JP2005072064A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的薄肉の金属コア基板および高密度な配線層などを含む配線基板、およびこれを精度と効率良く得るための配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】表面3および裏面4を有する金属コア基板2と、かかる金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方にそれぞれ形成した絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、上記金属コア基板2の表面3と裏面4との間を貫通する第1貫通孔2aと、かかる第1貫通孔2aを接触しつつ貫通し且つ金属コア基板2、上記表面3上方の配線層14、および裏面4上方の配線層13の間を接続し且つ大径部6を有する第1ビア導体5と、を含む、配線基板1。
【選択図】 図1
【解決手段】表面3および裏面4を有する金属コア基板2と、かかる金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方にそれぞれ形成した絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、上記金属コア基板2の表面3と裏面4との間を貫通する第1貫通孔2aと、かかる第1貫通孔2aを接触しつつ貫通し且つ金属コア基板2、上記表面3上方の配線層14、および裏面4上方の配線層13の間を接続し且つ大径部6を有する第1ビア導体5と、を含む、配線基板1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属コア基板を内設する多層構造の配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から配線基板の強度を高めるため、厚みが約100μm〜数100μmの金属コア基板を用い、かかる金属コア基板の表面上方および裏面上方に複数の絶縁層とこれらの間に位置する配線層とをそれぞれ対称に積層した多層構造の配線基板が使用されている。かかる配線基板は、上記厚みで且つ多数個取り用の金属板にスルーホール導体用の貫通孔を穿孔した後、かかる金属板の表面上方および裏面上方に、絶縁層と配線層とを交互に積層するビルドアップ工程を行うことにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−101245号公報 (第4〜7頁、図5)
【0004】
ところで、金属コア基板は、薄肉であるほど配線基板全体の厚みを薄くできるが、上述した金属板およびこれを分割した金属コア基板を剛性のある芯材として用いると、その厚みを100μm未満の薄肉とするには自ずと限界があった。
このため、金属コア基板の表面上方および裏面上方の配線層同士間を導通するスルーホール導体を形成するべく、大きな内径のスルーホールの穿孔、銅メッキによるスルーホール導体の形成、穴埋め樹脂の充填、および蓋メッキの形成などの煩雑な工程を要すると共に、上記導体や配線層の精密な配置(ファインピッチ)が困難であった。しかも、複数の金属コア基板を有する金属板を薄肉化すると、製造工程内や製造工程間のハンドリングにも支障を来す、という問題もあった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、比較的薄肉の金属コア基板および高密度な配線層などを含む配線基板、およびこれを精度と効率良く得るための配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、金属コア基板を絶縁層や配線層と同様に積層すべき1単位と着想し且つかかる金属コア基板をビア導体と接続して配線の一部とする、ことにより成されたものである。
即ち、本発明の第1の配線基板(請求項1)は、表面および裏面を有する金属コア基板と、かかる金属コア基板の表面上方および裏面上方にそれぞれ形成した複数の絶縁層およびその間に位置する配線層と、上記金属コア基板の表面と裏面との間を貫通する第1貫通孔と、かかる第1貫通孔を貫通し且つ上記金属コア基板、上記表面上方の配線層、および裏面上方の配線層の間を接続する第1ビア導体と、を含む、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、第1ビア導体は、第1貫通孔を介して金属コア基板と導通し、且つその表面上方の配線層と裏面上方の配線層との3者を接続するため、金属コア基板が極く薄肉であっても、これらの間の電気的導通を確実に得ることができる。しかも、金属コア基板とその表面上方の配線層と裏面上方の配線層とを含め、全体を薄くして高密度にした多層基板とすることも可能となる。
