JP4012808B2 - 可変光減衰器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野等で使用される可変光減衰器に関し、とくに中空光導波路の中空部断面の形状変化を利用する可変光減衰器に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信分野において複数の光ファイバを伝搬する光の強度を均一に揃える必要がある場合等において可変光減衰器が使用される。このような可変光減衰器では、磁気光学効果、マイクロマシンなどを利用して光ファイバ間での結合量を変えて減衰量を変化させている。
【0003】
従来の磁気光学効果を利用した光減衰器はファラデー効果による偏光回転を利用し、偏光子を透過する光量を制御している。
また、マイクロマシンを利用した光減衰器では、光導波路間に遮蔽物を挿入したり(例えば、非特許文献1参照)、光ファイバと光ビームの位置を相対的に変化させる(例えば、特許文献1参照)などの方法により、減衰量を変化させている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−131626号公報
【非特許文献1】
C.R.ギレス(C.R.Giles)、他5名、「IEEEジャーナル・オブ・セレクテッド・トピックス・イン・クオンタム・エレクトロニクス(IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics)」、(米国)1999年、第5巻、第1号、p.18−25
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の可変光減衰器のうち、磁気光学効果によるものは、磁石が必要であり、消費電力も大きい。また、小型化が困難であり、他の光デバイスとの集積化に対応できない。
マイクロマシンを利用した可変光減衰器では、可動部材の機械的な移動量が数十ミクロン以上と大きいため、動作速度や信頼性の点から問題がある。
【0006】
本発明の目的は、このような問題点を解決し、消費電力が少なくて、構成が容易、小型化が可能で、外部からの減衰量の制御が容易である可変光減衰器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の可変光減衰器は、所定波長の光を伝搬する中空光導波路と、前記中空光導波路の入射端面に結合された入射光導波手段と、前記中空光導波路の出射端面に結合された出射光導波手段とからなっている。そして前記中空光導波路の中空部の光の伝搬方向に垂直な断面の形状を変化させる手段を具備している。これにより、前記中空光導波路から前記出射光導波手段に結合する光の強度を前記断面の形状変化によって制御できるよう構成されている。
【0008】
前記中空光導波路の中空部は、平板状部材の表面に光の伝搬方向に沿って溝を形成した第1の基板と、平板状の第2の基板とを所定の間隔をもって平行に対向させ、その間隔を変化させるのが望ましい構成である。
【0009】
前記中空部の内面には誘電体多層膜からなる反射層を設けることが望ましい。これによって前記中空部の内面の反射率を高くすることができ、伝搬損失を低減することができる。
【0010】
前記断面の形状を変化させる手段としては、静電力、熱応力、電磁力、圧電素子による機械的圧力のいずれかを利用するのが好ましい。
【0011】
前記入射光導波手段および前記出射光導波手段としては光ファイバを用いることができる。前記中空光導波路の入射端面と出射端面に入力光ファイバと出力光ファイバをそれぞれ配置する。前記中空部の間隔を変化させることにより、伝搬光の中空部内での強度分布を変化させ、前記出力光ファイバへの結合の度合いを変化させることができる。これにより、前記入力光ファイバから前記出力光ファイバへの光の結合量を変化させることができ、すなわち入力光に対する減衰量を制御できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の中空光導波路の断面を示す原理図である。各図で対応する部分は同じ符号を付して示す(以下同様)。2枚の基板10、12の間に中空部14を設け、基板10には凹状の溝部16を形成する。またこの中空部14の内表面は入射する光に対して高い反射率を有する反射面とする。この構造は、基板面に垂直な方向には内表面の反射面のはたらきによって光を閉じ込め、水平方向には溝の断面形状によって生じる等価屈折率差によって光を閉じ込める中空光導波路となる。
【0013】
ここで、中空部14が薄い場合(図1(a))、溝部16とその両側の中空部18の間の等価屈折率差が大きく、伝搬光30は溝部16付近に閉じ込められる。中空部14が厚くなると(図1(b))、上記の等価屈折率差が減少するため、伝搬光32は水平方向に広がるようになる。また伝搬光の断面内での強度分布のピーク位置34も中空部14の厚さにより垂直方向に移動する。中空部14が十分厚くなると、水平方向には光の閉じ込め効果がはたらかなくなり、いわゆるスラブ導波路と同様な光の伝搬状態となる。
【0014】
この中空光導波路の出射端に光ファイバを接続し伝搬光を結合する場合、溝部16に光が閉じ込められている場合に比べて水平方向に光が広がった場合は、光ファイバへの結合がし難くなる。すなわち中空部14の厚みを変化させることにより、この中空光導波路と光ファイバの結合効率の変化を利用して可変光減衰器が構成できる。
【0015】
上記原理に基づき、実際に可変光減衰器を構成した実施例についてつぎに説明する。
図2は本実施例の可変光減衰器に使用する中空光導波路を模式的に示した斜視図で、図3は中空光導波路を光の伝搬方向に垂直に切った断面図である。この中空導波路の構造をその作製手順に沿って説明する。
【0016】
まず、GaAs基板20表面に2段の段差のある溝を形成する。初めに幅30μmのストライプ状の開口をもつマスクを基板表面に設け、誘導結合プラズマ(ICP)エッチングにより、深さ40μmで、側壁が基板表面に対してほぼ垂直な溝を形成する。
【0017】
次いで基板上のマスクを除去し、形成した溝を中心とし、この溝に平行で幅300μmのストライプ状開口をもつマスクを再度、形成する。このマスクを用いて2回目のエッチングにより基板表面から深さ27μmの溝を形成した。
【0018】
