の磁性体を挿入すると、精度良く位置決めして互いに固定することができるため、可動ステージ全体の重心を中心位置に配置させることが容易かつ高精度にできる。それによって、可動ステージの移動時にねじれなどの余分な動きを生じない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の光学デバイスである光スイッチ装置の要部が、図1〜4に示されている。この光スイッチ装置は、光スイッチ装置本体である基板1と、基板1上に配置されている光ファイバ2a〜2dと、基板1の側方に配置されている電磁石3を有している。
【0020】
基板1は、上部基板1aと下部基板1bが酸化シリコン層1cを介して積層されたものであり、パターンエッチングによって、上部基板1aおよび下部基板1bを貫通する凹部4と、下部基板1bの一部からなる可動ステージ5が設けられている。可動ステージ5は、凹部4内に位置する平面部5aと、この平面部5aを凹部4の内周面に接続するバネ性を有する梁部5bとからなる。可動ステージ5の平面部5a上には、光学部品であるミラー6が配置されている。また、図2に示すように、可動ステージ5の平面部5aの下面側には円錐状凹部5cが形成されており、この円錐状凹部5c内に球状の磁性体7が配置されている。図3に示すように、基板1には、上部基板1aのパターンエッチングによってガイド溝8が形成されており、光ファイバ2a〜2dがこのガイド溝8内に挿入され、それぞれの先端部がミラー6に向くように配置されている。
【0021】
ここで、本実施形態における各部の寸法等の具体例を示す。基板1は、厚さが400〜500μm程度、幅が5〜20μm程度、長さが1〜3mm程度である。可動ステージ5の平面部5aの体積は0.2〜0.5mm3程度であり、梁部5bの幅は5〜10μm程度である。球状の磁性体7の直径は300〜500μm程度である。ミラー6の厚さは5〜10μm程度である。そして、磁性体7およびミラー6を含む可動ステージ5の重心が、3次元的にみて平面部5aの中心に位置するように構成されている。また、可動ステージ5の共振周波数が100〜5000Hz程度、バネ定数が0.1〜500N/m程度になっている。
【0022】
光ファイバ2a〜2dは、グレーデッドインデックス光ファイバ、GRINレンズ、セルフォックレンズ等を備えたコリメータ光学系であり、端面がクリーブまたは研磨により3〜8度程度傾斜させられ、反射防止コーティングが施されて、反射損失を減じてある。そして、各光ファイバ2a〜2dは、ミラー6までの距離と、可動ステージ5の中心線(A−A’線)に対する角度(5〜15度程度)が全てほぼ等しくなるように配置されており、光ファイバ2aと2dの端面間の距離と、光ファイバ2bと2cの端面間の距離(500μm〜3mm程度)も等しくなっている。
【0023】
基板1の側方には電磁石3が配置されている。この電磁石3は、従来から用いられている一般的な構成でよいため、模式的に図示し詳細な構造については説明を省略する。
【0024】
このような構成の光スイッチ装置において、初期状態では、図1に示すように、可動ステージ5の梁部5bは変形せず、平面部5a上のミラー6は、各光ファイバ2a〜2dの中心に位置する。従って、例えば、光ファイバ2aから出力されたビームはミラー6に反射されて光ファイバ2bに入射し、光ファイバ2cから出力されたビームはミラー6に反射されて光ファイバ2dに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2bに至る光路と、光ファイバ2cから2dに至る光路が形成されている。
【0025】
これに対し、電磁石3が駆動されて可動ステージ5の磁性体7に吸引力を及ぼすと、図4に示すように、バネ性を有する梁部5bが撓み変形して、平面部5aが電磁石3に近接する方向に移動する。これによって、平面部5a上のミラー6は、各光ファイバ2a〜2dの先端部に対向しない位置に移動する。すなわち、ミラー6は光ファイバ2a〜2dの光路から退出するため、例えば、光ファイバ2aから出力されたビームは直進して光ファイバ2dに入射し、光ファイバ2cから出力されたビームは直進して光ファイバ2bに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2dに至る光路と、光ファイバ2cから2bに至る光路が形成されている。なお、平面部5aが凹部4の内周面に当接するとそれ以上移動できず、凹部4の内周面がストッパーとして作用するため、可動ステージ5が移動し過ぎて損傷することがない。
【0026】
以上説明したように、電磁石3の作用により可動ステージ5を水平方向に移動することによって、光路の切り換えが行える。そして本実施形態によると、可動ステージ5の移動方向が水平方向、すなわち基板1の板面に平行な方向であるため、電磁石3を基板1の上方または下方ではなく、側方に配置でき、光スイッチ装置全体の薄型化が可能になるとともに、電磁石3の位置やその保持手段等に関する制約が小さくなる。また、静電力ではなく磁力を用いているため、可動ステージ5の移動量を大きくすることができる。従って、ビーム径の大きなコリメータ光学系を用いることができ、位置合わせが容易になり組立等の作業が容易になるとともに、光ファイバ2a〜2dの端面間の距離を長くすることができ、また、ビーム径の拡がり防止対策が不要になるなど、構成の簡略化や製造方法の容易化が可能になる。
【0027】
さらに、前記したように、各光ファイバ2a〜2dのミラー6までの距離とミラー6への入射角が一定であり、しかも、ミラー6の厚みが薄く、ミラー6へのビームの入射角が小さいため、ミラー6が光路中に介在する場合の光路長と介在しない場合の光路長がほぼ同一になり、挿入損失のばらつきが低く抑えられる。
【0028】
また、前記したように、バネ定数が小さいため、微小な磁束密度変化で可動ステージ5を移動させることができ、電磁石の低消費電力化が可能になる。そして、共振周波数が高いため、可動ステージ5の高速動作が可能でありスイッチング速度が速くなる。なお、バネ性を有する梁部5bは、様々な形状に形成することができ、幅を狭めて長さを長くしてバネ定数をより小さくしたり、逆に幅を広げて長さを短くして共振周波数をより高くすることもできる。また、図1〜4に示すように2本の梁部5bで平面部5aを両持ち状態にする構成に限られず、図5や図6に示すように1本または2本の梁部5bで平面部5aを片持ち状態にすることも可能である。これらは、様々な具体的条件に応じてその都度自由に設計することができる。
