JPH06230295A - 光偏向器、その作製方法、および光偏向器を用いた表示装置 - Google Patents

光偏向器、その作製方法、および光偏向器を用いた表示装置

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JPH06230295A
JPH06230295A JP1654693A JP1654693A JPH06230295A JP H06230295 A JPH06230295 A JP H06230295A JP 1654693 A JP1654693 A JP 1654693A JP 1654693 A JP1654693 A JP 1654693A JP H06230295 A JPH06230295 A JP H06230295A
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JP
Japan
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optical deflector
substrate
groove
mirror
fixed electrode
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JP1654693A
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Takayuki Yagi
隆行 八木
Tomoko Yamamoto
智子 山本
Hirotsugu Takagi
博嗣 高木
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動電圧を低減でき、かつ、偏向角を大きく
取ることができる、小型化かつアレイ化が容易である。 【構成】 片側上面にV型の溝10を設けた基板1を有
し、基板1の上面には絶縁層13を介して固定電極14
および固定電極15が所定位置に設けられている。絶縁
層13上面には支持部18に支持された機械可動部11
が絶縁層13の両端面にそれぞれスペーサ16を介して
設けられており、スペーサ16によって機械可動部11
と絶縁層13上面の間に空隙111が形成されている。
機械可動部11は、光偏向板としてのミラー11aとこ
の両端にそれぞれ形成される梁11bからなり、梁11
bの一端が支持部18に支持されている。また、支持部
18、梁11b、ミラー11aは電気導電体薄膜より構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に機械可動部を用い
て光制御を行う小型の光偏向器、その作製方法、光偏向
器を用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、主な光偏向器には、カメラ等の光
量調整に用いられる機械式絞り、液晶セルまたはPLZ
T等の強誘電体材料の電気光学効果を用いて背面から照
射された光量を微小面積で制御する固体化光シャッター
(電子写真学会誌、第30巻、第4号、1991、p4
47〜494)等がある。中でも上記光シャッターは、
光ファイバー伝送路や末端装置の切り替えのために用い
られる光スイッチ等の光偏向器、一次元にアレイ化する
ことにより表示装置として電子写真式プリンタの光プリ
ンタヘッド、液晶セルを2次元面配置する液晶ディスプ
レイ等の様々な応用が検討されている。
【0003】機械式光偏向器は、光スイッチ等の光通信
用光学素子としては光の波長によらず偏向や遮蔽が可能
であるため、多重波長光源を使用する場合や、光源の波
長変動等がある場合において有用であるが、高速応答
性、小型化、アレイ化等の点で固体化光シャッターに比
して劣り、応用分野が限られている。
【0004】ところで、近年半導体フォトリソプロセス
を用いた極めて小型の可動機構を有する微小機械がマイ
クロメカニクス技術により検討されている。これら微小
機械は、半導体フォトリソプロセスにより作製されアレ
イ化、低コスト化が容易であり、小型化することで高速
応答性を期待できる。マイクロメカニクス技術を用いた
機械式光学素子である光偏向器としては、K. E. Peters
en等により提案されたシリコンによるTorsional Scanni
ng Mirror(IBM J. RES. DEVELOP., VOL.24,NO.5,9,198
0.p631-637)及びDisplay device(U.S.Pat.No.4,229,73
2)、L. J. HornbeckのAl薄膜を用いた空間光変調器
(特開平2−8812号公報参照)等が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら機械式光学素子
は、図29に示すように機械可動部3が光偏向板として
のミラー3aとミラー3aを支持する梁3bからなり、
ミラー3aと基板上に形成した固定電極2との間に駆動
電圧を印加し生じる静電引力により梁にねじりモーメン
トを与えねじり回転し、ミラー3aの偏向角度を変える
ものである。ミラー部の最大偏向角はミラー部と基板と
の空隙間隔(t0)にて一義的に決定される(図29参
照、図29は従来の光偏向器を示す図である)。光偏向
器においては偏向角が大きいほど良く、これには空隙間
隔を大きくとる必要がある。光偏向器を複数配置し電子
写真式プリンタの光プリンタヘッドやディスプレイ等の
表示装置に応用する場合、偏向角を大きくとり光学系と
の空間的配置を小さくすることが表示装置を小型化する
上で好ましい。小型化する上で重要な他の要素としては
個々独立に光偏向器を駆動するための駆動回路のIC化
が必要であり、集積化が可能であることが必要となる。
また、周辺回路のコストを下げるためにもIC化による
消費電力の低減等が必要となる。PenersenによるTorsio
nal Scanning Mirror においては、ガラス基板とミラー
及びそれを支持する梁を形成したSiを接合するために
小型化する上で接合時のアライメント及び作製時のハン
ドリング等の点で問題があり、アレイ化し集積化するこ
とが困難となり、上記プリンター及びディスプレイ等の
表示装置への応用は難しい。
【0006】集積化が可能な Petersen等のDisplay dev
ice 及び Hornbeck の空間光変調器においては、空隙間
隔を大きく取ることは、固定電極と電気導電体であるミ
ラー部との距離が増しミラーを回転するに必要な回転モ
ーメントを大きくすることとなり駆動電圧を上げる必要
がある。逆に、低電圧を図るには空隙間隔を短くし偏向
角を抑える必要があり、集積化可能な機械式の光偏向器
を表示装置に用いる場合、駆動電圧の低減化と大偏向角
化は合い矛盾する課題であった。
【0007】本発明は、上述のような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであって、駆動電圧を低減
でき、かつ、偏向角を大きく取ることができる、集積化
が可能な小型化かつアレイ化が容易な光反射型の機械式
の光偏向器、その作製方法、および光偏向器を用いた表
示装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、上面に少なくとも一つ以上の固定電極を設
けた基板と、該基板上に空隙を介して形成した機械可動
部を有し、前記固定電極に電圧を印加することにより前
記機械可動部を固定電極方向に空間的に変位させて前記
基板に入射する光を偏向する光偏向器において、前記機
械可動部が、電気導電体薄膜からなり、かつ、光偏向板
を備えており、前記基板には、前記機械可動部を変位さ
せたときの光偏向板の少なくとも一方の自由端が入る溝
が穿設されていることを特徴とし、前記機械可動部が光
偏向板と、該光偏向板を支持するとともにねじり回転す
る梁からなるものや、前記溝がV型形状であるもので、
前記固定電極の少なくとも一つがV型溝の一辺に設けら
れていることを特徴とするものや、前記固定電極が光偏
向板下部の溝が穿設されていない基板面上に配設された
ことを特徴とするものや、前記固定電極上に誘電体薄膜
を形成してなるもので、前記光偏向板が固定電極上に形
成した誘電体薄膜面に面接触することを特徴とするもの
や、また、上記機械可動部が、溝が穿設されていない基
板面上に設けたコンタクトを介して形成した支持部と片
