JP5488308B2 - 加湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加湿運転中における気化フィルタに対して直接オゾンを吹き付けて除菌と消臭を行う加湿装置に関する。
従来の気化式の加湿装置は、給水タンクから供給された水を貯える水槽部と、その水槽部の水を吸水して湿潤する吸水性を有する気化フィルタと、室内空気を循環させる送風機とを備えている。この加湿装置の運転中は、送風機により吸込口から取り込んだ室内空気を前記気化フィルタに通すことで加湿を行い、その加湿された空気を吹出口から室内へ放出していた。このため、加湿運転中に加湿装置内部の気化フィルタに雑菌が繁殖すると、吹出口から悪臭や雑菌が放出されることがあった。
そこで、特許文献1にかかる従来の加湿装置は、送風機の風下側に送風機の空気によって水を気化する気化フィルタを設け、その気化フィルタの風上側に放電ユニットを設けることによって、該放電ユニットを加湿運転と連動して間欠運転を行っている。このため、放電ユニットから発生するオゾンによって気化フィルタの雑菌が除菌され、加湿装置の吹出口から悪臭や雑菌が放出されるのを防止していた。
特開2006−153316号公報
しかしながら、このような特許文献1の加湿装置にあっては、気化フィルタが毛細管現象により水槽部の水を吸い上げて湿潤するため、気化フィルタが常に水に浸かった状態となり、気化フィルタに雑菌が繁殖する可能性が高くなる。このため、特許文献1の加湿装置では、気化フィルタ全体に一斉にオゾンを吹き付けるべく、大量のオゾンを発生させると、高濃度のオゾンが室内に吹き出すおそれがあった。そこで、特許文献1の加湿装置においては、放電ユニットを間欠的に運転することによりオゾンの発生量を調節することが考えられるが、これではオゾンにより連続的に除菌を行うことができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加湿運転中の送風量に対応した風量でオゾンを連続的に気化フィルタに直接吹きつけて効率良く除菌と消臭を行うと共に、高濃度のオゾンを室内へ放出することのない安全な加湿装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加湿装置は、空気の吸込口と吹出口とを有し、前記吸込口と前記吹出口とを結ぶ空気通路を内部に有する筐体と、前記吸込口から空気を吸引し、該吸引した空気を上方に伸びる前記空気通路を経て、前記吹出口から吐出させる送風機と、前記送風機の風上側と前記吸込口との間の前記空気通路内に空気の通過方向を回転軸方向とした回転可能な円盤状の吸水性フィルタが設けられ、水を吸水して湿潤した状態で通過する空気に湿度を与える気化フィルタと、前記気化フィルタを回転させるフィルタ回転手段と、前記気化フィルタの下部側に配置され、同気化フィルタに給水するための水を貯える給水トレイと、前記気化フィルタを前記フィルタ回転手段によって回転させることで、前記気化フィルタの全面に水を湿潤させる給水手段と、前記送風機の風下側と前記吹出口との間の前記空気通路を通る空気を分岐させ、内部でオゾンを発生させるオゾン発生部を有するオゾン発生ユニットと、前記オゾン発生ユニットで発生したオゾンを前記送風機の風上側へ導いて、前記気化フィルタの風上面に対して直接オゾンを吹き付ける吹付口を有するオゾンダクトと、を備え、前記オゾンダクトは、前記オゾン発生ユニットから前記気化フィルタの前記回転軸に向って伸び、前記気化フィルタの半径に相当する部分にオゾンを直接吹き付けるための吹付口が形成され、前記送風機の風下側に設けられた前記オゾン発生ユニットにかかる正圧と、前記送風機の風上側に設けられた前記気化フィルタが前記吸込口から空気を吸引する際に生じる負圧との圧力差を利用して、前記オゾン発生ユニットで発生したオゾンを前記オゾンダクトの前記吹付口から前記気化フィルタの風上面に対して直接吹き付けることを特徴としている。
また、本発明の加湿装置において、前記送風機と前記気化フィルタとの間の隙間を覆う送風ガイドを設けて、前記吸込口から吸い込まれた空気が前記気化フィルタを経由して前記送風機に吸引される空気通路を確保することが好ましい。
