JP4546623B2 - 熱処理装置の制御条件決定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板等の被処理体の熱処理を行う熱処理装置の制御条件を決定する方法に関し、特に基板に均一な膜を形成するための熱処理装置の制御条件決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスにおいて、基板である半導体ウエハ(以下ウエハという)に対して熱処理を行う装置の一つにバッチ処理を行う縦型熱処理装置がある。この装置は、ウエハボートなどと呼ばれているウエハ保持具に多数枚のウエハを棚状に保持し、この保持具を縦型の熱処理炉の中に搬入して熱処理、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)処理や酸化処理を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
熱処理装置でウエハを熱処理するときにウエハ面内あるいは複数のウエハ間で熱処理の条件に不均一が生じる場合がある。その結果、熱処理したウエハのウエハ面内あるいは複数のウエハ間で、熱処理の結果生成された膜の膜厚の分布に不均一が生じる。
複数のウエハを均一に熱処理するために熱処理装置内部が均一の状態であるのが理想であるが、熱処理装置内部を時間的にも空間的にも常に均一な状態にするのは困難である。
そこで、複数のウエハができるだけ均一に近い条件で熱処理を行われるように、熱処理装置を精密に制御することが必要になってくる。
【0004】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、熱処理装置を用いて複数のウエハを均一に熱処理するための制御条件を決定するための方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するために、次のように熱処理装置の制御条件を決定する。
複数の基板群から構成されるバッチ内の基板の基板温度を、時間の経過と設定温度との関係を表した複数の設定温度プロファイルに従って制御する熱処理装置の制御条件を決定する方法であって、複数の第1のバッチにおける基板群に対してそれぞれ規定された設定温度プロファイルであって、処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が時間の経過と共に変化する時間変化設定温度である設定温度プロファイルに従って、該第1のバッチにおける複数の基板群を熱処理する第1の熱処理工程、および該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程とを含む第1の熱処理・膜厚測定工程と、前記第1の膜厚測定工程によって測定された前記第1のバッチにおける基板群の基板上に形成された膜の膜厚に基づいて、熱処理を行った際にそれぞれの基板群間で基板上に形成される膜の膜厚が略同一となるように、それぞれの前記設定温度プロファイルを修正する第1の設定温度プロファイル修正工程と、を具備することを特徴とする。
【0006】
時間変化設定温度において設定温度プロファイルを修正することにより、基板間の膜厚分布を均一化できる。
【0007】
ここで、熱処理中におけるそれぞれの前記設定温度プロファイルが、第1の設定温度プロファイル修正工程において修正される前後で、定数項を除き略同一とすることができる。熱処理中の設定温度プロファイルの形状を同じくすることによって、修正前後で基板内の膜厚分布に変化が生じにくくなる。
【0008】
また、熱処理中におけるそれぞれの前記設定温度プロファイルの勾配を、時間的に略一定とできる。設定温度プロファイルの勾配の大きさが基板面内の温度分布を決定する要因の一つであり、これを一定にすることで熱処理中の温度分布ひいては成膜レートの分布状態を時間的に一定にできる。
【0009】
前記第1の設定温度プロファイル修正工程において、熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係に基づいて、熱処理中におけるそれぞれの前記設定温度の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて前記設定温度プロファイルを修正することができる。設定温度の平均値は、膜の成長速度の平均と対応するファクターであり、膜厚分布の均一化も設定温度の平均値に基づいて行うのが効率的となる。
【0010】
さらに、熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係例えば膜厚温度係数に基づいて、前記設定温度プロファイルの前記時間変化設定温度の平均値を算出することができる。この膜厚温度依存関係は理論式を用いることもできるが、実験的に導出した値を採用することもできる。
【0011】
(2)また、本発明に係る熱処理装置の制御条件決定方法は、複数の基板群から構成されるバッチ内の基板の基板温度を、設定温度と時間の経過との関係を表したそれぞれの設定温度プロファイルに従って制御する熱処理装置の制御条件を決定する方法であって、複数の基板群に対してそれぞれ設定され、処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が略一定の定常設定温度であって、かつ複数の基板群間で基板上に略同一の膜厚の膜を形成する第1の設定温度プロファイルを決定する第1の設定温度プロファイル決定工程と、複数の基板群に対してそれぞれ設定され、処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が時間の経過と共に変化する時間変化設定温度である第2の設定温度プロファイルであって、かつ第1の設定温度プロファイルを修正してなる第2の設定温度プロファイルを決定する第2の設定温度プロファイル決定工程と、複数の基板群に対してそれぞれ設定され、処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が時間の経過と共に変化する時間変化設定温度であり、該複数の基板群間で基板上に略同一の膜厚の膜を形成する第3の設定温度プロファイルであって、かつ前記第2の設定温度プロファイルを修正してなる第3の設定温度プロファイルを決定する第3の設定温度プロファイル決定工程と、を具備することを特徴とする。
【0012】
基板群間の膜厚分布の均一化を図る第1の設定温度プロファイルの決定、第1の設定温度プロファイルを修正して基板面内の膜厚分布の均一化を図る第2の設定温度プロファイルの決定、第2の設定温度プロファイルを修正して第1の設定温度プロファイル修正時に多少劣化した可能性がある基板群間の膜厚分布の微調整を図る第3の設定温度プロファイルの決定を順に実施することで、基板群間および基板面内の双方で良好な膜厚分布をもたらす制御条件を容易に決定できる。
【0013】
▲1▼ 前記第1の設定温度プロファイル決定工程が、熱処理中の定常設定温度が略同一の設定温度プロファイルに従って、第1のバッチにおける複数の基板群を熱処理する第1の熱処理工程、および該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程とを含む第1の熱処理・膜厚測定工程と、前記第1の膜厚測定工程によって測定された前記基板群の基板上に形成された膜の膜厚に基づいて、熱処理を行った際にそれぞれの前記基板群間で基板上に形成される膜の膜厚が略同一となるそれぞれの定常設定温度を算出し、算出した定常設定温度に基づいて設定温度プロファイルを修正する第1の設定温度プロファイル修正工程と、を具備することができる。定常設定温度の値を調整することで、複数の基板群間で基板上の膜厚分布の均一化を図れる。
【0014】
ここで、前記第1の設定温度プロファイル修正工程が、基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係、例えば膜厚温度係数に基づいて、熱処理中におけるそれぞれの前記設定温度プロファイルの前記定常設定温度を算出する工程を含むことができる。膜厚温度依存関係は、理論的に算出したものを用いても良いし実験的に求めても差し支えない。
【0015】
▲2▼ 前記第2の設定温度プロファイル決定工程が、前記第1の設定温度プロファイルに従って、第3のバッチにおける基板群を熱処理する第3の熱処理工程、および該基板群の基板面内の膜厚分布を測定する第3の膜厚測定工程とを含む第3の熱処理・膜厚測定工程と、前記第3の膜厚測定工程によって測定された前記基板群の基板面内の膜厚分布に基づいて、前記第1の設定温度プロファイルを修正する第3の設定温度プロファイル修正工程と、を具備することができる。第1の設定温度プロファイルを修正することで、複数の基板群間で膜厚分布の均一性をある程度保ちながら、基板面内の膜厚分布を均一化できる。
【0016】
ここで、熱処理中におけるそれぞれの前記第2の設定温度プロファイルの勾配を、時間的に略一定にできる。設定温度プロファイルの勾配を一定とすることで、基板面上の温度分布、ひいては膜の成長速度の分布を時間的に略一定とすることができる。
【0017】
設定温度プロファイルの修正に際し、熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係および前記第3のバッチにおける基板群の基板面内の膜厚分布に基づいて、基板面内に略均一な膜厚の膜を形成するために必要な基板面内の必要温度分布を算出することができる。熱処理中の温度は膜の成長速度と関連性の強いファクターなので、基板面内の温度分布を制御することで基板面内の膜厚分布の均一化が可能となる。
【0018】
