JP4547766B2 - 石炭のコークス強度の測定方法およびコークスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非粘結炭および微粘結炭(非微粘結炭)、ならびに風化炭などの流動性を示さないか又は流動性の低い石炭を配合して、所定の品位のコークスを得る製鉄用コークスの製造技術において、石炭の品質、特に乾留後のコークス強度を測定する方法に関する。また本発明は、この測定方法を用いたコークスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉による製鉄に必要なコークス製造において、特に重要な品質制御項目はコークスの強度である。コークス強度が向上すれば、高炉操業を安定して行うことができる。高価な強粘結炭を多量に配合すればコークス強度は向上するが、コークス製造コストがアップする。一方、安価な非微粘結炭の配合割合を増やせばコストは下がるが、コークス強度は低下する。
【0003】
ところで、現状のコークスは、一般に十数種類の銘柄の石炭を配合して製造している。製造する際には、コークス品質(特に強度)にバラツキが出ないようにすることが大事である。強度などにバラツキがあると、高炉で要求されるコークス強度目標に対して安全係数を見込んで高価な粘結炭を多めに配合することになり、製造コストがアップする。コークス強度のバラツキを低減する上では、理想的には配合時の石炭の銘柄比率を常時同じにすることが望ましい。しかし、配合銘柄および配合割合を常時一定とする操業は、石炭の需給上困難である。そこで、石炭品質(性状)を予め分析により評価しておき、銘柄切り替え時には類似した石炭品質を有する銘柄を用いる。または、石炭品質とコークスの強度との間の相関関係を調べておき、銘柄切り替え時にはこの相関関係を利用して配合銘柄と配合割合を決めるという方法が採られている。
【0004】
相関関係を利用してコークス強度を推定する際には、石炭性状に関するものとして、例えば、配合する石炭の石炭化度パラメーター、粘結性パラメーター、不活性成分パラメーターを測定して組み合せることが行われる。これらのパラメーターは、一般的に以下のように評価される。すなわち、石炭化度パラメーターは、石炭の成熟度を表わすビトリニットの平均反射率(RO )で評価される。粘結性パラメーターは、石炭の軟化溶融性を表わすギーセラー最高流動度(MF)で評価される。不活性成分パラメーターは、石炭組織分析より得られるトータルイナート(TI)量で評価される。
【0005】
このうち、石炭の成熟度を表わすビトリニットの平均反射率(RO )は偏光顕微鏡を用いて測定される。このような平均反射率(RO )を測定する方法は、強粘結炭などを測定する上では問題ないが、非微粘結炭を対象としたときには、低石炭化度領域において測定値の正確度が低下する。すなわち、平均反射率(RO )では非微粘結炭などの石炭について原理的に正確な評価をすることができない。
【0006】
近年のコスト削減のニーズに伴い、非微粘結炭のような安価な石炭を多量に配合してコークスを製造することが多くなってきた。そのため、平均反射率(RO )を測定する方法などでは、コークス強度を正確に推定することが難しいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、コークスの強度を正確に推定することが可能なコークス強度の測定方法、およびこの方法を用いたコークスの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、配合炭の個々の石炭(原料炭)について、石炭分子を構成する芳香族縮合環の構造状態、特に芳香族縮合環の広がりについての情報、または熱処理後の石炭分子の骨格構造、特にねじれなどの歪みについての情報を得る。原料炭についてのこれらの情報は原料炭の石炭性状パラメーターを反映する。これらの情報とコークス強度との関係を用いて、以後、配合割合からコークス強度を正確に推定し、コークス製造のための配合管理を容易にすることができる。芳香族縮合環の構造状態または熱処理後の骨格構造についての情報は、レーザーラマン分光分析または固体13C−核磁気共鳴測定を用いて得ることができる。
【0009】
すなわち、本発明によれば、配合炭を構成する原料炭の少なくとも1つについて石炭分子中の芳香族縮合環の状態を評価し、該評価結果と配合炭を乾留した後のコークス強度との関係を求め、この関係を用いて配合炭のコークス強度を配合割合から推定することを特徴とするコークス強度の測定方法が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、前記石炭分子中の芳香族縮合環の状態評価は、熱処理後の原料炭に対して行なうことができる。
【0011】
