JP4455856B2 - 半導体製造システムおよび半導体製造方法 - Google Patents
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Description
また、例えば、「特開2000−183072号公報(文献1)」は、半導体に対して熱処理を行う際の温度制御方法を開示する。
文献1に開示された温度制御方法においては、温度制御量と温度検出値・目標値の偏差などとの関係を示す数値が行列の形式で用いられており、この行列は、文献1において「干渉行列」と呼ばれている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる半導体製造システムは、処理条件を示す設定値に基づいて、被処理基板に対して所定の処理を行う半導体処理装置と、前記設定値の内の1つ以上を算出する設定値算出装置と、前記算出された設定値と、前記算出された設定値に基づいて、前記被処理基板に対して前記所定の処理を行った場合の処理結果とを対応付けて記憶する設定値記憶手段とを有し、前記半導体製造装置は、所望の処理結果を得るための設定値が記憶されている場合には、前記記憶されている設定値を前記所定の処理のために用い、これ以外の場合には、前記算出される設定値を前記所定の処理のために用いる。
好適には、前記設定値算出装置は、前記算出の対象となる対象設定値それぞれの変化と、前記処理結果それぞれとの関係を示す関係係数を算出する関係係数算出手段と、前記算出された関係係数に基づいて、前記半導体それぞれに対して所望の処理結果を与える前記対象設定値を求める設定値算出手段とを有する。
好適には、前記設定値記憶手段は、前記被処理基板の数量と、前記算出された設定値と、前記算出された処理結果とを対応付けて記憶し、前記半導体製造装置は、特定の数量および前記反応室内における位置またはこれらのいずれかの被処理基板に対する所望の処理結果を得るための設定値が記憶されている場合には、前記記憶されている設定値を前記所定の処理のために用い、これ以外の場合には、前記算出された設定値を前記所定の処理のために用いる。
また、本発明にかかる半導体製造方法は、処理条件を示す設定値に基づいて、被処理基板に対して所定の処理を行う半導体製造装置を用いる半導体製造方法であって、前記設定値の内の1つ以上を算出し、前記算出された設定値と、前記算出された設定値に基づいて、前記被処理基板に対して前記所定の処理を行った場合の処理結果とを対応付けて記憶し、前記半導体製造装置に、前記被処理基板を搬入し、前記半導体製造装置に、所望の処理結果を得るための設定値が記憶されている場合には、前記記憶されている設定値を用いて前記所定の処理を行わせ、これ以外の場合には、前記算出される設定値を用いて前記所定の処理を行わせ、前記所定の処理がなされた被処理基板を、前記半導体装置から搬出する。
本発明の理解を容易にするために、まず、本発明がなされるに至った背景を説明する。
例えば、縦型CVD装置は、反応室内の圧力、膜の材料となるガスの流量の設定値、および、複数のヒータそれぞれの温度設定値の調節により、半導体ウェハに所望の厚さの膜を形成し、複数の半導体ウェハそれぞれに形成される膜の厚さを均一にするように構成されている。
従って、この種の装置においては、膜厚などを変更するたびに、圧力・流量およびヒータの温度の設定値の変更が必要となるが、これらの設定値は、従来、それまでのCVD処理により得られたデータに基づいて求められたり、技術者の経験に基づいて求められたり、実際に種々の条件下で半導体ウェハに膜を形成する実験により求められたりしてきた。
また、上述の設定値は、通常、装置に固有であるので、装置の入れ替えを行ったような場合には、それまでのデータは、設定値を求めるために役に立たなくなってしまう。
本発明は、これらの点に着目してなされたものであって、干渉行列を用いることにより、経験などに頼らず、温度および圧力・流量の設定値を、正確に、しかも短時間に求めることができるように構成されている。
以下、この発明の実施形態を、詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる半導体製造システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、半導体製造システム1は、設定値算出装置3、半導体製造装置4、膜形成制御装置22、膜厚測定装置26および係数・設定値DB28から構成される。
半導体製造システム1は、これらの構成要素により、半導体製造装置4に対する温度および炉内の圧力、および、炉内に導入されるガスの流量の設定値を算出し、算出した値を半導体製造装置4に設定して、ボート404に載せられた半導体ウェハ180(図4;枚数は任意)に対して、化学気相形成(CVD)による膜形成処理を行う。
なお、半導体製造システム1のこれらの構成部分は、全てが同一の筐体内に一体に構成されているか、別々の筐体内に構成されているかなどは問われない。
図2は、図1に示した設定値算出装置3、膜形成制御装置22および係数・設定値DB28のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、設定値算出装置3は、CPU102およびメモリ104などを含むコンピュータ本体10、通信IF12、記憶装置14および表示・入力装置16から構成される。
つまり、設定値算出装置3は、一般的なコンピュータとしての構成部分を含んでいる。
なお、設定値算出装置3と膜形成制御装置22および係数・設定値DB28とは、規模・性能および付加装置などが異なる他は、基本的に同じハードウェア構成を採る。
また、半導体製造装置4および膜厚測定装置26の制御装置(図示せず)も、設定値算出装置3と同様な構成を採る。
図4は、図3に示したボート404およびウェハ180を収容した状態の反応室40(図3)の断面を例示する図である。
