図1に、本発明の高周波スイッチの一実施例の平面図を示す。また図2に、図1のA−A断面拡大図を示す。
図1において、高周波スイッチ10は、半導体基板11上に形成されたコプレーナウェーブガイドからなる主線路18とショートスタブ19とオープンスタブ20を有する。主線路18は主線路電極12およびその幅方向両側に形成されたグランド電極17からなり、一端および他端はそれぞれ端子13および14に接続されている。ショートスタブ19は、ショートスタブ線路電極15およびその幅方向両側に形成されたグランド電極17からなり、ショートスタブ線路電極15の一端が主線路18の主線路電極12の側縁に接続され、他端がグランド電極17に接続されている。また、オープンスタブ20は、オープンスタブ線路電極16およびその幅方向両側に形成されたグランド電極17からなり、オープンスタブ線路電極16の一端が主線路18の主線路電極12の側縁に接続され、他端が開放されている。そして、ショートスタブ線路電極15の一端が接続された主線路電極12の側縁とオープンスタブ線路電極16の一端が接続された主線路電極12の側縁は互いに対向する位置関係となっている。したがって、ショートスタブ19とオープンスタブ20も主線路18を介して互いに対向して配置されていることになる。
一般にコプレーナウェーブガイドにおいては線路電極を挟んで両側のグランド電極で位相のずれが生じ、それが損失につながる場合がある。特にコプレーナウェーブガイドの分岐点、図1であれば主線路18とショートスタブ19、オープンスタブ20との接続点では、線路電極を挟んで両側のグランド電極で位相のずれが生じ、それが損失につながる場合がある。そこで、図1の高周波スイッチ10においては、4つの分岐点の全てにおいて線路電極を跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線80を設けている。クロスオーバー配線80はグランド電極17における線路電極近傍位置同士を線路電極を挟んで設けられた、例えばワイヤーからなる。なお、このクロスオーバー配線80はコプレーナウェーブガイドの分岐点にのみ設けるものではなく、必要に応じて分岐点以外の部分に設けても構わない。また、このクロスオーバー配線80は設けられていることが望ましいものの必須ではなく、例えば主線路電極12を跨ぐものだけでもよく、スタブ線路電極を跨ぐものだけでもよく、4つの内の1つまたは3つでもよく、あるいは全くなくても構わない場合もある。また、クロスオーバー配線の具体的な構造としてはワイヤーに限られるものではなく、線路電極の上を跨ぐブリッジ構造の配線や線路電極の下を潜る配線などの他の構造であっても構わない。さらには、その幅も限定されるものではない。ただし、クロスオーバー配線としては幅が広いほど本来の機能を果たすようになり好ましい。
ショートスタブ線路電極15の他端(接地端)からオープンスタブ線路電極16の他端(開放端)までの長さは、高周波スイッチ10を流れる高周波信号に対して略90°の電気長になるように設定されている。その上で、高周波スイッチ10においては、ショートスタブ線路電極15側の長さが略60°の電気長に、オープンスタブ線路電極16側の長さが略30°の電気長になるように設定されている。なお、ここでは主線路電極12の幅の部分についてはショートスタブ線路電極15とオープンスタブ線路電極16の長さにそれぞれ半分ずつ含めている。
半導体基板11には、ショートスタブ線路電極15の全長に渡ってショートスタブ線路電極15とグランド電極17の間において半導体活性層21が形成されている。半導体活性層21はショートスタブ線路電極15やグランド電極17の下まで延在している。同様に、オープンスタブ線路電極16の全長に渡ってオープンスタブ線路電極16とグランド電極17の間において半導体活性層21が形成されている。半導体活性層21はオープンスタブ線路電極16やグランド電極17の下まで延在している。なお、半導体基板11の半導体活性層21が形成されている部分以外は実質的に絶縁体となっている。
ショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16とグランド電極17の間において、少なくとも半導体活性層21上にはショートスタブ線路電極15やオープンスタブ線路電極16の長手方向に沿って伸びるゲート電極22が形成されている。ゲート電極22は、主線路電極12を横切って、ショートスタブ19側からオープンスタブ20側まで連続して伸びて形成されている。ゲート電極22はオープンスタブ線路電極16の他端側からゲート電圧入力端子23に接続されている。ゲート電圧入力端子23からゲート電極22に達するまでの配線にグランド電極17と重なる部分があるが、この領域においては両者は間に絶縁層を介するなどして絶縁されているものとする。また、主線路電極12を横切って伸びている部分においても両者は互いに絶縁されているものとする。ゲート電極22は、図1においては線で表記されているが、実際には図2に示すようにある程度の幅を持った電極である。
なお、図1および図2においては、主線路電極12は全て半導体基板11上に直接形成されているが、半導体基板11の非活性部分は必ずしも十分な絶縁体とは限らないので、不要なリークを防止するために主線路電極12と半導体基板11との間に絶縁膜を設けることが望ましい。
図2のA−A断面拡大図に示すように、半導体活性層21の形成された領域においては、ゲート電極22を挟んで両側に電極が形成されていることから、全体としてFET構造、より正確にはノーマリーオン型のFET構造となっていることがわかる。その際、ショートスタブ線路電極15やオープンスタブ線路電極16をドレインとすればグランド電極17がソースになる。もちろん逆でも構わない。なお、ゲート電極22と半導体活性層21との接続はショットキ接続にしておき、ショートスタブ線路電極15やオープンスタブ線路電極16やグランド電極17と半導体活性層21との接続はオーミック接続にしておく必要がある。そして、ゲート電極22の下の半導体活性層21中には空乏層24が形成される。
このように構成された高周波スイッチ10において、ドレイン(ショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16)とソース(グランド電極17)の直流電位をそれぞれ例えば0Vにしておき、さらにゲート電極22の直流電位を0Vに設定すると、ゲートがドレインおよびソースに対してバイアスされない状態になって空乏層24が小さくなるためにFET構造のドレインとソースは半導体活性層21を介してショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16の長手方向全体に渡ってほぼ短絡される。
この状態における高周波スイッチ10の等価回路を図3に示す。図3において、Rstはショートスタブ線路電極15またはオープンスタブ線路電極16の単位長さあたりの抵抗成分であり、Ronはショートスタブ線路電極15またはオープンスタブ線路電極16の単位長さあたりのFET部分のオン抵抗である。なお、実際にはRstに直列にショートスタブ線路電極15またはオープンスタブ線路電極16の単位長さあたりのインダクタンス成分も存在するが、かなり小さなものであるためここでは省略している。RstやRonは小さい値であり、しかも直列及び並列に多数のRstやRonを有するため、高周波スイッチ10は等価的には図4に示すように、主線路電極12がショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16と接続された互いに対向する両側の側縁で実質的にグランド電極17と短絡されたものとなる。すなわち、主線路18が、その途中で接地された状態になる。
この状態においては、高周波スイッチ10を流れる高周波信号は、この接地点でほぼ全反射され一端から他端へ伝搬されなくなる。すなわち、端子13と14の間はオフ状態になる。
