JP4540365B2 - プリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板に係り、より詳しくは、抵抗体が内蔵されたプリント配線板に関する。
従来から、抵抗素子を内蔵したプリント配線板が実用化されている。こうしたプリント配線板に内蔵される抵抗素子としては、抵抗素子を構成する抵抗体がスクリーン印刷により形成されたもの、エッチングにより形成されたもの及びメッキ法により形成されたものがある。
スクリーン印刷により形成される抵抗体を有する抵抗素子は、例えば以下のようにして形成される(特許文献1参照)。まず、絶縁体材料層及び導体材料層を積層した後、フォトエッチング法により絶縁体材料層上に所望の導体パターンを形成する。引き続き、絶縁体材料層に形成された所定の導体パターン間にアンダーコート層を形成する。そして、アンダーコート層及び該アンダーコート層に隣接する導体パターンの端部上にカーボンペーストをスクリーン印刷し、抵抗体を配設する。こうして、プリント配線板に内蔵される抵抗素子が形成される(以下、「従来例1」という)。
また、スクリーン印刷により形成される抵抗素子の形成方法として、銅箔上に例えばLaB6からなるインクを用いたスクリーン印刷により抵抗素子を配設した後、銅箔上において抵抗素子を覆うようにして絶縁層を形成し、当該銅箔をエッチングして所望の導体パターンを形成する方法も知られている(以下、「従来例2」という、非特許文献1参照)。
また、エッチングにより形成される抵抗体を有する抵抗素子は、例えば以下のようにして形成される(特許文献2参照)。まず、絶縁材料層、抵抗材料層及び導電材料層を積層した後、導電材料層上に、所望の抵抗体の形状に応じた第1フォトレジストを形成し、エッチングすることにより導体材料層の選択除去を行う。引き続き、第1フォトレジストを残存させたまま、エッチングすることにより、導体材料層における選択除去された領域の抵抗材料層を選択除去する。次に、第1フォトレジストを剥離した後に、所望の導体パターンの形状に応じた第1フォトレジストを形成し、エッチングすることにより導体材料層の選択除去を行う。こうして、プリント配線板に内蔵される抵抗素子が形成される(以下、「従来例3」という)。
また、メッキにより形成される抵抗体を有する抵抗素子は、例えば以下のようにして形成される(特許文献3参照)。まず、絶縁体材料層及び導体材料層を積層した後、フォトエッチング法により絶縁体材料層上に所望の導体パターンを形成する。引き続き、絶縁体材料層に形成された所定の導体パターン間に、メッキ法により抵抗体を形成する。この抵抗体の形成に際しては、所定の導体パターン間における絶縁層上及び当該所定の導体パターンの端部上にメッキを施す。こうして、プリント配線板に内蔵される抵抗素子が形成される(以下、「従来例4」という)。
特開平11−4056号公報 特開平4−147695号公報 米国特許第6281090号 デュポン社、"デュポン電子材料 プリント基板内蔵素子"、[online], 2002.2.15, [2003年4月16日検索]、インターネット<URL:http://www.dupont.co.jp/mcm/apri/print/ER.html>
上述した従来例1から従来例4の技術は、いずれも簡易にプリント配線板に内蔵される抵抗素子を形成することができるという観点からは、優れたものである。しかし、従来例1又は従来例2のように、スクリーン印刷の技術により形成された抵抗素子(以下、「印刷抵抗素子」ともいう。)は、印刷後に液状のペーストが流動したり、熱硬化の際の収縮によって、印刷抵抗素子の厚みや幅が変動したり、にじみによって形状が変化したりしやすく、その結果、抵抗値を精度良く制御することができない。
さらに、表面処理時にかかる熱や抵抗素子上部へのプリプレグを介して他層を積層する際にかかる熱や圧力によっても抵抗値が変化しやすく、ばらつきが大きくなる傾向がある。また、従来例1の技術では抵抗素子内に樹脂成分が残るため、プリント配線板に各種電子部品が実装され、実際に使用している最中の発熱によって温度ドリフトを生じやすく、安定した抵抗値を維持することが難しい。
また、従来例2の技術では、LaB6を高温で焼結して抵抗素子を形成するが、この時に体積収縮が生じる。このため、LaB6は、部分的には銅箔表面に密着できるが、充分には銅箔表面に追従していないため、例えば、抵抗素子を形成した後にかかる熱や、形成中に使用する酸やアルカリ等の薬液によって、LaB6と銅箔表面との接合部の強度が低下しやすい。したがって、従来例1又は従来例2の技術では、抵抗素子の抵抗値を所望の値に精度良く形成することができなかった。また、従来例1又は従来例2の技術では、安定な抵抗値を維持できなかった。
また、従来例3では、導体材料層のエッチングを2回、抵抗材料層のエッチングを1回の計3回のエッチングを行っている。この従来例3においては、抵抗体を絶縁層上に形成することから、導体材料層の第1回目のエッチング及び抵抗材料層のエッチングにより、最終的に形成される抵抗体の側面が侵食されることとなっていた。したがって、従来例3の技術では、内蔵抵抗素子の抵抗値を所望の値に精度良く形成することができるとはいえなかった。なお、従来例3では、側面侵食による抵抗値の精度低下よりも大きな精度低下の要因となる抵抗体の上面における侵食を防止するため、導体材料層の第2回目のエッチング時には、抵抗体を侵食しないエッチング液を使用している。
