JP4540612B2 - ケージ固定型直線案内装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種産業機器において可動体の直線移動を支承するための案内装置に係り、特に、軽荷重の可動体を案内する用途に最適であり、可動体に固定されるスライド部材が案内シャフトに沿って無限に移動可能な直線案内装置に関する。
従来、各種産業機械においてテーブル等の可動体の直線移動を支承する直線案内装置のうち、軽荷重用途向けの装置としては、ボールケージを用いた有限ストロークタイプのものが知られている。この有限ストロークタイプの直線案内装置は、両端支持梁としてベース部に固定される案内シャフトと、中空円筒状に形成されて前記案内シャフトの周囲に遊嵌するナット部材と、これら案内シャフトの外周面とナット部材の内周面との間で荷重を負荷しながら転走する複数のボールと、前記ナット部材と同様に中空円筒状に形成されると共に前記案内シャフトとナット部材との隙間に設けられるボールケージとから構成されている。
前記ボールケージには個々のボールを回転自在に保持するための収容孔が所定の配列で複数設けられており、各収容孔は該ボールケージの内周面と外周面との間を貫通している。これにより、各収容孔に保持されたボールがナット部材の内周面及び案内シャフトの外周面に対して接触し得るようになっている。各収容孔の案内シャフト側の開口はボールの直径よりも小さくなっており、案内シャフトをボールケージから引き抜いても、ボールがボールケージの収容孔から抜け落ちることがないようになっている。
前記ボールケージの軸方向長さはナット部材の軸方向長さよりも短く形成されており、案内シャフトに対してナット部材を移動させると、ボールの転走に伴ってボールケージがナット部材と案内シャフトの隙間を軸方向へ移動するように構成されている。また、ナット部材の中空部の両端開口にはストッパ部材が夫々設けられており、ボールの転走と共に移動したボールケージがナット部材から離脱するのを防止している。通常、ボールが案内シャフトの外周面及びナット部材の内周面を完全に転がっている状態では、案内シャフトに対するナット部材のストロークは案内シャフトに対するボールの転走距離の2倍である。従って、このようなボールケージを用いた直線案内装置では、ナット部材の中空部内におけるボールケージのストロークの2倍の距離が案内シャフトに対するナット部材のストローク距離ということになり、ボールケージがストッパ部材に突き当たると、案内シャフトに対するナット部材のストロークが制限されることになる。
一方、案内シャフトに対するナット部材のストローク量に制限がない無制限ストロークタイプの直線案内装置としては、ボールブッシュがある。このボールブッシュは円柱状に形成された案内シャフトと、多数のボールを介して前記案内シャフトに組み付けられると共に、前記ボールの無限循環路を備えたナット部材とから構成されており、ボールの無限循環に伴って前記ナット部材が案内シャフトの周囲をその長手方向に沿って自在に移動し得るように構成されている。前記無限循環路は荷重の負荷領域と無負荷領域とから構成されており、ボールは負荷領域においてナット部材と案内シャフトとの間に作用する荷重を負荷した後、無負荷領域において荷重から解放され、かかる無負荷領域を転走した後に再度負荷領域へ戻ってくるようになっている。これにより、ナット部材は案内シャフトに沿って無制限に移動することが可能となっている。
しかし、このような従来の直線案内装置のうち、ボールを無限循環させるタイプはボールの無限循環路を形成しなければならないことから、構造が複雑とならざるを得ず、構成部品点数が多い他、組立そのものも手間がかかり、生産コストが嵩むといった問題点がある。従って、軽荷重用途で、しかも案内シャフトに対するナット部材の移動精度がさほど重要視されないような用途に対しては、最適な選択と言うことができない。
これに対し、ボールケージを用いた有限ストロークタイプの直線案内装置は、無限ストロークタイプの直線案内装置と比較して安価であり、軽荷重用途で、しかも案内シャフトに対するナット部材の移動精度がさほど重要視されないような用途に対しては最適である。