また、本発明の加湿装置において、前記オゾンダクトは、前記気化フィルタとの間隔を一定に保つためにオゾンダクトを保持する保持手段を備えていることが好ましい。
また、本発明の加湿装置において、前記オゾンダクトの吹付口は、回転する前記気化フィルタの移動面積に応じて前記オゾンを直接均一に吹き付けることのできる形状としたことが好ましい。
本発明によれば、加湿運転中の送風量に対応した風量でオゾンを気化フィルタに直接吹きつけて効率良く除菌と消臭を行うと共に、オゾンを直接室内へ放出することの少ない安全な加湿装置が得られるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかる加湿装置の前方方向の外観斜視図である。 図2は、本発明にかかる加湿装置の後方方向の外観斜視図である。 図3は、図1のX−X線断面図である。 図4は、本発明にかかる加湿装置の制御ブロック構成図である。 図5は、図2の加湿装置から筐体とプレフィルタと集塵フィルタとヒータ脱臭ユニットとを取り除いた内部構造示す斜視図である。 図6は、図1の加湿装置から筐体とプレフィルタと集塵フィルタとヒータ脱臭ユニットとを取り除いた内部構造を示す斜視図である。 図7は、図5の加湿装置を白抜矢印A方向から見た矢指図である。 図8は、図5の加湿装置から水車型の気化フィルタとオゾンダクトと給水ユニットとを抜き出して拡大した斜視図である。 図9は、図8の気化フィルタとオゾンダクトと給水ユニットとを白抜矢印A方向から見た矢指図である。 図10−1は、図9に示すオゾンダクトの裏面図である。 図10−2は、図10−1に示したオゾンダクトの吹付口の一変形例を示す図である。
以下に、本発明にかかる加湿装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明による構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
まず、加湿装置の外観の構成を説明する。図1は、本発明にかかる加湿装置の前方方向の外観斜視図であり、図2は、本発明にかかる加湿装置の後方方向の外観斜視図である。
加湿装置100は、気化式の加湿方式を採用する加湿装置であり、図1および図2に示すように、筐体10が縦長の略直方体形状で構成されており、面積の最も大きい一方の側面を前面パネル32とし(図1参照)、前面パネル32と対向する他方の側面を背面パネル34として(図2参照)、多数の開口部を設けた空気の吸込口26が形成されている。前面パネル32と背面パネル34以外の側面には、加湿装置100を持ち運ぶための把手を兼ねた凹部が形成されている。また、加湿装置100の上面部には、ユーザが加湿装置100を運転操作するための各種ボタンやランプ等が配置された操作パネル44と、その操作パネル44に隣接する位置に手動により開閉可能な矩形状のルーバ30とが配されている。このルーバ30は、後述の図3に示すように上方に開閉可能であって、ルーバ30を開くことによって加湿された空気の吹出口28となる。
次に、加湿装置の具体的な内部構成について図を用いて説明する。図3は、図1のX−X線断面図であり、図4は、本発明にかかる加湿装置の制御ブロック構成図である。また、図5は、図2の加湿装置から筐体とプレフィルタと集塵フィルタとヒータ脱臭ユニットとを取り除いた内部構造示す斜視図であり、図6は、図1の加湿装置から筐体とプレフィルタと集塵フィルタとヒータ脱臭ユニットとを取り除いた内部構造示す斜視図であり、図7は、図5の加湿装置を白抜矢印A方向から見た矢指図であり、図8は、図5の加湿装置から水車型の気化フィルタとオゾンダクトと給水ユニット24(24a〜24d)を抜き出して拡大した斜視図であり、図9は、図8の気化フィルタとオゾンダクトと給水ユニットを白抜矢印A方向から見た矢指図である。また、図10−1は、図9に示すオゾンダクトの裏面図であり、図10−2は、図10−1に示したオゾンダクトの吹付口の一変形例を示す図である。
[加湿装置]