また、従来例4では、絶縁層上及び導体パターン上という段差のある領域にメッキを施すことが必要であった。このため、抵抗素子の抵抗値を精度良く制御することが困難であった。
さらに、従来例1〜4では、抵抗素子における抵抗体を絶縁体材料層の表面に沿った方向に延びる板状とするため、抵抗素子の実装効率を向上することにはおのずと限界があった。
本発明は、上記の事情のもとでなされたものであり、その第1の目的は、精度の良い抵抗値を有する抵抗素子を実装効率良く内蔵したプリント配線板を提供することにある。
絶縁層と;前記絶縁層の一方側の表面に形成された第1導体パターンと;前記絶縁層の他方側の表面に形成された第2導体パターンと;前記一方側の端が前記第1導体パターンの前記他方側の表面と電気的に接続するとともに、前記他方側の端が前記第2導体パターンの前記一方側の表面と電気的に接続する少なくとも1つの抵抗体を有する抵抗素子と;を備えるプリント配線板であって、前記抵抗体は、金属を主成分とするとともに、前記第1導体パターン形成用導体薄膜の前記他方側の表面上に、メッキ法、CVD法及びPVD法からなる群から選択されるいずれか1つの方法を用いて形成された柱状部材と、前記柱状部材上に形成された半田メッキ部とからなり;軟化状態にある前記絶縁層中に、前記抵抗体が形成された前記第1導体パターン形成用導体薄膜を押し込むことにより、前記絶縁層中に前記抵抗体を埋め込む、ことを特徴とするプリント配線板である。
このプリント配線板では、前記第1導体パターン形成用導体薄膜の前記他方側の表面上に、メッキ法、CVD法及びPVD法からなる群から選択されるいずれか1つの方法を用いて柱状部材を形成し、次いで、前記柱状部材の上に半田メッキ部を形成し、抵抗体を形成する。この抵抗体の形成と並行して、第2パターン形成用薄膜を備える前記絶縁層を軟化させ、この軟化状態にある前記絶縁層中に、前記抵抗体が形成された前記第1導体パターン形成用導体薄膜を押し込む。これによって、前記絶縁層中に前記抵抗体が埋め込まれ、前記抵抗体の前記一方側の端が前記第1導体パターンの前記他方側の表面と電気的に接続するとともに、前記他方側の端が前記第2導体パターンの前記一方側の表面と電気的に接続する。
このため、第1導体パターンや第2導体パターンの形成の際にフォトエッチング法等を用いたとしても、抵抗体がエッチングにより侵食されることはない。

また、絶縁層を貫く方向に沿って延びる柱状の抵抗体により抵抗素子を構成している。このため、平面的な実装密度を向上することができる。
したがって、本発明のプリント配線板によれば、精度の良い抵抗値を有する抵抗体を実装効率良く内蔵したプリント配線板を実現することができる。
本発明のプリント配線板では、前記抵抗素子が、その抵抗値に応じ、前記第1パターン及び前記第2パターンにより、直列及び並列の少なくとも一方の態様で電気的に接続された複数の前記抵抗体を有し、前記複数の抵抗体のそれぞれは、互いに同一形状を有する構成とすることができる。かかる場合には、様々な形状の抵抗体を抵抗値に応じて形成することなく、同一形状の抵抗体を複数形成し、第1パターン及び第2パターンにより、直列及び並列の少なくとも一方の態様で電気的に接続することにより、所望の抵抗値の抵抗素子とすることができる。
本発明の抵抗体は、ニッケル、コバルト、クロム、インジウム、ランタン、リチウム、錫、タンタル、白金、鉄、パラジウム、バナジウム、チタン及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を主成分とするものとすることができ、ニッケル、クロム及び鉄とすることが特に好ましい。これらの金属を用いると、多様な抵抗値を有する、高温でも抵抗値の変動の少ない抵抗素子を製造することができる。
また、本発明の抵抗体は、メッキ総重量の5〜15重量%のリンを含有するニッケル−リンメッキによって形成された抵抗体を含むものである。この範囲内のリンを含有することによって、前記抵抗体にピンホールが生じることもなく、熱や酸、アルカリ等の薬液に対する耐食性あり、かつ、高温の空気雰囲気下で使用された場合でも、抵抗値が変化するおそれの少ない抵抗素子を製造することができる。
以上詳細に説明したように、本発明のプリント配線板によれば、精度の良い抵抗値を有する抵抗素子を実装効率よく内蔵したプリント配線板を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るプリント配線板10が断面図にて示されている。このプリント配線板10は、抵抗素子を3つ内蔵したプリント配線板である。
図1に示されるように、このプリント配線板10は、(a)絶縁層11と、(b)絶縁層11の+Z方向側表面に形成された導体パターン21とを備えている。なお、絶縁層11の−Z方向側表面には、導体パターンが形成されていてもよいし、また、形成されていなくともよい。さらに、絶縁層11の−Z方向側には、絶縁層及び導体パターンが順次積層されていてもよい。