熱処理中の時間変化設定温度の勾配と基板面内の温度分布との勾配面内分布依存関係および前記必要温度分布に基づいて、基板上に略均一な膜厚の膜を形成するために必要な前記時間変化設定温度の必要勾配を算出し、該必要勾配に基づいて前記第1の設定温度プロファイルを修正することができる。時間変化設定温度の勾配を調整することで、基板面内の温度分布を制御でき、基板面内の膜厚分布の均一化を図れる。
【0019】
熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係に基づいて、基板面内に略均一な膜厚の膜を形成するために必要な基板面内の必要温度分布を算出することができる。膜厚温度依存関係は例えば膜厚温度係数があり、理論式による算出あるいは実験による導出を行える。このとき温度としては時間変化設定温度の時間平均値を用いると取扱が容易になる。
【0020】
▲3▼ 前記第3の温度設定プロファイル決定工程が、前記第2の設定温度プロファイルに従って、第5のバッチにおける複数の基板群を熱処理する第5の熱処理工程、および該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する第5の膜厚測定工程とを含む第5の熱処理・膜厚測定工程と、前記第5の膜厚測定工程によって測定されたそれぞれの前記基板群の基板上の膜厚に基づいて、熱処理を行った際にそれぞれの基板群間で基板上に形成される膜の膜厚が略同一になるそれぞれの前記時間経過設定温度の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて前記第2の設定温度プロファイルを修正する第5の設定温度プロファイル修正工程と、を具備することができる。第2の設定温度プロファイルを修正することで、基板面内の膜厚分布の均一性をある程度保ちながら、複数の基板群間で膜厚分布を微調整できる。
【0021】
(3)本発明に係る熱処理装置は、処理室内に基板を配置して熱処理を行うための熱処理装置であって、前記基板を加熱する加熱部と、前記基板上に膜を形成するための処理ガスを前記処理室内に導入するガス導入部と、時間の経過と設定温度との関係を表した設定温度プロファイルを含み、かつ前記基板上に膜を形成する熱処理工程を記述する熱処理工程記述部を少なくとも有する処理レシピに従って、前記加熱部および前記ガス導入部を制御する制御部とを具備し、前記設定温度が、前記熱処理工程中および該熱処理工程以前の一定期間で、前記時間変化設定温度であるように、前記設定温度プロファイルが規定されていることを特徴とする。
【0022】
時間変化設定温度が開始して一定期間経過してから熱処理工程が開始するので、熱処理工程中において基板面内の温度分布が安定となる。このため、膜の成長速度が時間的に安定したものとなる。
【0023】
(4)本発明に係る熱処理方法は、設定温度に従って温度を制御し、基板の熱処理を行う方法であって、前記基板面上の温度分布の安定化のための安定化工程と、処理ガス雰囲気中で前記基板上に膜を形成する熱処理工程と、を具備し、前記設定温度が、前記熱処理工程中の期間および前記安定化工程中の少なくとも一部の該熱処理工程に先立つ期間において、前記時間変化設定温度であることを特徴とする。
【0024】
時間変化設定温度が開始して一定期間経過してから熱処理工程が開始するので、熱処理工程中において基板面内の温度分布が安定となる。このため、膜の成長速度が時間的に安定したものとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1,図2は、それぞれ本発明に係る縦型熱処理装置の断面図および斜視図である。
【0026】
本発明に係る縦型熱処理装置は、図1に示すように、例えば石英で作られた内管2a及び外管2bよりなる二重管構造の反応管2を備え、反応管2の下部側には金属製の筒状のマニホールド21が設けられている。
【0027】
内管2aは上端が開口されており、マニホールド21の内側で支持されている。外管2bは上端が塞がれており、下端がべ一スプレート22の下側にてマニホールド21の上端に気密に接合されている。
【0028】
前記反応管2内には、図2に示すように、多数枚例えば150枚の基板をなす半導体ウエハW(製品ウエハ)が各々水平な状態で上下に間隔をおいて保持具であるウエハボート23に棚状に載置されており、このウエハボート23は蓋体24の上に保温筒(断熱体)25を介して保持されている。
前記ウエハボート23には、処理の状態をモニタ一するモニタウエハW1〜W5が散在して置かれる。
【0029】
前記蓋体24は、ウエハボート23を反応管2内に搬入、搬出するためのボートエレベータ26の上に搭載されており、上限位置にあるときにはマニホールド21の下端開口部、即ち反応管2とマニホールド21とで構成される処理容器の下端開口部を閉塞する役割を持つものである。
【0030】
反応管2の周囲には例えば抵抗加熱体よりなるヒータ3が設けられている。ヒータ3は5分割されていて、各ヒータ31〜35が電力コントローラ41〜45により独立して発熱量を制御できるようになっている。この例では反応管2、マニホールド21、ヒータ3により加熱炉が構成される。
【0031】
内管2aの内壁には、ヒータ31〜35に対応して熱電対等の内側温度センサS1in〜S5inが設置されている。また、外管2bの外壁にはヒータ31〜35に対応して熱電対等の外側温度センサS1out〜S5outが設置されている。
【0032】
内管2aの内部はヒータ31〜35に対応して、5つの領域(ゾーン1〜5)に区分して考えることができる。そして、ウエハはその配置された場所(ゾーン1〜5)に対応して、5つの基板群G1〜G5に区分することができる。なお、基板群G1〜G5全体を含めて、バッチとよぶこととする。即ち、反応管2内に配置されるとともにウエハボート23に載置されたウエハの全体は、1つのバッチを構成し、一緒に熱処理が行われることになる。
【0033】
前述のモニタウエハは、各基板群G1〜G5に一つずつ(各ゾーン1〜5に対応して)モニタウエハW1〜W5として載置されている。即ち、モニタウエハW1〜W5はそれぞれ基板群G1〜G5を代表するウエハ(基板)であり、ゾーン1〜5と1対1に対応している。このモニタウエハW1〜W5は、通常は製品ウエハと同一のウエハ(半導体ウエハ)が用いられ、その温度が推定対象となる。後述のように、モニタウエハW1〜W5の温度は、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号から推定される。
【0034】
マニホールド21には、内管2a内にガスを供給するように複数のガス供給管が設けられており、図1では便宜上2本のガス供給管51、52を示してある。各ガス供給管51、52には、ガス流量をそれぞれ調整するための例えばマスフローコントローラなどの流量調整部61、62やバルブ(図示せず)などが介設されている。
【0035】
更にまたマニホールド21には、内管2aと外管2bとの隙間から排気するように排気管27が接続されており、この排気管27は図示しない真空ポンプに接続されている。排気管27の途中には反応管2内の圧力を調整するための例えばバタフライバルブやバルブ駆動部などを含む圧力調整部28が設けられている。
【0036】
この縦型熱処理装置は、反応管2内の処理雰囲気の温度、反応管2内の圧力、ガス流量といった処理パラメータを制御するためのコントローラ100を備えている。このコントローラ100には、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outからの測定信号が入力され、ヒータ3の電力制御器41〜45、圧力調整部28、流量調整部61、62に制御信号を出カする。
【0037】
図3は、コントローラ100の内部構成のうち、ヒータ3の制御に係る部分の詳細を示すブロック図である。図3に示すようにコントローラ100は、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outからの測定信号に基づいて推定したモニタウエハW1〜W5の中央近傍の中央温度T1c〜T5c、周縁近傍の周縁温度T1e〜T5eを出力する基板温度推定部110、それぞれのモニタウエハW1〜W5の中央温度T1c〜T5c、周縁温度T1e〜T5eからそれぞれのモニタウエハW1〜W5の代表温度T1r〜T5rを算出する代表温度算出部120、モニタウエハの代表温度T1r〜T5rおよび設定温度プロファイル記憶部130に記憶された設定温度プロファイルを基にヒータの出力h1〜h5を決定するヒータ出力決定部140から構成される。ヒータ出力決定部140で決定されたヒータ出力h1〜h5は、制御信号として電力制御器41〜45に送出される。
【0038】
設定温度プロファイルは、時間の経過と設定温度(ウエハWのあるべき温度)との関係を表したものである。この1例を図4に示す。
図4は、本発明に係る設定温度プロファイルを時間と温度の関係を表したグラフとして表現している。
【0039】
(A)時刻t0からt1までは設定温度がT0に保たれている。このとき、ウエハWを保持したウエハボート20を縦型熱処理炉10内に搬入される(ロード工程)。
(B)時刻t1からt2までの間に、設定温度は温度T0からT1まで一定のレートで上昇する(昇温工程)。
(C)時刻t2からt3の間は、設定温度はそのままT1に保たれる。実際のウエハWの温度は設定温度を一定にしても熱的な慣性のために温度が一定になるまで多少の時間がかかる。そのため、ウエハの温度が安定するまで次の工程に移るのを控える(安定化工程)。
【0040】
(D)時刻t3からt4の間、設定温度はそのままT1に保たれる。このときに、ガス供給管51、52から処理ガス例えばSiHClおよびNHが縦型熱処理炉10の内部に導入され、例えばCVDによるSiN膜の形成等が行われる(成膜工程)。
