JP4536214B2 - 熱処理装置,および熱処理装置の制御方法 - Google Patents

熱処理装置,および熱処理装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等の基板を熱処理する熱処理装置、熱処理装置の制御方法および基板の周縁測定箇所の決定方法に関し、特に基板の温度分布を加味して熱処理を行う熱処理装置、熱処理装置の制御方法および基板の周縁測定箇所の決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に多数枚の半導体ウエハに対して成膜処理、酸化処理あるいは拡散処理などの熱処理を一括して行う熱処理装置として横型熱処理装置や縦型熱処理装置が知られており、最近では大気の巻き込みが少ない等の理由から縦型熱処理装置が主流になりつつある。
【0003】
縦型熱処理装置は、筒状のマニホールドの上に設けられた縦型の反応管と、この反応管を囲むように設けられたヒータとを備える。そして、ウエハボートと呼ばれる保持具に多数枚のウエハを棚状に保持させてマニホールドの下端の開口部から反応管内に搬入させて熱処理が行われる。
【0004】
この熱処理の際には半導体ウエハの加熱された温度に基づき熱処理装置が制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱処理装置で熱処理を行う際に半導体ウエハの温度は一様ではなく、温度分布があるのが通例である。このため、半導体ウエハ上のどの箇所の温度に基づいて、熱処理装置を制御するかが問題となる。
【0006】
また、この温度分布の幅が大きいと半導体ウエハ上にスリップラインが発生しやすくなる。スリップラインは、半導体ウエハ上に形成された1種の段差であり、半導体デバイスの歩留まりを低下する要因になる。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、半導体ウエハ等の基板の温度分布をも考慮して基板の熱処理を行うことを可能ならしめる熱処理装置、熱処理装置の制御方法、および基板上の温度を測定する周縁測定箇所の決定方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る熱処理装置は、処理室内に基板を配置して熱処理を行うための熱処理装置であって、前記基板を基板周縁から加熱するための加熱部と、前記基板の中央近傍に位置する中央測定箇所および該基板の周縁近傍に位置する複数の周縁測定箇所の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部によって測定された前記中央測定箇所および前記複数の周縁測定箇所の温度に基づき、前記基板の代表温度を算出する代表温度算出部と、前記代表温度算出部によって算出された前記代表温度に基づいて、前記加熱部を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0009】
中央測定箇所および複数の周縁測定箇所の温度に基づき、基板の代表温度を算出することから、基板上の温度分布を的確に反映した代表温度の算出およびこの代表温度に基づく加熱部の的確な制御が可能となる。
【0010】
代表温度は、例えば、複数の周縁測定箇所の温度の平均値と中央測定箇所の温度とを重みづけ平均することによって算出することができる。
【0011】
(2)また、本発明に係る熱処理装置は、処理室内に基板を配置して熱処理を行うための熱処理装置であって、前記基板を基板周縁から加熱するための加熱部と、前記基板の中央近傍に位置する中央測定箇所および該基板の周縁近傍に位置する複数の周縁測定箇所の温度を測定する温度測定部と、前記中央測定箇所の温度および前記複数の周縁測定箇所の温度に基づき前記基板内の温度差を算出する温度差算出部と前記温度差算出部によって算出された前記温度差に基づいて、前記加熱部を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
【0012】
中央測定箇所の温度および複数の周縁測定箇所の温度に基づき基板内の温度差を算出することから、基板内の温度分布を的確に反映した温度差の算出およびこの温度差に基づく加熱部の的確な制御が可能となる。
【0013】
この結果、基板内の温度差を適正な許容範囲以内に抑えることができ、例えば、半導体ウエハに発生するスリップラインを低減することができる。
【0014】
温度差は、例えば、中央測定箇所と複数の周縁測定箇所との温度の差分より絶対値が最大である差分を選択することによって算出できる。
【0015】
(3)本発明に係る熱処理装置の制御方法は、基板の熱処理を行う熱処理装置を制御するための方法であって、前記基板の中央近傍に位置する中央測定箇所および該基板の周縁近傍に位置する複数の周縁測定箇所の温度を測定する温度測定工程と、前記中央測定箇所の温度および複数の周縁測定箇所の温度に基づき、前記基板の代表温度および該基板内の温度差を算出する代表温度・温度差算出工程と、前記代表温度・温度差算出工程によって算出された前記代表温度および前記温度差に基づき、前記熱処理装置を制御する制御工程とを具備することを特徴とする。
