JP4553505B2 - 調剤システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数・多数の調剤機器を含み、病院薬局等に設置されて調剤業務に用いられる調剤システムに関し、詳しくは、幾つかの調剤機器がそれぞれ多数の薬剤容器を収納するようになっている調剤システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
錠剤分包機や注射薬払出装置などの調剤機器では、錠剤フィーダや薬剤カセット等の薬剤容器に各種の薬剤を種類分けして収容しておき、処方箋やそれに基づく調剤指示に従って所望の薬剤を所望の量だけ取り出せるようになっている。また、多くの機種で、薬剤容器への薬剤補充が容易に行えるよう薬剤容器が着脱可能となっているが、その際に装着先を誤ることの無いよう、薬剤容器の装着先を対応するものに限定する手段が付加されている。
【0003】
そのような手段として、キー(突子)と溝(穴)との位置合わせ等を利用した機械的なものもあるが、コストや,柔軟性,拡張性,小形化といった観点から、次の識別情報読取方式が主流になりつつある。すなわち、それぞれの薬剤容器に異なる識別番号を付しておいて、それを電気的に又は磁気的に読み取り、予め設定されている収納許可情報とその読取情報とを照合して、不一致時には警報を発するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような識別情報読取方式では、キー溝の嵌合が成立しないと装着そのものが完遂しないものと異なり、照合結果とは無関係に装着自体は行える。また、従来の調剤システムでは、個々の調剤機器ごとに1回しか照合が行われない。
そこで、照合の仕方等に工夫を加味して、より確実に各薬剤容器がそれぞれの適正個所に配置されるようにすることが、技術的な課題となる。
【0005】
さらに、照合不成立時に警報が発せられると、そこに装着してはいけないということは直ちに判っても、何処に装着し直せば良いかということまで直ちに判るわけではなく、そのような場合、装着先を探すのに手間が掛かっていた。
そこで、照合結果等を利用して簡便に、装着先が迅速に判るようにすることも、更なる課題となる。
【0006】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、識別情報読取方式でも薬剤容器の適正配置が確実に維持される調剤システムを実現することを目的とする。
また、この発明は、さらに薬剤容器の収納作業が迅速かつ的確に行える調剤システムを実現することも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第5の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0008】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の調剤システムは、出願当初の請求項1に記載の如く、それぞれが多数の(薬剤瓶や薬剤フィーダ等の)薬剤容器を収納しうる複数の(調剤台や自動調剤装置等の)調剤機器と、それら(薬剤容器)の収納箇所に臨んで設けられ該当個所に収納された薬剤容器に付されている識別情報を読み取る多数の読取装置とを備え、前記調剤機器それぞれが自己に収納された薬剤容器について読み取った識別情報と予め設定されている収納許可情報との照合を行う調剤システムであって、前記調剤機器の何れかで照合が行われると(少なくともその照合結果が否定的なときには)そのときの識別情報を用いて(前記調剤機器のうち)他の調剤機器の収納許可情報について照合を行う広域照合手段が(前記調剤機器とは別に若しくはその何れかに集中して又は前記調剤機器の幾つかに分散して)設けられているものである。
【0009】
このような第1の解決手段の調剤システムにあっては、薬剤容器がそれぞれの適正位置に収納されたか否かの確認が、薬剤容器の収納先の調剤機器毎に行われるのに加えて、収納先以外の調剤機器についても随時または必要に応じて行われる。このように広狭の多重チェックが行われるようにしたことにより、薬剤容器の適正配置がより確実に維持されることとなる。
【0010】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の調剤システムは、出願当初の請求項2に記載の如く、上記の第1の解決手段の調剤システムであって、前記収納箇所とは別に設けられ(前記調剤機器から外された前記薬剤容器または他の薬剤容器などの)薬剤容器に付されている識別情報を読み取り可能な他の読取装置を備え、これで読み取った識別情報と前記調剤機器の又は前記広域照合手段の収納許可情報との照合を(前記広域照合手段が又は他の付加手段が)行ってその収納箇所を選定するものである。
【0011】
このような第2の解決手段の調剤システムにあっては、薬剤容器の収納先が不明なときや判然としないときなど、その識別情報を読み取らせれば直ちに収納箇所や収納先の装置あるいは収納先の有無などが判るので、薬剤容器の収納作業が迅速かつ的確に行えることとなる。
【0012】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の調剤システムは、出願当初の請求項3に記載の如く、上記の第1,第2の解決手段の調剤システムであって、(前記広域照合手段の一部として又は他の付加手段として)行先案内手段が設けられ、この行先案内手段は、(前記広域照合手段または他の付加手段による)前記照合の結果に基づいて、(許可されていて適正に収納)可能な収納先を、(常に又は選択的に音声や画面表示等で)案内するようになっている、というものである。
【0013】
このような第3の解決手段の調剤システムにあっては、判明した薬剤容器の収納先が積極的に案内されるので、薬剤容器の収納作業がより迅速かつ的確に行える。
【0014】
[第4の解決手段]
第4の解決手段の調剤システムは、出願当初の請求項4に記載の如く、上記の第1,第2の解決手段の調剤システムであって、前記調剤機器それぞれに音声出力手段が付設され、(前記広域照合手段が又は他の付加手段がそれによる)前記照合の結果に基づいて前記調剤機器のうちから収納先の調剤機器を選出するとともに(前記音声出力手段のうち)その選出した調剤機器のところ(の音声出力手段を介してそこ)から音声にて呼び込みを行うものである。
【0015】
このような第4の解決手段の調剤システムにあっては、判明した薬剤容器の収納先が積極的かつ明瞭に案内されるので、薬剤容器の収納作業がより一層迅速かつ的確に行える。
【0016】
[第5の解決手段]
第5の解決手段の調剤システムは、出願当初の請求項5に記載の如く、上記の第1〜第4の解決手段の調剤システムであって、前記読取装置が書込も行える読書装置であり、而も、(その読取装置を用いて)該当個所に収納された薬剤容器に対しその識別情報を維持して該当調剤機器に関する付加情報を追記する手段が設けられている、というものである。
【0017】
このような第5の解決手段の調剤システムにあっては、複数の薬剤容器に同じ識別情報を割り当てても、一度収納すればその調剤機器に関する付加情報が自動的に追加されて、収納先が明瞭に確立されるので、同一構成の又は類似構成の調剤機器が並設されるような大規模システムでも、多数の薬剤容器に識別情報を割り振るのが、容易に行えることとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の調剤システムについて、これを実施するための形態を幾つか説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施形態は、上述した解決手段の調剤システムであって、前記調剤機器の何れかに次の薬剤フィーダが装着されているものである。
すなわち、その薬剤フィーダは、薬剤を収容する容器部と、その中で回転可能に設けられた整列盤と、前記容器部と前記整列盤との環状間隙の端部に形成された排出口に対向させて設けられ前記環状間隙の一部を仕切る仕切板とを備えた薬剤フィーダにおいて、前記容器部および前記整列盤が硬質部材からなり、前記仕切板が軟質部材からなる、というものである。