しかし、有限ストロークタイプの直線案内装置に固有の問題点として、ボールケージの位置ずれがある。すなわち、案内シャフトに対するナット部材のストロークは有限であり、理論上、ナット部材は案内シャフト上の特定の2点間のみを往復運動することが可能である。しかし、ストロークの終端でボールケージがストッパ部材に突き当たることによって、ボールケージが案内シャフトに対して徐々に位置ずれを生じ、案内シャフト上におけるナット部材のストローク範囲が移動していってしまうのである。このため、本来のナット部材のストローク範囲の途中において該ナット部材が案内シャフトに対して移動不能に陥るといった問題点があった。
また、ボールケージを用いた直線案内装置では、ナット部材の中空部内におけるボールケージのストローク距離に応じ、案内シャフトに対するナット部材のストローク量が決定されてしまうので、必要とするナット部材のストローク距離に応じてナット部材の軸方向長さやボールケージの軸方向長さを決定する必要があり、多種のストローク量に対応しようとすると、いきおいサイズの異なる種々のナット部材及びボールケージを製作しなければならず、生産コストが嵩むといった問題点もあった。
一方、実開平6−35644号公報には、軌道レールとスライダとの間に摺動部材を介在させた直線案内装置が開示されている。この直線案内装置は、固定部上に敷設されると共に長手方向に沿って断面略半円状の摺動溝が形成された軌道レールと、サドル状に形成されて前記軌道レールに跨がると共に軌道レールの摺動溝に摺接する略円柱状の摺動部材を備えたスライダとから構成されている。この直線案内装置では、前記摺動部材が軌道レールの摺動溝に対して摺接することにより、前記スライダが軌道レールの長手方向に沿って自在に直線往復運動し得るようになっており、ボールの如き転動体を使用せずに可動体の直線案内を支承することから、構造的には極めて簡易であり、生産コストも安価であるといった利点がある。
しかし、円柱状の摺動部材が常に軌道レールの摺動溝に対して滑り接触していることから、ボールの転がり接触によって可動体の直線案内を実現する場合と比較して、かかる可動体の移動に対して作用する抵抗は大きく、軌道レールと摺動部材との間の潤滑が必須である。また、摺動部材の摺接によって軌道レールの摺動溝が摩耗し易く、軌道レールの早期交換が必要になるといった問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、直線案内のストロークに制限がなく、可動体を案内シャフトに沿って連続的に案内することが可能であると共に、構造が簡易であって且つ安価に生産することが可能な直線案内装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、従来の滑り軸受に比べて可動体の移動に対して作用する抵抗が小さく、しかも案内シャフトの摩耗を抑えて該案内シャフトの寿命の延命化を図ることが可能な直線案内装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の直線案内装置は、長手方向に沿ったボール転走面を有する案内シャフトと、この案内シャフトと隙間を介して対向すると共に、前記ボール転走面と対向する負荷転走面を有するスライド部材と、案内シャフトのボール転走面とスライド部材の負荷転走面との間で荷重を負荷しながら転走する多数のボールと、前記案内シャフトとスライド部材との隙間に位置すると共に、個々のボールを自転自在に収容するボール収容孔が貫通するようにして複数形成され、前記スライド部材に固定されて該スライド部材と伴に前記案内シャフトの軸方向へ移動するケージとから構成されている。
このような技術的手段において、前記案内シャフトとしては、両端支持梁として固定される略円柱状のシャフトの他、固定部上に固定ボルト等を用いて敷設される軌道レールも含まれる。また、案内シャフトの長手方向に沿って形成されるボール転走面としては、かかる案内シャフトの外周面をそのままボール転走面として利用しても良いし、ボール球面よりも僅かに大きな曲率で断面円弧状に形成されたボール転走溝を案内シャフトの表面に設けるようにしても良い。