一方、ドレインとソースの直流電位をそれぞれ例えば0Vにしておき、さらにゲート電極22の直流電位を例えば−3Vに設定すると、ゲートがドレインおよびソースに対して逆バイアス状態になるために空乏層24が大きくなって半導体活性層21が分断され、ドレインとソースは遮断される。
この状態における高周波スイッチ10の等価回路を図5に示す。このうち、(a)は分布定数的に表現したもので、(b)は信号周波数における状態を集中定数的に表現したものである。FET部分が遮断されるために、高周波スイッチ10は主線路電極12に単にショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16が接続されただけのものになる。そして、ショートスタブ線路電極15の他端からオープンスタブ線路電極16の他端までの長さは、高周波スイッチ10を流れる高周波信号に対して略90°の電気長になるように形成されているため、ショートスタブ19とオープンスタブ20が一体となって高周波信号の周波数における共振回路が形成され、主線路18におけるショートスタブ19およびオープンスタブ20と接続されている部分は実質的に何も接続されていない場合と同じになる。そのため、高周波スイッチ10は信号周波数においては等価的には図6に示すように主線路18のみからなるものとなる。
この状態においては、高周波スイッチ10を流れる高周波信号は自由に伝搬できる。すなわち、端子13と14の間はオン状態になる。
このように、高周波スイッチ10においては、ゲート電極22に印加する直流電圧によって端子13と端子14の間でスイッチ動作をさせることができる。
ここで、図7に高周波スイッチ10のオン時(FETはオフ)およびオフ時(FETはオン)における通過特性S21および反射特性S11を示す。図7において、実線が高周波スイッチ10がオンの時(FETはオフ)の特性で、破線がオフの時(FETはオン)の特性である。なお、図中のオン、オフは高周波スイッチのオン、オフを示しており、FETのオン、オフを示すものではない。
図7よりわかるように、高周波スイッチ10がオンの時には、高周波信号の周波数である76GHzにおいて通過特性S21は非常に小さくなり、反射特性S11は約−35dBとなって、十分な信号通過特性が得られている。一方、高周波スイッチ10がオフの時には、76GHzにおいて通過特性S21が約−8dB、反射特性S11が約−4dBとなって、十分ではないもののほぼ満足できるな信号遮断特性が得られている。
このように構成された高周波スイッチ10においては、FETの一部として利用されているのはショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16だけで、主に高周波信号の流れる主線路電極12はFETの一部にはなっていない。そのため、スイッチオン時に高周波信号が半導体活性層からなる抵抗の高い導体をメインに流れるために主線路の挿入損失が増加するという特許文献1ないし3のような問題は発生しない。
また、ショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16は主線路電極12に対して直交する方向に伸びるため、スイッチが主線路の長手方向に大型化するという特許文献2のような問題も発生しない。
また、ショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16はFETがオフの時にはショートスタブやオープンスタブとして機能するがFETがオンの時にはショートスタブやオープンスタブとしては機能しない。すなわち、FETがオンの時に主線路電極12の一部が接地されるのは、共振を利用するものではない。そのため、ショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16の長さはFETがオフの時に他端から他端までの長さが90°の電気長を有するように設定すればよく、FETがオンの時のことは考慮する必要はない。したがって、特許文献4のような問題も発生しない。
また、主線路電極12の一部の接地に共振を利用しないということは、接地状態が特定の信号周波数でのみ有効であるというような周波数特性を有していないということを意味する。そのため、FETがオンになって高周波スイッチ10がオフになるときには、広い周波数範囲でオフ状態が維持されることになる。特許文献4の場合にはスイッチオフの時に共振によって主線路電極の一部を接地していることよりわかるように特定の周波数に限定して高周波スイッチとして動作するので、この点においても本発明の高周波スイッチ10は優れた性能を備えている。すなわち、広い周波数範囲で高いアイソレーション特性が得られる。なお、ここでのアイソレーション特性とは、スイッチオフ時のS21を意味し、これがデシベル表示で大きいほど(絶対値で小さいほど)アイソレーション特性が優れているとみなす。
なお、高周波スイッチがオンの時に関しては、本発明も特許文献4もともにスタブの共振を利用しているため、性能的な差はない。
ここで、ショートスタブとオープンスタブを主線路に対して対向させて配置する本発明の構成の特徴について、他の構成との比較に基づいて説明する。
FETオン時に主線路の一部を接地し、FETオフ時に主線路にスタブが接続された状態にするという本発明の基本的な考え方に基づけば、例えば図8(a)、(b)に示すような構成も考えられる。図8は構成の特徴部分を簡略化して示した図で、グランド電極を省略し、ゲート電極についてはスタブの側縁に形成されている部分のみを示している。まず、図8(a)の高周波スイッチ25は、主線路18に接続されるスタブを1つのショートスタブ26のみにし、しかもショートスタブ26の全長を高周波信号に対して電気長が90°になる長さに設定したものである。また、図8(b)の高周波スイッチ27は、主線路18に接続されるスタブを互いに対向する2つのショートスタブ28、29にし、しかもショートスタブ28、29の全長をそれぞれ高周波信号に対して電気長が90°になる長さに設定したものである。なお、図8(c)は比較のために本発明の高周波スイッチ10を同じく簡略化して示したものである。
まず、図9に、各高周波スイッチ25、27、10におけるスイッチオフ時(FETはオン)の通過特性S21を示す。スイッチオフ時なのでS21はdB表示の絶対値で大きいほど良い(アイソレーションが良いと表現する)。図9より、高周波スイッチ27と10がほぼ同じで、高周波スイッチ25はそれより少し悪くなっていることが分かる。これは、主線路18に対するスタブによる接地点が2カ所か1カ所かの違いで、当然ながら接地箇所が多いほど安定な接地状態が得られ、アイソレーションが良くなる。したがって、高周波スイッチ10はアイソレーションの面において高周波スイッチ25に勝っている。
また、図10に、各高周波スイッチ25、27、10におけるスイッチオン時(FETはオフ)の通過特性S21を示す。スイッチオン時なのでS21はdB表示の絶対値で小さいほど良い(挿入損失が少ないと表現する)。図10より、高周波スイッチ25と10がほぼ同じで、高周波スイッチ27はそれより悪くなっていることが分かる。これは、主線路に接続されているスタブの伝送線路としての損失の違いによる。たとえ信号周波数において共振していて実質的に接続されていないように見えるとは言え、実際にはスタブの線路電極にも高周波信号は流れているためにそこでも損失が生じる。この損失は線路電極の長さに依存して大きくなる。そのため、スタブの線路電極の長さが短い高周波スイッチ25の方が高周波スイッチ27より挿入損失が少なくなる。そして、本発明の高周波スイッチ10においてはスタブの線路電極の長さが高周波スイッチ25とほぼ同じであるため、挿入損失もほぼ同じになる。したがって、高周波スイッチ10は挿入損失の面において高周波スイッチ27に勝っている。
