JP4547825B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、故障診断を行える田植機に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動制御用のマイコン付農業機械が開発され、多くの農家において使用され普及されるに至っている。作業中(或は試運転中)、当該農機の自動制御関係に不具合が生じると作業者はその旨を営業所(或は販売会社)に連絡する。すると、その営業所ではサ−ビスマンがマイコンチェッカ−等を持って現地に出向いて行って診断するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、自動制御用コントロ−ラ(マイコン)に電話回線を接続し、営業所等の情報処理施設の指定された番号へ電話をかけることで、コントロ−ラからデ−タを情報処理施設のパソコンに電話回線を通じて送信し、マイコンの状態を遠隔地にて診断できるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、変速レバー(19)を備える車体(1)を設け、昇降シリンダ(16)により昇降する苗植付部(7)を車体(1)の後側に連結し、苗植付部(7)の昇降制御及び苗植付部(7)への動力伝達を入り切り制御する昇降・作業スイッチ(25,26)を変速レバー(19)のグリップ部(19a)に設け、昇降・作業スイッチ(25,26)は、上昇スイッチ(25U)と下降スイッチ(25D)とで構成し、押込みによって苗植付部(7)を下降し押込解除で苗植付部(7)の下降を停止する下降専用の下げ釦(29)を、下降スイッチ(25D)とは別に変速レバー(19)のグリップ部(19a)に設け、軸(37)回りに回動する位置決めカム(38)を設け、該位置決めカム(38)を駆動するアクチュエータ(22)を備え、該アクチュエータ(22)の駆動で回動するラックギヤ(35)を設け、該ラックギヤ(35)の回動位置を検出するアクチュエータセンサ(53)を設け、位置決めカム(38)の外周部の各係合位置に係合するカムローラ(40)を揺動アーム(39)に設け、カムローラ(40)を位置決めカム(38)側へ弾発するばね(42)を設け、位置決めカム(38)は、苗植付部(7)を昇降させないで苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする中立位置(N)、苗植付部(7)を下降させるが苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする下げ植付切位置(A)、苗植付部(7)を下降させ苗植付部(7)への動力伝達を入りの状態にする下げ植付入位置(B)、及び苗植付部(7)を非苗植位置へ上昇させ苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする上げ位置(C)の各係合位置にカムローラ(40)を係合させて切替わる構成とし、昇降・作業スイッチ(25,26)の操作によりコントローラ(24)からの出力でアクチュエータ(22)を作動する構成とし、コントローラ(24)に携帯電話(PT)を接続可能なカプラー(67)を設けて、コントローラ(24)を遠隔地にある情報処理施設に設置されたパソコン(PC)に電話回線で接続可能に設け、故障箇所を診断するためにアクチュエータセンサ(53)に関する情報を含むコントローラ(24)からのデ−タを、情報処理施設のパソコン(PC)に送信する構成とした田植機とする。これによって、1箇所集中でマイコンの診断が可能なため、専門の知識を有する技術者を多く必要としない。また、機械故障時、それが電気的か機械的かを遠隔地にて診断可能なため、修理の際にはその故障に対応した部品等を前以て持参することができ、修理時間を大幅に短縮することができる。
【0005】