加湿装置100は、図3に示すように筐体10が縦長の略直方体形状で構成されているため、高さ方向の空間を使って空気の流れを作ることで、設置スペースを少なくすることができる。図3に示すように、実施例1の加湿装置100における特徴的な構成は、筐体10の内部に吸込口26と吹出口28とを結ぶ空気通路が形成されている。この空気通路の途中に設けられている送風機12は、ファンモータ12aがファン12bを回すことで吸込口26から空気を吸引する(白抜き矢印A)。吸引された空気は、プレフィルタ50、集塵フィルタ52、およびヒータ脱臭ユニット54を通過する間に、除塵・脱臭処理が行われる。また、送風機12の風上側に配置されている気化フィルタ14は、ここでは、ポリエステルとレーヨンが50:50の割合で配合され、プリーツ構造に形成したもので、通気性と吸水性を兼ね備えているが、必ずしもこの材質や配合割合に限定されない。この気化フィルタ14は、水を吸水して湿潤した状態で空気が通過する間に、水が気化して空気を加湿する。送風機12は、気化フィルタ14で加湿された空気を上方へ伸びる空気通路へ送り出し(白抜き矢印B)、上面のルーバ30を開けた吹出口28から外部に吐出される(白抜き矢印E)。加湿運転中の加湿装置100では、内部の気化フィルタ14に万一雑菌が繁殖してしまうと、吹出口28から悪臭や雑菌が放出されるおそれがある。このため、本発明では、気化フィルタ14に対し、以下で述べるように、オゾンを吹き付けて除菌と消臭を行う。
実施例1では、送風機12の風下側から上方へ伸びるメインの空気通路(白抜き矢印B)から空気の流れを分岐させて(白抜き矢印C)、オゾン発生ユニット16に取り込まれた空気を使ってオゾン発生部16aによりオゾンを発生させる。このオゾン発生ユニット16は、図3に示すように、送風機12および気化フィルタ14の直上に配置されている。オゾン発生ユニット16内でオゾンを発生させるオゾン発生部16aとしては、ここでは、水銀ランプなどのUV(紫外線)ランプを好適に用いている。オゾン発生ユニット16内で発生させたオゾンは、空気の約1.6倍の比重を持っているため、オゾン発生ユニット16の下方へオゾンを導くオゾンダクト18を設けると、オゾンダクト18を介してオゾンが供給される。しかしながら、オゾンと空気の比重差だけでは、気化フィルタ14の風上面に対して直接オゾンを均等に吹き付ける程の勢いは得られない。そこで、実施例1では、オゾン発生ユニット16から下方にオゾンダクト18を伸ばし、気化フィルタ14の風上面に対して直接オゾンを吹き付ける位置に吹付口18aを配置している。このため、気化フィルタ14の風上面に対してオゾンの吹き付けを行う場合は、送風機12の風下側に設けられたオゾン発生ユニット16に正圧がかかり、送風機12の風上側に設けられた気化フィルタ14が吸込口26から空気を吸引する際に負圧が生じることで、正圧と負圧の圧力差を利用している。このように、オゾン発生ユニット16で発生したオゾンは、送風機12の送風量に応じた風量でオゾンダクト18の吹付口18aから気化フィルタ14の風上面に吹き付けることができる。つまり、実施例1では、オゾン発生ユニット16内で発生したオゾンを使って、雑菌が繁殖するおそれがある気化フィルタ14に対しオゾンを直接吹き付けることにより、確実な除菌効果と消臭効果を期待することができる。
[送風ガイド]
加湿装置100により加湿運転が開始されると、図3の送風機12が吸込口26から空気を吸引して気化フィルタ14付近が負圧となり、正圧を受けているオゾン発生ユニット16内のオゾンは、その圧力差によりオゾンダクト18を通って吹付口18aから気化フィルタ14に向けて吹き付けられる。吹き付けられたオゾンと空気は、気化フィルタ14の中を通過する際に除菌や消臭が行われると共に、加湿された空気が送風機12から吹出口28を介して吐出される(白抜き矢印B、E)。ところが、送風機12とその風上側に配置されている気化フィルタ14との間に隙間があると、送風機12が吸込口26から吸引した空気と、オゾンダクト18の吹付口18aから吹き付けられたオゾンの一部が気化フィルタ14を通過せずに、通風抵抗の少ない送風機12と気化フィルタ14との間を通過してしまい、気化フィルタの除菌脱臭が十分に行われない可能性がある。