【0016】
中央測定箇所の温度および複数の周縁測定箇所の温度から算出された基板の代表温度および基板内の温度差によって、基板の温度分布を考慮した熱処理装置の的確な制御を行える。
【0017】
ここで、制御工程は、前記代表温度に基づき、前記熱処理装置の制御パラメータを導出する制御パラメータ導出工程と、前記制御パラメータ導出工程によって導出された前記制御パラメータを前記温度差に基づき修正する制御パラメータ修正工程とを具備することができる。
【0018】
(4)本発明に係る基板の周縁測定箇所を決定するための方法は、基板の周縁近傍に位置し、かつ該基板を熱処理する際の温度を測定するための複数の周縁測定箇所を決定するための方法であって、熱処理装置に前記基板を配置して該基板の温度が安定するまで加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって加熱された前記基板の温度を、該基板の周縁近傍の5以上の箇所で測定する測定工程と、前記測定工程によって測定された最低の温度に対応した最低温度箇所または最高の温度に対応した最高温度箇所の少なくともいずれか一方を特定する最低・最高温度箇所特定工程と、前記最低・温度箇所特定工程によって特定された前記最低温度箇所または前記最高温度箇所のいずれか一方を含み、かつ前記基板の周縁に沿って該基板上を等間隔となるように該基板の周縁近傍の前記周縁測定箇所を決定する測定箇所決定工程とを具備することを特徴とする。
【0019】
基板の温度を多数の箇所で測定し、これから最低温度箇所または最高温度箇所の少なくともいずれかを含み、かつ基板周縁に沿って基板上を等間隔となるように周縁測定箇所を決定することから、基板の温度分布を考慮した的確な温度測定が可能となる。即ち、周縁測定箇所が必ずしも多数あることを要せずに的確な温度測定が可能なので、熱処理時の温度測定の労力が軽減される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を縦型熱処理装置に適用した場合の実施の形態について説明する。
【0021】
図1、図2はそれぞれ、本発明に係る縦型熱処理装置の一部断面図および斜視図である。
【0022】
本発明に係る縦型熱処理装置は、図1に示すように、例えば石英で作られた内管2a及び外管2bよりなる二重管構造の反応管2を備え、反応管2の下部側には金属製の筒状のマニホールド21が設けられている。
【0023】
内管2aは上端が開口されており、マニホールド21の内側で支持されている。外管2bは上端が塞がれており、下端がべ一スプレート22の下側にてマニホールド21の上端に気密に接合されている。
【0024】
前記反応管2内には、図2に示すように、多数枚例えば150枚の被処理体(被処理基板)をなす半導体ウエハW(製品ウエハ)が各々水平な状態で上下に間隔をおいて保持具であるウエハボート23に棚状に載置されており、このウエハボート23は蓋体24の上に保温筒(断熱体)25を介して保持されている。前記ウエハボート23には、被処理基板である製品ウエハWをできるだけ均一な加熱雰囲気に置くために上端側と下端側とにサイドウエハと呼ばれる常時載置用のウエハが載置されると共に処理の状態をモニタ一するモニタウエハも散在して置かれる。このため、製品ウエハに加えてこれらウエハを見込んだ数の溝が設置され、例えば150枚の製品ウエハWを搭載するものにあっては、170枚分の保持溝が形成されている。前記蓋体24は、ウエハボート23を反応管2内に搬入、搬出するためのボートエレベータ26の上に搭載されており、上限位置にあるときにはマニホールド21の下端開口部、即ち反応管2とマニホールド21とで構成される処理容器の下端開口部を閉塞する役割を持つものである。
【0025】
反応管2の周囲には例えば抵抗加熱体よりなるヒータ3が設けられている。ヒータ3はゾーン1〜5に5分割されていて、各ヒータ31〜35が電力コントローラ41〜45により独立して発熱量を制御できるようになっている。この例では反応管2、マニホールド21、ヒータ3により加熱炉が構成される。
【0026】
内管2aの内壁には、ヒータ31〜35の各ゾーン1〜5に対応して熱電対等の内側温度センサS1in〜S5inが設置されている。また、外管2bの外壁にはヒータ31〜35の各ゾーン1〜5に対応して熱電対等の外側温度センサS1out〜S5outが設置されている。図示していないが、この温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outはそれぞれ内管2aおよび外管2bの円周方向にそって複数配置されている。この結果、反応管2の軸方向および円周方向双方の温度分布が測定できる。
【0027】
前述のモニタウエハは、ヒータ31〜35の各ゾーン1〜5にそれぞれ対応した位置にモニタウエハW1〜W5として設置されている。このモニタウエハW1〜W5は、通常は製品ウエハと同一のウエハが用いられ、ウエハの中央近傍に位置する中央測定箇所および周縁近傍に位置する複数の周縁測定箇所の温度がモニタされる。
【0028】
