JP4324625B2 - 加湿装置及びフィルタ - Google Patents
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一般に、フィルタは、吸水性及び通気性を有するフィルタ本体と、このフィルタ本体を保持する枠状の保持体とを用いてなり、矩形状、円筒状、円盤状等に形成され、フィルタ自身が浸水することによって吸水するか、フィルタへの散水によって吸水する。また、フィルタは、フィルタ全体で効率よく吸水するために、及び/又は浸水状態と非浸水状態とを切り換えるために、回転可能に設けられていることがある。
更に、吸水したフィルタの一面側へ送風機で送風することによって、フィルタを通過した空気が吸湿し、吸湿した空気が装置外部へ送風される。
このような加湿装置は、フィルタに沿う方向の横姿勢の回転軸部を中心にフィルタを回転させる回転機構を備える。加湿を行なう場合、フィルタは下端部が水槽にて浸水するようにして縦姿勢に配され、加湿を行なわない場合は、回転機構がフィルタを横姿勢になるまで回転させることによって、フィルタを水から引き上げる。水から引き上げられることによってフィルタは乾燥し、また、新たな水を吸収しないため、このフィルタに接触する空気が吸湿しなくなる。
また、フィルタを非浸水状態にしておくと、フィルタが乾燥し易くなるため、フィルタにカビが発生することが抑制される。
さりとて、フィルタの浸水/非浸水を切り換えずに、フィルタを浸水させたまま放置しておくと、フィルタに対するスケールの付着、カビの発生等が促進されるという不都合がある。
フィルタは縦姿勢に配されて、このフィルタの周方向の一部が、水を貯留する水槽にて浸水可能にしてある。また、回転駆動機構は、縦姿勢に配されたフィルタを周方向に回転させ、送風機はフィルタに対し、このフィルタに交差する方向に送風する。
ただし、フィルタの周方向には、吸水領域と非吸水領域とが隣接して設けられている。このため、回転駆動機構によるフィルタの周方向の回転に伴って、吸水領域が浸水する状態と、非吸水領域が浸水する状態とが連続的に入れ替わる。
また、フィルタの吸水/非吸水の切り換えは、フィルタの周方向の回転によって行なわれるため、フィルタの吸水/非吸水を切り換えるための回転機構、移動機構等を別途備える必要がない。即ち装置構成が簡易である。
ところで、フィルタの周方向の一部に非吸水領域が設けられているため、フィルタが回転している間、この一部が浸水している状況下では吸水が阻害される。しかしながら、フィルタの周方向の残部が吸水領域であるため、非吸水領域を最小限の範囲に設け、また、フィルタを回転させ続けることによって、フィルタ全体に十分に水を含ませることが可能である。
フィルタ本体は、通水孔を通過した水を吸水する。
一方、防水部はフィルタ本体の浸水を防止する。
このため、通水孔が浸水している場合はフィルタ本体が吸水し、防水部が浸水している場合はフィルタ本体は吸水しない。
また、吸水性を有するフィルタ本体と非吸水性を有する保持体とを別体に備え、保持体の形状を工夫することによって吸水領域と非吸水領域とを設ける構成であるため、フィルタ本体は単純な円盤状でよく、また、フィルタ本体に吸水性を有する部分と非吸水性を有する部分とを設けるような煩雑な加工を必要としない。つまり、フィルタを容易に形成することができる。
被検出部はフィルタに配されている。このためフィルタの周方向の回転に伴って被検出部は周方向に回転移動する。
検出器は、被検出部の回転位置に臨ませて固定されており、被検出部は、フィルタの周方向の回転に伴って、検出器へ接近し、また、検出器から離隔する。検出器は、この被検出部の接近/離隔を検出する。
磁石はフィルタに配されている。このためフィルタの周方向の回転に伴って磁石も周方向に移動する。従って、磁石は水没することもある。ただし、水に強い磁石が水没しても問題は起きない。
磁石の接近/離隔によるリードスイッチのオン/オフは、非接触で実行可能であるため、水に弱いリードスイッチを、例えば濡れ易い水槽の内側に配する必要がない。
つまり、リードスイッチ及び磁石と回転制御手段とを用いた簡易な構成で、吸水領域を浸水させた状態ではなく非吸水領域を浸水させた状態でフィルタの回転を停止させることができる。
回転駆動機構は、フィルタの両面夫々から突出して横姿勢に配されている回転軸部を中心にフィルタを周方向に回転させる。
回転軸部の一端部と他端部とは互いに太さが異なり、2個の軸受は、一端部及び他端部夫々の寸法に合わせて形成されている。つまり、2個の軸受は、互いに寸法が異なる。このため、少なくとも太い方の端部が、細い方の端部を支持すべき軸受に問題なく支持されることはない(具体的には、そもそも軸受に入らないか、無理に入れても滑らかに回転しない等)。