また、プリント配線板10は、(c)絶縁層11及び導体パターン21の+Z方向側表面上に形成された絶縁層12と、(d)絶縁層12の+Z方向側表面上に形成された絶縁層13と、(e)絶縁層13の−Z方向側表面上に形成された導体パターン22と、(f)絶縁層13の+Z方向側表面上に形成された導体パターン23と、(g)抵抗素子30j(j=1〜3)とを備えている。ここで、抵抗素子30jは、絶縁層13に埋め込まれ、−Z方向側端部が導体パターン22と電気的に接続されるとともに、+Z方向側端部が導体パターン23と電気的に接続された少なくとも1つの抵抗体31jk(k=1,…)を有している。そして、抵抗素子30jが複数の抵抗体31jk(k=1,…)を有している場合には、所定の抵抗体31の−Z方向側端部同士を電気的に導通させる導体パターン22の一部及び/又は+Z方向側端部同士を電気的に導通させる導体パターン23の一部と、複数の抵抗体31jkとから抵抗素子30jが構成されている。
図1においては、抵抗素子30jとして、3つの抵抗体31jk(k=1〜3)を有しており、導体パターン22の一部及び導体パターン23の一部により、抵抗体31j1、抵抗体31j2及び抵抗体31j3が直列に接続されて構成された例が示されている。この結果、抵抗体31jkそれぞれが、−Z方向側端と+Z方向側端との間でr[Ω]の抵抗値を有する場合には、抵抗素子30jの抵抗値Rjは、3r[Ω]となる。
なお、図2(A)に示される抵抗素子30j’のように、3つの抵抗体31jk(k=1〜3)を有し、導体パターン22の一部及び導体パターン23の一部により、抵抗体31j1、抵抗体31j2及び抵抗体31j3が並列に接続された場合には、抵抗素子30j’の抵抗値Rj’は、r/3[Ω]となる。また、図2(B)に示される抵抗素子30j”のように、3つの抵抗体31jk(k=1〜3)を有し、導体パターン22の一部及び導体パターン23の一部により、抵抗体31j1と抵抗体31j2とが並列に接続されたものが抵抗体31j3と直列に接続された場合には、抵抗素子30j”の抵抗値Rj”は、(3/2)r[Ω]となる。
上述した抵抗体及びその表面の被覆は、メッキ法、CVD法、PVD法等によって形成することができるが、緻密で強固な膜の形成が可能であるメッキ法を使用することが特に好ましい。メッキ法による場合には、電解メッキ、無電解メッキのいずれの方法を採用することもできる。メッキ浴は、上述した各種の金属またはこれらを含む合金を複数溶解した組成の浴を適宜調製して使用すればよい。
メッキ法の中でも、ニッケルメッキ浴を用いる方法(以下、「ニッケルメッキ」という)を最も好適に使用することができる。特に、ニッケルメッキ浴中に、金属とリンの合計重量に対して、5〜15重量%のリンを添加しておくことが好ましい。リンの含有率をこの範囲とするのは、リンの含有率が5重量%未満では、前記抵抗体にピンホールが生じやすくなり、また、ニッケル結晶間の結合強度が小さいために、熱や酸、アルカリ等の薬液に対する耐食性が低下する傾向があることによる。逆に15重量%を超えると、ニッケル内のリンが酸素によって酸化を受けやすくなり、高温の空気雰囲気下で使用された場合には、抵抗値が変化するおそれがあることによる。
以上、抵抗素子が3つの抵抗体31jk(k=1〜3)を有するときにおける、導体パターン22及び/又は導体パターン23の形成態様による抵抗素子の抵抗値の変化を3例示したが、抵抗体31jkの数と導体パターン22及び/又は導体パターン23の形成態様により、抵抗体31jkそれぞれの抵抗値が全て同一であっても、様々な抵抗値を有する抵抗素子を形成することができる。
絶縁層11,12,13の材料としては、耐熱性及び寸法安定性等に優れるため、エポキシ樹脂、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたもの、ポリイミド等を使用することができる。なお、絶縁層11,12,13は同一の材料を用いて形成してもよいし、互いに異なる材料を用いて形成してもよい。
導体パターン21,22,23の材料としては、銅、アルミニウム、ステンレススチール等の導体金属を使用することができる。
なお、図1において図示が省略されているが、絶縁層11,12,13それぞれには、適宜、層間の電気導通路であるバイアホールが形成されている。また、導体パターン23上には部品取り付け用又はマザーボード装着用のパッドが形成されおり、プリント配線板10上に部品を取り付けたり、プリント配線板10をマザーボードに装着したりすることができるようになっている。
図3には、プリント配線板10の製造に使用される抵抗体モジュール40の構成が概略的に示されている。図3(A)に示されるように、この抵抗体モジュール40は、(a)支持部材41と、(b)支持部材41の+Z方向側表面上に配設された導体フィルム42Uと、(c)支持部材41の−Z方向側表面上に配設された導体フィルム42Lと、(d)導体フィルム42Uの+Z方向側表面に形成された抵抗部材391,392,393とを備えている。ここで、支持部材41と導体フィルム42とは、後に剥離可能なように接着剤により接着されている。こうした接着剤としては、ベンゾトリアゾールや、ベンゾトリアゾール誘導体を含有するもの、例えば商品名:VERZONE(大和化成(株)SF−310)等を使用することができる。