持ち板とからなり、該片持ち板が光偏向板となるもの
や、機械可動部がたわみ板と、たわみ板の自由端となる
一端面上に設けた光偏向板と、前記たわみ板の他端面を
溝が穿設されていない基板面上に固定するコンタクトか
らなるもので、空隙が溝のみからなるものでもよい。
【0009】また、前記電気誘電体薄膜が金属薄膜から
なるものでもよい。
【0010】基板上に薄膜形成方法を用いて作製する光
偏向器の作製方法において、前記基板に溝を形成する工
程と、前記溝に形成した基板に固定電極を形成する工程
と、前記溝を埋め込み材料により埋め込み平坦化する工
程と、平坦化した基板上に光偏向板を有する機械可動部
を形成する工程と、前記埋め込み材料を除去する工程を
用いて作製することを特徴とする。
【0011】さらに、上述の光偏向器を複数用い、各々
の光偏向器が他の光偏向器とは独立に変位するための変
位手段を有し、画像表示を行うことを特徴とする表示装
置である。
【0012】
【作用】上述のように構成された本発明の光偏向器で
は、基板上に設けられた固定電極に電圧を印加すると、
基板上に形成した機械可動部に備えられた光偏向板と固
定電極との間に静電引力が生じ、該光偏向板は固定電極
方向に引き付けられて空間的に変位する。このとき、光
偏向板の少なくとも一方の自由端が入る溝が基板に穿設
されているので、機械可動部を駆動させた際の光偏向板
の空間変位量が大きくとれる。これにより、基板に入射
する光は前記光偏向板により大きな角度で偏向される。
【0013】そして、基板に光偏向板の少なくとも一方
の自由端が入る溝が設けられたことにより、大きな偏向
角度を必要とするときに従来のように固定電極と機械可
動部との間の空隙間隔を長く設ける必要がないので、省
電力化が図れる。
【0014】
【実施例】次に本発明にかかる光偏向器、その作製方
法、光偏向器を用いた表示装置の実施例について図1乃
至図28の図面を参照して詳細に説明する。
【0015】(第1実施例)図1は本発明の光偏向器の
第1実施例を示す平面図であり、図2は図1のA−A線
断面図である。
【0016】本発明の光偏向器は図2に示すような片側
上面にV型の溝10を設けた基板1を有し、基板1の上
面には絶縁層13を介して固定電極14および固定電極
15が所定位置に設けられている。さらに絶縁層13上
面には図1に示すような支持部18に支持された機械可
動部11が絶縁層13の両端面にそれぞれスペーサ16
を介して設けられており、スペーサ16によって機械可
動部11と絶縁層13上面の間に空隙111が形成され
ている。機械可動部11は、光偏向板としてのミラー1
1aとこの両端にそれぞれ形成される梁11bからな
り、図1に示すように梁11bの一端が支持部18に支
持されている。また、支持部18、梁11b、ミラー1
1aは電気導電体薄膜より構成されている。
【0017】前記固定電極14は、可動時にミラー11
aの自由端が溝10の絶縁層13に接触しても固定電極
14とミラー11aが接触することがないように絶縁層
13上に配置されている。固定電極15についても同様
にミラー11aの他方の自由端が絶縁層13に接触した
際に固定電極15とミラー11aが接触しない配置とさ
れる。上述のように溝10を設けることで偏向角度が大
きくとれるとともに、実行的に固定電極14および固定
電極15とミラー11aの距離は小さく取ることが可能
となる。
【0018】図3は本発明の光偏向器の第1実施例の動
作原理を示す動作説明図である。この図には示してない
がミラー11aは梁11bを介して支持部18(図1参
照)にて電気的に接地されている。固定電極14,15
に電圧が印加されていない時ミラー11aは絶縁層13
上面と距離t1を隔てた平行な面で停止している。この
とき固定電極14に電圧Vaを印加すると、ミラー11
aが固定電極14に引き寄せられて梁11bがねじれ、
ミラー11aの一方の自由端が基板に形成した溝10
(図2参照)に接触する。この時、接地時のミラー11
aの停止位置に対して溝10に接触したときのミラー1
1aの位置が角度βを成す(このときの接地時のミラー
11aの停止位置と溝との空隙間隔はt2である )。次
に、固定電極14への電圧印加を止めて固定電極15に
電圧を印加するとミラー11aの他方の自由端が絶縁層
13に接触し、これにより接地時のミラー11aの停止
位置に対して溝10に接触したときのミラー11aの位
置が角度αを成す。このようにしてミラー11aの梁1
2を中心とした回転角度が決定し、ミラー11aに光を
照射することにより光の偏向角度を(α+β)まで変え
る。この偏向角度αおよびβは、ミラー11aの長手方
向の長さ、ミラー11aと絶縁層13との空隙間隔t
1 、V型の溝10(図2参照)の配置により一義的に決
定される。
【0019】本発明の実施例ではミラー11aの形状を
梁11bに対して非対称の片持ち支持形状としたが、対
称の形状となってもよいことは言うまでもない。しか
し、ミラー11aを梁11bに対して非対称形状とする
ことで偏向角度αを大きく取ることが可能となる。ミラ
ー11aを梁11bに対して対称とする場合には、固定
電極15の側にも溝を設けることで偏向角度αを大きく
取ることが可能であり、他の方法として基板に対する溝
の成す角度θを大きく取ることにより偏向角度βを大き
くしても良い。
【0020】図4は本発明の光偏向器の第1実施例の動
作による偏向動作図である。図4において、基板1の垂
線と角度Ωをなして入射した入射光2は、固定電極15
に電圧を印加することにより図中の反射方向4(破線に
て指示)に偏向される。固定電極15の電圧印加を止め
固定電極14に電圧を印加することにより入射光2は反
射方向3(破線にて指示)に偏向される。すなわち最大
偏向角として(2α+2β)を得ることができる。ま
た、本発明の光偏向器ではミラーの自由端がV型溝の一
辺に接触するために溝を設けていないものに比べて、ス
ペーサ16の高さ(図3に示した距離t1 に相当する)
が変動した場合にも溝の傾斜により空隙間隔の変動を補
正するように働き、偏向角のずれを低減する効果も得る
ことができる。
【0021】次に、本発明の光偏向器の作製方法につい
て説明する。図5乃至図7のそれぞれは、本発明の光偏
向器における溝の作成方法を示す図である。
【0022】溝の形成、特にV型溝の形成においては、
Siの結晶面によりエッチング速度が異なることを利用
した異方性エッチング(D. M.Allen et al,"Anisotropic
Etching of Silicon", IEEE Proc., Vol.130,Pt. I, N
o.2,1983,pp.49-56 )を用いることによりV型溝を形成
することが可能である。異方性エッチングを用いるエッ
チング液としてはアルカリ金属水酸化物水溶液(KO
H,NaOH,CsOH等)やアミン系水溶液(ヒドラ
ジン、エチレンジアミン等)等があり、金属イオンによ
る基板の汚染を考えた場合金属イオンを含まないTEA
H(tetraethyl ammoniumhydroxide) 、TMAH(tetr
amethyl ammoniumhydroxide )等のエッチング水溶液
(O. Tabata et al,"Anisotropic Etching of Silicon
with Quaternary Ammoniumhydroxide Solutions",TECHN
ICAL DIGEST OF THE 9TH SENSOR SYMPOSIUM,1990.pp15-
18)が好ましい。図5に示すように、例えば、(10
0)面を表面とするSi基板1に適当な形状にフォトリ
ソグラフィによりパターニングしたシリコン酸化膜、シ
リコン窒化膜、金属膜等のエッチング液に耐性を有する
エッチングマスク5を施し、異方性エッチングを行うこ
とによりV型溝を得ることが可能である。また、図6に
示すように、V型溝の面は(111)面からなり、Si
基板1の切り出し面を(111)面に対してθの角度を
切り出し、その面を表面として異方性エッチングとすれ
ば一辺の長いV型溝を精度良く作製することが可能であ
る。
【0023】他のV型溝の形成方法としては、フォトレ
ジストをマスクとし、マスクと基板とのエッチング速度
の差を利用して、基板に溝を作製する斜め方向からのイ
オンエッチング方法がある(S. Matsui et al,Jpn. J.