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、上昇スイッチ(25U)を押込毎に上昇と上昇停止とに切替える上昇釦(27)で構成し、下降スイッチ(25D)を押込毎に下降と下降停止とに切替える下降釦(28)で構成し、位置決めカム(38)と一体回動する苗植昇降レバー(33)を設け、苗植付部(7)の昇降制御及び苗植付部(7)への動力伝達を入り切り制御するフィンガップレバー(32)をステアリングハンドル(5)の近くに設け、フィンガアップレバー(32)のフィンガップレバースイッチ(32S)のスイッチ接点である上げスイッチ(Su)及び下げスイッチ(Sd)と上昇スイッチ(25U)及び下降スイッチ(25D)とを並列回路に構成し、フィンガアップレバー(32)を上側に一回引き上げる毎に上げスイッチ(Su)をONし、フィンガアップレバー(32)を下側へ一回押し下げる毎に下げスイッチ(Sd)をONし、コントローラ(24)からの間欠的出力によってアクチュエータ(22)を一定出力回動させ、位置決めカム(38)を一ピッチ毎回動させて中立位置(N)、下げ植付切位置(A)、下げ植付入位置(B)及び上げ位置(C)に切り替える構成とした請求項1に記載の田植機とする。
【0006】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、変速レバー(19)のグリップ部(19a)に設けた上昇スイッチ(25U)と下降スイッチ(25D)とにより、苗植付部(7)の昇降制御及び苗植付部(7)への動力伝達を入り切り制御できる。また、変速レバー(19)のグリップ部(19a)に設けた下降専用の下げ釦(29)により、押込みによって苗植付部(7)を下降し、押込解除で苗植付部(7)の下降を停止することができる。更に、上昇スイッチ(25U)と下降スイッチ(25D)の操作によりコントローラ(24)からの出力でアクチュエータ(22)を作動し、該アクチュエータ(22)の駆動でラックギヤ(35)を回動し、該ラックギヤ(35)の回動位置をアクチュエータセンサ(53)で検出し、位置決めカム(38)を、苗植付部(7)を昇降させないで苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする中立位置(N)、苗植付部(7)を下降させるが苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする下げ植付切位置(A)、苗植付部(7)を下降させ苗植付部(7)への動力伝達を入りの状態にする下げ植付入位置(B)、及び苗植付部(7)を非苗植位置へ上昇させ苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする上げ位置(C)の各係合位置にカムローラ(40)を係合させて切替える。そして、コントローラ(24)にカプラー(67)を介して携帯電話(PT)を接続すれば、コントローラ(24)を遠隔地にある情報処理施設に設置されたパソコン(PC)に電話回線で接続でき、故障箇所を診断するためにアクチュエータセンサ(53)に関する情報を含むコントローラ(24)からのデ−タを、情報処理施設のパソコン(PC)に送信でき、電話回線を通じてマイコンの情報を診断することができるので、診断結果により故障原因が分かると需要者に電話で修理の仕方を指導したり、また、対応部位等を持ってサ−ビスマンが現地に出向いて速やかに対応処理することができる。
【0007】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加えて、上昇釦(27)を押込む毎に上昇と上昇停止とに切替え、下降釦(28)を押込む毎に下降と下降停止とに切替える。苗植昇降レバー(33)により、位置決めカム(38)を一体回動させて苗植付部(7)の昇降制御及び苗植付部(7)への動力伝達を入り切り制御できる。ステアリングハンドル(5)の近くに設けたフィンガアップレバー(32)により、アクチュエータ(22)を駆動し、位置決めカム(38)を駆動できる。また、位置決めカム(38)を一ピッチ毎回動させて中立位置(N)、下げ植付切位置(A)、下げ植付入位置(B)及び上げ位置(C)に切り替える。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1、図2は、農業機械の一例である乗用田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前車輪2,2及び後車輪3,3が架設されている。車体上前部に操作ボックス4及びステアリングハンドル5等を有する操縦装置がステップ6上に設置され、車体後方部には昇降可能な苗植付部7が装備されている。操作ボックス4の後側に運転席8が設置され、運転席の下側に田植機の各部に動力を伝達するエンジン9が搭載されている。
【0009】
車体1の走行は、エンジン9の駆動によってHST(油圧無段変速装置)10の主変速装置やミッションケ−ス11内の副変速装置等を経て前車輪2,2、後車輪3,3を駆動させて走行できる構成としている。
