JP5565514B2 - 加湿装置の制御方法 - Google Patents
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Description
加湿装置100は、図3、図6、図7に示すように筐体10が縦長の略直方体形状で構成されているため、高さ方向の空間を使って空気の流れを作ることで、設置スペースを少なくすることができる。実施例1の加湿装置100における構成は、図3に示すように、筐体10の内部に吸込口26から吹出口28までを結ぶ空気通路が形成されている。この空気通路の途中に設けられた送風機12は、ファンモータ12aとファン12bで構成され、ファンモータ12aがファン12bを回すことによって、吸込口26から外部空気を吸引する(白抜き矢印A)。吸引された空気は、既存の脱臭装置等で使用されているプレフィルタ50、集塵フィルタ52、およびヒータ脱臭ユニット54を通過する間に、除塵・脱臭処理が行われる。そして、実施例1の加湿装置100における特徴的な構成の一つは、送風機12の風上側に配置された気化フィルタ14である。気化フィルタ14のフィルタ材としては、ここでは、ポリエステルとレーヨンを50:50の割合で配合し、プリーツ構造に形成したもので、通気性と吸水性を兼ね備えているが、必ずしもこの材質や配合割合に限定されない。この気化フィルタ14は、水を吸水して湿潤した状態で空気が通過する間に、水が気化して空気を加湿するものである。そして、送風機12は、気化フィルタ14で加湿された空気を上方へ伸びる空気通路へと送り出し(白抜き矢印B)、上面のルーバ30を開けた吹出口28から外部に吐出される(白抜き矢印E)。後述するように、気化フィルタ14は、フィルタの外周部に水車と同じ水汲みポケット14aが配置されており、加湿運転中は、気化フィルタ14が回転し、気化フィルタに水を供給する給水トレイ24a内の水を水汲みポケット14aが汲み上げて、頂点付近で気化フィルタに水を掛けることで、気化フィルタを湿潤させている。
加湿装置100により加湿運転が開始されると、図3の送風機12が吸込口26から空気を吸引して気化フィルタ14付近が負圧となり、正圧を受けているオゾン発生ユニット16内のオゾンは、その圧力差によりオゾンダクト18を通って吹付口18aから気化フィルタ14に向けて吹き付けられる。吹き付けられたオゾンと空気は、気化フィルタ14の中を通過する際に除菌や消臭を行うと共に、加湿された空気が送風機12から吹出口28を介して吐出される(白抜き矢印B、E)。ところが、送風機12とその風上側に配置されている気化フィルタ14との間に隙間があると、送風機12が吸込口26から吸引した空気と、オゾンダクト18の吹付口18aから吹き付けられたオゾンの一部が気化フィルタ14を通過せずに、通風抵抗が少ない送風機12と気化フィルタ14との間を通過してしまい、オゾンによる気化フィルタの除菌脱臭が十分行えない可能性がある。また、空気の加湿効率が低下するおそれがある。また、気化フィルタの乾燥運転モードの際には、フィルタを乾燥できないおそれもある。このため、図3に示すように、送風機12と気化フィルタ14との間の隙間を覆う送風ガイド20が設けられている。この送風ガイド20は、内部壁面の一部を帯状に突起させたり、内部壁面に帯状のガイド板を取り付けたりすることで、容易に実施することができる。送風ガイド20は、図6に示す給水トレイ24a以外の部分をカバーしており、送風機12と気化フィルタ14の間の隙間を塞ぐよう外周部に沿って配置されている。送風ガイド20は、送風機12と気化フィルタ14との間の隙間を塞ぐことから、内部で発生させたオゾンや吸込口26から吸引した空気が気化フィルタ14内を通るようになり、除菌効果と消臭効果を期待することができる。また、送風ガイド20により吸込口26から吸い込まれた空気の略全量は、気化フィルタ14を通過するようになるため、加湿効率を高めることができる。さらに、フィルタの乾燥運転モードの際に、フィルタを確実に乾燥させることができる。
オゾン発生部16aで発生したオゾンは、一部はオゾンダクト18を介して気化フィルタ14へ供給されるが、残りのオゾンは0.02ppm以下の濃度オゾンとして低濃度オゾン吹出口36から室内に向けて吹き出す。このため、オゾン発生ユニット16内のオゾン濃度を適正に調整する必要がある。実施例1では、図3に示すように、オゾン発生ユニット16内のオゾン発生部16aよりも風下側に設けたオゾンダクト18の直上にオゾン分解触媒58が配置されている。このオゾン分解触媒58は、酸化チタンなどの金属触媒作用によりオゾン分解触媒58を通過するオゾンを分解して、低濃度オゾンとした上で、低濃度オゾン吹出口36から外へ放出される(白抜き矢印F)。このオゾン分解触媒58の作用により、人体に影響の無い低濃度のオゾンを利用した室内の除菌脱臭が可能である。