Appl. Phys.,Vol.19,PP.L126-L128,1980, または佐野
等、応用物理、第48巻、第6号、pp539-544 、197
9)。この方法では、基板の結晶面によらずに所望の角
度のV型溝を作製することが可能である。また、他のV
型溝の形成方法としてはフォトレジストをフォトリソグ
ラフィプロセスを用いて露光現像しV型溝を形成した後
に、半導体プレーナプロセスの絶縁層平坦化技術の一つ
であるエッチバック法(Y. Homma et al,J, Electroche
m. Soc.,Vol.126,pp1531-1533 )があり、この方法を用
いてフォトレジストに形成したV型溝を基板にイオンエ
ッチングし転写して行う。
【0024】フォトレジストを現像しV型溝を形成する
方法としては、W.E.Feely により提案されたハーフトー
ンのマスクを用いてマイクロ構造体を形成する方法を用
いる("MICRO-STRUCTURES",IEEE SOLID-STATE SENSOR A
ND ACTUATOR workshop,Hilton Head Island,June 6-9,1
988,pp13-15)。この形成方法の概略を図7に示す。図
7において一部がハーフトーン8となるフォトマスク7
に光を照射し、フォトレジスト6を露光しV型溝を形成
する。この図ではハーフトーン8は4諧調として示して
あるがV型溝を得るためにはハーフトーン8はなだらか
に透過光量が変化するものである必要がある。また、フ
ォトレジスト6としてはポジ型レジストを用いている。
【0025】本発明の光偏向器の第1実施例の作製工程
を以下に説明する。図8は、本発明の光偏向器の第1実
施例の作成工程を示す工程図である。
【0026】まず、Siからなる基板1上にV型の溝1
0を上述した異方性エッチングにより形成する(図8
(A))。この時、図6をもとにして説明した角度θが
19.4°のシリコン基板を使用した。これによりV型
溝の一方の(111)面は基板1と垂直な面となり、溝
の最大深さは3.5μmとなった。
【0027】次いで、図8(B)に示すようにV型溝1
0を有するSi基板1を、1100℃に加熱した酸化炉
に投入し酸素と水素の混合酸化ガスを導入して絶縁層1
3となる1μmの熱シリコン酸化膜を形成し、次いで固
定電極14,15となるポリシリコン膜を減圧CVD
(LPCVD)により1500Å成膜し、その後にイオ
ン注入法によりリン(P)を1×1016(ions/c
2 )注入し、1100℃の窒素雰囲気中で1時間拡散
処理を施した。この結果ポリシリコン膜のシート抵抗は
12Ω/口となった。前記ポリシリコン膜にフォトレジ
スト100を塗布し露光、現像を行うフォトリソグラフ
ィプロセスを用いてフォトレジストのパターニングを施
し、フッ酸と硝酸の混合水溶液によりポリシリコンをパ
ターン形成した後にレジストを剥離し、図8(C)に示
す固定電極14,15を形成した。
【0028】次に、図8(C)に示すように溝10を埋
め込み平坦化し、スペーサ16を形成する。ここでは、
溝10の埋め込みとスペーサ16(図2参照)を同時に
形成する方法としてフォトレジスト116を塗布した。
フォトレジスト116はヘキスト(Hoechst )社製フォ
トレジストである商品名AZ1350Jを溶剤により適
当な粘度にして塗布し、平滑な面が形成されるまで塗布
を繰り返し行った。その後、スペーサ厚み(図3に示し
た距離t1 に相当する)が0.5μmとなるようCF4
ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)により
エッチバックを行った。
【0029】さらに、ミラー11aおよびねじり回転を
行う梁11b(図2参照)となる電気導電体薄膜におい
ては、図8(D)に示すようにスパッタリング法を用い
てアルミニウム(Al)をアルゴンによりスパッタリン
グし3000ÅのAlを薄膜堆積し形成した。スパッタ
リング時の基板ホルダーの温度を5℃に設定し成膜時の
熱応力を抑えた。
【0030】次に、図8(E)に示すようにフォトレジ
スト101を塗布しフォトリソグラフィプロセスにより
パターニングし、AlをBCl3 とCl2 との混合エッ
チングガスによりRIEにてパターニングを行う。
【0031】引き続づきRIEを用いて酸素プラズマに
よりAl膜117上部、ミラー11aおよび梁11b下
部のフォトレジスト116をエッチング除去し空隙11
1を形成した。この時のエッチング条件は酸素100c
cm以上、エッチング時のガス圧力20Pa以上とし、
サイドエッチを大きく取る条件を採用した。以上の作製
工程により図8(F)に示す光偏向器を得ることができ
た。
【0032】作製した光偏向器は、図1においてミラー
11aの梁11bに片持ち支持された長い方の自由端の
長手方向を9.5μm、幅の長さを10μmとした。固
定電極14に電圧を30V印加した時、ミラー11aの
自由端が溝の斜面に接触し、この時のミラー11aと基
板1との成す角度は20.6°(図3の角度β)となっ
た。基板1にV型溝10を形成せずに図8(B)以降の
作製工程により空隙をスペーサにて形成しミラー11a
が基板1と接触した時の電圧を測定したところ40Vが
必要であった。本発明の第1実施例では基板に形成した
V型溝の一辺に固定電極を形成することによりミラーと
固定電極の空隙間隔が短くなり従来に比して静電引力が
増し、低電圧化を図ることが可能となった。さらに、低
電圧化するには、図8(D)でのAlの膜厚を薄膜化す
れば良く、また、他の方法としては梁部のみを薄膜化し
ても良く、半導体基板上に形成した駆動回路によっても
ミラー駆動することが可能となる。このようにして作製
した光偏向器は極めて小型かつ計量にアレイ化して作製
できる。
【0033】次に本発明の光偏向器の第1実施例の他の
固定電極配置、および溝形状の例について図9乃至図1
1をもとに説明する。図9は本発明の光偏向器の第1実
施例における固定電極を基板面上に配置した場合の図で
あり、図10および図11のそれぞれは、本発明の光偏
向器の第1実施例における固定電極を基板上に配置する
とともに、溝形状を凹型にした場合の図である。
【0034】図9に示す光偏向器は固定電極の配置以外
において同様の構成を示しており、溝の一辺に固定電極
を形成した場合に比して電気導電体薄膜であるミラー2
1aと固定電極24の間がより短くなり、低電圧化を図
ることが可能となる。
【0035】また、図10は溝形状が凹型の溝30とし
て基板をエッチングすることにより形成され、ミラー3
1aの自由端は溝30の底面に接触している。溝形状は
この図に示すような垂直に基板をエッチングする方向性
のあるエッチングの必要はなく、固定電極34と電気導
電体であるミラー31aが接触しなければ良く、化学反
応を利用する等方性エッチングにて形成した溝形状でも
良いことは言うまでもない。
【0036】図11に示すような凹型溝40では溝40
の端部にミラー41の下面が接触し光の偏向角度を安定
して保つことが固定電極44、ミラー41aおよび梁4
