JP4396688B2 - 空気調和装置およびその運転方法 - Google Patents
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Description
一般的な空気調和装置では、室外ユニットと室内ユニットとを設けて、その室内ユニットにおいて、その内部に設けられた室内熱交換器と室内空気との間での熱交換を促進させるために室内ファンを設け、室内ファンにより室内空気を室内ユニット内に吸い込み、吸い込んだ室内空気を室内熱交換器に送り込んで熱交換させ、熱交換後の空気を再び室内に吹き出すようにしている。
このように、室内ユニット内部で、かびや細菌などが増殖すると、空気調和装置の運転時に悪臭を発生させるだけでなく、かび胞子や細菌が室内に飛散される可能性もあり、衛生上の観点からも好ましくない。また、室内熱交換器や室内ファンで、かびが増殖すると、通風経路の抵抗ともなり、室内ファンの風量が低下し、空気調和機の性能の低下を招く可能性がある。
また、特許文献2に記載されている空気調和装置においては、室内ユニット内部でかびや細菌などを増殖させない運転制御方法としてオゾンを利用する方法がある。この方法は、室内ユニット内にオゾン発生装置を設けて室内ユニット内のオゾン濃度を高め、これによってかびや細菌の増殖を防止するものである。
しかしながら、このような乾燥による増殖防止方法では、細菌類については除去(乾燥による死滅)できるものの、かびについては除去することができないといった問題があった。更に、ひとつの空間(室内ユニット内)において、暖房と冷房を同時に行うため、空気調和装置としてはエネルギーを無駄に消費しているといった問題があり、また、絞付き二方弁で冷媒の制御を行う必要があるため、コストが増加するといった問題があった。
しかしながら、このようなオゾンによる増殖防止方法では、環境基準値の0.1ppm以上のオゾン濃度が必要とされているが、実際の室内ユニット内ではオゾンが持つ酸化力のために高濃度にできず、カビや細菌の増殖抑制能力が小さいといった問題があった。また、オゾン処理後に室内ユニット内に残ったオゾンは残留性が高いために、処理終了後に空気調和装置を運転した場合、室内にオゾンを放出するといった問題があり、更に、低コスト化のために、オゾン発生装置を電気集塵機と兼ねる場合が非常に多いが、電気集塵機が集塵した際の電極の汚れのために、オゾン発生量が安定せず、安定的なオゾン処理ができないといった問題があった。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和装置の室内ユニットの断面図であり、図2は、空気調和装置の基本制御のフローチャートであり、図3は、内部クリーン運転モードのフローチャートであり、図4は、湿度とオゾン処理による生物除去特性を示す図であり、図5は、かびの生存率を1/10にするために必要なオゾン濃度と処理時間の関係を示すものである。
図1の室内ユニットの断面図に示すように、1は室内ユニット、2は室内ユニット1の本体ケースであり、3は本体ケース2内に設置された熱交換器、4は熱交換器3の風上側に設置されたフィルタ、5は熱交換器3近傍に設置されたオゾン発生装置、6は室内から空気を取り込む本体ケース2に上部に形成された吸込口、7は温湿度調整された空気を室内に吹き出す本体ケース2の下部に形成された吹出口、8は熱交換器3と吹出口7との間に配置された室内ファン、9は室内ユニット1内に設置された温湿度センサ、10は吹出口7を開閉する吹出口開閉装置(ルーバ)、11は室内から取り込まれた空気と室内に吹き出す空気とを分離する隔壁部材である。
通常、空気調和装置は、屋外に設置された室外ユニット(図示せず)と、空気調和を行う部屋の壁面上部に設置された室内ユニット1とで構成され、室外ユニットに設けられた圧縮機、四方弁、室外熱交換器、膨張弁、さらに室内ユニット1に設けられた室内熱交換器3が冷凍サイクルを形成するように接続され、四方弁により冷媒の流通方向を切替えることで室内ユニット1が設置された部屋の冷房と暖房を行えるようになっている。また、室内側熱交換器3は、いずれも複数枚のアルミニウム製のフィンとこのフィンを蛇行状に貫通した銅パイプから構成された、いわゆるフィンチューブ熱交換器である。
図6は、本発明の実施の形態2における空気調和装置の運転方法のフローチャートであり、図7は、この実施の形態2における内部クリーン運転モードを示すものである。