【0010】
苗植付部7は、左右に往復動する苗載タンク12、1株分の苗を切取って土中に植込む植込杆を有する植付装置13、苗植付面を整地するフロ−ト14等からなる。
【0011】
苗植付部7の昇降は、車体1の後側に昇降リンク機構15を介して作業装置を連結し、昇降シリンダ16の伸縮によって昇降させて、非作業位置に上昇したり、対地作業位置に下降したりすることができる。また、苗植付部7への動力伝達は、前記エンジン9からPTO軸17を介して行われ、このPTO軸17の伝動を入り切りするPTO(植付)クラッチ18を介して行われる。
【0012】
前記HST10は、運転席8の右側に設けられる変速レバ−19によって変速操作される。この変速レバ−19を中立位置に操作したときは、走行駆動動停止状態として、変速レバ−19を前側へ操作することによって前進高速状態とし、中立位置から後側へ操作することによって後進高速状態として、変速レバ−19の傾斜角度に応じて前、後進速度を増減速することができる。
【0013】
また、副変速レバ−20は、操作ボックス4の側部に設けられている。
前記昇降シリンダ16を伸縮する油圧回路の昇降制御弁21と、PTOクラッチ18とが電動モ−タ22M乃至ステッピングモ−タ等によるアクチュエ−タ22によって操作駆動機構23を介して連動される。このアクチュエ−タ22は、前記変速レバ−19のグリップ部19aに設けられる後記の昇降・作業スイッチ25,26等のON,OFF操作によってコントロ−ラ24からの出力によって作動される。
【0014】
変速レバ−19のグリップ部19aには苗植付部7の昇降制御及び苗植付部への動力伝達を入り切り制御する昇降・作業スイッチ25,26を設けてあり、車速変速から苗植付部7の昇降、植付伝動にわたる一連の操作をグリップ部19aから把持手の持ち替えをなくして、又は、変速操作しながらの昇降操作や植付伝動操作が行なえるようにしている。
【0015】
変速レバ−19を操作することによってHST10を操作して田植機の車速を変更することができる。オペレ−タは、この変速レバ−19のグリップ部19aを把持した状態で、昇降・作業スイッチ25の上昇スイッチ25U又は下降スイッチ25Dを操作することにより、アクチュエ−タ22を出力させて、操作駆動機構23を介して昇降制御弁21を切替えて昇降シリンダ16を伸縮し、苗植付部7を車体に対して昇降させることができる。又、昇降・作業スイッチ26が操作されることにより、該アクチュエ−タ22を作動させて操作駆動機構23を介して、PTOクラッチ18が入り切り作動されて、この苗植付部7を駆動することができる。
【0016】
前記昇降・作業スイッチ26は、昇降・作業スイッチ25の下降スイッチ25Dと独立の構成とすることができるが、図例ではアクチュエ−タ22や操作駆動機構23を昇降制御弁21の連動と共用化する形態であるから、この昇降・作業スイッチ26をも下降スイッチ25Dと共用化することもできる。この場合は、昇降シリンダ16の昇降位置を検出するリフトリンクセンサ(昇降センサ)30、又はセンタフロ−ト14Cの上下による接地センサ(フロ−トセンサ)31の検出によって、苗植付部7が一定の作業位置に下降した状態のとき、PTOクラッチ18が入りに作動されて苗植作業を行う構成としている。
【0017】
前記昇降・作業スイッチ25は、押込毎に上昇と上昇停止とに切替える上昇釦27と、押込毎に下降と下降停止とに切替える下降釦28とを有し、該上昇釦27と下降釦28の押込毎に各々上昇とこの上昇停止、下降とこの下降停止に切替えることができる。
【0018】
また、前記グリップ部19aには押込みによって下降し、押込解除で下降を停止する前記下降釦28とは別の下降専用の下げ釦29が設けられている。
【0019】
ステアリングハンドル5の近くには、前記昇降・作業スイッチ25,26と同じ機能をもつ構成、即ち、前記苗植付部7の昇降制御及び該苗植付部7への動力伝達を入り切り制御するフインガップレバ−32が設けられている。このフインガップレバ−32を上げ下げ操作することにより、アクチュエ−タ22を出力させて、操作駆動機構23を介して昇降制御弁21を切替えて昇降シリンダ16を伸縮し、苗植付部7を車体に対して昇降させることができる。又、同時にフインガップレバ−32が上げ下げ操作されることにより、該アクチュエ−タ22を作動させて操作駆動機構23を介して、PTOクラッチ18が入り切り作動されて、この苗植付部7を下降時の作業位置において駆動し、上昇時の非作業時においてはその駆動を断つことができる。