図3にモニタウエハW1〜W5上における中央測定箇所、周縁測定箇所の位置関係を示す。モニタウエハW1〜W5上の中央近傍に位置する箇所cが中央測定箇所cであり、その他のモニタウエハ周縁に配置された箇所e1〜e4が周縁測定箇所e1〜e4である。なお、周縁測定箇所の決定方法等の詳細については後述する。
【0029】
後述のように、モニタウエハW1〜W5それぞれの中央測定箇所cおよび周縁測定箇所e1〜e4の温度は、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号から推定される。
【0030】
マニホールド21には、内管2a内にガスを供給するように複数のガス供給管が設けられており、図1では便宜上2本のガス供給管51、52を示してある。各ガス供給管51、52には、ガス流量をそれぞれ調整するための例えばマスフローコントローラなどの流量調整部61、62やバルブ(図示せず)などが介設されている。更にまたマニホールド21には、内管2aと外管2bとの隙間から排気するように排気管27が接続されており、この排気管27は図示しない真空ポンプに接続されている。排気管27の途中には反応管2内の圧力を調整するための例えばバタフライバルブやバルブ駆動部などを含む圧力調整部28が設けられている。
【0031】
この縦型熱処理装置は、反応管2内の処理雰囲気の温度、反応管2内の圧力、ガス流量といった処理パラメータを制御するためのコントローラ100を備えている。このコントローラ100には、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outからの温度測定信号が入力され、ヒータ3の電力コントロ一ラ41〜45、圧力調整部28、流量調整部61、62に制御信号を出カする。
【0032】
本実施形態の更なる詳細を説明する前に、半導体ウエハ上の温度分布の傾向およびその原因について説明する。
【0033】
熱処理においては、半導体ウエハの中央近傍(中央測定箇所)および周縁近傍(周縁測定箇所)に温度差が生じる可能性があり、さらに周縁近傍においても半導体ウエハ中心からみた方向の相違によって温度差が生じる可能性がある。
【0034】
周縁測定箇所によって温度が相違するのは熱処理を行う熱処理装置の熱特性が半導体ウエハWの中心軸からみて点対称であるとは限らないことに起因する。例えば、ガス供給管51、52の開口部と半導体ウエハの位置関係によって温度分布が生じる。
【0035】
この関係を図4に示す。図4A、Bは温度が安定した状態でのモニタウエハWの中央測定箇所cと周縁測定箇所e1〜e5の温度とガス供給口510,520との位置関係をそれぞれモニタウエハWの上面および側部から表した一例としての図である。ガス供給管51、52の開口部510、520が周縁測定箇所e1の側で開口している。供給されるガスの温度は反応管2中の雰囲気の温度よりも低い。このため、周縁測定箇所e1の温度は他の周縁測定箇所e2〜e4の温度よりも低くなっている。そして、基板周縁において温度が最大となる周縁測定箇所e3はガス供給口510,520とは反対側に位置している。
【0036】
基板周縁にはこのように温度が安定した状態であっても温度分布が存在する場合がある。そして、この要因は必ずしもこのようなガスの供給およびその流れのみには限られず、半導体ウエハの中心軸に対する対称性を乱すものがあれば基板周縁に温度分布が生じる可能性がある。
【0037】
次に半導体ウエハWの温度分布の時間的変動につき説明する。図5は、図3の中央測定箇所cと周縁測定箇所e1,e3の温度の時間的変化を表したグラフである。ここで、周縁測定箇所e1は、何らかの理由で周縁測定箇所e3よりも加熱されにくく、また冷却されやすい状態であると仮定する。
【0038】
図5において、Twは半導体ウエハWの目標温度プロファイルを表し、これは熱処理条件(昇温速度、設定温度(Tsp)、処理時間、降温速度)として、後述する処理レシピに表されている。また、Tcは中央測定箇所cの温度(以下、「中央温度」という)、Te1,Te2は周縁測定箇所e1,e2それぞれの温度(以下、「周縁温度」という)を表している。
【0039】
熱処理工程は、時刻t1からt2の昇温工程、時刻t2からt3の安定化工程、時刻t3からt4のプロセス工程、時刻t4からt5の降温工程によって構成される。そして、プロセス工程において必要に応じてガスの導入、およびその結果としての成膜等が行われることになる。以下、このときの温度分布の時間的変動につき詳述する。
【0040】
(1)昇温工程(時刻t1〜t2)
昇温工程においてはヒータ3に大きな出力が加えられる結果、半導体ウエハの温度は上昇する。
【0041】
時刻t1においては中央温度Tc、周縁温度Te1、Te3にはほとんど差がないが、昇温するにつれこれらの間の温度差が拡大する。ヒータ3が半導体ウエハの周縁に位置し、半導体ウエハはその周縁から加熱される関係で、周縁温度Te1、Te3が先に上昇し、中央温度Tcはこれに遅れて上昇することになる。このとき、周縁測定箇所e3は周縁のうちでも比較的加熱されやすいことから温度上昇の速度が大きい。即ち、昇温プロセスにおいては、中央測定箇所cと周縁測定箇所e3が半導体ウエハ上において温度差が大きいことになる。
