JP5248846B2 - 加湿装置 - Google Patents
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Description
一般に、フィルタは、吸水性及び通気性を有するフィルタ本体と、このフィルタ本体を保持する枠体とを用いてなり、矩形状、円筒状、円盤状等に形成され、フィルタ自身が浸水することによって吸水するか、フィルタへの散水によって吸水する。また、フィルタは、フィルタ全体で効率よく吸水するために、及び/又は浸水状態と非浸水状態とを切り換えるために、回転可能に設けられていることがある。
加湿装置は水を貯留する水槽を備え、加湿装置のフィルタは、外周部の一部分が水槽にて浸水するようにして縦姿勢に配された状態で、周方向へ回転可能に構成されている。周方向へ回転することによってフィルタは、外周部が周方向に連続的に浸水し、また、外周部から中央部へ水を吸い上げるため、フィルタ全体に水が行き渡る。更に、吸水したフィルタの一面側へ送風機で送風することによって、フィルタを通過した空気が吸湿し、吸湿した空気が装置外部へ送風される。
フィルタはフィルタ本体及び枠体を用いてなる。フィルタ本体は、水槽に貯留された水を吸収する。また、回転駆動機構は、フィルタを周方向に回転させ、送風機はフィルタに対し、このフィルタに交差する方向に送風する。フィルタに対して送風機で送風することによって、フィルタを通過した空気が吸湿し、吸湿した空気が装置外部へ送風される。
加湿装置の通風路側にはフィルタが配されており、タンク配置側には給水タンクが配されている。
水槽の内部を通風路側とタンク配置側とに仕切る仕切り部は、タンク配置側の空気が水槽を介して通風路側へ移動することを防止するために設けられている。ただし、給水タンクによって水槽のタンク配置側に供給された水を、通風路側に配されているフィルタが吸い上げるために、仕切り部には、タンク配置側から通風路側へ水を供給するための通水孔が形成されている。
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る加湿装置の内部構成を示す正面図及び側面図である。また、図3は、この加湿装置の要部構成を示すブロック図である。
更に、図4及び図5は、この加湿装置が備える加湿量切換記憶部及びスケール対策記憶部夫々に記憶してあるデータの一例を示す模式図である。
EEPROM13の記憶領域の一部には加湿量切換記憶部131(図4参照)が設けられており、他部にはスケール対策記憶部132(図5参照)が設けられており、更に他部には回転総数記憶部133が設けられている。
空気浄化フィルタ17は、通気性を有する集塵及び脱臭兼用のフィルタ本体と、フィルタ本体を保持する合成樹脂製の枠体とを用いてなり、吸気口101を全体的に被覆する矩形状であって、空気浄化フィルタ17自身を通過する空気を濾過して空気中の微小な浮遊ゴミ、砂塵等を濾し取り、また、脱臭する。
フィルタモータ31の出力軸部と回転ローラ32の回転軸部とは連結軸部33を介して連結されており、フィルタモータ31が作動することによって回転ローラ32が図1中白抜矢符A3方向(図1における左回り)に回転する。
このため、フィルタモータ31が作動することによって回転ローラ32が回転すると、回転ローラ32の回転に伴い、フィルタ2が図1中矢符A2方向(図1における右回り)に回転する。
停止キー153が操作された場合、CPU10はフィルタモータ制御部30及びファンモータ51夫々を介してフィルタモータ31及びファンモータ51を一時停止させる。この場合、加湿及び空気浄化は実行されない。
リセットキー156が操作された場合、CPU10は、回転総数記憶部133に記憶されている回転総数の値を“0”にリセットする。
EEPROM13に加湿量及び/又は送風量を記憶させることを、以下では、加湿量及び/又は送風量を設定するという。