また、図11に、各高周波スイッチ25、27、10におけるスイッチオン時(FETはオフ)の反射特性S11を示す。スイッチオン時なので信号周波数におけるS11はdB表示の絶対値で大きい方が良く(但し、一定以上あれば十分で必ずしも大きい程良いということはない)、しかもS11が大きい周波数範囲(帯域)が広いほどよい。図10より、高周波スイッチ25が最も広帯域で高周波スイッチ27が最も狭帯域で高周波スイッチ10がその間に位置していることが分かる。高周波スイッチ25と27の差は主としてスタブの数の違い(共振回路の段数の違い)にあると考えられ、本発明の高周波スイッチ10は高周波スイッチ25に比べれば狭いが高周波スイッチ27よりは広帯域にすることができる。なお、本発明の高周波スイッチ10の帯域幅が高周波スイッチ27より広いのは、後述のように別の理由による。
そして、2つの高周波スイッチの構成上の違いから明らかなように、高周波スイッチ25と27ではスイッチ部分の幅が約2倍異なる。そのため、高周波スイッチ25の方が高周波スイッチ27より小型化にむいている。この点に関し、本発明の高周波スイッチ10はほぼ高周波スイッチ25と同じ幅となっている。そのため、専有面積の面で見れば高周波スイッチ10は高周波スイッチ27に勝っている。
以上を総合すると、本発明の高周波スイッチ10は、高周波スイッチ25と同程度の挿入損失や専有面積の小ささが実現でき、高周波スイッチ25に近い広帯域特性が得られ、しかも高周波スイッチ27なみのアイソレーション特性が得られることが分かる。
次に、本発明の高周波スイッチ10におけるショートスタブ線路電極15とオープンスタブ線路電極16のそれぞれの長さと高周波スイッチの電気特性との関係について検討する。図12(a)、(b)に、ショートスタブ線路電極15の電気長を90°(すなわち前述の高周波スイッチ25と同じ構成)、60°、30°、5°、1°としたとき(オープンスタブ線路電極の電気長はそれぞれ0°、30°、60°、85°、89°となる)のスイッチオン(FETはオフ)時の通過特性S21および反射特性S11のシミュレーション結果をそれぞれ示す。図12より分かるように、通過特性、反射特性ともに、ショートスタブ線路電極15の電気長が長いほど広帯域になり、短くなるにしたがって狭帯域になる。現実にはスタブ線路電極の損失のためにそれぞれこれよりも少しは広帯域になると思われるが、実際に使う上ではショートスタブ線路電極15の電気長は10°以上にする必要がある。
一方で、オープンスタブ線路電極16についても、短すぎるとFETオン時に十分な接地の機能を果たすことができなくなる可能性があり、ある程度の長さは必須となる。使われる信号周波数や線路電極やスタブ電極のサイズ、材料の誘電率など様々な要因でオープンスタブ線路電極16に最低限必要な長さは変化するが、実際に使う上ではオープンスタブ線路電極16の電気長も10°以上にする必要がある。この場合、ショートスタブ線路電極15の電気長は80°以下ということになる。そして、その中でも現実的な性能を得るためには、ショートスタブ線路電極15の電気長は30°から60°程度が望ましい。
なお、図1に示した高周波スイッチ10においては、ゲート電極22は、主線路電極12を横切って、ショートスタブ19側からオープンスタブ20側まで連続して伸びて形成されているが、図13に示す高周波スイッチ10aのように、主線路電極12を横切らず、両側にゲート電極を引き出す構成でも構わない。この場合、オープンスタブ線路電極16の両側で長手方向に沿って伸びるゲート電極22は、ゲート電圧入力端子23に接続されている。また、ショートスタブ線路電極19の両側で長手方向に沿って伸びるゲート電極22aは、ゲート電圧入力端子23aに接続されている。このように構成された高周波スイッチにおいても、高周波スイッチ10と同様の作用効果を奏することができる。
ところで、図1に示した高周波スイッチ10において、FETがオンの時に主線路電極12をショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16の接続された位置で実質的に接地するためには、ショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16の一端から他端にかけての全体にFETが形成されている必要はない。少なくともショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16の一端側、すなわち主線路電極12と接続されている側がある程度の長さに渡ってFETになっていて、FETオン時に主線路電極12の一部を十分に低い抵抗値で接地できれば十分である。
そこで、この点を考慮したものとして、図14に、本発明の高周波スイッチの別の実施例の平面図を示す。図14において、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
図14に示した高周波スイッチ30は、高周波スイッチ10におけるショートスタブ19側における半導体活性層21の大きさを、ショートスタブ線路電極15の一端側の約半分に限定し、ゲート電極22の長さも半導体活性層21からはみ出したところまでとしている。なお、線路電極を跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線については記載を省略している。
このように構成された高周波スイッチ30においても、FET構造になっている部分は高周波スイッチ10の場合と同じように動作する。そこで、FETをオンにしたときの高周波スイッチ30の等価回路を図15に示す。図15において、図3と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付している。
図15において、ショートスタブ線路電極15のうちのFETの一部になっていない部分は線路電極15’として残っているが、主線路電極12と接続されている一端側は高周波スイッチ10の場合と同様に多数のRstやRonを介してグランド電極16と接続された状態になっている。したがって、高周波スイッチ30は高周波スイッチ10と同様に等価的には主線路電極12がショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16と接続される側縁で実質的にグランド電極17と短絡されたものとなる。すなわち、主線路18が、その途中で接地された状態になる。
そして、この状態においては、高周波スイッチ30を流れる高周波信号は、この接地点でほぼ全反射され一端から他端へ伝搬されなくなる。すなわち、端子13と14の間はオフ状態になる。
一方、FETがオフの時には、FET部分が遮断されるために、高周波スイッチ30は主線路電極12に単にショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16が接続されただけのものになり、高周波スイッチ10の場合と同じ動作になる。
なお、ゲート電極の長さ(ゲート幅)は、ショートスタブ線路電極15の一端側においてFETオン時にグランド電極17との十分な短絡状態を実現できる長さであればよい。したがって、高周波スイッチ30のようなスタブ線路電極の長さの約半分に限定されるものではなく、半分以下でも半分以上でも構わない。
また、FETオフ時には、ドレインとソース間にはオフ容量が分布的に存在する。そのため、ショートスタブ線路電極15とグランド電極17の間の分布容量は、半導体活性層21の存在する部分と存在しない部分で異なる。また、ショートスタブ線路電極15の分布的なインダクタンス成分も半導体活性層21上に位置するかどうかで厳密には異なる。そのため、高周波スイッチ30のショートスタブ19においては場所によって特性インピーダンスが異なることも考えられる。したがって、ショートスタブ線路電極15の長さや幅はこのようなショートスタブ19の特性インピーダンスの部分的な変化も考慮して決定する必要がある。
実際問題として、この場合のショートスタブは、ショートスタブ線路電極の全長だけでなく、FET部分とそうでない部分とでショートスタブ線路電極の幅を変えたり、グランド電極との間隔を変えたりして電気長を調整することも十分に考えられる。