【0029】
次に、この光スイッチ装置の製造方法について、図7〜8を参照して説明する。この図7〜8では、図6に示すような鎖形状の梁部5bが設けられている。
【0030】
まず、図7(a)に示すように、シリコンからなる上部基板1aと下部基板1bとを、酸化シリコン層1cを介して積層して固定し、基板1を形成する。続いて、図7(b)に示すように、下部基板1bを下面側からエッチングして円錐状凹部5cを形成する。
【0031】
そして、図7(c)に示すように、上部基板1aの、凹部4になる部分をパターンエッチングにより除去する。このとき、ミラー6になる部分はエッチングせずに残しておくとともに、ガイド溝8を同時に形成する。ガイド溝8は、図3に示すような断面矩形状に限られず、V型溝であってもよい。同様に、図8(a)に示すように、下部基板1bの、凹部4になる部分をパターンエッチングにより除去する。ただしこのとき、可動ステージ5の平面部5aおよび梁部5bになる部分はエッチングせずに残しておく。なお、図7(c)と図8(a)に示すエッチング工程では、Deep−RIE(Deep Reactive Ion Etching)法を用いることにより、高アスペクト比(例えばエッチングの幅:深さ=1:100とする)で、垂直性良く高精度に形成する。また、表面粗さを小さくできる。これらのエッチング工程において、酸化シリコン層1cはエッチングストッパ層として作用する。
【0032】
それから、図8(b)に示すように、凹部4内の酸化シリコン層1cを、異なるエッチング液を用いるエッチング等によって除去する。図8(c)に示すように、円錐状凹部5c内に球状の磁性体7を配置する。本実施形態では、円錐状凹部5cに球状の磁性体7を挿入することによって、精度良く位置決めして互いに固定することができるため、前記したように、可動ステージ5全体の重心を中心位置に配置させることが容易かつ高精度にできる。ただし、このような構成に限られず、円錐状でなく角錐状や円柱状や角柱状の凹部であってもよく、板状などの磁性体であってもよい。磁性体7は、軟磁性体でも硬磁性体でも良い。接着方法は、接着剤を使用しても良いし、半田融着でも構わない。メッキやスパッタリングや蒸着やイオンプレーティング等によって膜成長させて形成してもよい。
【0033】
その後、図示しないが、ミラー6となる部分に金属膜(例えばAu/Cr膜)を蒸着し、各ガイド溝8に光ファイバ2a〜2dをそれぞれ配置し、基板1の側方に電磁石3を配置して、光スイッチ装置を完成させる。
【0034】
以上説明した製造方法では、上部基板1aのエッチングによって、ミラー6とガイド溝8を同時に形成するため、ミラー6と、ガイド溝8内に挿入される光ファイバ2a〜2dの相対位置精度が良好で挿入損失を低く抑えられるとともに、組立作業が非常に簡単になる。特に、前記したようにコリメータ光学系が採用されていると、より効果的である。同様に、下部基板1bのエッチングによって、平面部5aと梁部5bとストッパー(凹部4の内周面)を同時に形成するため、相対位置精度が良好であり、かつ組立作業が非常に容易になる。これらは、製造コストの削減に大きく寄与する。
【0035】
前記したようにDeep−RIE法を採用することによって、梁部5b等の端面が垂直性良く形成できるため、前記したように可動ステージ5の重心が中心に位置することと合わせて、可動ステージ5の移動時に梁部5bにねじれが生じず効率よく正確な移動が行えるという効果を生む。なお、Deep−RIE法の後に、フッ素硝酸や水酸化カリウム水溶液に代表されるアルカリ系シリコンエッチャントによるウエットエッチングや、熱酸化(熱酸化膜の形成およびエッチング)を行って、ミラー6の鏡面化を行ってもよい。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の光スイッチについて、図9〜12を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0037】
本実施形態では、基板1に、複数のガイド溝8と、これらのガイド溝8の前方につながる広い空間15が設けられており、このガイド溝8内に光ファイバ2a〜2dがそれぞれ平行に配列されている。そして、光ファイバ2a,2cの先端部の前方に固定ミラー9が斜めに(45度傾いて)配置されており、光ファイバ2b,2dの先端部の前方には、固定ミラー9とは反対側に斜めに(45度傾いた)凹部4が形成されている。そして、この凹部4内には、第1の実施形態と同様に、2本のバネ性を有する梁部5bとそれに支持された平面部5aとからなる可動ステージ5が設けられている。凹部4が基板1および光ファイバ2a〜2dに対して斜めに形成されているため、その中に位置する可動ステージ5も凹部4と平行に、基板1および光ファイバ2a〜2dに対して斜めに(45度傾いて)位置している。そして、この凹部4および可動ステージ5と平行に、電磁石3が配置されている。電磁石3と可動ステージ5との間の距離をできるだけ短くするために、基板1には切り欠き部1dが設けられている。
【0038】
本実施形態では、可動ステージ5の平面部5a上に、2つのミラー13a,13bが平行に配置されており、このミラー13a,13bは、可動ステージ5の移動方向に対して直角である。そして、出射側の光ファイバ2a,2cが固定ミラー9と対向し、入射側の光ファイバ2b,2dが可動ステージ5と対向するように並べられており、各光ファイバ2a〜2dの各先端部は、ファイバピッチと同じ長さだけ位置をずらして前進位置にあるものと後退位置にあるものとが交互に配置されている。
【0039】
以上説明したような構成であるため、本実施形態において、初期状態では、図9に示すように、可動ステージ5の梁部5bは変形せず、可動ステージ5は移動しない。従って、光ファイバ2aから空間15に向けて出力されたビームは、まず固定ミラー9に反射され、次いで可動ステージ5の平面部5a上のミラー13aに反射されて、光ファイバ2bに入射する。同様に、光ファイバ2cから空間15に向けて出力されたビームは、固定ミラー9に反射され、さらにミラー13bに反射されて、光ファイバ2dに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2bに至る光路と、光ファイバ2cから2dに至る光路が形成されている。
【0040】