【0042】
(2)安定化工程(時刻t2〜t3)
安定化工程においては、ヒータ3の出力は低減される。しかし、熱的な慣性のため半導体ウエハの温度上昇は直ぐには止まらない。このため、半導体ウエハの温度が安定するまで多少の時間がかかる。そこで、半導体ウエハの温度が設定温度Tspで安定するまで成膜等のプロセスの実行は見送られる。
【0043】
このとき周縁測定箇所e3は、加熱されやすい箇所であることから設定温度Tspを一時的に越え、ピークをもつ(オーバシュート)。その後、一旦設定温度以下に下がり(アンダーシュート)その後設定温度Tspに落ち着く。周縁測定箇所e1は周縁測定箇所e3より加熱されにくいので、周縁温度Te1は周縁温度Te3より低いが、傾向としては周縁温度Te3とほぼ同様に変化する。
【0044】
これに対して、中央温度Tcは温度上昇が比較的ゆっくりである結果、ピークは持たずに徐々に設定温度Tspに近づいてゆく傾向にある。
【0045】
(3)プロセス工程(時刻t3〜t4)
プロセス工程においては半導体ウエハの温度は比較的安定する。しかしながら、先に例として図4で示したようにこのときでも基板上には温度分布が存在し、周縁温度e1は設定温度Tspには達していない。
【0046】
(4)降温工程(t4〜t5)
降温工程においては、ヒータ3の出力がさらに下げられる。この結果、半導体ウエハWの温度は低下する。
【0047】
しかし、熱的な慣性のため、半導体ウエハの温度は目標温度プロファイルTwよりも遅れて低下してゆく。このとき周縁測定箇所e1,e3は、半導体ウエハの周縁から放熱が進む関係で中央測定箇所cよりも速やかに温度が低下する。周縁測定箇所のうちでもe1は放熱がされやすい関係から最も速く温度が下がる。これに対して、中央測定箇所cは主に熱を周縁に伝導することで放熱されるので、周縁測定箇所e1、e3に遅れて温度が下がることになる。
【0048】
即ち、降温工程においては中央測定箇所cと周縁測定箇所e1との間が半導体ウエハ上での温度差が大きい。
【0049】
次に本発明に係る熱処理装置の更なる詳細について述べる。
【0050】
図6は、コントローラ100の内部構成のうち、ヒータ3の制御に係る部分の詳細を示すブロック図である。図6に示すようにコントローラ100は、大きく区分すると基板温度推定部110,半導体ウエハ等の基板を代表する代表温度および基板内の温度差を算出する代表温度・温度差算出部120、ヒータ出力制御部130から構成される。ヒータ出力制御部130は、さらに処理レシピ記憶部132が接続されたヒータ出力導出部134,および温度差許容範囲記憶部136が接続されたヒータ出力補正部138から構成される。
【0051】
図7は、コントローラ100によるヒータ3の制御手順を表すフロー図である。以下、このフロー図に基づき温度制御の手順を説明する。
【0052】
(A)熱処理のプロセスが開始されると(S201)、温度センサSin(S1in〜S5in)、Sout(S1out〜S5out)の測定信号が基板温度推定部110によって読みとられる(S202)。
【0053】
(B)基板温度推定部110は、温度センサSin、Soutの測定信号からモニタウエハW1〜W5それぞれの中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eを推定する(S203)。
【0054】
この推定には制御工学において知られている以下の式(1)、(2)を用いることができる。
【0055】
x(t+1)=A・x(t)+B・u(t) …… 式(1)
y(t)=C・x(t)+u(t) …… 式(2)
ここで、t:時間
x(t):n次元状態ベクトル
y(t):m次元出力ベクトル
u(t):r次元入力ベクトル
A,B,C:それぞれn×n、n×r、m×nの定数行列
である。
【0056】
式(1)が状態方程式、式(2)が出力方程式と呼ばれ、式(1)、(2)を連立して解くことにより、入力ベクトルu(t)に対応する出力ベクトルy(t)を求めることができる。
【0057】
本実施形態においては入力ベクトルu(t)は温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号であり、出力ベクトルy(t)は中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eである。
【0058】
式(1)、(2)において、温度センサSin、Soutの測定信号と中央温度Tc、周縁温度Teは、多入出力の関係にある。即ち、ヒータ3のゾーン1〜5それぞれはモニタウエハW1〜W5のそれぞれに対して独立に影響を与えているわけではなく、一つのゾーンのヒータはどのモニタウエハにも何らかの影響を与えている。
【0059】
状態方程式等は雑音を考慮した式(3)、(4)
x(t+1)=A・x(t)+B・u(t)+K・e(t) …… 式(3)
y(t)=C・x(t)+D・u(t)+e(t) …… 式(4)
を用いることもできる。
【0060】
ここで、t:時間