フィルタモータ31は第1フィルタ回転数Fi1[rpm]及び第2フィルタ回転数Fi2[rpm]の何れか一方の回転数で作動し、Fi1>Fi2(ただしFi1,Fi2は自然数)である。従って、フィルタモータ31が第1フィルタ回転数Fi1で作動している場合は、第2フィルタ回転数Fi2で作動している場合よりもフィルタ2の回転数が増加する。このため、フィルタ2の外周部の浸水していた一部が空中へ移動して乾燥し、再び浸水するまでの速度が速くなり、フィルタ2の含水量が増大する。この結果、加湿量が大きくなる。
一方、加湿量を一定にして送風量を増減させたい場合は、ファンモータ51の回転数の増加(又は減少)に伴って、フィルタモータ31の回転数を減少(又は増加)させればよい(図4中の白抜矢符参照)。
なお、本実施の形態においては各モータの回転数を2段階に切り換えることで加湿量を3段階に切り換える構成としているが、これに限らず、加湿量を4段階(例えば加湿量“最大”、“大”、“小”、“最小”)に切り換える構成でもよく、各モータの回転数を3段階以上に切り換えることで加湿量を更に多段階に切り換える構成でもよい。
ただし、付着したスケールの量の増大は緩やかであるため、フィルタ2の回転数の増大も緩やかであることが望ましい。
更に、図5に示すようなテーブルに限定されず、フィルタ2の回転総数を用いて第1フィルタ回転数Fi1及び第2フィルタ回転数Fi2夫々の値を求める数式がROM11又はEEPROM13に記憶されていてもよい。
図6は、本発明の実施の形態1に係る加湿装置のCPUが実行する加湿量制御処理の手順を示すフローチャートであり、加湿量制御処理は、電源キー150が操作されることによって電源がオンされた場合に実行される。
CPU10は、加湿開始キー151が操作されたか否かを判定し(S11)、操作されてない場合(S11でNO)、S11の処理を繰り返し実行する。
更にCPU10は、加湿量切換キー154が操作されて加湿量変更命令を受け付けたか否かを判定し(S18)、加湿量切換キー154が操作されていない場合(S18でNO)、送風量切換キー155が操作されて送風量変更命令を受け付けたか否かを判定する(S19)。
送風量切換キー155も操作されていない場合(S19でNO)、CPU10は、電源キー150が操作されることによって電源がオフされたか否かを判定し(S22)、電源キー150が操作されてない場合(S22でNO)、処理をS18へ戻す。
このような加湿量制御処理におけるCPU10は、フィルタモータ制御部30及びファンモータ制御部50夫々を制御することによって、加湿制御手段及び回転制御手段として機能する。また、CPU10は、回転センサ6の検出結果を受けて、計数手段として機能する。
また、加湿量を大きくするときでも、無用な送風量の増大に起因する騒音の増大が抑制され、加湿量を小さくするときでも、無用な送風量の減少に起因する空気浄化能力の低下が防止される。
なお、加湿装置1の構成は、本実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、送風機5が送風する空気をフィルタ2の上流側で加熱しておくことでフィルタ2における更なる蒸散を促進してもよく、また、排気口の近傍にイオン発生素子を配して、発生させたプラスイオン及びマイナスイオンを、排出する空気に付加してもよい。
図7は、本発明の実施の形態2に係る加湿装置の内部構成を示す側面図であり、図8は、この加湿装置が備えるフィルタ、水槽及び給水タンクの構成を示す背面図である。図9は、この加湿装置が備えるフィルタ及び水槽の構成を示す平面図であり、図10は、この加湿装置が備える飛散防止部近傍を示す平面図である。
また、図11は、この加湿装置の仕切り部に形成されている通水孔近傍を示す背面図であり、図12は、飛散防止部を備えていない加湿装置の仕切り部に形成されている通水孔近傍を示す背面図である。
筐体100の内部は、合成樹脂製の板状の仕切り部8,81及び筐体100内の図示しない隔壁によって、空気浄化フィルタ17、フィルタ2、回転駆動機構3、合成樹脂製の水槽4、及び送風機5が配されている通風路103側(図8、図11及び図12における仕切り部8,81の右側、並びに図9及び図10における仕切り部8,81の左側)と、水槽4及び給水タンク7が配されているタンク配置側(図8、図11及び図12における仕切り部8,81の左側、並びに図9及び図10における仕切り部8,81の右側)とに仕切られている。このため、仕切り部8,81を回避してタンク配置側と通風路103側との間で空気の流入出が生じることはほとんどない。
