JP4544720B2 - 盗難防止機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、盗難防止機構に関し、特に、盗難防止のための扱いに係る多大な労力と手間をなくし、簡単な操作で車載用音響機器の盗難を防止することができる盗難防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車載用電子機器、特に、車載用音響機器は高級化してきており、それに伴い盗難事故も多発してきている。このため、盗難防止対策の1手段として、操作部(前面パネル)を機器本体から着脱可能に構成し、使用者が車両から離れる際に、車載用音響機器の操作部(前面パネル)を機器本体から取り外して操作不能状態にすることにより、操作部(前面パネル)が欠陥状態であって本体の操作ができないということを車外に認識させ、これにより盗難を防止するようにした盗難防止装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の盗難防止装置によれば、車載用音響機器の操作部(前面パネル)を取り外すとき、操作部(前面パネル)自体が大きいため、取り外しに手間がかかり、また、車外へ持ち出すとしても大変な労力を要し、取り外した操作部(前面パネル)を保管する場所を要し、更には、必要な場合には再度車内への取り付け作業が必要となるなど、多くの労力と多くの手間がかかるという問題があった。
【0004】
【発明の目的】
従って、本発明の目的は、このような盗難防止のための操作部(前面パネル)の取り扱いに係る多大な労力と手間をなくし、簡単な操作で車載用音響機器の盗難を防止することができる盗難防止機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、車両に搭載され、電源の投入により記録媒体の再生を可能にする電子機器と、前記電子機器の前面に設けられ、前記電子機器の操作を行う操作部と、前記電源が投入されたとき、前記電子機器の前面に当該電子機器の通常操作時における使用上問題のない位置に配置され、前記電源が遮断されたとき、前記操作部の一部を覆い前記電子機器の通常操作を妨げる位置に自動的に移動するセキュリティバーと、を備えたことを特徴とする盗難防止機構を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による盗難防止機構の基本原理を示すブロック図である。図に示すように、この盗難防止機構は、車載用音響機器本体1と、車載用音響機器本体1の操作部としての前面パネル20側に摺動可能に設けられるセキュリティバー2とからなる。なお、このセキュリティバー2には、車載用音響機器本体1内部にセキュリティバー用スライド部材21が連設されている。
【0008】
車載用音響機器本体1は、駆動機構11を介してセキュリティバー2のセキュリティバー用スライド部材21に駆動力を伝達する駆動モータ12と、車載用音響機器本体1内部の2箇所の位置に設けられ駆動モータ12の駆動力により駆動機構11が動作しセキュリティバー用スライド部材21が移動して当接あるいは離接したときにスイッチをON/OFFさせる開完了スイッチ13および閉完了スイッチ14と、バックアップ電源から常に電源の供給を受けその電源によって開完了スイッチ13および閉完了スイッチ14のON/OFF動作ならびに駆動モータ11の回転動作を制御するスイッチコントローラ15と、車載用音響機器本体1のセット電源スイッチ16と、セット電源スイッチ16をON/OFFした時にスイッチコントローラ15の動作を一定時間遅延させるタイマ17と、から構成されている。なお、セット電源スイッチ16はアクセサリスイッチ50に接続されており、アクセサリスイッチ50はアクセサリ電源に接続されている。
また、開完了スイッチ13および閉完了スイッチ14には、その開完了状態あるいは閉完了状態を検知する突起部13A,14Aが設けられている。
【0009】