ここで、上記の「硬質」か「軟質」は、ヤング率等の弾性率が相対的に大きいか小さいかによって決められる。部材の破損や永久変形を招かない通常の使用状態では、一時的な変形による緩衝やにげが重要であり、弾性限は問題とならないからである。なお、塑性変形した損傷部品の交換まで考慮すれば、硬質の整列盤等の弾性限が交換容易な軟質の仕切板の弾性限を上回る方が良い。
【0020】
このような薬剤フィーダにあっては、容器部に錠剤等の薬剤を収容しておいて整列盤を回転させると、その回転に伴い、収容薬剤が環状間隙に落ちて整列させられるとともに順に排出口の上へ送られてそこから落下排出させられる。また、そのとき排出薬剤の上に来ていた他の薬剤は、仕切板の上に乗り上げて排出口への落下を阻止されるが、その仕切板が従来の堅い部材から軟質のものに変わっていることから、そのときの薬剤と仕切板との当たり具合が従来より多少強くなっても、仕切板の端部等の一時的変形によってショックが緩和されるので、薬剤の損傷は回避される。これにより、仕切板の取付位置の精度すなわち環状間隙の排出口側端面から仕切板までの高さ精度を従来より緩和しても、従来と同等かそれ以上に適切な動作結果が得られることとなり、その結果、仕切板の高さ調整が楽になる。
【0021】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施形態における薬剤フィーダは、上記第1の実施形態のものであって、前記仕切板に鈎爪等の第1係着部が形成され、前記仕切板の保持部に小孔等の第2係着部が複数形成され、前記第2係着部が何れも前記第1係着部に適合している、というものである。
このような薬剤フィーダにあっては、仕切板の装着が、複数の第2係着部のうちから取扱対象薬剤に適合するものを選び出してそこに第1係着部を係着させることで、行われる。仕切板をずらしたり傾けたりしながらネジ止めすることは行われない。これにより、仕切板の高さが微妙で難しい調整でなく簡単な選択にて設定され、その仕切板はやはり簡単な係着にて保持されることとなる。しかも、そのようにしても、仕切板が柔らかいものになっていてその取付位置精度が緩和されているので、薬剤損傷のおそれはない。その結果。仕切板の高さ調整が不要となる。
【0022】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施形態における薬剤フィーダは、上記第1,第2の実施形態のものであって、多数の隔壁が、前記整列盤の側周面に列設されて前記環状間隙を区分しており、それら隔壁間の距離が前記仕切板と前記排出口との距離より短く、且つ、何れの隔壁も前記環状間隙のうち前記仕切板と前記排出口との間を通る環状部分に収まっている、というものである。
【0023】
仕切板の材質を堅いものから柔らかいものに変えてその取付位置精度が緩和されたことにより、仕切板の取付位置の精度すなわち環状間隙の排出口側端面から仕切板までの高さ精度を従来より緩和しても、さらに予備整列を省いても、従来と同等かそれ以上に適切な動作結果が得られる。その結果、仕切板より高いところにまで隔壁を設け無くても、カプセル剤も含めてほとんどの薬剤を適切に処理することが可能となるので、従来は隔壁を複列化せざるを得なかった薬剤フィーダであっても、すなわち一瞥で視認可能なほど隔壁間の距離が仕切板と排出口との距離より短い薬剤フィーダであっても、隔壁が単列で済み、薬剤の収容効率が良くなる。したがって、この実施形態によれば、取扱対象がカプセル剤等であっても収容効率が良く而も仕切板の高さ調整が楽な薬剤フィーダを実現することができる。
【0024】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施形態における薬剤フィーダは、上記第1〜第3の実施形態のものであって、前記仕切板のうち前記環状間隙に来る部分が鋸歯状または櫛歯状に形成されている、というものである。
このような薬剤フィーダにあっては、仕切板のうち薬剤と最も強く当接するところである環状間隙内の部分が、鋸歯状または櫛歯状に形成されて、さらに変形し易くなっているので、ショック緩和の働きが向上する。したがって、この実施形態によれば、収容効率が良く而も仕切板の高さ調整が一層楽な薬剤フィーダを実現することができる。
【0025】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施形態における薬剤フィーダは、上記第1〜第4の実施形態のものであって、前記整列盤の外周面に溝が形成され、その溝に前記仕切板の先端が遊挿されている、というものである。
このような薬剤フィーダにあっては、仕切板の先端に生じる不所望な上下方向変位が溝によって抑制される。これにより、仕切板をその基部・基端側で支持して挿着するような保持態様を採用していても、先端の過剰変形を気にしないで仕切板を更に柔らかくすることが可能となるので、より広範な材質や形状の薬剤を適切に取り扱うことができる。したがって、この実施形態によれば、収容効率が良く而も仕切板の高さ調整が一層楽な薬剤フィーダを実現することができる。
【0026】
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施形態における薬剤フィーダは、上記第1〜第5の実施形態のものであって、見本収納室の形成された蓋が前記容器部に対し開閉可能に連結されている、というものである。
このような薬剤フィーダにあっては、仕切板が柔らかくなって取付位置精度が緩和されていることに加えて、蓋が開閉しても容器部から離れないようになっている。これにより、仕切板の高さ変更等のために薬剤フィーダから薬剤を抜き取った後や、収容薬剤を排出し終えて薬剤フィーダが空になったとき等、薬剤フィーダに薬剤を補充するに際して、見本が蓋と一緒に離れてしまうことが無いので、容易かつ確実に作業が行われる。したがって、この実施形態によれば、収容効率が良く而も仕切板の高さ調整に加えて薬剤補充も楽な薬剤フィーダを実現することができる。
【0027】
このような解決手段や実施形態で達成された本発明の調剤システムについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第8実施例により説明する。
図1に示した第1実施例は、上述した第1〜第3の解決手段を具現化したものであり、図2に示した第2実施例は、上述した第1〜第4の解決手段を具現化したものであり、図3に示した第3実施例は、その変形例である。また、図4に示した第4実施例は、上述した第1〜第5の解決手段を具現化したものである。また、図5〜図9に示した第5実施例は、上述した第1,第2の実施形態を具現化したものであり、図10〜図12に示した第6実施例は、上述した第3実施形態を具現化したものであり、図13に示した第7実施例は、上述した第4,第5の実施形態を具現化したものであり、図14に示した第8実施例は、上述した第6の実施形態を具現化したものである。
【0028】
【第1実施例】
本発明の調剤システムの第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、その概要構成を示しており、(a)が全体ブロック図、(b)が錠剤分包機の内部構造を示す模式図、(c)がそれに多数組み込まれている薬剤フィーダの側面外観図、(d)がその縦断側面図である。
【0029】
この調剤システムは(図1(a)参照)、複数台(図では3台)の錠剤分包機10(調剤機器)を備えたものであるが、それに加えて別体の広域照合手段40も設けられている。この広域照合手段40の広域照合装置本体41と各錠剤分包機10とは、装置間通信手段33によって通信可能に接続されていて、情報収集や交信等を行えるようになっている。
【0030】
