JP4361536B2 - 高周波スイッチ - Google Patents
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Description
近年、高速のスイッチとしては、マイクロ波IC(MIC)を利用した小形でかつ高速の高周波スイッチが実現され、さらに接続線路とスイッチング素子とを半導体基板上に一体形成するMMIC(Monolithic Microwave IC)とすることによりスイッチの一層の高速化と小型化とが可能となってきている。
最も基本的な構成はGaAs基板上に形成されたSPDT(Single Pole Double Throw)スイッチである。SPDTスイッチは入力側接続線路から分岐点を介して2分岐され、各分岐に1個の単位スイッチが配設されている。単位スイッチは分岐信号線路とこの分岐信号線路にシャント接続されたスイッチング用FETとを備えている。
各分岐信号線路は、分岐点に近接してλ/4長さ(RF信号の使用帯域の波長をλとする)の伝送線路が接続され、この伝送線路を介してスイッチング用FETがシャント接続され、このスイッチング用FETの接続点より末端側に、スイッチオン時の整合回路が配設されている。この整合回路は例えば伝送線路とオープンスタブとから構成されている。
なおスイッチオンの状態というのは、入力側接続線路から信号が単位スイッチを経由して分岐信号線路の出力端に伝播される状態をいい、この状態においては単位スイッチのスイッチング用FETがオフの状態である。またスイッチオフというのは入力側接続線路からの信号が遮断されて分岐信号線路の出力端に伝播されない状態をいい、この状態においては単位スイッチのスイッチング用FETはオン(導通)の状態である。以下の説明においても、スイッチオンおよびスイッチオンを上述の意味で使用する。
このような構成のSPDTスイッチは、スイッチング用FETのゲート電極に所定の電圧が印加されることによりオンオフ制御が行われ、入力側接続線路から入力されたRF信号がいずれかの単位スイッチの出力端から出力されるようにスイッチング動作が行われる。
また他の公知例としては、RF共通ノード25と第1のRF入力ノード21との間にMOSFETトランジスタ23が接続され、またRF共通ノード25と第2の入力ノード22との間にMOSFETトランジスタ24が配設され、第1のRF入力ノード21と第2の入力ノード22とを二者択一的にRF共通ノード25に結合するとともに第1のRF入力ノード21とMOSFETトランジスタ23との間に分路トランジスタ27が、また第2の入力ノード22とMOSFETトランジスタ24との間に分路トランジスタ28がそれぞれ配設された構成の単極双投(SPDT)RFスイッチが開示されている。この単極双投RFスイッチの分路トランジスタ27および分路トランジスタ28はそれらの関連する入力ノードがRF共通ノード25と結合していないとき(すなわちそれらの関連する入力ノードへ接続されているスイッチングトランジスタ(23または24)がターンオフされているとき)、それぞれの関連したRF入力ノードを二者択一的にグランドへ分路するために働くことが開示されている(例えば特許文献2 段落番号[0011]〜[0012]、および図2参照)。
また他の公知例としては、共通端子と、この共通端子にそれぞれ分布定数線路を介して接続された一対の分岐端子とを有し、この分岐端子のいずれかと接地部位との間にピンダイオードやFETなどの半導体スイッチング素子が介在したSPDTスイッチにおいて、分布定数線路が共通端子や分岐端子が接続される高周波伝送系の特性インピーダンスに対して2の4乗根倍の特性インピーダンスを有し、且つ透過位相角を90度とした構成が開示されている(例えば特許文献3 段落番号[0012]、[0021]〜[0024]、図2および図4参照)。
このためスイッチの切り替えの際にインピーダンスがオープンあるいはショートとなる点が発生し、これに起因して場合によってはスイッチを包むパッケージ内で共振が発生することがある。パッケージ内で共振が発生するとレーダーや通信機器の動作に不具合が生じることがあるので、パッケージ内での共振を防ぐために線路の配置などを再構成しなければならず、余分な設計のための負荷が増加する。さらに共振の対策として場合によってはオン側端子とオフ側端子の間隔を拡げるなどの対策が必要となり、パッケージサイズの変更やそれに伴うコストの上昇などの問題点があった。
図1はこの発明の一実施の形態に係る高周波スイッチの回路図である。