以上の構成において、図1の状態、即ち、セキュリティバー2が閉状態でこれを閉状態にする場合に、アクセサリスイッチ50のON時にセット電源スイッチ16をONすると、タイマ17が働き一定時間を計時する。一定時間が経過した後、タイマ17はスイッチコントローラ15にセット電源スイッチ16がONされた信号を通知しスイッチコントローラ15の動作を開始させる。一定時間タイミングを遅延させるのは、操作者に操作感を体感させるためである。スイッチコントローラ15は、この信号を受け取るとバックアップ電源により開完了スイッチ13および閉完了スイッチ14の状態を確認しながら駆動モータ12をB方向(逆転方向)に回転させる。これにより、駆動機構11が駆動モータ12と逆方向(正転方向)に回転し、この回転に伴い、セキュリティバー2のセキュリティバー用スライド部材21を開完了スイッチ13の側に移動させる。開完了スイッチ13は、セキュリティバー用スライド部材21の端部が突起部13Aに当接するとセキュリティバー2の開完了を検知し、スイッチをONにする。これにより、スイッチコントローラ15にその信号が通知され、セキュリティバー2の開が完了する。セキュリティバー2が開状態で、これを閉状態にする場合には、セット電源スイッチ16をOFFすると、上記と逆の動作でセキュリティバー2を閉状態にすることができる。以下、図2(a),(b)に基づいて、この動作をより詳細に説明する。
【0010】
図2(a),(b)は、上記したセキュリティバー2の動作を示すフローチャートであり、(a)はセット電源スイッチ16をONからOFFにした場合、即ち、セキュリティバー2が開状態から閉状態に移行する動作を示し、(b)はセット電源スイッチ16をOFFからONにした場合、即ち、セキュリティバー2が閉状態から開状態に移行する動作を示す図である。
【0011】
図2(a)に示すように、セット電源スイッチ16をONからOFFにすると(ステップS21)、タイマ17がONし予め定められた一定時間を計時する(ステップS22)。タイマ17は一定時間が経過したか否かを判定し(ステップS23)、一定時間が経過していない場合にはこの一定時間の経過を監視し(ステップS23の判定:NO)、一定時間が経過したと判定した場合には(ステップS23の判定:YES)、スイッチコントローラ15を動作させて駆動モータ12をONさせ、A方向(正転方向)に回転させる(ステップS24)。これにより、駆動機構11が駆動モータ12と逆の方向に回転する。そこで、スイッチコントローラ15は、セキュリティバー2が閉完了スイッチ14の突起部14Aに当接して閉完了スイッチ14がONとなったか否かを判定し(ステップS25)、閉完了スイッチ14がONとなっていない場合には、ONとなるまで監視し(ステップS25の判定:NO)、閉完了スイッチ14がONとなった場合には(ステップS25の判定:YES)、セキュリティバー2による閉動作を完了させる(ステップS26)。
【0012】
一方、図2(b)に示すように、セット電源スイッチ16をOFFからONにすると(ステップS31)、タイマ17がONし、予め定められた一定時間を計時する(ステップS32)。タイマ17は一定時間が経過したか否かを判定し(ステップS33)、一定時間が経過していない場合にはこの一定時間の経過を監視し(ステップS33の判定:NO)、一定時間が経過したと判定した場合には(ステップS33の判定:YES)、スイッチコントローラ15を動作させて駆動モータ12をONさせ、B方向(逆転方向)に回転させる(ステップS34)。これにより、駆動機構11が駆動モータ12と逆の方向に回転する。そこで、スイッチコントローラ15は、セキュリティバー2が開完了スイッチ13の突起部13Aに当接して開完了スイッチ13がONとなったか否かを判定し(ステップS35)、開完了スイッチ15がONとなっていない場合には、ONとなるまで監視し(ステップS35の判定:NO)、開完了スイッチ15がONとなった場合には(ステップS35の判定:YES)、セキュリティバー2による開動作を完了させる(ステップS36)。
【0013】
次に、以上の基本原理に基づいた盗難防止機構の具体的実施例を図3〜図13に基づいて説明する。
〔第1の実施例〕
図3〜図6は、第1の実施例による盗難防止機構を示す図である。
図3(a)に示すように、車載用音響機器本体1の前面パネル20の両サイドには、セキュリティバー2が、通常使用操作時において使用上問題ない位置に一つのデザイン形状としての効果を持たせるように配置されている。また、前面パネル20の上端近傍および下端近傍には、セキュリティバー2をスライドさせるためのガイド溝22が略全長に亘って設けられている。また、図4に示すように、セキュリティバー2には、セキュリティバー用スライド部材としてのセキュリティバースライド用アーム211の一端が回動可能に設けられており、そのセキュリティバースライド用アーム211の他端には駆動モータ12のウォームギア121に噛み合ってセキュリティバースライド用アーム211を駆動させる駆動機構としてのセクタギア111が設けられている。なお、セキュリティバースライド用アーム211の一端がセキュリティバー2に回動可能に設けられている部分には、溝212が設けられており、この溝212はセキュリティバー2の水平方向への移動に伴うセキュリティバースライド用アーム211との距離の調節を行っている。