錠剤分包機10は(図1(b)参照)、代表的な自動調剤装置であり、その詳細な構成等は後述するが、各種の薬剤1(錠剤等)を種類分けして収容した薬剤フィーダ13が多数設けられている。そして、調剤指示等に従って、マイクロプロセッサシステム等からなるコントローラ18の制御下で、該当する薬剤フィーダ13から必要個数の薬剤1を排出させるとともに、それを服用単位や施用単位で区分しながら包装帯2にて分包するようになっている。
【0031】
薬剤フィーダ13は(図1(c),(d)参照)、大抵、薬剤補充作業の容易化等のために容器部13b(薬剤容器)がベース13kに対して着脱しうるようになっており、さらに、装着した容器部13bとベース13kとの照合等を可能とするために、容器部13bにはデータキャリア7(識別情報の担体)が付設され、ベース13kにはデータリーダ8(読取装置)が付設されている。また、それぞれのデータキャリア7には付設先の容器部13b毎に割り振られた識別番号(薬剤容器の識別情報)が記憶保持されている。そして、容器部13bをベース13kに装着すると、そのデータキャリア7からその収納箇所に臨んで設けられているデータリーダ8によって識別番号が読み取られるようになっている。
【0032】
読み取った識別番号は装置内通信手段6を介してコントローラ18に通知されるようになっているが(図1(a)参照)、コントローラ18には、上述の分包制御を担う基本処理ルーチンに加えて、その識別番号に基づく照合を行うために、自己照合ルーチン31と、照合依頼ルーチン32と、収納許可情報9とがインストールされている。
【0033】
収納許可情報9は、検索可能なテーブル形式等のデータ構造で予め設定され、停電等でも揮発しないようコントローラ18に付属のハードディスク等に保持されている。この収納許可情報9には、データキャリア7に書き込まれた各々の識別番号に対して、該当容器部13bを装着して良いベース13k及びデータリーダ8(収納箇所)の配置情報が設定されているが、その設定範囲は、該当調剤機器(自己)に収納される薬剤フィーダ13及びその収納箇所に関するデータにとどまっている。
【0034】
自己照合ルーチン31は、データキャリア7から読み取った識別番号を何れかのデータリーダ8から受け取ると、その識別番号を用いて収納許可情報9のデータ検索を行って、該当薬剤フィーダ13の収納先として許可されている配置情報を求め、さらに、その許可情報と識別番号との照合を行い、その照合結果が肯定的なものであれば、警報を発することなく該当薬剤フィーダ13を自動調剤の制御対象に加える。これに対し、照合結果が否定的なときには、警報を発するとともに、照合依頼ルーチン32を起動する、といった処理を行うようになっている。
【0035】
照合依頼ルーチン32は、自己照合ルーチン31によって照合が行われたときの識別番号を自己照合ルーチン31から受け取り、その識別番号を広域照合依頼電文に含ませて装置間通信手段33経由で広域照合装置本体41へ送信する、といった処理を行う。これにより、錠剤分包機10はそれぞれが自己に収納された薬剤容器について読み取った識別情報と予め設定されている収納許可情報との照合を行うとともに、その照合結果が否定的なときには広域照合手段40に更なる照合処理を委ねるものとなっている。
【0036】
広域照合手段40は(図1(a)参照)、パーソナルコンピュータ等からなり情報処理を行う広域照合装置本体41と、総ての調剤機器の収納許可情報9すなわち図示の例で言えば或る錠剤分包機10の収納許可情報9aと他の錠剤分包機10の収納許可情報9bと更に別の錠剤分包機10の収納許可情報9cとの等価物を保持する記憶装置42と、各錠剤分包機10における薬剤フィーダ13の収納箇所とは別に設けられているがデータリーダ8と同様のものであるためそれら錠剤分包機10から外された薬剤フィーダ13やその他の薬剤容器でもデータキャリア7の付設されている薬剤容器であればそのデータキャリア7から識別番号を読み取り可能なデータリーダ43(他の読取装置)と、行先案内等を画面表示するためのディスプレイ44と、行先案内等を音声出力するためのスピーカ45とを具えている。
【0037】
そのうち広域照合装置本体41には、情報収集ルーチン46と広域照合ルーチン47と行先案内ルーチン48とがインストールされており、情報収集ルーチン46の処理によって、各錠剤分包機10の収納許可情報9a,9b,9cが装置間通信手段33を介して自動収集され記憶装置42に区分して転記されるようになっている。
【0038】
また、広域照合ルーチン47は、何れかの錠剤分包機10から広域照合依頼電文を受け取ると、それに含まれていた識別番号を用いて収納許可情報9a,9b,9cを検索等しながら、その依頼電文を発した錠剤分包機10の他の錠剤分包機10についても収納許可情報と識別番号との照合を行う。この広域照合ルーチン47は、データリーダ43を用いて識別番号が読み取られたときにも起動され、その識別番号についても広域照合を行うが、何れの場合でも、照合結果は行先案内ルーチン48に引き渡されるようになっている。
【0039】
行先案内ルーチン48は、広域照合の結果を受け取ると、それに基づいて即ち照合時の検索状況等から直ちに或いは必要であれば追加の探索等も行って、薬剤フィーダ13等の適切な収納箇所を選定する処理を行う。そして、確定できればその収納先を、確定できなければ収納先が無いことを、ディスプレイ44に画面表示するとともに、スピーカ45から合成音声にて出力する、といった処理を行う。これにより、広域照合手段40は、照合の結果に基づいて、許可されていて適正に収納可能な収納先を選択的に音声や画面表示等で案内するものとなっている。
【0040】
この第1実施例の調剤システムについて、その使用態様及び動作を説明する。
個々の錠剤分包機10による分包動作等は従来通りなので、そのような調剤動作に関する説明は割愛して、以下、薬剤補充等を行った薬剤フィーダ13を装着させるときの照合動作等について述べる。
【0041】
薬剤フィーダ13の装着箇所について見当がついているときには、作業者は、目指す錠剤分包機10のベース13kに容器部13bを乗せる。そうすると、自動的に、そのデータキャリア7から該当箇所のデータリーダ8によって識別番号が読み取られ、その識別番号を用いて装着先の錠剤分包機10では自己照合ルーチン31による自己照合が行われる。そして、その照合結果が肯定的であれば、その薬剤フィーダ13は何ら問題無く以後の自動分包に供される。
【0042】
これに対し、その自己照合の結果が否定的なときには、照合依頼ルーチン32の処理によって、その装着先の錠剤分包機10から広域照合手段40に対して広域照合の処理が依頼される。すると、それに応じて、広域照合手段40では、情報収集ルーチン46によって各錠剤分包機10から収納許可情報9a,9b,9cが収集され、広域照合ルーチン47によって依頼の識別番号と収納許可情報9a,9b,9cとの照合が行われる。その際、収納許可情報9a,9b,9cが既に収集されていれば、その処理は省いて速やかに、照合処理が実行される。
【0043】
その広域照合によって薬剤フィーダ13の適切な収納箇所が判明すれば、行先案内ルーチン48によって、それを装着すべき錠剤分包機10及びベース13kに関する配置情報が例えば何号機の何段何列目といった情報がディスプレイ44に表示されると同時にスピーカ45から音声にて報される。広域照合によっても薬剤フィーダ13の収納箇所が不明のときは、その旨の警告が発せられる。
【0044】
また、薬剤フィーダ13の装着箇所について見当がついていないときには、作業者は、その薬剤フィーダ13を広域照合手段40のデータリーダ43のところへ持って行く。そうすると、広域照合手段40では、自動的に、その薬剤フィーダ13のデータキャリア7からデータリーダ43によって識別番号が読み取られ、さらに、その識別番号を用いて広域照合ルーチン47による広域照合の処理や行先案内ルーチン48による行先案内の処理が行われて、適切な収納箇所の情報提示がなされる。又は不明な旨の警告が発せられる。
【0045】
こうして、この調剤システムにあっては、薬剤補充を終えた後などに薬剤容器を何処に収納すべきであったか判然としなくなったような場合でも、作業者は、適切な収納箇所を簡単に知ることができるので、迅速かつ的確に作業を済ませられるばかりか、精神的な負担も軽減される。しかも、システム全体における薬剤容器の配置は確実に適正な状態に維持される。
