JP4548276B2 - 点灯装置及び照明装置 - Google Patents
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この光電変換素子は、CdS セルと比べて、特に視感度よりも赤外線領域に広い分光感度を有している。このため光電変換素子の出力は、赤外線領域の光成分を多く含む白熱灯に対しては高くなり、相対的に赤外線領域の光成分の少ない蛍光灯や太陽光に対しては低くなる傾向がある。つまり、光源が白熱灯である場合と蛍光灯である場合とで、人間が同じ明るさと感じても、光電変換素子は、白熱灯の方が蛍光灯よりも明るいと判定してしまう。
その対策として、分光感度特性が同一である2つの光電変換素子の一方に可視領域の光成分をカットするフィルタを設け、両者の出力差を取ることで赤外線領域の波長をカットするという方法がある。
そこで本発明は、照度センサの、赤外線領域の光成分を多く含む光源に対する感度と、少ない光源に対する感度の差を小さくすることを課題としており、このような照度センサを備えた点灯装置及び照明装置を提供することを目的としている。
なお「照明装置」は、「照明器具」を含む概念である。
図1は、本発明の照明装置1の斜視図であり、図2は、図1の照明装置1を下方から見た斜視図である。
図1及び図2に示すように照明装置1は、点灯装置とランプ4等を器具本体2とグローブ3とで囲んだものである。また点灯装置は照度センサブロック5を含んでいる。
即ち本実施形態の照明装置1は、器具本体2、グローブ3、ランプ4及び照度センサブロック5等で構成されている。
照明装置1は、例えば屋外用の壁面取付型であり、器具本体2内にはランプ4(照明負荷)と、照度センサブロック5とが設置されている。また、器具本体2は、透光性のカバー6(外郭透過カバー)を備えており、壁(図示せず)に取り付けられるグローブ3にカバー6を装着することにより、ランプ4が器具本体2内に収容されるようになっている。
器具本体2内には前記した様に照度センサブロック5が内蔵されている。照度センサブロック5は、図1,2,3に示すように、器具本体2内の下部に設けられている。
照度センサブロック5は、その大部分がカバー6(外郭透過カバー)内にあるが、その一部はカバー6から露出している。即ち図3に示すようにカバー6には開口16が設けられており、照度センサブロック5の下端部が開口16から露出している。
またグローブ3の一部であって、照度センサブロック5の下端部が対向する部位には、開口4が設けられ、当該開口4にも透過カバー7が設けられている。透過カバー7は、赤外線及び可視光線の双方を透過する。
なお本実施形態では、前記したグローブ3は、照明装置1の外郭を形成するものであり、器具外郭形成部材として機能する。従って本実施形態では、器具外郭形成部材(グローブ3)に開口4が設けられ、この開口4に透過カバー7が取り付けられている。
照度は、次のような手法で検知される。
従ってフォトトランジスタ9に入射した光は電気信号に変換され、マイコン8に入力される。
図5は、透過カバー21の拡大断面図である。
即ち透過カバー21は、図5(a)又は図5(b)の様な積層構造であり、その内の一層23が赤外線領域の光成分を吸収する機能を備えた吸収層である。図5(a)に示す透過カバー21は、吸収層23の一面に透明樹脂の保護層25を設けたものである。また図5(b)に示す透過カバー21'は、吸収層23の両面に透明樹脂の保護層25、26を設けた例を示すものである。透過カバー7の代わりに採用することができる透過カバー7'も、図5(b)に示す透過カバー21'と同じ構造である。
上記した実施の形態1では、照度センサブロック5の透過カバー21に赤外線を遮断する光学フィルタとしての機能を持たせたが、これに代わってグローブ3に設けた透過カバー7に光学フィルタとしての機能を持たせてもよい。
即ち前記した実施の形態1では、器具外郭形成部材たるグローブ3と、照度センサブロック5にそれぞれ透過カバー7,21が設けられており、光線は、二つの透過カバー7,21を透過してフォトトランジスタ9に照射される。そして前記した実施の形態1では、内側に位置する照度センサブロック5の透過カバー21に赤外線領域の光成分を遮断又は減衰させる機能を持たせ、外側に位置する器具外郭形成部材の透過カバー7には素通しのカバーを装着した。