給水タンク7は、開口7aを水槽4の貯水部4bに対向させて倒立状態で筐体100に固定され、水槽4にて所定の水位W1を維持すべく、水槽4の貯水部4bに対して自動的に給水するよう構成されている。ここで、水位W1は、フィルタ2が十分に浸水し、しかも、水槽4の各側面よりも十分に低い位置である。ただし、水槽4の貯水部4aの正面側及び背面側の側面41,42(即ちフィルタ3に平行な2枚の側面41,42)は、フィルタ2を通過する空気を阻害しない適宜の高さを有する。
このとき、筐体100内部の通風路103側の気圧は、タンク配置側の気圧より低くなる。通風路103側とタンク配置側との気圧差の大/小は、ファンモータ51の回転数の高低に比例する。
水没していた通水孔8aの一部が空気中に露出したときに、タンク配置側と通風路103側との気圧差によって、タンク配置側から通風路103側へ吹き込む風Bが発生する。この風Bは、通水孔8aの空気中に露出した部分が狭いため、高い風速を有する。この結果、水槽4に貯留されている水が風Bに巻き上げられて、水滴が飛散する。
水槽4外部の物体に付着した水及び不純物は、加湿装置1の使用者が拭浄しなければならず、使用者の利便性が悪化する。また、筐体100の外部へ漏出した水は、加湿装置1が載置されている床を濡らす。
従って、水槽4外部への水滴の飛散を防止する必要がある。
しかしながら、飛散した水滴は飛散防止部9の下面に衝突して水槽4へ落下するか、飛散防止部9に付着する。また、飛散防止部9に付着した水滴は、飛散防止部9を伝って水槽4へ落下する。
また、フィルタ2から離隔配置されているため、飛散防止部9がフィルタ2の回転を阻害することはない。更に、通水孔8aの開口上端よりも上方に配されているため、飛散防止部9が通水孔8aを介した通水を阻害することはない。ここで、飛散防止部9の先端の高さが通水孔8aの開口上端の高さに等しい場合、飛散防止部9と水位W2の水面との間で強い風が生じて水滴が飛散する可能性があるため、飛散防止部9の先端の高さは通水孔8aの開口上端の高さよりも十分に高いことが望ましい。
本実施の形態の飛散防止部9は、水位W1よりも高い位置に配されているが、飛散防止部9の一部又は全部が水位W1よりも低い位置に配される構成でもよい。
「0005」
しかしながら、送風量を変えることなく加湿量を大きく(又は小さく)することを加湿装置の使用者が望んでいる場合、加湿量を大きく(又は小さく)するために送風量を大きく(又は小さく)しなければならず、使用者が所望する空気調和が得られないという問題がある。
また、加湿量を大きくするために送風量を大きくすると、フィルタを通過する空気の騒音、送風機のファンモータの騒音等が大きくなるという問題がある。更に、加湿装置が集塵、脱臭等の機能を有する空気浄化フィルタも備えている場合、加湿量を小さくするために送風量を小さくすると、空気浄化フィルタを通過する空気の量が減少するため、空気の浄化効率が低下するという問題がある。
「0007」
本発明は斯かる問題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、空気を加湿すべき量の大小に応じて、フィルタの含水量及び送風機の送風量を夫々制御する構成とすることにより、送風機の送風量の増減のみによらずに加湿量を調節することができる加湿装置を提供することにある。
「0008」
本発明の他の目的は、空気を加湿すべき量の大小に応じて、フィルタを回転させるフィルタモータの平均回転数及び送風機の羽根を回転させるファンモータの平均回転数を夫々制御する構成とすることにより、2種類のモータの平均回転数を夫々増減して加湿量を調節することができる加湿装置を提供することにある。
「0009」
本発明の他の目的は、フィルタの使用時間に応じて、フィルタの平均回転数を高くする構成とすることにより、スケールが付着して吸水性が低下したフィルタにも十分に吸水させることができる加湿装置を提供することにある。