これに対し、電磁石3が駆動されて可動ステージ5の磁性体7に吸引力を及ぼすと、図10に示すように、バネ性を有する梁部5bが撓み変形して、平面部5aが電磁石3に近接する方向に移動する。これによって、平面部5a上のミラー13a,13bのビームに対する相対位置が変わる。そして、光ファイバ2aから空間15に向けて出力されたビームは、固定ミラー9に反射され、次いで移動後のミラー13aの一方の端部付近に反射されて、光ファイバ2dに入射する。光ファイバ2cから空間15に向けて出力されたビームは、固定ミラー9に反射された後、ミラー13aの他方の端部付近に反射されて、光ファイバ2bに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2dに至る光路と、光ファイバ2cから2bに至る光路が形成されている。このとき、凹部4の内周面は、平面部5aが移動し過ぎないようにするストッパーとして作用する。
【0041】
以上の通り、本実施形態では、光ファイバ2a〜2dが基板1上に平行に並んだ構成において、電磁石3の作用により可動ステージ5を水平方向に移動して、光路の切り換えが行える。第1の実施形態と同様に、可動ステージ5の移動方向が水平方向であり、電磁石3を基板1の側方に配置でき、光スイッチ装置全体の薄型化が可能になるとともに、磁力を用いているため可動ステージ11の移動量が大きい。そして、ビーム径の大きなコリメータ光学系を用いることができ、構成の簡略化や製造方法の容易化が可能になる。
【0042】
また、前記したように、各光ファイバ2a〜2dの先端部の位置を互い違いにして固定ミラー9およびミラー13a,13bを適切な位置に配置することによって、初期状態における光ファイバ2aから2bに至る光路および光ファイバ2cから2dに至る光路と、可動ステージ11の移動時の光ファイバ2aから2dに至る光路および光ファイバ2cから2bに至る光路の、光路長が等しくなっている。従って、挿入損失のばらつきが低く抑えられる。なお、本実施形態では、このような効果を得るために、各光ファイバ2a〜2dを等ピッチで平行に並べ、光ファイバ2a,2bと光ファイバ2c,2dとの先端位置の差をこのピッチと等しくし、可動ステージ5の移動量をこのピッチの1/21/2に設定している。
【0043】
本実施形態の光スイッチ装置の製造方法は、第1の実施形態の光スイッチの製造方法とほぼ同じであるが、固定ミラー9は、空間15の内周面に金属膜を蒸着することによって形成される。なお、基板1は、第1の実施形態と同様に上部基板1aと下部基板1bが酸化シリコン層1cを介して積層されたものであってもよく、その場合、空間15は、上部基板1aのみをエッチングしてガイド溝8を形成する際に同時に形成すればよい。ガイド溝8は、図11に示すような断面矩形状に限られず、図12に示すようなV型溝であってもよい。
【0044】
以上説明した2つの実施形態は、本発明を採用した具体的構成を例示するものに過ぎず、本発明はこれらの構成に限定されるわけではない。例えば、光ファイバの数、相対位置関係、それぞれの用途(入射側または出射側など)や、可動ステージおよび電磁石の形態等については自由に変更することができる。
【0045】
また、前記した2つの実施形態では、ミラーを用いて複数の光ファイバの光路を切り換える光スイッチ装置の例を示しているが、これに限定されるものではない。光学部品として、ミラーに代えて光学フィルタを用いることによって光波長選択装置を構成したり、光遮蔽板を用いることによって光減衰装置を構成するような場合にも、本発明は適用可能である。すなわち、光学部品を乗せた可動ステージが水平方向に移動して、光学部品が光ファイバの光路上または光路外に選択的に位置することによって、何らかの状態切り換えを行う光学デバイス全般に関して、本発明を適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によると、電磁石の作用により可動ステージを水平方向に移動することによって、光学部品を光ファイバの光路上に進入および退出させることができる。この構成では、電磁石が基板の上下ではなく側方に配置されるため、光学デバイス全体の薄型化に寄与するとともに、構成を簡単にし製造工程を容易にすることができる。しかも、静電力ではなく磁力を用いて可動ステージを移動させるため、可動ステージの移動量を十分大きくすることができる。それに伴って、コリメータ光学系を採用することができるなど、設計の自由度が高まる。
【0047】
本発明の構成によると、可動ステージの梁部のバネ定数を小さくして、小さな力で移動可能にすることにより、電磁石の低消費電力化が図れる。また、その共振周波数を高くして、可動ステージの移動を高速化することができる。
【0048】
本発明の光学デバイスを製造する上で、光学手段とガイド溝を同時に形成し、可動ステージの平面部および梁部とそのストッパー(凹部の内周面)を同時に形成すると、相対位置精度が良好であり、かつ組立作業が非常に容易になり、製造コストの削減に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光スイッチ装置の要部平面図である。
【図2】図1のA−A’線断面図である。
【図3】図1のB−B’線断面図である。
【図4】図1に示す光スイッチ装置の、可動ステージ移動状態の要部平面図である。
【図5】図1に示す光スイッチ装置の梁部の他の例拡大図である。
【図6】図1に示す光スイッチ装置の梁部のさらに他の例の拡大図である。
【図7】図1に示す光スイッチ装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図8】図1に示す光スイッチ装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の光スイッチ装置の要部平面図である。
【図10】図9に示す光スイッチ装置の、可動ステージ移動状態の要部平面図である。
【図11】図9のC−C’線断面図である。
【図12】図9に示す光スイッチ装置のガイド溝の他の例を示す断面図である。
【図13】従来の光スイッチ装置の要部平面図である。
【図14】図13に示す光スイッチ装置の断面図である。
【図15】従来の光スイッチ装置の他の例の要部平面図である。
【図16】図15に示す光スイッチ装置の拡大図である。
【符号の説明】
1 基板
2a〜2d 光ファイバ
3 電磁石
4 凹部
5 可動ステージ
5a 平面部
5b 梁部
5c 円錐状凹部
6 ミラー