しかしながら、二つの透過カバー7,21のいずれにフィルタとしての機能を持たせても効果に大差なく、実施の形態1とは逆に外側の透過カバー21にフィルタとしての機能を持たせてもよい。
即ち実施の形態2では、器具外郭形成部材の透過カバー7に図5(a)又は図5(b)の様な積層構造のものが採用されている。
他の機械的構造及び電気回路は、先の実施形態と同一であるから、詳細な説明を省略する。
上記した実施の形態1、2では、透過カバー7または透過カバー21に赤外線領域の光成分を遮断又は減衰させる機能を持たせることによって光量の補正を行ったが、さらに正確な補正を行うために、電気的に感度補正を加えることもできる。
実施の形態3では、透過カバー7または透過カバー21に、赤外線領域の光成分を遮断又は減衰させる機能を備えた、図5に示すような積層構造のものを採用する機械的構造に加えて電気回路によっても光量の補正が行われる。
実施の形態3の照明装置は、電気回路だけが、先の2つの実施形態と異なり、機械的構造については、先の実施形態と同一であるから、詳細な説明は、電気回路に限定して説明する。
本実施形態で採用する照度センサ回路30は、マイコン8、フォトトランジスタ(照度センサ)9、電源11、スイッチ10、及び抵抗R1、R2で構成されている。電源11、フォトトランジスタ9、抵抗R1又はR2は、直列に配置されており、抵抗R1又はR2への接続は、スイッチ10によって切替えられる。抵抗R1、R2及びスイッチ10で感度切替手段が構成されている。また、フォトトランジスタ9とスイッチ10の間にマイコン8が接続されている。
抵抗R1は、抵抗R2よりも抵抗値が低く設定されている。光源が赤外線成分の多い白熱灯である場合に抵抗R1に切替えた場合のグラフと、光源が赤外線成分の少ない蛍光灯である場合に抵抗R2に切替えた場合のグラフとが一致している。即ち、光源の種類によって、スイッチ10をいずれに切替えるかを選択することにより、光源の違いによる照度の検出精度のばらつきを抑制することができるようになる。赤外線成分の多い光源であれば、照度センサ回路30の感度を低く設定し、逆に赤外線成分の少ない光源であれば、照度センサ回路30の感度を高く設定するように、感度切替手段(スイッチ10)は照度センサ回路30の感度を切替える。これにより、周囲の環境(光源)が変化しても、適切に照度を検出することができるようになる。
実施の形態4は、照度センサ回路をさらに改良したものである。図10は、実施の形態4で採用する照度センサ回路13の回路図である。また、図11は、図10の照度センサ回路13による出力値と照度の関係を示すグラフである。抵抗R3とグランド(アース)の電圧差を電源電圧Vddで除算した値がマイコン8への出力である。また、電源電圧Vddは、抵抗R4と、抵抗R5又は抵抗R6で分圧される。このときの抵抗R5または抵抗R6とグランドの電圧差をVddで除算した値が明暗の判定値である。抵抗R5と抵抗R6の切替えはスイッチ14で行い、抵抗R5は抵抗R6と比べて抵抗値が低く設定されている。マイコン8は、出力値が、予め設定したマイコン8の明暗の判定値よりも高ければ明るいと判定し、出力値が判定値より低ければ暗いと判定する。
照明装置1に、別途赤外線センサを設けることにより、照度センサ回路12又は13の感度(又はマイコン8の明暗の判定値)を切替えるようにしてもよい。赤外線の量が、設定した値より多い場合には、スイッチ10(又は14)を切替えて出力値を下げるか、又はマイコン8による判定値を上げる。検出した赤外線の量が、設定した値より少ないと、スイッチ10(又は14)を切替えて出力値を大きくするか、又はマイコン8の判定値を下げることにより、様々な種類の光源に対する感度差を減らすことができる。さらに、スイッチ10(又は14)の切替えを自動的に行うようにするのが好ましい。
前述した実施の形態1,2では、赤外線を遮断するために透過カバー7,21を使用することのみによって光量の補正を行ったが、さらに正確な補正を行うために、次の構成を付加することもできる。
図12は、本発明の実施の形態6における図3相当位置での断面図である。
即ち前記した実施の形態2の様に、グローブ3に設けた透過カバー7に光学フィルタとしての機能を持たせる。
そして図12に示すように、受光部15を支えるシャフト部15aをねじ構造とし、ブロック外郭形成部材20に対するねじ込み加減で、受光部15の矢印Bで示す方向の位置を調整可能に構成する。さらに、ブロック外郭形成部材20の一部(透過カバー7と対向する位置)を円形に切り欠いて雌ねじを切り、その上、外周側面にねじを切った環状側部18を備えたレンズ19を螺合させ、レンズ19を、矢印B方向に進退させることができるように構成する。