【0046】
【第2実施例】
図2に全体ブロック図を示した本発明の調剤システムが上述した第1実施例のものと相違するのは、錠剤分包機10それぞれにスピーカ50(音声出力手段)が付設された点と、それを利用して音声による案内を行う行先案内ルーチン51及び呼込案内ルーチン52が各コントローラ18に追加インストールされている点である。また、それに伴い、広域照合装置本体41の広域照合ルーチン47や行先案内ルーチン48も、機能拡張されて、照合結果や行先案内情報を照合依頼元の錠剤分包機10に返送するとともに、多数の錠剤分包機10のうちから適正な装着先の錠剤分包機10を選出してそこにも装置間通信手段33経由で通知するようになっている。
【0047】
行先案内ルーチン51は、広域照合手段40から受信した広域照合の結果に基づき、自機のスピーカ50を介して合成音声で、該当薬剤フィーダ13の適正な収納先を報せるようになっている。
呼込案内ルーチン52は、広域照合手段40から受信した広域照合の結果に基づき、自機のスピーカ50を介して合成音声で、該当薬剤フィーダ13の適正な収納箇所を報せるようになっている。
【0048】
この場合、作業者は、薬剤フィーダ13の装着を試みた錠剤分包機10のところで適切な行き先を音声にて知らされるうえ、その行き先の近くまで行けば目的の錠剤分包機10から音声にて呼び込まれるので、迷うことなく簡単に、薬剤容器を適正箇所に付け替えることができる。その結果、薬剤容器の収納作業が一層迅速かつ的確に行えることとなる。
【0049】
【第3実施例】
図3に全体ブロック図を示した本発明の調剤システムが上述した第2実施例のものと相違するのは、広域照合手段が調剤機器の幾つかに分散して設けられている点である。
【0050】
具体的には、広域照合装置本体41が省かれ、広域照合ルーチン47が各錠剤分包機10のコントローラ18それぞれにインストールされる。また、照合依頼ルーチン32は装置間通信手段33を介して広域照合依頼の電文を総ての錠剤分包機10へ一斉に送信するように改造される。さらに、広域照合ルーチン47は、電文に含まれる識別番号を用いて自機の収納許可情報9(図の例では収納許可情報9a,9b,9cの何れか一つずつ)を検索することで、広域照合を分担して並列に処理するように改造される。
【0051】
この場合、何れかの錠剤分包機10から広域照合依頼電文が発せられると、総ての錠剤分包機10で並行して分担部分の照合処理が行われる。そして、それらの照合結果に基づいて適正な装着先の錠剤分包機10が選出されると、照合依頼元の錠剤分包機10では行先案内ルーチン51が起動され、選出された錠剤分包機10では呼込案内ルーチン52が起動される。こうして、この場合も、作業者は、薬剤容器の装着試行場所で行き先を音声にて知らされるとともに、その行き先の近くでは音声による呼び込みも受けるので、やはり迷うことなく簡単に、薬剤容器を適正箇所に付け替えることができる。
【0052】
【第4実施例】
図4(a)に全体ブロック図を示し同図(b),(c)に識別番号のデータ構造を示した本発明の調剤システムが上述した第3実施例のものと相違するのは、データリーダ8がデータキャリア7に対して読み取りに加えて書き込みも行える読書装置になっている点と、各錠剤分包機10のコントローラ18に一括更新ルーチン62(付加情報変更手段)と個別追記ルーチン63(付加情報追記手段)とが追加インストールされている点である。
【0053】
一括更新ルーチン62は、装置間通信手段33等を介して複写元の錠剤分包機10の収納許可情報9を自己の錠剤分包機10に複写し、それに自己の調剤機器番号を付加して自機の収納許可情報9を一気に作り上げるようになっている。図4(a)に例示の場合、左側の錠剤分包機10からその収納許可情報9aを右側の錠剤分包機10にコピーしてから(二点鎖線の矢印を参照)、その情報のうち調剤機器番号部分を右側の錠剤分包機10の調剤機器番号そのもの又はそれに対応した値で書き替えることで、収納許可情報9bが作成される。
【0054】
個別追記ルーチン63は、例えば下位12ビットの薬剤容器識別番号部分7bには有効な値が書き込まれているが例えば上位8ビットの調剤機器番号部分7aには有効な値が書き込まれていないデータキャリア7(図4(b)参照)付きの薬剤フィーダ13が装着されて、そのベース13kに設けられているデータリーダ8で情報読取が行われると、そのデータリーダ8を用いてそこに収納された薬剤フィーダ13のデータキャリア7に対し機器番号部分7aだけの書込を行うか或いは読み取った識別番号部分7bに機器番号部分7aを組み合わせて書き替えを行うものであり(図4(c)参照)、その際に機器番号部分7aには自機の調剤機器番号そのもの又はそれに対応した値を付加するようになっている。
【0055】
この場合、新たな錠剤分包機10がシステムに追加されたときに、それと同一構成の又は同様な構成の錠剤分包機10が既に存在していた場合、一括更新ルーチン62を起動することで簡単に而も迅速に、収納許可情報9を作り上げることができる。
【0056】
また、薬剤フィーダ13のデータキャリア7への識別番号書込についても、データリーダ8と同様のデータライタ61(読書装置)を持つ識別情報書込装置60等を用いてデータキャリア7に薬剤フィーダ13の識別番号を書き込む際に(図4(a)参照)、薬剤容器識別番号部分7bにだけ書き込みを行い(図4(b)参照)、それを目的の錠剤分包機10に装着すれば、最初の装着のときだけ機器番号部分7aが自動で満たされ(図4(c)参照)、以後の脱着に際しては上述したような照合が行われる。
【0057】
したがって、同一構成の又は同様な構成の錠剤分包機10を複数台設ける場合や、既存の錠剤分包機10と同一構成の又は同様な構成の新たな錠剤分包機10を追加する場合など、錠剤分包機10一台分の薬剤フィーダ13に対して識別番号の割り振りを行えば足り、他の錠剤分包機10の薬剤フィーダ13に対しては同じ作業を繰り返せば良いので、調剤システムが大規模なものであっても、多数の薬剤容器に識別情報を割り振るのが容易に行える。
【0058】
【第5実施例】
本発明の調剤システムの第5実施例について、先ず上述の各システムに用いられている錠剤分包機10および薬剤フィーダ13を詳述し、次にそれを改良した薬剤フィーダ20を詳述する。
【0059】
先ず、錠剤分包機10について詳述すると、図5(a)に外観斜視図を示すとともに図1(b)に内部模式図を示したが、錠剤分包機10は、多数の薬剤フィーダ13と、これらの薬剤フィーダ13から排出された薬剤1を収集する薬剤収集機構14,15と、この薬剤収集機構14,15から受けた薬剤1を包装する包装装置17とを備え、処方に応じて適宜の薬剤フィーダ13から薬剤を排出させ、それを薬剤収集機構14,15で収集して下方の薬剤投入部16へ送り込み、さらに包装装置17で分包するものである。
【0060】
すなわち、錠剤分包機10の筐体内には、上の方に薬品庫11が設けられるとともに、下の方に包装装置17が設けられ、さらに、これらの間を薬剤収集機構としての導管14及び収集部材15が連絡しているが、薬品庫11には、個々にスライドしうる複数の薬剤収納庫12が横に並べて配設され、それぞれの薬剤収納庫12には、数個から数十個の着脱可能な薬剤フィーダ13が縦横に並べて格納されている。
【0061】
各薬剤フィーダ13は、多数の薬剤をストックする容器部と指定錠数だけ薬剤を排出する機構とを具えており、これらには薬品の種類ごとに分けて各種の薬剤が収容されている。具体的には(図1(c)及び(d)参照)、蓋13aの付いた容器部13bと、隔壁13dの周設された整列盤13cとが、枠板13eに取り付けられていて、筒部13gを介して13cが回転させられると、容器部13b内の薬剤1が隔壁13dの間へ次々に入って整列するとともに、排出口13fから逐次一錠づつ落下するようになっている。さらに、薬剤フィーダ13は、薬剤収納庫12に取り付けられたベース13kに対して容易に着脱しうるように、モータ13jの回転がスプライン軸13iを介して筒部13gに伝達されるものとなっている。