また、空気の加湿効率が低下する可能性もある。このため、実施例1の加湿装置100では、図3に示すように、送風機12と気化フィルタ14との間の隙間を覆う送風ガイド20を設けている。この送風ガイド20は、内部壁面の一部を帯状に突起させたり、内部壁面に帯状のガイド板を取り付けることで実現している。送風ガイド20の配置例としては、図5の白抜矢印A方向から見た矢指図である図7に示している。図7の送風ガイド20は、給水トレイ24a以外の部分をカバーしており、送風機12と気化フィルタ14の間の隙間を塞ぐよう外周部に沿って配置されている。送風ガイド20は、送風機12と気化フィルタ14との間の隙間を塞ぐため、内部で発生させたオゾンが気化フィルタ14を通ることから除菌脱臭が確実に行われると共に、吸込口26から吸い込まれた空気の略全量が気化フィルタ14を通過することから、加湿効率を高めることができる。
[オゾン分解触媒]
オゾン発生部16aで発生したオゾンは、一部はオゾンダクト18を介して気化フィルタ14へ供給されるが、残りのオゾンは0.02ppm以下の濃度オゾンとして低濃度オゾン吹出口36から室内に向けて吹き出す。このため、オゾン発生ユニット16内のオゾン濃度を適正に調整する必要がある。実施例1では、図3に示すように、オゾン発生ユニット16内のオゾン発生部16aよりも風下側に設けたオゾンダクト18の直上にオゾン分解触媒58が配置されている。このオゾン分解触媒58は、酸化チタンなどの金属触媒作用によりオゾン分解触媒58を通過するオゾンを分解して、低濃度オゾンとした上で、低濃度オゾン吹出口36から外へ放出される(白抜き矢印F)。このオゾン分解触媒58の作用により、人体に影響の無い低濃度のオゾンを利用した室内の除菌脱臭が可能である。
[イオナイザ]
また、加湿装置100の吹出口28付近の空気通路内には、図3に示すように、イオン発生器としてのイオナイザ46がオゾン発生ユニット16とは別に配置されている。イオナイザ46は、針状の電極を備えていて、電極に例えば数kVの高電圧を印加すると、電極の先端でコロナ放電が生じ、マイナスイオンとオゾンを発生させる。イオナイザ46から発生したマイナスイオンは、同じくイオナイザ46やオゾン発生ユニット16から発生したオゾンと反応して、強い酸化力を有するOHラジカルを生成する。
[メイン基板]
加湿装置100の背面パネル34の上部には、図3に示すように、加湿装置100を制御するメイン基板40が配置されている。このメイン基板40には、加湿装置100の動作を制御する制御部42(図4参照)を備えている。制御部42は、図4に示すように、操作パネル44からの指示に基づいて、運転制御を行う。例えば、加湿運転中の制御部42は、送風機12のファンモータ12aや後述する回転型の気化フィルタを回転させるフィルタ回転モータ22aを制御すると共に、オゾン発生ユニット16内でオゾン発生させるUVランプ16aの点灯制御を行ったり、上記イオナイザ46のON/OFF制御を行ったりする。ファンモータ12aは、運転モードに応じた風量設定により、制御部42が強、中、弱の回転数に切り替えるよう制御する。
[気化フィルタ]
気化フィルタ14は、吸水性があって、湿潤した状態で通気性が確保できるものであれば固定式、回転式を問わない。実施例1の気化フィルタ14は、図5に示すように、空気の通過方向(白抜矢印A)を回転軸方向とした回転可能な円盤状の吸水性フィルタである。この気化フィルタ14は、給水トレイ24aと一体化されていて、加湿装置100本体に対して自由に着脱できるようになっている。給水トレイ24aと連通する給水タンク保持部24bは、不図示の給水タンクを保持して給水トレイ24aに水を給水するものであり、給水トレイ24aの水が一定水位以下になると、給水タンクから水が供給される。仕切り板24cは、加湿装置100の筐体10の内と外とを仕切るものである。