JP3799605B2 - 加湿器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒータ加熱式と気化式とを併用した加湿器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ヒータ加熱式と気化式とを併用したこの種の加湿器は、水タンクより供給される液体すなわち水を水槽内に貯留し、この水槽内の水を気化フィルターにより吸湿すると共に、送風装置からの風をヒータなどの加湿装置により加熱し、この加熱した風を気化フィルターに当てて気化フィルターに吸湿した水を気化することで、本体の外部に加湿空気を送り出すようにしている。そして、前記気化フィルターとしては一般的に不織布が用いられており、不織布の一部を水に浸すことで、不織布自身の吸上げにより吸湿を行なうようにしていた。
【0003】
しかし、濾過手段としての気化フィルターは不織布の吸上げにより吸湿を行なうため、気化フィルター全体が水を含むまでに相当の時間がかかる。また、加熱装置や送風装置の運転を止めて加湿運転を停止した後も、気化フィルターは常に水を含んだ状態で放置されるので雑菌の増殖があり、非常に不衛生であった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、短時間で濾過手段全体に液体を含ませることができる加湿器を提供することを目的とする。
【0005】
また本発明の第2の目的は、濾過手段を衛生的に保つことのできる加湿器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の加湿器は、吸湿する濾過手段と、風を送る送風装置と、加熱する加熱装置とを備えた加湿器において、前記濾過手段を本体とこの本体に設けられる掻き部とにより構成すると共に、前記濾過手段を回転可能に設け、前記本体を液体と非接触な位置に設けたものである。
【0007】
この場合、濾過手段が回転すると、本体にある掻き部が液体を汲み上げる。そして、この汲み上げた液体が濾過手段の上方に達すると、掻き部を越えて本体に流れ出し、本体の全体を吸湿する。したがって、濾過手段の回転に伴い、短時間で効率よく本体の全体に液体を含ませることができる。
【0008】
送風装置からの風が加熱装置により加熱され、温風として濾過手段に送り出される。そして、濾過手段に吸湿した液体が温風により気化され、これが加湿空気となって外部に放出される。その際、濾過手段を回転させることにより、濾過手段全体に液体がまんべんなく行き渡る。したがって、短時間で濾過手段全体に液体を含ませることができる。
【0009】
加湿運転を停止するのに伴って濾過手段の回転を止めると、掻き部を除く本体は水に浸かっていないため自然乾燥し、そのまま放置しても雑菌の繁殖などが起こらない。したがって、短時間で効率よく本体の全体に液体を含ませることができる上に、濾過手段の実質的な吸湿部である本体を常に衛生的に保つことができる。
【0010】
本発明の請求項2の加湿器は、請求項1の構成に加えて、濾過手段を多孔質材料で形成している。
【0011】
この場合、多孔質材料は不織布よりも乾きが早いため、加湿運転を停止するのに伴って濾過手段の回転を止めると、液体に浸かっていない部分の自然乾燥が促進される。したがって、濾過手段をそのまま放置しても雑菌の繁殖などが起こらず、濾過手段を常に衛生的に保つことができる。
【0012】
【発明の実施形態】
以下、本発明における加湿器の一実施例について、添付図面である図1〜図3を参照しながら説明する。
【0013】
同図において、1は加湿器の外郭を形成する本体ケース、2は本体ケース1の内部に倒立状態で着脱可能に設けられる有底筒状の水タンクであり、本体ケース1の上部には水タンク2を出し入れする開口部を塞ぐ蓋3が着脱自在に設けられる。図1に示す水タンク2の下部には、弁体付きの着脱自在な給水キャップ4が設けられており、水タンク2を本体ケース1に装着したときに、給水キャップ4の下方に位置して水タンク2からの水を受ける有底状の水受皿5が、本体ケース1の内底部に形成される。さらにこの水受皿5には、給水キャップ4の弁体を押し上げる突起6が設けられる。
【0014】