【0062】
薬剤収納庫12には(図1(b)参照)、ほぼ中央を上下に延びた導管14が組み込まれるとともに、各薬剤フィーダ13の排出口13fがベース13kの貫通口13h及び適宜の延長管路等を経て近くの導管14に連通している。そして、薬剤フィーダ13から排出された薬剤1は、貫通口13hを経て導管14へ導かれ、導管14内を自然落下して、収集部材15へ案内される。このような導管14は、それぞれの薬剤収納庫12毎に設けられる。これにより、収集機構のうち導管14は、多数の薬剤フィーダ13間を並行して走る複数の案内路部分となっている。
【0063】
収集部材15は、薬品庫11の下方であって包装装置17の上方にあたるところに組み込まれ、上部開口が総ての導管14の下端をカバーするほどに大きく開く一方、下部開口が包装装置17の薬剤投入部16に向けて絞られており、何れの導管14によって案内された薬剤1でも下部開口へ向けて集めて包装装置17へ送り込むものである。これにより、収集機構のうち収集部材15は、総ての導管14から包装装置17に至る共通路部分となっている。
【0064】
そして、用量や用法等を記した処方箋等の指定に基づく操作パネル19の操作や上述したような入力装置9での入力あるいは処方オーダリングシステム45からの送信などによる調剤指示に応じて、コントローラ18の制御の下、幾つかの薬剤フィーダ13から排出された薬剤1は、各導管14を介して収集部材15内へ落下し、その収集部材15で集められて、その下方の出口から包装装置17の薬剤投入部16へ投入される。このような薬剤収集経路を経て、薬剤1は、包装装置17によって包装帯2に分包される。包装装置17は、包装帯2を所定長ずつ送り出すとともに加熱シーリングしながら分包を行う。こうして、薬剤の自動分包に際し、適宜の薬剤フィーダ13から収集機構14,15を経て包装装置17へ薬剤1が一錠またはその倍数ごとに供給されるのである。
【0065】
さらに、その薬剤フィーダ13について詳述すると(図5(d),(e)参照)、そのカセット部分には、薬剤1を収容する容器部13bや,その中で回転可能な整列盤13c,これから容器部13bとの環状間隙に突き出た薬剤整列用の隔壁13d,環状間隙の下端に形成された排出口13f等が設けられている。また、整列盤13cの回転に伴って排出口13f上に来た隔壁13d間の薬剤1が排出口13fへ落下した後にその上方から未整列の薬剤1が不所望に入り込まないよう、環状間隙の一部を水平に仕切る金属製の仕切板13mが、排出口13fに対向させた状態で排出口13fの上方に設けられている。
【0066】
そして、玉剤(図5(b),(c)参照)等からなる薬剤1を整列させるためにその形状に対応して(図5(d),(e)参照)、環状間隙の隙間Dが、薬剤1の外寸であって互いに直交する3方向の寸法のうち最も小さいものより僅かに大きくされ、隔壁13d間の距離である幅Wが、中間の外寸より僅かに大きくされ、仕切板13mと排出口13fとの距離である高さHが、最大の外寸より僅かに大きくされる。例えば、薬剤1の形状が直径Mより厚さLの小さい円板状のものである場合(図5(b),(c)参照)、円盤状や多角形など近い形状の薬剤1についても同様であるが、薬剤フィーダ13において対応する隙間D,幅W,高さHは、それぞれ、厚さL,直径M,直径Mより少しだけ大きな寸法にされる(図5(d),(e)参照)。
【0067】
それらの寸法のうち、隙間Dや幅Wについては寸法誤差の許容度が比較的大きいことから、容器部13bや整列盤13cは硬質プラスチック等から射出成形等にてそれぞれ作成した後に組み立てれば適切に作動するが、高さHについては、隔壁13dの間に入っている他の薬剤の上に乗ったり隔壁13dの上に乗っていたりして隔壁13dの間に落下できないまま整列盤13cの回転に伴って仕切板13mに向かって来る薬剤1が仕切板13mの上に乗り上げる際に仕切板13mの端部によって削られたり凹まされたりしないよう、寸法誤差を小さくする必要があるので、仕切板13mをネジ13pでサポート13nに取り付けて固定する際には、細心の注意を払って、取付位置の調整を行っていた。
【0068】
しかしながら、このような調整作業には、その度に工数がかかるうえ、熟練者がなかなか育たない、といった不都合がある。しかも、その調整は、薬剤フィーダの製造時や錠剤分包機への装着時ばかりか、容器部から整列盤を抜き取って薬剤フィーダ内部の清掃を行った後や、分解修理の後など、使用に伴っても行われる。
そこで、仕切板の高さ調整が楽に行えるよう、或いは仕切板の高さ調整が不要になるようにすべく、仕切板等に改良が施されて、薬剤フィーダ13が薬剤フィーダ20となる。
【0069】
次に、改良された薬剤フィーダ20について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図6は、その要部構造を示し、(a)が縦断側面図、(b)が横断平面図である。また、図7は、仕切板とその保持部についての展開斜視図であり、図8は、仕切板の変形例を示す側面図である。
【0070】
この薬剤フィーダ20(図6参照)が上述の薬剤フィーダ13と相違するのは、仕切板13mに代えて仕切板23が採用され、サポート13n及びネジ13pに代わってサポート21及びリテーナ22(保持部)が採用されている点である。それらは何れも射出成形等にて作られるが、サポート21やリテーナ22が、容器部13bや整列盤13cと同様に硬質プラスチック等(硬質部材)たとえばアクリルで作られるのに対し、仕切板23は、それより柔軟性に富んだ軟質プラスチック等(軟質部材)たとえばポリプロピレンで作られる。
【0071】
仕切板23は(図7参照)、基部から同じ向きに鈎爪部23a(第1係着部)と挿入部23bとが突き出し、それらと反対側に摘み部23cが突き出ている。
挿入部23bは、容器部13bと整列盤13cとの環状間隙に挿入されて仕切機能を発揮する有効部分であり、そのために薄く形成される。その挿入状態をネジ止めの不要な係着にて簡便に確保するとともに安定な保持状態を維持するために、鈎爪部23aは一対の又は複数個のものが挿入部23bの両脇等に分散して設けられる。
【0072】
リテーナ22は、容器部13bの側面に貫通して従来より大きく形成された開口13qを塞ぐ大きさや形になっており、仕切板23を固定位置に保持するためにその挿入部23bを差し込むとピッタリ収まる開口22aが貫通形成されている。このリテーナ22は、半回転にて(具体的に図7で仮想すれば仕切板23と容器部13bとを結ぶ直線を軸にした180゜回転にて)上下を入れ替えても外形が変わらないで開口13qを塞げるよう、さらにそのように半回転させても開口22aの位置が同じか上下に移動したのと同等になるよう、適宜な対称性も付与して形成されている。
【0073】
サポート21は、仕切板23を係着にて保持するために、一対の鈎爪部23aに対応する対の小孔21a(第2係着部)が多段に複数対設けられている(図7では各対のうち左側の5個が図示され右側の5個は隠れて図示されていないが、その5対が上下方向に所定ピッチで列んで形成されている)。また、その中央部には、リテーナ22を挿着可能な開口21bが貫通形成されている。さらに、その下端両側には、枠板13eに係着させるための鈎爪部21cが設けられている。
【0074】
リテーナ22の開口22aの位置は、サポート21の小孔21aの各対の何れかに対応していて、仕切板23の挿入部23bをリテーナ22の開口22aに挿入してリテーナ22をサポート21の開口21bに填め込むと、仕切板23の鈎爪部23aが対応位置の小孔21aに入り込むようになっている。小孔21aは、位置が異なるだけで総て同じ形状にされ、そのため、鈎爪部23aは、何れの小孔21aに対しても適合する。すなわち、充分に奥まで挿入されると、先端の膨らみ部分が突き出ると同時に少し開いて軽く引っかかって止まり、強く引かれると抜けるようになっている。
【0075】