仮に、回転軸部の両端部の太さが等しい場合、使用者が、検出器と被検出部との位置関係を確認してから、フィルタを正確な向きに取り付けなければならない。このため、使用者がフィルタの向きを間違えて取り付けることがあり、検出器が被検出部を検出不能にするという不具合が発生し得る。
図1は、本発明の実施の形態1に係る加湿装置が備えるフィルタの一面側を示す概略背面図であり、図2は、このフィルタの他面側を示す概略正面図である。
る。また、図3は、この加湿装置の内部構成を示す概略側面図であり、図4は、この加湿装置の要部構成を示すブロック図である。
EEPROM13の記憶領域の一部には時間記憶部131が設けられている。
空気浄化フィルタ17は、製造作業者又は加湿装置1の使用者が手作業で容易に、保持体に対してフィルタ本体を取り付け、また取り外すことが可能であるよう構成されている。
ここで、回転軸部7は、水槽18の側壁18a,18b夫々から上方へ延設されている支持部181,182に設けられた軸受81,82によって回転自在に支持され、この結果、フィルタ2は回転軸部7を中心に周方向へ回転自在に支持される。フィルタ本体21は適宜の厚みを有する円盤状であって、中心位置に円形状の貫通孔が形成されており、この貫通孔に回転軸部7の中央部が内嵌して摩擦力で固定される。
支持部181に設けられた軸受81の寸法は、一端部71の外径に合わせて形成されているU字状であり、U字の上部から挿入された一端部71を回転自在に支持する。同様に、支持部182に設けられた軸受82の寸法は、他端部72の外径に合わせて形成されており、他端部72を回転自在に支持する。
なお、吸水領域2a,2aに対応させて、保持体3の外周面にも微細な通水孔が形成されていてもよい。
フィルタモータ41の出力軸部と回転ローラ42の回転軸部とは連結軸部43を介して連結されており、フィルタモータ41が作動することによって回転ローラ42が図1及び図2中矢符A4方向(図1における右回り)に回転する。
このため、フィルタモータ41が作動することによって回転ローラ42が回転すると、回転ローラ42の回転に伴い、フィルタ2が図1中矢符A2方向(図1における左回り)に回転する。
つまり、回転駆動機構4はフィルタ2を周方向に回転させる。
表示部14は、CPU10に制御されて、例えば加湿装置1の作動状態、室内の湿度等を表示し、操作部15は、ハードキーを用いてなる各種ファンクションキーを備える。本実施の形態においては、加湿装置1の使用者が表示部14を見ながら操作部15を操作することによって各種の作動命令を加湿装置1に与える。なお、例えば湿度センサ16の検出結果に応じて、CPU10が加湿量及び送風量を自動的に設定する構成でもよい。
使用者は操作部15を操作して、加湿装置1に加湿を開始させ、また、加湿を終了させる。
CPU10は、加湿の開始に対応する操作部15が操作されたか否かを判定し(S11)、操作されてない場合(S11でNO)、S11の処理を繰り返し実行する。
加湿の停止に対応する操作部15が操作された場合(S13でYES)、CPU10は、リードスイッチ61がオンであるか否かを判定し(S14)、オンである場合(S14でYES)、磁石62が既にスイッチオン領域に位置しているため、リードスイッチ61がオフになったか否かを判定し(S15)、リードスイッチ61がオンのままである場合は(S15でNO)、S15の処理を繰り返す。
S14又はS15の処理完了後、CPU10は、リードスイッチ61がオンになったか否かを判定し(S16)、オフである場合は(S16でNO)、磁石62はまだスイッチオン領域から外れているため、S16の処理を繰り返し実行する。
次いでCPU10は、経過時間の計時結果に基づき、時間記憶部131に記憶されている所定時間が経過したか否かを判定し(S18)、経過していない場合は(S18でNO)、スイッチオン領域へ移動した磁石62が、まだスイッチオン領域の周方向中央位置に到達していないため、S18の処理を繰り返し実行する。
このような加湿/非加湿切換処理におけるCPU10は回転制御手段として機能する。
この状態で、送風機5による送風のみ実行すれば、フィルタ2を用いた加湿を行なうことなく空気浄化フィルタ17を用いた空気浄化のみが実行される。
また、加湿を行なわない場合に、停止しているフィルタ2に対して送風機5が通常の送風量以上の送風量で送風し、既に吸水しているフィルタ本体21を強制的に乾燥させる構成でもよい。この場合、フィルタ本体21が無用に吸水している状態が長時間継続されないため、フィルタ2におけるカビの発生が更に抑制される。