以上により、GaAs基板20表面に幅300μmで深さ27μmの第1の溝28が形成され、その中央に幅30μmで深さが第1の溝28の表面から13μmの第2の溝26が形成される。
【0019】
つぎに形成した溝26、28の底面に誘電体多層膜21を形成し、反射膜とする。ここでは、初めにSiO2膜をGaAs基板表面に形成し、ついでTiO2/SiO2を対とする膜を5対積層した。各膜厚は光学膜厚が使用波長(1550nm)の1/4になるように設定する。
最後に、溝の長さが2mmとなるようにGaAs基板20を切断した。
【0020】
第2のGaAs基板22は板厚を薄く加工して可撓性を付与し、その表面に上記同様の膜構成の誘電体多層膜23を形成する。このGaAs基板22と溝26、28を形成したGaAs基板20を対向させ、圧着することにより接合した。
【0021】
以上により、図2に示すような2つのGaAs基板20、22の間に中空部24を有する中空光導波路が形成できる。最後にGaAs基板20の裏面、およびGaAs基板22表面にCr膜を介してAu膜を成膜し、電極27、29を形成する。
【0022】
上記中空導波路の電極27、29間に電圧Vを印加すると静電引力によりGaAs基板22が図2に模式的に示すように変形する。この変形によって中空部24の厚みが実効的に変化し、上述のように伝搬光の導波モードが変化する。
【0023】
この中空光導波路の一端に単一モード光ファイバを結合して波長1550nmの光を伝搬させ、他端から出射される光の近視野像をビジコンカメラによって観察した。
【0024】
第1の溝28部分の上下内壁間隔が約13μm、第2の溝26部分の間隔が約26μmの状態では、伝搬光は第2の溝部内にほぼ閉じ込められている。しかし、第1の溝28、すなわち中空光導波路の厚みが大きくなるにつれ、伝搬光が第2の溝部26の外側に広がってくる。第1の溝28部分の間隔が27μm程度になると伝搬光の強度分布は第2の溝28部分の外側にも均一に近い状態で広がってくる。
【0025】
入射光強度に対する出射光の減衰量(変化分)の測定結果を図4に示す。横軸はGaAs基板22の垂直方向の変位である。15μmの変位に対して減衰量は約15dB程度が得られた。
【0026】
上記の場合、中空部の間隔は静電引力により変化させたが、その他の手段を用いてもよい。中空導波路を構成する2枚の基板間の一方を異なった熱膨張係数の薄膜で構成し、それを局所的に加熱することによっても変化させることができる。さらに中空導波路を構成する2枚の基板間の一方を磁性体で構成し,外部の電磁石によって磁界を変化させて,電磁力によって中空部の間隔を変化させることもできる。あるいは中空光導波路上に圧電素子を取り付け、圧電効果によって導波路に圧力を加えて変形させてもよい。
【0027】
上記の実施例ではGaAs基板を用いて中空光導波路を構成したが、光導波路の構成材料はこれに限られない。所定の変形に耐える材料であれば、SiやInPなどの半導体やガラス等の誘電体であってもよい。また、上記変形手段に対応して材料を選択することも必要である。反射膜もTiO2/SiO2の構成には限定されず、種々の材料を選択することができる。
【0028】
本発明の可変光減衰器は、可動部が固体素子の一部分の変形であり、素子自身の移動は伴わないため、安定で信頼性が高い。また光減衰特性の入射光の偏光状態、波長、周囲温度に対する依存性が小さい特徴がある。さらに本発明の可変光減衰器は中空光導波路を複数配列してアレイ化したり、他の光デバイスと集積化することもできる。上記の実施形態では、入射光および出射光導波手段として光ファイバを使用したが、平板状の光導波路を集積して用いてもよい。この光導波路は必ずしも中空光導波路である必要はなく、コア/クラッド構造をもつ光導波路であってもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明により、中空光導波路を用いて小型で消費電力の小さい可変光減衰器が提供できる。また本発明の可変光減衰器は他の光デバイスと集積化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変光減衰器の動作原理を示す図である。
【図2】本発明の可変光減衰器に使用する中空光導波路を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明の可変光減衰器に使用する中空光導波路の断面模式図である。
【図4】本発明の可変光減衰器の特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
10、12 基板
14、18、24 中空部
16 溝部
20、22 GaAs基板
21、23 誘電体多層膜
26、28 溝
27、29 電極
30、32 伝搬光
Claims (7)
- 所定波長の光を伝搬する中空光導波路と、前記中空光導波路の入射端面に結合された入射光導波手段と、前記中空光導波路の出射端面に結合された出射光導波手段とからなり、前記中空光導波路が、その中空部の光の伝搬方向に垂直な断面の形状を変化させる手段を具備し、前記中空光導波路から前記出射光導波手段に結合する光の強度を前記断面の形状変化によって制御できるよう構成されていることを特徴とする可変光減衰器。
- 前記中空光導波路の中空部は、平板状部材の表面に光の伝搬方向に沿って溝を形成した第1の基板と、第2の平板状基板とを所定の間隔をもって平行に対向させてなり、前記断面の形状を変化させる手段が、前記間隔を変化させる手段であることを特徴とする請求項1に記載の可変光減衰器。
- 前記中空部の内面に誘電体多層膜反射層を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の可変光減衰器。
- 前記断面の形状を変化させる手段が静電力である請求項1または2に記載の可変光減衰器。
- 前記断面の形状を変化させる手段が熱応力である請求項1または2に記載の可変光減衰器。
- 前記断面の形状を変化させる手段が電磁力である請求項1または2に記載の可変光減衰器。
- 前記断面の形状を変化させる手段が圧電素子による機械的圧力である請求項1または2に記載の可変光減衰器。
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