一方、前記スライド部材としては、略円柱状に形成された案内シャフトの周囲に遊嵌する断面略円筒状のナット部材として形成しても良いし、前記軌道レールに跨がるサドル状のスライダとして形成しても良い。また、前記負荷転走面については、例えば、前記ナット部材の内周面をそのまま負荷転走面として利用しても良いし、ボール球面よりも僅かに大きな曲率で断面円弧状に形成された負荷転走溝をナット部材の内周面に対して設けるようにしても良い。
また、前記ケージとしては、案内シャフトとスライド部材との隙間に位置し、個々のボールに対応して複数のボール収容孔を備えると共に、各ボール収容孔の内部にボールを回転自在に収容するものであれば、その形状はスライド部材及び案内シャフトの形状に応じて適宜変更可能である。もっとも、このケージはスライド部材に固定することが必要とされるので、かかる固定を容易に行うといった観点からすれば、ケージの軸方向の一端にフランジ部を突設し、このフランジ部をスライド部材の軸方向端面に固定するのが好ましい。
本発明においては、前記ケージをスライド部材に固定することから、かかるケージのボール収容孔に収容されたボールは案内シャフトのボール転走面に対しては転がりながら接触しても、スライド部材の負荷転走面に対しては常に滑りながら接触することになる。ボールが全く転動せず、案内シャフトのボール転走面に対しても常に滑りながら接触することも想定されるが、その場合は、ボールが転動している場合よりも、スライド部材に移動に対して大きな抵抗が作用することになる。従って、確実にボールを転動させるといった観点からすれば、少なくともボールは案内シャフトのボール転走面に対して転がり接触するのが好ましく、そのためには、前記スライド部材の負荷転走面の表面を案内シャフトのボール転走面よりも低摩擦係数の材質で形成することが考えられる。
このような本発明によれば、ボールを配列したケージがスライド部材に固定されていることから、かかるスライド部材を案内シャフトに沿って移動させると、ケージはスライド部材に対して相対的に移動することなく、スライド部材と共に案内シャフトに沿って移動し、スライド部材は何らストロークを制限されることなく案内シャフトに沿って移動することが可能である。このとき、各ボールは案内シャフトのボール転走面上を転がっており、また、スライド部材の負荷転走面に対してはボール球面の極めて限られた領域で滑り接触していることから、完全な滑り接触構造を採用している従来の直線案内装置と比較してスライド部材に移動に対して作用する抵抗は小さく、その分だけスライド部材を案内シャフトに沿って円滑に移動させることが可能である。
また、スライド部材はボールの無限循環路を具備することなく、案内シャフトに沿って無制限に移動することが可能なので、無限循環路を備えた従来の無限ストロークタイプの直線案内装置と比較して、その構造は極めて簡便で、組立も容易であり、安価に生産することが可能である。
更に、ボールはケージのボール収容孔に一つずつ独立した状態で収容されていることから、ボール同士の接触によって該ボールの転動が妨げられることもなく、この点においてもスライド部材を案内シャフトに沿って円滑に移動させることが可能である。
また更に、軌道レールとスライド部材との間にパッド状の摺動部材を介在させている従来の直線案内装置では、かかる摺動部材と軌道レール、あるいは摺動部材とスライド部材との隙間量の調整が困難であるが、本発明ではケージのボール収容孔に収容するボールの直径を変更するのみで、案内シャフトとスライド部材との隙間量の調整を容易に行うことが可能である。
図1は本発明をボールスプラインに適用した実施例を示す斜視図である。
図2は実施例に係るボールスプラインの正面断面図である。
図3は図2のIII−III線断面図である。
図4は実施例に係るケージを示す斜視図である。
符号の説明
1…ボールスプライン、3…ボール、10…スプライン軸、11ボール転走溝、20…スプラインナット、21…負荷転走溝、40…ケージ、45…ボール収容孔
以下に、添付図面を参照しながら本発明のケージ固定型直線案内装置を詳細に説明する。