また、仕切板23は、挿入部23bが基部の中央から突き出ているもの(図8(a)参照)だけでも良いが、それに加えて又はそれに代えて、上か下に片寄ったところから突き出たもの(図8(b),(c)参照)が作られることもある。
この仕切板23の場合も、リテーナ22と同様に半回転にて(具体的に図8で仮想すれば左右に延びた直線軸を中心にした180゜回転にて)上下を入れ替えると挿入部23bの上下位置だけが入れ替わるよう(即ち図8(b)のものを裏返すと同図(c)のものになるよう)、適宜な軸対称性が付与されている。
【0076】
この第5実施例の薬剤フィーダ20について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図9は、その動作状態を示す要部の縦断側面図であり、薬剤1も二点鎖線で示されている。先ず仕切板23等の選定手順を説明し、次に仕切板23の装着手順を説明し、最後に薬剤フィーダ20の動作について述べる。
また、ここでも取扱対称の薬剤1が直径Mより厚さLの小さい円板状のものであるとする(図5(b),(c)参照)。
【0077】
この場合(図9参照)、錠剤分包機10への格納や部品の共通化等を考慮して容器部13bは各種形状の薬剤に対して出来るだけ同じものを用いたいので、薬剤1の形状に対応した薬剤フィーダ20の組立に先立つ部品製造や部品選定に際して隙間Dや幅Wをそれぞれ厚さLや直径Mより少しだけ大きな適正寸法にするのは、整列盤13cの外径や隔壁13dのピッチ及び厚さ等を設計変更したり既製のものから適合するものを選出することで行う。
【0078】
また、仕切板23の高さHを薬剤1の直径Mに対応させるのは、リテーナ22や仕切板23を幾種類か準備しておき、その中から適宜なものを選定することで行われる。サポート21は、高さHに拘わらず同じ形状のものが使える。リテーナ22は、開口22aの位置の異なる幾種類かが用意され、その種類は、サポート21の小孔21aの対と同数になるか、対称性を利用して半数強になる。図示ように小孔21aが5対の場合、対称なリテーナ22は3種類となる。
【0079】
仕切板23は、高さHの設定ピッチが小孔21aのピッチと同じで良ければ基本形状の1種類で済む(図8(a)参照)。高さHの設定ピッチを小孔21aのピッチの1/2すなわち半分にしたいときにも、挿入部23bを1/4ピッチ片寄らせるとともに軸対称性も持たせれば、やはり1種類で足りる。また、高さHの設定ピッチを小孔21aの1/3ピッチにするには、基本形状のもの(図8(a)参照)に加えて、挿入部23bを1/3ピッチ片寄らせるとともに軸対称性も持たせたもの(図8(b),(c)の何れか一方)があれば足り、2種類で済む。
【0080】
さらに、高さHの設定ピッチを小孔21aの1/4ピッチにするには、挿入部23bを1/8ピッチ片寄らせるとともに対称性も持たせたものに加えて、挿入部23bを3/8ピッチ片寄らせるとともに軸対称性も持たせたものがあれば足り、やはり2種類で済む。また、高さHの設定ピッチを小孔21aの1/5ピッチにするには、基本形状のものに加えて、挿入部23bを1/5ピッチ片寄らせるとともに軸対称性も持たせたものと、挿入部23bを2/5ピッチ片寄らせるとともに軸対称性も持たせたものとがあれば足り、3種類で済む。
【0081】
このように数種類のリテーナ22や仕切板23を準備するだけで高さHの設定ピッチが可成り細かくなる(図示の例では、5対の小孔21aを持つサポート21が1種類、リテーナ22が3種類、仕切板23が2種類で、設定ピッチが15段階になる)ので、仕切板23が仕切機能を維持するのに許容される挿入部23bの変形量等を勘案して高さHの設定ピッチを決め、それに必要な種類のリテーナ22や仕切板23を準備しておく。
【0082】
それから、薬剤1に適合した高さHを、一つ、設定ピッチに基づく多段階のうちから選出する。例えば、従来の調整による理想値が有れば、その値を上回ってそれに最も近いものを選択する。
高さHが決まった後は、それに一致する又は最も近い小孔21aに対応する開口22aを持ったリテーナ22を選定し、さらに、その開口22aに挿入すると挿入部23bの位置が高さHに一致する仕切板23を選定する。
こうして、所定の準備の下、薬剤1の形状に対応した適切な仕切板23やリテーナ22が簡単に選定される。
【0083】
次に、選定の済んだ仕切板23を容器部13bの開口13qのところに装着して薬剤フィーダ20に組み込むのであるが、それは次のようにして行われる。すなわち、仕切板23の挿入部23bをリテーナ22の開口22aに差し込んで仕切板23とリテーナ22とを組み上げ、そのリテーナ22をサポート21の開口21bに填め込みながら仕切板23の鈎爪部23aをサポート21の小孔21aに挿し入れる。
【0084】
そして、鈎爪部23aと小孔21aとの係着が確立されたのを確かめ、それから、サポート21を持って、その鈎爪部21cを枠板13eの図示しない長穴に差し込み、さらにサポート21を容器部13bに密着するまでずらして鈎爪部21cと枠板13eとの係着を確立させる。こうして、仕切板23ばかりかリテーナ22やサポート21まで、ネジ止めすること無く、取付位置を調整することも無く、手軽に装着することができる。清掃や修理等のために取り外す場合は、逆順に作業することで、やはり容易かつ迅速に行うことができる。
【0085】
最後に、仕切板23等を装着した薬剤フィーダ20の動作等を説明する。容器部13bに多数の薬剤1を収容しておくことや、薬剤1を排出させるときに整列盤13cを回転させて薬剤1を一つずつ排出口13fの上へ送り込むことも、既述したのと同様であるが、その薬剤1の上や隔壁13dの上に他の薬剤1が乗っていて、それが仕切板23の挿入部23bに当接した場合は、以下のようになる。すなわち、そのとき仕切板23に当接するのは薬剤1の下端部分であり、大抵の薬剤1には或る程度の丸みが付与されているので、薬剤1は、その傾斜面で仕切板23の当接部分を押し下げようとし、その反力で仕切板23の上に乗り上げる。
【0086】
その際、仕切板23の挿入部23bは薄くて柔らかいので薬剤1の下に潜り込むように変形して、衝突のピーク圧力や当接部位の局所圧力が分散し緩和される。これにより、排出口13fに落下してはならない薬剤1は、損傷を受けることなく仕切られることとなる。
【0087】
【第6実施例】
本発明の調剤システムの第6実施例について、それに用いられる薬剤フィーダの取扱対象が、図10(a),(b)に外観を示したカプセル剤であるときの薬剤フィーダ13,20を詳述する。カプセル剤に近い筒状や,棒状,角柱状,紡錘形などの形状を持つ薬剤を取扱対象とする場合も同様である。
【0088】
カプセル剤等に好適な薬剤フィーダ13には(図10(c)及び(d)参照)、整列盤13cの回転に伴って排出口13f上に来た隔壁13d間の薬剤1が排出口13fへ落下した後にその上方から未整列の薬剤1が不所望に入り込まないよう、環状間隙の一部を水平に仕切る金属製の仕切板13mが、排出口13fに対向させた状態で排出口13fの上方に設けられている。そして、薬剤1を整列させるためにその形状に対応して、環状間隙の隙間Dが、薬剤1の外寸であって互いに直交する3方向の寸法のうち最も小さいものより僅かに大きくされ、隔壁13d間の距離である幅Wが、中間の外寸より僅かに大きくされ、仕切板13mと排出口13fとの距離である高さHが、最大の外寸より僅かに大きくされる。
例えば、薬剤1の形状が直径Mより長さLの大きい円筒状のものである場合(図10(a),(b)参照)、薬剤フィーダ13において対応する隙間D,幅W,高さHは、それぞれ、直径M,直径M,長さLより少しだけ大きな寸法にされる(図10(e),(f)参照)。
【0089】
それらの寸法のうち、隙間Dや幅Wについては寸法誤差の許容度が比較的大きいのに対し、高さHについては寸法誤差を小さくする必要があって、仕切板13mをネジ13pでサポート13nに取り付けて固定する際に細心の注意を払って取付位置の調整を行わなればならない。その点は玉剤を取り扱うときと同様であるが、薬剤1が未整列の状態で仕切板13mに当接したときの衝撃や損傷は、薬剤1が円板状の場合より円筒状の方が激しくなりがちなことから、カプセル剤等を取扱対象とする薬剤フィーダについては、隔壁13dの列を仕切板13mの下側だけでなく上側にも列設して、下段の隔壁での本整列に先だって上段の隔壁で予備整列を行わせるとともにそれらの間で仕切ることで、衝撃や損傷の増大を抑制するとともに、仕切板の取付位置の調整作業が一層困難になるのを回避していた。