7 磁性体
8 ガイド溝
9 固定ミラー
13a,13b ミラー
15 空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ装置、光減衰装置、光波長選択装置などの光学デバイスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信分野などにおいて様々な光学デバイスが使用されており、例えば、光ファイバ伝送路の光路の切り換えや遮断を行う光スイッチ装置として、複数の光ファイバとミラーを有する構成のものがある。
【0003】
特開2000−137177号公報には、図13,14に示すように、基板21上に複数の光ファイバ22a〜22dが平行に整列し、それらの先端部の前方に、2つの反射面(ミラー)23a,23bを組み合わせた可動反射部材23がカンチレバー24により上下動可能に配置されている構成の光スイッチ装置が開示されている。この構成では、カンチレバー24に磁性体25が設けられ、基板21の下方に電磁石26が設けられている。そして、電磁石26の作動によってカンチレバー24を上下させて、可動反射部材23が光ファイバ22b,22cの先端の前方に進入した状態とそこから退出した状態とを切り換えることができる。可動反射部材23が光ファイバ22b,22cの先端の前方に進入した状態では、反射面23a,23bが光ファイバ22a,22cからのビームの光路中に位置するため、固定されている反射面27a,27bと協働して、光ファイバ22aから光ファイバ22bへの光路と、光ファイバ22cから光ファイバ22dへの光路が形成される。これに対し、可動反射部材23が光ファイバ22b,22cの先端の前方から退出した状態では、反射面23a,23bが光ファイバ22a,22cの光路中に位置せず、その奥に固定されている反射面27a,27bのみが用いられて、光ファイバ22aから光ファイバ22dへの光路と、光ファイバ22cから光ファイバ22bへの光路が形成される。このようにして、光ファイバの光路を切り換えられる光スイッチ装置が構成されている。
【0004】
特開2002−116388号公報には、図15,16に示すように、基板31上に複数の光ファイバ32と、これらの先端部と対向可能な位置にある可動の支持部33と、支持部33上に設けられているミラー等の光学部品34と、支持部33を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられている静電アクチュエータの駆動部35a,35bを有する構成が開示されている。この静電アクチュエータは、固定された櫛形電極36a,36bと、支持部33に接続された板バネ38に一体的に形成されている櫛形フローティング電極37a,37bとからなる。この構成によると、一方の駆動部(例えば35a)に電圧を印加すると、その静電力によって、櫛形フローティング電極(例えば37a)と板バネ38と支持部33が引き寄せられ、他方の駆動部(例えば35b)に電圧を印加すると、その静電力によって、櫛形フローティング電極(例えば37b)と板バネ38と支持部33が反対側に引き寄せられることによって、スイッチング動作が行える。そして、いずれかの駆動部(例えば35a)に電圧が印加されて支持部33が引き寄せられたときに、光学部品34が光ファイバ32の光路上に位置し、他方の駆動部(例えば35b)に電圧が印加されて支持部33が引き寄せられたときに、光学部品34が光ファイバ32の光路から退出することによって、複数の光ファイバ32による光路の切り換え等が行われる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−137177号公報(段落[0029]〜[0032]、図1,6)
【特許文献2】
特開2002−116388号公報(段落[0014],[0026]〜[0027]、図1,4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した特許文献1の構成では、カンチレバー24および可動反射部材23を上下動させるために、電磁石26を基板21の上方や下方に配置しなければならず、基板21の厚さ方向の大型化を招く。これは、この光スイッチ装置を組み込むべき光学装置全体の微細化や高密度化の大きな妨げになる。また、カンチレバー24および可動反射部材23が必要以上に移動しすぎて破損することを防ぐために、基板21の上下にストッパー(図示せず)を設ける必要があるなど、部品点数の増加や構成の複雑化、ひいてはコストの上昇を招く。
【0007】
一方、特許文献2の構成では、基板31の厚さ方向に大型化する必要がなく、薄型化可能であるという大きな利点を有するとともに、部品点数の増加を必要としないが、静電力を利用する構成では支持部33の移動量が小さいという問題がある。すなわち、通常の設計によると、光学部品34の移動範囲は数十μm程度にしかできない。従って、ビーム径が100μm程度であるファイバコリメータなどのコリメート光学系を、この光デバイスに用いることができない。すなわち、この光デバイスでは、位置合わせが容易で組立工程などが簡単にできるために通常の光デバイスに多用されているコリメート光学系を用いることができず、より細い径のビームを取り扱うため、精緻で煩雑な組立作業が必要になり、製造コストが上昇する。また、コリメート光学系を用いられないため、ビームの拡がりを抑制する構造が必要になり、例えば、光ファイバ32の端面同士を近接させて配置したり、光ファイバ32の端面間を密封してマッチングオイルを注入したりする必要があるため、設計上の制約が大きくなるか、または構成が複雑になる。
【0008】
そこで本発明の目的は、薄型化が可能で、構成が簡単で組立が容易であるとともに、光学部品の十分大きな移動量が得られる光学デバイスとその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学デバイスは、基板と、基板上に配置されている複数の光ファイバと、基板内に設けられており水平方向に往復移動可能な可動ステージと、前記可動ステージに設けられている磁性体と、基板の側方に設けられており、磁性体に作用する磁力を発生可能な電磁石と、可動ステージ上に配置されており、電磁石の作動による可動ステージの移動に伴って少なくとも1本の光ファイバの光軸上の位置と光軸外の位置の間を移動可能な光学部品とを含むことを特徴とする。
【0010】