8は水受皿5に連通して設けられた有底状の水槽であって、この水槽2の上方にあって、本体ケース1の内部には、外形が円盤状をなす気化フィルター11が設けられる。気化フィルター11は、実質的な吸湿部として設けられる多孔質セラミック部材からなる円盤状のフィルター本体12と、このフィルター本体12の外周すなわち円周部に取付けられ、放射状に延びる多数の羽根13を有する水掻き部14とにより構成される。そして、フィルター本体12の中心に設けた支軸15に駆動源であるモータ16を接続することで、モータ16の回転力により気化フィルター11全体が支軸15を中心に回動するようになっている。
【0015】
気化フィルター11は、水掻き部14の一部が水槽8内に水没するものの、フィルター本体12全体が常時水没しない位置に回転可能に設けられる。これにより、気化フィルター11の回転が停止して、水掻き部14からフィルター本体12への水の供給が停止すると、水没しないフィルター本体12がすぐに乾くようになっている。本実施例においては、水受皿5や水槽8の定常水位面が、前記給水キャップ4の下端と一致するため、気化フィルター11の特に上下方向の取付け位置を規定しやすいという利点がある。また、水を吸湿するフィルター本体12の孔径は2〜5mmの範囲とするのが好ましい。その理由は、孔径が2mm未満であると、フィルター本体12内に風がスムースに通らず、逆に孔径が5mmを超えると、吸湿性が著しく低下するからである。
【0016】
21は、本体ケース1に形成した吸気口22より空気を取り込んで気化フィルター11の一側に送風する送風装置である。この送風装置21は、シロッコファンなどからなるファン本体23と、ファン本体23の回転駆動源であるモータ24とにより構成される。また、ファン本体22と気化フィルター11の間には、送風装置21から送られた風を加熱する加熱装置としてのヒータ25が配設される。なお、26は気化フィルター11の他側に対向して設けられた吹出口、27は本体ケース1の内部において水タンク2の収容部とそれ以外の部分とを区画する仕切板である。
【0017】
次に,上記構成についてその作用を説明する。加湿運転を行なうに際しては、前もって給水キャップ4を取外して水タンク2に所定量の水を投入し、再度給水キャップ4を水タンク2を取付けた後に、この水タンク2を本体ケース1に倒立状態で装着する。このとき、水受皿5上に突出する突起6が給水キャップ4の弁体を押し上げ、水タンク2からの水が水受皿5に流れて、水受皿5に連通する水槽8に水が貯溜される。なお水槽8の水位は、給湯キャップ4の下端の高さと一致し、これが水槽8における定常水位面となる。
【0018】
ここで図示しない運転スイッチをオンにすると、モータ16が駆動して気化フィルター11全体が支軸15を中心に回動すると共に、別のモータ24により送風装置21のファン本体22が回動し、さらにヒータ25が通電される。気化フィルター11が回転すると、水槽8内に水没した水掻き部14の羽根13が順に水を汲み上げ、この汲み上げた水が気化フィルター11の上方に達すると、水掻き部14を越えてその下側にあるフィルター本体12に流れ出す。これにより、フィルター本体12自体は常時水没しないものの、気化フィルター11の回転により水掻き部14から次々と流れ出る水を短時間に効率よく吸湿する。
【0019】
また、送風装置21のファン本体22が回動すると、吸気口22より取り込まれた空気がフィルター本体12に送り出されるが、送風装置21からの風が途中でヒータ25からの熱を奪うため、吸湿したフィルター本体12に温風が当たる。このため、温風がフィルター本体12を通過する際に水が気化され、加湿空気となって本体ケース1の吹出口26から外部に放出される。
【0020】
一方、加湿運転を停止する場合は、運転スイッチをオフにすると、モータ16,24およびヒータ25への各通電が遮断され、気化フィルター11全体の回転が止まって、水掻き部14からフィルター本体12への水の供給が停止する。フィルター本体12は多孔質セラミック材料からなるので、不織布に比べて乾きが早く、また水に浸っていないので、そのまま放置しても雑菌の繁殖などの心配がない。したがって、気化フィルター11を衛生的に保つことが可能になる。なお、気化フィルター11の回転を停止した後、送風装置21のモータ24とヒータ25とを一定時間通電させ、フィルター本体12に温風を当ててフィルター本体12の乾燥を促進させてもよい。