本実施の形態2と実施の形態1との違いは、図6に示すようにどの運転モードで終了しても、内部クリーン運転処理を実施できるという点である。すなわち、内部クリーン運転処理を実施するように予め設定しておくことにより、冷房運転、除湿運転に加えて、暖房運転終了時にも内部クリーン運転処理が可能な点である。
まず、室内ユニット1のルーバ10が点線の位置に動かされ、室内ユニット1内の空気吹き出し部が閉塞状態にされる。その後、室内ユニット1内の温度が計測され、温度が予め設定された所定の範囲内にあれば、次のステップに進むが、所定の範囲内に無いと、冷房運転もしくは除湿運転がスタートされ、室内ユニット1内の温度が所定の範囲内になるまで運転される。次に、室内ユニット1内の湿度が計測され、湿度が所定の範囲内にあれば、そのまま次のステップに移行するが、所定の範囲内に無いと、冷房運転もしくは除湿運転がそのまま継続され、室内ユニット1内の湿度が所定の範囲内になるまで運転される。室内ユニット1内の温度、湿度が所定の範囲内になると、冷房運転または除湿運転が停止される。その後、オゾン発生装置5が稼動され、オゾンが室内ユニット1内部に供給される。オゾン運転処理の時間制限タイマ(図示せず)が30分間程度の運転時間に設定され、タイマがスタートされる。そして、所定時間が経過したか否かの判定が行われ、所定時間が経過した時点で、オゾン発生装置5が停止され、その停止が確認された後に暖房運転が開始される。この暖房運転により、室内ユニット1の内部が乾燥される。暖房運転処理の時間制限タイマ(図示せず)が10分間程度の運転時間に設定され、タイマがスタートされる。そして、所定時間が経過したか否かの判定が行われ、所定時間が経過した時点で、暖房運転が停止される。これにより、内部クリーン運転処理が終了し、図6の基本制御フローチャートにおける運転終了処理の制御内容に移行し、各部が停止状態にされる。
図8は、本発明の実施の形態3における空気調和装置の室内ユニットの断面図であり、図9は、内部クリーン運転モードのフローチャートであり、図10は、加湿運転のフローチャートである。
本実施の形態3と実施の形態1との違いは、図8に示すように加湿器12を設けた点である。すなわち、室内ユニット1内を強制的に加湿し、オゾンによる殺かびを効率的に実施する点である。
図11は、本発明の実施の形態4における空気調和装置の室内ユニットの断面図である。
本実施の形態4と実施の形態3との違いは、加湿器12に供給する水を外部から供給できるようにした点である。すなわち、加湿が必要な場合に、冷房運転もしくは除湿運転を行って水を生成する必要がなく、即座に加湿を実施できる点である。加湿器12に供給する水としては、所定の容積を有する給水タンク13に予め水を供給しておいてもよい。また、図示していないが、給水タンク13に水道などを直結し、給水タンク13の水がなくなると自動的に水を供給するようにしてもよい。これにより、加湿器12への給水運転の時間を短縮できるため、内部クリーン運転の時間を短縮できる効果がある。したがって、内部クリーン運転時間を短くでき、再び空気調和装置を運転できるまで待たなければならない時間を短くできる効果がある。
図12は、本発明の実施の形態5における空気調和装置の室内ユニットの断面図であり、図13は、内部クリーン運転モードのフローチャートである。
本実施の形態5と実施の形態3との違いは、図12に示すように加湿器12から単に水を噴霧させるのではなく、オゾン水を噴霧させる点である。すなわち、このオゾン水を用いて室内ユニット1内のかびを効率的に死滅させる点である。
加湿器12としては、実施の形態3と同様、超音波式加湿器および噴霧式加湿器が適していると考えられる。なお、オゾン水を噴霧することから、水槽および噴霧機構部分についてはオゾン耐性が大きいステンレス鋼にすることが望ましい。
図14は、本発明の実施の形態6における基本制御のフローチャートである。
本実施の形態6と実施の形態1との違いは、図14に示すように運転モードに関係なく、空気調和装置がある一定の時間運転された際に、積算稼動時間が予め設定された所定時間が経過したか否かの判定が行われ、所定時間が経過した時点で、空気調和装置の運転が停止され、内部クリーン運転が強制的に開始される点である。
図15は、本発明の実施の形態7における空気調和装置の内部クリーン運転モードのフローチャートである。
本実施の形態7と実施の形態1との違いは、図15に示すようにオゾン発生装置5の運転が開始された後に室内ファン8が稼動されるという点である。すなわち、オゾン発生装置5で発生されたオゾンが室内ファン8によって室内ユニット1内に拡散されることにより、室内ユニット1内部を均一に処理できるようにする点である。