尚、金属コア基板は、上記厚みの銅箔、ステンレス鋼(例えばSUS304)箔や、Fe−42wt%Ni(所謂42アロイ)またはFe−36wt%Ni(インバ−)などの箔を含む薄板が用いられる。また、前記ビア導体は、円錐形状の導体であるコンフォーマルビア導体の他、フィルドビア導体も含まれ、後者の場合は、金属コア基板の貫通孔内を貫通するフィルドビア導体の真上や真下に別のフィルドビア導体を接続しても良い。
【0008】
付言すれば、上記配線基板は、前記金属コア基板の厚みが50μm以下である、とすることも可能である。望ましい厚みは、35μmまたはこれ以下である。
また、本発明には、前記第1ビア導体は、前記金属コア基板の表面上方または裏面上方に前記貫通孔の内径よりも大径の大径部を含んでいる、配線基板(請求項2)も含まれる。これによれば、第1ビア導体は、金属コア基板の第1貫通孔の内壁と共に、これに隣接する表面または裏面でも、当該金属コア基板と接触する。従って、かかる第1ビア導体を介して金属コア基板とその表面上方の配線層と裏面上方の配線層との3者間の導通を確実に取ることが可能となる。
【0009】
更に、本発明には、前記金属コア基板の表面と裏面との間を貫通し且つ前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔内を絶縁材を介して貫通し且つ前記表面上方の配線層と前記裏面上方の配線層との間を接続する第2ビア導体を更に有する、配線基板(請求項3)も含まれる。これによれば、金属コア基板が極く薄肉であっても、第1ビア導体および第2ビア導体によって、金属コア基板とその表面上方の配線層と裏面上方の配線層との間の電気的導通を確実に得ることができ、全体を薄くして高密度にした多層基板とすることが一層容易となる。
【0010】
付言すれば、本発明の配線基板は、前記金属コア基板の各側面は、前記表面上方の絶縁層または裏面上方の絶縁層と一体の側面絶縁材に被覆されている、とすることもできる。これによる場合、金属コア基板の4つの側面は、上記絶縁層の何れかと一体で且つ当該金属コア基板の各側面とほぼ平行な側面絶縁材によって被覆される。このため、従来のような金属コア基板の側面からタイバーが突出しないので、これによる外部や基板内部との不用意な導通を防止できると共に、配線基板の周辺部においても緻密な配線層を配置することが可能となる。
【0011】
一方、本発明の配線基板の製造方法(請求項4)は、支持基板の平坦面の上に複数の絶縁層およびその間に位置する配線層を形成する工程と、前記のうち最外層の絶縁層の上に金属コア基板を積層する工程と、かかる金属コア基板を貫通する第1貫通孔を穿孔する工程と、上記金属コア基板の上面に新たな絶縁層を形成する工程と、上記複数の絶縁層の何れか、上記第1貫通孔、および上記新たな絶縁層に、上記配線層に達する第1ビアホールを穿設する工程と、かかる第1ビアホール内に第1ビア導体を形成し且つ上記新たな絶縁層の上にかかる第1ビア導体と接続する新たな配線層を形成する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、金属コア基板は、剛性を有する支持基板の平坦面(平坦な表面)上に予め形成された絶縁層の上方に積層されるため、前述した薄肉の銅箔などとすることができる。また、薄肉の金属コア基板を貫通する第1貫通孔も精度良く容易に形成できると共に、かかる第1貫通孔を含む第1ビアホールに第1ビア導体を確実に形成できる。しかも、剛性を有する支持基板の平坦面の上方に絶縁層や配線層などを順次積層するため、ハンドリング性も向上する。
【0012】
尚、上記「最外層の絶縁層」とは、支持基板から相対的に離れている絶縁層を指す。また、支持基板には、剛性を有する厚みが約1mmの銅板、銅合金板、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板、あるいはチタン合金板などが用いられ、且つ平坦な表面である平坦面を有するものである。かかる平坦面は、製品単位である前記金属コア基板を平面方向に沿って複数個載置できる多数個取り用の広さを有しても良く、かかる平坦面を有する大きな支持基板(パネル)としても良い。更に、支持基板の平坦面上に、積層する順序は、前記配線基板の第1主面側のソルダーレジスト層(絶縁層)、配線層、絶縁層、および金属コア基板などの順の他、前記配線基板の第2主面側のソルダーレジスト層(絶縁層)、配線層、絶縁層、および金属コア基板などの順としても良い。即ち、前記「新たな絶縁層」や後述する「新たな配線層」および「別の絶縁層」は、製造工程における支持基板の平坦面上に積層する順序における相対的な呼称である。