また、導体フィルム42U,42Lとしては、銅フィルム、銀フィルム、アルミニウムフィルム等を使用することができる。こうした導体フィルムの厚さは、当該導体フィルムがエッチング工程において消失することを防止する観点から0.1μm以上であることが好ましく、また、当該導体フィルムをエッチングして得られる導体パターンの微細化の観点から20μm以下であることが好ましい。また、導体フィルムの厚さを1〜10μmとすると、エッチング工程において導体フィルムが消失することなく、微細な導体パターンを良好に形成することができる。
支持部材41は、(i)板状のコア部材44と、(ii)コア部材44の+Z方向側表面上に配設されたキャリア部材43Uと、(iii)コア部材44の−Z方向側表面上に配設されたキャリア部材43Lとを備えている。ここで、コア部材の材料としては、上記の絶縁層11,12,13と同様に、エポキシ樹脂、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたもの、ポリイミド等を使用することができる。また、キャリア部材43U及びキャリア部材43Lとしては銅薄板、アルミニウム薄板等を使用することができる。
抵抗部材39j(j=1〜3)それぞれは、少なくとも1つの柱状部材33jk(k=1,…)を備えている。この柱状部材33jkそれぞれは、図3(B)に示されるように、導体フィルム42Uの+Z方向側表面上に形成された柱状の抵抗体31jkと、該抵抗体32jkの+Z方向側端部に形成された、半田メッキ部32jkとから構成されている。ここで、抵抗体31jkの材料としては、ニッケル合金、ニクロム(ニッケルクロム合金)、等を使用することができる。また、抵抗体31jkのZ軸方向の長さは、上述した絶縁層13の厚みとほぼ同一とされている。本実施形態においては100μmとしている。また、抵抗体31jkの底面の径は任意であるが、高実装密度化を可能とするためには、5〜200μmとすることが好ましい。
次に、プリント配線板10の製造工程について説明する。
まず、抵抗体モジュール40を製造する。かかる抵抗体モジュール40の製造にあたっては、まず、支持部材41を用意する(図4(A)参照)。かかる支持部材41は、コア部材44の+Z方向側表面にキャリア部材43Uを圧着して貼り付けるとともに、コア部材44の−Z方向側表面にキャリア部材43Lを圧着して貼り付けることにより製造される。
次に、支持部材41のキャリア部材41Uの+Z方向側表面に接着剤を介して導体フィルム42Uを貼り付けるとともに、キャリア部材41Lの−Z方向側表面に接着剤を介して導体フィルム42Lを貼り付ける(図4(B)参照)。引き続き、導体フィルム42Uの+Z方向側表面にドライフィルムレジスト45Uをラミネートするとともに、導体フィルム42Lの−Z方向側表面にドライフィルムレジスト45Lをラミネートする(図4(C)参照)。ここで、ドライフィルムレジスト45U,45Lとしては、アクリル樹脂(例えば、商品名HW4100(日立化成(株))等を用いることができる。
次に、導体フィルム42Uの+Z方向側表面における柱状部材形成領域上のドライレジストを除去して凹部49jk(j=1〜3,k=1,…)を形成し、柱状部材形成領域における導体フィルム42Uの+Z方向側表面を露出させる(図5(A)参照)。かかる抵抗素子形成領域上のドライフィルムレジストの除去は、所定パワーのレーザビームを抵抗素子形成領域上のドライフィルムレジストに照射することにより行われる。引き続き、凹部49jk内における導体フィルム42Uの+Z方向側表面上に、メッキ法により抵抗体31jkを形成する(図5(B)参照)。
次いで、抵抗体31jkの+Z方向側端面上に、下記のとおりのメッキ法により半田メッキ部32jkを形成して、柱状部材33jkとする(図6(A)参照)。
次いで、所望の組成を有する浴を用いたメッキ法や、PVD、CVD等の手法を用いて、上記のように露出した導体フィルム331上に抵抗体311を形成する。メッキ法による場合には、浴の組成とメッキ条件(pH、温度、電解メッキの場合には電流密度と通電時間)を適宜調節することにより、所望のメッキの厚み、すなわち抵抗値を有する抵抗体311を形成することができる(図5(A)参照)。例えば、下記の組成の浴を用いる硫酸ニッケル浴(pH4〜5)を用いて、所定の条件、例えば、40〜60℃、電流密度約2〜6A/dm2で250分間の条件で、メッキを行うと、平均厚みが約100μmの抵抗体を形成することができる。
Figure 0004540365
引き続き、導体フィルム42Uの+Z方向側表面上からドライフィルムレジスト45Uを除去するとともに、導体フィルム42Lの−Z方向側表面からドライフィルムレジスト45Lを除去する(図6(B)参照)。こうして、抵抗体モジュール40が製造される。
また、支持部材362上にドライフィルムレジストをラミネートし、導体パターンを形成した後に、下記のようなメッキ法によって、異なる抵抗値を有する抵抗素子302を製造することができる。
こうしたドライフィルムレジストとしては、例えば、HW440(日立化成(株)製)等を挙げることができる。また、メッキ法としては、下記表2のメッキ浴を用いた無電解メッキ法を挙げることができる。
Figure 0004540365
なお、複数の凹部49iを形成し、抵抗値の異なる抵抗体を形成することもでき、また、金、銀、クロム、鉄、バナジウム等を物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)等の蒸着法によって導体フィルム331の+Z方向側表面上に蒸着させて抵抗体を形成することもできる。