ところで、高周波スイッチ30においては、高周波スイッチ10に比べてゲート電極の長さであるゲート幅が短い。そのため、FET部分のドレイン・ソース間に形成されるオフ容量も小さくなる。このオフ容量は高周波スイッチ10や30のスイッチング動作の速さを決める時定数に関係する。すなわち、オフ容量が小さいほど時定数が小さくなりスイッチング動作が速くなる。したがって、高周波スイッチ30は高周波スイッチ10に比べて高速なスイッチング動作に対応できるというすぐれたメリットを備えている。
また、一般的にゲート電極は直線状に形成されるのが普通で、ゲート電極を折り曲げて形成するのは必ずしも容易ではない。そのため、高周波スイッチ10においてはショートスタブ線路電極15は直線状に形成せざるを得ない。この場合、高周波スイッチの小型化が難しくなる可能性がある。
これに対して高周波スイッチ30においては、ゲート電極22はショートスタブ線路電極15の一端側のみに沿って形成されていればよい。そのため、図16に概略図で示すように、ショートスタブ線路電極15におけるゲート電極22の形成されていない他端側を折り曲げることが可能になる。そして、これによって高周波スイッチの小型化が可能になる。
このように、高周波スイッチ30においては、高周波スイッチ10と比較して、より高速なスイッチング動作ができ、またスタブを折り曲げることができるためにさらなる小型化を図ることができるというメリットを備えている。
なお、高周波スイッチ10や高周波スイッチ30においては、ショートスタブ線路電極やオープンスタブ線路電極の両側にFET構造を形成しているが、片側のみに形成しても構わない。この場合はFETオン時の抵抗値が少し大きくなるが、この点を除けば上述の実施例とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
また、高周波スイッチ10や高周波スイッチ30においては、主線路やショートスタブやオープンスタブが対称形のコプレーナウェーブガイドであるとして、各スタブにおいては対称形のコプレーナウェーブガイドのためのグランド電極をFETのソース電極として利用していた。しかしながら、主線路や各スタブは対称形のコプレーナウェーブガイドに限られるものではなく、例えばグランド電極が片側にしかない非対称型のコプレーナウェーブガイドでもよい。あるいは、マイクロストリップ線路などの線路電極に沿ったグランド電極を備えていない他の伝送線路であっても構わない。但し、その場合には各スタブ線路電極に隣接してグランド電極を別途設ける必要がある。また、それと同時に、隣接して形成されるグランド電極によってスタブの特性インピーダンスが理想的なマイクロストリップ線路の場合に比べて変化するため、スタブ線路電極の長さを決める際には、その点を考慮する必要がある。但し、これらの点を除けば、高周波スイッチとしては上述の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
また、高周波スイッチ10や高周波スイッチ30においては、ゲート電極22が、ショートスタブ線路電極15側からオープンスタブ線路電極16側まで主線路電極12を横切って伸びて連続して形成されているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、同時に制御される限りにおいてゲート電極はショートスタブ線路電極側とオープンスタブ線路電極側で分離して形成されていても構わないものである。
また、高周波スイッチ10や高周波スイッチ30においては、FET構造がノーマリーオン型であるとしてきたが、ノーマリーオフ型のFET構造であっても構わない。この場合もFET構造に対する電圧の与え方に違いが生じる以外は高周波スイッチ10や高周波スイッチ30と何ら変わるところはない。
以下、上述のFET構造が形成されたスタブを利用した高周波スイッチの他の実施例について説明する。なお、以下の実施例においては、高周波スイッチ30におけるスタブ構造を採用するが、もちろん高周波スイッチ10におけるスタブ構造でも構わないものである。
まず、図17に、本発明の高周波スイッチのさらに別の実施例の概略図を示す。図17は特徴部分のみを示すために簡略化した図で、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
図17に示すように、高周波スイッチ40においては、2組のショートスタブおよびオープンスタブの対41、42が、主線路電極12の長手方向に電気長で90°離れた位置に接続して設けられている。各ショートスタブおよびオープンスタブの対41、42は、いずれも高周波スイッチ30におけるショートスタブ19およびオープンスタブ20と同様のFET構造が形成されたショートスタブおよびオープンスタブの対であり、同様の機能を果たす。なお、各スタブにおける線路電極の両側の線はゲート線路を意味している。また、グランド電極やゲート電圧入力端子については記載を省略している。
このように構成された高周波スイッチ40において、高周波スイッチ40のオン・オフに対応して2つのショートスタブおよびオープンスタブの対のFETを同時にオフ・オンさせることによって、高周波スイッチオフ時に主線路電極12の互いに対向する側縁をその途中の互いに電気長で90°離れた2カ所で接地した状態にすることができる。このように主線路電極12の長手方向に離れた2カ所を接地することによって、各ショートスタブおよびオープンスタブの対による接地では必ずしも十分ではないような場合でも、より完全に高周波信号を反射させて高周波スイッチ40を遮断させることができる。しかも、2つのショートスタブおよびオープンスタブの対が主線路電極12の長手方向に電気長で90°離れた位置に接続して設けられているため、一方のスタブの対から見た他方のスタブの対のインピーダンスは無限大となり、実質的には見えなくなるため、一方のスタブの対での反射信号が他方のスタブの対の特性、特に接地状態に悪影響を与えることがない。
このように、高周波スイッチ40においては、スイッチオフ時の遮断特性を高周波スイッチ30よりもさらに向上させることができる。
なお、高周波スイッチ40においてはFET構造が形成されたショートスタブとオープンスタブの対を2つ用いているが、各スタブの対が主線路電極12の長手方向に電気長で90°ずつ離れた位置に接続して設けられるのであれば、スタブの対の数は3つ以上でも構わないものである。
ところで、高周波スイッチ40においては、相互の影響を避けるために2つのスタブを主線路電極12の長手方向に電気長で90°離れた位置に接続して設けるとしたが、各スタブをさらに近接して設けたものも考えられる。
そこで、図18に、本発明の高周波スイッチのさらに別の実施例の概略図を示す。図18も特徴部分のみを示すために簡略化した図で、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
図18に示した高周波スイッチ50において、51、52、53、54はいずれも高周波スイッチ30におけるショートスタブ19およびオープンスタブ20と同様のFET構造が形成されたショートスタブおよびオープンスタブの対を意味している。各スタブにおける線路電極の両側の線はゲート線路を意味している。なお、グランド電極やゲート電圧入力端子については記載を省略している。
図17に示すように、高周波スイッチ50においては、4つのショートスタブおよびオープンスタブの対51、52、53、54が、主線路電極12の長手方向に電気長で16°離れた位置に接続して設けられている。このように構成された高周波スイッチ50において、ショートスタブおよびオープンスタブの対51、52、53、54は、それぞれ高周波スイッチ30におけるショートスタブ19およびオープンスタブ20の対と同じ機能を果たす。
高周波スイッチ50においても、そのオン・オフに対応して4つのスタブの対のFETを同時にオフ・オンさせることによって、高周波スイッチオフ時に主線路電極12をその途中の4カ所で接地した状態にすることができる。このように4カ所を接地することによって、2カ所の場合よりもさらに接地状態を十分なものにして、より完全に高周波信号を反射させて高周波スイッチ50を遮断させることができる。