図1において、この高周波スイッチ10は、一例として77GHz帯で動作する2分岐スイッチすなわちSPDTスイッチとしたもので、共通線路である入力側接続線路14aから分岐点14cを介して二つの単位スイッチ24X(X=1、および2)が配設されている。各単位スイッチ24Xは、λ/4伝送線路14gを含む信号線路14、FET16X(X=1、または2)、出力整合回路18、整合用FET20X(X=1、または2)、および制御回路22により構成されている。また基板としてのGaAs基板12に各回路要素が配設されている。
なお単位スイッチ24Xにおける各回路要素の符号に付けられた変数Xは単位スイッチの変数Xに対応して変化するものとする。たとえば図において単位スイッチが241(すなわち、24XにおいてX=1の場合)の場合には、その回路を構成する出力端である14eXは14e1であることを意味し、FET16XはFET161を意味する。また単位スイッチが242の場合(すなわち、24XにおいてX=2の場合)には、その回路を構成する出力端である14eXは14e2であることを意味し、FET16XはFET162であることを意味する。
また以下の説明では共通線路のノードを入力端とし、分岐信号線路の末端のノードを出力端として説明するが、共通線路のノードを出力端とし、分岐信号線路の末端のノードを入力端としてもよい。
スイッチング素子としてのFET16X(X=1、または2)は分岐信号線路14dと接地端との間にソース電極およびドレイン電極を介してシャント接続され、FET16Xのゲート電極に印加される制御電圧により、分岐信号線路14dと接地端とが電気的に接続または切断される。
FET16Xが分岐信号線路14dと接続された接続点14fと分岐点14cとの間にλ/4伝送線路14gが接続されている。λ/4伝送線路14gはこの高周波スイッチ10の使用帯域にあるRF信号の周波数の4分の一波長の長さ(すなわちRF信号の波長をλとするとλ/4長さ)を有している。
出力整合回路18は、例えば分岐信号線路14dに直列に接続された伝送線路18aと分岐信号線路14dにシャント接続された伝送線路であるスタブ18bとを備えている。
このスタブ18bは、このスタブ18bをオープンスタブとしたときに、このスタブ18bを有する単位スイッチ24Xの出力端14eXにおけるインピーダンスが高周波伝送系の回路の特性インピーダンスと整合するように形成されている。
さらに出力整合回路18のスタブ18bの末端と接地端の間にソース電極およびドレイン電極を介して、整合用半導体素子としての整合用FET20X(X=1、または2)が接続され、整合用FET20Xのゲート電極に印加される制御電圧により、スタブ18bと接地端とが電気的に接続または切断される。
整合用FET20Xは、その整合用FET20Xが含まれる単位スイッチ24Xがスイッチオフ時に高周波伝送系の特性インピーダンス、例えば50オーム、に整合させるオン抵抗となるゲート幅を有するFETである。整合用FET20Xのオン抵抗の抵抗値は40オームから80オーム程度に設定される。
FET16Xと整合用FET20Xは制御回路22により制御される。この制御回路22は、例えば制御入力端22aX(X=1、または2)とFET16Xのゲート電極とが抵抗22bを介して、また制御入力端22aXと整合用FET20Xのゲート電極とが抵抗22cを介して、接続されている。この実施の形態1の高周波スイッチ10においては、抵抗22bと22cとが制御入力端22aX側で接続され、この接続点がキャパシタ22dを介して接地端と接続されている。
従って、制御入力端22aXに入力される共通の制御信号がFET16Xと整合用FET20Xのゲート電極に印加され、FET16Xと整合用FET20Xは同様にオンまたはオフされる。
この場合、単位スイッチ241の制御回路22の制御入力端22a1にFET161および整合用FET201をともにオフ状態にする制御電圧を印加し、単位スイッチ242の制御回路22の制御入力端22a2にFET162および整合用FET202をともにオン状態にする制御電圧を印加しすることにより、入力側接続線路14aの入力端14bに印加されている信号を出力端14e1に伝播することができる。
図2はこの発明の実施の形態に係る高周波スイッチの動作状態における等価回路を示す模式図である。
図2において示されている等価回路は、単位スイッチ241がスイッチオンの状態であり、かつ単位スイッチ242がスイッチオフの状態である。