図1乃至図3は本発明をボールスプラインに適用した例を示すものである。このボールスプライン1は、長手方向に沿って2条のボール転走溝11,11が形成されたスプライン軸10と、このスプライン軸10が遊嵌する中空孔を有して略円筒形状に形成されたスプラインナット20と、前記スプライン軸10とスプラインナット20との間で荷重を負荷しながら転動する多数のボール3と、前記スプライン軸10とスプラインナット20との隙間に介在して前記複数のボール3を整列させるケージ40とから構成されており、前記スプラインナット20がケージ40と共にスプライン軸10の周囲を自在に直線往復運動するようになっている。すなわち、前記スプライン軸10が本発明の案内シャフトに、前記スプラインナット20が本発明のスライド部材に相当する。
前記スプライン軸10は断面略円形状に形成されており、前記2条のボール転走溝11,11は外周面上の相反する位置に夫々形成されている。各ボール転走溝はボール3の球面よりも僅かに大きな曲率で断面円弧状に形成されており、ボール3はこのボール転走溝11内を転動する。尚、各ボール転走溝はその断面が一つのボール転走面から形成されたサーキュラアーク状のものであっても良いし、二つのボール転走面が交わったゴシックアーチ状のものであっても良い。
一方、スプラインナット20に形成された中空孔21は前記スプライン軸10の断面形状と略合致しており、スプライン軸10は僅かな隙間を残して前記中空孔21に挿通されている。スプラインナット20の内周面にはスプライン軸10のボール転走溝11,11と対向する負荷転走溝21,21が形成されており、前記ボール3はこれらボール転走溝11,11と負荷転走溝21,21との間に配列され、スプライン軸10とスプラインナット20との間で荷重を負荷しながら転動するように構成されている。
図4は前記ケージ40を示す斜視図である。このケージ40は中空部41を有する略円筒状の胴部44を有し、かかる胴部44の外周面は前記スプラインナット20の内周面に嵌合する一方、中空部41には僅かな隙間を介して前記スプライン軸10が挿通されるようになっている。また、前記胴部44の軸方向の一端には円盤状のフランジ部42が突設されており、かかるフランジ部42は固定ねじ43によって前記スプラインナット20の軸方向の端面に固定されるようになっている(図1参照)。このケージは例えば耐熱性、機械的強度、自己潤滑性に優れた所謂エンジニアリングプラスチックから形成されており、射出成形等のモールド成形の手法によって製作されている。尚、スプラインナット20をテーブルなどの可動体に対して直接固定することが可能であれば、前記ケージ40はフランジ部42を具備する必要はなく、ケージ40をスプラインナット20の中空孔の内部に完全に収容するようにしても良い。
このケージ40の円筒状胴部44はボール3の直径よりも薄く形成されると共に、その軸方向長さはスフプラインナット20の軸方向長さと略同じであり、かかる胴部44には前記スプラインナット20の負荷転走溝21と対向する位置に複数のボール収容孔45が設けられている。これらのボール収容孔45は軸方向に沿って所定の間隔で配列されており、本実施例では2条の負荷転走溝21に対応して2列設けられている。各ボール収容孔45はケージ40の胴部44の外周面と内周面とを貫通するようにして設けられると共に、その内径はボール3の直径よりも僅かに大きく形成されており、各ボール収容孔45にはボール3が一つずつ収容されている。これにより、ケージ40の各ボール収容孔45に収容されたボール3は、前記スプライン軸10のボール転走溝11とスプラインナット20の負荷転走溝21の双方に同時に接触すると共に、ボール収容孔45内で自在に回転し得るようになっている。
また、各ボール収容孔45はスプライン軸10に面した開口の直径がボール3の直径よりも僅かに小さく形成されており、このケージ40をスプラインナット20に固定した状態でスプライン軸10を中空部41から引き抜いても、各ボール3がボール収容孔45から脱落しないようになっている。
そして、以上のように構成された本実施例のボールスプライン1では、前記スプライン軸10を図示外の固定部に対して両端支持梁として固定する一方、前記スプラインナット20に対してテーブル等の可動体(図示せず)を固定することで、固定部に対する可動体の直線往復運動をこのボールスプライン1で支承することが可能となる。あるいは、スプラインナット20を固定部に対して固定する一方、スプライン軸10をテーブル等の可動体に固定するようにしても良い。