【0090】
そのため、カプセル剤等に好適な薬剤フィーダ13は、隔壁が複列で、整列盤の背が高いので、その分だけ容器部も嵩上げするか収容量を切り詰める必要があり、収容効率が良くなかった。
そこで、収容効率を向上させるために隔壁の単列化を可能にするとともに、仕切板の高さ調整が楽に行えるよう或いは仕切板の高さ調整が不要になるようにすべく、仕切板等に改良が施されて、薬剤フィーダ13が次の薬剤フィーダ20となる。
【0091】
次に、改良された薬剤フィーダ20について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図11は、その要部構造を示す縦断側面図である。
この薬剤フィーダ20(図11参照)が上述の薬剤フィーダ13(図10(d)参照)と相違するのは、隔壁13dの段数が減っている点と、仕切板13mに代えて仕切板23が採用され、サポート13n及びネジ13pに代わってサポート21及びリテーナ22(保持部)が採用されている点である。それらは何れも射出成形等にて作られるが、サポート21やリテーナ22が、容器部13bや整列盤13cと同様に硬質プラスチック等(硬質部材)たとえばアクリルで作られるのに対し、仕切板23は、それより柔軟性に富んだ軟質プラスチック等(軟質部材)たとえばポリプロピレンで作られる。
【0092】
隔壁13dは、薬剤フィーダ13と同じく薬剤1の形状に対応して幅Wが高さHより短くなっているが、この場合は、予備整列用の上段の列が省かれて、本整列用の下段の列だけが残り、その結果、何れも、容器部13bと整列盤13cとの環状間隙のうち仕切板23と排出口13fとの間を通る環状部分に収まる。また、上段の隔壁13dが無くなり、その分だけ整列盤13cの背が低くなっているので、容器部13bの内容積が増えて、薬剤の収容効率が向上している。換言すれば、収容量を損なうこと無く小形化することができる。なお、仕切板23や,リテーナ22,サポート21は、上述した第5実施例のものと同じで良い。
【0093】
この第6実施例の薬剤フィーダ20について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図12は、その動作状態を示す要部の縦断側面図であり、薬剤1も二点鎖線で示されている。
この場合(図12参照)、取扱対称の薬剤1が直径Mより長さLの大きい円筒状カプセル剤であるから(図10(a),(b)参照)、仕切板23等の選定や装着に関しては、上述した第5実施例の動作説明において隙間D,幅W,高さHに対応付けされていた厚さL,直径M,直径Mをそれぞれ直径M,直径M,長さLに読み替えれば良い。そこで、以下、仕切板23等を装着した薬剤フィーダ20の動作等を説明する。
【0094】
そうすると、容器部13bに多数の薬剤1を収容しておくことや、薬剤1を排出させるときに整列盤13cを回転させて薬剤1を一つずつ排出口13fの上へ送り込むことも、既述したのと同様であるが、この場合、予備整列は行われず、いきなり本整列が行われる。また、その際、整列した薬剤1の上や隔壁13dの上に未整列の他の薬剤1が乗っていて、それが仕切板23の挿入部23bに当接した場合は、以下のようになる。
【0095】
すなわち、そのとき仕切板23に薬剤1の筒外周面が当接するのは薬剤1が仕切板23側の端部を仕切板23より上にして傾斜しているときであり、また、それ以外は仕切板23に薬剤1の端部が当接するが、大抵の薬剤1では端部に或る程度の丸みが付与されているので、何れの場合であっても、薬剤1は、その傾斜面で仕切板23の当接部分を押し下げようとし、その反力で仕切板23の上に乗り上げる。
【0096】
その際、仕切板23の挿入部23bは薄くて柔らかいので薬剤1の下に潜り込むように変形して、衝突のピーク圧力や当接部位の局所圧力が分散し緩和される。これにより、排出口13fに落下してはならない薬剤1は、それがカプセル剤であっても、損傷を受けることなく仕切られることとなる。
【0097】
【第7実施例】
図13に要部構造を示した薬剤フィーダ20が上述した第6実施例のものと相違するのは、整列盤13cの外周面に一巡する溝24が彫り込み形成されている点と、仕切板23の挿入部23bが長くなっていてその先端部が溝24の中に入り込んでいる点と、挿入部23bが平板状でなく鋸歯状に形成されている点である。
【0098】
この場合、溝24の幅が仕切板23の挿入部23bの厚さより少し大きくて、仕切板23の先端が溝24に遊挿されるようになっているので、仕切板23の先端は、整列盤13cの回転を妨げること無く整列盤13cによって上下動を規制される。その結果、仕切板23の挿入部23bは、薬剤1と当接した際、しなやかに変形するも、十分な反発力を生み出すことができる。
【0099】
【第8実施例】
図14に外観を示した薬剤フィーダ20が上述した第5〜第7実施例のものと相違するのは、サポート21に加えて把手25も着脱可能になっている点と、中の見本の見える見本収納室26aが蓋26に形成されこの蓋26が容器部13bに対しヒンジ26bにて開閉可能に連結されている点である。
【0100】
この場合、鈎爪部21cを長穴に差し込んでからサポート21を押し進めると、鈎爪部21cが係着するとともに突子21dも対向穴に嵌合して、サポート21が簡単に而も確実に装着される。同様に、鈎爪部25bを長穴に差し込んでから把手25を押し進めると、鈎爪部25bが係着するとともに突子25aも対向穴に嵌合して、把手25が簡単に而も確実に装着される。また、薬剤1を補充するとき等に、蓋26を開閉しても、蓋26が外れることは無く、それに納められている見本が離れてしまうことも無いので、いつでも確実に而も簡単に薬剤1を見本と突き合わせて確認することができる。
【0101】
【その他】
なお、上記の各実施例では、錠剤の調剤について述べたが、薬剤は、それに限られる訳でなく、散薬や、PTP包装剤、注射薬アンプル、輸液バッグ等も該当する。また、調剤機器も、上述した錠剤分包機に限らず、調剤台や、散薬分包機、注射薬や貼付剤の払出装置、薬品収納装置など、識別情報を添付可能な薬剤容器を用いる調剤機器であれば該当する。
【0102】
さらに、識別情報およびその読取装置は、データキャリア方式のものを上述したが、それに限られるものでなく、例えば、バーコード方式のものや、磁石とホール素子とを列設させる方式や、プッシュスイッチを列設させる方式でも良い。
また、データキャリア方式等に関しても、ICカードのように電気導通のための接触端子をもつものでも良く、電磁結合や光伝送等に基づき接触不要で読み取れるものでも良い。
【0103】
また、装置内通信手段6や装置間通信手段33は、複数・多数の装置やユニット間でデータの送受ができれば、イーサネットやTCP/IP等の一般的な通信規約に則ったものでもそれ以外の独自規格のものでも良く、有線方式でも無線方式でも良く、マルチドロップ方式でもそうでなくても良い。
【0104】
上記の第1実施例では、自己照合が不成立のときに広域照合を行い、自己照合成立時には広域照合を行わないようになっていたが、自己照合成立時にも敢えて広域照合を行うようにしても良い。そのほうが収納許可情報の不整合等まで念入りに確認できるので信頼性が高い。
【0105】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の調剤システムにあっては、広狭の多重チェックが行われるようにしたことにより、識別情報読取方式を採用していても薬剤容器の適正配置がより確実に維持される調剤システムを実現することができたという有利な効果が有る。
【0106】