【0014】
この構成において、図3(a)に示すように、車載用音響機器本体1のセット電源スイッチ16(図示せず)をOFF(使用しない状態)にすると、タイマ17(図示せず)が一定時間を計時し、一定時間経過後にスイッチコントローラ(図示せず)の制御により、駆動モータ12(図示せず)を動作させ、これにより左右それぞれのセキュリティバー2が前面パネル20のガイド溝22に沿って自動的に動き、終端位置のスイッチ、即ち、閉完了スイッチ14(図示せず)で終端位置を検知する。このようにして、セキュリティバー2が車載用音響機器本体1の通常操作を妨げる位置に形態を変化させる。
【0015】
なお、この時、セキュリティバー2の動作は、セキュリティバースライド用アーム211の横回転動作によって行われる。このセキュリティバースライド用アーム211による横回転動作は、駆動モータ12の駆動により駆動モータ12に取り付けたウォームギア121を介してセキュリティバースライド用アーム211に付いているセクタギア111を動かして行われる。その動作によって、左右から移動してきたセキュリティバー2は、前面パネル20の真中で合わさり、ロック機構23が動作し、セキュリティバー2がガタ防止となる。このロック機構23は、図5に示すように、セキュリティバー2に付いているフック231が、スプリング232の力により相手方の溝にはまりロックされる機構であり、これにより、図3(b)に示すように、車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)状態となる。
【0016】
車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)解除の方法は、車載用音響機器本体1の前面パネル20に配置されているセキュリティロック解除ボタン24を押すことによって車載用音響機器本体1の電源が入り(POWER ON)、セキュリティバー2の解除動作が開完了スイッチ13(図示せず)の動作まで自動的に行われる。なお、セキュリティロック解除ボタン24は、セキュリティロック解除専用とは限らず、車載用音響機器本体1を操作する上での操作ボタンなどと兼用する場合もある。
【0017】
なお、上記の例では、セキュリティバー2の動作を、セキュリティバースライド用アーム211の横回転動作によって行うようにしているが、例えば、図6(a)に示すように、セキュリティバー2に取り付けたセキュリティバースライド用ラック213とセキュリティバースライド用ギア112,113による横スライド動作によって行うようにしても良い。その場合、図6(b)に示すように、セキュリティバースライド用ギア112,113による横スライド動作は、駆動モータ12の駆動力によりギア122、中継用ギア123を介して駆動する。
【0018】
〔第2の実施例〕
図7および図8は、第2の実施例による盗難防止機構を示す図である。
図3〜図6で示した第1の実施例による盗難防止機構と同一の内容には同一の符号を付したので重複する説明は省略するが、前面パネル20の上端および下端に設けられるセキュリティバー2のガイド溝22の長さを、セキュリティバー2がパネル中央部に移動してきたときセキュリティバー2同士が互いに前面パネル20の真中で合わされない位置にまで設けた点、セキュリティバー2の略中央部に凹部25を設けた点、この凹部25にセキュリティパーツ3を嵌合し、このセキュリティパーツ3によってセキュリティバー2をロックするようにした点において、第1の実施例と異なる。
【0019】
即ち、第2の実施例による盗難防止機構では、車載用音響機器本体1の前面パネル20の左右両サイドにセキュリティバー2が通常使用操作時において使用上問題ない位置に一つのデザイン形状として配置されており(図7(a))、車載用音響機器本体1の電源をOFF(使用しない状態)にすると左右それぞれのセキュリティバー2が駆動モータ12(図示せず)により前面パネル20のガイド溝22に沿って自動的に動き、終端位置のスイッチにより終端位置を検知し、車載用音響機器本体1の通常操作を妨げる位置に形態を変化させる(図7(b))。
【0020】
この時、セキュリティバー2の動作は、第1の実施例の図4および図6で説明したように、セキュリティバースライド用アーム211の横回転動作、またはセキュリティバー2に取り付けたセキュリティバースライド用ラック213とセキュリティバースライド用ギア112,113による横スライド動作によって行われる。