このとき、可動体に固定されたスプラインナット20がスプライン軸10の周囲を該スプライン軸10の軸方向に対して移動すると、スプラインナット20に固定されたケージ40も該スプラインナット20と共に同じ量だけスプライン軸10に対して移動することになる。これにより、ケージ40のボール収容孔45に収容されたボール3はスプラインナット20に対しては移動せず、スプライン軸10に対してのみ移動することになる。
その結果、ボール3とスプラインナット20の負荷転走溝21との間に作用する摩擦力Fn、ボール3とスプライン軸10のボール転走溝11との間に作用する摩擦力Fsのバランスに応じ、各ボール3がボール収容孔45内でスプライン軸10に連れ回って転動し、あるいは転動することなく停止状態を維持することになる。以下、3つのケースを分けて説明する。
先ず、第1のケースは、Fs>Fnの場合である。この場合、ボール3とスプラインナット20との間に作用する摩擦力Fnよりもボール3とスプライン軸10との間に作用する摩擦力Fsの方が大きいので、スプラインナット20がスプライン軸10に沿って移動すると、ボール3はスプライン軸10に連れ回されてボール収容孔45内で転動することになる。このとき、ボール3はスプラインナット20の負荷転走溝に対しては滑りを生じている。このケースでは、ボール3はスプライン軸10のボール転走溝11に対しては完全に転がり接触をしているので、スプラインナット20の移動に対して専ら作用する抵抗はボール3とスプラインナット20の負荷転走溝21との摺接によるものである。しかし、ボール3は球面の頂点が負荷転走溝21に対して摺接しているのみなので、スプラインナット20とスプライン軸10の間に作用する荷重が軽いものである場合は、大した抵抗は作用せず、スプラインナット20をスプライン軸10に対して円滑に移動させることが可能である。また、ボール3はスプライン軸10のボール転走溝11に対しては転がりながら接触しているので、使用時間が経時的に累積しても、スプライン軸10のボール転走溝11が極端に摩耗することがなく、かかるスプライン軸10の寿命が早期に尽きることはない。
次に第2のケースは、Fs<Fnの場合である。この場合、ボール3とスプライン軸10との間に作用する摩擦力Fsよりもボール3とスプラインナット20との間に作用する摩擦力Fnの方が大きいので、スプラインナット20がスプライン軸10に沿って移動し、ボール3がスプライン軸10のボール転走溝11上を転動しようとしても、スプラインナット20がボール3の転動に対してブレーキをかけ、ボール3はボール収容孔45内で転動することなく、スプライン軸10のボール転走溝11上を滑ることになる。このとき、ボール3はスプラインナット20の負荷転走溝21に対しては静止状態にあり、ボール3は負荷転走溝21に対して滑ることさえない。この場合も、ボール3は球面の頂点がボール転走溝11に対して摺接しているのみなので、スプラインナット20とスプライン軸11の間に作用する荷重が軽いものである場合は、大した抵抗は作用せず、スプラインナット20をスプライン軸10に対して円滑に移動させることが可能である。但し、ボール3はスプライン軸10のボール転走溝11に対して摺接しているので、使用時間が経時的に累積するにつれ、スプライン軸10の摩耗は第1のケースよりも早く進行することになる。
最後に、第3のケースは、Fs≒Fnの場合である。この場合、ボール3の動きは第1のケース及び第2のケースが混在したものとなり、スプラインナット20がスプライン軸10に沿って運動した場合、各ボール3はケージ40のボール収容孔45内で転動又は静止のいずれかの状態となり、あるいは転動と静止を不規則に繰り返すことになる。また、ケージ40に配列された総てのボール3が同じ動きをするとは限らず、スプラインナット20に対する荷重の作用状態により、各ボール3毎に異なった動きをするものと考えられる。しかし、ボール3が転動しても、あるいは転動することなく静止していても、第1のケース及び第2のケースで説明したのと同様の理由により、スプラインナット20とスプライン軸11の間に作用する荷重が軽いものである場合は、大した抵抗は作用せず、スプラインナット20をスプライン軸10に対して円滑に移動させることが可能である。