本発明においては、前記原料炭についての評価を、レーザーラマン分光分析法により得られるピークの特性値を用いて行うことが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記ピーク特性値としてGまたはDバンドピークについての特性値を用いることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明においては、前記芳香族縮合環の状態の評価を、固体13C−核磁気共鳴法により得られるスペクトルの特性値を用いて行うことが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、前記芳香族縮合環の状態の評価を、固体13C−核磁気共鳴法のスペクトルの特性値から得られる芳香環縮合度を用いて行うことが好ましい。
【0015】
また、本発明によれば、(a)原料炭について、石炭分子中の芳香族縮合環の状態を評価する工程と、(b)前記評価結果を用いて原料炭を選別する工程と、(c)選別した原料炭を配合して配合炭を作製する工程と、(d)配合炭を乾留してコークスを作製する工程とを備えることを特徴とするコークスの製造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。まず、レーザーラマン分光分析法による評価方法について説明し、次に、固体13C−NMRによる評価方法について説明する。
【0017】
<レーザーラマン分光分析法による評価方法>
本発明者らは、様々な石炭についてレーザーラマンスペクトルを測定し、石炭の分子構造を調査・検討した。その結果、レーザーラマンスペクトルのピークの特性値たとえば半値幅が、石炭の種類(銘柄)によって変わり、石炭分子の構造を反映するものであることを見出している。ピークとしては、波長1600cm-1付近に位置するGバンドピーク、または波数1400cm-1付近に位置するDバンドピークを用いる。Gバンドピークは炭素の二重結合であるsp2結合に起因するため石炭のグラファイト構造に由来し、石炭分子中の芳香族縮合環の骨格構造の性質を表わす。またDバンドピークは本来は石炭の無秩序な構造に由来するものであるが、やはり石炭分子の構造についての情報をもたらすことを見出している。
【0018】
これらのピークの半値幅が狭いほど、骨格構造の完全性が増す。例えば、熱処理する前の石炭について測定した場合には、半値幅が狭いほど芳香族縮合環の広がりが大きく、また後述するように所定の温度で熱処理した後の石炭について測定した場合には、半値幅が狭いほど骨格構造のねじれなどの歪みが小さい。骨格構造の完全性が高い石炭を配合すると、それが非微粘結炭であっても、配合炭を乾留して得たコークス強度が向上することを見出している。このように、ピークの半値幅と乾留後のコークス強度との間には相関関係があり、この関係を用いれば、以後、配合割合からコークス強度を正確に推定することができる。以下、評価手順について具体的に説明する。
【0019】
(1)まず、配合炭を構成する個々の銘柄の石炭(原料炭)についてレーザーラマン分光分析法によるスペクトルを測定する。レーザーラマンスペクトルは、一般に市販されている分光器により得ることができる。レーザーの種類はとくに限定されるわけではなく、Arレーザー、He−Neレーザーなどを用いることができる。
【0020】
図1に、レーザーラマンスペクトルの一例を示す。図1の横軸はレーザーの波数(cm-1)であり、縦軸はラマン強度である。図1に示すように、ラマンスペクトルは、波数1600cm-1付近のGバンドピーク、および波数1400cm-1付近のDバンドピークを含む。
【0021】
前述したように、スペクトルの測定は、石炭を加熱せずに又は加熱した後に行う。加熱しない石炭について測定したスペクトルよりも、加熱後の石炭について測定したスペクトルを用いた方が、より精度良くコークス強度を推定することができる。加熱温度は、石炭が溶融したのち再び固まる固化温度の近傍たとえば約500℃か、または石炭の乾留温度たとえば約1100℃が好ましい。石炭をどちらか一方の温度で加熱してスペクトルを測定するか、または石炭を両方の温度で加熱して測定する。どちらか一方の温度で測定する場合には、乾留温度で測定する方が強度の推定精度がより高いので好ましい。両方の温度で測定する場合には、たとえば石炭を2つ以上のグループに分け、1つのグループは固化温度で加熱し、他のグループは乾留温度で加熱して、それぞれスペクトルを測定する。そして次の手順で述べるように、各スペクトルから得られた半値幅の差を求めて以後使用する。
【0022】
(2)手順(1)で求めたレーザーラマンスペクトルから、個々の銘柄の石炭について、例えばGバンドピークまたはDバンドピークの特性値を求める。これらのピークの特性値はたとえばピークの半値幅であり、以下のようにして求めることができる。すなわち図1に示したように、ピークの底線を定めるベースラインによってバンドピークの形状を規定した後、このピークをスペクトルから抽出する。これらの作業は測定データの信号処理などによって行うことができる。
【0023】