図3に示すように、半導体製造装置4は、カセット授受ユニット480、カセット授受ユニット480の背面側に設けられたカセットストッカ482、カセットストッカ482の上方に設けられたバッファカセットストッカ484、カセットストッカ482の背面側に設けられたウエハ移動機486、ウエハ移動機486の背面側に設けられ、ウェハ180がセットされたボート404を搬送するボートエレベータ488、および、ウエハ移動機486の上方に設けられた反応室40から構成される。
ヒータ42は、それぞれに対する温度の設定および調節が可能な5つの温度調節部分(U,CU,CC,CL,L)402−1〜402−5を含む。
ヒータ42の温度調整部分402−1〜402−5は、例えば、1つの連続したヒータ42の巻線から、複数のタップを引き出すことにより、あるいは、それぞれ独立した巻線を有する5個のヒータを設けることにより実現される。
アウタチューブ448とインナチューブ450とは、ヒータ42と同心に設けられ、これらの間には、閉塞された筒状空間452が形成される。
半導体製造装置4は、例えば、いわゆる縦型CVD装置であって、これらの構成部分により、反応室40内に所定の間隔で並べられた半導体ウェハ180に対して、CVDにより、Si3N4膜、SiO2膜およびポリシリコン(Poly−Si)膜などの形成を行う。
半導体製造装置4による膜形成をさらに説明する。
ガス導入ノズル440(図4)は、アウタチューブ448の内部に連通し、反応ガスを導入する。
インナチューブ450には、石英製のボート404が装入され、ボート404は、炉口蓋444に立設される。
炉口蓋444は、ボートエレベータ448(図3)に設けられ、円筒フランジ442の下端を閉塞する。
カセット授受ユニット480(図3)は、このウェハ180を、カセットストッカ482またはバッファカセットストッカ484に移載する。
ウエハ移動機486は、カセットストッカ482からウェハ180を取り出し、ボート404に水平な状態で多段に装填する。
ヒータ42の5つの温度調節部分(U,CU,CC,CL,L)402−1〜402−5それぞれは、設定に従ってアウタチューブ448の内部を加熱し、ガス導入ノズル440から反応ガスを導入する。
導入されたガスは、インナチューブ450内部を上昇し、その上部で折り返されて降下し、排気管446から排出される。
膜形成が終わると、ボート404が反応室40から引き出され、ウエハ移動機486により、ボート404にセットされたウェハ180が、ウエハカセット490に移載され、膜形成済ウェハ182(図1)として、外部搬送装置により搬出される。
図5は、図1に示した膜形成制御装置22の構成と、膜形成制御装置22と半導体製造装置4(図1,図3,図4)との関係を模式的に示す図である。
なお、図5は上述の事項を模式的に示すので、図5における反応室40の各構成部分の形状は、図3,図4とは必ずしも一致しない。
図5に示すように、図3,図4に示した反応室40は、温度センサ406−1〜406−5、ガス流量調整器410、流量センサ412、圧力調整装置420および圧力センサ422をさらに含んでいる。
反応室40の温度センサ406−1〜406−5それぞれは、ヒータ42の温度調整部分402−1〜402−5(図4,図5)それぞれに配設され、温度を検出する。
流量センサ412は、ガス導入ノズル440を介してアウタチューブ448内に供給されるガスの流量を検出する。
圧力センサ422は、アウタチューブ448内の圧力を検出する。
膜形成制御装置22は、これらの構成部分により、設定値算出装置3から設定された温度および圧力・流量の設定値に基づいて半導体製造装置4の各構成部分を制御する。
圧力制御装置226は、圧力センサ422が検出するアウタチューブ448内部の圧力が、設定値算出装置3により設定される圧力の値に等しくなるように、圧力調整装置420を制御して、反応室40のアウタチューブ448内の圧力を制御する。
膜厚測定装置26は、半導体製造装置4による膜形成処理が済んだ複数の膜形成済ウェハ182(図1)の内、例えば、図3に示したように、反応室40内において等間隔な位置にあった4枚(W1〜W4)の測定対象ウェハに形成された膜の厚さを測定し、測定結果を設定値算出装置3に対して出力する。
係数・設定値DB28(図1)は、後述するように、設定値算出装置3が算出した係数(干渉行列を含む)および膜形成制御装置22に対する温度および圧力・流量の設定値を記憶し、管理する。
図6は、図1などに示した設定値算出装置3において実行される設定値算出プログラム5の構成を示す図である。
図6に示すように、設定値算出プログラム5は、干渉行列・係数算出部500、膜厚算出部502、設定値算出部504、ユーザインターフェース部510、干渉行列・係数DB520および設定値DB522から構成される。
設定値算出プログラム5は、これらの構成部分により、干渉行列M(図9を参照して後述)などを利用して、半導体製造システム1のユーザが所望する条件の膜を半導体ウェハ180に形成するために、温度調整部分402−1〜402−5それぞれに対する設定温度を算出する。
また、さらに、設定値算出プログラム5は、第2の実施形態の説明において後述するように、ユーザが所望する条件の膜を半導体ウェハ180に形成するために、膜形成制御装置22に設定すべき、反応室40(図3〜図5)のアウタチューブ448内部の圧力、および、アウタチューブ448に導入されるガスの流量を算出する。
第1の実施形態において、干渉行列・係数算出部500は、温度調整部分402−1〜402−5それぞれの温度変化(ΔT)と、測定対象のウェハ180(W1〜W4)それぞれに形成される膜厚の変化(ΔFT)との関係を、実測値に基づいて行列形式で示す熱干渉行列Mを算出する。
図7〜図9はそれぞれ、図6に示した干渉行列・係数算出部500の処理を示す第1〜第3の図表である。
なお、図7〜図9に示した数値は、干渉行列・係数算出部500の処理を説明するための単なる例示であって、具体的な計算結果に基づいたものではない。
らに、干渉行列・係数算出部500は、膜形成済ウェハ182の内の測定対象のウェハ180(W1〜W4)それぞれに形成された膜の厚さFT1〜FT4を、膜厚測定装置26により測定する。