【0021】
この動作によって、左右から移動してきたセキュリティバー2は、前面パネル20の中央部で終端位置の閉完了スイッチ14(図示せず)により終端位置を検知し機構を停止させる。そこで、図7(b)に示すように、セキュリティパーツ3を、停止したセキュリティバー2の凹部25に取り付け、ロック機構23を動作させる。このロック機構23は、図8に示すように、セキュリティパーツ3に付いているフック231が、スプリング232の力により相手方の溝にはまりロックされる機構であり、セキュリティパーツ3のキー31のキー溝32にキーを掛けることによりフック231の動作が妨げられセキュリティパーツ3を取り出すことができなくなる。これで、車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)状態となる。
【0022】
車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)解除の方法は、セキュリティパーツ3のキー31のキー溝32にセキュリティロック解除キー(専用キーなど)を差し込み、セキュリティパーツ3がセキュリティバー2から外れロック(盗難防止)解除となる。
【0023】
〔第3の実施例〕
図9〜図11は、第3の実施例による盗難防止機構を示す図である。
図3〜図8で示した第1および第2の実施例による盗難防止機構と同一の内容には同一の符号を付したので重複する説明は省略するが、前面パネル20に設けられるセキュリティバー2のガイド溝22を前面パネル20の右端近傍および左端近傍に設け、セキュリティバー2を上下から移動させてロックさせるようにした点において、第1および第2の実施例と異なる。
【0024】
即ち、第3の実施例による盗難防止機構では、車載用音響機器本体1の前面パネル20の上下に、セキュリティバー2が、通常使用操作時において使用上問題ない位置に一つのデザイン形状として配置されており(図9(a))、車載用音響機器本体1の電源をOFF(使用しない状態)にすると上下それぞれのセキュリティバー2が駆動モータ12(図示せず)により前面パネル20のガイド溝22に沿って自動的に動き、終端位置のスイッチにより終端位置を検知し、車載用音響機器本体1の通常操作を妨げる位置に形態を変化させる(図9(b))。
【0025】
この時、セキュリティバー2の動作は、図10に示すように、セキュリティバースライド用アーム211の縦回転動作、または、図11に示すように、セキュリティバー2に取り付けたセキュリティバースライド用ラック213とセキュリティバースライド用ギア114,115による縦スライド動作によって行われる。
【0026】
このセキュリティバースライド用アーム211による縦回転動作は、駆動モータ12の駆動によりギア122を介してスライドガイド214を前後方向に動かすことにより行われる。その時、セキュリティバー2に付いているガイド棒26により、セキュリティバー2が垂直の上下運動をする。また、セキュリティバースライド用ギア114,115による縦スライド動作は、駆動モータ12の駆動力により中継用ギア123を介して駆動する。セキュリティバースライド用ギア114が上側のセキュリティバー2を下側へ移動させる回転方向に回り、セキュリティバースライド用ギア115を介することにより逆回転の動きとなり、下側のセキュリティバー2を上側に動かす。
【0027】
この動作によって、上下から可動してきたセキュリティバー2は、前面パネル20の真中で合わさり、ロック機構23が動作しセキュリティバー2のガタ防止となる。ロック機構23は、セキュリティバー2に付いているフック231が、スプリング232の力により相手方の溝に嵌りロックされる。これで、車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)状態となる。
【0028】
車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)解除の方法は、車載用音響機器本体1の前面パネル20に配置されているセキュリティロック解除ボタン24を押すことによって車載用音響機器本体1の電源が入り(POWER ON)、セキュリティバー2の解除動作が開完了スイッチ13(図示せず)の動作まで行われる。セキュリティロック解除ボタン24は、セキュリティロック解除専用とは限ら図、車載用音響機器本体1を操作する上での操作ボタンなどと兼用する場合もある。
【0029】
〔第4の実施例〕
図12は、第4の実施例による盗難防止機構を示す図である。