【0013】
更に、本発明には、前記第1ビアホールを穿設する工程は、前記第1貫通孔の内径よりもレーザ径の大きなレーザを照射して行われる、配線基板の製造方法(請求項5)も含まれる。尚、上記レーザには、炭酸ガスレーザが推奨される。
これによれば、第1ビアホールを穿設するために照射するレーザの径を第1貫通孔の内径よりも大きくている。この結果、金属コア基板の上面側に当該レーザ径に応じた大径のビアホール部分が形成されると共に、金属コア基板の下面側には、第1貫通孔を通過したレーザのみが照射されるため、かかる第1貫通孔の内径に応じた小径のビアホール部分が形成される。このため、これら大小2つのビアホール部分からなる第1ビアホールに追って形成される第1ビア導体は、金属コア基板に対し第1貫通孔の内壁およびその上面の両方で確実に接続できる。
【0014】
更に、本発明には、前記新たな絶縁層、前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔内に位置する絶縁材、およびかかる第2貫通孔の直下に位置する前記複数の絶縁層の何れかに、前記配線層に達する第2ビアホールを穿設する工程と、上記第2ビアホール内に第2ビア導体を形成し且つ上記新たな絶縁層の上に第2ビア導体と接続する前記新たな配線層を形成する工程と、を更に有する、配線基板の製造方法(請求項6)も含まれる。これによる場合、前記第1ビア導体のほかに、金属コア基板と接続せず表面および裏面の上方の配線層同士の間を直に接続する第2ビア導体を有する配線基板を確実に製造することが可能となる。
【0015】
更に付言すれば、本発明の配線基板の製造方法は、前記金属コア基板には、製品単位(金属コア基板)を複数有する多数個取りの金属薄板が用いられ、前記第1貫通孔および第2貫通孔を先行する工程と同時に、上記金属薄板を穿孔することにより、かかる金属薄板を複数の金属コア基板に分離する平面視が矩形の区画溝が形成する工程を有する、とすることもできる。
これによる場合、金属薄板は、上記区画孔(溝)に囲まれた製品単位である複数の金属コア基板に分割されると共に、前記支持基板を除去した後で、区画孔の幅方向の中間に沿ってダイシング加工などにより切断することにより、金属コア基板の側面が側面絶縁材で覆われている前記配線基板を確実に得ることが可能となる。尚、上記金属薄板には、銅や銅合金などからなる金属箔が含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明の1形態である配線基板1の模式的断面を示す。
配線基板1は、図1に示すように、表面3および裏面4を有する金属コア基板2と、この金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方(図示で下方)にそれぞれ形成した複数の絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、上記金属コア基板2の表面3と裏面4との間を貫通する第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bと、を備えている。
【0017】
金属コア基板2は、平面視が正方形(矩形)で厚みが35μmの銅箔または銅合金(例えばCu−2.3wt%Fe−0.03wt%P:所謂194アロイ)の箔からなる。金属コア基板2には、表面3と裏面4との間を貫通する内径約100μmの第1貫通孔2aと、異なる位置で貫通する内径約250μmの第2貫通孔2bとが所定の位置に複数貫通している。
第1貫通孔2aには、その内壁と接触しつつ貫通し且つ金属コア基板2の裏面4上方の配線層13と表面3上方の配線層14との間を接続する第1ビア導体(コンフォーマルビア導体)5が位置する。かかる第1ビア導体5は、第1貫通孔2aに隣接する金属コア基板2の裏面4にも接触する大径部6を一体に有し、図示で内側の凹んだ部分には、絶縁層15と一体の絶縁材7が充填されている。
【0018】
また、図1の左右に示すように、第2貫通孔2bには、絶縁材12を介して、金属コア基板2の裏面4上方の配線層13と表面3上方の配線層14との間を接続する第2ビア導体(コンフォーマルビア導体)10が貫通している。かかる第2ビア導体10の内側の凹んだ部分には、絶縁層15と一体の絶縁材11が充填されている。尚、第2貫通孔2b内に充填された絶縁材12は、絶縁層8,9の何れかの一方と一体である。