以上のような抵抗体モジュール40の製造後又は抵抗体モジュール40の製造と並行して、図7(A)に示されるような、キャリア部材43Aの+Z方向側表面に接着剤により導体フィルム42Aを貼り付けた部材48を製造する。ここで、キャリア部材43Aの材料としては、上記のキャリア部材43U,43Lと同様の材料を用いることができる。また、導体フィルム42Aの材料としては、上記の導体フィルム42U,42Lと同様の材料を用いることができる。また、キャリア部材43Aと導体フィルム42Aとの接着に用いられる接着剤は、上記のキャリア部材43U,43Lと導体フィルム42U,42Lとの接着に用いられるものと同様のものが用いられる。
次に、部材48の導体フィルム42Aの+Z方向側表面上に、絶縁層13の形成のために絶縁材料を所定の厚さになるように塗布する。こうした絶縁材料は、塗布直後は温度が高く、軟化状態にある。この絶縁材料を必要に応じて加熱することより軟化状態を維持しつつ、絶縁材料の+Z方向側表面と、上述した抵抗体モジュール40の抵抗部材39jとが対向するようにして、抵抗体モジュール40を軟化状態の絶縁材料に圧着する。
この結果、抵抗部材39jの柱状部材33jkそれぞれの半田メッキ部32jkが導体フィルム42Aの+Z方向側表面に到達して、柱状部材33jkの抵抗体31jkと導体フィルム42Aとが電気的に接続される。かかる圧着により、半田メッキ部32jkは、導体フィルム42Aと一体化するので、前述した図1及び図2、並びに後述する図7(B)、図7(C)及び図8においては、半田メッキ部32jkによる接続部の図示を省略している。
引き続き、全体を冷却して、軟化状態の絶縁材料を硬化させることにより、絶縁層13を形成する。この結果、絶縁層13に抵抗体31jkが埋め込まれ、抵抗体31jkの+Z方向側端が導体フィルム42Uと電気的に接続するとともに、抵抗体31jkの−Z方向側端が導体フィルム42Aと電気的に接続した状態で、絶縁層13に対して抵抗体モジュール40が固定される(図7(B)参照)。
次いで、抵抗体モジュール40の導体フルム42Uよりも+Z方向側にある部分(すなわち、キャリア部材43U、コア部材44、キャリア部材43L及び導体フィルム42L)及び部材48のキャリア部材43Aを除去して部材55を製造する(図7(C)参照)。引き続き、周知のフォトリソグラフィ法により、部材55の導体フィルム42Uの+Z方向側表面上の上述した導体パターン23を形成すべき領域にレジスト47Uを形成するとともに、部材55の導体フィルム42Aの−Z方向側表面上の上述した導体パターン22を形成すべき領域にレジスト47Lを形成する(図8(A)参照)。
次に、周知のエッチング法により、導体フィルム42A及び導体フィルム42Uを選択除去し、導体パターン22及び導体パターン23を形成した後、レジスト19を除去して、抵抗素子30jを内蔵する部材50が得られる(図7(B)参照)。ここで、部材50の製造のためのエッチングにおいては、抵抗素子30jにおける抵抗体31jkは、−Z方向側に導体パターン22が存在するとともに、−Z方向側に導体パターン23が存在し、かつ、絶縁層13に埋め込まれているので、エッチングにより侵食されることはない。この結果、設計値に基づいて形成された抵抗体モジュール40の製造時に予定された抵抗値の抵抗素子30jが、部材50に実装されることになる。
以上の部材50の製造と並行して、絶縁層11の+Z方向側表面上に導体パターン21が形成された部材51を製造する(図8(C)参照)。かかる部材51の製造は、例えば、銅張積層板を出発材として周知のフォトエッチング法により導体パターン21を形成することにより行われる。そして、部材51の+Z方向側表面上に、絶縁層12を介して、部材50を積層することにより、プリント配線板10が製造される(図8(D)参照)。
なお、上記では説明を省略したが、プリント配線板10においては、層間配線のためのバイアホールが適宜形成される。
以上説明したように、本実施形態のプリント配線板10では、抵抗素子30jを構成し、抵抗値を決定する抵抗体31jkが絶縁層に埋め込まれ、−Z方向側端が絶縁層13の−Z方向側表面に形成された導体パターン22に電気的接続されるとともに、+Z方向側端が絶縁層13の+Z方向側表面に形成された導体パターン23に電気的接続されている。このため、導体パターン22や導体パターン23の形成の際にフォトエッチング法等を用いたとしても、抵抗体31jkがエッチングにより侵食されることはない。また、絶縁層13を貫く方向に沿って延びる柱状の抵抗体31jkを含んで抵抗素子30jを構成している。このため、平面的な実装密度を向上することができる。したがって、本発明のプリント配線板10によれば、精度の良い抵抗値を有する抵抗素子を実装効率良く内蔵したプリント配線板を実現することができる。
また、本実施形態のプリント配線板10では、抵抗素子30jが互いに同様に構成された抵抗体31jkを複数含む場合には、抵抗素子30jの抵抗値に応じ、導体パターン22及び導体パターン23により、抵抗体31jkを直列及び並列の少なくとも一方の態様で電気的に接続して抵抗素子30jを構成している。したがって、所望の抵抗値の抵抗素子30jを内蔵したプリント配線板を簡易に実現することができる。