また、加湿装置100の吹出口28付近の空気通路内には、図3に示すように、イオン発生器としてのイオナイザ46がオゾン発生ユニット16とは別に配置されている。イオナイザ46は、針状の電極を備えていて、電極に例えば数kVの高電圧を印加すると、電極の先端でコロナ放電が生じ、マイナスイオンとオゾンを発生させる。イオナイザ46から発生したマイナスイオンは、同じくイオナイザ46やオゾン発生ユニット16から発生したオゾンと反応して、強い酸化力を有するOHラジカルを生成する。
加湿装置100の背面パネル34の上部には、図3に示すように、加湿装置100を制御するメイン基板40が配置されている。このメイン基板40には、加湿装置100の動作を制御する制御部42(図4参照)を備えている。制御部42は、図4に示すように、操作パネル44からの指示に基づいて、運転制御を行う。例えば、制御部42は、加湿運転モード、脱臭運転モード、あるいは運転停止後の乾燥運転モードにおいて、送風機12のファンモータ12a、回転型の気化フィルタ14を回転させるフィルタ回転モータ22aを制御すると共に、オゾン発生ユニット16内でオゾン発生させるUVランプ16aの点灯制御、あるいは、イオナイザ46のON/OFF制御を行う。また、実施例1の制御部42では、脱臭運転モードにおいて、金属酸化物半導体センサなどを用いた臭いセンサ60の臭い検知レベルに応じて、送風機12の風量の切り替え制御を行っている。さらに、実施例1の制御部42は、加湿運転モードにおいて、室温に応じて目標湿度設定を行う自動湿度設定運転をユーザが選択すると、サーミスタなどの温度センサ62からの室温情報に基づく目標湿度が設定され、湿度センサ64で得られた現在湿度が目標湿度に近づくようにフィルタ回転モータ22aのON/OFF制御と、ファンモータ12aの回転数制御とを行っている。前記自動湿度設定運転では、図5に示すような室温に応じた目標湿度が予め設定されていて、図4のテーブルメモリ70に格納されている。また、実施例1における加湿装置100は、電源投入時に前回の運転停止前の運転モードから開始するラストメモリ機能を備えている。つまり、制御部42は、加湿装置100の動作中に運転停止操作が行われると、運転停止前の運転モードを図4の不揮発性メモリ68に記憶させておき、電源投入時に不揮発性メモリ68に記憶されている運転モードを読み出して、当該運転モードを開始する。また、本発明の特徴的な乾燥運転モードでは、一定時間送風を行って気化フィルタ14を乾燥させた後、気化フィルタ14を90度回転させ、さらに一定時間送風を行って気化フィルタ14を乾燥させる。その際、「一定時間」の計時、あるいは、気化フィルタ14の回転角度制御は、図4に示す計時手段としてのタイマ66を使って行われる。
実施例1における加湿装置100は、図3に示すように、気化フィルタ14の風上面側にオゾンを直接均等に吹き付けるオゾンダクト18を備えている。気化フィルタ14に対するオゾンダクト18の配置は、図3および図6に示すように、オゾン発生ユニット16から下方の気化フィルタ14の回転軸14cに向ってオゾンダクト18が伸びており、前記気化フィルタ14の半径に相当する部分にオゾンを直接吹き付けるための吹付口18aが近接配置されている。オゾンダクト18の吹付口18aの形状は、略直方体形状からなるオゾンダクト18の片面を切り取った長方形をしている。そして、送風機12の風下側のオゾン発生ユニット16内のオゾンには正圧がかかり、オゾン発生ユニット16から伸びるオゾンダクト18の吹付口18aには、送風機12の風上側の気化フィルタ14と吸込口26の間に負圧がかかるため、正圧と負圧の圧力差により、吸込口26から気化フィルタ14に吸い込まれる空気の流れに伴って、オゾンダクト18の吹付口18aからオゾンを吸引しながら吹き付けが行われる。このように、送風機12の風下側で発生させた正圧のオゾンは、オゾンダクト18を使って送風機12の風上側に戻すことで吹付口18a付近では負圧となり、オゾンダクト18の両端で生じた圧力差により、加湿運転中の送風量に対応した風量でオゾンを気化フィルタ14に直接吹きつけることで、効率良く除菌と消臭を行うことができる。