「0010」
本発明の他の目的は、フィルタが回転した回数の増加に応じて、フィルタの平均回転数を高くする構成とすることにより、フィルタの使用時間を容易に求めることができる加湿装置を提供することにある。
「0012」
本発明の他の目的は、撥水性又は吸水性を有する素材を用いてなる飛散防止部が、水滴の飛散経路に配されていることにより、水槽の外部への飛散を防止すべく水滴を撥ね返すか吸い取ることができる加湿装置を提供することにある。
「0013」
本発明の更に他の目的は、水槽の両側面間に亘って配されている板状の飛散防止部が、水槽の外部への水滴の飛散を防止する構成とすることにより、水槽の外部への水滴の飛散を簡易な構成で防止することができる加湿装置を提供することにある。
「0014」
本発明に係る加湿装置は、吸水性及び通気性を有する円盤状のフィルタと、該フィルタを周方向に回転させるための回転駆動機構と、水を貯留する水槽と、前記フィルタに対し、該フィルタに交差する方向に送風する送風機とを備え、前記フィルタは縦姿勢に配されて、該フィルタの外周部の一部が前記水槽にて浸水可能にしてある加湿装置において、空気を加湿すべき量の大小に応じて、前記フィルタの含水量及び前記送風機の送風量を夫々制御する加湿制御手段を備えることを特徴とする。
「0014」
本発明に係る加湿装置は、吸水性及び通気性を有する円盤状のフィルタと、該フィルタを周方向に回転させるための回転駆動機構と、水を貯留する水槽と、前記フィルタに対し、該フィルタに交差する方向に送風する送風機とを備え、前記フィルタは縦姿勢に配されて、該フィルタの外周部の一部が前記水槽にて浸水可能にしてある加湿装置において、空気を加湿すべき量の大小に応じて前記送風機の送風量を制御する加湿制御手段と、前記水槽に水を供給する給水タンクと、前記水槽の内部を、前記給水タンクが配されているタンク配置側と、前記フィルタ、前記回転駆動機構、及び前記送風機が配されている通風路側とに仕切り、前記タンク配置側から前記通風路側へ水を供給するための通水孔が形成されている仕切り部と、前記通水孔から前記水槽の前記通風路側の開口までの間に前記フィルタから適長離隔して配されており、前記水槽の水位が低下した場合に前記タンク配置側と前記通風路側との気圧差によって発生する前記水槽の外部への水滴の飛散を防止する飛散防止部とを備えることを特徴とする。
「0015」
本発明に係る加湿装置は、前記回転駆動機構は、前記フィルタを回転させるフィルタモータを有し、前記送風機は、該送風機の羽根を回転させるファンモータを有し、前記加湿制御手段は、加湿すべき量を大きく(又は小さく)する場合に、前記フィルタモータ及び/又は前記ファンモータの平均回転数を増加(又は減少)させるようにしてあることを特徴とする。
「0015」
本発明に係る加湿装置は、前記飛散防止部の一側が前記仕切り部に配され、前記飛散防止部の他側が前記フィルタの下側に配されていることを特徴とする。
「0016」
本発明に係る加湿装置は、前記フィルタの使用時間に応じて、前記フィルタの平均回転数を高くする回転制御手段を更に備えることを特徴とする。
「0016」
本発明に係る加湿装置は、前記飛散防止部は、前記仕切り部の側から前記フィルタの側へ前記水槽の底面に接近する方向に傾斜していることを特徴とする。
「0017」
本発明に係る加湿装置は、前記フィルタが回転した回数を計数する計数手段を更に備え、前記回転制御手段は、前記計数手段が計数した回数の増加に応じて、前記平均回転数を高くするようにしてあることを特徴とする。
「0017」
本発明に係る加湿装置は、前記飛散防止部は、前記水槽の前記フィルタに対面する一面及び他面に亘って配されていることを特徴とする。
「0018」
本発明に係る加湿装置は、前記水槽に水を供給する給水タンクと、前記水槽の内部を、前記給水タンクが配されているタンク配置側と、前記フィルタ、前記回転駆動機構、及び前記送風機が配されている通風路側とに仕切り、前記タンク配置側から前記通風路側へ水を供給するための通水孔が形成されている仕切り部と、前記通水孔から前記水槽の前記通風路側の開口までの間に前記フィルタから適長離隔して配されており、前記水槽の水位が低下した場合に前記タンク配置側と前記通風路側との気圧差によって発生する前記水槽の外部への水滴の飛散を防止する飛散防止部とを更に備えることを特徴とする。