図2に、抽出したGバンドピークの一例を示す。図2に示すピーク強度(高さ)の半分の値でのピーク幅(図2に示すa)が半値幅である。なお半値幅の求め方は上述の方法に限られない。例えば、コンピューターなどを用いて、バンドピークの形状を決めた後に最小自乗法によるカーブフィッティングによってピーク分割を行ってバンドピークを求め、求めたピークから半値幅を求めても良い。
こうして求めた個々の銘柄についての半値幅を使って、次の手順(3)で配合炭のラマン半値幅を求める。
【0024】
なお前述したように、手順(1)において同じ銘柄の石炭を2つの温度で加熱してそれぞれについてスペクトルを測定した場合には、各スペクトルについて半値幅を求め、これらの半値幅の差を算出する。そして、この半値幅の差をその銘柄の半値幅の値として次の手順(3)で用いる。
【0025】
(3)石炭銘柄の種類および/または配合割合の異なる複数の配合炭を作製する。各配合炭のラマン半値幅は、手順(2)で求めた個々の銘柄の半値幅から、下式(1)に従って足し合わすことによって算出することができる。
【0026】
ΔH1/2(配合炭)=ΣWiΔH1/2 i ……………………………………(1)
ここで、ΔH1/2(配合炭)は配合炭のラマン半値幅であり、Wiはi銘柄の石炭の配合割合(率)であり、ΔH1/2 iはi銘柄のラマン半値幅である。このように本発明においては、配合炭のラマン半値幅は、直接ラマンスペクトルを測定しなくても個々の銘柄の石炭の半値幅から求めることができる。
【0027】
(4)次に、手順(3)で作製した各配合炭を乾留してコークスを製造し、それぞれのコークスについて強度を測定する。強度測定は、例えばJISK2151に示されたドラム強度測定に準拠して行う。
【0028】
(5)手順(3)で求めた各配合炭のラマン半値幅ΔH1/2(配合炭)と、手順(4)で測定した各コークスの強度とから、ラマン半値幅とコークス強度との間の相関関係を作図などによって求める。
【0029】
(6)手順(5)で求めた相関関係を用いて、以後は、着目する配合炭について、その配合割合のみから乾留後のコークス強度を正確に推定することができる。すなわち、配合割合と手順(1)で求めた個々の銘柄の石炭のラマン半値幅とから、前式(1)に従って配合炭のラマン半値幅を算出する。そして、算出した配合炭の半値幅から、手順(5)で求めた相関関係に基いて、乾留後のコークスの強度を正確に推定することができる。
【0030】
<固体13C−NMRによる評価方法>
本発明者らは、様々な石炭について固体13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定し、石炭の分子構造を調査・検討した。その結果、特に固体13C−NMRスペクトルの強度が石炭の種類(銘柄)によって変わり、分子構造を反映するものであることを見出している。特に、例えばピーク分割したときの127ppm付近の芳香族炭素に由来するピーク(図3のピーク6)のうち、減衰の遅い成分の強度は内部四級炭素数に由来し、石炭分子中の芳香族縮合環の骨格構造の性質を表わす。全芳香族炭素に対する内部四級炭素数の割合、すなわち芳香環縮合度χb'が大きくなるほど、芳香族縮合環の広がりが大きくなり、骨格構造の完全性が増すことを見出している。そして、非微粘結炭の中でも骨格構造の完全性が高い石炭を配合すると、配合炭を乾留して得たコークス強度が向上することを見出している。
【0031】
(1)まず、配合炭を構成する個々の銘柄の石炭について、炭素原子の同位体である13CのNMR(核磁気共鳴)の吸収スペクトルを測定する。NMR測定は、通常の方法に従って行えば良い。なお、測定は、石炭を比重などにより分離したビトリニット成分について行っても良いが、分離していない石炭について直接行なっても良い。
【0032】
図3に、固体13Cについて得られたNMRスペクトルの一例を示す。図3に示すように、固体13Cのスペクトルは大別すると芳香族炭素と脂肪族炭素に分けられ、それぞれ130ppm、30ppm付近に主にピークを有するものである。
なお、図3のスペクトルは、遅延時間τが0μsのときのものである。遅延時間τとは、ラジオパルスを切ったときから測定を開始するまでの時間である。
【0033】
(2)次に、手順(1)で測定した13CのNMRスペクトルから個々の銘柄の石炭について芳香環縮合度χb'を求める。χb'とは石炭分子中の全芳香族炭素数に対する内部四級炭素数の割合である。内部四級炭素とは、図4(B)に示すように、芳香環に囲まれた炭素のことである。χb'は以下のようにして求める。
【0034】
(i)まず、図3に示したスペクトルのうち、約200ppm〜約90ppmの間のスペクトルを、カーブフィッティングなどによって図3に示すようにピーク1〜7に分解する。ピーク1および2は石炭分子中の脂肪族炭素に起因するピークであり、ピーク3〜7は芳香族炭素に起因するピークである。
【0035】
(ii)図3のピーク6の135ppm以下で例えば90ppm以上の部分の面積(図3の斜線部分)を求め、ピーク3〜7の全面積との比αを、下式(2)に従って算出する。
【0036】
α=(Area’6 )/(Area3-7) ………………………………(2)
