JP2803460B2 - 減圧気相成長装置 - Google Patents

減圧気相成長装置

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JP2803460B2 JP12135492A JP12135492A JP2803460B2 JP 2803460 B2 JP2803460 B2 JP 2803460B2 JP 12135492 A JP12135492 A JP 12135492A JP 12135492 A JP12135492 A JP 12135492A JP 2803460 B2 JP2803460 B2 JP 2803460B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減圧気相成長装置に関
し、特に複数のヒータを有する減圧気相成長装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の減圧気相成長装置は図4に示すよ
うに、反応管を構成する内外の炉芯管2及び3の内部を
加熱するヒータ1と、ヒータ1の温度を測定する熱電対
7と、半導体ウエハー5を保持する石英ボート4と、炉
芯管2,3を密閉するハッチ6と、炉芯管2及び3内の
ガスを排気する真空ポンプ8とを備えている。
【0003】半導体ウエハー5は、ハッチ6上の石英ボ
ート4に搭載され、ハッチ6が上昇することにより内側
の炉芯管3内に入る。次に、ハッチ6により炉芯管2,
3内が密閉されたところで、真空ポンプ8により炉芯管
内は排気され、真空状態にされる。
【0004】この状態で、半導体ウエハー5の温度が安
定するまで待ち、温度が安定したところで、内側の炉芯
管3の内側に下方から材料ガスを導入する。材料ガスは
炉芯管3の内側を下から上に流れ、このときに半導体ウ
エハー5の表面に薄膜が成長する。
【0005】材料ガスが下から上に流れているため、石
英ボート4の下方に搭載されている半導体ウエハーによ
り材料ガスが消費されて、炉内上方では材料ガスの濃度
が低くなり、上,中,下段の3つのヒータ1の温度を等
しくした場合には、炉内上方の半導体ウエハー表面に成
長する薄膜の膜厚は薄くなってしまう。
【0006】半導体ウエハー表面に成長する薄膜の膜厚
は、半導体ウエハーの表面温度に影響されるので、上,
中,下段のヒータ温度に勾配をつけることによって、前
述した炉内位置による成長膜厚の差を低減している。
【0007】図5は、半導体ウエハー5の表面に成長す
る薄膜の膜厚の炉内位置による差を低減するために、
上,中,下段の3つのヒータ1の温度分布を最適温度に
変更する際のフローチャート図である。図中の一点鎖線
で囲まれた部分は、人間による判断・処理を表わす。
【0008】図5に示すように、作業者は、炉内各位置
の半導体ウエハー5の表面に成長した薄膜の膜厚を測定
し、この膜厚測定データと3つのヒータとの温度の測定
値と、ヒータの温度分布と、炉内膜厚分布の相関データ
との3つから総合的に判断して、最適なヒータの温度分
布を決定しなければならない。
【0009】すなわち、炉内下方の半導体ウエハー5の
表面の成長膜厚が厚く、炉内上方での半導体ウエハー5
の表面の成長膜厚が薄い場合には、下段のヒータ1の温
度を下げて上段のヒータ1の温度を上げることによっ
て、炉内下方の成長膜厚を薄くして炉内上方の成長膜厚
を厚くすることができる。
【0010】しかし、下段のヒータ温度を下げると、炉
内下方での材料ガスの消費量が減るため、それより上方
の材料ガスの濃度が高くなり、炉内上方の半導体ウエハ
ー5表面の成長膜厚は逆に厚くなる。
【0011】このため、上段のヒータ1の温度を上げす
ぎると、炉内上方の半導体ウエハー5表面の成長膜厚は
厚くなり過ぎてしまうので、ヒータ温度の最適な設定に
は、作業者の経験と熟練が必要である。また、決定した
ヒータの設定温度も作業者が入力する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この従来の減圧気相成
長装置では、炉内位置による成長膜厚の差を低減、すな
わち、バッチ内の均一性を向上させるために、膜厚測定
データやヒータ温度の測定値、ヒータ温度の変化による
成長膜厚の変動などのデータから、作業者の総合的な判
断が必要であり、作業者の勘に頼っている部分が多く、
熟練していない作業者では試行作業の回数が多くなるた
め、生産性が低下するという問題があった。また、作業
の省力化を推進するのも困難であった。
【0013】本発明の目的は、膜厚のバッチ内均一性向
上のための試行作業回数を低減し、生産性の向上と省力
化を達成した減圧気相成長装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る減圧気相成長装置は、相関データベー