すなわち単位スイッチ241におけるFET161はオフ状態であり、容量Coff1を有するキャパシタ161aとインダクタ161bが直列に接続されたものと等価である。また単位スイッチ241における整合用FET201もオフ状態であり、容量Coff2を有するキャパシタ201aとインダクタ201bとが直列に接続されたものと等価である。
一方、単位スイッチ242におけるFET162はオン状態であり、オン抵抗R0n1を有する抵抗162aとインダクタ162bとが直列に接続されたものと等価である。また単位スイッチ242における整合用FET202もオン状態であり、オン抵抗R0n2を有する抵抗202aとインダクタ202bが直列に接続に接続されたものと等価である。
図3はこの発明の実施の形態に係る高周波スイッチのスイッチオン側の各ノードにおけるインピーダンスとその軌跡を示すスミスチャートである。
図3において、ノードP0は入力端14bに対応し、スイッチオン側の単位スイッチ241におけるノードA1はFET161が分岐信号線路14dと接続された接続点14fに、ノードA2は伝送線路18aの出力端14e1側の端部とスタブ18bの分岐信号線路14dへの接続点との間の点に、ノードP1は出力端14e1にそれぞれ対応している。
図3において、スイッチオン側の単位スイッチ241におけるインピーダンスの軌跡は50オームであるP0からスタートし、A1及びA2を経由して、P1は50オーム近傍に回帰する。これはスタブ18bがオープンスタブとして形成された場合に、オン時に50オームに整合するように形成されているためである。このためスタブ18bの先端に整合用FET201が配設されたとしても、ノードP1では50オーム近傍に回帰する。
図4において、曲線aは通過損失を、曲線bはノードP1すなわち出力端14e1における反射特性、曲線cはノードP0すなわち入力端14bにおける反射損失である。
FET161のオフ時の容量は整合用FET201のオフ時の容量よりも大きく、すなわちCoff1>Coff2となっている。通過損失はほぼCoff1により規定されるので、Coff1よりも小さなCoff2が加わっても、ほとんど影響しない。従ってスイッチオン側のRF特性を示すこれらの曲線は整合用FET201を設けない場合とほとんど変化はない。
ちなみに77GHzにおける各値を比較すると、整合用FET201を設けても設けなくても、通過損失は−1.2dB、出力端14e1における反射特性は−16dB、入力端14bにおける反射損失は−18dBであった。
図5において、ノードP0は入力端14bに対応し、スイッチオフ側の単位スイッチにおけるノードB1はFET162が分岐信号線路14dと接続された接続点14fに、ノードB2は伝送線路18aの出力端14e2側の端部とスタブ18bの分岐信号線路14dへの接続点との間の点に、P2は出力端14e2にそれぞれ対応している。
図5において、スイッチオフ側の単位スイッチ242におけるインピーダンスの軌跡は50オームであるP0からスタートし、B1及びB2を経由して、P2に移動する。このとき、整合用FET202を設けない場合では、破線で示した軌跡を経由し50オームから大きく外れたP2に移動する。
しかしスタブ18bの先端と接地端との間に整合用FET202を設けることにより抵抗値R0n2のオン抵抗202aが挿入されることとなり、抵抗値R0n2の値を調整することにより、実線で示された軌跡を経由して50オーム近傍のP2に回帰させることが可能となる。
図6において、曲線aは入力端14bとスイッチオフ側の出力端14e2との間のアイソレーションを、曲線bはノードP2すなわちスイッチオフ側の出力端14e2における反射特性、曲線cはノードP0すなわち入力端14bにおける反射損失である。
また比較のために、整合用FET202を設けない場合のノードP2すなわちスイッチオフ側の出力端14e2における反射特性を示す曲線m、及び整合用FET202を設けない場合の入力端14bとスイッチオフ側の出力端14e2との間のアイソレーションを示す曲線nを記載している。
また矢印で示されたAは77GHzにおける曲線mの値と曲線bの値との差を示し、矢印で示されたBは77GHzにおける曲線nの値と曲線aの値との差を示す。
ちなみに77GHzにおける曲線mの値は−5dBであり、曲線bの値は−13dBである。従って整合用FET202を設けることによりスイッチオフ側の出力端14e2における反射損失が8dB低減されている。
このようにスイッチオフ時の反射特性が改良されることにより、この高周波スイッチ10の回路構成を組み込んだパッケージにおいては、スイッチ切り替え時におけるインピーダンスの急激な変化に起因するパッケージ内での共振が起きにくくすることができる。