図8は、図5の気化フィルタ14の部分を抜き出した図であり、気化フィルタ14は、水を溜めておく給水トレイ24aの短手方向の両端部に軸受支持部24dが立設され、その軸受部分で円盤状の気化フィルタ14の回転軸14cを回転自在に軸支している。この気化フィルタ14は、給水手段としてフィルタの外周部に水車と同じ水汲みポケット14aが一定間隔毎に同じ方向に配置され、矢印方向Gに回転させることで、給水トレイ24a内の水を水汲みポケット14aが汲みあげ、頂点付近で中の水を気化フィルタ14に掛けるため、加湿運転中は常に湿潤状態を保つことができる。また、気化フィルタ14の外周部の水汲みポケット14aと反対の側には、気化フィルタ14を回転させるための従動歯車14bが形成されている。この従動歯車14bは、図3および図7に示すように、フィルタ回転モータ22aにより回転される駆動歯車22と噛み合い、一定の方向に一定速度で回転させることができる。フィルタ回転モータ22aは、例えばシンクロナスモータなどを使うことができ、図4に示す制御部42によって回転制御が行われる。この気化フィルタ14のフィルタ回転手段は、上記した回転軸14c、従動歯車14b、フィルタ回転モータ22a、駆動歯車22、および制御部42により構成されている。また、気化フィルタ14をフィルタ回転手段によって回転させ、気化フィルタ14の全面に水を湿潤させる吸水手段としては、上記した給水トレイ24a、および水汲みポケット14aにより構成されている。
[オゾンダクト]
実施例1における加湿装置100は、図3に示すように、気化フィルタ14の風上面側にオゾンを直接均等に吹き付けるオゾンダクト18を備えている。気化フィルタ14に対するオゾンダクト18の配置は、図3、図8、および図9に示すように、オゾン発生ユニット16から下方の気化フィルタ14の回転軸14cに向ってオゾンダクト18が伸びており、前記気化フィルタ14の半径に相当する部分にオゾンを直接吹き付けるための吹付口18aが近接配置されている。オゾンダクト18の吹付口18aの形状は、図3、および図10−1に示すように、略直方体形状からなるオゾンダクト18の片面を切り取った長方形をしている。このような形状の吹付口18aのオゾンダクト18を用いて、加湿運転中におけるオゾンの吹付量を計測すると、図10−1に示すように、吹付口18aの根元部分のオゾン吹付量を100とすると、先端部分では50となる。このように、吹付口18aの形状が長方形であっても根元部分と先端部分でオゾンの吹付量が半減程度に留まっている。これは、送風機12の風下側のオゾン発生ユニット16内のオゾンに正圧がかかり、オゾン発生ユニット16から伸びるオゾンダクト18の吹付口18aは、送風機12の風上側(気化フィルタ14と吸込口26の間)に配置して、負圧がかかるようにしているため、正圧と負圧の圧力差により、吸込口26から気化フィルタ14に吸い込まれる空気の流れに伴い、オゾンダクト18の吹付口18aからオゾンを吸引しながら吹き付けが行われている。このように、送風機12の風下側で発生させた正圧のオゾンは、オゾンダクト18を使って送風機12の風上側に戻すことで吹付口18a付近では負圧となるため、オゾンダクト18の両端で生じた圧力差により、加湿運転中の送風量に対応した風量でオゾンを気化フィルタ14に直接吹きつけて、効率良く除菌と消臭を行う加湿装置はこれまでに無かった。
以下、図を用いて実施例1にかかる加湿装置の動作について説明する。まず、ユーザは、図4に示す操作パネル44を使って加湿装置100の加湿運転モードを選択し、運転開始ボタンを押下する。制御部42は、操作パネル44からの運転指令に基づいて、加湿運転モードに応じたファンモータ12aとフィルタ回転モータ22aの回転制御を行うと共に、オゾンを発生させるUVランプ16aを点灯制御する。