即ち、この設定温度プロファイルは成膜工程の間の設定温度が一定の定常設定温度である。なお、後述するように成膜中に設定温度が変化する場合もあり、これは時間変化設定温度という。
(E)時刻t4からt5の間は、設定温度がT1からT0まで一定のレートで低下する(降温工程)。
(F)時刻t5以降は、設定温度がT0に保たれる。このとき、ウエハWを保持したウエハボート20が縦型熱処理炉10内から搬出される(アンロード工程)。
【0041】
設定温度プロファイルは、以上の様に時間の経過に対応して(1)温度を直接指定する他に、(2)昇温レート等の温度の変化率を指定する、あるいは(3)ヒータ出力を指定する等種々の表現方法が考えられる。結果として、時間の経過とウエハWの温度を対応づけるものであれば、見かけ上の表現方法に拘る必要はない。
【0042】
設定温度プロファイルは、ウエハWの熱処理全体を決定する処理レシピの一部である。処理レシピには、設定温度プロファイルの他にも縦型熱処理炉10内からの大気の排出や処理ガスの導入等の工程が時間経過と対応して表されている。
熱処理全体で特に重要なのは成膜工程(熱処理工程)であり、処理レシピのうち成膜工程を記述する部分を成膜工程記述部(熱処理工程記述部)とよぶこととする。
【0043】
図5は、コントローラ100によるヒータ3の制御手順を表すフロー図である。以下、このフロー図に基づき縦型熱処理炉10の温度制御の手順を説明する。
(A)熱処理のプロセスが開始されると、温度センサSin(S1in〜S5in)、Sout(S1out〜S5out)の測定信号が温度推定部110によって読みとられる(S11)。
【0044】
(B)基板温度推定部110は、温度センサSin、Soutの測定信号からモニタウエハW1〜W5それぞれの中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eを推定する(S12)。
この推定には制御工学において知られている以下の式(1)、(2)を用いることができる。
x(t+1)=A・x(t)+B・u(t) …… 式(1)
y(t)=C・x(t)+u(t) …… 式(2)
ここで、t:時間
x(t):n次元状態ベクトル
y(t):m次元出力ベクトル
u(t):r次元入力ベクトル
A,B,C:それぞれn×n、n×r、m×nの定数行列
である。
【0045】
式(1)が状態方程式、式(2)が出力方程式と呼ばれ、式(1)、(2)を連立して解くことにより、入力ベクトルu(t)に対応する出力ベクトルy(t)を求めることができる。
【0046】
本実施形態においては入力ベクトルu(t)は温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号であり、出力ベクトルy(t)は中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eである。
【0047】
式(1)、(2)において、温度センサSin、Soutの測定信号と中央温度Tc、周縁温度Teは、多入出力の関係にある。即ち、ヒータ3のゾーン1〜5それぞれはモニタウエハW1〜W5のそれぞれに対して独立に影響を与えているわけではなく、一つのゾーンのヒータはどのモニタウエハにも何らかの影響を与えている。
【0048】
状態方程式等は雑音を考慮した式(3)、(4)
x(t+1)=A・x(t)+B・u(t)+K・e(t) ……式(3)
y(t)=C・x(t)+D・u(t)+e(t) ……式(4)
を用いることもできる。
ここで、t:時間
x(t):n次元状態ベクトル
y(t):m次元出力ベクトル
u(t):r次元入力ベクトル
e(t):m次元雑音ベクトル
A,B,C,D、K:それぞれn×n、n×r、m×n、m×m、n×mの定数行列
である。
【0049】
熱処理装置の熱特性によって定まる定数行列A,B,C、Dを求める手法として、例えば部分空間法を適用することができる。
具体的には温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号及び中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eのデータを取得し、そのデータを例えばソフトウェアMatlab(製造:The MathWorks.Inc.、販売:サイバネットシステム株式会社)に入力することで、定数行列A,B,C,Dを逆算できる。
【0050】
このデータ取得は、ヒータ31〜35の出力を徐々に変化させ、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号及び中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eの時間的変動を同時に測定することにより行われる。中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eの測定は、熱電対を設置したモニタウエハを用いることで行える。
【0051】
求められた定数行列A,B,C、Dの組合せは、複数存在するのが通例である。この組合せから、中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eの算出値((3)、(4)を連立して算出する)と実測値が一致するものを選択する(モデルの評価)。
【0052】
定数行列A,B,C、Dの組合せが定まれば、式(1)、(2)または式(3)、(4)を連立して解くことにより、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号から中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eを算出できる。
【0053】
(C)代表温度算出部120は、中央温度T1c〜T5c、周縁温度T1e〜T5eを基にモニタウエハW1〜W5それぞれの温度を代表する代表温度T1r〜T5rを算出する(S13)。
代表温度Trの算出は、例えばつぎの式(5)によって行える。
Tr=Tc・x+Te・(1−x) …… 式(5)
ここで、x:重み (0<x<1)
である。重みxは、ウエハW上の温度分布を考慮して、代表温度TrがウエハWの温度を代表する値としてふさわしくなるような値を採用する。具体的には、重みxは、例えば1/3の値を採用できる。
【0054】
(D)ヒータ出力決定部130は、代表温度T1r〜T5rおよび設定温度プロファイルを基に電力制御器41〜45への出力値h1〜h5を決定する(S14)。
ヒータ出力値h1〜h5は、例えば設定温度Tspと代表温度Trの差(Tsp−Tr)に対応して決めることができる。あるいは昇温レート等の温度の変化速度に対応して決めても良い。
【0055】
(E)ヒータ出力決定部140は、最終的に決定されたヒータ出力値h1〜h5を電力制御器41〜45に制御信号として出力し(S15)、ヒータ31〜35それぞれの出力が制御される。
(F)熱処理プロセスが終了していなければ、ステップS11に戻って半導体ウエハWの温度制御が続行される(S16)。
なお、このステップS11からS16は多くの場合、1秒〜4秒程度の周期で繰り返される。
【0056】
続いて本発明に係る熱処理装置の設定温度プロファイルの決定方法について述べる。
図6は、設定温度プロファイルの決定手順の概略を表したフロー図である。図6に示すように本発明に係る設定温度プロファイルの決定手順は大きく3つの工程に分けられる。
【0057】
(A)複数の基板群G1〜G5間の膜厚分布が良好な第1の設定温度プロファイルを決定する(S100)。
ここで第1の設定温度プロファイルは、成膜時を定常設定温度としたものであり、複数の基板群においては、例えばそれらのモニタウエハW1〜W5毎に決定される。その結果、複数の基板群における基板、例えばモニタウエハW1〜W5上への略同一の膜厚の膜の形成が可能となる。
【0058】
(B)第1の設定温度プロファイルを修正し、ウエハ(基板)面内の膜厚分布が良好な第2の設定温度プロファイルを決定する(S200)。
ここで第2の設定温度プロファイルは、成膜時を時間変化設定温度としたものである。その結果、同一の基板内で均一な膜厚の膜の形成が可能となる。
【0059】
この第2の設定温度プロファイルは、複数の基板群における基板例えばモニタウエハW1〜W5毎に決定されることが好ましいが、代表的な基板例えばモニタウエハW3を対象として第2の設定温度プロファイルを決定することも可能である。
【0060】
(C)第2の設定温度プロファイルを修正し、複数の基板群間での基板の膜厚分布が良好な第3の設定温度プロファイルを決定する(S300)。
ここで第3の設定温度プロファイルは、第2の設定温度プロファイルと同様に成膜時を時間変化設定温度としている。第1の設定温度プロファイルを修正して第2の設定温度プロファイルとした結果、第1の設定温度プロファイルでは良好であった基板群間での膜厚分布が不均一になることがある。このため、複数の基板群間の基板例えばモニタウエハW1〜W5上への略同一の膜厚の膜の形成を可能とすべく、第2の設定温度プロファイルを修正する。
【0061】
(第1の設定温度プロファイル決定工程の詳細)
次にS100の第1の設定温度プロファイルの決定の詳細を説明する。
図7は、第1の設定温度プロファイルの決定手順の詳細を表すフロー図である。
【0062】
(A)所定の設定温度プロファイルに従って、第1のバッチにおける複数の基板群からなる多数の基板(ウエハW−1)を熱処理する(S102)。その後、複数の基板群間で基板(ウエハW−1)上に形成された膜の膜厚を測定する(S104)。
第1のバッチにおける複数の基板群の基板ウエハW−1は、例えばモニタウエハW1−1〜W5−1を用いることができる。
【0063】