1bの空間配置により可能となる。この場合、固定電極
の空間配置については、図9,10に示した例に比べ
て、制限が緩やかとなる。
【0037】図12は本発明の光偏向器の第1実施例の
支持部の他の構成を説明する斜視図である。図1ではミ
ラー11aおよび梁11bの支持部18をミラー11a
の一面と同一面で保持したが、図12では基板上に設け
たコンタクト59を介してミラー51aおよび梁51b
を支持する支持部58を設けた。このように支持部58
を配置することにより図1の支持部18の面における入
射光の反射を抑えることが可能となる。また、支持部1
8を固定するスペーサ16をなくすことができ、本発明
の光偏向器を複数配置した際の光偏向器の隣合う距離を
短くすることが可能であり、より高密度に光偏向器を配
置することが可能となる。このような構成を取るにあた
っては、図8に示した作製工程において図8(C)で埋
め込み及びスペーサを形成した後にフォトレジスト11
6の一部にコンタクトホールを開け基板の一部を露出し
た後にAl膜を成膜し同様の工程を経ることにより作製
する。図12の構成では埋め込み部分とスペーサ部分を
除去することとなる。スペーサをなくしたことによる他
の効果としては、従来技術で述べた空間光変調器(特開
平2−8812号公報)および図1に示す実施例のよう
にスペーサとして有機高分子からなる膜を残す場合に比
べて、例えば光源の異常加熱などによる外的な不慮にお
いて光偏向器の温度が著しく上昇しても熱収縮や熱固化
などの熱的ダメージに敏感な有機高分子がない為に熱損
傷などが発生しにくい熱耐性の高い光偏向器となる。と
ころで、偏向を行うための電圧印加の方法としては第1
実施例では示さなかったが、固定電極54および固定電
極55への電圧印加の方法として図12に示すような直
流電圧源にスイッチを取り付けて固定電極への電圧印加
を切り替えることも可能である。本発明の電圧印加の方
法として共通に用いることが可能である。スイッチとし
て、図8(B),(C)の工程上で、基板面または溝の
一辺に成形したMOSトランジスタを用い集積化を図る
こととなる。
【0038】(第2実施例)図13は、本発明の光偏向
器の第2実施例の構成を説明するための断面図である。
本発明の光偏向器の第1実施例と比して、固定電極64
および固定電極65上に誘電体薄膜67が形成してあ
る。固定電極上に誘電体薄膜を設けることによりミラー
61aが固定電極64,65に接触し電気的に導通する
ことを防ぐことが可能であり、固定電極64,65とミ
ラー61aとの配置の限定が緩やかに成る。さらにミラ
ー61aの一方の片持ち板がV型溝60の一辺上に設け
た誘電体薄膜67の表面に面接触しており、ミラー61
aの反り等があってもミラー61aが静電引力により誘
電体薄膜67に面で接触するために、ミラー面がV型溝
の誘電体薄膜面の表面精度をそのまま反映することとな
り、ミラー61aの反りによる偏向面積の低下などの問
題を低減することが可能となる。さらにミラー61aの
偏向角度はスペーサ厚みに依らず基板の面にて固定され
ることとなり、偏向角度のずれ等の問題を回避できる。
【0039】図14は本発明の第2実施例の他の構成を
説明するための断面図を示す。図14ではミラー71a
の他方の片持ち板自由端が基板面に形成した固定電極7
5上の誘電体薄膜77に面で接触するものである。これ
により、図13に示す実施例と同様にミラー71aの反
りに対して基板の面精度を反映し偏向面積の角度の補償
を可能にする。なお誘電体薄膜77は固定電極74,7
5と電気導電体であるミラー71aとの絶縁性を保つと
同時に、ミラー71aが固定電極75を介して接触した
際に、接触していない時と比べ電気容量がその比誘電率
に比例して増加、する。このため、誘電体薄膜77は固
定電極75とミラー71aとの間に生じる静電引力を大
きくする効果がある。すなわち、低電圧にてミラー71
aが膜の内部応力によって反っていてもミラー71aと
誘電体薄膜77との密着性を上げることが可能である。
よって比誘電率の大きい、すなわち強誘電性を示す誘電
体薄膜はより好ましい。
【0040】次に、図14に示した光偏向器の作製工程
の一例を図15をもとに説明する。図15は、本発明の
第2実施例の作製工程図である。
【0041】まず、図15(A)に示すように、Siか
らなる基板上にV型溝を前述の斜め方向からのイオンエ
ッチング方法を用いて形成した。イオンエッチング装置
によりArイオンを加速電圧1.5kV、イオン電流
1.5mAの条件でSi基板をイオンの入射角に対して
70°に設置し、グレーティング形状にパターニングし
たフォトレジストをマスクとして用い、角度θ(図3参
照)が17°のV型の溝70をシリコン基板に形成し
た。これによりV型溝70の溝の最大深さは3μmであ
った。
【0042】次いで、このV型溝70を有するSi基板
を1100℃に加熱した酸化炉に投入し酸素と水素の混
合酸化ガスを導入して図15(B)に示す絶縁層73と
なる1μmの熱シリコン酸化膜を形成する。次にAl膜
174をスパッタリング法により1000Å成膜し、塗
布、露光、現像しパターニングしたフォトレジスト10
2をマスクとして用い(図15(B))、Al膜174
をBCl3 とCl2 との混合エッチングガスにより反応
性イオンエッチング(RIE)にてパターニングを行っ
て図12(C)に示すように固定電極74,75を形成
した。そして、固定電極74,75上にスパッタリング
法によりAlをターゲット材料とし窒素ガスをスパッタ
リングガスとして反応性スパッタリングを行いAlNか
らなる誘電体薄膜77を成膜した。
【0043】次に、溝70を埋め込み平坦化し、スペー
サ76(図14参照)を形成する。ここでは、溝の埋め
込みとスペーサ76(図14参照)を同時に形成する方
法として図15(D)に示すようなフォトレジスト17
6を塗布した。ここでフォトレジスト176としてはヘ
キスト(Hoechst )社製ポジ型フォトレジストである商
品名AZ4620を用い、これを溶剤により適当な粘度
にして塗布し、平滑な面を形成した。スペーサ厚み(図
3に示したt1 )が1.5μmとなるようCF 4 ガスを
用いた反応性イオンエッチング(RIE)によりフォト
レジスト176のエッチバックを行った。
【0044】次に、図15(E)に示すように、フォト
レジスト176にV型溝を前述のハーフトーンのマスク
を用いたマイクロ構造体を形成する図7の方法を用いて
形成した。フォトレジスト176に形成したV型溝は基
板上に形成したV型溝の角度とほぼ同様に成るようにし
てある。ハーフトーンのマスクは石英基板上にフォトリ
ソグラフィ時の露光の遮光部となるクロムの厚みを調整
して形成してある。
【0045】そして、図15(F)に示すように、真空
蒸着法の一つである抵抗加熱蒸着法によりタングステン
(W)ボートを用いて金(Au)を3000Å薄膜堆積
し、ミラーおよびねじり回転を行う梁となるAu薄膜1
71を形成した。次に、金(Au)の表面にフォトレジ
スト103を塗布してフォトリソグラフィプロセスによ