延いては信頼性が高くなるとともに共振を防止するための再設計などの設計負荷が少なくなり、コストの上昇を抑制することができる。
また図6において、77GHzにおける曲線nの値は−26dBであり、曲線aの値は−34dBである。従って整合用FET202を設けることにより入力端14bとスイッチオフ側の出力端14e2との間のアイソレーションが8dB改良されている。
この変形例1に係る高周波スイッチは基本的には高周波スイッチ10と同様の構成であるが、スイッチング素子としての半導体素子と整合用半導体素子とを個別の制御入力端に接続し、整合用半導体素子の制御電圧をスイッチング素子としての半導体素子とは分離し、任意に制御電圧を印加可能にして、整合用半導体素子のオン電圧を調整可能にしたものである。
図7はこの発明の一実施の形態に係る高周波スイッチの変形例の回路図である。
図7において、高周波スイッチ30は基本構成は高周波スイッチ10と同じであるが、スイッチング素子としてのFET16Xおよび整合用半導体素子としての整合用FET20Xを制御する制御回路が相違している。
高周波スイッチ10の制御回路22においては、制御入力端22aXとFET16Xのゲート電極とが抵抗22bを介して、また制御入力端22aXと整合用FET20Xのゲート電極とが抵抗22cを介してそれぞれ接続され、これらの抵抗22bと22cとが制御入力端22aX側で接続されている。従って一つの制御信号によりFET16Xと整合用FET20Xとが制御されている。
これに対して高周波スイッチ30の制御回路32においては、制御入力端32aXとFET16Xのゲート電極とが抵抗32bを介して接続され、また制御入力端32aXと抵抗32bとの間においてキャパシタ32cが接地端との間でシャント接続されている。
一方、制御入力端32dXが制御入力端32aXと独立に設けられ、制御入力端32dXと整合用FET20Xのゲート電極とが抵抗32eを介して接続されている。
従って各単位スイッチ24Xは、λ/4伝送線路14gを含む信号線路14、FET16X、出力整合回路18、整合用FET20X、および制御回路32により構成されている。
従って高周波スイッチ30においては、高周波スイッチ10の効果に加えて、制御入力端32d2の制御電圧を調整し整合用FET202のゲート電極への印加電圧を変えることにより、スイッチオフ側の出力端14e2、すなわち図2におけるノードP2のインピーダンスをきめ細かく調整することができる。
この高周波スイッチ30の回路構成を組み込んだパッケージにおいては、パッケージ内で共振が発生した場合スイッチオフ時の制御入力端32d2の制御電圧を調整することにより、パッケージ内の共振を抑制することができる。
図8はこの発明の実施の形態に係る高周波スイッチの変形例のスイッチオフ側の各ノードにおけるインピーダンスとその軌跡を示すスミスチャートである。
図8において、スイッチオフ側の単位スイッチ242におけるインピーダンスの軌跡は50オームであるP0からスタートし、B1及びB2を経由して、P2に移動する。
このとき、制御入力端32d2の制御電圧を調整し整合用FET202のゲート電極への印加電圧を変えることにより、ノードP2のインピーダンスをP21またはP22にきめ細かく調整することができる。
変形例2に係る高周波スイッチは基本的には高周波スイッチ30と同様の構成であるが、スイッチング素子および整合用半導体素子としてFETに変えてダイオードを用いたものであり、そのほかの回路構成の変更はダイオードに変えたために発生したものである。
図9はこの発明の一実施の形態に係る高周波スイッチの他の変形例の回路図である。
図9において示されるように、高周波スイッチ30との構成上の相違点は、高周波スイッチ35においては、分岐点14cとλ/4伝送線路14gとの間に直流遮断のキャパシタ38が配設され、FET16Xに替えてダイオード40X(X=1、または2)を用いて分岐信号線路14dと接地端との間にアノードを分岐線路と接続しカソードを接地端に接続してシャント接続されている。さらに整合用FET20Xに替えて整合用ダイオード42X(X=1、または2)が用いられている。この整合用ダイオード42Xは直流遮断用のキャパシタ44を介してスタブ18bと接続され、カソードを接地端側にしてスタブ18bと接地端の間に接続されている。
ダイオード40Xは出力端14eXから所定の電圧を印加することにより接地端との短絡あるいは切断が制御され、整合用ダイオード42Xは整合用ダイオード42Xのアノードとキャパシタ44との間に設けられた制御入力端46Xから所定の電圧を印加することにより接地端との短絡あるいは切断が制御される。