【0020】
フインガップレバ−32と昇降・作業スイッチ25,26による操作回路は、スイッチ接点を並列回路で入力するように構成している。つまり、フインガップレバ−スイッチ32Sの上げ下げスイッチSu,Sdと、昇降・作業スイッチ25,26の上昇・下降作業スイッチ25U,25Dとが並列回路に構成される。
【0021】
通常は、ステアリングハンドル5の操作により機体の進行方向を修正しながら走行作業を行い、そして、畦際に至って機体を大きく旋回するときには、オペレ−タはこのステアリングハンドル5近くのフインガップレバ−32を持って速やかに操作することができ、苗植付部7を車体に対して昇降させたり、苗植付部の伝動を入り切り制御することができる。
【0022】
前記アクチュエ−タ22によって駆動される操作駆動機構23は前記昇降制御弁21とPTOクラッチ18とを駆動すると共に、運転席8横側の手動操作用の苗植昇降レバ−33をも駆動できる構成としている。
【0023】
このアクチュエ−タ22の電動によって操作駆動機構23であるピニオン34と噛合のラックギヤ35を、車体と一体の構成部材であるブラケット36に設けられる軸37回りに回動自在に軸支している。また、この軸37には、手動操作機構である苗植昇降レバ−33と一体の位置決めカム38が回動自在に設けられる。この位置決めカム38の外周部には揺動ア−ム39のカムロ−ラ40が摺接可能に嵌合されて、この位置決めカム38の回動位置を係止したり、回動自在の状態に係止解除することができる。41は揺動ア−ム39の支軸、42はカムロ−ラ40を位置決めカム38側へ弾発するばねである。
【0024】
苗植昇降レバ−33には、クラッチカムア−ム43が一体に設けられていて、このクラッチカムア−ム43によって苗植作業装置7への伝動のPTOクラッチ(植付クラッチ)18のカムを押圧して、PTOクラッチ18の入り切りを行わせることができる。また、この苗植昇降レバ−33にはバルブア−ム44が設けられて、前記昇降制御弁21のスプ−ルを押圧して、昇降リンク機構15を中立位置から下げ位置や上げ位置へ切替するように操作できる。
【0025】
このような苗植昇降レバ−33のア−ム45と位置決めカム38と一体のア−ム46との間に位置決め遊動機構47を構成するピン48とこれを嵌合する長穴49とが設けられる。ピン48をア−ム46に固定し、長穴49をア−ム45に形成している。
【0026】
アクチュエ−タ22による操作機構の駆動は、コントロ−ラ24からの出力によって行われる。また、このコントロ−ラ24の入力側には、操作スイッチや、センサスイッチ、制御プログラム等が入力される。操作スイッチとしては、前記昇降・作業スイッチ25,26、下げスイッチ50、フインガップレバ−32の操作によるスイッチ32S等があり、制御出力としては、エンジンスイッチ51のOFFによる場合があり、センサスイッチによる場合としては、苗植付部7が下降されて苗植作業位置にあることを検出するセンタフロ−ト14Cの接地による接地センサ31、昇降リンク機構15の昇降位置を検出するリフトリンクセンサ30、バックリフト入切レバ−の入りにおける後退制御の後進位置センサ52入りの場合、また、車体の左右傾斜検出結果に基づきロ−リングシリンダ60の作動により苗植付部7をロ−リング制御するロ−リングセンサ61(図9参照)、左右のブレ−キペダル62L,62Rの所定以上の踏込操作でブレ−キ弁63を作動させ、左右の後輪3,3を制動する左右のペダルセンサ64L,64R、ステアリングハンドル5の所定以上の旋回操作で左右の後輪3,3のうち、旋回側の後輪を制動するステアリングセンサ65(図9参照)等の場合がある。
【0027】
また、前記ラックギヤ35の回動位置を検出するアクチュエ−タセンサ53がブラケット36に取り付けられる。該ラックギヤ35と一体に回動される伸縮自在のア−ム54の先端が、アクチュエ−タセンサ53のセンサア−ム55のピン溝に係合されて、ラックギヤ35と共にア−ム54が回動されると、これに係合されるセンサア−ム55が回動されて、アクチュエ−タセンサ53がこのラックギヤ35の回動角度を検出する。
【0028】
苗植昇降レバ−33による操作では、クラッチカムア−ム43やバルムア−ム44が回動されて、PTOクラッチ18や昇降制御弁21が作動されて、中立位置Nから下げ植付切位置A、及び下げ植付入位置B、また、上げ位置Cへ切替えることができる。これらの各位置N,A,B,Cでは位置決めカム38の各係合位置にカムロ−ラ40が係合される。このとき、アクチュエ−タ22は回転自在の状態にあってラックギヤ35の回動によってピニオン34が回転されても大きい抵抗とはならない。