ボール3の静止又は転動の状態を積極的に制御するという観点からすれば、スプラインナット20の負荷転走溝21又はスプライン軸10のボール転走溝11のいずれか一方の表面を、他方よりも低摩擦係数の材質で形成すれば良い。具体的には、炭素等の材料でボール転走溝11又は負荷転走溝21の表面をコーティングする所謂DLC処理が考えられる。これにより、前記第1のケース又は第2のケースのいずれかの状態を積極的に作り出すことができる。もっとも、スプライン軸10が長尺な場合に、ボール転走溝11の全長を低摩擦係数の材料でコーティングすると、生産コストが嵩むことから、スプラインナット20の負荷転走溝21の表面を低摩擦係数の材料で形成するのが好ましい。これにより、スプラインナット20を移動させた際、ボール3はスプライン軸10のボール転走溝11内を転動することになり(第1のケース)、スプライン軸11の摩耗も抑えることが可能となる。
また、スプラインナット20の負荷転走溝21の摩擦係数をスプライン軸10のボール転走溝11のそれに対して異ならせる他の方法としては、これら負荷転走溝の断面曲率とボール転走溝の断面曲率とを異ならせる方法が考えられる。
そして、この本実施例のボールスプライン1では、前述した3つのケースのいずれの場合であっても、従来の滑り軸受、すなわち摺接面積が大きい摺動部材を固定部材と可動部材との間に介在させるタイプの軸受に比べ、スプラインナット20の移動に対して作用する抵抗を小さくすることができ、その分だけスプラインナット20をスプライン軸10に沿って円滑に往復運動させることができるものである。
また、ボール3はケージ40のボール収容孔45に一つずつ独立した状態で収容されていることから、仮に一つのボール3が静止しているからといって、他のボール3が静止しているボール3の影響を受けることなく転動することが可能であり、この点においてもスプラインナット20をスプライン軸10に沿って円滑に移動させることが可能となっている。
何よりもこのボールスプライン1では、ボール3がスプラインナット20又はスプライン軸10のいずれかに対して滑り接触を生じていることから、簡易な構造でスプラインナット20をスプライン軸10の軸方向へストロークに制限を設けることなく移動させることができ、無限ストロークタイプの直線案内装置を安価に構成することができるのも魅力である。
尚、図1〜図4に示した例では本発明をボールスプラインに適用したが、適用対象はこれに限られず、例えば、固定部上に敷設される軌道レールとこれに沿って運動するサドル状のスライド部材とから構成されるリニアガイド装置や、ボールブッシュ等、ボールの無限循環路を具備している無限ストロークタイプの直線案内装置の殆どのものに対して適用することが可能である。

Claims (2)

  1. 長手方向に沿って形成されると共に断面がボール球面よりも大きな曲率で曲面状に形成されたボール転走溝を有する案内シャフトと、この案内シャフトと隙間を介して対向すると共に、前記ボール転走溝と対向すると共に曲面状に形成された負荷転走を有するスライド部材と、案内シャフトのボール転走とスライド部材の負荷転走との間を荷重を負荷しながら転走する多数のボールと、前記案内シャフトとスライド部材との隙間に位置すると共に前記スライド部材に固定されて該スライド部材と伴に前記案内シャフトの軸方向へ移動し、ボール直径よりも僅かに大きな内径を有して個々のボールを回転自在に収容する複数のボール収容孔が貫通形成されてこれらボールの前記スライド部材に対する位置を一定に保つケージと、から構成され、
    前記スライド部材の負荷転走溝の表面は、前記案内シャフトのボール転走溝よりも低摩擦係数の材質で形成されていることを特徴とするケージ固定型直線案内装置。
  2. 前記スライド部材は、案内シャフトが隙間を介して遊嵌する中空孔を備えると共に該中空孔の内周面に前記負荷転走溝が形成された略円筒状のナット部材であり、また、
    前記ケージは案内シャフトが挿嵌される中空孔を有して略円筒状に形成されると共に、その軸方向の一端には、前記ナット部材の軸方向端面に固定されるフランジ部が突設されていることを特徴とする請求項1記載のケージ固定型直線案内装置。
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