従って、各単位スイッチ24Xは、λ/4伝送線路14gを含む信号線路14、キャパシタ38、ダイオード40X、出力整合回路18、整合用ダイオード42X、および制御入力端46Xにより構成されている。
この構成においても整合用ダイオード42Xのオン抵抗を適切に設定することにより、スイッチオフ側の出力端出力端14e2のインピーダンスを高周波伝送系の所定の特性インピーダンス、例えば50オーム近傍に調整することができる。従って高周波スイッチ10や高周波スイッチ30と同様の効果を奏する。
また以上の説明では単位スイッチを2個備えたSPDSスイッチについて説明したが、単位スイッチの数をさらに多くした場合においても同様の効果を有する。
さらにまた以上の説明では、高周波回路素子を構成する回路要素をGaAs基板上に構成した例を用いて説明したが必ずしもGaAs基板ではなくてもよく、例えば誘電体基板でもよい。また高周波スイッチは必ずしも一つの共通基板上に構成される必要はない。
この実施の形態に係る高周波スイッチは、スイッチオンの際に出力端のインピーダンスが高周波伝送系の所定の特性インピーダンスに整合するように設定されたスタブ18bの先端と接地端との間に整合用半導体素子としてのFETやダイオードを挿入し、スイッチオフの際、すなわちスイッチング素子としてのFETやダイオードがオンされるときに、整合用半導体素子としてのFETやダイオードも同様にオン状態にすることにより、このオン抵抗でスイッチオフ側の出力端のインピーダンスを高周波伝送系の所定の特性インピーダンス近傍になるように調整するものである。これによりスイッチオフしている側の出力ノードにおける反射損失を低減することができる。延いてはスイッチ切り替え時に発生し易いパッケージ内での共振が抑制される。またパッケージ内で強震が起きたとしても容易に対策がとれる構成にすることができる。
さらに入力端とスイッチオフ側の出力端との間のアイソレーションも向上させることができる。
またスイッチング素子の制御電極と整合用半導体素子の制御電極とが電気的に分離され、個別に第1の制御信号および第2の制御信号がそれぞれの制御電極に印加可能としたことにより、スイッチング素子とは独立に整合用半導体素子のオン抵抗を調整することができ、スイッチオフ側の出力端のインピーダンスをきめ細かく調整することができる。
実施の形態2は実施の形態1で示された高周波スイッチの構成を一つのGaAs基板上に構成し、入力端、出力端、制御入力端にそれぞれ端子を設け、スイッチMMICを構成したものである。
図10はこの発明の一実施の形態に係るスイッチMMICの回路図である。
図10において、スイッチMMIC50の回路構成は実施の形態1における高周波スイッチ10と同じであるが、半導体基板としての一つのGaAs基板12上に回路要素を構成する各素子を形成するとともに、入力側接続線路14aの入力端14bに入力端子52を、単位スイッチ24Xの出力端14eXに出力端子54X(X=1、または2)を、制御入力端22aXに制御入力端子56X(X=1、または2)をそれぞれ設け、これらの端子をGaAs基板12の辺縁に配設したものである。他の構成は高周波スイッチ10と同じである。
スイッチMMIC50においては、回路要素の各素子を一体的にMMICとして構成することにより、スイッチ素子としての製造が容易になるとともに、小形化され、パッケージサイズの縮小やコスト低減に有効である。
図11においては、スイッチMMIC55は共通線路である入力側接続線路14aから分岐点14cを介して三つの単位スイッチ24X(X=1、2、および3)、つまり単位スイッチ241、単位スイッチ242および単位スイッチ243が90度間隔で3方向に配設されている。単位スイッチ24XはスイッチMMIC50の単位スイッチ24Xと同じ構成である。
単位スイッチの個数に対応し、出力端子54X(X=1、2、および3)つまり出力端子541、542,および543、と制御入力端子56X(X=1、2、および3)、つまり制御入力端子561,562,及び563が配設されている。
図12はこの発明の一実施の形態に係るスイッチMMICの回路図である。
図12においては、スイッチMMIC60は共通線路である入力側接続線路14aから分岐点14cを介して五つの単位スイッチ24X(X=1、2、3、4、および5)すなわち単位スイッチ241,242,243,244,および245が配設されている。各単位スイッチ24XはスイッチMMIC50の単位スイッチ24Xと同じ構成である。
単位スイッチの個数に対応し、出力端子54X(X=1、2、3、4,および5)と制御入力端子56X(X=1、2、3、4,および5)が配設されている。