【0029】
すなわち、中立位置Nでは、苗植付部7は昇降されないで、苗植付部7へのPTOクラッチ18も切りの状態にある。下げ植付切位置Aでは、苗植付部7は下降されるが、このPTOクラッチ18が切りにあって苗植えを行うことはできない。下げ植付入位置Bでは、苗植付部7は下降されていて、このPTOクラッチ18が入りにあって苗植えを行うことができる。また、上げ位置Cでは、苗植作業装置7が非苗植位置へ上昇して、このPTOクラッチ18も切りの状態にある。
【0030】
フインガップレバ−32の操作によるときは、このフインガップレバ−32を上側に一回引き上げる毎にスイッチ32Sを上げ位置にON(上げ接点Su)して、コントロ−ラ24からの間欠的出力でアクチュエ−タ22を一定出力回動させて、バルムア−ム44や位置決めカム38等を一ピッチ毎上昇方向へ回動させる。この一ピッチは、この位置決めカム38におけるカムロ−ラ40の各係合位置間隔として設定している。
【0031】
また、逆にフインガップレバー32を下側へ一回押し下げる毎にスイッチ32Sを下げ位置にON(下げ接点Sd)して、バルムア−ム44や位置決めカム38等を一ピッチ毎下降方向へ回動させる。
【0032】
なお、図8中、上げ位置スイッチ56は、苗植付部7の昇降リンク機構が最上位置にあることを検出するセンサであり、変速レバ−19部の上昇スイッチ25U又はフインガップレバ−32の所定以上の上げ操作で、機体の左右両側に設けられたマ−カ57の張り出し方向が切り替えられるようになっている。このマ−カ57は、機体の外側方に張り出す位置と機体側に収納する位置とに切り替え自在に構成してあり、苗植付作業中、例えば、往路で右側のマ−カが張り出し位置で作用しているときには、復路では左マ−カが張り出し位置となるようマ−カ左SOL59を作動させて切り替え、また、往路で左側のマ−カが張り出し位置で作用しているときには、復路では右マ−カが張り出し位置となるようマ−カ右SOL58を作動させて切り替える構成である。
【0033】
以上のように構成された乗用田植機等の農業機械において、圃場での田植作業中にあって、例えば、該田植機の自動制御部に故障が生じた場合、オペレ−タ−は、まず、図4に示すように、コントロ−ラ24のメインハ−ネス部66に設けたカプラ−67に自己所有の携帯電話PTを接続する。そして、営業所の指定された番号へ電話をかけて、デ−タ送信スイッチ68を押す。すると、コントロ−ラ24は、携帯電話PTの企画にあったデ−タ変換を行いデ−タを送信する。そして、送信されたデ−タは電波から電話回線を通じて営業所のパソコンPCに送信されることになる。これによって、サ−ビスマン或は技術者は、営業所内において、マイコンの情報を診断することができる。
【0034】
例えば、田植機の苗植付部のロ−リング角が大きく傾いてしまい、補正ダイヤルでも補正できないことがある。このような場合は、ロ−リングの初期設定にずれがあることに原因がある。
【0035】
そこで、対応としては前述のような機械故障診断システムを利用してマイコンの情報を診断する。診断結果として、「ロ−リングの初期値が著しくずれている。」ことが判明した場合には、現地のオペレ−タにセンサ値初期設定の方法を指示する。又は、本機を平地に上げ、苗植付部を手動にて水平にしてもらい、営業所のパソコンPCにて初期設定を行う(初期設定を更新する)。
【0036】
また、例えば、苗植昇降レバ−33が動かない場合は、原因としてアクチュエ−タセンサ53の破損が考えられるが、対応として前述と同じように機械故障診断システムにてマイコンの情報を診断する。この時、「アクチュエ−タセンサ53の値が情報として送信されてこない。」場合には、現地のオペレ−タにアクチュエ−タセンサ53のカプラ−が外れていないか確認してもらう。カプラ−が外れていない場合は、アクチュエ−タセンサ53の破損若しくは断線が考えられるため、営業所にて必要部品を持って現場にサ−ビスマンが急行する。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の側面図
【図2】田植機の平面図
【図3】農業機械の故障診断システムのブロック図
【図4】同上故障診断システムのブロック図
【図5】変速レバ−部の正面図と側面図
【図6】伝動経路のブロック図
【図7】操作制御ブロック図