その他、フィルタ機能を備えた透過カバー7,21の採用と並行して採用可能な構成であって、受光部15に入る光量を変化させる例としては、照度センサブロック5自体を設置環境に応じて移動させる構成が考えられる。即ち白熱灯に対しては、受光部15に光が当たりにくい位置に照度センサブロック5を移動させる。蛍光灯や太陽光に対しては、受光部15に光が当たり易い位置に照度センサブロック5を移動させる。例えば、器具本体2に複数のネジ穴を設けておき、白熱灯に対しては照度センサブロック5の受光部15に当たる光量が少ない位置のネジ穴を使って、照度センサブロック5をネジで器具本体2に取り付ける。蛍光灯や太陽光に対しては受光部15に当たる光量が多い位置のネジ穴を使って、照度センサブロック5を器具本体2に取り付ける。このようにすることにより、白熱灯に対しては出力値が下がり、蛍光灯や太陽光に対しては出力値が上がるため、様々な種類の光源に対する感度差を減らすことができるようになる。
2 器具本体
3 グローブ(器具外郭形成部材)
4 ランプ
5 照度センサブロック
6 カバー(外郭透過カバー)
7 フィルタ部材
8 マイコン
9 フォトトランジスタ
12、21 透過カバー
15 受光部
19 レンズ
20 外郭形成部材
23 吸収層
25、26 保護層
Claims (7)
- 周囲の明暗に応じて照明負荷の状態を制御する機能をもつ照度センサブロックを備えた照明装置において、前記照度センサブロックは照度センサを内蔵するブロック外郭形成部材と、ブロック外郭形成部材に取り付けられた透過カバーとを備えており、前記透過カバーが、照度センサに到達する光のうちの、赤外線領域の光成分を遮断又は減衰し、且つ、可視領域の光成分を通過させるフィルタ機能を備え、別途赤外線センサを設け、前記赤外線センサで検出された赤外線の多少により、照度センサの感度を切替えることを特徴とする点灯装置。
- 周囲の明暗に応じて照明負荷の状態を制御する機能をもつ照度センサブロックを備えた照明装置において、前記照度センサブロックは照度センサを内蔵するブロック外郭形成部材と、ブロック外郭形成部材に取り付けられた透過カバーとを備えており、前記透過カバーが、照度センサに到達する光のうちの、赤外線領域の光成分を遮断又は減衰し、且つ、可視領域の光成分を通過させるフィルタ機能を備え、別途赤外線センサを設け、前記赤外線センサで検出された赤外線の多少により、照度センサの感度を切替えることを特徴とする照明装置。
- 周囲の暗に応じて照明負荷の状態を制御する機能をもつ照度センサブロックを備えた点灯装置と、器具の外郭を形成する器具外郭形成部材を備えた照明装置において、前記器具外郭形成部材は透過カバーを備えており、前記透過カバーが、照度センサに到達する光のうちの、赤外線領域の光成分を遮断又は減衰し、且つ、可視領域の光成分を通過させるフィルタ機能を備え、別途赤外線センサを設け、前記赤外線センサで検出された赤外線の多少により、照度センサの感度を切替えることを特徴とする照明装置。
- 透過カバーは、赤外線領域の光成分を吸収する色素を分散させた吸収層を含む多層構造であることを特徴とする請求項2又は3に記載の照明装置。
- レンズが配置されており、光は前記レンズを介して照度センサに入り、前記レンズの焦点距離を変更することにより、照度センサの感度を切替え可能にしたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の照明装置。
- レンズが配置されており、光は前記レンズを介して照度センサに入り、照度センサからレンズまでの距離を変更することにより、照度センサの感度を切替え可能にしたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の照明装置。」
- レンズが配置されており、光は前記レンズを介して照度センサに入り、照度センサからレンズまでの距離を変更することにより、照度センサの感度を切替え可能にしたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の照明装置。
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