ここで、Area’6はピーク6の斜線部分の面積であり、Area3-7はピーク3〜7の全面積である。Area3-7は全芳香族炭素数を示し、Area’6は図4の化学式(A)および(B)のみの芳香族炭素数を示す。すなわち、面積比αは、全芳香族炭素数のうち図4の化学式(A)および(B)のみの芳香族炭素数の割合を示す。
【0037】
(iii)図3に示すようなスペクトルを、遅延時間τを例えば0〜100μsの間で10〜20段階に変えながら、各遅延時間τに対して測定する。測定した各スペクトルにおいてピーク6の高さを求め、ピーク6の高さと遅延時間τとの関係をプロットする。
【0038】
図5に、こうしてプロットしたピーク6の高さと遅延時間τとの関係の一例を示す。図5の横軸は遅延時間τ(μs)であり、縦軸はピーク6の高さM(τ)の対数値Log(M(τ))である。図5に示すように、ピーク6の高さM(τ)は遅延時間τとともに減衰する。
【0039】
図5に示すM(τ)を、下式(3)に従って、最小自乗フィッティング等によって2つの波形M1 (τ)およびM2 (τ)の成分に分割する。
【0040】
M(τ)=M1 (τ)+M2 (τ)
=MOSexp(−τ/T2S)+MOFexp[−0.5(τ/T2F)2 ]
…………………………………(3)
図5に、これらの分割した成分M1 (τ)およびM2 (τ)も示す。M1 (τ)はピーク6の減衰の遅い成分であり、図4の化学式(B)の芳香族炭素に起因する。MOSはこの成分の初期強度であり、M1 (τ)の縦軸と交わる切片(M1 (τ)のτ=0での値)である。T2Sはこの成分の緩和定数(μs)であり、M1 (τ)の傾きの逆数を逆符号にしたものである。一方、M2 (τ)はピーク6の減衰の早い成分であり、図4の化学式(A)の芳香族炭素に起因する。MOFはこの成分の初期強度であり、M2 (τ)の縦軸と交わる切片(M2 (τ)のτ=0での値)である。T2Fはこの成分の緩和定数(μs)であり、τ2 −Log(M2 (τ))プロットにおいてM2 (τ)の傾きの逆数を逆符号にしたものである。
【0041】
上述から分かるように、図5のMOSとMOFは、それぞれτ=0におけるピーク6の高さM(τ)の一部をなす。すなわち、MOS+MOFは図3のピーク6の高さに等しい。
【0042】
(iv)次に、MOSと(MOS+MOF)との比βを下式(4)のようにして求める。
【0043】
β=MOS/(MOS +MOF) ………………………………………(4)
βは、図3のピーク6の高さのうち、MOSの割り合いを示す。
【0044】
前述したように、図3に示すピーク6の強度はMOS+MOFに等しい。そして、MOFは図4の化学式(A)の芳香族炭素に起因し、MOSは化学式(B)の芳香族炭素に起因する。従って、上式(4)によるβは、図3の斜線部分の面積のうち図4の化学式(B)の芳香族炭素の割合を示す。
【0045】
(v)前式(2)で求めた比αと上式(4)で求めた比βとを掛け合わせて、下式(5)により芳香環縮合度χb'を求める。
【0046】
χb'=α×β …………………………………………………………………(5)
前述したように、比αは、図3の全芳香族炭素数のうち、化学式(A)および(B)の芳香族炭素数の割合を示す。また、比βは、化学式(A)および(B)の芳香族炭素数のうち、化学式(B)の芳香族炭素数の割合を示す。従って、比αとβとを掛け合わせたχb'は、図3の全芳香族炭素数のうち化学式(B)の芳香族炭素数の割合を示す。化学式(B)の芳香族炭素は、芳香環に囲まれた炭素である。すなわち、χb'は、石炭分子中の全芳香族炭素数に対する内部四級炭素数の割合を示している。こうして、上述の手順(i)〜(v)により、個々の銘柄の石炭について、芳香環縮合度χb'を求めることができる。
【0047】
なお、芳香環縮合度χb'を求める方法としては、上述の方法以外に、13CNMRを用いて、例えばMark S.Solumらによる方法(Energy &Fuels、1989、3、187)がある。このとき、χb'を求める際の測定条件、ピーク分割方法については特に限定される訳ではなく、全芳香族炭素と内部四級炭素が定量的に求められる方法であれば良い。
【0048】
(3)次に、石炭銘柄および/または配合割合の異なる複数の配合炭を作製する。各配合炭のχb'は、手順(2)で求めた個々の銘柄のχb' iから、下式(4)に従って足し合わすことによって算出することができる。
【0049】
χb'(配合炭)=ΣWiχb' i ……………………………………………(4)
ここで、χb'(配合炭)は配合炭の芳香環縮合度χb'であり、Wiはi銘柄の配合割合(率)であり、χb' iはi銘柄のχb'である。このように本発明においては、配合炭のχb'は、直接NMR測定により求めなくても、個々の石炭についてのχb'から求めることができる。
【0050】
(4)次に、手順(3)で作製した各配合炭を乾留してコークスを製造し、それぞれのコークスについてコークス強度を測定する。強度測定は、例えばJISK2151に示されたドラム強度測定に準拠して行う。