所定の設定温度プロファイルは、処理ガスを導入して膜の形成を行う成膜工程中の設定温度が定常設定温度である。この設定温度プロファイルは、複数の第1のウエハW−1で同一の値の定常設定温度を用いる。所定の設定温度プロファイルの例として、図4に示した設定温度プロファイルが挙げられる。
【0064】
膜厚の測定には例えばエリプソメータ等の膜厚測定器を用いることができる。
膜厚の測定は、ウエハW−1上の1箇所のみで行うこともできるが、ウエハW−1上の複数の箇所の膜厚を測定して、その平均値をそれぞれのウエハW−1の膜厚とすることが好ましい。
【0065】
このときの測定点の1例を図8に示す。図8では、ウエハWの中央近傍の測定点A、ウエハWの中央と周縁との中間点の4つの測定点B〜E、ウエハWの周縁近傍の4つの測定点F〜Iの合計9箇所の測定点をウエハW上に設定している。なお、測定点I、E、A、C、G及び測定点F、B、A、D、Hはそれぞれ直線上に配置されている。
【0066】
ウエハW−1上に膜厚分布がある場合には測定点Aを膜厚分布の中心点と一致させた方が好ましい。ウエハWの膜厚分布の1例を図9に示す。図9ではウエハWの形状からみた形状中心P0とウエハWの膜厚分布からみた膜厚分布中心P1が一致していない。ここで、Lcは膜厚の等高線である。このような形状の中心P0と膜厚分布の中心P1の不一致は、ウエハWの配置された位置が熱処理装置の熱的な中心からずれていることに起因して生じることが多い。このような場合はウエハWを配置する位置を熱処理装置の熱的な中心と一致させるか、あるいは測定点Aの位置をウエハWの形状の中心から動かし、膜厚分布の中心点P0と一致させるのが好ましい。以下の膜厚測定の全てで測定点Aは膜厚分布の中心P1と一致しているものとする。
【0067】
(B)測定した複数の基板群間でウエハW−1の膜厚分布が予め設定した許容範囲にあるか否かを判断する(S106)。
これは例えば、次の式(10)に基づき膜厚分布比Δを算出することで行える。
Δ=|Dmax−Dmin|/[(Dmax+Dmin)/2] ……式(10)
ここで、
Dmax:ウエハW1−1〜W5−1の膜厚のうちの最大値
Dmin:ウエハW1−1〜W5−1の膜厚のうちの最小値
である。
【0068】
算出した膜厚分布比Δと設定した許容値とを比較し、膜厚分布比Δが許容値以下のときを膜厚分布が許容範囲内とし、そうでなければ許容範囲内でないと判断する。
S106の判断がYesのときは所定の設定温度プロファイルは修正の必要がない。従って、これを第1の設定温度プロファイルとして、第1の設定温度プロファイル決定工程は終了する。
【0069】
(C)S106の判断がNOのときは、膜の成長速度と温度との関係を表した膜厚温度係数を基にそれぞれの基板群の基板(ウエハW−1)毎に成膜中の定常設定温度の適切な値を算出する(S108)。そして、算出した定常設定温度に基づいて設定温度プロファイルが修正される。
定常設定温度の算出は1バッチの基板群間でウエハW−1(例えば、モニタウエハW1−1〜W5−1)の膜厚を揃え、基板群間の膜厚分布を均一にするために行われる。
【0070】
このときはまずウエハW−1の膜厚をどの膜厚に揃えるかが決定される。
揃えるべき目標膜厚Dtは予め決定しておいても良いし、あるいはモニタウエハW1−1〜W5−1の膜厚の平均値を採用しても良い。
【0071】
そして、この目標膜厚Dtとそれぞれの基板群でのウエハの膜厚D1(例えば、モニタウエハW1−1〜W5−1それぞれの膜厚D11〜D15)の実測値との差および膜厚温度係数に基づいて、ウエハW−1の膜厚D1を目標膜厚Dtに一致させるために必要なそれぞれの定常設定温度Tsp1(Tsp11〜Tsp15)を算出する。
【0072】
次に、膜厚温度係数について説明する。
膜厚の成長速度(成膜速度)Vは、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)のような膜の表面で行われる過程によって成膜速度が定まる表面律速過程においては、下記(20)式の理論式で表わされることが知られている。
V=C・exp(−Ea/(kT)) …… 式(20)
ここで、
C:プロセス定数(成膜プロセスによって定まる定数)
Ea:活性化エネルギー(成膜プロセスの種類によって定まる定数)
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
である。
【0073】
式(20)を温度Tで偏微分すると式(21)が得られる。
{∂V/∂T}/V=(Ea/(k・T^2))[1/℃]……式(21)
ここで、{∂V/∂T}/Vが膜厚温度係数Sであり、温度の変化によって成膜速度が変化する割合を表している。
活性化エネルギーは成膜プロセスの種類、例えば、反応ガスSiHClおよびNHからのSiN膜の形成のような反応過程によって定まり、この例では1.8[eV]をとることが知られている。
以上のように、式(21)に活性化エネルギーEaと絶対温度Tを代入すると膜厚温度係数S(={∂V/∂T}/V)が定まる。
【0074】
ウエハW−1のS102における定常設定温度をT0、ウエハW−1の膜厚を目標膜厚Dtに一致するのに必要な定常設定温度をTsp1とする。
このときの膜厚温度係数S(={∂V/∂T}/V)は、次の式(22)によって表される。
S=(Dt−D0)/[D0・(Tsp1−T0)] ……式(22)
【0075】
式(21)と式(22)を等しいとし、式(22)の絶対温度Tを定常設定温度T0と置くと、以下の式(23)が導ける。
Tsp1=T0+[(Dt−D0)/D0]・[k・T0^2/Ea]… 式(23)
Ea、k、T0、Dt,D0は、既知であるから定常設定温度Tsp1を求めることができる。
【0076】
そして、ウエハW−1毎に求められた定常設定温度Tsp1に基づいて設定温度プロファイルを修正する。修正された設定温度プロファイルの例を図10に示す。
図10(A)は修正された設定温度プロファイルの1例を表すグラフであり、図10(B)はこのときの定常設定温度Tsp1の値とウエハの位置との関係の1例を表したグラフである。
モニタウエハW1〜W5それぞれの成膜中(時刻t3〜t4)の定常設定温度Tsp1の値が、T(1)〜T(5)となっていることが判る。
【0077】
この例では、モニタウエハW1〜W5の定常設定温度Tsp1がそれぞれT(1)〜T(5)に到達する時刻(t2)が同一であり、従いそれぞれのモニタウエハW1〜W5の安定化時間(t3−t2)が同一となっている。
しかし、それぞれのウエハWで安定化時間は必ずしも同一でなくても差し支えない。例えば、モニタウエハW1〜W5の昇温速度(昇温勾配)が同一だとすると、モニタウエハW1〜W5の定常設定温度Tsp1がそれぞれT(1)〜T(5)に到達する時刻(t2)は異なり、従ってそれぞれのモニタウエハW1〜W5について安定化時間が異なることになる。どのモニタウエハW1〜W5でもある程度以上の安定化時間がとれれば、成膜中の温度の安定化を図る安定化工程の目的からして充分である。
要するに重要なのは成膜工程(熱処理工程)における設定温度プロファイルであり、その前後の設定温度プロファイルが多少変わっても差し支えない。
【0078】
(D)修正された設定温度プロファイルに基づいて、第2のバッチにおける複数の基板群におけるウエハW−2の熱処理を行い(S110)、複数の基板群のウエハW−2上に形成された膜の膜厚を測定する(S112)。そして、測定した複数の基板群間でのウエハW−1の膜厚分布が予め設定した許容範囲にあるか否かを判断する(S114)。
この熱処理、膜厚測定、許容範囲内判断はS102、S104、S106と同様に行うことができる。
S114の判断がYesなら、修正した設定温度プロファイルを第1の設定温度プロファイルとして決定し、第1の設定温度プロファイル決定工程は終了する。
【0079】
(E)S114の判断がNoであるなら、第1のバッチにおけるウエハW−1および第2のバッチにおけるウエハW−2の膜厚の測定結果に基づき膜厚温度係数を算出し(S116)、この算出値に基づきそれぞれの基板群におけるウエハW−2毎に成膜中の定常設定温度の適切な値を算出する(S118)。そして、算出した定常設定温度に基づいて設定温度プロファイルが修正される。
【0080】
膜厚温度係数および定常設定温度の算出は以下のようにして行われる。
ゾーンiについて、第2のバッチにおける基板群のウエハWi−2、第1のバッチにおける基板群のウエハWi−1上それぞれの膜厚をD2、D1とし、このときの定常設定温度をそれぞれT2、T1とし、ウエハW−2の膜厚を目標膜厚Dtに一致するのに必要な定常設定温度をTspとする。
【0081】
膜厚温度係数S(={∂V/∂T}/V)の実測値は以下の式(30)で表される。
S=(D2−D1)/[D1・(T2−T1)] ……式(30)
また、この膜厚温度係数Sと目標膜厚Dtの関係は、以下の式(31)で表される。
S=(Dt−D2)/[D2・(Tsp−T2)] ……式(31)
この式(30)と(31)を連立させることで、適切な定常設定温度Tspを算出する式(32)を導出できる。
Tsp=T2+(T2−T1)・(Dt−D2)・D1
/[(D2−D1)・D2 ……式(32)
【0082】
(F)その後S110〜S118が繰り返され基板群間でのウエハの膜厚分布が許容範囲以内になるまで定常設定温度の算出(設定温度プロファイルの修正)が行われ、その結果第1の設定温度プロファイルが決定される。
【0083】
(第2の設定温度プロファイル決定工程の詳細)
次に、図6におけるS200の第2の設定温度プロファイルの決定の詳細を説明する。
図11は、第2の設定温度プロファイルの決定手順の詳細を表すフロー図である。
【0084】
(A)第1の設定温度プロファイルに従って、第3のバッチにおけるウエハW−3を熱処理する(S202)。その後、第3のバッチにおけるウエハW−3上に形成された膜の膜厚を測定する(S204)。