図6は、本発明の実施の形態2に係る加湿装置が備えるフィルタの一面側を示す概略背面図であり、図7は、この加湿装置の内部構成を示す概略側面図である。
本実施の形態の加湿装置1は、実施の形態1の加湿装置1と略同様の構成であるが、リードスイッチ61、磁石62及びプリント基板65の代わりに、リードスイッチ63、磁石64及びプリント基板66を備える。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
リードスイッチ63は、プリント基板66に実装されている状態で、磁石64の回転位置の最上部に臨ませて筐体100内部に固定されている。ただし、リードスイッチ63は、実施の形態1のリードスイッチ61に比べてフィルタモータ41に接近配置されているため、リードスイッチ63がフィルタモータ41によって誤作動しないよう、リードスイッチ63とフィルタモータ41との離隔距離を十分に確保する必要がある。
このため、本実施の形態の加湿装置1を用いる場合、時間記憶部131に記憶すべき所定時間を変更するだけで、実施の形態1の加湿/非加湿切換処理と同様の処理をCPU10が実行して、加湿装置1の加湿の実行と加湿の停止とを切り換えることが可能である。
10 CPU
18 水槽
2 フィルタ
21 フィルタ本体
2a 吸水領域
2b 非吸水領域
3 保持体
3a 通水孔
3b 防水部
4 回転駆動機構
5 送風機
61,63 リードスイッチ(検出器)
62,64 磁石(被検出部)
7 回転軸部
71 一端部
72 他端部
81,82 軸受
Claims (5)
- 吸水性及び通気性を有する円盤状のフィルタと、
該フィルタを周方向に回転させる回転駆動機構と、
水を貯留する水槽と、
前記フィルタに対し、該フィルタに交差する方向に送風する送風機と
を備え、
前記フィルタは縦姿勢に配されて、該フィルタの周方向の一部が前記水槽にて浸水可能にしてある加湿装置において、
前記フィルタには、浸水中に吸水する吸水領域と浸水中であっても吸水しない非吸水領域とが周方向に隣接して設けられており、
このために、前記フィルタは、吸水性及び通気性を有する円盤状のフィルタ本体と、該フィルタ本体を保持する非吸水性の保持体とを用いてなり、
該保持体には、
前記吸水領域に対応して、前記フィルタ本体を浸水させるための通水孔が形成されており、
前記非吸水領域に対応して、前記フィルタ本体の浸水を防止する防水部が形成されていることを特徴とする加湿装置。 - 前記フィルタに配されている被検出部、及び、該被検出部の回転位置に臨ませて固定されており、前記被検出部の接近/離隔を検出する検出器と、
前記非吸水領域が前記水槽にて浸水した状態で前記フィルタを停止させるべく、前記検出器の検出結果に基づいて、前記回転駆動機構の作動を停止させる回転制御手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。 - 前記検出器はリードスイッチを用いてなり、
前記被検出部は磁石を用いてなり、
前記回転制御手段は、前記リードスイッチのオン/オフに基づいて、前記回転駆動機構の作動を停止させるようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の加湿装置。 - 前記フィルタは、該フィルタの両面夫々から突出して横姿勢に配されている回転軸部を中心に回転するようにしてあり、
前記回転軸部の一端部と他端部とは互いに太さが異なり、
前記一端部及び他端部夫々の寸法に合わせて形成されており、前記一端部及び他端部夫々を回転自在に支持する2個の軸受を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかひとつに記載の加湿装置。 - 吸水性及び通気性を有する円盤状のフィルタにおいて、
両面夫々から突出している回転軸部を中心に回転するようにしてあり、
浸水中に吸水する吸水領域と浸水中であっても吸水しない非吸水領域とが周方向に隣接して設けられており、
このために、吸水性及び通気性を有する円盤状のフィルタ本体と、該フィルタ本体を保持する非吸水性の保持体とを用いてなり、
該保持体には、
前記吸水領域に対応して、前記フィルタ本体を浸水させるための通水孔が形成されており、
前記非吸水領域に対応して、前記フィルタ本体の浸水を防止する防水部が形成されていることを特徴とするフィルタ。
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