「0018」
本発明に係る加湿装置は、前記フィルタの使用時間に応じて、前記フィルタの平均回転数を高くする回転制御手段と、前記フィルタが回転した回数を計数する計数手段とを更に備え、前記回転制御手段は、前記計数手段が計数した回数の増加に応じて、前記平均回転数を高くするようにしてあることを特徴とする。
「0019」
本発明に係る加湿装置は、前記飛散防止部は、撥水性又は吸水性を有する素材を用いてなり、前記水滴の飛散経路を遮蔽する位置に配されていることを特徴とする。
「0020」
本発明に係る加湿装置は、前記飛散防止部は板状をなし、前記通水孔の開口上端以上且つ前記水槽の側面の上端部以下の高さであって前記水槽の底面に平行に又は該底面に対して傾斜する方向に、前記フィルタに平行な2枚の前記側面の間に亘って配されていることを特徴とする。
「0021」
本発明にあっては、フィルタ、回転駆動機構、水槽、送風機、及び加湿制御手段を備え、フィルタは円盤状であって、吸水性及び通気性を有する。
フィルタは縦姿勢に配されて、このフィルタの外周部の一部が、水を貯留する水槽にて浸水可能にしてある。また、回転駆動機構は、縦姿勢に配されたフィルタを周方向に回転させ、送風機はフィルタに対し、このフィルタに交差する方向に送風する。外周部の一部が浸水しているフィルタに対して送風機で送風することによって、フィルタを通過した空気が吸湿し、吸湿した空気が装置外部へ送風される。
「0022」
加湿制御手段は、空気を加湿すべき量(即ち加湿量)の大小に応じて、フィルタの含水量及び送風機の送風量を夫々制御する。加湿量を非常に大きくする場合、加湿制御手段は、フィルタの含水量及び送風機の送風量の両方を増大させる。一方、加湿量を非常に小さくする場合、加湿制御手段は、フィルタの含水量及び送風機の送風量の両方を減少させる。
「0023」
また、送風機の送風量を一定に保った状態で、フィルタの含水量を増減させることによって、送風量を変更することなく、加湿量が調節される。つまり、加湿装置の使用者が所望する加湿量と送風量とが両立される。
しかも加湿量を増大させるために送風機の送風量を増大させる必要がないため、送風量の増大に伴う騒音の発生が抑制される。更に加湿量を減少させるために送風機の送風量を減少させる必要がないため、送風量の減少に伴う空気調和機能の低下が防止される。
「0024」
本発明にあっては、回転駆動機構が、フィルタを回転させるフィルタモータを有し、送風機が、送風機の羽根を回転させるファンモータを有する。
加湿制御手段は、加湿量を大きく(又は小さく)する場合に、フィルタモータ及び/又はファンモータの平均回転数を増加(又は減少)させる。
「0025」
具体的には、フィルタモータの平均回転数を増加(又は減少)させると、フィルタの含水量が増大(又は減少)し、加湿量が増大(又は減少)する。何故ならば、フィルタモータの平均回転数が増加(又は減少)すると、フィルタの平均回転数が増加(又は減少)するため、フィルタの外周部の浸水していた一部が空中へ移動して、送風されることによって乾燥し、再び浸水するまでの速度が速く(遅く)なるからである。一方、ファンモータの平均回転数を増加(又は減少)させると、送風機の羽根の平均回転数が増加(又は減少)して、送風機の送風量が増大(又は減少)するため、加湿量が増大(又は減少)する。
つまり、2種類のモータの平均回転数を夫々増減して加湿量を調節することができる。
「0026」
また、加湿量を非常に大きく(又は小さく)する場合、加湿制御手段は、フィルタモータ及びファンモータ両方の平均回転数を増加(又は減少)させる。このため、フィルタモータ及びファンモータの一方を極端に高い(低い)値の平均回転数に設定して非常に大きな(又は小さな)加湿量を得る場合とは異なり、フィルタモータ及びファンモータの両方を適宜の値の平均回転数に設定することで、非常に大きな(又は小さな)加湿量が得られる。
