JP3753053B2 - 空気清浄器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気清浄器に関する。とりわけ、本発明は車両用空気清浄器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、天吊式車両用空気清浄器として、吸込口及び吹出口をそれぞれ一つずつ有する空気清浄器が公知である。この空気清浄器は、正面の吸込口の直下流に除塵フィルタが配置され、側面の吹出口の直上流に脱臭フィルタが配置された構成となっている。しかしながら、この空気清浄器は、送風機と除塵フィルタを高さ方向に直列に配置する必要と、空気流れの圧損量を低減するために側面の脱臭フィルタの大きな面積を確保する必要から、空気清浄器の側面を大きくせざるをえず、空気清浄器の高さ寸法が大きくなってしまう。
【0003】
このように天吊式車両用空気清浄器の高さ寸法が大きいと車室の空間が狭くなって乗員にとっては不快であるので空気清浄器を薄くすることが望まれていた。そこで、圧損量を低減すると共に薄い空気清浄器を構成するために、例えば特開2001−105848号公報では、一つの吸込口を正面に有する中央のスクロール部と、スクロール部の両側に配置された一つの吹出口を有する吹出し部とを備えた構成となっている。このようにフィルタ部とモータを高さ方向に並列に配置した構成により、空気清浄器の高さ寸法を低減すると共に、より大きなフィルタ面積を確保することにより、圧損量を低減している。
【0004】
ところで、本願発明者は、空気清浄器を上側部材と下側部材とから構成し、空気清浄器の組付けとしては、最初に、内装板に設けられた開口部を通して、上側部材を外側の屋根板と内側の内装板からなる天井の間の空間部において車両横断方向に延びているリインフォースメントにブラケットを介して固定し、次に、空気清浄器の下側部材をすでに固定されている上側部材に螺着することを考えている。なお、この組付け完了時には、空気清浄器の上側部材の周囲と下側部材の周囲は、嵌合によって接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この嵌合部に形成される間隙部は、二つの部材を下から上に組付ける構成のため、空気清浄器本体内部から外部に向けて径外方向に延びている。したがって、空気清浄器の運転中、この間隙部を通って清浄器の外に流れた空気流が、屋根板と内装板の間の空間部にある埃や粉塵を取り込んで、内装板の開口部を通して車両室内に流れ込んで車室内の天井を汚してしまうということが懸念されている。そこで、車室の天井部を清潔に保つことを保証することが望まれている。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、天井部を清潔に保つ車両用空気清浄器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の車両用空気清浄器を提供する。
請求項1に記載の車両空気清浄器によれば、外側の屋根板と内側の内装板とからなる車両天井に取り付けられる車両用空気清浄器において、車両用空気清浄器は、互いに接続される上部と下部とを備え、内装板には、開口部が設けられており、上部は、開口部の内側に配置され、下部は、内装板の車室側の側面に当接し、接続部に形成された間隙部を通して空気清浄器の内部から外部へ流れる空気流を屋根板と内装板の間の空間部に向けるために、空間部に向けて延びているリブが下部の外面に設けられている。これにより、空気清浄器の接続部において外部に向う空気流が発生したとしても、車室内に向けて空気が流れず、屋根板と内装板の間にある塵が車室内に流れ込むことがない。
【0008】
請求項2に記載の車両空気清浄器によれば、リブが開口部の内側に設けられている。
【0009】
請求項3に記載の車両空気清浄器によれば、リブが接続部全体において垂直上方に延びている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。最初に本発明の車両用空気清浄器の概略構成について説明する。図1は車両の天井に取り付けた状態の本発明の車両用空気清浄器の断面図である。1は本発明の車両用空気清浄器を全体的に示している。空気清浄器1は、請求項1中の「上部」に対応する上側の本体2と「下部」に対応する下側のカバー(グリル)3で主に構成され、本体2とカバー3を組み付けた状態で内部において以下に説明する構成要素を保持する。なお、本体2及びカバー3は共にABS等の樹脂でつくられている。
【0011】
車両用空気清浄器1の組み付けは、最初に、内側の内装板(天井)8に設けられた開口81を通して、内装板(天井)8と外側の屋根板9との間の空間部91において車両横断方向に延びているリインフォースメント(図示せず)にブラケット(図示せず)を介して本体2を空間部91内に固定し、次に、カバー3の周縁部が内装板8に当接するように、カバー3をこの本体2にネジ等で締結することによって完了する。