【0051】
(5)手順(3)で求めた各配合炭のχb'(配合炭)と、手順(4)で測定した各コークスの強度とから、χb'とコークス強度との間の相関関係を作図などによって求める。
【0052】
(6)(5)で求めた相関関係を用いて、以後は、着目する配合炭について、その配合割合のみから乾留前にコークス強度を正確に推定することができる。すなわち、配合割合と手順(2)で求めた個々の銘柄の石炭のχb'とから、前式(4)に従って配合炭のχb'(配合炭)を算出する。そして、算出した配合炭のχb'(配合炭)から、手順(5)で求めた相関関係に基いて、乾留後のコークスの強度を正確に推定することができる。
【0053】
なお、各原料炭についての本発明の測定結果に基づいてコークスを製造すれば、コークスの製造コストを下げることができる。具体的には、原料炭について芳香族縮合環の骨格構造を評価して、この評価結果を用いて原料炭を選別し、選別した原料炭から配合炭を作製し乾留してコークスを製造する。本発明を用いれば、製造後のコークス強度を正確に推定できるため、必要な強度を確保するために安全係数を見込んで非微粘結炭の原料炭を少なめに配合するという必要がない。
そのため非微粘結炭を従来よりも多量に使用でき、コークスの製造コストが下がる。
【0054】
また、供給元から購入した後の原料炭について本発明の測定方法を適用するだけでなく、供給元から購入する前の原料炭について本発明の測定方法を適用して、購入する前に原料炭の選別を行っても良い。
【0055】
【実施例】
(実施例1)
5つの銘柄(A炭〜E炭)の非微粘結炭の石炭を粘結炭のベース配合炭と混合して複数の配合炭を作製し、各配合炭からコークスを作製した。そして、各配合炭のレーザーラマンGバンド半値幅とコークス強度との間の相関関係を求めた。
【0056】
まず、非微粘結炭の各銘柄の石炭について、以下のようにしてラマンGバンド半値幅を測定した。各石炭を1mmアンダーに粉砕し、エポキシ樹脂に埋め込み、成型したのち、通常の方法により研磨して、ラマンスペクトル測定用試料とした。日本分光工業(株)製のNR−2000型レーザーラマン分光光度計を用い、Arイオンレーザー(波長514.5nm、レーザーパワー0.1mW、レーザースポット径40μm)によって、石炭中のビトリニットに由来するスペクトルを得た。
【0057】
下表1に、A炭〜E炭の各非微粘結炭について測定したラマンGバンド半値幅を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
次に、4つの銘柄の粘結炭(a炭〜d炭)を、それぞれ15、32、23、30重量%の割合で配合して、粘結炭のベース配合炭を作製した。そして、各粘結炭およびベース配合炭について、上述の非微粘結炭の場合と同様にして、ラマン半値幅を測定した。
【0060】
下表2に、a炭〜d炭の各粘結炭について測定したラマンGバンド半値幅の値と、ベース配合炭のラマンGバンドの半値幅の値を示す。
【0061】
【表2】
【0062】
なお、上表2におけるベース配合炭のラマンGバンド半値幅は、a炭〜d炭の各粘結炭について測定した半値幅の値から、前式(1)に従って算出した値である。
【0063】
次に、上述の粘結炭のベース配合炭に、5または10重量%のA炭〜E炭の非微粘結炭をそれぞれ配合して、複数の配合炭を作製した。そして、各配合炭について缶焼試験を行った。すなわち、炉温1100°のコークス炉の中で7時間の乾留を実施したのち、炉から出して散水して消火した。配合炭の充填密度は0.8T/m3 とした。こうしてコークスを作製したのち、JISに準拠してコークスドラム強度(DI30 15)を測定した。
【0064】
下表3に、各配合炭についてのラマンGバンド半値幅の値、および各配合炭から作製されたコークスのドラム強度を示す。
【0065】
【表3】
【0066】
なお、上表3において、各配合炭についてのラマンGバンド半値幅の値は、表1に示すA炭〜E炭の半値幅の値、および表2に示すベース配合炭の半値幅の値から、配合割合を用いて前式(1)に従って算出した値である。
【0067】
(比較例1)
実施例1で用意したA炭〜E炭の非微粘結炭、a炭〜d炭の粘結炭、これらの粘結炭から作製したベース配合炭、および非微粘結炭とベース配合炭とを混合した配合炭のそれぞれについて、平均反射率(RO )を測定した。そして、各配合炭の平均反射率とコークス強度との間の相関関係を求めた。上表1〜3に、測定したRO の値を示す。なお、表1および表2には、JISに準拠して測定した他の石炭の性状パラメーター(MF、TI)、および灰分の値も示す。
【0068】
