JP4550312B2 - 車両用空調装置のブロアユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置のブロアユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置のブロアユニットとして、フィルタを内蔵するものがある。このブロアユニットでは、第1ユニット内でインテークドアが回動し、内気循環口又は外気導入口を開閉することにより、内気又は外気を取り込むことが可能である。また、第1ユニットには吸込口を介して第2ユニットが連通し、第2ユニット内に配設したブロアが回転することにより、内気又は外気が車内側へと送風される。ブロアへの吸込口はフィルタによって覆われ、フィルタは通過する空気から脱臭・集塵する。
【0003】
また、他のブロアユニットとして、フィルタを台形状に形成することにより、空気流れの通路断面を大きくすることなく、フィルタ面積を大きくしたものがある(特開平8−276723号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のブロアユニットでは、インテークドアの回動軌跡が円弧状であるのに対し、フィルタは平板状である。したがって、中央部と両側部とで、インテークドアの先端の回動軌跡とフィルタの間隔、すなわち内気循環口又は外気導入口からブロアの吸込口までの距離が相違することにより、ガス吸着頻度、通気抵抗、風速分布等にばらつきが発生する。すなわち、フィルタの中央部で通風量が増大し、両側部に比べて中央部の劣化が早くなる。このため、フィルタの両側部が十分に使用可能な状態であるにも拘わらず、中央部の劣化のために、製品寿命が短いという問題がある。
【0005】
また、後者のブロアユニットでは、フィルタ面積は大きくなっているものの、インテークドアを採用するブロアユニットには不適切な構造である。そして、この構造によっても、フィルタの各部位で空気流れが一様とならず、やはり前述のように製品寿命が短いという問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明は、フィルタを全体に亘って有効利用することにより長寿命化可能とする構成を備えた車両用空調装置のブロアユニットを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
第1ユニット内に回動自在に取り付けたインテークドアにより、内気循環口又は外気導入口を開閉し、前記第1ユニットに吸込口を介して連通する第2ユニット内に配設したブロアを回転させることにより、内気又は外気を、前記吸込口を覆うフィルタを通過させて車内側へと送風するようにした車両用空調装置のブロアユニットにおいて、
前記フィルタを、前記吸込口に対向する中央部と、その両側部とに3分割し、中央部を脱臭フィルタ、両側部を集塵フィルタでそれぞれ構成すると共に、インテークドアの回動軌跡に沿って配置、前記吸込口に対向する部分の通気抵抗を、他の部分に比べて大きくしたものである。
【0008】
この構成により、フィルタの中央部と他の部分とで、通過する空気量の不均衡を抑制することができ、フィルタを全体に亘って一様に使用することが可能となる。したがって、フィルタの劣化が不均一に進行することがなく、長寿命化を図ることができ、しかも、吸込口に対向する中央部と、その両側部とに3分割し、中央部を脱臭フィルタ、両側部を集塵フィルタでそれぞれ構成することにより、各フィルタの有する特徴を有効に利用することが可能となる。
【0009】
前記フィルタは、前記インテークで内気循環口又は外気導入口のいずれか一方を閉鎖したときにのみ、取外可能とするのが好ましい。
前記フィルタの推奨交換時期を、前記ブロアユニット又は前記フィルタに記載するのが好ましい。
前記フィルタの交換時期を自動検出するための手段と、前記検出手段により前記フィルタの交換時期が検出されることにより報知するための手段とを設けるようにしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るブロアユニット1を示す。このブロアユニット1は、ポリプロピレン等の樹脂からなる第1ユニット2及び第2ユニット3で構成され、車内助手席の前方下部に配設される。
【0012】
第1ユニット2は、上半部が所定角度をなすように山型に形成され、各傾斜面には、開口面積のほぼ等しい内気循環口4及び外気導入口5がそれぞれ穿設されている。内気循環口4及び外気導入口5は、支軸6aを中心として回動自在に設けたインテークドア6によって開閉される。インテークドア6の外縁部には、ウレタンシール6bが貼着され、内気循環口4又は外気導入口5を閉鎖した際の空気の漏れが防止される。
【0013】