また、本実施形態の抵抗体モジュール40は、支持部材41と、支持部材41の+Z方向側表面上に配設された導体フィルム42U、導体フィルム42Uの+Z方向側表面に形成された抵抗体31jkを含む抵抗部材39jとを備えている。このため、軟化状態にある絶縁層13に、当該絶縁層13に対して抵抗体31jkが対向するようにして圧着することにより、抵抗体31jkを含む柱状部材33jkを、絶縁層13を貫通させ、絶縁層13の抵抗体モジュール側とは反対側に形成された導体フィルム42Aと電気的に接続させる。そして、絶縁層13を硬化させた後、支持部材41を除去して、フォトエッチング法等により導体フィルム42A,42Uをエッチングして所望の導体パターン22,23を形成する固定を経ることにより、上述した本実施形態のプリント配線板10を容易に製造することができる。
また、本実施形態の抵抗体モジュール40では、抵抗体31jkの導体フィルム42U側とは反対側の端部に、導体部材と電気的に接続するための接続用導体部である半田メッキ部32jkが形成されている。したがって、抵抗体31jkと導体フィルム42Uとの電気的な接続を容易に行うことができる。
以上のようにして製造した抵抗体は、抵抗値の高低にかかわらず、小さなエリアに収めることができ、しかも基板に内蔵されるためにこれら抵抗上にLSI等の電子デバイスを実装することができる。
また、以上の製造した抵抗体は柱状であるため、抵抗値の調整を容易に行うことができる。すなわち、予め所望する抵抗値より高い抵抗値となるように抵抗体を直列に配線しておき、所望する抵抗値になるように抵抗の一部を並列に結ぶことも出来る。逆に、並列で予め結んでおき、回路を切断する事で抵抗を高くすることも出来ることはいうまでもない。
また、抵抗体モジュール40に代えて、図9に示されるような、支持部材41を銅薄板、アルミニウム薄板等で構成される支持部材41’に変更した抵抗体モジュール40’を用いることもできる。なお、図9における導体フィルム42は、上述した導体フィルム42U,42Lと同様に構成される
また、上記の実施形態では、抵抗体31jkの形状を全て同一とし、抵抗体31jkの抵抗値を全て同一としたが、抵抗体31jkそれぞれの底面の径を個別に設定することにより、抵抗体31jkそれぞれが固有の抵抗値を有するようにしてもよい。
また、抵抗体モジュール40の製造後に、抵抗体31jkそれぞれの抵抗値を測定し、許容精度範囲に入っているかを確認するようにしてもよい。様々なプロセス条件で抵抗体モジュール40を試作し、試作された抵抗体モジュール40の抵抗体31jkそれぞれの抵抗値を測定して、許容精度範囲に入るプロセス条件を予め求めておくようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、凹部49jkの形成に際し、レーザビームをドライフィルムレジスト49Uに照射することとしたが、半導体素子の製造において用いられる周知のフォトリソグラフィ法を用いることもできる。
また、上記の実施形態のプリント配線板10の製造工程における部材55と同等の部材55’(図11(C)参照)を、次のような製造工程により製造してもよい。すなわち、まず、図10(A)に示されるような、絶縁層66の+Z方向側表面に導体層67Uが形成されるとともに、−Z方向側表面に導体層61Lが形成された部材65を用意する。ここで、絶縁層66の材料としては上述した絶縁層13と同等のものが用いられ、導体層67Uの材料としては上述した導体フィルム42Uの材料と同等のものが用いられ、導体層67Lの材料としては上述した導体フィルム42Lの材料と同等のものが用いられている。
この部材65の用意と並行して、図10(B)に示されるような、抵抗材料層61の+Z方向側表面に低融点導体層62Uが形成されるとともに、−Z方向側表面に低融点導体層62Lが形成された部材60を用意する。ここで、抵抗材料層61は、上述した抵抗体31jkと同様の材料により形成されており、絶縁層66とほぼ同一のZ軸方向の厚みを有している。また、低融点導体層62U,62Lの材料は、抵抗材料層61の材料、絶縁層66の材料及び導体層67U,67Lの材料よりも低い融点を有し、導体層67U,67Lとほぼ同一のZ軸方向の厚みを有している。また、低融点導体層62U,62Lの材料としては、導体層67U,67Lと溶着性の高いものが使用されている。これは、後述する部材65の打ち抜き片における低融点導体層62U,62L部分と導体層67U,67Lとの電気的な導通確保を容易とするためである。なお、導体層67U,67Lの材料をCu金属とする場合には、低融点導体層62U,62Lの材料としてSn金属を使用することができる。
次に、部材65及び部材60を、不図示の基台の+Z方向側表面に載置し、開口部71を有するダイ70の+Z方向側表面上に、順次載置する。そして、部材65及び部材60を挟んだ開口部71の+Z方向の位置に打抜手段75を配置する(図10(C)参照)。ここで、ダイ70のZ軸方向の厚さは、部材60のZ軸方向の厚み(すなわち、部材65のZ軸方向の厚み)とほぼ同一となっている。
引き続き、打抜手段75を−Z方向へ移動させることにより、部材65及び部材60における打抜手段75の−Z方向位置の部分を打ち抜き、部材65の打ち抜き片を部材60に埋め込む(図11(A)参照)。こうした部材65の打ち抜き片の部材60への埋め込みは、部材60における所望のXY位置において行う。そして、部材65の打ち抜き片を部材60へ埋め込んだものを取り出して加熱し、打ち抜き片の低融点導体層62U,62L部分を導体層67U,67Lに溶着させる。この後、部材65の打ち抜き片を部材60へ埋め込んだものを冷却することにより、部材55と同等の部材55’が製造される(図11(B)参照)。