図3に示すファンモータ12aが回転すると、ファン12bが回転して、吸込口26から空気を吸込み(白抜矢印A)、プレフィルタ50、集塵フィルタ52、およびヒータ脱臭ユニット54を通って空気の除塵・脱臭が行われる。そして、気化フィルタ14は、フィルタ回転モータ22aの回転により、駆動歯車22が回転すると、気化フィルタ14の外周部に形成された従動歯車14bが回転して、気化フィルタ14が図8、図9に示す矢印G方向に一定速度で回転し始める。給水トレイ24aの水位は、気化フィルタ14を直接浸潤させる高さにない。しかし、気化フィルタ14は、外周部に水汲みポケット14aを備えているため、給水トレイ24aの水を順次汲み上げて、フィルタの上から掛けることで、常に湿潤した状態を維持することができる。この湿潤した気化フィルタ14の中を空気が通過すると、フィルタに含まれる水が気化して加湿される。加湿された空気は、図3、図6に示す送風機12により上方の空気通路へ送られ(白抜矢印B)、開かれたルーバ30の吹出口28から加湿された空気が室内へ放出される(白抜矢印E)。
また、送風機12から上方の空気通路へ送られる空気(白抜矢印B)の一部を分岐させ、オゾン発生ユニット16に取り込んだ空気(白抜矢印C)は、UVランプ16aの点灯制御によってオゾンを発生する。オゾン発生ユニット16で発生したオゾンは、送風機12の風下側に位置するため、正圧を受けている。一方、オゾン発生ユニット16から下方に伸びるオゾンダクト18の吹付口18aは、送風機12の風上側の気化フィルタ14と吸込口26の間の負圧部分に戻している。このため、オゾンダクト18内には、正圧と負圧の圧力差が生じ、吸込口26から気化フィルタ14に吸い込まれる風速に応じてオゾンを気化フィルタ14に直接吹き付けることが可能となる。
気化フィルタ14に対するオゾンの吹き付けは、図10−1に示すように、オゾンダクト18の吹付口18aのオゾン吹付量は、根元部と先端部とで100:50の割合になっている。図9は、気化フィルタ14を矢印G方向に一定速度で回転した場合の吹付口18aの根元部と先端部に相当する気化フィルタ14の移動面積の違いを白抜矢印Hと白抜矢印Iとで表したものである。図9に示すように、白抜矢印Hと白抜矢印Iの移動面積の違いは、白抜矢印Iが白抜矢印Hの半分程度になっていることがわかる。このため、オゾンダクト18の吹付口18aのオゾン吹付量の割合と、気化フィルタ14の移動面積の違いが略一致することから、回転式の気化フィルタに対してオゾンを均一に吹き付けることが可能となる。これにより、実施例1における加湿装置は、加湿運転中は、常に気化フィルタ14に対してオゾンを直接かつ均一に吹き付けを行い、効率的に除菌と消臭を行うため、気化フィルタに雑菌が繁殖して、吹出口28から悪臭や雑菌の放出を防止することができる。
なお、上記実施例1では、図10−1に示すオゾンダクト18を用いて実施したが、オゾンダクト18の吹付口18aの形状のバリエーションとしては、種々のものを用いることができる。例えば、図10−2に示すようなオゾンダクト180の吹付口181a、183a、185a、187a、189aは、開口面積の異なる複数の矩形状の吹付口をオゾンダクト180の長手方向に沿って配置したもので、図10−1に示すオゾンダクト18の吹付口18aと異なり、それぞれの開口面積を変えることで、オゾン吹付量を自由に調整することができる。例えば、図10−2では、オゾンダクト180の根元部の開口面積を大きくとり、先端部に行くに従って開口面積を順次小さくしているが、これを逆の順序で配列することも可能である。つまり、吹き付け対象である気化フィルタが回転式か固定式か、あるいは、気化フィルタの形状や特性によって、オゾンの吹付量を変えたい場合に、各状況に応じてオゾンダクトの吹付口の形状、個数、開口面積を適宜変えることで、最適なオゾン吹付が可能となる。
また、上記実施例1では、図3に示すように、オゾンダクト18が狭い隙間を縫って気化フィルタにできるだけ近接した状態で配置され、かつ、気化フィルタが回転式であっても、回転を妨げる位置にオゾンダクト18がずれないように、オゾンダクト18の位置を保持する保持手段を備える必要がある。例えば、図3では、オゾンダクト18の先端部付近の撓りを矯正するため、内部フレームやパネルにオゾンダクト18の位置を保持するためのガイド部材56を取り付け、オゾンダクト18の先端部を保持させている。図3では、ガイド部材56自体に厚みがあるため、その厚み分だけオゾンダクト18の一部を削ることで、隣接する他の部材と干渉しないようにしている。また、これ以外にも、オゾンダクト18の吹付口18aと反対側の面と、隣接する内部フレームやパネルに、位置を保持するための雄型レールと雌型レールを取付け、両者を組み合わせることでオゾンダクト18の位置を保持させるようにしても良い。