図6に、実施例1および比較例1で測定した各配合炭のラマンGバンド半値幅および平均反射率と、各配合炭のコークス強度との間の相関関係を示す。図6の横軸は各配合炭のコークス強度D30 15であり、左側の縦軸は各配合炭のラマンGバンド半値幅、右側の縦軸は各配合炭のRO である。図6から明らかなように、本実施例によるラマンGバンド半値幅とコークス強度との間の方が良好な相関関係を有している。この相関関係を用いればコークス強度を高精度で推定できることが明らかであり、本発明の効果が確認された。また、粘結炭のみからなるベース配合炭(図6においてコークス強度の値が最も大きい測定点)についても良好な相関関係が成り立っている。このことから、本発明によるラマン半値幅を用いたコークス強度の測定方法は、非微粘結炭を配合したもののみならず、従来の粘結炭領域の石炭を配合したものについても有効であることが分かる。
【0069】
(実施例2)
5つの銘柄(F炭〜J炭)の非微粘結炭の石炭を粘結炭のベース配合炭と混合して複数の配合炭を作製し、各配合炭からコークスを作製した。そして、各配合炭を2つの温度で熱処理してラマンGバンド半値幅の差(ΔGバンド半値幅)を求め、この半値幅の差とコークス強度との間の相関関係を求めた。
【0070】
まず、非微粘結炭の各銘柄の石炭について、以下のようにしてラマン半値幅を測定した。各銘柄の石炭を60メッシュアンダーに粉砕して2つのグループに分けた後、各銘柄のそれぞれのグループを充填密度が同じになるように内径5mmの試験管に装填した。各銘柄の一方のグループは、室温から昇温速度3℃/分で500℃まで昇温した後、すぐに自然冷却した。もう一方のグループは昇温速度3℃/分で室温から1100℃まで昇温した後、すぐに冷却した。熱処理した各グループの試料を取出してエポキシ樹脂などに埋め込んだ後、実施例1と同様の方法で測定用試料を作製してラマンスペクトルを測定し、Gバンド半値幅を求めた。そして、1100℃で熱処理した試料のGバンド半値幅から500℃で熱処理した試料のGバンド半値幅を引いて、ΔGバンド半値幅を求めた。
【0071】
下表4に、F炭〜J炭の各非微粘結炭について測定したラマンΔGバンド半値幅を示す。
【0072】
【表4】
【0073】
次に、粘結炭のベース配合炭に20重量%のF炭〜J炭の非微粘結炭をそれぞれ配合して、複数の配合炭を作製した。そして、各配合炭について実施例1と同様の方法で、コークスを作製し、コークスドラム強度(DI30 15)を測定した。
【0074】
下表5に、各配合炭についてのΔGバンド半値幅、および各配合炭から作製されたコークスのドラム強度を示す。
【0075】
【表5】
【0076】
なお、上表5において、各配合炭についてのΔGバンド半値幅の値は、表4に示すF炭〜J炭のΔGバンド半値幅の値と、表5に示すベース配合炭のΔGバンド半値幅の値とから、配合割合を用いて前式(1)に従って算出した値である。
【0077】
図7に、実施例2で測定した各配合炭のΔGバンド半値幅とコークス強度との間の相関関係を示す。図7の横軸は各配合炭のΔGバンド半値幅であり、縦軸は各配合炭のコークス強度である。図7から明らかなように、ΔGバンド半値幅とコークス強度との間には良好な相関関係が成り立り、この相関関係を用いてコークス強度を高精度で推定できることが明らかであり、本発明の効果が確認された。
【0078】
(実施例3)
5つの銘柄(K炭〜O炭)の非微粘結炭の石炭を粘結炭のベース配合炭と混合して複数の配合炭を作製し、各配合炭からコークスを作製した。そして、各配合炭のレーザーラマンDバンド半値幅とコークス強度との間の相関関係を求めた。
【0079】
まず、非微粘結炭の各銘柄の石炭について、以下のようにして測定を行った。
各石炭を60メッシュアンダーに粉砕したのち充填密度が同じになるように内径5mmの試験管に装填した。そして、昇温速度3℃/分で1100℃まで昇温した後、すぐに冷却した。熱処理した試料を取出した後、実施例1と同様の方法で測定用試料を作製し、ラマンスペクトルを測定して、Dバンド半値幅を求めた。
【0080】
下表6にK炭〜O炭の各非微粘結炭について測定したラマンDバンド半値幅を示す。
【0081】
【表6】
【0082】
次に、粘結炭のベース配合炭に、5または20重量%のK炭〜O炭の非微粘結炭をそれぞれ配合して、複数の配合炭を作製した。そして、各配合炭について実施例1と同様の方法で、コークスを作製し、コークスドラム強度(DI30 15)を測定した。
【0083】
下表7に、各配合炭についてのDバンド半値幅の値、および各配合炭から作製されたコークスのドラム強度を示す。
【0084】
【表7】
【0085】
なお、上表7において、各配合炭についてのDバンド半値幅の値は、表6に示すK炭〜O炭のDバンド半値幅の値と表7に示すベース配合炭のDバンド半値幅の値とから、配合割合を用いて前式(1)に従って算出した値である。
【0086】
図8に、実施例3で測定した各配合炭のDバンド半値幅とコークス強度との間の相関関係を示す。図8の横軸は各配合炭のDバンド半値幅であり、縦軸は各配合炭のコークス強度である。図8から明らかなように、Dバンド半値幅とコークス強度との間には良好な相関関係が成り立ち、この相関関係を用いてコークス強度を高精度で推定できることが明らかであり、本発明の効果が確認された
(実施例4)