の結果として、干渉行列・係数算出部500は、例えば、図7中に「FLAT」として示すように、測定対象のウェハ180(W1〜W4)それぞれの膜厚FT1〜FT4を、100,110,120,130(例えば、単位はnm)と得たとする。
この結果として、干渉行列・係数算出部500は、例えば、図7中に「U」として示すように100,100,120,140の値を得たとする。
この結として、干渉行列・係数算出部500は、例えば、図7中に「CU」として示すように100,110,130,140の値を得たとする。
この計算結果として、干渉行列・係数算出部500は、例えば、図7中に「CC」として示すように100,120,120,130の値を得たとする。
この結果とし、干渉行列・係数算出部500は、例えば、図7中「CL」として示すように110,110,120,130の値を得たとする。
この結果として、干渉行列・係数算出部500は、例えば、図7中「L」として示すように100,120,100,120の値を得たとする。
これらの減算結果は、温度調整部分402−1〜402−5それぞれの温度を10°C上げて得られた膜厚の変化であるから、図9に示すように、これらの減算結果を10で除算して得られる商は、温度調整部分402−1〜402−5それぞれの温度が1°C上がった時に、測定対象ウェハW1〜W4それぞれに形成される膜の厚さが、どれだけ変化するかを示している。
このような関係を、図9に示したように行列形式で取り扱ったものが熱干渉行列Mである。
なお、この熱干渉行列Mを用いた温度制御方法は、本願出願人による特願2001−272218号にも詳述されている。
温度調整部分402−1〜402−5それぞれの温度T1〜T5と、反応室40のアウタチューブ448(図4)に導入される反応ガスの流量S、および、アウタチューブ448内の圧力Pと、測定対象のウェハ180(W1〜W4)それぞれに、一定の時間当たりに形成される膜厚FTとの関係は、実験あるいはシミュレーションにより求めることができる。
このようにして求められた膜厚FTと、温度T、圧力Pおよびガス流量Sとの関係は、例えば、反応モデル解析式である式1のように表される。
膜厚算出部502は、下式1を用いて、設定値算出部504から与えられた条件において、測定対象ウェハW1〜W4それぞれに形成される膜の厚さ(FT)を算出し、設定値算出部504に対して出力する。
[設定値算出部504の温度設定値算出(S210;図15)]
設定値算出部504は、測定対象ウェハW1〜W4に形成される膜の厚さを、ユーザインターフェース部510などを介してユーザにより入力される所望の厚さとするために、温度調整部分402−1〜402−5の温度を何度にすればよいか、つまり、温度調整部分402−1〜402−5に対する温度の設定値を算出する。
図7を参照して説明したように、測定対象ウェハW1〜W4それぞれの膜厚を制御するためには、温度調整部分402−1〜402−5の温度を変化させればよく、温度調整部分402−1〜402−5の温度の変化と、測定対象ウェハW1〜W4それぞれの膜厚の変化との関係は、熱干渉行列Mで示される通りである。
なお、後で、図15を参照してさらに説明するので、この部分の設定値算出部504の各処理に(S210;図15)」と記載することにより、図15に示した各処理との対応を明らかにしてある。
ここで、図7〜図9に示した例に倣うと、ΔT1=T1−760°C,ΔT2=T2−760°C,・・・,ΔT5=T5−760°Cであり、T1〜T5は、温度調整部分402−1〜402−5の温度設定値である。
図11は、図6に示した膜厚算出部502が、初期に算出する測定対象ウェハW1〜W4の膜厚Wc1〜Wc4を例示する図である。
図12は、図6に示した膜厚算出部502が、最終的に算出する測定対象ウェハW1〜W4の膜厚Wc1〜Wc4を例示する図である。
このように、膜厚算出部502および設定値算出部504による処理を繰り返すことにより、多数、存在するヒータ42の温度調整部分402−1〜402−5(図4,図5)に対する温度設定の組み合わせの中から、最適な組み合わせを、少ない時間で見つけることができる。
図13は、測定対象ウェハW1〜W4に形成される膜の厚さの計算値と、実際に形成された膜の厚さとが異なってしまう場合を例示する図である。
以上のように算出された温度調整部分402−1〜402−5に対する温度の設定値を用いて膜形成を行っても、図13に例示するように、測定対象ウェハW1〜W4それぞれの膜厚の計算値Wc1〜Wc4と、実際の膜厚Wr1〜Wr4とが異なってしまう場合がある。
設定値算出部504は、誤差比率α1〜α4を、膜厚算出部502が算出する測定対象ウェハW1〜W4それぞれの膜厚の計算値Wc1〜Wc4に乗算する。
このようにして、設定値算出部504は、温度調整部分402−1〜402−5に対する温度設定値を補正し(S250;図15)、最終的な温度設定値を得る。
設定値算出部504は、以上説明したように算出し、さらに、実測値に基づいて補正した温度調整部分402−1〜402−5に対する温度設定値を、膜形成制御装置22に対して出力するとともに、設定値DB522に記憶させ、管理する(S258,S260;図15)。
以下、半導体製造システム1の全体的な動作を説明する。
図14は、図7〜図9に示した熱干渉行列Mを求める処理(S10)を示すフローチャートである。
図14に示すように、ステップ100(S100)において、半導体製造システム1(図1)のユーザが、設定値算出装置3の表示・入力装置16(図2)に対して、式1に示した圧力・流量など、温度調整部分402−1〜402−5の温度の初期条件を設定する。
設定値算出プログラム5(図6)のユーザインターフェース部510は、入力された初期条件を干渉行列・係数算出部500に対して出力する。
全ての条件についての膜厚の測定が終了した場合には、設定値算出プログラム5はS112の処理に進み、これ以外の場合にはS104の処理に進む。
膜形成制御装置22(図1,図5)は、設定された条件で半導体ウェハ180に対して膜形成を行うように、半導体製造装置4を制御する。