この構成によると、電磁石の作用により可動ステージを水平方向に移動することによって光学部品を光ファイバの光路上に位置させたり光路外へ退出させたりできるため、電磁石を基板の側方に配置して光スイッチ装置全体を薄型化することができる。また、磁力を用いているため可動ステージの移動量が大きく、光学系の選択の幅が広がり、構成の簡略化や製造方法の容易化が図れる。
【0011】
可動ステージは、基板と一体的に形成されており、基板に設けられた凹部内に位置する平面部と、平面部を凹部の内周面に接続するバネ性を有する梁部とからなる。これによって、梁部のバネ定数を小さくして、小さな力で可動ステージを移動できるようにして電磁石の消費電力を低くすることができる。また、共振周波数を高くして、可動ステージの移動を高速化することもできる。
【0012】
光学部品は、ミラー、プリズム、光遮蔽板、光学フィルタのうちのいずれかである。
【0013】
可動ステージの重心は3次元的な中心位置に存在することが好ましく、さらに、磁性体は、可動ステージの3次元的な中心位置に配置されていることが好ましい。これによって、可動ステージの移動時にねじり等が生じず平行移動する。
【0014】
また、凹部の内周面が可動ステージのストッパーとして作用すると、別部材としてストッパーを設ける必要がなく、構成および製造工程が簡略化できる。
【0015】
本発明の光学デバイスの製造方法は、基板をエッチングして、凹部を形成するとともに、凹部内に位置する平面部と、平面部を凹部の内周面に接続するバネ性を有する梁部とからなる可動ステージを基板に一体的に形成する工程と、可動ステージに磁性体を設ける工程と、可動ステージ上に光学部品を配置する工程と、基板上に複数の光ファイバを配置する工程と、基板の側方に、可動ステージを移動させて光学部品を少なくとも1本の光ファイバの光軸上の位置と光軸外の位置との間で移動させるために磁性体に及ぼす磁力を発生可能な電磁石を配置する工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
この製造方法では、基板のエッチングによって、光学部品と、光ファイバのガイド溝を同時に形成することができ、また、可動ステージの平面部および梁部とストッパー(凹部の内周面)とを同時に形成することができる。従って、これらの部材の相対位置精度が良好で、組立作業が非常に容易であるため、製造コストが削減できる。
【0017】
可動ステージに磁性体を設ける工程は、可動ステージの下面に設けられた円錐状凹部内に球状の磁性体を配置する工程であることが好ましい。すなわち、円錐状凹部に球状の磁性体を挿入すると、精度良く位置決めして互いに固定することができるため、可動ステージ全体の重心を中心位置に配置させることが容易かつ高精度にできる。それによって、可動ステージの移動時にねじれなどの余分な動きを生じない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の光学デバイスである光スイッチ装置の要部が、図1〜4に示されている。この光スイッチ装置は、光スイッチ装置本体である基板1と、基板1上に配置されている光ファイバ2a〜2dと、基板1の側方に配置されている電磁石3を有している。
【0020】
基板1は、上部基板1aと下部基板1bが酸化シリコン層1cを介して積層されたものであり、パターンエッチングによって、上部基板1aおよび下部基板1bを貫通する凹部4と、下部基板1bの一部からなる可動ステージ5が設けられている。可動ステージ5は、凹部4内に位置する平面部5aと、この平面部5aを凹部4の内周面に接続するバネ性を有する梁部5bとからなる。可動ステージ5の平面部5a上には、光学部品であるミラー6が配置されている。また、図2に示すように、可動ステージ5の平面部5aの下面側には円錐状凹部5cが形成されており、この円錐状凹部5c内に球状の磁性体7が配置されている。図3に示すように、基板1には、上部基板1aのパターンエッチングによってガイド溝8が形成されており、光ファイバ2a〜2dがこのガイド溝8内に挿入され、それぞれの先端部がミラー6に向くように配置されている。
【0021】
ここで、本実施形態における各部の寸法等の具体例を示す。基板1は、厚さが400〜500μm程度、幅が5〜20μm程度、長さが1〜3mm程度である。可動ステージ5の平面部5aの体積は0.2〜0.5mm3程度であり、梁部5bの幅は5〜10μm程度である。球状の磁性体7の直径は300〜500μm程度である。ミラー6の厚さは5〜10μm程度である。そして、磁性体7およびミラー6を含む可動ステージ5の重心が、3次元的にみて平面部5aの中心に位置するように構成されている。また、可動ステージ5の共振周波数が100〜5000Hz程度、バネ定数が0.1〜500N/m程度になっている。
【0022】
光ファイバ2a〜2dは、グレーデッドインデックス光ファイバ、GRINレンズ、セルフォックレンズ等を備えたコリメータ光学系であり、端面がクリーブまたは研磨により3〜8度程度傾斜させられ、反射防止コーティングが施されて、反射損失を減じてある。そして、各光ファイバ2a〜2dは、ミラー6までの距離と、可動ステージ5の中心線(A−A’線)に対する角度(5〜15度程度)が全てほぼ等しくなるように配置されており、光ファイバ2aと2dの端面間の距離と、光ファイバ2bと2cの端面間の距離(500μm〜3mm程度)も等しくなっている。
【0023】
基板1の側方には電磁石3が配置されている。この電磁石3は、従来から用いられている一般的な構成でよいため、模式的に図示し詳細な構造については説明を省略する。
【0024】
このような構成の光スイッチ装置において、初期状態では、図1に示すように、可動ステージ5の梁部5bは変形せず、平面部5a上のミラー6は、各光ファイバ2a〜2dの中心に位置する。従って、例えば、光ファイバ2aから出力されたビームはミラー6に反射されて光ファイバ2bに入射し、光ファイバ2cから出力されたビームはミラー6に反射されて光ファイバ2dに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2bに至る光路と、光ファイバ2cから2dに至る光路が形成されている。
【0025】