5つの銘柄(P炭〜T炭)の非微粘結炭の石炭を粘結炭のベース配合炭と混合して複数の配合炭を作製し、各配合炭からコークスを作製した。そして、各配合炭の芳香環縮合度(χb')とコークス強度との間の相関関係を求めた。
【0087】
まず、非微粘結炭の各銘柄の石炭について、以下のような測定を行った。各石炭を比重分離等の方法で分離し、ビトリニット成分を抽出したのち、これを60メッシュアンダーに粉砕して固体13C−NMR測定用試料とした。固体13C−NMR測定には日本電子(株)製のGX−270(13C周波数67.8MHz)を用いた。また、回転周波数を5kHzとして、測定の積算回数は十分大きい値に設定した。
【0088】
下表8に、P炭〜T炭の各非微粘結炭について測定した芳香環縮合度(χb')を示す。
【0089】
【表8】
【0090】
次に、4つの銘柄の粘結炭(e炭〜h炭)を、それぞれ15、30、23、32重量%の割合で配合して、粘結炭のベース配合炭を作製した。そして、各粘結炭およびベース配合炭について、上述の非微粘結炭の場合と同様にして、芳香環縮合度(χb')を測定した。
【0091】
下表9に、e炭〜h炭の各粘結炭について測定した芳香環縮合度(χb')と、ベース配合炭の芳香環縮合度(χb')の値を示す。
【0092】
【表9】
【0093】
なお、上表9におけるベース配合炭の芳香環縮合度(χb')は、e炭〜h炭の各粘結炭について測定したχb'の値から、前式(4)に従って算出した値である。
【0094】
次に、上述の粘結炭のベース配合炭に、5または10重量%のP炭〜T炭の非微粘結炭をそれぞれ配合して、複数の配合炭を作製した。そして、各配合炭について実施例1と同様の方法で、コークスを作製し、コークスドラム強度(DI30 15)を測定した。
【0095】
下表10に、各配合炭についての芳香環縮合度(χb')の値、および各配合炭から作製されたコークスの強度を示す。
【0096】
【表10】
【0097】
なお、上表10において、各配合炭についての芳香環縮合度(χb')の値は、表8に示すP炭〜T炭の芳香環縮合度(χb')の値、および表9に示すベース配合炭の芳香環縮合度(χb')の値から、配合割合を用いて前式(4)に従って算出した値である。
【0098】
(比較例2)
実施例4で用意したP炭〜T炭の非微粘結炭、e炭〜h炭の粘結炭、これらの粘結炭から作製したベース配合炭、および非微粘結炭とベース配合炭とを混合した配合炭のそれぞれについて、平均反射率(RO )を測定した。そして、各配合炭の平均反射率とコークス強度との間の相関関係を求めた。上表8〜10に、測定したRO の値を示す。なお、表8および表9には、JISに準拠して測定した他の石炭の性状パラメーター(MF、TI)、および灰分の値も示す。
【0099】
図9に、実施例4および比較例2で測定した各配合炭の芳香環縮合度(χb')および平均反射率(RO )と、各配合炭のコークス強度との間の相関関係を示す。図9の横軸は、各配合炭のコークス強度D30 15であり、左側の縦軸は各配合炭の芳香環縮合度(χb')、右側の縦軸は各配合炭の平均反射率(RO )である。
図9から明らかなように、本発明による芳香環縮合度(χb')とコークス強度との間の方が良好な相関関係を有している。この相関関係を用いればコークス強度を高精度で推定できることが明らかであり、本発明の効果が確認された。また、粘結炭のみからなるベース配合炭(図9においてコークス強度の値が最も大きい測定点)についても良好な相関関係が成り立っている。このことから、本発明による芳香族縮合度を用いたコークス強度の測定方法は、非微粘結炭を配合したもののみならず、従来の粘結炭領域の石炭を配合したものについても有効であることが分かる。
【0100】
(実施例5)
本発明のコークス強度測定方法による経済効果を評価した。具体的には、粘結炭と非微粘結炭とからなる配合炭から、90以上のドラム強度を有するコークスを製造する場合の製造コストについて評価した。
【0101】
下表11および12は、市販の粘結炭のベース炭と市販の非微粘結炭(X炭またはY炭)とを混合した配合炭についての、配合炭価格とドラム強度推定値の典型的な値である。配合炭価格は各原料炭の価格から求められる。またドラム強度推定値は、従来のR0等を用いた推定式または本発明のラマン半値幅または芳香族縮合度を用いた推定式による推定値である。
【0102】
【表11】
【0103】
【表12】
【0104】
前出の図6および図9に示すように、従来の測定方法ではドラム強度の推定精度が±3程度と低い。そのため、90以上のドラム強度を保証するためには、ドラム強度推定値が93以上のコークスを製造しなければならない。一方、図6ないし図9に示すように、本発明の測定方法では推定精度が±1程度と高い。そのため、90以上のドラム強度を保証するためには、ドラム強度推定値が91以上のコークスを製造すれば良い。
【0105】