更に、ファンモータの平均回転数を一定に保った状態で、フィルタモータの平均回転数を増減させることによって、送風量を変更することなく、加湿量が調節される。つまり、加湿装置の使用者が所望する加湿量と送風量とが両立される。
「0027」
本発明にあっては、回転制御手段が、フィルタの使用時間に応じて、フィルタの平均回転数を高くする。ここで、フィルタの使用時間とは、例えばフィルタの使用開始からの単純な経過時間、又はフィルタが浸水していた時間の合計等である。
フィルタの使用時間が長くなるに従って、フィルタに付着するスケールの量は増大し、フィルタに付着するスケールの量が増大するに従って、フィルタの吸水性は低下するが、スケールの付着による吸水性の低下は、フィルタの平均回転数を増加させてフィルタの含水量を増大させることによって相殺される。つまり、スケールが付着して吸水性が低下したフィルタに十分に吸水させることができる。
「0028」
また、フィルタに付着しているスケールの量を直接的に検出することは困難であるが、フィルタの使用時間を計時することは、例えばフィルタを取り付けた時点からの経過時間を計時するタイマを備えることによって容易に実現されるため、加湿装置を簡易に構成することができる。
「0029」
本発明にあっては、フィルタが回転した回数を計数手段が計数する。
フィルタの使用時間の長さは、フィルタの使用開始時点から現時点までの間にフィルタが回転した回数の多さに対応すると考えられる。従って、回転制御手段は、計数手段が計数した回数、即ちフィルタが回転した回数の増加に応じて、フィルタの平均回転数を高くする。つまり、スケールが付着して吸水性が低下したフィルタに十分に吸水させることができる。
「0030」
また、例えばタイマを用いて、フィルタを取り付けた時点からの経過時間を単純に計時する場合とは異なり、フィルタが回転していない時間(即ちフィルタが使用されていない時間)を使用時間に含めないため、より正確な使用時間を得ることができる。なお、加湿を行なわずフィルタを使用しない間は、フィルタ(少なくとも吸水性を有するフィルタ本体)を非浸水状態にしておくことが望ましい。
「0031」
本発明にあっては、水槽に水を供給する給水タンクと、通水孔が形成されている仕切り部と、飛散防止部とを更に備える。
加湿装置の通風路側にはフィルタ、回転駆動機構及び送風機が配されており、タンク配置側には給水タンクが配されている。
水槽の内部を通風路側とタンク配置側とに仕切る仕切り部は、タンク配置側の空気が水槽を介して通風路側へ移動することを防止するために設けられている。ただし、給水タンクによって水槽のタンク配置側に供給された水を、通風路側に配されているフィルタが吸い上げるために、仕切り部には、タンク配置側から通風路側へ水を供給するための通水孔が形成されている。
「0032」
加湿装置が使用される場合、送風機の送風によって、装置内部の通風路側の気圧はタンク配置側の気圧より低くなる。通常、通水孔は水面下に位置するため、タンク配置側の空気が通水孔を通って通風路側へ移動することはない。
ところが、何らかの事情で通水孔の開口上端と同じか僅かに低い高さまで水面が低下した場合、タンク配置側の空気が通水孔を通って通風路側へ移動する。
通水孔から水槽の通風路側の開口までの間には飛散防止部が配されている。このため、タンク配置側から通風路側へ吹き出す空気が水槽の水を巻き上げたとしても、巻き上げられた水滴が飛散防止部に当たって水槽に落ちるか、又は飛散防止部に吸収される等して、水槽の外部へ飛散することが防止される。又は、飛散防止部は、タンク配置側から通風路側へ吹き出す空気が水槽の水を巻き上げることを防止する。
「0033」
本発明にあっては、タンク配置側と通風路側との気圧差によって水槽の外部へ飛散しようとする水滴の飛散経路を遮蔽する位置に、撥水性又は吸水性を有する素材を用いてなる飛散防止部が配されている。このため、タンク配置側から通風路側へ吹き出す空気が水槽の水を巻き上げたとしても、巻き上げられた水滴が、撥水性を有する飛散防止部に当たって水槽に落ちるか、又は吸水性を有する飛散防止部に吸収される等して、水槽の外部へ飛散することが防止される。
「0034」