一般にn分岐スイッチをGaAs基板上に形成しMMICとして構成する場合には、4分岐以上になると、すなわちn≧4となると、RF端子がGaAs基板の同一辺のチップ辺縁に少なくとも2端子以上配置される構成となる。例えばスイッチMMIC60でいえば、出力端子541と出力端子544とがチップを構成するGaAs基板の同一辺縁に隣接して併置され、出力端子542と出力端子545とがチップを構成するGaAs基板12の同一辺縁に隣接して併置されている。従ってこれらの端子間のアイソレーションを考慮しなければならない。
図13において、曲線aはスイッチMMIC60のRF端子である出力端子541と出力端子544について、例えば77GHzのRF信号における出力端子間の距離に対するアイソレーションの関係の計算結果である。なお比較のために、スイッチMMIC60の単位スイッチから整合用FET20Xを除去した場合の出力端子541と出力端子544について、77GHzのRF信号における出力端子間の距離に対するアイソレーションの関係を求めた計算結果を破線で示された曲線bとして記載する。
77GHzのRF信号の場合、整合用FET20Xを備えていない従来の場合では、30dB以上の端子間アイソレーションを確保するためには500μm以上の間隔を設ける必要があったが、スイッチMMIC60の場合では端子間隔が300μmで30dBのアイソレーションが確保されるので、MMICのチップサイズの小形化に有効である。
なお、この実施の形態2の説明では、実施の形態1の高周波スイッチ10の単位スイッチを使用した構成について説明したが、実施の形態1において説明した他の構成の単位スイッチを用いても同様の効果がある。
以上のようにこの発明に係る高周波スイッチは、信号線路が配設された基板が半導体基板であって、この半導体基板上にスイッチング素子、出力整合回路、および整合用半導体素子がともに配設されたもので、高周波スイッチが半導体基板上に一体的に構成され、また出力端子間のアイソレーションが向上するためにチップの小形化が可能になり、延いては安価で信頼性の高い高周波スイッチを構成することができる。
Claims (6)
- 基板と、
この基板上に配設され、共通線路とこの共通線路から分岐点を介して2以上に分岐された分岐線路とを有するとともにそれぞれの分岐線路の一部に、この分岐線路を伝播する信号の4分の1波長の長さの伝送線路を有する信号線路と、
この信号線路の上記分岐点から見て上記伝送線路より末端側の上記分岐線路と接地端との間にシャント接続され、この分岐線路と接地端とを制御電極に印加される第1の制御信号により電気的に接続または切断を行うスイッチング素子と、
上記信号線路の分岐点から見て上記スイッチング素子の接続点よりも末端側の上記分岐線路に配設され、上記分岐線路にシャント接続されたスタブを含む整合回路と、
この整合回路の上記スタブと接地端との間に接続され、上記スイッチング素子の接続または切断と同様に対応して制御電極に印加される第2の制御信号により上記スタブと接地端との間を接続または切断を行う整合用半導体素子と、
を備えた高周波スイッチ。 - スイッチング素子の制御電極と整合用半導体素子の制御電極とが電気的に接続されたことを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチ。
- スイッチング素子の制御電極と整合用半導体素子の制御電極とが電気的に分離され、個別に第1の制御信号および第2の制御信号がそれぞれの制御電極に印加可能としたことを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチ。
- スイッチング素子および整合用半導体素子が電界効果型トランジスタまたはダイオードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高周波スイッチ。
- スイッチング素子および整合用半導体素子が共に電界効果型トランジスタであって、整合用半導体素子のゲート幅がスイッチング素子のゲート幅よりも小さいことを特徴とする請求項4記載の高周波スイッチ。
- 信号線路が配設された基板が半導体基板であって、この半導体基板上にスイッチング素子、整合回路、および整合用半導体素子がともに配設されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高周波スイッチ。
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