x(t):n次元状態ベクトル
y(t):m次元出力ベクトル
u(t):r次元入力ベクトル
e(t):m次元雑音ベクトル
A,B,C,D、K:それぞれn×n、n×r、m×n、m×m、n×mの定数行列
である。
【0061】
熱処理装置の熱特性によって定まる定数行列A,B,C、Dを求める手法として、例えば部分空間法を適用することができる。
【0062】
具体的には温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号及び中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eのデータを取得し、そのデータを例えばソフトウェアMatlab(製造:The MathWorks. Inc.、販売:サイバネットシステム株式会社)に入力することで、定数行列A,B,Cを逆算できる。
【0063】
このデータ取得は、ヒータ31〜35の出力を徐々に変化させ、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号及び中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eの時間的変動を同時に測定することにより行われる。中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eの測定は、熱電対を設置したモニタウエハを用いることで行える。
【0064】
求められた定数行列A,B,C、Dの組合せは、複数存在するのが通例である。この組合せから、中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eの算出値((3)、(4)を連立して算出する)と実測値が一致するものを選択する(モデルの評価)。
【0065】
定数行列A,B,C、Dの組合せが定まれば、式(1)、(2)または式(3)、(4)を連立して解くことにより、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号から中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eを算出できる。
【0066】
(C)代表温度・温度差算出部120は、中央温度T1c〜T5c、周縁温度T1e〜T5eを基にモニタウエハW1〜W5それぞれの温度を代表する代表温度T1r〜T5rおよびモニタウエハW1〜W5内それぞれの温度差ΔT1〜ΔT5を算出する(S204)。
【0067】
代表温度Trの算出は、例えばつぎの式(5)によって行える。
【0068】
Tr=Tc・x+Te(av)・(1−x) …… 式(5)
ここで、Te(av):周縁温度の平均値(以下「平均周縁温度」という)
x:重み (0<x<1)
であり、Te(av)はつぎの式(6)
Te(av)=[ΣTe(i)]/n …… 式(6)
で求められる。
【0069】
ここで、Σ:総和記号
Te(i):同一のモニタウエハ上における周縁測定箇所eiの温度
n:同一のモニタウエハ上における周縁測定箇所の個数
である。
【0070】
即ち、代表温度Trは、複数の周縁測定箇所の温度の平均値を算出し、この平均値(平均周縁温度)と中央測定箇所の温度を重みづけ平均することで、算出される。
【0071】
ここで、複数の周縁測定箇所の温度の平均値をとるのは周縁測定箇所の温度分布を考慮したためである。
【0072】
代表温度Trの意味合いについて図を用いてさらに詳細に説明する。
【0073】
図8A,Bは、半導体ウエハ上の温度の度数分布を表したグラフである。図8A、Bは代表温度をそれぞれTr1、Tr2に設定している。グラフの横軸が温度であり、縦軸が度数である。この度数は半導体ウエハにおける面積あるいは半導体ウエハを縦横に等分割したときのチップ数に比例する値である。即ち、ある温度における度数が多いことはその温度となる箇所が半導体ウエハ上に占める面積が大きいことを意味する。
【0074】
図8A,Bに示すように半導体ウエハW上の温度分布は山形の分布をしている。このため図8Aのように代表温度Tr1を分布の中心付近に設定すると、図8Bに示す分布の中心から外れた場合よりも同一の温度の幅±Δ内に多数のチップ数を確保できることが判る。
【0075】
複数の周縁測定箇所の温度の平均値をとることで、代表温度が温度分布の中心から外れることを防止できる。例えば、周縁測定箇所中にウエハの周縁近傍の比較的温度が低い領域が含まれなければ、算出した代表温度は図8Bに示すように温度分布の中心から高温側に外れてくる。
【0076】
平均周縁温度Te(av)と中央温度を重みづけ平均するのにあたって、重みxは例えば1/3を採用できる。より適切には、代表温度が温度分布の中央に位置するように半導体ウエハの温度分布を考慮して設定する。
【0077】
温度差ΔTは、例えば以下の式(7)により、算出できる。
【0078】
ΔT=MAX(|Te1−Tc|,|Te2−Tc|,|Te3−Tc|,|Te4−Tc|) …… 式(7)
即ち、周縁温度Te1、Te2、Te3、Te4と中央温度Tcの温度の差のうち絶対値が最大のものが選択される。