【0012】
次に本発明の車両用空気清浄器の内部構成について説明する。図1に示すように、車両用空気清浄器1は、中央において吸込口11から空気を吸い込む中央のスクロール部21と、スクロール部21の両側において一つの吹出口12から空気を吹き出す二つの吹出し部22とで構成されている。また、空気通路13は、スクロール部21の外面に設けられた吸込口11から送風機5まで延びている上流空気通路13aと、送風機5から各吹出し部22の外面に設けられた吹出口12まで延びている二つの下流空気通路13bとで構成されている。
【0013】
スクロール部21の中央には、空気を吸込口11から吸い込んで下流空気通路13bに送風する送風機5が配置されている。この送風機5は、ファン52と、ファン52を駆動するブラシレスモータ51とを備えている。このファン52は、回転軸方向、すなわち、上流空気通路13aから空気を吸入して径外方向に向けて吹き出す遠心式のファンである。
【0014】
また、下流空気通路13bには、上流から、ひだ折りした不織布により空気中の塵を捕捉する除塵フィルタ6と、ハニカム担体に添着された活性炭により空気中の臭いを除去する脱臭フィルタ7が配置されている。これらフィルタ6及び7は、着脱自在にカバー3に取り付けられているフィルタカバー4を取り外して下流空気通路13bを開放することによって交換することができる。
【0015】
以上の構成により、吸込口11から上流空気通路13aを通して空気が吸い込まれ、送風機5付近で二つの下流空気通路13bのいずれかに分配され、下流空気通路13b中の除塵フィルタ6と脱臭フィルタ7を通して吹出口12から空気が吹き出される。
【0016】
ところで、上記構成の空気清浄器は、図2に示すように、上側の本体2の周囲と下側のカバー3の周囲は嵌合によって接続すると、この嵌合部23には、カバー3を下から組付ける構成であるので、空気清浄器の内部から外部に向けて径外方向に延びている間隙部24が形成されている。そのため、空気清浄器1の運転中、図2において矢印Aで示されているように、嵌合部23の間隙部24を通して空気流が発生し、この空気流が、屋根板9と内装板8の間の空間部の埃や粉塵を取り込んで、開口部81を通り、さらにカバー部3と内装板8の車室側の側面との間の領域を通して車室内に流れ込んで車室の天井を汚してしまうということが懸念されている。
【0017】
そこで、車両室の天井部を清潔に保つことを保証するため、本発明では、以下に説明するように、前述の空気流を車室内に流れ込ませない手段を提供している。図3は本発明の空気清浄器の吹出し部の嵌合部の拡大図である。図3に示すように、カバー3には、嵌合部23の直下流位置において、屋根板9に向けて延びている板状のリブ25が嵌合部23の全長にわたって設けられている。
【0018】
このような構成により、嵌合部23の間隙部24を通した空気流が発生しても、図3において矢印Bで示されるように、空気流の流れ方向がリブ25によって屋根板9に偏向させられるため、内装板8の方向に空気流が流れるのを阻止することができる。
【0019】
間隙部24を通る空気流を効果的に空間部91に偏向させるために、カバー3に設けるリブ25の位置を開口部81よりも内側とするのが好ましい。また、リブ25の延びている方向は、好ましくは垂直上方である。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の天井に取り付けた状態の本発明の車両用空気清浄器の断面図である。
【図2】本発明の空気清浄器の吹出し部の拡大断面図である。
【図3】本発明の空気清浄器の改良した吹出し部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…車両用空気清浄器
2…本体
3…カバー
8…内装板
9…屋根板
Claims (3)
- 外側の屋根板と内側の内装板とからなる車両天井に取り付けられる車両用空気清浄器において、
前記車両用空気清浄器は、互いに接続される上部と下部とを備え、
前記内装板には、開口部が設けられており、前記上部は、前記開口部の内側に配置され、前記下部は、前記内装板の車室側の側面に当接し、
前記接続部に形成された間隙部を通して前記空気清浄器の内部から外部へ流れる空気流を前記屋根板と前記内装板の間の空間部に向けるために、前記空間部に向けて延びているリブが前記下部の外面に設けられていることを特徴とする車両用空気清浄器。 - 前記リブが前記開口部の内側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄器。
- 前記リブが前記接続部全体において垂直上方に延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気清浄器。
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