なお、高周波スイッチ50においては、主線路電極12の長手方向に関する各スタブの対の間隔が16°となっている。そのため、各スタブの対が相互に見えなくなって相互の悪影響を避けられるというメリットはない。しかしながら、逆に、FETオフ(スイッチオン)時における反射特性において周波数帯域が広がって他の周波数でも整合が取れるようになるというメリットがある。また、スタブの対の間隔が短いために高周波スイッチの長手方向のサイズを小さくすることができる。さらに、主線路の長さが短くなるためにスイッチオン時の挿入損失の低減を図ることができる。
また、スタブの対の数が多いために、FETオン時における、各スタブ間での高周波信号の反射と各スタブの対の接地抵抗とによって、各スタブの対における電力消費が増えてスイッチオフ時の挿入損失が大きくなるというメリットがある。
このように、高周波スイッチ50においては、オフ時の遮断特性を高周波スイッチ40よりもさらに向上させることができる。
なお、高周波スイッチ60においては、スタブ間の間隔を16°としているが、これは1つの例であって、必要に応じて自由に設定して構わない。また、スタブの数についても2つ以上であれば自由に設定して構わない。
ところで、上述の図17に示した高周波スイッチにおいては、2組のショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対を主線路電極の長手方向に離れた位置に接続して構成しており、各ショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対の構成については、図1に示した基本構成を前提としている。すなわち、特に記載はしていないが、コプレーナ線路を前提とする場合には、基本構成における4つの分岐点において必要に応じて線路電極を跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線を設けるという構成を前提としている。
ところで、ショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対を近接させて複数設ける場合には、クロスオーバー配線の配置や有無が高周波スイッチの動作や特性に影響を与える場合がある。以下、クロスオーバー配線の配置も含めた本発明の高周波スイッチのさらに別の実施例について説明する。
図19に、本発明の高周波スイッチのさらに別の実施例の平面図を示す。図19において、図1と同一若しくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。また、図面が煩雑になるのを避けるために、半導体活性層の形成されている領域、ゲート電圧入力端子、ゲート電極からゲート電圧入力端子までの接続については記載を省略し、ゲート電極のみを示している。したがって、ゲート電極が形成されている場合には、その部分に半導体活性層が形成されており、またゲート電極からゲート電圧入力端子への接続もなされているものとする。
図19に示した高周波スイッチ100において、主線路18には2組のショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対、すなわちショートスタブ線路電極31およびオープンスタブ線路電極32の対とショートスタブ線路電極33およびオープンスタブ線路電極34の対が、主線路電極12の長手方向に所定間隔離れて設けられている。2組のショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対は、それぞれ図1におけるショートスタブ線路電極15およびオープンスタブ線路電極16の対と同様の、スタブ線路電極の両側にFET構造が形成されたものである。ただし図1とは異なり、各ショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対におけるショートスタブ線路電極の他端(接地端)からオープンスタブ線路電極の他端(開放端)までの長さは、高周波スイッチ100を流れる高周波信号に対して90°よりも短い電気長になるように設定されている。
そして、高周波スイッチ100においては、8つある線路電極の分岐点のうち、ショートスタブ線路電極31およびオープンスタブ線路電極32の対の左側(図示で)、およびショートスタブ線路電極33およびオープンスタブ線路電極34の対に右側(図示で)において、主線路電極12を跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線80がそれぞれ設けられている。他の分岐点にはクロスオーバー配線は設けられていない。特に、2つのショートスタブ線路電極31、33とその間における主線路電極12においては、線路電極を跨いで両側のグランド電極間を接続するクロスオーバー配線は設けられていない。したがって、オープンスタブ線路電極を跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線に関しては設けられていても構わない。むしろ、図面が煩雑になるために図示は省略するが、クロスオーバー配線が設けられている方が望ましい。これらの点は以下のいずれの実施例においても当てはまる。
以上のように、ショートスタブ線路電極とオープンスタブ線路電極の合計の長さが短くなっている点とクロスオーバー配線の位置が限定されている点が、図17に示した同じく2つのショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対を有する高周波スイッチとの最大の相違点となっている。
次に、高周波スイッチ100の動作について説明する。まず、各スタブ線路電極におけるFET部分がオン状態の時の動作は図17に示した高周波スイッチなどとほぼ同じである。一方、FET部分がオフ状態の時の動作が図17に示した高周波スイッチなどとは異なるものになる。
通常、コプレーナ線路においては、線路電極とその両側のグランド電極との間の電界分布は対称になる。ただし、これは両側のグランド電極が理想的な条件を保っている場合であり、両側のグランド電極の電位が異なると電界分布が非対称となり、正常なコプレーナ線路としては機能しない。
高周波スイッチ100においては、2組のショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対で挟まれた部分には主線路電極12を跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線が設けられていない。また、各スタブ線路電極においても、それを跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線が設けられていない。そのため、FET部分がオフ状態になって各スタブ線路電極が本来の機能を果たすべき時に、2組のショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の対で挟まれた部分のグランド電極の電位がそれ以外の部分と異なるものとなる。この場合、各スタブ線路電極やその間の主線路は理想的なコプレーナ線路としては機能しなくなる。