図16は、本発明の実施の形態8における空気調和装置の室内ユニットの断面図である。
本実施の形態8と実施の形態1との違いは、図16に示すように臭気物質を吸着除去するハニカムフィルタ16を備えている点である。すなわち、通常の空気調和運転において吸い込んだ空気からハニカムフィルタ16で取り除いた臭気物質を、ハニカムフィルタ16を水で濡らした後にオゾン処理を行うことによって、水膜とオゾンで生成したOHラジカルにより臭気物質を分解除去し、ハニカムフィルタ15を再生する点である。
図17は、本発明の実施の形態9における空気調和装置の室内ユニットの断面図である。図18は人検知システムによる運転方法のフローチャートである。
本実施の形態9と実施の形態6との違いは、図18のフローチャートで示すように室内に人が存在する場合に内部クリーン運転を動作させないという点である。
2 本体ケース
3 熱交換器
5 オゾン発生装置
8 室内ファン
9 温湿度センサ
10 ルーバ(吹出機構開閉装置)
12 加湿器
16 ハニカムフィルタ
17 人検知センサ
Claims (7)
- 室内ファンにより吸込口から吸い込んだ室内空気を室内熱交換器にて熱交換させ、熱交換後の空気を吹出口から室内に吹き出す室内ユニットを備えた空気調和装置において、
当該空気調和装置の運転動作を制御する制御装置と、
前記吹出口に設けられ、前記吹出口を開閉する吹出口開閉機構と、
前記室内ユニット内で前記室内熱交換器の風上側に設置されたオゾン発生装置と、を備え、
当該空気調和装置に前記室内ユニットの内部クリーン運転処理の実行が設定されると、
前記制御装置が、
当該空気調和装置の運転モードの停止を確認するとともに、当該空気調和装置の直前の運転モードが冷房運転もしくは除湿運転であったか否かを判定し、冷房運転もしくは除湿運転であったと判定した場合に、
冷房運転終了後もしくは除湿運転終了後の前記室内熱交換器で凝縮した凝縮水によって前記室内ユニットの内部表面が濡れ、前記室内ユニット内が高湿度な状態にて、
前記吹出口開閉機構を動かして前記吹出口を閉塞状態にするとともに、前記オゾン発生装置を稼働させ、前記室内ユニットの内部にオゾンを供給するオゾン処理運転を行うことを特徴とする空気調和装置。 - 前記室内ユニット内部の相対湿度が70%以上の状態で、前記オゾン処理運転が行われることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記室内ユニット内部の相対湿度が90%以上の状態で、前記オゾン処理運転が行われるとともに、このオゾン処理運転時における前記室内ユニット内のオゾン濃度が最大でも0.1ppmであることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記制御装置が、
前記オゾン処理運転を終了させ前記オゾン発生装置の停止を確認すると、前記室内ユニットの内部表面を乾燥させる乾燥運転を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和装置。 - 前記乾燥運転が、暖房運転であることを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
- 当該空気調和装置に室内ユニットの内部クリーン運転処理の実行が設定された場合に、
運転モードの停止の確認とともに直前の運転モードが冷房運転もしくは除湿運転であったか否かを判定する判定工程と、
この判定工程で直前の運転モードが冷房運転もしくは除湿運転であったと判定すると、室内熱交換器にて熱交換させた後の空気を室内に吹き出す吹出口を吹出口開閉機構にて閉塞状態にする閉塞工程と、
この閉塞工程の後で、冷房運転終了後もしくは除湿運転終了後の前記室内熱交換器で凝縮した凝縮水によって前記室内ユニットの内部表面が濡れ、前記室内ユニット内が高湿度な状態にて、前記室内ユニット内に設置されたオゾン発生装置を稼働して前記室内ユニットの内部にオゾンを供給するオゾン処理工程と、
このオゾン処理工程の後で、前記室内ユニット内部を乾燥させる暖房乾燥工程と、
を備えたことを特徴とする空気調和装置の運転方法。 - 前記室内ユニット内部の相対湿度が90%以上の状態で前記オゾン処理工程が行われるとともに、このオゾン処理工程における前記室内ユニット内のオゾン濃度が最大でも0.1ppmであることを特徴とする請求項6に記載の空気調和装置の運転方法。
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