また、第1ユニット2の下半部には、フィルタ7がボルトやクランプ機構等を利用して装着されている。フィルタ7は、通過する空気から塵埃等を除去する集塵フィルタ8と、臭気成分(例えば、アセトアルデヒド)を脱臭する脱臭フィルタ9とを積層した構成である。集塵フィルタ8としては、例えば、和紙や多孔質ウレタンポーラスシートをジグザグに折り曲げ、ウレタンフォームからなる枠体で厚さ約15mmの板状体としたものが使用できる。脱臭フィルタ9としては、例えば、活性炭等の脱臭剤を厚さ約15mmの板状体としたものが使用できる。集塵フィルタ8と脱臭フィルタ9は、積層状態で、略弓状に湾曲されることにより前記インテークドア6の回動軌跡に沿うように装着される。これにより、第1ユニット2を大型化することなく、フィルタ面積を大きくすることができる。また、フィルタ7は、略中央部(第2ユニット3の吸込口3aの対向部分)が両側部に比べて通気抵抗が大きくなるように構成されている。フィルタ7の通気抵抗は、予め集塵フィルタ8の目の粗さを変更したり、脱臭フィルタ9の空孔率を変更したり、積層する枚数を変更したりすることにより調整可能である。また、フィルタ7は、インテークドア6が内気循環口4又は外気導入口5のいずれか一方を閉鎖したときにのみ、取外し可能である。なお、ブロアユニット1又はフィルタ7には、推奨交換時期を明記しておくのが好ましい。
【0014】
第2ユニット3は、前記第1ユニット2とはベルマウス状の吸込口3aを介して連通し、内部にはブロア10が配設されている。ブロア10は、図示しないブロアモータの駆動により回転し、内気循環口4又は外気導入口5を介して内気又は外気を車内側へと供給する。
【0015】
次に、前記ブロアユニット1での動作を説明する。
【0016】
図示しない操作部を操作することにより、外気導入モード又は内気循環モードを選択すると、インテークドア6が回動し、内気循環口4又は外気導入口5が閉鎖される。また、送風量を選択すると、ブロアモータに、選択された送風量に応じた電圧が印加され、ブロア10の回転数が変更される。これにより、外気又は内気が、外気導入口5又は内気循環口4を介してブロアユニット1に吸引され、車内側へと送風される。ブロアユニット1の第1ユニット2では、外気又は内気はフィルタ7を通過することにより集塵及び脱臭される。フィルタ7は、吸込口3aの対向部分の通気抵抗が、その両側部よりも大きくなるように形成されている。したがって、フィルタ7を通過する空気量は、中央部と両側部とでほぼ等しくなる。この結果、フィルタ7は全体を一様に使用され、部分的に劣化することがなくなる。つまり、使用可能な領域を残しつつ交換せざるを得ないような事態を回避することができ、フィルタ7の長寿命化を図ることが可能となる。
【0017】
なお、前記実施形態では、平板状のフィルタ7を略弓状に湾曲させた構成としたが、3分割以上としてもよい。図2に、フィルタ7を3分割した例を示す。ここでは、中央部には脱臭フィルタ9が、両側部にはこの脱臭フィルタ9よりも通気抵抗の小さい集塵フィルタ8がそれぞれ配設されている。
【0018】
また、前記実施形態では、フィルタ7の推奨交換時期は、ブロアユニット1又はフィルタ7に明記するようにしたが、操作部に設けたLED等を点灯する等により表示するようにしてもよい。また、センサ等を設けてフィルタ7の交換時期を自動検出できるようにしても構わない。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、フィルタをインテークドアの回動軌跡に沿って配置すると共に、吸込口に対向する部分の通気抵抗を、他の部分に比べて大きくしたので、フィルタの各部位での通過空気量が一様となり、部分的な劣化を排除して長寿命化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るブロアユニットの断面図である。
【図2】 他の実施形態に係るブロアユニットの断面図である。
【符号の説明】
1…ブロアユニット
2…第1ユニット
3…第2ユニット
4…内気循環口
5…外気導入口
6…インテークドア
7…フィルタ
8…集塵フィルタ
9…脱臭フィルタ
10…ブロア

Claims (4)

  1. 第1ユニット内に回動自在に取り付けたインテークドアにより、内気循環口又は外気導入口を開閉し、前記第1ユニットに吸込口を介して連通する第2ユニット内に配設したブロアを回転させることにより、内気又は外気を、前記吸込口を覆うフィルタを通過させて車内側へと送風するようにした車両用空調装置のブロアユニットにおいて、
    前記フィルタを、前記吸込口に対向する中央部と、その両側部とに3分割し、中央部を脱臭フィルタ、両側部を集塵フィルタでそれぞれ構成すると共に、インテークドアの回動軌跡に沿って配置、前記吸込口に対向する部分の通気抵抗を、他の部分に比べて大きくしたことを特徴とする車両用空調装置のブロアユニット。
  2. 前記フィルタは、前記インテークで内気循環口又は外気導入口のいずれか一方を閉鎖したときにのみ、取外可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置のブロアユニット。
  3. 前記フィルタの推奨交換時期を、前記ブロアユニット又は前記フィルタに記載したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置のブロアユニット。
  4. 前記フィルタの交換時期を自動検出するための手段と、
    前記検出手段により前記フィルタの交換時期が検出されることにより報知するための手段と、
    を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置のブロアユニット。
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