オープンスタブの方はオープンスタブ線路電極とグランド電極とが元々離間しているために電界分布の非対称状態はそれほど大きくならない。しかしながらショートスタブ線路電極の方はショートスタブ線路電極の端部がグランド電極に直接接続されていることから、特にショートスタブ線路電極の一端側(主線路電極との接続点側)において電界分布の非対称状態が大きくなる。具体的には、例えばショートスタブ線路電極31の場合であれば、線路電極の左側でのグランド電極17との間の電界分布は、ほぼ正常なコプレーナ線路によるショートスタブ線路電極の場合と同じような電界分布になるが、ショートスタブ線路電極31の右側においてはほとんど電界が発生しなくなる。これはショートスタブ線路電極33においても同様である。電界が発生しにくいということはグランド電極との間の容量が発生しにくいということを意味する。すなわち、2つのショートスタブ線路電極の間の領域においてはグランド電極がグランド電極としてきちんと機能しなくなる。そのため、ショートスタブ線路電極全体として分布的な容量成分が小さくなることになる。ショートスタブ線路電極全体としての分布的なインダクタンス成分はスタブ線路電極自身の形状で決まるためにほとんど変化はない。そのため、ショートスタブ線路電極の特性インピーダンスが高くなるので、ショートスタブ線路電極の等価的なインダクタンス成分が大きくなると考えられる。ショートスタブ線路電極の等価的なインダクタンス成分が高くなるということはショートスタブ線路電極とオープンスタブ線路電極で構成される共振回路の共振周波数が低下するということを意味する。そして、共振回路の共振周波数を低下させないでおく方法としてはショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の合計の線路長を短くするということが考えられる。したがって、高周波スイッチ100においては、全ての分岐部分にクロスオーバー配線が設けられているものに比べてショートスタブ線路電極およびオープンスタブ線路電極の合計の長さを短くして、高周波信号に対して90°よりも短い電気長になるように設定することによって全体的な小型化を図っても同じ周波数に対応したスイッチとして機能させることができる。
なお、上述の、2つのショートスタブ線路電極の間の領域においてはグランド電極がグランド電極としてきちんと機能しなくなるというのはFET部分がオフ状態の時に関するもので、FET部分がオン状態の時にはショートスタブの両側がいずれもグランド電極に接続される形になるので、2つのショートスタブ線路電極の間の領域のグランド電極はオープンスタブ線路電極側と同様に通常のグランド電極に近い状態になる。
ところで、高周波スイッチ100においてはオープンスタブ線路電極側とショートスタブ線路電極側でゲート電極を1本につないで、図示はしていないがいずれか一方側から引き出す構成としているが、もちろん高周波スイッチ10aの場合と同様に、両側にゲート電極を引き出す構成でも構わない。
ここで、高周波スイッチ100の変形例を図20に示す。図20に示した高周波スイッチ100aにおいては、8つある線路電極の分岐点のうち、ショートスタブ線路電極31およびオープンスタブ線路電極32の対の左側(図示で)、およびショートスタブ線路電極33およびオープンスタブ線路電極34の対の右側(図示で)において、主線路電極12を跨いでグランド電極間を接続するクロスオーバー配線80がそれぞれ2つずつ互いに近接して設けられている。この場合は、クロスオーバー配線80がそれぞれ1つの場合よりも主線路電極12における不要モードの伝搬をより効果的に抑制することができる。もちろん、クロスオーバー配線の本数を増やす代わりにその幅を広げても同様の効果が得られる。
図21に、本発明の高周波スイッチ100の別の変形例の平面図を示す。図21において、高周波スイッチ110は図19に示した高周波スイッチ100の構成を基本として変形たものであり。図19と同一若しくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
高周波スイッチ110においては、ショートスタブ線路電極31および33において、線路電極とグランド電極との間にはゲート電極が設けられておらず、FET構造になっていない。この点を除けば高周波スイッチ100との違いはない。
このように構成された高周波スイッチ110において、FET部分がオフ状態の時の動作は高周波スイッチ100と基本的に同じであり、スイッチ全体としてはオン状態になる。しかも、ショートスタブ線路電極31、33の側縁がFET構造ではなくなるため、線路の損失が小さくなり、結果として高周波スイッチ110のオン時の挿入損失を高周波スイッチ100に比べて小さくすることができる。
一方、FET部分がオン状態の時には、オープンスタブ線路電極32、34の側のみで主線路電極12の一部が接地される形になり、ショートスタブ線路電極31、33の側はそのままショートスタブ線路電極が接続された状態になる。等価回路的には図22に示すようになる。この場合でも、主線路電極12の一部が接地されるという点は同じなので、スイッチ全体としてはオフ状態にできる。ただし、ショートスタブ線路電極31、33の側もともに主線路電極12の側縁で接地されるものに比べれば接地状態が悪くなり、スイッチオフ時のアイソレーションは高周波スイッチ100に比べて劣化する。
図23に、本発明の高周波スイッチ100のさらに別の変形例の平面図を示す。図23において、高周波スイッチ120は図19に示した高周波スイッチ100の構成を基本として変形したものであり。図19と同一若しくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
高周波スイッチ120は、高周波スイッチ100における2つのショートスタブ線路電極のうちの1つをなくし、残る1つをもともとの2つのショートスタブ線路電極の中間の位置に移動させたものである。なお、この点を除けば高周波スイッチ100との違いはない。
上述のように、高周波スイッチ100においては、2つのショートスタブ線路電極で挟まれた部分が本来のグランド電極としての機能を十分に果たさない。これより、高周波スイッチ100においては2つのショートスタブ線路電極が存在する理由がないということを意味するとも考えられるので、それをさらに発展させて2つのショートスタブを幅の広い1つのショートスタブ線路電極にまとめてしまったものでも大きな違いはないと考えることもできる。高周波スイッチ120は、それをさらに進めて、1つになったショートスタブ線路電極の幅を元の幅に戻すことによって完成した形状である。
次に、高周波スイッチ120の動作について説明する。まず、各スタブにおけるFET部分がオン状態の時の基本的な動作は図19に示した高周波スイッチ100と全く同じである。ただし、スタブの本数が3本になるために、主線路電極12における接地点が3カ所になり、高周波スイッチのオフ時のアイソレーションは高周波スイッチ100に比べて若干劣化する。
一方、各スタブにおけるFET部分がオフ状態の時は、主線路18の一方の側縁に2つのオープンスタブ線路電極が接続され、他方の側縁に1つのショートスタブ線路電極が接続されることになる。この場合、各スタブからなる共振回路としては、ショートスタブ線路電極によるインダクタンス成分に対してオープンスタブ線路電極による容量成分が2倍になることになり、共振周波数が低下する。これは共振周波数を低下させない場合にはショートスタブ線路電極の線路長を短くできることを意味するので、結果的に高周波スイッチのさらなる小型化を図ることができる。また、ショートスタブ線路電極の数が少なくなった分だけ線路の損失が小さくなり、結果として高周波スイッチ120のオン時の挿入損失を高周波スイッチ100に比べて小さくすることができる。
図24に、本発明の高周波スイッチ100のさらに別の変形例の平面図を示す。図24において、高周波スイッチ130は図19に示した高周波スイッチ100の構成を基本として変形したものであり。図19と同一若しくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
高周波スイッチ130は、高周波スイッチ100における2つのショートスタブ線路電極において、両者が互いに対向する側にショートスタブ線路電極とグランド電極17との間の隙間をなくしてグランド電極と連続させたものである。それにしたがって、その位置にあったゲート電極は除去している。なお、これらの点を除けば高周波スイッチ100との違いはない。