このときはウエハW−3の面内の膜厚分布の均一化を目的とするため必ずしもウエハW−3を複数使用する必要はない。しかし、最終的に多数のウエハで基板群間および面内膜厚分布の均一化を図るのが本願の目的であるから、基板群に応じてウエハW−3を複数用いてそのそれぞれに対して、第2の設定温度プロファイルを決定することが好ましい。
【0085】
以下は分かり易さのためにウエハW−3は単一のものを使用するものとして説明する。
第1の設定温度プロファイルは、S100によって決定された設定温度プロファイルを使用する。
膜厚の測定には例えばエリプソメータ等の膜厚測定器を用いることができる。
膜厚の測定は、ウエハW−3上の複数の箇所で行う。このときの測定点は、例えば図8で示した中央近傍の測定点A、中央と周縁の中間点の4つの測定点B〜E、周縁近傍の4つの測定点F〜Iの合計9箇所を設定できる。
【0086】
(B)測定したウエハ面内の膜厚分布が許容範囲内か否かが判断される(S206)。
図12(A)は、ウエハW−3上の膜厚測定結果の1例をウエハW−3中央からの距離と対応して表したグラフである。
【0087】
図12(A)の横軸はウエハ中心からの距離を、縦軸は膜厚を表す。ウエハの中心付近で膜厚が小さく、周縁に行くに従って膜厚が大きくなっていることが判る。測定点によって多少のバラツキはあるが、このグラフではウエハ面上の膜厚Dを中心からの距離xの2次関数として次の式(35)に従って表している。
D=a・x^2+b ……式(35)
ここで、a、b:定数である。
この式(35)で距離xの1次の項がないのは、膜厚の面内分布がウエハの中心に対して対称であると想定していることによる(距離xの1次の項は、中心に対して逆対称成分)。
【0088】
この定数a、bは例えば最小2乗法を用いて算出することができる。その結果、ウエハW−3の中央での膜厚d0,中間点(中央と周縁の中間)での膜厚d1、周縁での膜厚d2を算出できる。そして、ウエハ面内の膜厚分布の大きさを表す量として式(10)と同様の膜厚分布比Δを採用できる。
Δ=|d2−d0|/[(d2+d0)/2] ……式(40)
この膜厚分布比Δと所定の許容値との大小を比較することで、面内膜厚分布が許容範囲内か否かの判断を行える。
【0089】
(C)S206の判断がYes(膜厚分布が所定の許容範囲内)であれば、第1の設定温度プロファイルは修正の必要がなく、そのまま第2の設定温度プロファイルとして良い。
一方、S206の判断がNoであれば、膜厚温度係数の理論値を用いて、ウエハ面内での膜厚分布を均一にするために必要なウエハ面内の温度分布が算出される(S208)。
【0090】
ウエハW−3面内で膜厚分布が出現するのは次の2つの要因があり得る。しかし、要因がそのいずれであってもウエハ面内での温度分布を制御することで面内の膜厚分布の均一化が可能である。
▲1▼ ウエハ面内で温度分布があることによるもの。
▲2▼ ウエハ面内で処理ガスの濃度分布がある等温度分布以外の要因によるもの。
【0091】
要因▲1▼は、後述のように、時間変化設定温度を適用することで制御可能である。
要因▲2▼は、特に減圧CVD等のように処理ガスが希薄な場合に大きな要因になり得る。即ち、ウエハ周縁で処理ガスが消費されることでウエハ中央に到達する処理ガスの濃度が低下し、このために周縁よりも中央で膜厚が薄くなる。これに対して例えば熱酸化等常圧の熱処理では処理ガスの消費による処理ガスの濃度変化は小さいので膜厚分布の要因としては小さくなる。
【0092】
この要因▲2▼を直接取り除くことは困難であるが、ウエハ面内の温度分布を制御することで膜厚分布を均一にすることが可能である。
これを示すのが図12(B)である。図12(B)はウエハの中心からの距離と平均温度との関係を表すグラフである。
図12(A)ではウエハ上の膜厚がウエハの中心から周縁に向かうにつれて厚くなっているのに対して、図12(B)では平均温度が中心から周縁に向かうにつれて低下している。図12(A)のグラフの膜厚とは逆の傾向の温度分布をウエハ上に作り出すことで、ウエハ上の膜厚分布の均一性を向上できる。
【0093】
ウエハW−3面内での膜厚分布は、以上の要因▲1▼▲2▼が絡み合ったものと考えられるが、いずれにしろウエハの温度分布の制御により均一性の向上が可能である。
【0094】
次に面内膜厚分布を均一化するために必要な面内温度分布を算出する方法について述べる。
まず、時間変化設定温度では、成膜レートは成膜中における温度の時間平均(平均温度)によって定まることを示す。即ち、時間変化設定温度における面内温度分布は、基板面内のそれぞれの箇所における平均温度に基づいて表すことができる。
時間変化設定温度では温度が時間的に変化するため、最終的な膜厚は膜の成長レートを時間的に積分する必要がある。しかしながら膜の成長レートの平均値は温度の時間平均によって定まる。これを以下に示す。
【0095】
ウエハ上に形成される膜の膜厚Dは、成膜レート(膜の成長速度)Vおよび時間tから次の式(50)のように表される。
D=∫ts te V(T) dt …… 式(50)
ここで、∫:積分記号
ts:成膜工程の開始時間
te:成膜工程の終了時間
V(T):成膜レートV(温度Tの関数)
である。
【0096】
成膜レートV(T)は次式(51)のように温度の定数値T0で展開できる。
V(T)=V(T0)+V1(T0)*(T−T0) ……式(51)
ここで、
V1(T0):dV(T0)/dt (成膜レートVの時間微分)
である。
【0097】
式(50)に式(51)を代入すると次の式(52)が導ける。
D=V(T0)*(te−ts)+V1(T0)*∫ts te(T−T0)dt
…式(52)
ここで、温度Tの時間平均値(平均温度)T(Av)を次の式(53)により定義する。
T(Av)=∫ts te T(t)dt/(te−ts) ……式(53)
【0098】
そして、式(53)で、T0=T(Av)とおくと次の式(54)が得られる。
D/(te−ts)=V(T(Av)) ……式(54)
ここで、
D/(te−ts):成膜中における成膜レートの平均値(平均成膜レート)である。
即ち、式(54)は、成膜中に温度が変動する場合の平均成膜レートは、平均温度T(Av)によって定まることを意味する。
【0099】
以上から、成膜中の中央温度の時間平均値(平均中央温度)Tc(Av)と周縁温度の時間平均値(平均周縁温度)Te(Av)を制御することで、ウエハ面内膜厚分布の均一化を図ることができる。なお、平均中央温度Tc(Av)と平均周縁温度Te(Av)は次の式で表される。
Tc(Av)=∫ts te Tc(t)dt/(te−ts)……式(55)
Te(Av)=∫ts te Te(t)dt/(te−ts)……式(56)
【0100】
ウエハW−3の平均中央温度をTc1、平均周縁温度をTe1、中央の膜厚をDc1,周縁の膜厚をDe1とし、ウエハW−3の目標膜厚をDt、このときの平均中央温度をTc2、平均周縁温度をTe2とする。
すると目標とすべき面内温度差ΔT2(=Te2−Tc2)は以下のように算出できる。
【0101】
ウエハ中央の膜厚温度係数をSc、ウエハ周縁の膜厚温度係数をSe、これらは以下の式(57)、(58)によって表される。
Sc=(Dt−Dc1)/[Dc1・(Tc2−Tc1)] ……式(57)
Se=(Dt−De1)/[De1・(Te2−Te1)] ……式(58)
【0102】
ここで、Sc=Se=S、かつ
Dt=2・Dc1・De1・(Dc1+De1) ……式(59)
とおくと、
Tc2−Tc1=−(Te2−Te1) …… 式(60)
が導き出される。
【0103】
式(57)に式(59)、(60)を代入し、
ΔT1=Te1−Tc1:ウエハW−3の平均面内温度差
ΔT2=Te2−Tc2:目標とする平均面内温度差
とおくと、目標とする平均面内温度差ΔT2は次の式(61)で表される。
ΔT2=ΔT1+2(Dc1−De1)/[(Dc1+De1)・S]…… 式(61)
【0104】
膜厚温度係数Sの理論値は、式(21)より次の式(62)で表される。
S=(Ea/(k・T^2)) [1/℃] …… 式(62)
Ea、k、膜厚Dc1、De1は既知であり、絶対温度TをウエハW−3の設定温度Tsp1の時間平均値Tsp1(Av)とすると式(61)、(62)より目標とする平均面内温度差ΔT2を算出できる。
【0105】
(D)算出した面内温度差ΔTを基に時間変化設定温度の時間勾配が算出される(S210)。そして、この時間勾配を基に第1の設定温度プロファイルが修正される。
【0106】
まず、時間変化設定温度の適用によってウエハ面内の温度分布を制御可能なことを示す。
図13(A)は、設定温度Tspとウエハの中央近傍の中央温度Tc、ウエハ周縁近傍の周縁温度Teの時間変化を表したグラフであり、図13(B)はウエハ面内の面内温度差ΔT(=Te−Tc)の時間変化を表したグラフである。
【0107】
これらのグラフは、時刻t0からt1の定温工程、時刻t1からt2の降温工程、時刻t2からt3の定温工程、時刻t3からt4の昇温工程、時刻t4以降の定温工程に区分できる。
そして、昇温工程および降温工程では面内温度差ΔTが生じ、この温度差は昇温工程と降温工程で逆になっていることが判る。即ち、時間変化設定温度の勾配の正負と面内温度差の正負は対応する。
【0108】
この温度勾配と面内温度差の関係はウエハWが積層した状態でその周縁がヒータ31〜35に対向していることによって生じている。即ち、ウエハの周縁は中央よりも加熱されやすく、また放熱しやすい状態となっている。
このため、降温時にはウエハは中央温度が周縁温度よりも高くなり、昇温時には周縁温度が中央温度より高くなり温度差ΔTが生じる。そして、温度差ΔTは定温、降温、昇温等の切替時に多少の時間遅れ(Δt1、Δt2、Δt3、Δt4)はあるもののそれぞれの工程中では絶対値がほぼ一定値ΔT1であることが判る。