温度が平衡状態になった場合には、設定値算出プログラム5はS108の処理に進み、これ以外の場合にはS104,S106の処理に留まる。
図15は、図10〜図13を参照して説明した設定値算出処理(S20)を示すフローチャートである。
図15に示すように、ステップ200(S200)において、設定値算出部504は、膜厚算出部502に対して、膜形成処理の初期条件として、温度・圧力・流量などを設定する。
膜厚が目標範囲である場合には、設定値算出プログラム5はS230の処理に進み、これ以外の場合にはS218の処理に進む。
つまり、S212〜S218の処理ループにおいて、設定値算出プログラム5は、図10を参照して説明したように、所望の膜厚を得るために、温度調整部分402−1〜402−5(図3,図5)に対して設定すべき温度設定値を算出する。
膜形成制御装置22は、設定された条件で半導体製造装置4を制御し、半導体ウェハ180に対する膜形成処理を行わせる。
設定値算出部504は、膜厚が目標値になっている場合には、最後に膜厚の算出に用いられた温度調整部分402−1〜402−5に対する温度設定値を、最終的に膜形成制御装置22に対して出力する。
膜形成制御装置22は、この温度設定値に基づいて半導体製造装置4を制御して、製品半導体製造用のウェハ180に対する膜形成を行わせる。
ステップ260(S260)において、設定値算出部504は、上記式2のMを用いて、温度調整部分402−1〜402−5それぞれに対する温度設定値を更新し、S252の処理に戻る。
なお、以上、説明の具体化・明確化のために、本発明をCVD装置に応用する場合を例示したが、本発明は、ガス流量、圧力または温度などの調節と、処理結果との間に相関を有する処理一般に応用可能である。
また、係数(干渉行列)および算出された設定値を記憶・管理するデータベースは、係数・設定値DB28として設定値算出装置3(設定値算出プログラム5)とは別に設けられてもよく、また、設定値算出装置3(設定値算出プログラム5)内部のデータベースとして設けられてもよい。
前者の場合には、設定値算出装置3(設定値算出プログラム5)内部のデータベースは必ずしも必要でなく、後者の場合には、係数・設定値DB28は必ずしも必要でないことは言うまでもない。
また、膜形成装置4から膜厚測定装置26には、膜形成済ウェハ182が、基板搬送装置などによって自動的に搬送されても、人手によって搬送されてもよい。
また、設定値算出プログラム5を、第2の実施例において後述するような他の設定値の調節と、温度設定値の調節とを組み合わせて、測定対象ウェハW1〜W4に最適な厚さの膜を形成するように変形してもよい。
従って、干渉行列・係数算出部500は、上記式1を用いて、温度調整部分402−1〜402−5それぞれの温度変化(ΔT)と、測定対象のウェハ180(W1〜W4)それぞれに形成される膜の厚さ(ΔFT)との関係を、行列形式で示す上記熱干渉行列Mを求めることもできる。
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態において、半導体製造システム1(図1)は、既に説明した温度調整部分402−1〜402−5に対する温度設定値の他に、半導体製造装置4(図1,図3,図5)の反応室40のアウタチューブ448内部の圧力の設定値、および、反応室40に導入されるガスの流量の設定値、またはこれらの設定値のいずれかを算出する。
第2の実施形態においては、干渉行列・係数算出部500は、反応室40(図3)のアウタチューブ448内部の圧力、アウタチューブ448に導入されるガスの流量の変化と、測定対象ウェハW1〜W4に形成される膜厚の変化との関係を示す係数を算出する(S30;図16)。
つまり、干渉行列・係数算出部500は、膜形成制御装置22を制御して、半導体製造装置4において標準的に用いられるアウタチューブ448内部の圧力またはガス流量を数%変更した条件においてウェハ180に対する膜形成処理を行わせる。
干渉行列・係数算出部500は、以上の結果から、反応室40のアウタチューブ448内の圧力が1hPa増加すると、測定対象のウェハ180(W1〜W4)それぞれの膜厚がどのように変化するかを示す圧力係数を求める。
また、干渉行列・係数算出部500は、同様に、ガスの流量が1cm3/sec増加すると、測定対象のウェハ180(W1〜W4)それぞれの膜厚がどのように変化するかを示す流量係数を求める。
第2の実施形態において、設定値算出部504は、測定対象ウェハW1〜W4に形成される膜の厚さを、ユーザインターフェース部510などを介してユーザにより入力される所望の厚さとするために、アウタチューブ448内部の圧力およびガス流量を、どのような値に設定すればよいかを示す圧力・流量設定値を算出する。
つまり、設定値算出部504は、例えば、図10〜図13を参照して説明した方法を応用し、圧力調整装置420(図5)およびガス流量調整器410に対して設定されるべき圧力・流量係数の算出(S410;図17)およびその補正(S430,S450;図17)を行う。
以下、第2の実施形態における半導体製造システム1の全体的な動作を説明する。
図16は、圧力・流量係数を求める処理(S30)を示すフローチャートである。
図16に示すように、ステップ300(S300)において、半導体製造システム1(図1)のユーザが、設定値算出装置3の表示・入力装置16(図2)に対して、アウタチューブ448内部の圧力・ガス流量の初期条件を設定する。
全ての条件についての膜厚測定が終了した場合には、設定値算出プログラム5はS312の処理に進み、これ以外の場合にはS304の処理に進む。
膜形成制御装置22(図1,図5)は、設定された条件で半導体ウェハ180に対して膜形成を行うように、半導体製造装置4を制御する。
圧力・流量が安定した場合には、設定値算出プログラム5はS308の処理に進み、これ以外の場合にはS304,S306の処理に留まる。
図17は、圧力・流量設定値算出処理(S40)を示すフローチャートである。
図17に示すように、ステップ400(S400)において、設定値算出部504は、膜厚算出部502に対して、膜形成処理の初期条件(式1)として、例えば圧力・ガス流量などを設定する。