りパターニングし、このパターンによりAuをヨウ素及
びヨウ化カリウムからなるエッチング水溶液にてエッチ
ングし、その後RIEを用いて酸素プラズマによりAu
上部およびミラーおよび梁の下部のフォトレジスト10
3,176をエッチング除去し図14に示す光偏向器を
作製した。酸素プラズマによるフォトレジストのエッチ
ング条件は第1実施例の作製条件と同様である。フォト
レジストを除去した後、固定電極75の誘電体薄膜77
にミラー71aが面接触する位置に梁71bのパターン
を形成した。このようにして作製した光偏向器の固定電
極75に電圧10Vを印加したところミラー71aが誘
電体薄膜77に接触したが、ミラー71aの自由端は基
板上方に1μm反っていた。さらに電圧を上げて30V
印加したところミラー自由端も基板に接触し、面接触す
ることが可能となった。本発明の光偏向器は、ミラーが
反っていてもミラーの偏向面の角度補償をすることが可
能となった。
【0046】(第3実施例)図16は本発明の光偏向器
の第3実施例の構成を説明するための斜視図であり、図
17はその断面図である。
【0047】溝80を有する基板上には絶縁層83を介
して固定電極84が設けられており、絶縁層83上には
コンタクト89を介した支持部81bによりミラー81
aが片持ち板形状となって支持されている。ミラー81
aおよび支持部81bは機械可動部81とされ、固定電
極84に電圧を印加することによりミラー面が静電引力
により固定電極84側に変位する。このとき、ミラー8
1aの根本となる支持部81bとのL形の部分および支
持部81bとコンタクト89とのL形の部分で変形し、
ミラー面は変形しない。図17に示すように、固定電極
84に電圧を印加しない時のミラー停止位置を基板面か
らの距離t3 で表し、ミラー81aの自由端が溝80の
一辺に接触する時のミラー停止位置からの距離をt4
する。溝がない場合、光偏向器の最大偏向角度は距離t
3 とミラー81aの長手方向の長さにより決定するが、
本実施例に示すような溝80を形成することにより偏向
角度をさらに大きくすることが可能となる。また、固定
電極84とミラー81aとの距離は偏向角度に対して実
行的に短くなり、低電圧化を図ることが可能となってい
る。さらに、本実施例の光偏向器ではスペーサを除去し
てあり、アレイ化するに適した構成を持つことは図12
に示す第1実施例について述べた光偏向器と同様の理由
により明らかである。図17においてコンタクト89が
絶縁層83に形成されてあるが、基板と電気的に接地す
る場合はコンタクト89を基板と電気的に接触するよう
に絶縁層83にコンタクト用の窓を開け電気的に接続す
るようにしても良い。
【0048】次に、上述の光偏向器の第3実施例の作製
工程の一例を図18をもとに説明する。図18は、本発
明の光偏向器の第3実施例の作製工程図である。
【0049】まず、図18(A)に示すように、Siか
らなる基板上にV型溝を上述した異方性エッチングによ
り形成した。この時、角度θ(図6参照)が19.4°
のシリコン基板を使用した。これによりV型溝の一方の
(111)面は基板と垂直な面を取り、溝の最大深さは
3.5μmであった。
【0050】次に、そのV型溝を有するSi基板にシリ
コン窒化膜を減圧CVD(LPCVD)により3000
Å成膜し絶縁層83を形成した。固定電極となるポリシ
リコン膜184をLPCVDにより620℃にて150
0Å成膜し、その後にイオン注入法によりリン(P)を
1×1016(ions/cm2 )注入し、1100℃の
窒素雰囲気中で1時間拡散処理を施した。この結果、ポ
リシリコンのシート抵抗は12Ω/口となった。ポリシ
リコン膜184にフォトレジスト104を塗布し、露
光,現像を行うフォトリソグラフィプロセスを用いてフ
ォトレジスト103にパターニングを施し(図18
(B))、反応性イオンエッチング法(RIE)により
エッチングガスとしてCF4 を用いポリシリコン膜18
4をパターン形成した後にレジストを剥離し、図18
(C)に示す固定電極84を形成した。そして、図18
(C)に示すように固定電極上に最終的に除去して空隙
部分となるシリコン酸化膜186をバイアス・スパッタ
リング法(月間Semiconductor World.プレスジャーナ
ル,1984.10.pp121-128 )を用いて成膜した。具体的に
は、基板に(−200V)のバイアス電圧を印加するこ
とにより、溝を埋め込み、かつ、平坦化したシリコン酸
化膜186を形成し、図17に示した距離t3 が1.5
μmとなるようにシリコン酸化膜186をCF4 ガスを
用いてエッチバックした。エッチバックの際に成膜した
シリコン酸化膜の平坦化をさらに増すためにレジストを
塗布しエッチバックすることにより平坦化を上げた。シ
リコン酸化膜186は、図18(C)に示すようにコン
タクト89を形成する為に一部フォトリソグラフィによ
り除去してある。シリコン酸化膜の除去は、レジストを
マスクとしてエッチングした時の膜側面が基板に垂直に
なるようにCHF3とCF4の混合ガスを用い反応性イオ
ンエッチングにて行った。
【0051】次いで、図18(D)に示すようにミラ
ー、支持部、およびコンタクトとなる電気導電体薄膜と
してポリシリコン膜181を用い、シリコン酸化膜18
6上にLPCVDにより600℃にて3000Å成膜
し、その後にイオン注入法によりリン(P)を1×10
16(ions/cm2 )注入し、1100℃の窒素雰囲
気中で3時間拡散処理を施した。この結果、ポリシリコ
ン膜の応力は圧縮性応力であり、1.2×108 dyn
/cm2 となった。コンタクト89のシリコン酸化膜の
ステップ上のポリシリコンは薄膜化し、変形しやすくな
っている。
【0052】そして、図18(E)に示すようにミラ
ー、支持部、およびコンタクトとなるように電気導電体
薄膜181にフォトリソグラフィによりフォトレジスト
105をパターニングし、固定電極84であるポリシリ
コンと同様のエッチング方法を用いて行った。
【0053】最後に、フッ酸水溶液にてバイアス・スパ
ッタリング法により形成したシリコン酸化膜186をエ
ッチング除去し図18(F)に示す本実施例の光偏向器
を作製した。
【0054】以上の作製工程にて、図16,17に示し
た本発明の光偏向器を作製した。このように支持部81
bを配置することにより図12に示した光偏向器と同様
に支持部での入射光の反射を抑えることが可能であり、
スペーサをなくすことにより本実施例の光偏向器を複数
配置した際の光偏向器の隣合う距離を短くでき、より高
密度に光偏向器を配置することが可能であり、熱損傷等
が発生しにくい熱耐性の高い光偏向器となる。さらに、
ミラーが片持ち板の形状を取ることにより、光偏向器が
温度上昇した場合でも、基板とミラーとの熱膨張係数差
により生じるミラーへの熱応力による機械的な変形を回
避できる。また、第1および第2実施例で示したと同様
に基板に溝を形成したことにより偏向角度を大きく取れ
ると同時に低電圧化を図ることも可能となった。
【0055】(第4実施例)図19は本発明の光偏向器