【0109】
図14は、設定温度の変化率(=dTsp/dt)と面内温度差ΔT(=Te−Tc)の関係を表したグラフである。設定温度の変化率(設定温度の時間勾配)と面内温度差はほぼ比例することが判る。熱処理炉毎に具体的な設定温度の変化率Vと面内温度差ΔTとの関係(比例定数)は異なるが、これは実験的に求めることができる。即ち、所定の昇温レート(または降温レート)でウエハWを昇温し、このときの面内温度差ΔTを実測すればよい。
【0110】
以上から、時間変化設定温度の勾配を変化することによって温度分布(面内温度差ΔT)の大小及び正負を制御できることが判った。
このように前述の図14等の時間変化設定温度の勾配dTsp/dtと面内温度差ΔTの関係を用いて、算出した必要面内温度差ΔT2から時間変化設定温度の勾配dTsp/dtを算出できる。
【0111】
そして、算出された時間変化設定温度の勾配に基づいて、第1の設定温度プロファイルが修正される。この例を図15に表す。
図15は、修正後の第1の設定温度プロファイルTsp2を修正前の第1の設定温度プロファイルTsp1と対比して示したグラフである。修正前は成膜中が定常設定温度であったのに対し、修正後は時間変化設定温度となっている。
ここで、成膜中の設定温度の平均値は修正の前後で同一の温度T2としている。これは、ウエハ上の膜厚の平均値を変化させないためであり、式(54)で示したように膜の成長速度の時間平均は温度の時間平均で定まることに基づく。
【0112】
第1の設定温度プロファイルの修正にあたって重要なことは、成膜中の設定温度をどのように規定するかであり、成膜前後の条件は多少変化させても差し支えない。例えば、時刻t1からt2の昇温時の昇温レート、昇温時間、安定化時間(t3−t2)が、設定温度プロファイルの修正前後で多少異なっても差し支えない。
【0113】
(E)修正後の第1の設定温度プロファイルに従って、第4のバッチにおけるウエハW−4を熱処理し(S212)、ウエハW−4面内の膜厚分布を測定する(S214)。そして、測定したウエハW−4面内の膜厚分布が許容範囲か否かが判断される(S216)。
【0114】
図16は、図15に示した設定温度プロファイルに従って熱処理を行った場合の温度の時間変化を表している。図16(A)は、設定温度とウエハ中央近傍の中央温度Tc、ウエハ周縁の周縁温度Teの時間変化を、図16(B)は温度差ΔT(=Te−Tc)の時間変化をそれぞれ表すグラフである。
【0115】
図16(A),(B)に示すように、時刻t3からt5の成膜中(熱処理中)のウエハW−4はウエハ中央近傍の中央温度Tcが周縁近傍の周縁温度Teより高くなっている。これは既に述べたように時間変化設定温度に勾配があることによる。このように、S204で測定された膜厚分布とは逆の温度分布(もし、W−3が中央より周縁で膜厚が大きければ、W−4では中央が周縁より高温とする)を与えることにより、ウエハW−4面内での膜厚分布の均一化を図ることができる。
【0116】
次に第1の設定温度プロファイルに図15とは別の修正を加えた例を示す。図17は、第1の設定温度プロファイルを修正する際に図15とは成膜工程の前後の工程を変えた設定温度プロファイルにおける温度の時間変化を示す。
図17(A)は設定温度とウエハ中央近傍の中央温度Tc、ウエハ周縁の周縁温度Teの時間変化を、図17(B)は温度差ΔT(=Te−Tc)の時間変化を1例として表すグラフである。
【0117】
ここでは、成膜工程(時刻t4〜t6)の前後それぞれに昇温工程(時刻t3〜t4,時刻t6〜t7)が入り、時刻t7以降が安定化工程となっている。この結果、第1の安定化工程(時刻t2〜t3)、第2の安定化工程(時刻t7以降)の設定温度と成膜工程(時刻t4〜t6)での設定温度の平均とがT2と一致している。このように基準となる設定温度を定めておくと熱処理工程の明確化を図ることができる。例えば、一連の熱処理工程毎に基準となる設定温度を異ならせることで、それぞれの熱処理工程を相互に区別しやすくなる。
このように成膜工程の前後に多少の工程を付加しても、成膜工程に与える影響が大きくなければ第1の設定温度プロファイルを修正する上で問題はない。
【0118】
(F)S216の判断がYesなら、修正した第1の設定温度プロファイルは第2の設定温度プロファイルとされ、第2の設定温度プロファイル決定工程は終了する。
【0119】
なお、成膜の開始と時間変化設定温度の開始が同時に行われた結果、図16(B)に示すように成膜の初期(t3〜t3+Δt3)で温度分布に過渡的な状態が生じている。従って、時間変化設定温度の開始から処理ガスの導入等成膜の開始に至るまで少し時間的に遅らせることが、成膜期間中の膜の均一な成長を図る上でより好ましい。
【0120】
(G)S216の判断がNoであるなら第3のバッチにおけるウエハW−3および第4のバッチにおけるW−4の実測膜厚から膜厚温度係数Sを算出する(S218)。
この算出は、式(30)を用いることによって行える。但し、このときの温度T1,T2は成膜中の温度の時間平均値T(Av)を使用する。
【0121】
(H)その後、膜厚温度係数の算出値を基に、ウエハ面内の膜厚分布を均一にするために必要なウエハ面内の温度分布を算出し(S220)、これを基に時間変化設定温度の勾配を算出して、修正した第1の設定温度プロファイルに更なる修正を加える。
これらの工程はS208、S210とほぼ対応するものであるので、重複した説明は省略する。
(I)そして、ウエハ面内の膜厚分布が許容範囲になるまでS212,S214等のステップが繰り返され、第2の設定温度プロファイルが決定される。
【0122】
(第3の設定温度プロファイル決定工程の詳細)
次にS300の第3の設定温度プロファイルの決定の詳細を説明する。第3の設定温度プロファイルの決定は、第2の設定温度プロファイルの決定(第1の設定温度プロファイルの修正)によって基板群間での基板の膜厚分布が低下することがあるため、これを是正するために行われる。即ち、第3の設定温度プロファイルを決定する目的は第1の温度設定プロファイルを決定する目的と同様である。基本的な相違は、第1の設定温度プロファイルが成膜中に定常設定温度であるのに対し、第3の設定温度プロファイルが成膜中に時間変化設定温度である点にある。
【0123】
図18は、第3の設定温度プロファイルの決定手順の詳細を表すフロー図である。
図18に示すフロー図は図7に示す第1の設定温度プロファイルの決定工程と対応している。図7では、S108、S116等の算出に定常設定温度を用いていたのに対し、図18では時間変化設定温度の時間平均を用いていることが相違する。
【0124】
図19にS108、S118において修正された第2の設定温度プロファイル(第3の設定温度プロファイル)の1例を示す。ここでは、図17に示した第2の設定温度プロファイルを修正する例を示している。
図19(A)に基板群G1〜G5における基板(モニタウエハW1〜W5)それぞれの設定温度プロファイルを、図19(B)に成膜中の時間変化設定温度の平均値をモニタウエハW1〜W5の位置と対応して示している。この図19は、第1の設定温度プロファイルを示す図10と対応するものである。
【0125】
図19では、第2の設定温度プロファイルの決定において時間変化設定温度の勾配がただ一つのみ規定されているものとする。その結果、縦型熱処理炉10のゾーン1〜5に設置された基板群G1〜G5(モニタウエハW1〜W5)の時間変化設定温度プロファイルは、成膜中(時刻t4〜t6)において定数項のみが異なっている(時間変化設定温度の形状自体は変化させていない)。
【0126】
但し、それぞれの基板群G1〜G5(モニタウエハW1〜W5)毎に時間変化設定温度プロファイルの形状を異ならせることも可能である。このときでも基板群G1〜G5(モニタウエハW1〜W5)のそれぞれの設定温度プロファイルは、修正の前後で形状が同一であるものとする。要するに基板群G1〜G5(モニタウエハW1〜W5)毎に、ウエハ上の膜厚の平均値を目標膜厚Dtに近づけるべく、適正な時間変化設定温度の時間平均値の算出、これに基づく設定温度プロファイルの修正を行えば良いのである。
【0127】
なお、既に述べたように成膜工程(時刻t4〜t6)の前後の工程では設定温度プロファイルを相互に多少変更することが許容され、また、時間変化設定温度の開始より少し時間が経過してから処理ガス導入等の成膜工程を開始した方が良いのはいうまでもない。
その他の点では図7と本質的に相違する点はないので、重複した説明は省略する。
【0128】
(その他の実施形態)
以上の発明の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で、拡張、変更が可能である。
【0129】
まず、第1、第2、第3の設定温度プロファイルの決定工程は必ずしもこの3つの工程が必須ではなく、それぞれを単独で実施しても差し支えない。第1および第3の設定温度プロファイル決定工程は基板群が複数であることが前提であるが、第2の設定温度プロファイル決定工程は基板群が単数であっても差し支えない。
【0130】
基板は半導体ウエハには限られず、例えばガラス基板であってもよい。
時間変化設定温度の勾配は必ずしも時間的に一定である必要はない。勾配が一定でなくても基板面内の膜厚分布の均一化を図ることができる。
【0131】
ヒータの区分の数は5には限られない。また、ヒータの制御には常に中央温度Tcと周縁温度Teから代表温度Trを算出して行わなければならないというものではなく。何らかの形で基板を代表する温度を適宜用いることができる。
【0132】