膜厚が目標範囲内である場合には、設定値算出プログラム5はS430の処理に進み、これ以外の場合にはS418の処理に進む。
ステップ418(S418)において、設定値算出部504は、第1の実施形態において、式2のMを用いた方法と同様に、圧力・流量係数を用いて、圧力・流量条件を更新し、S412の処理に戻る。
つまり、S412〜S418の処理ループにおいて、設定値算出プログラム5は、図10を参照して説明したように、所望の膜厚を得るために、ガス流量調整器410および圧力調整装置420(図4,図5)に対して設定すべき圧力・流量の設定値を算出する。
膜形成制御装置22は、設定された条件で半導体製造装置4を制御し、半導体ウェハ180に対する膜形成処理を行わせる。
設定値算出部504は、膜厚が目標値になっている場合には、最後に膜厚の算出に用いられた圧力・流量設定値を、最終的に膜形成制御装置22に対して出力する。
膜形成制御装置22は、この圧力・流量設定値に基づいて半導体製造装置4を制御して、製品用の半導体ウェハに対する膜形成を行わせる。
ステップ460(S460)において、設定値算出部504は、第1の実施形態において、式2のMを用いた方法と同様に、圧力・流量係数を用いて、圧力・流量条件を更新し、S452の処理に進む。
なお、圧力係数・流量係数は、以上述べたように、実測値で求めてもよいが、上式1を用いて算出してもよい。
以下、本発明の第3の実施形態を説明する。
まず、第3の実施形態の理解を容易にするために、その背景を説明する。
半導体製造装置4の反応室40内の温度設定値および圧力・流量設定値が、例えば、反応室40(図3,図5)が収容可能な最多の枚数の半導体ウェハ180について求められる。
しかしながら、半導体ウェハ180の枚数を減らすと反応室40内部の条件が変わってしまうので、最多の枚数の半導体ウェハ180について求められた設定値は、反応室40に最多の半導体ウェハ180を収容して行う膜形成処理に対してのみ有効である。
このように追加されるダミーの半導体ウェハ180は本来、必要ないものであり、無駄である。
第3の実施形態において、半導体製造システム1(図1)は、このような不具合を解消し、反応室40(図3,図5)の所定の位置に、任意の枚数の半導体ウェハ180を収容し、これらに対して所望の膜を形成することができるように構成されている。
以下、第3の実施形態における設定値算出プログラム5(図6)の干渉行列・係数算出部500および設定値算出部504の処理を説明する。
第3の実施形態において、干渉行列・係数算出部500は、反応室40(図3)内部の半導体ウェハ180の枚数および位置またはこれらのいずれかを変更した条件それぞれにおいて、第1の実施形態に示した熱干渉行列M、および、第2の実施形態に示した圧力・流量係数を求め、これらの情報を対応付けて、干渉行列・係数DB520に記憶・管理する。
第3の実施形態において、設定値算出部504は、反応室40に収容される半導体ウェハ180の数、反応室40内における位置、および、所望の膜厚などを検索キーとして干渉行列・係数DB520を検索する。
設定値算出部504は、これらの条件を満たす熱干渉行列Mおよび圧力・流量係数が干渉行列・係数DB520に記憶・管理されている場合には、それらを用いて各設定値を算出し、この設定値を用いた膜形成処理を半導体製造装置4に行わせる。
あるいは、設定値算出部504は、これらの条件を満たす熱干渉行列Mおよび圧力・流量係数が干渉行列・係数DB520に記憶・管理されていない場合には、干渉行列・係数算出部500を制御して、新たな条件における熱干渉行列Mおよび圧力・流量係数を求めさせ、これらを用いて各設定値を算出し、この設定値を用いた膜形成処理を半導体製造装置4に行わせる。
以下、第3の実施形態における半導体製造システム1の全体的な動作を説明する。
図18は、第3の実施形態における半導体製造システム1の処理(S50)を示すフローチャートである。
図18に示すように、ステップ500(S500)において、干渉行列・係数算出部500は、反応室40内における半導体ウェハ180の枚数を変更した複数の条件で熱干渉行列Mおよび圧力・流量係数を求める。
ユーザの設定に合った熱干渉行列Mおよび圧力・流量係数またはこれらのいずれかが干渉行列・係数DB520内にあった場合には、設定値算出プログラム5はS506の処理に進み、これ以外の場合にはS508の処理に進む。
設定値算出部504は、さらに、新たに求めた熱干渉行列Mおよび圧力・流量係数を用いて各設定値を算出し、半導体製造装置4に膜形成処理を行わせる。
なお、半導体ウェハ180の枚数の変化が、測定対象ウェハW1〜W4それぞれに形成される膜の厚さに対してどのような影響を与えるかを予め測定しておき、この測定値に基づいて、膜厚算出部502が算出する膜厚を補正して、各設定値を算出するように設定値算出部504の動作を変形してもよい。
また、半導体ウェハ180の反応室40における位置の変化が、測定対象ウェハW1〜W4それぞれに形成される膜の厚さに対してどのような影響を与えるかを予め測定しておき、この測定値に基づいて、膜厚算出部502が算出する膜厚を補正して、各設定値を算出するように設定値算出部504の動作を変形してもよい。
また、半導体ウェハ180の枚数の変化に限らず、第1〜2及び第4の実施形で記す熱干渉行列や圧力・流量等を変化させ、データベース化、検索、膜形成処理、記憶・管理する(S500〜S508)の工程を適用させてもよい。
また、図1に点線で示すように、複数の半導体製造システム1の間で、干渉行列・係数DB520(図6)および設定値DB522(図6)を含んだ1つ以上の係数・設定値DB28を共用してもよい。
また、図1に点線で示すように、複数の半導体製造システム1の間で、1つ以上の膜厚測定装置26を共用してもよい。
以下、本発明の第4の実施形態を説明する。
まず、第4の実施形態の理解を容易にするために、その背景を説明する。