の第4実施例の構成を説明するための斜視図であり、図
20はその断面図である。
【0056】溝90を有する基板上には、絶縁層93を
介して固定電極94が設けられており、絶縁層93を伴
う基板上にはたわみ可能なたわみ板91bがコンタクト
99を介して片持ち板形状に支持され、さらにたわみ板
91bにミラー91aが設けられている。固定電極94
に電圧を印加することによりミラー面が静電引力により
固定電極94側に変位する。このとき、たわみ板91b
は撓むが、ミラー面は変形しない。固定電極94に電圧
を印加しない時のミラーは基板と同一平面上に停止して
いる。第1から第3実施例で示したような支持部および
スペーサなどは本実施例の光偏向器では設けておらず、
溝の深さにて偏向角が決定され、作製工程においてもス
ペーサを形成することなく溝の埋め込みのみでよい。固
定電極とミラーとの距離は偏向角度に対して実行的に短
く成り、低電圧化を図ることが可能となっている。本実
施例の光偏向器ではスペーサを必要とせず、アレイ化す
るに適し且つ熱的安定性のある構成を持つことは図12
に示した第1実施例の説明および片持ち板形状をもつ第
3実施例と同様の理由により明らかである。図20にお
いてコンタクト99が絶縁層93上に形成されている
が、基板を電気的に接地する場合はコンタクト99を基
板と電気的に接触するように絶縁層93にコンタクト用
の窓を開け電気的に接続するようにしても良い。また、
集積化に際しては溝の一辺にトランジスタを形成してお
くことも可能である。
【0057】次に、上述の光偏向器の作製工程の一例を
図21をもとに説明する。図21は、本発明の光偏向器
の第4実施例の作製工程図を用いて説明する。
【0058】まず、図21(A)に示すようにSiから
なる基板上にV型溝を上述した異方性エッチングにより
形成した。本実施例では第1実施例と同様の基板を用い
た。
【0059】次いで、図21(B)に示すようにSi基
板上に絶縁層93として1μmの熱シリコン酸化膜を形
成し、そしてAl膜194をスパッタリング法により1
000Å成膜し、フォトレジスト106を塗布、露光、
現像しパターニングしてマスクとして用いた。
【0060】そして、図21(C)に示すようにAl膜
194をBCl3 とCl2 との混合エッチングガスによ
りRIEにてパターニングを行い固定電極74を形成し
た。さらに、溝90に樹脂である溝埋め込みレジスト1
96を塗布して埋め込んだ後に、CF4 ガスを用いたR
IEによるエッチバックを行い溝埋め込みレジスト19
6を基板面と同一面と成るまで平坦化した。このように
本実施例の光偏向器ではスペーサ部を形成しない。
【0061】次に電気導電性を有するたわみ板91bと
なるAl膜192をスパッタリング法を用いてアルミニ
ウム(Al)をアルゴンによりスパッタリングし100
0Å薄膜堆積した。さらに、図21(D)に示すよう
に、Al膜192上にフォトレジスト107(日立化
成、ネガレジスト、商品名RD2000N)を塗布、露
光し、レジストパターンの断面が逆テーパ形状となるよ
うに現像した。
【0062】次に、図21(E)に示すように真空電子
ビーム蒸着法によりAl膜191を3000Å成膜し
た。
【0063】そして、図21(F)に示すようにフォト
レジスト107を剥離液により剥離除去することにより
フォトレジスト107上のAl膜191をリフトオフ
し、ミラー91aおよびコンタクト99を形成した。リ
フトオフを行うにあたり、溝90の埋め込みに用いた溝
埋め込みレジスト196が剥離液により剥離しないこと
が必要であり、例えばポリイミド、ポリアミド等を使用
すれば良い。次に、たわみ板及びコンタクトをフォトレ
ジスト108で覆い、Al膜192をBCl3 とCl2
との混合エッチングガスによりRIEにてパターニング
を行う。
【0064】引き続づきRIEを用いて酸素プラズマに
よりAl膜194上部のフォトレジスト108およびミ
ラー91a下部の溝埋め込みレジスト196をエッチン
グ除去し、図21(G)に示す本実施例の光偏向器を作
製した。
【0065】以上の作製工程にて、図19,20に示し
た本実施例の光偏向器を作製した。このように基板に溝
を形成し、ミラー91aの厚みに比べて薄くたわみ可能
なたわみ板91bを設けることでスペースのとらない光
偏向器となる。スペーサをなくすことにより本実施例の
光偏向器を複数配置した際の光偏向器の隣合う距離を短
くでき、より高密度の光偏向器を配置することが可能で
あり、熱損傷等が発生しにくい熱耐性の高い光偏向器と
成る。また、第1および第2実施例と同様に基板に溝を
形成したことにより偏向角度を大きく取れると同時に低
電圧化を図ることも可能となった。また、スペーサとし
てフォトレジストを用いる場合、有機溶媒にて適当な粘
度に希釈されたフォトレジストを塗布するため、使用す
るに伴い粘度の変化が生じスペーサの厚みが変化した際
に偏向角度にずれが生ずる可能性がある。このため、十
分なプロセスコントロールが必要である。ところが、本
実施例の光偏向器にあってはスペーサを形成する必要が
ないため、製造上の歩留り低下を招くことがない優れた
光偏向器となる。
【0066】以上、実施例を用いて本発明の光偏向器の
構成、作製工程及び動作について説明した。第1乃至第
4実施例において固定電極を基板上に絶縁層を介して形
成したが、基板がガラス等の電気的絶縁性を有するもの
であれば絶縁層を設ける必要はない。さらに、基板とし
てシリコン(Si)等の半導体材料を用いる場合、固定
電極としてイオン注入等により不純物導入した拡散層を
用いることが可能である。第3実施例の作製方法では溝
の埋め込みおよびスペーサの材料としてのシリコン酸化
膜を用いたが第1,4実施例と同様にフォトレジストま
たはレジストを用いて酸素プラズマにより除去しても良
い。図12,図16,図19に示したようなコンタクト
を有する構造では、溝埋め込みの材料としてフォトレジ
ストまたはレジストを用いる場合、それらを溶解する溶
剤を用いても構わない。また、実施例を通じて溝の埋め
込みまたは溝の埋め込みおよびスペーサの材料としてフ
ォトレジストやシリコン酸化膜を用いたが特に限定され
るものではない。他の材料として、TiまたはTi/W
からなる金属合金薄膜を抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸
着法などの真空蒸着法により成膜し、図9および図12
では空隙形成材料の除去に過酸化水素水を用いてエッチ
ング除去することによって同様の本発明の光偏向器を形
成することが可能である。この場合、固定電極および機
械可動部はエッチングされない材料を用いる。また、溝
を埋め込む材料とスペーサの材料は同一である必要はな
く、第4実施例で示したような方法で溝を埋め込んだ後
に新たに他の材料でスペーサを形成してもよい。電気電
導体薄膜としてAl,Au及びイオン注入にて低抵抗に
したポリシリコン膜を用いたが、溝の埋め込みおよびス
ペーサの材料を除去する際に光偏向器の構成要素となる