気化フィルタ14は、吸水性があり、湿潤した状態で通気性が確保できるものであって、回転式である。実施例1の気化フィルタ14は、図6に示すように、空気の通過方向(白抜矢印A)を回転軸14cとし、その回転軸14cに直交する面に沿って回転可能な円盤状の吸水性フィルタで構成されている。この気化フィルタ14は、給水トレイ24aと一体化されていて、加湿装置100本体に対して自由に着脱できるようになっている。図8は、図6の加湿装置100から給水トレイ24aと一体化された気化フィルタ14を取り外した図である。給水トレイ24aと連通する給水タンク保持部24bは、不図示の給水タンクを保持するものであり、給水トレイ24aの水が一定水位以下になると、給水タンクから水が供給される。仕切り板24cは、加湿装置100の筐体10の内と外とを仕切るものである。気化フィルタ14は、水を貯めておく給水トレイ24aの短手方向の両端部に軸受支持部24dが立設され、その軸受部分で円盤状の気化フィルタ14の回転軸14cを回転自在に軸支している。この気化フィルタ14は、フィルタの外周部に水車と同じ水汲みポケット14aが一定間隔毎に同じ方向に配置され、矢印方向Gに回転させることで、給水トレイ24a内の水を水汲みポケット14aが汲みあげ、頂点付近で中の水が気化フィルタ14に掛かるため、加湿運転中は常に湿潤状態を保つことができる。また、気化フィルタ14の外周部の水汲みポケット14aと反対の側には、気化フィルタ14を回転させるための従動歯車14bが形成されている。この従動歯車14bは、図4のフィルタ回転モータ22aにより回転される図3の駆動歯車22と噛み合って、一定の方向に一定速度で回転させることができる。フィルタ回転モータ22aには、例えば、シンクロナスモータにストッパを取り付けて一方向回転用としたもの、あるいは、ステッピングモータにより順方向と逆方向の両方向回転を可能にしたものなどを利用することができ、図4に示す制御部42によって回転制御が行われる。この気化フィルタ14のフィルタ回転手段は、上記した回転軸14c、従動歯車14b、フィルタ回転モータ22a、駆動歯車22、および制御部42により構成されている。また、気化フィルタ14をフィルタ回転手段によって回転させ、気化フィルタ14の全面に水を湿潤させる吸水手段としては、上記した給水トレイ24a、および水汲みポケット14aにより構成されている。
脱臭運転モードとは、オゾン発生部(UVランプ)16aによりオゾンを発生させ、イオナイザ46をONにして、気化フィルタ14の回転を停止した状態で指定風量にて脱臭運転を行い、気化フィルタや空気の除菌・脱臭を行うモードである。脱臭運転モードには、弱運転、強運転、急速運転、自動運転の4種類が設けられている。弱運転の風量は、「弱」の1段階、強運転の風量は、「強」の1段階、急速運転の風量は「急速」の1段階、自動運転の風量は、「中L(ロー)」、「中H(ハイ)」、「強」の3段階となる。「急速」とは、「強」よりも風量が多く、「中L(ロー)」と「中H(ハイ)」は、「強」と「弱」の間の2段階の風量をいう。弱運転と強運転は、決められた風量により脱臭運転が行われるが、自動運転は臭いセンサ60で検知された臭いレベルに応じて風量を変化させる。例えば、検知された臭いレベルが高いと、風量を多くして脱臭能力を高め、臭いレベルが一定レベル以下になると、少ない風量で運転する。また、急速運転は、指定後1時間「急速」で運転を行い、その後は、自動運転に移行する。
加湿運転モードとは、オゾン発生部(UVランプ)16aによりオゾンを発生させ、イオナイザ46をONにして、気化フィルタ14を回転しながら、室内の空気が設定された目標湿度となるように湿度調整を行い、気化フィルタや空気の除菌・消臭を行うモードである。加湿運転モードには、風量ではなく、目標湿度別に低湿度設定運転(目標湿度が40%に設定される)、高湿度設定運転(目標湿度が60%に設定される)、自動湿度設定運転(室温に応じた目標湿度が設定される)の3種類が設けられている。自動湿度設定運転では、図5に示すように、予め室温に応じた目標湿度が決められていて、図4のテーブルメモリ70に格納されている。このため、図4の制御部42は、温度センサ62から室温データを得ると、テーブルメモリ70に照合して、室温に対応した目標湿度に設定される。低湿度設定運転と高湿度設定運転は、それぞれの目標湿度に設定される。目標湿度に対して湿度調整を行う場合は、湿度を下げようとすると、気化フィルタ14の回転を停止し、風量を少なくする。湿度を上げようとする場合は、気化フィルタ14を回転させ、風量を多くする。つまり、加湿運転モードにおける制御部42は、目標湿度と湿度センサ64により検知した雰囲気湿度との差に基づいて、必要風量を判定する。