膜形成枚葉式装置においては、複数の同心円状のゾーンに分割されたヒータを有する処理室内で成膜が行われる。基板(ウェハ)に対して成膜処理をする場合は、面内の膜厚を均一にする必要があり、この膜厚を均一にするための要素として加熱温度があり、各ゾーンの設定温度を変えることにより均一性を図っている。
しかしながら、第1〜3の実施形態同様に、ヒータゾーンの設定温度の調整を過去のデータや作業者の経験に基づいて行っており、経験の浅い作業者であると最適な設定温度を導くための条件出しの成膜を繰り返す必要があった。経験を積むにつれて条件出しバッチ数は減少するものの、個人差があるという欠点がある。
第4の実施形態において、第1の実施形態にて説明した半導体製造システムを膜形成枚葉式装置に適用する場合であって、半導体製造システム1(図1)の、半導体製造装置4を半導体製造装置4の形態の一つである膜形成枚葉式装置7とし、その他の設定値算出装置3、膜形成制御装置22、膜厚測定装置26および係数・設定値DB28については、第1の実施形態にて説明した内容と同様である。 半導体製造システム1は、これらの構成要素により、膜形成枚葉式装置7に対する温度および炉内の圧力、および、炉内に導入されるガスの流量の設定値を算出し、算出した値を膜形成枚葉式装置7に設定して、基板支持台(サセプタ704ともいう)に載せられた半導体ウェハ180に対して、化学気相形成(CVD)による膜形成処理を行う。尚、ここでは敢えて、半導体製造装置4と膜形成枚葉式装置7と区別して表現しているが、膜形成枚葉式装置も半導体製造装置の一つである。
なお、半導体製造システム1のこれらの構成部分は、全てが同一の筐体内に一体に構成されているか、別々の筐体内に構成されているかなどは問われない。ここでは、特にCVD処理に用いられる膜形成枚葉式装置7について説明する。
図19はCVD処理に用いられる膜形成枚葉式装置7の処理室70(反応室ともいう)を示す構成図である。半導体ウェハ180を一枚ずつ処理する処理室70を有し、処理室70と、この処理室70の周囲に配置されたヒータ72とを有する。処理室70内にはサセプタ704が置かれ、昇降機構788によりヒータ72と共に上下に移動する。半導体ウェハ180は下部位置にてサセプタ704の上に移載され、上部位置にて膜形成(成膜ともいう)が行われる。
ヒータ72はサセプタ704に置かれた半導体ウェハ180に対し水平に配置された例えば3つのものから成り、図20のように、ヒータゾーン721,ヒータゾーン722,ヒータゾーン723というように3つのヒータゾーンを示している。ここで、ヒータ72のゾーン数は2つでも良いし、また3つ以上でも良い。
これら3つのヒータゾーン721,722,723のそれぞれにはヒータ用熱電対725(ヒータ用温度センサともいう)が設けられておりこのヒータ用熱電対725によりこのヒータゾーン721,722,723の温度が検出される。各ヒータゾーン721,722,723には膜形成膜制御装置22からの指示により、各々個別に電力が印加され、ヒータ用熱電対725により検出されたヒータ72による加熱温度が膜形成膜制御装置22にフィードバックされる。又、処理室70内には半導体ウェハ180の半径方向に可動で、断面温度が検出できるようなオートプロファイラが設置できるようになっており、半導体ウェハ180の温度は膜形成膜制御装置22からの指令で動作するオートプロファイラにより測定される。オートプロファイラは準備段階において設置され,その後取り外される。オートプロファイラを用いた測定では測定点は半導体ウェハ180の半径方向一方向のみの測定となる。尚、オートプロファイラはプロファイル用の熱電対を用いる代わりに赤外線温度測定装置を用いて膜形成済ウェハ182の面内の温度分布を測定してもよい。また、半導体ウェハ180と同形状で、ウェハ面内の数点において温度を測定できる熱電対付ウェハを用いてウェハの面内の温度分布を測定してもよい。これらの場合には測定点はウェハの面内の任意の点を指定することが出来る。赤外線温度測定装置で温度を測定する場合にはシャワーヘッド部728を赤外線測定装置を載せたプレートに交換し測定を実施する。また、熱電対付ウェハを用いて温度を測定する場合には、半導体ウェハ180と熱電対付ウェハを交換して測定を実施する。
以下、第4の実施形態における設定値算出プログラム5(図6)の干渉行列・係数算出部500および設定値算出部504の処理を説明する。
第4の実施形態において、干渉行列・係数算出部500は、温度調整部分(ヒータゾーン721、722、723)それぞれの温度変化と、測定対象のウェハ180の面内との位置での温度変化との関係を、実測値に基づいて行列形式で示す熱干渉行列を算出する。
以下に具体的な求め方をさらに、説明する。
これら半導体ウェハ180のモニタ位置におけるオートプロファイラにより得られた温度変化を各ヒータゾーンの温度が1℃変化したとした場合の変化量に換算し、干渉行列・係数算出部500は、干渉行列を作成する。すなわち、基板内モニタ位置Z点における温度TZを3つのヒータゾーンの設定温度T721, T722,T723と基準温度T0を用いて次のように定義する。
TZ= aZ(T721-T0 + bZ(T722-T0) +cZ(T723-T0)
第4の実施形態において、設定値算出部504は、測定対象ウェハに形成される成膜速度もしくは膜の厚さを、ユーザインターフェース部510などを介してユーザにより入力されたり、数回の成膜速度もしくは膜の厚さを測定したりすることによって求められる所望の成膜速度もしくは膜の厚さとするために、各ヒータゾーン721,722,723の温度を何度にすれば良いか、つまり、各ヒータゾーン721,722,723に対する温度の設定値を算出する。つまり、設定値算出部504は、例えば、図10〜図13を参照して説明した方法を応用し、各ヒータゾーン721,722,723に対して設定されるべき温度の設定値の算出を行う。
以下に具体的な求め方をさらに、説明する。
TZ=T2+(T2−T1 / R2−R1)(R−R0)
Ty= (Mt・M) -1・M・(TZ−T0) +T0