【0021】
以上のように上記実施例によれば、液体すなわち水を吸湿する濾過手段としての気化フィルター11と、気化フィルター11に風を送る送風装置21と、送風装置21からの風を加熱する加熱装置としてのヒータ25とを備えた加湿器において、気化フィルター11を円盤状に形成し回転可能に設けている。
【0022】
この場合、送風装置21からの風がヒータ25により加熱され、温風として気化フィルター11に送り出される。そして、気化フィルター11に吸湿した水が温風により気化され、これが加湿空気となって外部に放出される。その際、円盤状の気化フィルター11を回転させることにより、気化フィルター11全体に水がまんべんなく行き渡る。したがって、短時間で気化フィルター11全体に水を含ませることができる。
【0023】
また本実施例では、本体であるフィルター本体12と、このフィルター本体12の円周部に設けられる掻き部である水掻き部14とにより気化フィルター11を構成している。
【0024】
この場合、気化フィルター11が回転すると、フィルター本体12の円周部にある水掻き部14が水を汲み上げる。そして、この汲み上げた水が気化フィルター11の上方に達すると、水掻き部14を越えてフィルター本体12に流れ出し、フィルター本体12の全体を吸湿する。したがって、気化フィルター11の回転に伴い、短時間で効率よくフィルター本体12の全体に水を含ませることができる。
【0025】
また本実施例では、フィルター本体12を水と非接触な位置に設けている。
【0026】
この場合、加湿運転を停止するのに伴って気化フィルター11の回転を止めると、水掻き部14を除くフィルター本体12は水に浸かっていないため自然乾燥し、そのまま放置しても雑菌の繁殖などが起こらない。したがって、短時間で効率よくフィルター本体12の全体に水を含ませることができる上に、気化フィルター11の実質的な吸湿部であるフィルター本体12を常に衛生的に保つことができる。
【0027】
さらに本実施例では、気化フィルター11のフィルター本体12を多孔質材料である多孔質セラミック材料で形成している。
【0028】
この場合、多孔質セラミック材料は不織布よりも乾きが早いため、加湿運転を停止するのに伴って気化フィルター11の回転を止めると、水に浸かっていない部分の自然乾燥が促進される。したがって、気化フィルター11をそのまま放置しても雑菌の繁殖などが起こらず、気化フィルター11を常に衛生的に保つことができる。特に本実施例ではフィルター本体12の全部分が水に浸かっていないため、フィルター本体12の全体で自然乾燥が促進される。そのため、気化フィルター11全体を常に衛生的に保つことができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の請求項1の加湿器によれば、濾過手段の回転に伴い、短時間で効率よく濾過手段ひいては本体の全体に液体を含ませることができる上に、本体を常に衛生的に保つことができる。
【0031】
本発明の請求項2の加湿器によれば、濾過手段の自然乾燥を促進して、濾過手段を常に衛生的に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す加湿器の断面図である。
【図2】 同上上から見た加湿器の断面図である。
【図3】 同上気化フィルター近傍の正面図である。
【符号の説明】
11 気化フィルター(濾過手段)
12 フィルター本体(本体)
14 水掻き部(掻き部)
21 送風装置
25 ヒータ(加熱装置)
Claims (2)
- 吸湿する濾過手段と、風を送る送風装置と、加熱する加熱装置とを備えた加湿器において、前記濾過手段を本体とこの本体に設けられる掻き部とにより構成すると共に、前記濾過手段を回転可能に設け、前記本体を液体と非接触な位置に設けたことを特徴とする加湿器。
- 前記濾過手段を多孔質材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の加湿器。
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