従って上表11から明らかなように、本発明を用いれば、より安い原料(非微粘結炭Y炭)を含む配合炭(表11の配合炭番号3)を用いてコークスを製造できることが分かる。また上表12から明らかなように、安い原料(非微粘結炭Y炭)をより多く(20%配合)含む配合炭(表12の配合炭番号3)を用いてコークスを製造できることも分かる。
以上のように、本発明の測定方法を用いれば、コークスの製造コストを削減できることが明らかである。
【0106】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、非微粘結炭を含む幅広い種類の石炭に対して精度良く石炭性状を評価でき、石炭評価精度の向上、およびコークス強度推定精度の向上が図れる。従って、コークス強度を確保するために安全係数を見込んで非微粘結炭を少なめに配合するという必要がなくなり、従来よりも多量に配合することができる。その結果、コークス製造コストの削減につながるという経済的効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る石炭のレーザーラマンスペクトルの一例を示す図。
【図2】本発明に係るレーザーラマンスペクトルのラマン半値幅を求める方法の一例を示す図。
【図3】本発明に係る石炭の固体13C−NMRスペクトルおよびピーク分割の一例を示す図。
【図4】本発明に係る固体13C−NMRピークが起因する一部の芳香族の化学式を示す図。
【図5】本発明に係る石炭の固体13C−NMRスペクトルの127ppm付近のピークの遅延時間に対する強度変化の一例を示す図。
【図6】実施例1および比較例1で得られたラマンGバンド半値幅および平均反射率とコークスドラム強度との間の関係を示す図。
【図7】実施例2で得られたラマンΔGバンド半値幅とコークスドラム強度との間の関係を示す図。
【図8】実施例3で得られたラマンDバンド半値幅とコークスドラム強度との間の関係を示す図。
【図9】実施例4および比較例2で得られた芳香環縮合度および平均反射率とコークスドラム強度との間の関係を示す図。
Claims (11)
- 配合炭を構成する原料炭の少なくとも1つについて石炭分子中の芳香族縮合環の状態を評価し、該評価結果と配合炭を乾留した後のコークス強度との関係を求め、この関係を用いて配合炭のコークス強度を配合割合から推定することを特徴とするコークス強度の測定方法。
- 前記石炭分子中の芳香族縮合環の状態評価は、熱処理後の原料炭に対して行われることを特徴とする請求項1記載のコークス強度の測定方法。
- 前記原料炭についての評価を、レーザーラマン分光分析法により得られるピークの特性値を用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載のコークス強度の測定方法。
- 前記ピーク特性値としてGまたはDバンドピークについての特性値を用いることを特徴とする請求項3記載のコークス強度の測定方法。
- 前記芳香族縮合環の状態の評価を、固体13C−核磁気共鳴法により得られるスペクトルの特性値を用いて行うことを特徴とする請求項1記載のコークス強度の測定方法。
- 前記芳香族縮合環の状態の評価を、固体13C−核磁気共鳴法のスペクトルの特性値から得られる芳香環縮合度を用いて行うことを特徴とする請求項1記載のコークス強度の測定方法。
- 配合炭を構成する原料炭の少なくとも1つについて石炭分子中の芳香族縮合環の状態を、レーザーラマン分光法により得られるGまたはDバンドピークについての特性値を用いて評価することにより、原料炭の配合を管理することを特徴とするコークス製造用原料炭の管理方法。
- 配合炭を構成する原料炭の少なくとも1つについて石炭分子中の芳香族縮合環の状態を、固体13C−核磁気共鳴法のスペクトルの特性値から得られる芳香環縮合度を用いて評価することにより、原料炭の配合を管理することを特徴とするコークス製造用原料炭の管理方法。
- (a)原料炭について、石炭分子中の芳香族縮合環の状態を評価する工程と、
(b)前記評価結果を用いて原料炭を選別する工程と、
(c)選別した原料炭を配合して配合炭を作製する工程と、
(d)配合炭を乾留してコークスを作製する工程と
を備えることを特徴とするコークスの製造方法。 - (a)原料炭について、石炭分子中の芳香族縮合環の状態を、レーザーラマン分光法により得られるGまたはDバンドピークについての特性値を用いて評価する工程と、
(b)前記評価結果を用いて原料炭を選別する工程と、
(c)選別した原料炭を配合して配合炭を作製する工程と、
(d)配合炭を乾留してコークスを作製する工程と
を備えることを特徴とするコークスの製造方法。 - (a)原料炭について、石炭分子中の芳香族縮合環の状態を、固体13C−核磁気共鳴法のスペクトルの特性値から得られる芳香環縮合度を用いて評価する工程と、
(b)前記評価結果を用いて原料炭を選別する工程と、
(c)選別した原料炭を配合して配合炭を作製する工程と、
(d)配合炭を乾留してコークスを作製する工程と
を備えることを特徴とするコークスの製造方法。
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