【図8】操作制御ブロック図
【図9】操作制御ブロック図
【図10】操作駆動機構部の側面図
【図11】同上正面図
【符号の説明】
1:車体、5:ステアリングハンドル、7:苗植付部、16:昇降シリンダ、19:変速レバ−、19a:グリップ部、22:アクチュエ−タ、24:コントロ−ラ、25,26:昇降・作業スイッチ、25U:上昇スイッチ、25D:下降スイッチ、27:上昇釦、28:下降釦、29:下げ釦、32:フィンガップレバー、32S:フィンガップレバースイッチ、33:苗植昇降レバー、35:ラックギヤ、37:軸、38:位置決めカム、39:揺動アーム、40:カムローラ、42:ばね、53:アクチュエータセンサ、67:カプラ−、A:下げ植付切位置、B:下げ植付入位置、C:上げ位置、N:中立位置、PT:携帯電話、PC:パソコン、Su:上げスイッチ、Sd:下げスイッチ
Claims (2)
- 変速レバー(19)を備える車体(1)を設け、昇降シリンダ(16)により昇降する苗植付部(7)を車体(1)の後側に連結し、苗植付部(7)の昇降制御及び苗植付部(7)への動力伝達を入り切り制御する昇降・作業スイッチ(25,26)を変速レバー(19)のグリップ部(19a)に設け、昇降・作業スイッチ(25,26)は、上昇スイッチ(25U)と下降スイッチ(25D)とで構成し、押込みによって苗植付部(7)を下降し押込解除で苗植付部(7)の下降を停止する下降専用の下げ釦(29)を、下降スイッチ(25D)とは別に変速レバー(19)のグリップ部(19a)に設け、軸(37)回りに回動する位置決めカム(38)を設け、該位置決めカム(38)を駆動するアクチュエータ(22)を備え、該アクチュエータ(22)の駆動で回動するラックギヤ(35)を設け、該ラックギヤ(35)の回動位置を検出するアクチュエータセンサ(53)を設け、位置決めカム(38)の外周部の各係合位置に係合するカムローラ(40)を揺動アーム(39)に設け、カムローラ(40)を位置決めカム(38)側へ弾発するばね(42)を設け、位置決めカム(38)は、苗植付部(7)を昇降させないで苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする中立位置(N)、苗植付部(7)を下降させるが苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする下げ植付切位置(A)、苗植付部(7)を下降させ苗植付部(7)への動力伝達を入りの状態にする下げ植付入位置(B)、及び苗植付部(7)を非苗植位置へ上昇させ苗植付部(7)への動力伝達を切りの状態にする上げ位置(C)の各係合位置にカムローラ(40)を係合させて切替わる構成とし、昇降・作業スイッチ(25,26)の操作によりコントローラ(24)からの出力でアクチュエータ(22)を作動する構成とし、コントローラ(24)に携帯電話(PT)を接続可能なカプラー(67)を設けて、コントローラ(24)を遠隔地にある情報処理施設に設置されたパソコン(PC)に電話回線で接続可能に設け、故障箇所を診断するためにアクチュエータセンサ(53)に関する情報を含むコントローラ(24)からのデ−タを、情報処理施設のパソコン(PC)に送信する構成とした田植機。
- 上昇スイッチ(25U)を押込毎に上昇と上昇停止とに切替える上昇釦(27)で構成し、下降スイッチ(25D)を押込毎に下降と下降停止とに切替える下降釦(28)で構成し、位置決めカム(38)と一体回動する苗植昇降レバー(33)を設け、苗植付部(7)の昇降制御及び苗植付部(7)への動力伝達を入り切り制御するフィンガップレバー(32)をステアリングハンドル(5)の近くに設け、フィンガアップレバー(32)のフィンガップレバースイッチ(32S)のスイッチ接点である上げスイッチ(Su)及び下げスイッチ(Sd)と上昇スイッチ(25U)及び下降スイッチ(25D)とを並列回路に構成し、フィンガアップレバー(32)を上側に一回引き上げる毎に上げスイッチ(Su)をONし、フィンガアップレバー(32)を下側へ一回押し下げる毎に下げスイッチ(Sd)をONし、コントローラ(24)からの間欠的出力によってアクチュエータ(22)を一定出力回動させ、位置決めカム(38)を一ピッチ毎回動させて中立位置(N)、下げ植付切位置(A)、下げ植付入位置(B)及び上げ位置(C)に切り替える構成とした請求項1に記載の田植機。
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