ミラー、固定電極、誘電体薄膜等がエッチングされない
材料であればAl,Ag,Cu,Ga,Ge,In,S
i等の金属、半金属および低抵抗の電気的導電性を有す
る半導体であればいずれを用いることも可能である。ミ
ラーに用いる薄膜材料としては、偏向すべき光の波長に
より反射率の高い材料を選択する必要がある。よって、
ミラーに用いる材料として好ましくは、赤外から紫外域
に高反射率となるAg,Al,Ni,Pt,Au,C
u,Ti,Co,Zn等の金属材料である。これら金属
材料は単元素に規定されるものではなく、2種類以上の
金属元素からなる合金化された金属を用いてもよいこと
は言うまでもない。第2実施例にて誘電体薄膜を用いた
が、誘電体薄膜は作製工程例で用いたAIN膜に限定さ
れたものでなくSiO,Si34 ,ZrO2 ,TiO
2 ,MgO,Al23 ,SiC,SiON,ZnO,
Ta25 等の電気的絶縁性を有する材料であれば良
い。第2実施例において固定電極への印加電圧を低減す
るには、誘電率の大きな誘電体材料を用いることにより
達成できる。すなわち、静電引力は誘電率に比例するこ
とから、誘電率を大きく取れる絶縁性を有する誘電体薄
膜材料を用いることによりミラーと誘電体薄膜の面接触
を行うに必要な電圧を低減することが可能となる。強誘
電体材料としてはTiBaO,PbZrTiO,PbT
iO等の薄膜作製ができる材料であればよい。また、誘
電体薄膜として有機高分子薄膜を用いても良く、空隙を
作製する際に誘電体薄膜として用いる有機高分子薄膜の
エッチングが起こらない空隙材料を用いれば良い。ま
た、溝の埋め込みに関しては、フォトレジストまたはレ
ジスト(樹脂)の塗布とエッチバックの組み合わせおよ
びバイアス・スパッタリング法による平坦化技術を用い
た。他の方法としては有機シリコンをソースとした、例
えばTEOS(tetre ethyl ortho silicate:Si(OC2H5)
4)等の材料を化学気相成長法(CVD法)またはプラズ
マCVDにより溝を埋め込み平坦化する方法(月間Semi
conductor World,1992,1,pp140-173) を用いても良い。
【0067】次に本発明の光偏向器を用いた応用例であ
る表示装置の例を示す。図22は図12に示した第1実
施例の構成を有する光偏向器を一基板上にアレイ化した
マイクロミラーアレイからなる表示装置の一例を示した
図である。図23は、図22に示した表示装置の静電印
刷への応用例を示す図である。
【0068】各ミラー202の下部には図示していない
が独立に固定電極が配置されており、個々の光偏向器は
独立に光の偏向および偏向光量を制御することが可能と
なっている。隣合うミラー202どうしのコンタクトを
共通に取るコンタクト209が基板上に設けられてい
る。このような表示装置201の静電印刷への応用例を
図23に示す。光源212からの光は、レンズ213を
介して表示装置201に照射される。表示装置201の
各光偏向器は、画像情報に応じて独立して個々の固定電
極に電圧を印加してミラーを制御し、ミラーを通じて入
射光をレンズ214に偏向し感光体ドラム215上に偏
向光を結像させる。静電印刷は従来と同様の方法を用い
て画像が形成される。本発明の表示装置ではミラー偏向
角度を大きく取ることができ、低電圧なのでミラーを駆
動する消費電力が小さい小型の表示装置となっている。
【0069】さらに、図24は図22の表示装置を2次
元アレイ化した平面図であり、図25は図16または図
19の光偏向器を2次元アレイ化した表示装置の平面図
である。これらの図に示す表示装置221、表示装置2
31を用いることにより投射型ディスプレイへ応用する
ことが可能となる。これら表示装置は実施例で示した光
偏向器の1つが1つの画素を形成する。また、コンタク
トは夫々の光偏向器に応じてコンタクト229、共通コ
ンタクト239のように配置してある。
【0070】図26は図24に示した本発明の表示装置
を投射型ディスプレイに応用した際の光学系の一例を示
した図である。照明系242からの光を表示装置221
により、所望の画像データを各ミラーにより反射し、投
射レンズ243および絞り244を介してスクリーン2
45に投影する。画像表示を行わない場合はミラーの角
度により遮光板246の方向に偏向する(図4における
反射方向4)。本発明の光偏向器を用いた表示装置によ
り、一画素が一ミラーからなる投射型ディスプレイが作
製できた。この表示装置により形成される画像データを
カラー化するには、図26で示す光学系および表示装置
を3つずつ設けて各々の表示装置221(図24参照)
の光路の前または後にそれぞれ異なる色素からなるRE
D(R),GREEN(G),BLUE(B)の各カラ
ーフィルターを配置し、同一スクリーン上に投影するこ
とによりカラー化が達成できる。
【0071】図27は図26に示す表示装置のカラー化
を達成するためのカラーフィルターの図であり、図28
は図27に示すカラーフィルターを用いた光学系を示し
た図である。カラー化の為の他の光学系としては、図2
8に示すように光路上で表示装置の前または後にRGB
からなる3色のカラーフィルター(図27に示す)を一
体化したカラーフィルター247を配置し回転軸248
を中心に回転することによりカラー化が可能となる。こ
の際に表示装置は各色に応じて同期しつつ独立して画像
を形成することとなる。これにより図26の光学系にお
いて3つの表示装置が必要であったが1つの表示装置で
カラー投射型ディスプレイが作製可能となった。
【0072】
【発明の効果】以上説明したような本発明の光偏向器に
よれば、基板に機械可動部に備えられた光偏向板の少な
くとも一方の自由端が入る溝が穿設されたことで、基板
と機械可動部との間の空隙間隔を長くしなくても、偏向
角度を大きく取れると同時に低電圧にて光偏向板の駆動
が可能となる。
【0073】また、基板へ溝形成を行うことにより空隙
を設けるためのスペーサを必要としない光偏向器を作製
することが可能となり、作製上の工程管理の容易な構造
が提供できる。
【0074】さらに、固定電極上に誘電体薄膜を設け、
光偏向板の一方の面を固定電極上に設けた誘電体薄膜に
面接触することにより、膜応力などによる光偏向板面の
反りによる偏向角のずれをなくすことができる。
【0075】そして、本発明の光偏向器をアレイ化する
ことにより小型で安価な表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光偏向器の第1実施例を示す平面図で
ある。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の光偏向器の第1実施例の動作原理を示
す動作説明図である。
【図4】本発明の光偏向器の第1実施例の動作による偏
向動作図である。
【図5】本発明の光偏向器における溝の作成方法を示す
図である。
【図6】本発明の光偏向器における溝の作成方法を示す
図である。
【図7】本発明の光偏向器における溝の作成方法を示す
図である。