乾燥運転モードとは、加湿運転停止後に気化フィルタ14の回転を停止させた状態で送風機12により一定時間送風運転を行い、水で湿潤した気化フィルタ14を乾燥させるモードである。気化フィルタ14を乾燥させると、気化フィルタ14に雑菌が繁殖し難くなり、悪臭の発生を抑えることができる。そこで、図8を見ると、気化フィルタ14が給水トレイ24a内の水を汲み上げるため、給水トレイ24aに隠れている気化フィルタ14の下端部の乾燥し難い領域(不乾燥領域80:ダブルハッチングの領域)が生じている。この図8を白抜き矢印A方向から見た図9−1は、空気の通過する方向から見ており、給水トレイ24aに隠れている気化フィルタ14の不乾燥領域80には、直接風が当たらないことがわかる。そこで、本発明の特徴は、図9−1に示す位置で気化フィルタ14の回転を停止させ、一定時間送風運転を行った後、給水トレイ24aに隠れた気化フィルタ14の領域(不乾燥領域80)を給水トレイ24aよりも上に露出するまで気化フィルタ14を回転させる。つまり、図9−1から図9−2に示す位置まで気化フィルタ14を回転させた場合、回転角度は90度となる。もちろん、給水トレイ24aの深さや気化フィルタ14の形状により回転角度は異なってくるため、回転角度は適宜決める必要がある。なお、この角度は、必要最小限の角度であって、不乾燥領域80を露出させるという意味では、これよりも大きく回転させても良い。しかし、気化フィルタ14の回転時間、回転に要するエネルギーが無駄になる上、気化フィルタ14を余分に回転させると、水汲みポケット14aから水が落ちて、気化フィルタ14を湿潤させるおそれがあるため、必要最小限の角度で回転させることが望ましい。実施例1では、図9−2に示すように、気化フィルタ14を矢印G方向に順方向回転させた例で説明したが、ステッピングモータのように逆方向回転が可能なモータであれば、矢印Gと反対方向に回転させることも可能である。その場合は、水汲みポケット14aの向きが逆となり、水汲みポケット14aで水が汲めないため、水汲みポケット14aから水が落ちる心配がなくなる。このように、回転後の気化フィルタ14に対して、送風機12により再度一定時間送風運転を行うことにより、図9−2に示す不乾燥領域80についても乾燥させることが可能となり、気化フィルタ14に含まれる水分を全面に渡って十分に乾燥させることができるため、気化フィルタ14に雑菌が繁殖し難くなり、悪臭の発生を抑えることができる。
10 筐体
12 送風機
12a ファンモータ
12b ファン
14 気化フィルタ
14a 水汲みポケット
14b 従動歯車
14c 回転軸
16 オゾン発生ユニット
16a UVランプ
18、180 オゾンダクト
18a オゾン吹付口
20 送風ガイド
22 駆動歯車
22a フィルタ回転モータ
24a 給水トレイ
24b 給水タンク保持部
24c 仕切り板
24d 軸受支持部
26 吸込口
28 吹出口
30 ルーバ
32 前面パネル
34 背面パネル
36 低濃度オゾン吹出口
40 メイン基板
42 制御部
44 操作パネル
46 イオナイザ
58 オゾン分解触媒
60 臭いセンサ
62 温度センサ
64 湿度センサ
66 タイマ
68 不揮発性メモリ
70 テーブルメモリ
80 不乾燥領域
Claims (1)
- 加湿装置で実行される制御方法であって、
前記加湿装置は、送風機と、気化フィルタと、フィルタ回転手段と、前記気化フィルタの外周部に設けられ気化フィルタの回転により水を汲み上げて気化フィルタに水を湿潤させる吸水手段と、計時手段と、制御手段とを備え、
前記制御手段が、前記フィルタ回転手段により前記気化フィルタを回転させ、前記吸水手段により給水トレイに貯めた水を汲み上げて前記気化フィルタに水を湿潤させる工程と、
前記制御手段が、前記気化フィルタに前記送風機による空気を通過させて空気を加湿する加湿運転を行う工程と、
前記制御手段が、加湿運転の停止後に前記気化フィルタの回転を停止し、前記送風機の送風によって前記気化フィルタを乾燥させる乾燥運転を行う工程と、
を含み、前記気化フィルタの乾燥運転工程は、前記フィルタ回転手段により前記気化フィルタの回転を停止させ、前記送風機による送風運転を一定時間行った後、前記給水トレイに隠れた前記気化フィルタの領域を前記給水トレイより上に露出するまで前記気化フィルタを前記フィルタ回転手段により回転させ、前記送風機により送風運転をさらに一定時間行って乾燥させることを特徴とする加湿装置の制御方法。
Priority Applications (1)
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