【0079】
図5で示したように、昇温時には周縁測定箇所e3が、降温時には周縁測定箇所e1がそれぞれ中央測定箇所cとの温度の差が最大であると判っている場合には以下の式(8)、(9)によって温度差ΔTを算出しても良い。
【0080】
昇温時:ΔT=Te3−Tc …… 式(8)
降温時:ΔT=Te1−Tc …… 式(9)
(D)ヒータ出力導出部134は、代表温度T1r〜T5rおよび処理レシピを基にヒータ31〜35のあるべき出力値h1〜h5を導出する(S205)。
【0081】
処理レシピは熱処理条件(昇温速度、設定温度(Tsp)、処理時間、降温速度、使用するガスの種類、流量等)を表した例えばテーブルである。処理レシピは、処理レシピ記憶部132に記憶されている。なお、昇温速度、設定温度、処理時間、降温速度等は目標温度プロファイルTwとして、図5のように時間の関数として処理レシピ上に表されていても差し支えない。
【0082】
ヒータ出力値h1〜h5は、例えば昇温速度(レート)、降温速度(レート)によってヒータ出力値h1〜h5を予め決めておき、代表温度Trが設定温度Tspに到達しているか否かによってヒータ出力値を切り替えることにより、目標温度プロファイルTwと代表温度Trより導出できる。この他に、例えば目標温度プロファイルTwと代表温度Trとの差(Tw−Tr)によってヒータ出力値を連続的に変化するように決めても良い。
【0083】
(E)ヒータ出力修正部138によって、温度差ΔT1〜ΔT5が許容範囲にあるかが判定されて(S206)、温度差が許容範囲から外れている場合にはヒータ出力値h1〜h5が修正される(S207)。
【0084】
温度差の許容範囲は、温度差許容範囲記憶部136に記憶されている。温度差の許容範囲は図9のグラフに示すように温度の関数である。図9のグラフは横軸が代表温度Tr、縦軸が温度差の許容範囲ΔTperを表している。そして、ラインAが昇温時、ラインBが降温時における温度差の許容範囲ΔTperを表している。代表温度Trが大きいほど許容範囲ΔTperの絶対値が小さくなることが判る。
【0085】
この許容範囲ΔTperはスリップラインが発生しにくい範囲を表している。スリップラインは、半導体ウエハ内の剪断応力によって発生するとされる。従い、剪断応力の一因となる半導体ウエハ上の温度差を一定値以下に抑えることによって、スリップラインの発生が低減できる。
【0086】
代表温度Trからそのときの温度差の許容範囲ΔTper(Tr)が求められる。温度差ΔTがこの許容範囲ΔTper(Tr)を越えていれば、ステップS205で導出されたヒータ出力値h1〜h5は修正される。即ち、昇温レート、または降温レートを低減するようにヒータ出力値h1〜h5が修正される。
【0087】
温度差ΔTがこの許容範囲ΔTper以内であれば、ステップS205で導出されたヒータ出力値h1〜h5はそのままヒータ出力の制御に用いられる。
【0088】
(F)ヒータ出力修正部138は、最終的に決定されたヒータ出力値h1〜h5を電力コントローラ41〜45に制御信号として出力し(S208)、ヒータ31〜35それぞれの出力が制御される。
【0089】
(G)熱処理プロセスが終了していなければ、ステップS202に戻って半導体ウエハWの温度制御が続行される(S209、S210)。
【0090】
なお、このステップS202からS209は多くの場合、1秒〜4秒程度の周期で繰り返される。
【0091】
次に図7に示すプロセスによって熱処理が行われた場合における、半導体ウエハの温度の時間的変化を図10に示す。
【0092】
図10Aは半導体ウエハの代表温度の時間的変化を表したグラフであり、図10Bはヒータ出力の時間的変化を表したグラフである。
【0093】
図10Aで、Twが目標温度プロファイルを表し、Trが代表温度である。
【0094】
(1)時刻t1まで、ヒータ出力は保持温度T0に対応してP3に保たれている。時刻t1から昇温が開始され、ヒータ出力がP3からP6に増大される。本来であれば昇温過程終了時刻t6までこのヒータ出力が維持されるはずである。
【0095】
しかしながら、時刻t2に至って温度差ΔTが許容範囲ΔTperを越えたことからヒータ出力がP6からP5まで低減され、その結果として昇温レートが低下する。
【0096】
時刻t3において、温度差ΔTが許容範囲ΔTper内になったことからヒータ出力は再びP6まで増大され、昇温レートは再び増加する。
【0097】
時刻t4からt5では、温度差ΔTが許容範囲を越えたことからヒータ出力は再びP5まで低下し、昇温レートが低減する。
【0098】
時刻t5からt6では温度差ΔTが許容範囲ΔTper以内であるので、ヒータ出力はP6に上昇する。
【0099】
そして、時刻t6に至って代表温度が設定温度Tspに達したことから、ヒータの出力はこの設定温度Tspを維持するのに充分な出力P4まで低減される。
【0100】
(2)時刻t7に至って降温工程が開始され、ヒータ出力は速やかな降温のため出力P1まで低下される。その後、時刻t8からt9、および時刻t10からt11では温度差ΔTが許容範囲を越えたことからヒータ出力がP2まで上昇せられそれに伴って降温レートが低下する。