つまり、第4の実施形態の特徴とするところの一つは、複数のゾーンに分割されたヒータを有する処理室内で基板を加熱する半導体装置の製造方法であって、前記処理室内で基板に成膜を行う第1の工程と、前記第1の工程における基板の成膜速度を測定する工程と、前記第1の工程の後の前記処理室内での第2の成膜工程と、この第2の工程における基板の成膜速度を測定する工程と、前記第2の工程における各ヒータ−ゾーンの設定温度を算出する算出工程と各ヒータゾーンの温度を、前記算出工程により算出した設定温度に設定して前記処理室内で成膜を行う第3の工程を有する半導体装置の製造方法にある。
また、第1の工程の前に、各ヒータゾーンの設定温度と基板内位置温度との関係を求める温度関係演算工程を設けることが必要である。この温度関係演算工程における各ヒータゾーンの設定温度と基板モニタ位置温度との関係は、干渉行列によって求めることが出来る。ここで、干渉行列とは、ヒータゾーンの設定温度を単位温度変化させた場合の、基板モニタ位置温度の変化量との関係を行列として表したものである。この干渉行列は各ヒータゾーンの設定温度を変化させた場合の基板モニタ位置の温度変化をプロファイル熱電対等により測定することにより求めることが出来る。この干渉行列を求めれば、その転置行列を用いて目標とする基板モニタ位置温度に対する各ヒータゾーンの設定温度を予想することが出来る。
温度と成膜速度の関係は、単純に直線関係にないが、ある範囲内であれば直線近似することが可能である。そこで、単位温度あたりの成膜速度の変化量が直線的に近似できるものとみなし、第1の工程の基板モニタ位置温度及び成膜速度と、第2の工程の基板モニタ温度および成膜速度とから、目標とする成膜速度を得るための基板モニタ位置温度を求めることが出来る。
そして、前述した温度関係演算工程で求めた干渉行列を用いて基板位置モニタを各ヒータゾーンの設定温度に変換し、目標とする各ヒータゾーンの設定温度を求めることが出来る。但し、温度と成膜速度の関係を求めるにあたっては、上記に述べた直線近似ばかりでなく、様々な方法を採用することができるものである。
以下、第4の実施形態における半導体製造システム1の全体的な動作を説明する。
図21は、熱干渉行列M2を求める(S70)を示すフローチャートである。
図21に示すように、ステップ700(S700)において、半導体製造システム1(図1)のユーザが、設定値算出装置3の表示・入力装置16(図2)に対して、処理室70内部の圧力・ガス流量など、およびヒータゾーン721,722,723の温度の初期条件を設定する。
全ての条件についての温度の測定が終了した場合には、設定値算出プログラム5はS712の処理に進み、これ以外の場合にはS704の処理に進む。
膜形成制御装置22(図1,図5)は、設定された条件で半導体ウェハ180に対して温度測定が可能なように、膜形成枚葉式装置7を制御する。
温度が平衡状態になった場合には、設定値算出プログラム5はS708の処理に進み、これ以外の場合にはS704,S706の処理に留まる。
図22は、設定値算出処理(S80)を示すフローチャートである。
図22に示すように、ステップ800(S800)において、設定値算出部504は、膜厚算出部502に対して、膜形成処理の初期条件(式1)として、温度・圧力・流量などを設定する。この際、適宜、図21にて説明したあらかじめ算出された熱干渉行列M2における条件を用いる。
膜形成制御装置22は、入力、設定された条件で膜形成枚葉式装置7を制御し、半導体ウェハ180に対する1回目の膜形成処理を行わせる。
ステップ838(S838)において、設定値算出部504は、測定対象ウェハ180のi箇所それぞれの成膜速度と、S814において算出された成膜速度を(図13に示したように)比較演算し、誤差比率α1〜αiを算出する。
膜形成制御装置22は、1回目の膜形成処理で膜形成済ウェハ182となったウェハを処理室70から取り出し、新しい半導体ウェハ180に入れ替えた後、設定された条件で膜形成枚葉式装置7を制御し、半導体ウェハ180に対する2回目の膜形成処理を行わせる。
膜形成制御装置22は、2回目の膜形成処理で膜形成済ウェハ182となったウェハを処理室70から取り出し、新しい半導体ウェハ180に入れ替えた後、設定された条件で膜形成枚葉式装置7を制御し、半導体ウェハ180に対する3回目の膜形成処理を行わせる。
以上の説明においては、膜形成済ウェハ182(図1)中の測定対象ウェハの温度の測定結果に基づいて熱干渉行列を求めた(図21)が、第1の実施形態に示すように、式1及び式2を用いて膜生成させ膜厚を測定し、膜厚測定結果に基づいて、求めてもよい。
また、設定値算出プログラム5を、第2の実施例において後述するような他の設定値の調節と、温度設定値の調節とを組み合わせて、測定対象ウェハに最適な厚さの膜を形成するように変形してもよい。
また、図22のS838およびS876等において、成膜速度により誤差比率や、温度条件を求めたが、膜厚により求めるようにしてもよい。
従って、干渉行列・係数算出部500は、式1を用いて、ヒータゾーン721,722,723それぞれの温度変化と、測定対象のウェハ180の所望のi箇所それぞれに形成される膜の厚さとの関係を、行列形式で示す熱干渉行列を求めることもできる。
また、図1に点線で示すように、複数の半導体製造システム1の間で、干渉行列・係数DB520(図6)および設定値DB522(図6)を含んだ1つ以上の係数・設定値DB28を共用してもよい。
また、図1に点線で示すように、複数の半導体製造システム1の間で、1つ以上の膜厚測定装置26を共用してもよい。また、膜形成枚葉式装置7は第1の実施形態から第3の実施形態で示した半導体製造装置4としてもよく、この場合、温度・ガスの流量・圧力等の条件は、第1の実施形態から第3の実施形態までに示したような形態となり、図21、図22に示したステップにて、所望の温度・ガスの流量・圧力等の条件を求めることとなる。さらに言えば、第1の実施形態から第3の実施形態で示した実施形態は、半導体製造装置4を、第4の実施形態において示した膜形成枚葉式装置7としてもよく、この場合も同様に温度・ガスの流量・圧力等の条件は、第4の実施形態に示したような形態となる。