図3〜図11で示した第1〜第3の実施例による盗難防止機構と同一の内容には同一の符号を付したので重複する説明は省略するが、前面パネル20の右端近傍および左端近傍に設けられるセキュリティバー2のガイド溝22の長さを短くし上半分とした点、および、ガイド溝22によってスライドするセキュリティバー2を1つとした点、セキュリティバー2自体にロック用のキーを設けた点において、第1〜第3の実施例と異なる。
【0030】
即ち、第4の実施例による盗難防止機構では、車載用音響機器本体1の前面パネル20の上側に、セキュリティバー2が通常使用操作時において使用上問題ない位置に一つのデザイン形状として配置されており(図12(a))、車載用音響機器本体1の電源をOFF(使用しない状態)にするとセキュリティバー2が駆動モータ12(図示せず)により前面パネル20のガイド溝22に沿って自動的に動き、終端位置のスイッチにより終端位置を検知し、車載用音響機器本体1の通常操作を妨げる位置に形態を変化させる(図12(b))。
【0031】
この時、セキュリティバー2の動作は、図10および図11で示したように、セキュリティバースライド用アーム211の縦回転動作、またはセキュリティバー2に取り付けたセキュリティバースライド用ラック213とセキュリティバースライド用ギア114による縦スライド動作によって行われる。
【0032】
車載用音響機器本体1の通常操作を妨げる位置にセキュリティバー2が形態を変化させ終わったとき、セキュリティバー2に付いているキー31のキー溝(図示せず)が車載用音響機器本体1のキーシリンダ部(図示せず)と合わさり、そこにキー(カギ)を差し込むことでロックされる。これで、車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)状態となる。
【0033】
車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)解除の方法は、キー31のキー溝(図示せず)に、ロックしたときと同じキー(専用キーなど)を差し込むことで車載用音響機器本体1の電源が入り(POWER ON)、セキュリティバー2の解除動作が行われ、セキュリティバー2が通常使用状態の位置に戻るとロック(盗難防止)解除となる。
【0034】
なお、上記の例では、前面パネル20の右端近傍および左端近傍に設けられるセキュリティバー2のガイド溝22を上半分に設けるようにしているが、これに限るものではなく、例えば、下半分に設けるようにしても良い。
【0035】
〔第5の実施例〕
図13は、第5の実施例による盗難防止機構を示す図である。
図3〜図12で示した第1〜第4の実施例による盗難防止機構と同一の内容には同一の符号を付したので重複する説明は省略するが、セキュリティバー2のガイド溝を設けずに、第4の実施例で説明したような1つのセキュリティバー2を半分に分け、そのセキュリティバー2をそれぞれ左上端部近傍と右下端部近傍において回転軸27で回動可能に軸支し、これら回転軸27で軸支されたそれぞれのセキュリティバー2を回転させて前面パネル20の中央部でロックするようにした点において、第1〜第4の実施例と異なる。
【0036】
即ち、第5の実施例による盗難防止機構によれば、車載用音響機器本体1の前面パネル20の左上端部近傍と右下端部近傍に、セキュリティバー2が通常使用操作時において使用上問題ない位置に一つのデザイン形状として配置されており(図13(a))、車載用音響機器本体1の電源をOFF(使用しない状態)にすると上側または下側のセキュリティバー2がそれぞれの回転軸27によって自動的に動き、終端位置のスイッチにより終端位置を検知し、車載用音響機器本体1の通常操作を妨げる位置に形態を変化させる(図13(b))。
【0037】
この動作によって、上下から可動してきたセキュリティバー2は、前面パネル20の真中で合わさり、ロック機構23が動作し、セキュリティバー2のガタ防止となる。これで、車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)状態となる。
【0038】
車載用音響機器本体1のセキュリティ(盗難防止)解除の方法は、車載用音響機器本体1の前面パネル20に配置されているセキュリティロック解除ボタン24を押すことによって車載用音響機器本体1の電源が入り(POWER ON)、セキュリティバー2の解除動作が行われる。セキュリティロック解除ボタン24は、セキュリティロック解除専用とは限らず、車載用音響機器本体1を操作する上での操作ボタンなどと兼用する場合もある。ロック機構23は、図5に示したものと同じく、セキュリティバー2に付いているフック231がスプリング232の力により相手方の溝にはまり、ロックされる。