以上のように、本発明にかかる加湿装置は、湿潤させた気化フィルタを用いて加湿運転を行う加湿装置に有用であり、特に、加湿運転中の気化フィルタの除菌と消臭を効率的に行うことができる安全の高い加湿装置に適している。
100 加湿装置
10 筐体
12 送風機
12a ファンモータ
12b ファン
14 気化フィルタ
14a 水汲みポケット
14b 従動歯車
14c 回転軸
16 オゾン発生ユニット
16a UVランプ
18、180 オゾンダクト
18a、181a、183a、185a、187a、189a オゾン吹付口
18b、180b オゾン導入口
20 送風ガイド
22 駆動歯車
22a フィルタ回転モータ
24a 給水トレイ
24b 給水タンク保持部
24c 仕切り板
24d 軸受支持部
26 吸込口
28 吹出口
30 ルーバ
32 前面パネル
34 背面パネル
36 低濃度オゾン吹出口
40 メイン基板
42 制御部
44 操作パネル
58 オゾン分解触媒


























Claims (4)

  1. 空気の吸込口と吹出口とを有し、前記吸込口と前記吹出口とを結ぶ空気通路を内部に有する筐体と、
    前記吸込口から空気を吸引し、該吸引した空気を上方に伸びる前記空気通路を経て、前記吹出口から吐出させる送風機と、
    前記送風機の風上側と前記吸込口との間の前記空気通路内に空気の通過方向を回転軸方向とした回転可能な円盤状の吸水性フィルタが設けられ、水を吸水して湿潤した状態で通過する空気に湿度を与える気化フィルタと、
    前記気化フィルタを回転させるフィルタ回転手段と、
    前記気化フィルタの下部側に配置され、同気化フィルタに給水するための水を貯える給水トレイと、
    前記気化フィルタを前記フィルタ回転手段によって回転させることで、前記気化フィルタの全面に水を湿潤させる給水手段と、
    前記送風機の風下側と前記吹出口との間の前記空気通路を通る空気を分岐させ、内部でオゾンを発生させるオゾン発生部を有するオゾン発生ユニットと、
    前記オゾン発生ユニットで発生したオゾンを前記送風機の風上側へ導いて、前記気化フィルタの風上面に対して直接オゾンを吹き付ける吹付口を有するオゾンダクトと、
    を備え、前記オゾンダクトは、前記オゾン発生ユニットから前記気化フィルタの前記回転軸に向って伸び、前記気化フィルタの半径に相当する部分にオゾンを直接吹き付けるための吹付口が形成され、前記送風機の風下側に設けられた前記オゾン発生ユニットにかかる正圧と、前記送風機の風上側に設けられた前記気化フィルタが前記吸込口から空気を吸引する際に生じる負圧との圧力差を利用して、前記オゾン発生ユニットで発生したオゾンを前記オゾンダクトの前記吹付口から前記気化フィルタの風上面に対して直接吹き付けることを特徴とする加湿装置。
  2. 前記送風機と前記気化フィルタとの間の隙間を覆う送風ガイドを設けて、前記吸込口から吸い込まれた空気が前記気化フィルタを経由して前記送風機に吸引される空気通路を確保することを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
  3. 前記オゾンダクトは、前記気化フィルタとの間隔を一定に保つためにオゾンダクトを保持する保持手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の加湿装置。
  4. 前記オゾンダクトの吹付口は、回転する前記気化フィルタの移動面積に応じて前記オゾンを直接均一に吹き付けることのできる形状としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の加湿装置。
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