これに対し、電磁石3が駆動されて可動ステージ5の磁性体7に吸引力を及ぼすと、図4に示すように、バネ性を有する梁部5bが撓み変形して、平面部5aが電磁石3に近接する方向に移動する。これによって、平面部5a上のミラー6は、各光ファイバ2a〜2dの先端部に対向しない位置に移動する。すなわち、ミラー6は光ファイバ2a〜2dの光路から退出するため、例えば、光ファイバ2aから出力されたビームは直進して光ファイバ2dに入射し、光ファイバ2cから出力されたビームは直進して光ファイバ2bに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2dに至る光路と、光ファイバ2cから2bに至る光路が形成されている。なお、平面部5aが凹部4の内周面に当接するとそれ以上移動できず、凹部4の内周面がストッパーとして作用するため、可動ステージ5が移動し過ぎて損傷することがない。
【0026】
以上説明したように、電磁石3の作用により可動ステージ5を水平方向に移動することによって、光路の切り換えが行える。そして本実施形態によると、可動ステージ5の移動方向が水平方向、すなわち基板1の板面に平行な方向であるため、電磁石3を基板1の上方または下方ではなく、側方に配置でき、光スイッチ装置全体の薄型化が可能になるとともに、電磁石3の位置やその保持手段等に関する制約が小さくなる。また、静電力ではなく磁力を用いているため、可動ステージ5の移動量を大きくすることができる。従って、ビーム径の大きなコリメータ光学系を用いることができ、位置合わせが容易になり組立等の作業が容易になるとともに、光ファイバ2a〜2dの端面間の距離を長くすることができ、また、ビーム径の拡がり防止対策が不要になるなど、構成の簡略化や製造方法の容易化が可能になる。
【0027】
さらに、前記したように、各光ファイバ2a〜2dのミラー6までの距離とミラー6への入射角が一定であり、しかも、ミラー6の厚みが薄く、ミラー6へのビームの入射角が小さいため、ミラー6が光路中に介在する場合の光路長と介在しない場合の光路長がほぼ同一になり、挿入損失のばらつきが低く抑えられる。
【0028】
また、前記したように、バネ定数が小さいため、微小な磁束密度変化で可動ステージ5を移動させることができ、電磁石の低消費電力化が可能になる。そして、共振周波数が高いため、可動ステージ5の高速動作が可能でありスイッチング速度が速くなる。なお、バネ性を有する梁部5bは、様々な形状に形成することができ、幅を狭めて長さを長くしてバネ定数をより小さくしたり、逆に幅を広げて長さを短くして共振周波数をより高くすることもできる。また、図1〜4に示すように2本の梁部5bで平面部5aを両持ち状態にする構成に限られず、図5や図6に示すように1本または2本の梁部5bで平面部5aを片持ち状態にすることも可能である。これらは、様々な具体的条件に応じてその都度自由に設計することができる。
【0029】
次に、この光スイッチ装置の製造方法について、図7〜8を参照して説明する。この図7〜8では、図6に示すような鎖形状の梁部5bが設けられている。
【0030】
まず、図7(a)に示すように、シリコンからなる上部基板1aと下部基板1bとを、酸化シリコン層1cを介して積層して固定し、基板1を形成する。続いて、図7(b)に示すように、下部基板1bを下面側からエッチングして円錐状凹部5cを形成する。
【0031】
そして、図7(c)に示すように、上部基板1aの、凹部4になる部分をパターンエッチングにより除去する。このとき、ミラー6になる部分はエッチングせずに残しておくとともに、ガイド溝8を同時に形成する。ガイド溝8は、図3に示すような断面矩形状に限られず、V型溝であってもよい。同様に、図8(a)に示すように、下部基板1bの、凹部4になる部分をパターンエッチングにより除去する。ただしこのとき、可動ステージ5の平面部5aおよび梁部5bになる部分はエッチングせずに残しておく。なお、図7(c)と図8(a)に示すエッチング工程では、Deep−RIE(Deep Reactive Ion Etching)法を用いることにより、高アスペクト比(例えばエッチングの幅:深さ=1:100とする)で、垂直性良く高精度に形成する。また、表面粗さを小さくできる。これらのエッチング工程において、酸化シリコン層1cはエッチングストッパ層として作用する。
【0032】
それから、図8(b)に示すように、凹部4内の酸化シリコン層1cを、異なるエッチング液を用いるエッチング等によって除去する。図8(c)に示すように、円錐状凹部5c内に球状の磁性体7を配置する。本実施形態では、円錐状凹部5cに球状の磁性体7を挿入することによって、精度良く位置決めして互いに固定することができるため、前記したように、可動ステージ5全体の重心を中心位置に配置させることが容易かつ高精度にできる。ただし、このような構成に限られず、円錐状でなく角錐状や円柱状や角柱状の凹部であってもよく、板状などの磁性体であってもよい。磁性体7は、軟磁性体でも硬磁性体でも良い。接着方法は、接着剤を使用しても良いし、半田融着でも構わない。メッキやスパッタリングや蒸着やイオンプレーティング等によって膜成長させて形成してもよい。
【0033】
その後、図示しないが、ミラー6となる部分に金属膜(例えばAu/Cr膜)を蒸着し、各ガイド溝8に光ファイバ2a〜2dをそれぞれ配置し、基板1の側方に電磁石3を配置して、光スイッチ装置を完成させる。
【0034】
以上説明した製造方法では、上部基板1aのエッチングによって、ミラー6とガイド溝8を同時に形成するため、ミラー6と、ガイド溝8内に挿入される光ファイバ2a〜2dの相対位置精度が良好で挿入損失を低く抑えられるとともに、組立作業が非常に簡単になる。特に、前記したようにコリメータ光学系が採用されていると、より効果的である。同様に、下部基板1bのエッチングによって、平面部5aと梁部5bとストッパー(凹部4の内周面)を同時に形成するため、相対位置精度が良好であり、かつ組立作業が非常に容易になる。これらは、製造コストの削減に大きく寄与する。
【0035】
前記したようにDeep−RIE法を採用することによって、梁部5b等の端面が垂直性良く形成できるため、前記したように可動ステージ5の重心が中心に位置することと合わせて、可動ステージ5の移動時に梁部5bにねじれが生じず効率よく正確な移動が行えるという効果を生む。なお、Deep−RIE法の後に、フッ素硝酸や水酸化カリウム水溶液に代表されるアルカリ系シリコンエッチャントによるウエットエッチングや、熱酸化(熱酸化膜の形成およびエッチング)を行って、ミラー6の鏡面化を行ってもよい。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の光スイッチについて、図9〜12を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0037】