以後、部材55’を部材55の代わりに使用して、図8(A)〜図8(D)と同様の工程を経させることにより、上記の実施形態のプリント配線板10と同等のプリント配線板を製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)抵抗体モジュールの作製
コア部材の材料として、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたものを、また、キャリア部材として、銅薄板を使用した。導体フィルムとして、厚み5μmの銅フィルムを使用した。
まず、上記のコア部材の両面にキャリア部材を積層してプレス処理を行い、支持部材を作製した。ついで、この支持部材の両面に、上記の導体フィルムを、VERZONE(大和化成(株)、SF−310)を用いて、後に剥離できるように接着し、抵抗体モジュールを作製した。
次いで、上記(1)のように作製した支持部材の両面に、ドライフィルムレジスト(日立化成(株)製、HW4100)をラミネートし、レーザビームを照射して直径10μmの大きさでドライフィルムレジストをピッチ50μmの間隔で、20×20本分除去し、凹部を形成した。
ついで、上記表1に示す組成の硫酸ニッケル浴を用いて、pH4〜5、40〜60℃、2〜6A/dm2の条件で250分間メッキを行い、以上のようにして形成した凹部に平均厚み100μmの抵抗体を形成した。
この後に、支持部材の両面にレーザビームを照射してドライフィルムレジストを除去し、抵抗体モジュールを形成した。なお、ここで製造した抵抗体のリン含量は11重量%であった。
(2)抵抗体モジュールの埋め込みと導電接続
キャリア部材として上記の銅薄板の一方の面に、VERZONE(大和化成(株)製、SF−310)を用いて、厚み5μmの上記の銅フィルムを接着した。
接着した銅フィルムの表面に、エポキシ樹脂を塗布し、上記のようにして作製した抵抗体モジュールをこの軟化状態にある樹脂と圧着させた。
ついで、全体を冷却してエポキシ樹脂を硬化させるとともに、上記のようにして作製した抵抗体モジュールを固定した。
(3)抵抗素子を内蔵する部材の製造
抵抗体が埋め込まれたエポキシ樹脂の絶縁層及びその両側に接着している銅フィルム以外のキャリア部材、コア部材、導体フィルムを除去して、部材55を製造した。部材55の銅フィルムそれぞれの面上で導体パターンを形成する領域に、フォトリソグラフィ法によってレジストを形成させた。
エッチングによって導体パターンを形成させ、レジストを除去して抵抗素子を内蔵する部材50を製造した。
上記の部材50の製造と並行して、銅張積層板にフォトエッチングを行い、部材51を製造した。部材51上に形成した導体パターンの上に上記のエポキシ樹脂を用いて絶縁層を形成し、この絶縁層と上記の部材50とを積層し、抵抗素子を実装したプリント配線板を製造した。このプリント配線板に実装した抵抗素子は、底面の直径が10μm、配列ピッチ50μmで20行×20列の合計400本、抵抗体1本の抵抗値が1.35Ω(設計値)の抵抗体を、直列に接続したもので、抵抗値は540Ω(設計値)である。
(実施例2)
抵抗体の底面の径を50μmとし、配列ピッチ100μmで、10行×10列の100本とした以外は上記実施例1と同様にして、1本0.54Ω(設計値)のものを直列に接続し、抵抗値5.4Ω(設計値)の抵抗素子を実装した。
以上のようにして、1×1mm2という小さな面積に、抵抗値(設計値)が540Ω又は5.4Ωという抵抗素子を実装したプリント配線板を製造することができた。また、これらの抵抗素子の抵抗値の温度変化率は、それぞれ 45ppm/℃、54ppm/℃と非常に小さく、安定性に優れたものであった。また、定格電力は、それぞれ1/8W、1/2W相当であり、一般のチップ部品に匹敵するものであった。
さらに、それぞれ200個の抵抗素子の抵抗値のばらつきを調べた所、±3σ/[平均抵抗値](ここで、σは標準偏差を表す)で、それぞれ±8.9%、±6.7%となり、抵抗値のばらつきが非常に小さい抵抗素子が形成されていることが明らかになった。
(比較例1)
カーボン樹脂を用いて、スクリーン印刷により、抵抗値が2,300Ω(設計値)が抵抗素子を形成した。
(抵抗値の変化)
上記の実施例1、2及び比較例で製造した抵抗素子について、以下の条件にてオイルディップ試験を行い、常温抵抗値の変化を測定した。室温で5分間放置した後、260℃のオイルに5分間浸漬し、室温に5分間放置するのを1サイクルとして、900サイクル行った。結果を表3に示す。
Figure 0004540365
表3に示すように、高抵抗値のものでは設計値540Ωに対して548Ω、低抵抗値のものでは設計値5.4Ωに対して5.43Ωと、非常に精度のよい抵抗素子を製造できることが実証された。
また、表3に示したように、比較例1の抵抗素子の抵抗値は900サイクルのオイルディップ試験を行った後には50%近く低下した。一方、本発明の抵抗素子は、900サイクルのオイルディップ試験を行った後においても抵抗値の変化が−0.7〜−1.3%と非常に小さく、信頼性の高いものであることが示された。