スと、処理部とを有する減圧気相成長装置であって、相
関データベースは、ヒータの温度を基準温度から様々に
変化させて半導体ウエハー表面に薄膜を成長させ、その
時の炉内各位置での成長膜厚変化量の分布とヒータ温度
の基準温度からの変化量の分布との相関データベースを
登録したものであり、処理部は、相関データベースの相
関データを参照して、前回の作業の炉内膜厚分布のデー
タとヒータ温度から最適なヒータ温度を計算し、制御す
るものである。
【0015】
【作用】ヒータの温度を基準温度から様々に変化させて
半導体ウエハー表面に薄膜を成長させ、その時の炉内各
位置での成長膜厚変化量の分布とヒータ温度の基準温度
からの変化量の分布との相関データを登録し、前回の作
業の炉内膜厚分布のデータとヒータ温度から自動的に最
適なヒータ温度を計算し、制御する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0017】(実施例1)図1は、本発明の実施例に係
る減圧気相成長装置を示す構成図である。
【0018】図において、本実施例に係る装置は、反応
管を構成する内外の炉芯管2及び炉芯管3と、炉芯管2
及び3の内部を加熱するヒータ1と、ヒータ1の温度を
測定する熱電対7と、半導体ウエハー5を保持する石英
ボート4と、炉芯管2及び3内を密閉するハッチ6と、
炉芯管2及び3内のガスを排気する真空ポンプ8とを備
えている。
【0019】半導体ウエハー5は、ハッチ6上の石英ボ
ート4に搭載され、ハッチ6が上昇することにより炉芯
管(内管)3内に入る。次に、ハッチ6により炉芯管2
及び3内が密閉されたところで、真空ポンプ8により炉
芯管内は排気され、真空状態にされる。
【0020】この状態で、半導体ウエハー5の温度が安
定するまで待ち、温度が安定したところで、炉芯管3の
内側に下方から材料ガスを導入する。材料ガスは炉芯管
3の内側を下方から上に流れ、この時に半導体ウエハー
5の表面に薄膜が成長する。
【0021】図2は、半導体ウエハー5表面に成長する
薄膜の膜厚の炉内位置による差を低減(バッチ内均一性
を向上)するために、上,中,下段の3つのヒータ1の
温度分布を最適温度に変更する機構を示すブロック図で
ある。
【0022】図2に示す機構は、膜厚測定の結果を入力
する入力部9と、図1の熱電対7により計測されたヒー
タ1の測定値が入力される測定部10と、相関データベ
ース11と、処理部12とを有している。
【0023】相関データベース11は、図1に示すヒー
タ1の温度を基準温度から様々に変化させて半導体ウエ
ハー5表面に薄膜を成長させ、そのときの炉内各位置で
の成長膜厚変化量の分布と、ヒータ温度の基準温度から
の変化量の分布との相関データを登録したものである。
【0024】処理部12は、前回の作業の炉内膜厚分布
のデータとヒータ温度とから最適なヒータ温度を計算
し、ヒータ1を制御するものである。
【0025】作業者は、炉内各位置の半導体ウエハー5
の表面に成長した薄膜の膜厚を測定し、その膜厚測定結
果を入力部9にて処理部12に入力する。この時のヒー
タ1の温度は熱電対7によって計測され、測定部10に
送信される。
【0026】これらの膜厚測定結果とヒータ温度の分布
は、あらかじめ登録してある炉内各位置での成長膜厚変
化量とヒータ温度の基準温度からの変化量の相関データ
ベース11と照合され、処理部12は自動的に最適なヒ
ータ温度を決定する。そして、そのヒータ温度の設定値
は、装置の温度制御回路13に送信され、ヒータ1の温
度が変更される。
【0027】前述した、炉内各位置での成長膜厚変化量
とヒータ温度の基準温度からの変化量の相関データベー
スについて、以下に述べる。石英ボート4に上から下ま
で等間隔に5枚の膜厚モニター用半導体ウエハーを挿入
し、これらを半導体ウエハー,,,,とし、
ヒータを上段からヒータA,B,Cとする。半導体ウエ
ハー,,,,それぞれの表面に成長した薄膜
の膜厚の差が最も小さくなるときの半導体ウエハー,
,,,の膜厚と、そのときのヒータA,B,C
の温度を基準として、ヒータA,B,Cの温度を個別あ
るいは連動させて少しずつ変化させる。
【0028】このときの半導体ウエハー,,,
,の膜厚の基準膜厚からの変化量と、その膜厚変化
量が得られたときのヒータA,B,Cの基準温度からの
変化量をひとまとまりのデータとし、このデータを多数
の場合において収集して保存したものが前述のデータベ
ースである。すなわち、半導体ウエハーxの膜厚の基準
膜厚からの変化量をtX、ヒータyの温度の基準温度か
らの変化量をTyとすると、データの形式は、
([t ,t ,t ,t ,t ],[TA,TB,T
C])となる。
【0029】データ中の各膜厚変化量と各ヒータ温度の
変化量は、データ検索の際に重要となるので、必ずこの
順に入力されなければならない。