【0101】
時刻t9からt10、時刻t11からt12では速やかな降温のためヒータ出力はP1まで低下せられる。
【0102】
時刻t12に至って代表温度Trが保持温度T0に到達したことから、ヒータ出力は保持温度T0を維持するに適した出力P3まで再び上昇される。
【0103】
以上のように、代表温度Trおよび温度差ΔTおよび目標温度プロファイルTw、温度差の許容範囲ΔTperによってヒータ出力の制御が行われる。
【0104】
ヒータ出力は、代表温度Trと目標温度プロファイルTwとの関係、さらには温度差ΔTが許容範囲ΔTper以内にあるか否かにより、切り替わる。この切替は上述のように2値的に切り替えても良いし、許容範囲等からの外れの程度に応じて段階的に切り替えても差し支えない。
【0105】
次に周縁測定箇所の決定方法について説明する。
【0106】
図11は、周縁測定箇所を決定する手順を表したフロー図である。
【0107】
まず熱処理装置に周縁測定箇所測定用の半導体ウエハを配置し半導体ウエハを所定の熱処理条件に従って加熱する(S302)。
【0108】
そして、半導体ウエハの温度が安定するまで待って、半導体ウエハの周縁近傍に多数設定された測定箇所において温度を測定する(S304)。
【0109】
この測定箇所は例えば図12Aのように半導体ウエハの周縁に沿って同心円上に等間隔で設定することができる。測定箇所の個数は、複数であれば特に限定されないが、例えば、5以上、8以上、16以上を選ぶことができる。
【0110】
また、場合によっては図12Bのように複数の同心円上に測定箇所を設定しても差し支えない。温度測定の方法としては例えば、半導体ウエハに熱電対等の温度センサを設置しておけばよい。
【0111】
測定箇所から温度が最低である最低温度箇所さらには温度が最高である最高温度箇所を選定する(S306)。
【0112】
最後に、最低温度箇所または最低温度箇所の少なくとも何れかが含まれるように周縁測定箇所を決定する(S308)。
【0113】
周縁測定箇所に最低温度箇所または最低温度箇所の何れかがが含まれるようにしていることから、周縁測定箇所の個数が少なくても温度分布を正確に反映した周縁温度の測定が容易となる。
【0114】
周縁測定箇所は、半導体ウエハの中心に対して対称になるように設定するのが好ましく、また半導体ウエハ上でほぼ等間隔となるように決定するのが好ましい。更には最低温度箇所と最高温度箇所の双方が含まれ、その間が等間隔になるように決定することがとりわけ好ましい。このようにすることで、半導体ウエハの温度分布をより的確に反映した周縁温度の測定が可能になる。
【0115】
以上の発明の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で、拡張、変更が可能である。
【0116】
例えば、基板は半導体ウエハには限られず、例えばガラス基板であってもよい。
【0117】
熱処理装置は、縦型熱処理炉には限られず、また熱処理の目的は拡散、アニール、熱酸化膜の形成、CVD(Chemical Vapor Deposition)による成膜(例えば、SiN等の成膜)のいずれであっても差し支えない。
【0118】
ヒータは、区分されていなくても良いし、また区分の数も5には限られない。
また、ヒータの制御には常に代表温度と温度差の双方を利用しなければならないというものではなく、いずれか一方のみを利用することでも差し支えない。
【0119】
中央温度T1c〜T5cおよび周縁温度T1e〜T5eは、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号から推定するのではなく、直接測定しても差し支えない。この測定には、例えば(a)熱電対等の温度センサをモニタウエハW1〜W5に設置する方法、あるいは(b)放射温度計等による非接触測定を用いることができる。このときには、温度センサS1in〜S5in、S1out〜S5outの測定信号は場合により外してもよい。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板上の温度分布をも考慮して基板の熱処理を行うことを可能ならしめる熱処理装置、熱処理装置の制御方法、および半導体ウエハ上の温度を測定する箇所の決定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る縦型熱処理装置を表す一部断面図である。
【図2】 本発明に係る縦型熱処理装置を表す斜視図である。
【図3】 半導体ウエハ上における中央測定箇所、周縁測定箇所の位置関係を示す上面図である。
【図4】 ガス供給管の開口部と半導体ウエハの位置関係を表す上面図および一部断面図である。
【図5】 半導体ウエハ上の中央温度と周縁温度の時間的変化を表したグラフである。
【図6】 本発明に係る熱処理装置のコントローラの詳細を表すブロック図である。
【図7】 本発明に係る熱処理装置のコントローラによる制御手順を表すフロー図である。
【図8】 半導体ウエハ上の温度の度数分布を表したグラフである。