本発明にあっては、撥水性又は吸水性を有する板状の飛散防止部を備える。
飛散防止部は、通水孔の開口上端以上且つ水槽側面の上端部以下の高さに配されている。このため、飛散防止部は、通水孔における通水を阻害することがなく、また、タンク配置側から通風路側へ吹き出す空気によって水滴が飛散したとしても、飛散した水滴が水槽側面の上端部を越えて水槽外部へ移動することを確実に防止する。
「0035」
更に、飛散防止部は、水槽の底面に対して平行又は傾斜する方向に配されているため、飛散した水滴は飛散防止部に付着する(又は吸収される)か、飛散防止部に当接して水槽へ落下する。水滴の水槽への落下を促進するためには、飛散防止部は傾斜している方が好ましい。
更にまた、飛散防止部は、フィルタに平行な2枚の水槽側面の間に亘って配されているため、この水槽側面と飛散防止部との間を抜けて水槽外部へ水滴が飛散することを防止する。
「0036」
本発明の加湿装置による場合、フィルタの含水量及び送風機の送風量を夫々制御するため、送風機のフィルタに対する送風量の増減のみによらず、加湿量を調節することができる。従って、使用者が所望する空気調和(加湿量及び送風量)を得ることができる。
また、加湿量を大きくするときでも、騒音の増大を抑制することができ、加湿量を小さくするときでも、空気調和機能の低下を防止することができる。
「0037」
更にまた、本発明の加湿装置による場合、フィルタの平均回転数を増加させることで、スケールの付着によるフィルタの吸水性の低下に関わらず、フィルタに十分に吸水させることができる。
「0038」
本発明の加湿装置による場合、簡易な構成の飛散防止部が、水槽外部への水滴の飛散を防止する。従って、飛散した水滴が水槽外部の物体に付着することを防止することができるため、付着した水滴を使用者が拭き取る手間暇を省くことができる。更に、水槽外部の物体に付着した水滴が乾いて、水滴に含まれていた不純物が付着することを防止することができる。従って、不純物によって加湿装置内部が汚れ、また、美観を損なうことを防止することができ、付着した不純物を使用者が掃除する手間暇を省くことができる。更にまた、飛散した水滴が装置外部へ漏れ出すことを防止することができる。
10 CPU
103 通風路
13 EEPROM
2 フィルタ
3 回転駆動機構
30 フィルタモータ制御部
31 フィルタモータ
4 水槽
40 底面
41,42 側面
5 送風機
50 ファンモータ制御部
51 ファンモータ
52 羽根
6 回転センサ
7 給水タンク
8 仕切り部
8a 通水孔
9 飛散防止部
Claims (3)
- 水を貯留する水槽と、
吸水性及び通気性を有し、前記水槽に貯留された水を吸収するフィルタ本体、及び該フィルタ本体を保持する枠体を用いてなる円盤状のフィルタと、
該フィルタを周方向に回転させるための回転駆動機構と、
前記フィルタに対し、該フィルタに交差する方向に送風する送風機と
を備える加湿装置において、
空気を加湿すべき量の大小に応じて前記送風機の送風量を制御する加湿制御手段と、
前記水槽に水を供給する給水タンクと、
前記水槽の内部を、前記給水タンクが配されているタンク配置側と、前記フィルタが配されている通風路側とに仕切り、前記タンク配置側から前記通風路側へ水を供給するための通水孔が形成されている仕切り部と、
前記通水孔から前記水槽の前記通風路側の開口までの間に配されており、前記水槽の外部への水滴の飛散を防止する飛散防止部と
を備え、
前記飛散防止部の一側が前記仕切り部に配され、前記飛散防止部の他側が前記フィルタの下側に配されていることを特徴とする加湿装置。 - 前記飛散防止部は、前記水槽の前記フィルタに平行な一面及び他面に亘って配されていることを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
- 前記飛散防止部は、前記水槽の底面に平行に配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加湿装置。
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