中央温度Tcおよび周縁温度Teは、温度センサSin、Soutの測定信号から推定するのではなく、直接測定しても差し支えない。この測定には、例えば(a)熱電対等の温度センサをモニタウエハW1〜W5に設置する方法、あるいは(b)放射温度計等による非接触測定を用いることができる。このときには、温度センサSin、Soutは外しても差し支えない。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板間(基板群間)あるいは基板面内において膜厚分布の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る縦型熱処理装置を示す断面図である。
【図2】 本発明に係る縦型熱処理装置を示す斜視図である。
【図3】 本発明に係る縦型熱処理装置のコントローラの詳細を示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る縦型熱処理装置の設定温度プロファイルの1例を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る縦型熱処理装置のコントローラによる制御手順を表すフロー図である。
【図6】 本発明に係る設定温度プロファイルの決定手順の概略を表したフロー図である。
【図7】 本発明に係る第1の設定温度プロファイルの決定手順の詳細を表したフロー図である。
【図8】 ウエハ上で膜厚を測定する測定点の1例を示す正面図である。
【図9】 ウエハ上の膜厚分布の1例を示す正面図である。
【図10】 修正された設定温度プロファイルの1例および定常設定温度Tsp1の値とウエハの位置との関係を表したグラフである。
【図11】 第2の設定温度プロファイルの決定手順の詳細を表すフロー図である。
【図12】 ウエハ面内の膜厚とウエハからの距離の関係、およびウエハ面内膜厚を均一にするためのウエハ面内の温度分布の1例を表したグラフである。
【図13】 設定温度Tspと中央温度Tc、周縁温度Teおよび面内温度差ΔTの時間変化の1例を表したグラフである。
【図14】 設定温度の変化率(勾配)と面内温度差ΔTの関係を表したグラフである。
【図15】 修正後の第1の設定温度プロファイルTsp2を修正前の設定温度プロファイルTsp1と対比して示したグラフである。
【図16】 修正後の第1の設定温度プロファイルTsp2に基づく、設定温度と中央温度Tc、周縁温度Teおよび温度差ΔTの時間変化の1例をそれぞれ表すグラフである。
【図17】 他の修正後の第1の設定温度プロファイルTsp2に基づく、設定温度と中央温度Tc、周縁温度Teおよび温度差ΔTの時間変化の他の例をそれぞれ表すグラフである。
【図18】 第3の設定温度プロファイルの決定手順の詳細を表すフロー図である。
【図19】 修正された第2の設定温度プロファイルおよび成膜中の時間変化設定温度の平均値をモニタウエハW1〜W5の位置と対応して示すグラフである。
【符号の説明】
10 縦型熱処理炉
2 反応管
2b 外管
2a 内管
20 ウエハボート
21 マニホールド
22 フェースプレート
23 ウエハボート
24 蓋体
26 ボートエレベータ
27 排気管
28 圧力調整部
3,31〜35 ヒータ
41〜45 電力制御器
51、52 ガス供給管
61、62 流量調整部
100 コントローラ
110 基板温度推定部
120 代表温度算出部
130 設定温度プロファイル記憶部
140 ヒータ出力決定部

Claims (27)

  1. 複数の基板群から構成されるバッチ内の基板の基板温度を,時間の経過と設定温度との関係を表した複数の設定温度プロファイルに従って制御する熱処理装置の制御条件を決定する方法であって,
    第1のバッチにおける複数の基板群に対してそれぞれ規定された設定温度プロファイルであって,処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が時間の経過と共に変化する時間変化設定温度である設定温度プロファイルに従って,前記第1のバッチにおける複数の基板群を熱処理する第1の熱処理工程,および該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程とを含む第1の熱処理・膜厚測定工程と,
    前記第1の膜厚測定工程によって測定された前記第1のバッチにおける基板群の基板上の膜の膜厚に基づいて,熱処理を行った際にそれぞれの基板群間で基板上に形成される膜の膜厚が略同一となるように,それぞれの前記設定温度プロファイルを修正する第1の設定温度プロファイル修正工程と,
    を具備することを特徴とする熱処理装置の制御条件決定方法。
  2. 前記熱処理中におけるそれぞれの前記設定温度プロファイルの勾配が,時間的に略一定であることを特徴とする請求項1記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  3. 前記第1の膜厚測定工程が,それぞれ前記基板群の基板上の複数箇所で膜の膜厚を測定し,その平均値としてそれぞれの基板の膜厚を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  4. 前記第1の設定温度プロファイル修正工程が,熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係に基づいて,それぞれの前記設定温度の平均値を算出し,算出した平均値に基づいて前記設定温度プロファイルを修正する工程を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  5. 前記第1の設定温度プロファイル修正工程で修正された前記第1の設定温度プロファイルに従って,第2のバッチにおける複数の基板群を熱処理し,該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する第2の熱処理・膜厚測定工程と,
    前記第2の熱処理・膜厚測定工程によって測定されたそれぞれの前記基板群の基板上の膜の膜厚に基づいて,熱処理を行った際にそれぞれの基板群間で基板上に形成される膜の膜厚を略同一とするための,それぞれの前記設定温度プロファイルを修正する第2の設定温度プロファイル修正工程と,
    を具備することを特徴とする請求項1記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  6. 前記第2の設定温度プロファイル修正工程が,熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係に基づいて,それぞれの前記設定温度プロファイルの前記時間変化設定温度の平均値を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項5記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  7. 前記第2の設定温度プロファイル修正工程が,
    前記第2の膜厚測定工程において測定された前記第2のバッチにおける基板群の基板上の膜の膜厚および前記第2の熱処理工程における熱処理中の前記時間変化設定温度の時間平均値と,前記第1の膜厚測定工程において測定された前記第1のバッチにおける基板群の基板上の膜の膜厚および前記第1の熱処理工程における熱処理中の前記時間変化設定温度の時間平均値に基づいて,前記膜厚温度依存関係を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項6記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  8. 前記第2の熱処理・膜厚測定工程と,前記第2の設定温度プロファイル修正工程を繰り返す
    ことを特徴とする請求項5記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  9. 複数の基板群から構成されるバッチ内の基板の基板温度を,設定温度と時間の経過との関係を表したそれぞれの設定温度プロファイルに従って制御する熱処理装置の制御条件を決定する方法であって,
    複数の基板群に対してそれぞれ設定され,処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が略一定の定常設定温度であって,かつ複数の基板群間で基板上に略同一の膜厚の膜を形成する第1の設定温度プロファイルを決定する第1の設定温度プロファイル決定工程と,
    複数の基板群に対してそれぞれ設定され,処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が時間の経過と共に変化する時間変化設定温度である第2の設定温度プロファイルであって,かつ第1の設定温度プロファイルを修正してなる第2の設定温度プロファイルを決定する第2の設定温度プロファイル決定工程と,
    複数の基板群に対してそれぞれ設定され,処理ガスを導入して基板上に膜を形成する熱処理中における設定温度が時間の経過と共に変化する時間変化設定温度であり,該複数の基板群間で基板上に略同一の膜厚の膜を形成する第3の設定温度プロファイルであって,かつ前記第2の設定温度プロファイルを修正してなる第3の設定温度プロファイルを決定する第3の設定温度プロファイル決定工程と,を具備し,
    前記第2の設定温度プロファイル決定工程が,
    前記第1の設定温度プロファイルに従って,第3のバッチにおける基板群を熱処理する第3の熱処理工程,および該基板群の基板面内の膜厚分布を測定する第3の膜厚測定工程と,を含む熱処理・膜厚測定工程と,
    熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係および前記基板面内の膜厚分布に基づいて,基板上に略均一な膜厚の膜を形成するために必要な基板面内の必要温度分布を算出する工程と,