【図9】 半導体ウエハ上の温度差の許容範囲を表したグラフである。
【図10】 本発明に係る熱処理装置によって熱処理が行われた場合の半導体ウエハの代表温度の時間的変化をヒータ出力の時間変化と共に表したグラフである。
【図11】 周縁測定箇所を決定する手順を表したフロー図である。
【図12】 周縁測定箇所を決定する場合の半導体ウエハ上の測定箇所を表した上面図である。
【符号の説明】
100 コントローラ
110 基板温度推定部
120 代表温度・温度差算出部
130 ヒータ出力制御部
132 処理レシピ記憶部
134 ヒータ出力導出部
136 温度差許容範囲記憶部
138 ヒータ出力補正部
2 反応管
2a 内管
2b 外管
21 マニホールド
22 フェ一スプレート
23 ウエハボート
24 蓋体
26 ボートエレベータ
27 排気管
28 圧力調整部
3、31〜35 ヒータ
41〜45 電力コントローラ
51、52 ガス供給管
510、520 開口部
61、62 流量調整部
Sin、Sout 温度センサ

Claims (7)

  1. 処理室内に基板を配置して熱処理を行うための熱処理装置であって,
    前記基板を基板周縁から加熱するための加熱部と,
    前記基板とは非接触の状態で前記熱処理装置に設置される複数の温度測定手段と,
    前記複数の温度測定手段での測定結果に基づき,前記基板の中央に位置する中央測定箇所および該基板の周縁に位置する複数の周縁測定箇所の温度を推定する温度推定部と,
    前記温度推定部によって推定された前記複数の周縁測定箇所の温度の平均値と前記中央測定箇所の温度とを重みづけ平均することによって,前記基板の代表温度を算出する代表温度算出部と,
    前記代表温度算出部によって算出された前記代表温度に基づいて,前記加熱部を制御する制御部と
    を具備することを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記加熱部が,区分された第1のヒータおよび第2のヒータから少なくとも構成され,
    前記温度測定部が,前記第1のヒータおよび前記第2のヒータそれぞれに対応して配置された第1の基板および第2の基板それぞれの温度を測定するものであり,
    前記代表温度算出部が,前記第1の基板および前記第2の基板それぞれの代表温度を算出するものであり,
    前記制御部が,前記第1の基板および第2の基板の代表温度に基づいて,前記第1のヒータおよび第2のヒータを制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
  3. 処理室内に基板を配置して熱処理を行うための熱処理装置であって,
    前記基板を基板周縁から加熱するための加熱部と,
    前記基板とは非接触の状態で前記熱処理装置に設置される複数の温度測定手段と,
    前記複数の温度測定手段での測定結果に基づき,前記基板の中央に位置する中央測定箇所および該基板の周縁に位置する複数の周縁測定箇所の温度を推定する温度推定部と,
    前記温度推定部によって推定された前記中央測定箇所と前記複数の周縁測定箇所との温度の差分より,絶対値が最大である該差分を選択することによって,前記基板内の温度差を算出する温度差算出部と
    前記温度差算出部によって算出された前記温度差に基づいて,前記加熱部を制御する制御部と
    を具備することを特徴とする熱処理装置。
  4. 前記制御部が,前記温度差が所定の許容範囲内になるように前記加熱部を制御する
    ことを特徴とする請求項3記載の熱処理装置。
  5. 前記許容範囲が,前記基板の温度に対応して変化する
    ことを特徴とする請求項4記載の熱処理装置。
  6. 基板の熱処理を行う熱処理装置を制御するための方法であって,
    前記基板とは非接触の状態で前記熱処理装置に設置される複数の温度測定手段により温度を測定する温度測定工程と,
    前記温度測定工程での測定結果に基づき,前記基板の中央に位置する中央測定箇所および該基板の周縁に位置する複数の周縁測定箇所の温度を推定する温度推定工程と,
    前記複数の周縁測定箇所の温度の平均値と前記中央測定箇所の温度とを重みづけ平均することによって,前記基板の代表温度を,前記中央測定箇所と前記複数の周縁測定箇所との温度の差分より,絶対値が最大である該差分を選択することによって,該基板内の温度差を,それぞれ算出する代表温度・温度差算出工程と
    前記代表温度・温度差算出工程によって算出された前記代表温度および前記温度差に基づき,前記熱処理装置を制御する制御工程と
    を具備することを特徴とする熱処理装置の制御方法。
  7. 前記制御工程が,
    前記代表温度に基づき,前記熱処理装置の制御パラメータを導出する制御パラメータ導出工程と,
    前記制御パラメータ導出工程によって導出された前記制御パラメータを前記温度差に基づき修正する制御パラメータ修正工程と
    を具備することを特徴とする熱処理装置の制御方法。
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