また、本発明の第2の解決手段の調剤システムにあっては、広域照合を利用して収納先が直ちに判るようにしたことにより、識別情報読取方式でも薬剤容器の適正配置が確実に維持され更に薬剤容器の収納作業が迅速かつ的確に行える調剤システムを簡便に実現することができたという有利な効果を奏する。
【0107】
さらに、本発明の第3の解決手段の調剤システムにあっては、収納先が積極的に案内されるようにしたことにより、識別情報読取方式でも薬剤容器の適正配置が確実に維持され更に薬剤容器の収納作業がより迅速かつ的確に行える調剤システムを実現することができたという有利な効果が有る。
【0108】
また、本発明の第4の解決手段の調剤システムにあっては、収納先が積極的かつ明瞭に案内されるようにしたことにより、識別情報読取方式でも薬剤容器の適正配置が確実に維持され更に薬剤容器の収納作業がより一層迅速かつ的確に行える調剤システムを実現することができたという有利な効果を奏する。
【0109】
また、本発明の第5の解決手段の調剤システムにあっては、調剤機器毎の識別が自動追加で確立されるようにしたことにより、識別情報読取方式でも薬剤容器の適正配置が確実に維持され而も識別情報の割り振りが容易に行える調剤システムを実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調剤システムの第1実施例について、(a)が全体ブロック図、(b)が錠剤分包機の内部構造を示す模式図、(c)がそれに多数組み込まれている薬剤フィーダの側面外観図、(d)がその縦断側面図である。
【図2】 本発明の調剤システムの第2実施例の全体ブロック図である。
【図3】 本発明の調剤システムの第3実施例の全体ブロック図である。
【図4】 本発明の調剤システムの第4実施例について、(a)が全体ブロック図、(b)及び(c)が識別番号のデータ構造図である。
【図5】 本発明の調剤システムの第5実施例に関する課題を説明するためのものであり、(a)が錠剤分包機の外観斜視図、(b)が玉剤の側面図、(c)がその平面図、(d)が玉剤等に好適な薬剤フィーダの要部の縦断側面図、(e)がその横断平面図である。
【図6】 本発明の調剤システムの第5実施例について、その薬剤フィーダの要部構造を示し、(a)が縦断側面図、(b)が横断平面図である。
【図7】 その仕切板とその保持部についての展開斜視図である。
【図8】 その仕切板の変形例である。
【図9】 その動作状態を示す要部の縦断側面図である。
【図10】 本発明の調剤システムの第6実施例に関する課題を説明するためのものであり、(a)がカプセル剤の側面図、(b)がその平面図、(c)がカプセル等に好適な薬剤フィーダの側面外観図、(d)がその縦断側面図、(e)がその要部の縦断側面図、(f)がその横断平面図である。
【図11】 本発明の調剤システムの第6実施例について、その薬剤フィーダの要部構造を示す縦断側面図である。
【図12】 その動作状態を示す図である。
【図13】 本発明の調剤システムの第7実施例について、その薬剤フィーダの要部構造を示し、(a)が要部の縦断側面図、(b)が仕切板の平面図である。
【図14】 本発明の調剤システムの第8実施例について、その薬剤フィーダの外観を示し、(a)が展開側面図、(b)が平面図、(c)が側面図である。
【符号の説明】
1 薬剤(円板状薬剤、玉剤、カプセル剤、円筒状薬剤、錠剤)
2 包装帯
6 装置内通信手段(LAN、有線・無線の通信手段)
7 データキャリア(識別情報の担体)
8 データリーダ(識別情報の読取装置)
9 収納許可情報(ハードディスク、不揮発性メモリ)
10 錠剤分包機(自動調剤装置、調剤機器)
11 薬品庫(薬品棚部、薬剤収納庫格納部)
12 薬剤収納庫(薬剤フィーダ格納ユニット)
13 薬剤フィーダ
13b 容器部(カップ、薬剤収容部、薬剤容器)
13c 整列盤(ロータ、整列部材)
13d 隔壁(成形羽根、翼状突起、整列部材)
13f 排出口(落下口)
13k ベース(固定部)
13m 仕切板(金属の仕切部材)
14 導管(ダクト、シュート、案内路、上部薬剤収集経路)
15 収集部材(ホッパ状・漏斗状部材、下部薬剤収集経路)
16 薬剤投入部(収集薬剤投入口)
17 包装装置
18 コントローラ(制御装置)
20 薬剤フィーダ
21 サポート(支持枠、仕切板の保持部)
21a 小孔(ネジ止め無用の着脱手段および位置決め手段)
21b 開口(リテーナ填め込み用の貫通穴)
21c 鈎爪部(着脱可能な係着部、ネジ止め無用の着脱手段)
21d 突子(差込部、挿抜部、ネジ止め無用の着脱手段)
22 リテーナ(保持器、仕切板の保持部)
22a 開口(仕切板差し込み貫通穴)
23 仕切板(軟質の仕切部材)
23a 鈎爪部(着脱可能な係着部、ネジ止め無用の着脱手段)
23b 挿入部(先端薄板部、有効仕切り部)
23c 摘み部(後端露出部)
24 溝
25 把手(ハンドル、取っ手)
25a 突子(差込部、挿抜部、ネジ止め無用の着脱手段)
25b 鈎爪部(着脱可能な係着部、ネジ止め無用の着脱手段)
26 蓋(上蓋)
26a 見本収納室(確認用薬剤の現物を収納する小空間)
26b ヒンジ(軸支部、蝶番式回転支持部)
31 自己照合ルーチン(自装置に関する照合を行う手段)
32 照合依頼ルーチン(他装置に関する照合を頼む手段)
33 装置間通信手段(LAN、有線・無線の通信手段)
40 広域照合手段
41 広域照合装置本体(MPU、集中形の処理装置)
42 記憶装置(ハードディスク、不揮発性メモリ)
43 データリーダ(識別情報の読取装置、他の読取装置)
44 ディスプレイ(行先表示部、行先案内手段)
45 スピーカ(行先放送部、行先案内手段)
46 情報収集ルーチン(収納許可情報の集積手段)
47 広域照合ルーチン(全装置に関する照合を行う手段)
48 行先案内ルーチン(行先案内手段)
50 スピーカ(音声出力手段、行先案内手段、呼込案内手段)
51 行先案内ルーチン(行先案内手段)
52 呼込案内ルーチン(呼込案内手段)
60 識別情報書込装置
61 データライタ(識別情報の書込装置)
62 一括更新ルーチン(付加情報変更手段)
63 個別追記ルーチン(付加情報追記手段)

Claims (5)

  1. それぞれが多数の薬剤容器を収納しうる複数の調剤機器と、それらの収納箇所に臨んで設けられ該当個所に収納された薬剤容器に付されている識別情報を読み取る多数の読取装置とを備え、前記調剤機器それぞれが自己に収納された薬剤容器について読み取った識別情報と予め設定されている収納許可情報との照合を行う調剤システムであって、前記の複数の調剤機器から収納許可情報を自動収集して記憶保持する情報収集手段と、前記調剤機器の何れかで照合が行われるとそのときの識別情報を用いて前記情報収集手段の保持情報における他の調剤機器の収納許可情報について照合を行う広域照合手段が設けられていることを特徴とする調剤システム。
  2. 前記収納箇所とは別に設けられ薬剤容器に付されている識別情報を読み取り可能な他の読取装置を備え、これで読み取った識別情報と前記調剤機器の又は前記広域照合手段の収納許可情報との照合を行ってその収納箇所を選定することを特徴とする請求項1記載の調剤システム。
  3. 前記照合の結果に基づいて可能な収納先の案内を行う行先案内手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された調剤システム。
  4. 前記調剤機器それぞれに音声出力手段が付設され、前記照合の結果に基づいて前記調剤機器のうちから収納先の調剤機器を選出するとともにその選出した調剤機器のところから音声にて呼び込みを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された調剤システム。
  5. 前記読取装置が書込も行える読書装置であり、且つ、該当個所に収納された薬剤容器に対しその識別情報を維持して該当調剤機器に関する付加情報を追記する手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載された調剤システム。
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