【0030】例えば、半導体ウエハー,,,,
の表面に成長した薄膜の膜厚を測定した結果、6枚の
膜厚の平均値がt、各半導体ウエハーの膜厚と平均tと
の差が、[t ,t ,t ,t ,t ]=[a,
b,c,d,e]である場合には、膜厚変化量とヒータ
温度変化量の相関データベース中から、([a,b,
c,d,e],[TA,TB,TC])に最も近いデータ
を選び出す。
【0031】このデータは、ヒータA,B,Cそれぞれ
の温度をTA,TB,TCだけ変化させたときに、半導体
ウエハー,,,,の膜厚がa,b,c,d,
eだけ変化したことを示しているので、逆算して、現在
のヒータA,B,Cの温度から、それぞれTA,TB,T
Cを減じた値がヒータA,B,Cの最適温度となる。
【0032】このようなシステムを用いることにより、
熟練した作業者でなくとも最適な温度変更が行える。従
来、膜厚のバッチ内均一性の良い条件を決定するまでに
2〜5回の試行作業が必要であったが、このシステムを
用いることにより、試行回数は1〜2回に低減され、生
産性の向上,省力化が実現される。
【0033】(実施例2)図3は、本発明の実施例2を
示すものであり、半導体ウエハー5の表面に成長する薄
膜の膜厚の炉内位置による差を低減(バッチ内均一性を
向上)する機構を示す図である。
【0034】作業者は炉内各位置の半導体ウエハー5の
表面に成長した薄膜の膜厚を測定する。測定結果は通信
回線を通してデータの入力部4に送信され、現在のヒー
タ温度も熱電対7で計測されて測定部10に送信され
る。
【0035】これらの膜厚測定結果とヒータ温度の分布
は、あらかじめ登録してある炉内各位置での成長膜厚変
化量とヒータ温度の基準温度からの変化量の相関データ
ベース11と照合され、処理部12によって自動的に最
適なヒータ温度が決定され、装置の温度制御回路13に
送信される。最適温度の決定方法は、実施例1で説明し
た通りである。
【0036】このシステムでは、生産性の向上は実施例
1と同等であるが、作業者の膜厚データの手入力が省略
され、入力間違いの防止と省力化が実現できるという利
点がある。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ヒータの
温度を基準温度から様々に変化させて半導体ウエハー表
面に薄膜を成長させ、その時の炉内各位置での成長膜厚
変化量の分布とヒータ温度の基準温度からの変化量の分
布との相関データベースを備え、前回の作業の炉内膜厚
分布のデータとヒータ温度から自動的に最適なヒータ温
度を計算し、制御できるようにしたので、膜厚のバッチ
内均一性の向上を目的とした試行作業の回数が低減でき
る。
【0038】また、人間による作業を省くことができる
ため、その結果として生産性が向上でき、作業の省力化
が推進できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す装置概略図である。
【図2】図1に示した装置において最適ヒータ温度分布
を決定する機構を示す図である。
【図3】図1に示した装置において最適ヒータ温度分布
を決定する機構の他の実施例を示す図である。
【図4】従来例を示す装置概略図である。
【図5】図4に示した装置において最適ヒータ温度分布
を決定する際の従来技術のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 ヒータ 2,3 炉芯管 4 石英ボート 5 半導体ウエハー 6 ハッチ 7 熱電対 8 真空ポンプ 9 入力部 10 測定部 11 相関データベース 12 処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/205 B01J 19/00 C30B 25/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相関データベースと、処理部とを有する
    減圧気相成長装置であって、 相関データベースは、ヒータの温度を基準温度から様々
    に変化させて半導体ウエハー表面に薄膜を成長させ、そ
    の時の炉内各位置での成長膜厚変化量の分布とヒータ温
    度の基準温度からの変化量の分布との相関データベース
    を登録したものであり、 処理部は、相関データベースの相関データを参照して、
    前回の作業の炉内膜厚分布のデータとヒータ温度から最
    適なヒータ温度を計算し、制御するものであることを特
    徴とする減圧気相成長装置。
JP12135492A 1992-04-15 1992-04-15 減圧気相成長装置 Expired - Fee Related JP2803460B2 (ja)

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