また、図15、17、22等で示したステップは、適宜変更することが可能であり、例えば、膜形成、膜厚実測の回数や膜厚計算の回数を変更したり、ステップの順番を変更したりすることも可能である。また、図18のステップ504で設定値がデータベース中にあっても、ステップ508に進むようなことも可能である。
また、第1から第4実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で袖手に変更が可能であることはいうまでもない。
180・・・半導体ウェハ、
182・・・膜形成済ウェハ、
22・・・膜形成制御装置、
220・・・温度制御装置、
222・・・ヒータ駆動装置、
224・・・流量制御装置、
226・・・圧力制御装置、
26・・・膜厚測定装置、
28・・・係数・設定値DB、
3・・・設定値算出装置、
10・・・コンピュータ本体、
102・・・CPU、
104・・・メモリ、
12・・・通信IF、
14・・・記憶装置、
140・・・記録媒体、
16・・・表示・入力装置、
5・・・設定値算出プログラム、
500・・・干渉行列・係数算出部、
502・・・膜厚算出部、
504・・・設定値算出部、
510・・・ユーザインターフェース部、
520・・・・干渉行列・係数DB、
522・・・設定値DB、
4・・・膜形成装置、
40・・・反応室、
42・・・ヒータ、
402・・・温度調整部分、
404・・・ボート、
406・・・温度センサ、
410・・・ガス流量調整器、
412・・・流量センサ、
420・・・圧力調整装置、
422・・・圧力センサ、
7・・・膜形成枚葉式装置
70・・・処理室
724・・・サセプタ
72・・・ヒータ
721、722,723・・・ヒータゾーン
725・・・ヒータ熱電対
728・・・シャワーヘッド部
788・・・昇降機構
Claims (6)
- 成膜処理条件を示す複数位置の温度、圧力およびガス流量それぞれの設定値に少なくとも基いて、被処理基板に対して所定の膜厚の成膜処理を行う半導体製造システムであって、
複数位置で一定の時間当たりに形成される膜厚と、温度、圧力およびガス流量との関係に基づき前記設定値の内の少なくとも前記複数位置の膜厚を算出する膜厚算出部と、該膜厚算出部により算出された前記複数位置の膜厚と前記所定の膜厚とのそれぞれの膜厚差と、
前記複数位置の温度の変化と前記複数位置の膜厚の変化との関係を示す第一関係係数とに基づき、前記設定値のうちの少なくとも前記複数位置の温度設定値を算出するか、または、該膜厚算出部により算出された前記複数位置の膜厚と前記所定の膜厚とのそれぞれの膜厚差と、前記圧力の変化及び前記ガス流量の変化と前記複数位置の膜厚の変化との関係を示す第二関係係数とに基づき前記設定値のうちの少なくとも圧力設定値およびガス流量設定値を算出する設定値算出部と、を有する半導体製造システム。 - 前記設定値算出部は、算出した前記温度設定値を用いて前記膜厚算出部により算出された前記複数位置の膜厚が前記所定の膜厚以外であれば、該算出された複数位置の膜厚が前記所定の膜厚になるまで、前記膜厚算出部により算出された複数位置の膜厚と前記所定の膜厚とのそれぞれの膜厚差と、前記第一関係係数とに基づき、前記複数位置の温度設定値を算出して更新し、該更新した前記複数位置の温度設定値を用いて前記膜厚算出部により前記複数位置の膜厚を算出させることを繰り返す請求項1に記載の半導体製造システム。
- 前記設定値算出部は、算出した前記圧力設定値およびガス流量設定値を用いて前記膜厚算出部により算出された前記複数位置の膜厚が前記所定の膜厚以外であれば、該算出された複数位置の膜厚が前記所定の膜厚になるまで、前記膜厚算出部により算出された複数位置の膜厚と前記所定の膜厚とのそれぞれの膜厚差と、前記第二関係係数とに基づき、前記圧力設定値およびガス流量設定値を更新し、該更新した圧力設定値およびガス流量設定値を用いて前記膜厚算出部により前記複数位置の膜厚を算出させることを繰り返す請求項1に記載の半導体製造システム。
- 成膜処理条件を示す複数位置の温度、圧力およびガス流量それぞれの設定値に少なくとも基づいて、被処理基板に対して所定の膜厚の成膜処理を行う半導体製造方法であって、複数位置の一定の時間当たりに形成される膜厚と、温度、圧力およびガス流量との関係に基づき算出した複数位置の膜厚と前記所定の膜厚とのそれぞれの膜厚差と、前記複数位置の温度の変化と前記複数位置の膜厚の変化との関係を示す第一関係係数とに基づき、前記設定値のうちの少なくとも前記複数位置の温度設定値を算出するか、又は、複数位置の一定の時間当たりに形成される膜厚と、温度、圧力およびガス流量との関係に基づき算出した複数位置の膜厚と前記所定の膜厚との差と、前記圧力の変化及び前記ガス流量の変化と前記複数位置の膜厚の変化との関係を示す第二関係係数とに基づき前記設定値のうちの少なくとも圧力設定値およびガス流量設定値を算出する工程と、前記算出された温度設定値又は前記算出された圧力設定値およびガス流量設定値を用いて被処理基板に対して所定の膜厚の成膜処理を行う工程とを有する半導体製造方法。
- 算出した前記温度設定値を用いて算出した前記複数位置の膜厚が前記所定の膜厚以外であれば、該算出した複数位置の膜厚が前記所定の膜厚になるまで、前記算出された複数位置の膜厚と前記所定の膜厚とのそれぞれの膜厚差と、前記第一関係係数とに基づき、前記複数位置の温度設定値を算出して更新し、該更新した前記複数位置の温度設定値を用いて前記複数位置の膜厚を算出することを繰り返す請求項4に記載の半導体製造方法。
- 前記算出した前記圧力設定値およびガス流量設定値を用いて算出した前記複数位置の膜厚が前記所定の膜厚以外であれば、該算出した複数位置の膜厚が前記所定の膜厚になるまで、前記算出された複数位置の膜厚と前記所定の膜厚とのそれぞれの膜厚差と、前記第二関係係数とに基づき、前記圧力設定値およびガス流量設定値を算出して更新し、該更新した圧力設定値およびガス流量設定値を用いて前記複数位置の膜厚を算出することを繰り返す請求項4に記載の半導体製造方法。
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