上述のように、高周波スイッチ100においては、2つのショートスタブ線路電極で挟まれた部分が本来のグランド電極としての機能を十分に果たさない。これより、高周波スイッチ100においては2つのショートスタブ線路電極の互いに対向する側において線路電極とグランド電極との間に隙間が存在する理由がないということを意味するとも考えられる。そこで、これを具体的な形として示したのが高周波スイッチ130である。
次に、高周波スイッチ130の動作について説明する。まず、各スタブ線路電極におけるFET部分がオン状態の時の基本的な動作は図19に示した高周波スイッチ100と全く同じである。
一方、各スタブ線路電極におけるFET部分がオフ状態の時も、電界がほとんど形成されない部分をつないで連続させただけであるので、実質的に高周波スイッチ100と違いはない。むしろ、FET構造の部分が少なくなった分だけショートスタブ線路電極に相当する部分の損失が小さくなり、結果として高周波スイッチ130のオン時の挿入損失を高周波スイッチ100に比べて小さくすることができる。
なお、高周波スイッチ130においては、ショートスタブ線路電極31および33のそれぞれ片側にはゲート電極を残しているが、図21に示した高周波スイッチ110と同じ理由で、変形例として図25に示す高周波スイッチ130aのように、ショートスタブ線路電極31および33の片側に残っているゲート電極をも除去する構成も考えられる。この場合は、FET構造の部分がさらに少なくなった分だけショートスタブ線路電極に相当する部分の損失がさらに小さくなり、結果として高周波スイッチ130aのオン時の挿入損失を高周波スイッチ130に比べて小さくすることができる。ただし、高周波スイッチ110の場合と同様に、スイッチオフ時のアイソレーションは高周波スイッチ130に比べて劣化する。
また、高周波スイッチ130から高周波スイッチ130aに至った変形をさらにすすめて、図26に示す高周波スイッチ130bのような構成も考えられる。すなわち、高周波スイッチ130aにおいてゲート電極を除去した部分の隙間をなくし、グランド電極17と連続させている。この場合、主線路電極12における本来ショートスタブ線路電極が接続されていた部分が常にグランド電極に接続されていることになるため、スイッチオン時の挿入損失は劣化し、帯域は狭くなるが、スイッチオフ時の主線路電極12からグランド電極7に至る経路が短くなるため、アイソレーション特性がさらに向上する。
なお、高周波スイッチ130、高周波スイッチ130a、高周波スイッチ130bにおいては、いずれもオープンスタブ線路電極32、34の付け根部分に線路電極の両側のグランド電極間を接続するクロスオーバー配線は設けられていない。ただ、オープンスタブ線路電極側についてはその間において主線路電極12を跨ぐクロスオーバー配線が存在しなくても電界分布の非対称状態大きくなったりするわけではないので、オープンスタブ線路電極32、34の付け根部分に線路電極の両側のグランド電極間を接続するクロスオーバー配線を設けても構わない。むしろ、オープンスタブ線路電極の安定な動作のためにはクロスオーバー配線を設ける方が望ましい。
図27に、本発明の高周波スイッチ100のさらに別の変形例の平面図を示す。図27において、高周波スイッチ140は図24に示した高周波スイッチ130の構成を基本に変形したものであり、図24と同一若しくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
高周波スイッチ140は、高周波スイッチ130における2つのショートスタブ間において、主線路電極12とグランド電極17との間の隙間をなくしたものである。したがって、この部分において主線路電極12の片側の側縁はグランド電極と連続していることになる。
上述のように、2つのショートスタブ線路電極の間の領域を取り囲む線路電極において線路電極を跨いで両側のグランド電極間を接続するクロスオーバー配線を設けないことによって、2つのショートスタブ線路電極の間の領域においてはグランド電極がグランド電極としてきちんと機能しなくなる。そのため、ショートスタブ線路電極だけでなく、主線路電極においてもこの領域においてはグランド電極との間に隙間が存在する理由があまりないということを意味し、グランド電極との間の隙間をなくしても機能上は大きな問題がない。これを具体的な形として示したのが高周波スイッチ140である。
次に、高周波スイッチ140の動作について説明する。まず、各スタブ線路電極におけるFET部分がオン状態の時の基本的な動作は図24に示した高周波スイッチ130と全く同じである。ただ、高周波スイッチ140の場合には2つのショートスタブの間の領域において主線路電極12がはじめからグランド電極17に接続されているため、主線路電極12の一部を高周波スイッチ130よりもさらに安定にグランドに接続できる。そのため、スイッチオフ時のアイソレーションをさらによくすることができる。
一方、各スタブ線路電極におけるFET部分がオフ状態の時は、主線路電極12の一部がグランドに接続されているとはいえ、もともと電界がほとんど形成されない部分をつないだだけであるので、実質的に高周波スイッチ130と違いはない。
高周波スイッチ140においても、高周波スイッチ130と同様のバリエーションが考えられる。すなわち、図28に示す高周波スイッチ140aのようにショートスタブ線路電極側のFET構造をなくしても構わない。また、図29に示す高周波スイッチ140bのように高周波スイッチ140aにおいてゲート電極を除去した部分の隙間をなくしても構わない。このような高周波スイッチ140a、140bにおいても、高周波スイッチ130aや130bの場合と同様の作用効果を奏することができる。
図30に、本発明の高周波スイッチのさらに別の実施例の平面図を示す。図30において、図24と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
図30に示した高周波スイッチ150は、図24に示した高周波スイッチ130において、その主線路電極の伸びる方向両側にそれぞれ一端が主線路電極12の互いに対向する側縁に接続されたオープンスタブ線路電極151と152の対、およびオープンスタブ線路電極153と154の対を設けたものである。各オープンスタブ線路電極はコプレーナウェーブガイドとなっており、その対の両側には主線路電極12を跨いてグランド電極同士を接続するクロスオーバー配線80が設けられている。各オープンスタブ線路電極の長さは、信号周波数において1/4波長となる長さよりも短い長さであり、しかも同じ長さとされている。なお、各オープンスタブ線路電極の両側はFET構造とはなっておらず、ゲート電極は設けられていない。
このように構成された高周波スイッチ150においては、各オープンスタブ線路電極は信号周波数において主線路電極12のそれぞれの位置とグランド電極との間に設けられた容量成分として機能する。そのため、この容量成分を適宜設定することによって所望の周波数成分で極を作り、広帯域化することができる。また、各オープンスタブ線路電極の長さを等しくして線路構造を同じにしているために、不要モードの抑圧効果も期待できる。
ここで、高周波スイッチ150の変形例を図31に示す。図31に示した高周波スイッチ150aにおいては、4つのオープンスタブ線路電極151、152、153、154の両側にもゲート電極および半導体活性層が設けられてFET構造を有するように構成されている。この場合も、FET構造がオフでオープンスタブ線路電極が容量成分として機能する時の動作は高周波スイッチ150と全く同じである。一方、FET構造がオン(高周波スイッチとしてはオフ)の時には、主線路電極12がグランド電極17と接続される位置が増加するために、さらにアイソレーションをよくすることができる。
次に、高周波スイッチ150の別の変形例を図32に示す。図32に示した高周波スイッチ150bにおいては、高周波スイッチ150aを基本構造として、4つのオープンスタブ線路電極の主線路電極との接続点を、それぞれその内側のスタブ線路電極の主線路電極との接続位置に近付けている。