(実施例3)
めっき浴の組成及びめっき条件を変更した以外は実施例1及び2と同様にして、以下の表4に示す金属で作製した抵抗素子を備えるプリント配線板を製造し、抵抗値を測定した。
Figure 0004540365
表4に示した各金属製の抵抗素子を備えるプリント配線板について、実施例1、2及び比較例1で製造した抵抗素子を備えるプリント配線板と同様のオイルディップ試験を行った。この結果、いずれの金属で製造した抵抗素子を備えるプリント配線板においても、抵抗値の変化率は、抵抗値の高低にかかわらず、3%未満と小さな値であった。
(実施例4)
抵抗体形成時のめっき浴中のリンの含有量を変えた他は実施例1及び2と同様にして、抵抗素子を製造した。この抵抗素子を高温雰囲気(150℃、500時間)に曝し、その後の抵抗値の変化を測定した。結果を表5及び図12に示す。
Figure 0004540365
表5及び図12に示すように、リン含量が3%では高温雰囲気に500時間暴露すると、抵抗値の変化率が高抵抗、抵抵抗いずれの抵抗体であっても5%越え、安定性に問題あることが示された。リン含量が17%になると、抵抵抗の場合には変化率は5%未満であったが、高抵抗の場合には5%を越えたため、やはり安定性に問題があると考えられた。
一方、リン含量が5〜15%のときに、高温雰囲気に500時間暴露した後であっても抵抗値の変化が5%以下と低く、安定性が高いことが示された。このことから、リン含量は、5〜15%が最適であることが示された。
本発明のプリント配線板は、実装効率よく抵抗素子を内蔵したプリント配線板に適用することができる。
本発明に係るプリント配線板の一実施形態の概略的な構成を示す断面図である。 図1における抵抗体の抵抗値を変化された構成例を説明するための図である。 図1におけるプリント配線板の製造に使用する抵抗体モジュールの一実施形態の概略的な構成を示す図である。 図3の抵抗体モジュールの製造工程を説明するための図(その1)である。 図3の抵抗体モジュールの製造工程を説明するための図(その2)である。 図3の抵抗体モジュールの製造工程を説明するための図(その3)である。 図1のプリント配線板の製造工程を説明するための図(その1)である。 図1のプリント配線板の製造工程を説明するための図(その2)である。 抵抗体モジュールの変形例を説明するための図である。 プリント配線板の製造工程の変形例を説明するための図(その1)である。 プリント配線板の製造工程の変形例を説明するための図(その2)である。 リン含有量と高温雰囲気に暴露した後の抵抗値の変化を示すグラフである。
符号の説明
10…プリント配線板、11,12,13…絶縁層、21,22,23…導体パターン、301,302,303…抵抗素子、311,312,313…抵抗体、321,322,323…半田メッキ部(接続用導体部)、40,40’…抵抗体モジュール、41,41’…支持部材、42,42U,42L,42A…導体フィルム。

Claims (4)

  1. 絶縁層と;
    前記絶縁層の一方側の表面に形成された第1導体パターンと;
    前記絶縁層の他方側の表面に形成された第2導体パターンと;
    前記一方側の端が前記第1導体パターンの前記他方側の表面と電気的に接続するとともに、前記他方側の端が前記第2導体パターンの前記一方側の表面と電気的に接続する少なくとも1つの抵抗体を有する抵抗素子と;を備えるプリント配線板であって、
    前記抵抗体は、金属を主成分とするとともに、前記第1導体パターン形成用導体薄膜の前記他方側の表面上に、メッキ法、CVD法及びPVD法からなる群から選択されるいずれか1つの方法を用いて形成された柱状部材と、前記柱状部材上に形成された半田メッキ部とからなり;
    軟化状態にある前記絶縁層中に前記抵抗体が形成された前記第1導体パターン形成用導体薄膜を押し込むことにより、前記絶縁層中に前記抵抗体を埋め込む、ことを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記抵抗素子は、その抵抗値に応じ、前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンにより、直列及び並列の少なくとも一方の態様で電気的に接続された複数の前記抵抗体を有し、
    前記複数の抵抗体のそれぞれは、互いに同一形状を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記抵抗体は、ニッケル、コバルト、クロム、インジウム、リチウム、チタン、スズ、タンタル、白金、鉄、パラジウム、バナジウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を主成分とする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板。
  4. 前記抵抗体は、メッキ総重量の5〜15重量%のリンを含有するニッケル−リンメッキによって形成されるものである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント配線板。
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