    熱処理中の時間変化設定温度の勾配と基板面内の温度分布との勾配面内分布依存関係および前記必要温度分布に基づいて,基板上に略均一な膜厚の膜を形成するために必要な前記時間変化設定温度の必要勾配を算出する工程と,
    前記算出された必要勾配に基づいて,前記第1の設定温度プロファイルを修正する第3の設定温度プロファイル修正工程と,を有し,
    前記第3の温度設定プロファイル決定工程が,
    前記第2の設定温度プロファイルに従って,複数の基板群を熱処理する工程,および該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する工程と,を含む熱処理・膜厚測定工程と,
    前記測定されたそれぞれの前記基板群の基板上に形成された膜の膜厚に基づいて,熱処理を行った際にそれぞれの基板群間で基板上に形成される膜の膜厚が略同一になるそれぞれの時間経過設定温度の平均値を算出する工程と,
    前記算出された時間経過設定温度の平均値に基づいて,前記第2の設定温度プロファイルを修正する工程と,を有する,
    ことを特徴とする熱処理装置の制御条件決定方法。
  10. 前記第1の設定温度プロファイル決定工程が,
    熱処理中の定常設定温度が略同一の設定温度プロファイルに従って,第1のバッチにおける複数の基板群を熱処理する第1の熱処理工程,および該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する第1の膜厚測定工程とを含む第1の熱処理・膜厚測定工程と,
    前記第1の膜厚測定工程によって測定された前記基板群の基板上に形成された膜の膜厚に基づいて,熱処理を行った際にそれぞれの前記基板群間で基板上に形成される膜の膜厚が略同一となるそれぞれの定常設定温度を算出し,算出した定常設定温度に基づいて設定温度プロファイルを修正する第1の設定温度プロファイル修正工程と,
    を具備することを特徴とする請求項9記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  11. 前記第1の設定温度プロファイル修正工程が,熱処理中における基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係に基づいて,それぞれの前記設定温度プロファイルの前記定常設定温度を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項10記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  12. 前記第1の膜厚測定工程が,前記第1のバッチにおける基板群の基板上の複数箇所で膜の膜厚を測定し,その平均値としてそれぞれの該基板の膜厚を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項11記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  13. 前記第1の設定温度プロファイル決定工程が,
    前記第1の設定温度プロファイル修正工程で修正された前記設定温度プロファイルに従って,第2のバッチにおける複数の基板群を熱処理し,該複数の基板群の基板上に形成された膜の膜厚を測定する第2の熱処理・膜厚測定工程と,
    前記第2の熱処理・膜厚測定工程によって測定されたそれぞれの前記基板群の基板上に形成された膜の膜厚に基づいて,熱処理を行った際にそれぞれの該基板群間で基板上に形成される膜の膜厚が略同一になるように,それぞれの前記設定温度プロファイルを修正する第2の設定温度プロファイル修正工程と
    をさらに具備することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  14. 前記第2の設定温度プロファイル修正工程が,熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係に基づいて,それぞれの前記設定温度プロファイルの定常設定温度を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項13記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  15. 前記第2の設定温度プロファイル修正工程が,
    前記第2の膜厚測定工程において測定された前記第2のバッチにおける基板群の基板上に形成された膜の膜厚および前記第2の熱処理工程における熱処理中の定常設定温度と,前記第1の膜厚測定工程において測定された前記第1のバッチにおける基板群の基板上に形成された膜の膜厚および前記第1の熱処理工程における熱処理中の定常設定温度に基づいて,前記膜厚温度依存関係を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項14記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  16. 前記第2の熱処理・膜厚測定工程と,前記第2の設定温度プロファイル修正工程を繰り返す
    ことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  17. 熱処理中におけるそれぞれの前記第2の設定温度プロファイルの前記時間変化設定温度の時間平均値と前記第1の設定温度プロファイルの定常設定温度が略等しい
    ことを特徴とする請求項9乃至16のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  18. 熱処理中におけるそれぞれの前記第2の設定温度プロファイルの勾配が,時間的に略一定である
    ことを特徴とする請求項9乃至17のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  19. 前記第3の膜厚測定工程が,前記基板上の中央近傍および複数の周縁近傍箇所で膜の膜厚を測定する工程を含む
    ことを特徴とする請求項9乃至18のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  20. 前記第3の膜厚測定工程が,前記基板の中央近傍からの距離の関数として前記基板面内の膜厚分布を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項9乃至19のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  21. 前記第3のバッチにおける基板面内の膜厚分布が,前記基板の中央近傍からの距離の2乗の関数で表される
    ことを特徴とする請求項20記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  22. 前記基板面内の膜厚分布が,基板の中央近傍の膜厚と周縁近傍の膜厚の差で表される
    ことを特徴とする請求項9乃至21のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  23. 前記必要温度分布が,基板の中央近傍の温度と周縁近傍の温度の差で表される
    ことを特徴とする請求項9乃至22のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  24. 前記第2の設定温度プロファイル決定工程が,
    前記第3の設定温度プロファイル修正工程で修正された前記第1の設定温度プロファイルに従って,第4のバッチにおける基板群を熱処理する第4の熱処理工程,および該基板群の基板面内の膜厚分布を測定する第4の膜厚測定工程とを含む第4の熱処理・膜厚測定工程と,
    前記第4の熱処理・膜厚測定工程によって測定された前記基板面内の膜厚分布に基づいて,熱処理を行った際に基板上に略均一な膜厚の膜が形成されるように,前記第3の設定温度プロファイル修正工程で修正された前記第1の設定温度プロファイルをさらに修正する第4の設定温度プロファイル修正工程と
    をさらに具備することを特徴とする請求項9乃至23のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  25. 前記第4の設定温度プロファイル修正工程が,熱処理中の基板温度と膜厚との膜厚温度依存関係に基づいて,基板上に略均一な膜厚の膜を形成するために必要な基板面内の必要温度分布を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項24記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  26. 前記第4の設定温度プロファイル修正工程が,
    前記第4の膜厚測定工程において測定された前記第4のバッチにおける基板群の基板上に形成された膜の膜厚および第2の熱処理工程における熱処理中の前記時間変化設定温度の時間平均値と,前記第3の膜厚測定工程において測定された前記第3のバッチにおける基板群の基板上に形成された膜の膜厚および第3の熱処理工程における熱処理中の前記時間変化設定温度の時間平均値に基づいて,前記膜厚温度依存関係を算出する工程を含む
    ことを特徴とする請求項25記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
  27. 前記第4の熱処理・膜厚測定工程と,前記第4の設定温度プロファイル修正工程を繰り返す
    ことを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1項に記載の熱処理装置の制御条件決定方法。
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