このように構成することによって、高周波スイッチ150aと同様の広帯域かつ高いアイソレーションの実現に加えて、主線路電極12に各スタブ線路電極が接続される領域が短くなるために、スイッチオフ時の反射特性を大きくすることができる。
なお、高周波スイッチ150、150a、150bにおいては、4つのオープンスタブ線路電極151、152、153、154の長さを等しくしたが、これは必須条件ではなく、各オープンスタブ線路電極の長さは容量成分として機能する範囲内で適宜設定することができる。
また、高周波スイッチ150、150a、150bにおいては高周波スイッチ130の構造を基本構造として4つのオープンスタブ線路電極をさらに加えて構成したが、他の構成、すなわち図19〜図29に示した高周波スイッチ100、100a、110、120、130a、130b、140、140a、140bのいずれの構成を基本に変形したものでも構わないもので、同様の作用効果を奏するものである。
上記の各実施例においては、2つの端子間を導通させたり遮断したりするいわゆるSPST(Single Pole Single Through、1対1)スイッチの例について説明してきたが、本発明の高周波スイッチを複数個用いれば、いわゆるSPxT(Single Pole x Through、1対多)スイッチを構成することもできる。
図33に、本発明の高周波スイッチのさらに別の実施例の概略図を示す。図33は特徴部分のみを示すために簡略化した図で、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
図33に示した高周波スイッチ60においては、図18に示した高周波スイッチ50と同様の高周波スイッチ61、62を用いて、その一端同士を接続して3番目の端子としたものである。図33において、一方の高周波スイッチ61の一端は端子63に接続され、他方の高周波スイッチ62の一端は端子64に接続され、2つの高周波スイッチ61、62の他端同士は互いに接続されるとともに端子65に接続されている。そして、その接続点から各高周波スイッチ61、62における最も近いスタブ線路電極の接続点までの主線路電極12の長さを、高周波信号に対する電気長が略90°になるように設定している。
このように構成された高周波スイッチ60においては、各高周波スイッチ61、62がそれぞれ低損失なスイッチとして動作する。しかも、接続点から各高周波スイッチ61、62における最も近いスタブ線路電極の接続点までの主線路電極12の長さを、高周波信号に対する電気長が略90°になるように設定しているために、一方の高周波スイッチ61がオンで他方の高周波スイッチ62がオフの時に、2つの高周波スイッチの接続点からはオフ状態の高周波スイッチ62が無限大のインピーダンスを持つように見える。すなわち、オフ状態の高周波スイッチ62が存在しないのと同じことになる。そのため、不整合やスイッチオン時の挿入損失の少ないSPDT(Single Pole Dual Through、1対2)スイッチが実現できる。
なお、上記の実施例においては2つの高周波スイッチ61、62の他端同士の接続点から各高周波スイッチ61、62における最も近いスタブ線路電極の接続点までの主線路電極12の長さを、高周波信号に対する電気長が略90°になるように設定したが、これは各スタブのFETがオンの時のグランドとの間の抵抗値が十分に小さい理想的な状態の場合である。実際にはこの部分の線路電極12の長さが電気長でもう少し短い、例えば約80°になることも考えられる。
また、高周波スイッチ60においてはSPDTスイッチを実現しているが、例えば3つ以上の高周波スイッチ50を用いて同様な方法でSPxTスイッチを構成することも可能である。
また、ここで用いる2つのSPST型の高周波スイッチとしては、高周波スイッチ50に限るものではなく、上述のいずれの高周波スイッチであっても構わないものである。
ところで、上記の各実施例は図1に示した高周波スイッチ10の構造を基本構造としている。そして、高周波スイッチ10においては、スイッチをオフする場合、すなわちFET部分をオンする場合には、ゲートの直流電位をドレインやソースと同じ0Vにしてゲートがドレインおよびソースに対してバイアスされない状態にするとしている。しかしながら、ゲートをバイアスしない状態においても空乏層は存在する。
そこで、ゲートをドレインやソースに対して順バイアスにすることによって空乏層をさらに小さくすることが考えられる。この場合は、FETオン時の各スタブ線路電極とグランド電極との間の抵抗がさらに小さくなるため、スイッチオフ時の遮断特性を向上させることができる。
また、1つのスタブの対あたりのスイッチオフ時の遮断特性を向上させることができるため、複数のスタブの対を用いるスイッチにおいても特性を向上させることができる。すなわち、例えば図18に示した高周波スイッチ50においてFETオン時にゲートを順バイアスにすることによって、より少ないスタブの対の数で同等のアイソレーション特性が得られるようになる。そして、スタブの対の数を少なくできるということは、その分だけ高周波スイッチの面積を小さくできることを意味する。また、スタブの対の数を少なくできるということは、その分だけスイッチオン時の挿入損失を小さくできることも意味する。そして、この効果は高周波スイッチ10や50のようなSPSTスイッチに限られるものではなく、図33に示す高周波スイッチ60のようなSPDTスイッチを含むSPxTスイッチにおいても同様に得ることができるものである。
ところで、上記の各実施例に示した高周波スイッチにおいては、オープンスタブ線路電極とショートスタブ線路電極の組みにおいて、ショートスタブ線路電極の方をオープンスタブ線路電極よりも長くしたものを示している。しかしながら、この点は一例にすぎず、特別な意味があるわけではない。当然ながら、オープンスタブ線路電極の方をショートスタブ線路電極よりも長くしても、あるいは両者を同じ長さにしても構わないものである。
最後に、図34に、本発明の電子装置の一実施例のブロック図を示す。図34において、電子装置70はレーダー装置で、送受信回路71、高周波スイッチ72、および4つのアンテナ73、74、75、76から構成されている。このうち、高周波スイッチ72は、上述のような本発明のSPST方式の高周波スイッチを4つ内蔵した1入力4出力の高周波スイッチで、各内蔵スイッチは1つずつ順にオン状態になり、オン状態の内蔵スイッチを介して送受信回路71といずれかのアンテナが接続され、信号の送信および受信がなされる。4つのアンテナ73、74、75、76はいずれもその指向方向が異なっており、高周波スイッチ72の内蔵スイッチを切り換えることによって4つの方向に関するレーダーとして動作させることができる。
このように構成された電子装置70においては、本発明の高周波スイッチ72を用いているために、スイッチオン時の挿入損失が少ないために信号の損失を少なくして低消費電力化を図ることができる。また、スイッチオフ時の遮断特性に優れているために、異なる方向にレーダー波を放射したり異なる方向の物体を検知するといった誤動作も少なくなる。
なお、図34においては電子装置としてレーダー装置を示したが、本発明の高周波スイッチを用いたものであればどのような電子装置であっても構わないものである。
10、30、40、50、60、61、62、100、100a、110、120、130、130a、130b、140、140a、140b、140c、150、150a、150b…高周波スイッチ
11…半導体基板
12…主線路電極
13、14、63、64、65…端子
15、31、33…ショートスタブ線路電極
16、32、34、151、152、153、154…オープンスタブ線路電極
17…グランド電極
18…主線路
19…ショートスタブ
20…オープンスタブ
21…半導体活性層
22、22a…ゲート電極
23、23a…ゲート電圧入力端子
24…空乏層
41、42、51、52、53、54…ショートスタブとオープンスタブの対
70…電子装置