【図8】本発明の光偏向器の第1実施例の作成工程を示
す工程図である。
【図9】本発明の光偏向器の第1実施例における固定電
極を基板面上に配置した場合の図である。
【図10】本発明の光偏向器の第1実施例における固定
電極を基板上に配置するとともに、溝形状を凹型にした
場合の図である。
【図11】本発明の光偏向器の第1実施例における固定
電極を基板上に配置するとともに、溝形状を凹型にした
場合の図である。
【図12】本発明の光偏向器の第1実施例の支持部の他
の構成を説明する斜視図である。
【図13】本発明の光偏向器の第2実施例の構成を説明
するための断面図である。
【図14】本発明の第2実施例の他の構成を説明するた
めの断面図を示す。
【図15】本発明の第2実施例の作製工程図である。
【図16】本発明の光偏向器の第3実施例の構成を説明
するための斜視図である。
【図17】図16に示す光偏向器の断面図である。
【図18】本発明の光偏向器の第3実施例の作製工程図
である。
【図19】本発明の光偏向器の第4実施例の構成を説明
するための斜視図である。
【図20】図19に示す光偏向器の断面図である。
【図21】本発明の光偏向器の第4実施例の作製工程図
を用いて説明する。
【図22】図12に示した第1実施例の構成を有する光
偏向器を一基板上にアレイ化したマイクロミラーアレイ
からなる表示装置の一例を示した図である。
【図23】図22に示した表示装置の静電印刷への応用
例を示す図である。
【図24】図22に示した表示装置を2次元アレイ化し
た平面図である。
【図25】図16または図19に示した光偏向器を2次
元アレイ化した表示装置の平面図である。
【図26】図24に示した表示装置を投射型ディスプレ
イに応用した際の光学系の一例を示した図である。
【図27】図26に示す表示装置のカラー化を達成する
ためのカラーフィルターの図である。
【図28】図27に示すカラーフィルターを用いた光学
系を示した図である。
【図29】従来の光偏向器を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 5 エッチングマスク 6 フォトレジスト 7 フォトマスク 8 ハーフトーン 10,20,30,40,50,60,70,80,9
0 溝 11a,21a,31a,41a,51a,61a,7
1a,81a,91aミラー 11b,21b,31b,41b,51b,61b,7
1b 梁 13,23,33,43,53,63,73,83,9
3 絶縁層 14,15,24,25,34,35,44,45,5
4,55,64,65,74,75,84,94 固
定電極 16,26,36,46,66,76 スペーサ 18,28,38,48,58,68,78,88
支持部 59,89,99,209,229 コンタクト 67,77 誘電体薄膜 91b たわみ板 100,101,102,103,104,105,1
06,107,108,116,176 フォトレジ
スト 111 空隙 114,181,184 ポリシリコン膜 117,174,191,194 Al膜 171 Au薄膜 186 シリコン酸化膜 196 溝埋め込みレジスト 201,221,231 表示装置 212 光源 213,214 レンズ 215 感光体ドラム 239 共通コンタクト 242 照明系 243 投影レンズ 244 絞り 245 スクリーン 246 遮光板 247 カラーフィルター 248 回転軸

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に少なくとも一つ以上の固定電極を
    設けた基板と、該基板上に空隙を介して形成した機械可
    動部を有し、前記固定電極に電圧を印加することにより
    前記機械可動部を固定電極方向に空間的に変位させて前
    記基板に入射する光を偏向する光偏向器において、 前記機械可動部が、電気導電体薄膜からなり、かつ、光
    偏向板を備えており、 前記基板には、前記機械可動部を変位させたときの光偏
    向板の少なくとも一方の自由端が入る溝が穿設されてい
    ることを特徴とする光偏向器。
  2. 【請求項2】 機械可動部が光偏向板と、該光偏向板を
    支持するとともにねじり回転する梁からなることを特徴
    とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 【請求項3】 溝がV型形状である請求項1に記載の光
    偏向器。
  4. 【請求項4】 固定電極の少なくとも一つがV型溝の一
    辺に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の
    光偏向器。
  5. 【請求項5】 固定電極が光偏向板下部の溝が穿設され
    ていない基板面上に配設されたことを特徴とする請求項
    1に記載の光偏向器。
  6. 【請求項6】 固定電極上に誘電体薄膜を形成してなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の光偏向器。
  7. 【請求項7】 光偏向板が固定電極上に形成した誘電体
    薄膜面に面接触することを特徴とする請求項6に記載の
    光偏向器。
  8. 【請求項8】 機械可動部が、溝が穿設されていない基
    板面上に設けたコンタクトを介して形成した支持部と片
    持ち板とからなり、該片持ち板が光偏向板となることを
    特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  9. 【請求項9】 機械可動部がたわみ板と、 たわみ板の自由端となる一端面上に設けた光偏向板と、 前記たわみ板の他端面を溝が穿設されていない基板面上
    に固定するコンタクトからなることを特徴とする請求項
    1に記載の光偏向器。
  10. 【請求項10】 空隙が溝のみからなることを特徴とす
    る請求項9に記載の光偏向器。
  11. 【請求項11】 電気導電体薄膜が金属薄膜からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  12. 【請求項12】 基板上に薄膜形成方法を用いて作製す
    る光偏向器の作製方法において、 前記基板に溝を形成する工程と、 前記溝に形成した基板に固定電極を形成する工程と、 前記溝を埋め込み材料により埋め込み平坦化する工程
    と、 平坦化した基板上に光偏向板を有する機械可動部を形成
    する工程と、 前記埋め込み材料を除去する工程を用いて作製すること
    を特徴とする光偏向器の作製方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の光偏向器を複数用
    い、各々の光偏向器が他の光偏向器とは独立に変位する
    ための変位手段を有し、画像表示を行うことを特徴とす
    る表示装置。
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