【0039】
なお、上記の例では、セキュリティバー2を前面パネル20の左上端部近傍と右下端部近傍に設けるようにしているが、これに限るものではなく、例えば、右上端部近傍および左下端部近傍に設けるようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の盗難防止機構によれば、車両に搭載され、電源の投入により記録媒体の再生を可能にする電子機器と、前記電源が遮断されたとき前記電子機器の少なくとも一部を自動的に覆い使用不能にするセキュリティバーと、を備えるようにしたので、また、車両に搭載され、電源の投入により記録媒体の再生を可能にする電子機器と、前記電子機器の前面に着脱可能に設けられ、前記電子機器の操作を行う操作部と、前記操作部の前面に摺動可能に設けられ、前記電源が遮断されたとき前記操作部の少なくとも一部を自動的に覆い前記電子機器を使用不能にするセキュリティバーと、を備えるようにしたので、簡単な操作で車載用音響機器の盗難を防止することができる。即ち、車載用音響機器本体が盗難にあっても本体の操作をすることができないので、車載用音響機器の盗難防止につながる。なお、セキュリティバーの形状はいろいろな形態にできるので、デザインの形状によっては商品性が上がる。視覚効果も大きい。また、この盗難防止機構を使用するユーザの手間もかからないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による盗難防止機構の基本原理を示すブロック図である。
【図2】図1に示した盗難防止機構におけるセキュリティバーの動作を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施例による盗難防止機構の通常使用状態時およびロック状態時の前面パネル側の外観を示す図である。
【図4】第1の実施例による盗難防止機構の内部機構を示す図である。
【図5】第1の実施例による盗難防止機構のロック機構を示す図である。
【図6】第1の実施例による盗難防止機構の内部機構の他の例を示す図である。
【図7】第2の実施例による盗難防止機構の通常使用状態時およびロック状態時の前面パネル側の外観を示す図である。
【図8】第2の実施例による盗難防止機構のロック機構を示す図である。
【図9】第3の実施例による盗難防止機構の通常使用状態時およびロック状態時の前面パネル側の外観を示す図である。
【図10】第3の実施例による盗難防止機構の内部機構を示す図である。
【図11】第3の実施例による盗難防止機構の内部機構の他の例を示す図である。
【図12】第4の実施例による盗難防止機構の通常使用状態時およびロック状態時の前面パネル側の外観を示す図である。
【図13】第5の実施例による盗難防止機構の通常使用状態時およびロック状態時の前面パネル側の外観を示す図である。
【符号の説明】
1 車載用音響機器本体
2 セキュリティバー
3 セキュリティパーツ
11 駆動機構
12 駆動モータ
13 開完了スイッチ
13A 突起部
14 閉完了スイッチ
14A 突起部
15 スイッチコントローラ
16 セット電源スイッチ
17 タイマ
20 前面パネル
21 セキュリティバー用スライド部材
22 ガイド溝
23 ロック機構
24 セキュリティロック解除ボタン
25 凹部
26 ガイド棒
27 回転軸
31 キー
32 キー溝
50 アクセサリスイッチ
111 セクタギア
112 セキュリティバースライド用ギア
113 セキュリティバースライド用ギア
114 セキュリティバースライド用ギア
115 セキュリティバースライド用ギア
121 ウォームギア
122 ギア
123 中継用ギア
211 セキュリティバースライド用アーム
212 溝
213 セキュリティバースライド用ラック
214 スライドガイド
231 フック
232 スプリング

Claims (1)

  1. 車両に搭載され、電源の投入により記録媒体の再生を可能にする電子機器と、
    前記電子機器の前面に設けられ、前記電子機器の操作を行う操作部と、
    前記電源が投入されたとき、前記電子機器の前面に当該電子機器の通常操作時における使用上問題のない位置に配置され、前記電源が遮断されたとき、前記操作部の一部を覆い前記電子機器の通常操作を妨げる位置に自動的に移動するセキュリティバーと、
    を備えたことを特徴とする盗難防止機構。
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