本実施形態では、基板1に、複数のガイド溝8と、これらのガイド溝8の前方につながる広い空間15が設けられており、このガイド溝8内に光ファイバ2a〜2dがそれぞれ平行に配列されている。そして、光ファイバ2a,2cの先端部の前方に固定ミラー9が斜めに(45度傾いて)配置されており、光ファイバ2b,2dの先端部の前方には、固定ミラー9とは反対側に斜めに(45度傾いた)凹部4が形成されている。そして、この凹部4内には、第1の実施形態と同様に、2本のバネ性を有する梁部5bとそれに支持された平面部5aとからなる可動ステージ5が設けられている。凹部4が基板1および光ファイバ2a〜2dに対して斜めに形成されているため、その中に位置する可動ステージ5も凹部4と平行に、基板1および光ファイバ2a〜2dに対して斜めに(45度傾いて)位置している。そして、この凹部4および可動ステージ5と平行に、電磁石3が配置されている。電磁石3と可動ステージ5との間の距離をできるだけ短くするために、基板1には切り欠き部1dが設けられている。
【0038】
本実施形態では、可動ステージ5の平面部5a上に、2つのミラー13a,13bが平行に配置されており、このミラー13a,13bは、可動ステージ5の移動方向に対して直角である。そして、出射側の光ファイバ2a,2cが固定ミラー9と対向し、入射側の光ファイバ2b,2dが可動ステージ5と対向するように並べられており、各光ファイバ2a〜2dの各先端部は、ファイバピッチと同じ長さだけ位置をずらして前進位置にあるものと後退位置にあるものとが交互に配置されている。
【0039】
以上説明したような構成であるため、本実施形態において、初期状態では、図9に示すように、可動ステージ5の梁部5bは変形せず、可動ステージ5は移動しない。従って、光ファイバ2aから空間15に向けて出力されたビームは、まず固定ミラー9に反射され、次いで可動ステージ5の平面部5a上のミラー13aに反射されて、光ファイバ2bに入射する。同様に、光ファイバ2cから空間15に向けて出力されたビームは、固定ミラー9に反射され、さらにミラー13bに反射されて、光ファイバ2dに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2bに至る光路と、光ファイバ2cから2dに至る光路が形成されている。
【0040】
これに対し、電磁石3が駆動されて可動ステージ5の磁性体7に吸引力を及ぼすと、図10に示すように、バネ性を有する梁部5bが撓み変形して、平面部5aが電磁石3に近接する方向に移動する。これによって、平面部5a上のミラー13a,13bのビームに対する相対位置が変わる。そして、光ファイバ2aから空間15に向けて出力されたビームは、固定ミラー9に反射され、次いで移動後のミラー13aの一方の端部付近に反射されて、光ファイバ2dに入射する。光ファイバ2cから空間15に向けて出力されたビームは、固定ミラー9に反射された後、ミラー13aの他方の端部付近に反射されて、光ファイバ2bに入射する。このようにして、光ファイバ2aから2dに至る光路と、光ファイバ2cから2bに至る光路が形成されている。このとき、凹部4の内周面は、平面部5aが移動し過ぎないようにするストッパーとして作用する。
【0041】
以上の通り、本実施形態では、光ファイバ2a〜2dが基板1上に平行に並んだ構成において、電磁石3の作用により可動ステージ5を水平方向に移動して、光路の切り換えが行える。第1の実施形態と同様に、可動ステージ5の移動方向が水平方向であり、電磁石3を基板1の側方に配置でき、光スイッチ装置全体の薄型化が可能になるとともに、磁力を用いているため可動ステージ11の移動量が大きい。そして、ビーム径の大きなコリメータ光学系を用いることができ、構成の簡略化や製造方法の容易化が可能になる。
【0042】
また、前記したように、各光ファイバ2a〜2dの先端部の位置を互い違いにして固定ミラー9およびミラー13a,13bを適切な位置に配置することによって、初期状態における光ファイバ2aから2bに至る光路および光ファイバ2cから2dに至る光路と、可動ステージ11の移動時の光ファイバ2aから2dに至る光路および光ファイバ2cから2bに至る光路の、光路長が等しくなっている。従って、挿入損失のばらつきが低く抑えられる。なお、本実施形態では、このような効果を得るために、各光ファイバ2a〜2dを等ピッチで平行に並べ、光ファイバ2a,2bと光ファイバ2c,2dとの先端位置の差をこのピッチと等しくし、可動ステージ5の移動量をこのピッチの1/21/2に設定している。
【0043】
本実施形態の光スイッチ装置の製造方法は、第1の実施形態の光スイッチの製造方法とほぼ同じであるが、固定ミラー9は、空間15の内周面に金属膜を蒸着することによって形成される。なお、基板1は、第1の実施形態と同様に上部基板1aと下部基板1bが酸化シリコン層1cを介して積層されたものであってもよく、その場合、空間15は、上部基板1aのみをエッチングしてガイド溝8を形成する際に同時に形成すればよい。ガイド溝8は、図11に示すような断面矩形状に限られず、図12に示すようなV型溝であってもよい。
【0044】
以上説明した2つの実施形態は、本発明を採用した具体的構成を例示するものに過ぎず、本発明はこれらの構成に限定されるわけではない。例えば、光ファイバの数、相対位置関係、それぞれの用途(入射側または出射側など)や、可動ステージおよび電磁石の形態等については自由に変更することができる。
【0045】
また、前記した2つの実施形態では、ミラーを用いて複数の光ファイバの光路を切り換える光スイッチ装置の例を示しているが、これに限定されるものではない。光学部品として、ミラーに代えて光学フィルタを用いることによって光波長選択装置を構成したり、光遮蔽板を用いることによって光減衰装置を構成するような場合にも、本発明は適用可能である。すなわち、光学部品を乗せた可動ステージが水平方向に移動して、光学部品が光ファイバの光路上または光路外に選択的に位置することによって、何らかの状態切り換えを行う光学デバイス全般に関して、本発明を適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によると、電磁石の作用により可動ステージを水平方向に移動することによって、光学部品を光ファイバの光路上に進入および退出させることができる。この構成では、電磁石が基板の上下ではなく側方に配置されるため、光学デバイス全体の薄型化に寄与するとともに、構成を簡単にし製造工程を容易にすることができる。しかも、静電力ではなく磁力を用いて可動ステージを移動させるため、可動ステージの移動量を十分大きくすることができる。それに伴って、コリメータ光学系を採用することができるなど、設計の自由度が高まる。
【0047】
本発明の構成によると、可動ステージの梁部のバネ定数を小さくして、小さな力で移動可能にすることにより、電磁石の低消費電力化が図れる。また、その共振周波数を高くして、可動ステージの移動を高速化することができる。
【0048】
本発明の光学デバイスを製造する上で、光学手段とガイド溝を同時に形成し、可動ステージの平面部および梁部とそのストッパー(凹部の内周面)を同時に形成すると、相対位置精度が良好であり、かつ組立作業が非常に容易になり、製造コストの削減に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光スイッチ装置の要部平面図である。
【図2】図1のA−A’線断面図である。
【図3】図1のB−B’線断面図である。
【図4】図1に示す光スイッチ装置の、可動ステージ移動状態の要部平面図である。
【図5】図1に示す光スイッチ装置の梁部の他の例拡大図である。
【図6】図1に示す光スイッチ装置の梁部のさらに他の例の拡大図である。
【図7】図1に示す光スイッチ装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図8】図1に示す光スイッチ装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の光スイッチ装置の要部平面図である。
【図10】図9に示す光スイッチ装置の、可動ステージ移動状態の要部平面図である。
【図11】図9のC−C’線断面図である。
【図12】図9に示す光スイッチ装置のガイド溝の他の例を示す断面図である。
【図13】従来の光スイッチ装置の要部平面図である。
【図14】図13に示す光スイッチ装置の断面図である。
【図15】従来の光スイッチ装置の他の例の要部平面図である。
【図16】図15に示す光スイッチ装置の拡大図である。
【符号の説明】
1 基板
2a〜2d 光ファイバ
3 電磁石
4 凹部
5 可動ステージ
5a 平面部
5b 梁部
5c 円錐状凹部
6 ミラー
7 磁性体
8 ガイド溝
9 固定ミラー
13a,13b ミラー
15 空間
Claims (8)
- 基板と、
前記基板上に配置されている複数の光ファイバと、
前記基板内に設けられており水平方向に往復移動可能な可動ステージと、
前記可動ステージに設けられている磁性体と、
前記基板の側方に設けられており、前記磁性体に作用する磁力を発生可能な電磁石と、
前記可動ステージ上に配置されており、前記電磁石の作動による前記可動ステージの移動に伴って少なくとも1本の前記光ファイバの光軸上の位置と光軸外の位置の間を移動可能な光学部品とを含む光学デバイス。 - 前記可動ステージは、前記基板と一体的に形成されており、前記基板に設けられた凹部内に位置する平面部と、前記平面部を前記凹部の内周面に接続するバネ性を有する梁部とからなる、請求項1に記載の光学デバイス。
- 前記光学部品は、ミラー、プリズム、光遮蔽板、光学フィルタのうちのいずれかである、請求項1または2に記載の光学デバイス。
- 前記可動ステージの重心は3次元的な中心位置に存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学デバイス。
- 前記磁性体は、前記可動ステージの3次元的な中心位置に配置されている、請求項4に記載の光学デバイス。
- 前記凹部の内周面が前記可動ステージのストッパーとして作用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学デバイス。
- 基板をエッチングして、凹部を形成するとともに、前記凹部内に位置する平面部と、前記平面部を前記凹部の内周面に接続するバネ性を有する梁部とからなる可動ステージを前記基板に一体的に形成する工程と、
前記可動ステージに磁性体を設ける工程と、
前記可動ステージ上に光学部品を設ける工程と、
前記基板上に複数の光ファイバを配置する工程と、
前記基板の側方に、前記可動ステージを移動させて前記光学部品を少なくとも1本の前記光ファイバの光軸上の位置と光軸外の位置との間で移動させるために前記磁性体に及ぼす磁力を発生可能な電磁石を配置する工程とを含む光学デバイスの製造方法。 - 前記可動ステージに磁性体を設ける工程は、前記可動ステージの下面に設けられた円錐状凹部内に球状の磁性体を配置する工程である、請求項7に記載の光学デバイスの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2002343972A JP2004177674A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 光学デバイスおよびその製造方法 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009103813A (ja) * | 2007-10-22 | 2009-05-14 | Fujikura Ltd | 光ファイバ切断装置における切断刃ホルダ移動機構、並びに光ファイバ切断装置及び光ファイバの切断方法 |
JP2010515391A (ja) * | 2007-01-05 | 2010-05-06 | ソシエテ・インダストリエル・エ・コメルシアル・ド・マテリエル・アエロナウティク | 飛行機の座席用のスイッチド光ファイバ・ネットワーク |
WO2015152705A1 (es) * | 2014-04-01 | 2015-10-08 | Universidad Nacional Autónoma de México | Conmutador dinámico óptico |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343972A patent/JP2004177674A/ja active Pending
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