図1に示すように、金属コア基板2の各側面は、当該側面と平行で且つ一定の厚み(約35μm:金属コア基板2の厚み分)の側面絶縁材2cに被覆され、かかる側面絶縁材2cは、絶縁層8,9の何れかの一方と一体である。
【0019】
図1に示すように、金属コア基板2の表面3上方には、厚みが約40μmでエポキシ系樹脂からなる絶縁層8,16および厚みが約20μmで同様の樹脂からなるソルダーレジスト層(絶縁層)22と、これらの間に位置し所定のパターンを有する厚みが約15μmの配線層14,20が積層されている。この配線層14,20間は、ビア導体(コンフォーマルビア導体)18により接続される。
尚、絶縁層8などは、例えばシリカフィラなどの無機フィラを含み、上記配線層14などは、銅メッキ膜や銅箔からなる。また、絶縁層8,16および配線層14,20は、一方のビルドアップ層を形成している。
【0020】
一方、図1に示すように、金属コア基板2の裏面4の上方(図示で下方)には、厚み約40μmでエポキシ系樹脂からなる上記同様の絶縁層9,15および厚み約20μmで同様の樹脂からなるソルダーレジスト層(絶縁層)23と、これらの間に位置し所定のパターンを有する厚み約15μmの配線層13,21が積層される。上記配線層13,21間は、ビア導体(コンフォーマルビア)19により接続されている。尚、絶縁層9,15および配線層13,21は、他方のビルドアップ層を形成している。
【0021】
更に、図1に示すように、配線層20における所定の表面には、ソルダーレジスト層22を貫通する複数の開口部26が形成され、それらの底面にランド28が個別に露出する。かかるランド28の表面上に、半球形状のハンダバンプ30が第1主面24よりも高く突出して形成される。かかるハンダバンプ30は、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系、Pb−Sn系など(本実施形態ではSn−Ag系)の低融点合金からなり、第1主面24上に実装されるICチップ(電子部品)31の接続端子と個別に接続される。
尚、ハンダバンプ30とICチップ31の接続端子とは、図示しないアンダーフィル材に覆われ且つ保護される。
【0022】
一方、図1に示すように、配線層21から延びた配線29は、最下層のソルダーレジスト層(絶縁層)23に設けた開口部27の底面に位置し且つ第2主面25側に露出している。かかる配線29は、その表面にNiメッキおよびAuメッキが薄く被覆され、当該配線基板1自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子として活用される。尚、配線29の表面には、ハンダボールや銅系合金あるいは鉄系合金の導体ピンなどを接合しても良い。
【0023】
以上のような配線基板1によれば、金属コア基板2が薄肉であるため、かかる金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方に配線層14,13などを高密度にそれぞれ形成できる。また、第1ビア導体5を介して、配線層14,13および金属コア基板2の間が互いに接続されるため、配線構造を緻密化および高性能化することができる。更に、第2ビア導体10を介して、配線層14,13間を直に接続できる。加えて、金属コア基板2の各側面が側面絶縁材2cで被覆され且つ従来のようなタイバーが突出しないため、外部や基板内部との不要な導通を防止でき、配線基板1の周辺部にも緻密な配線層を配置することが可能となる。尚、配線基板1の金属コア基板2は、信号電極として活用するほか、電源電極あるいは接地電極としても活用することができる。
【0024】
ここで、前記配線基板1の製造方法を図2〜図4に基づいて説明する。尚、図2,図4は、前記図1における配線基板1の左側部分に基づいて図示する。
図2(A)に示すように、予め厚みが約1mmの銅板からなり且つ剛性を有するる支持基板32を用意し、その平坦な表面である平坦面33の表面上方に、厚みが約20μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着することで、絶縁層(ソルダーレジスト層)22を形成する。尚、この製造方法では、前記配線基板1の第1主面24側の部分から順次積層を行う。また、支持基板32は、複数の配線基板1を製造可能な多数個取り用の金属パネルである。
【0025】
次に、絶縁層22の表面上方に図示しない厚さ約15μmの銅箔を貼り付け、その上に形成した図示しないドライフィルムを露光・現像して所定パターンのエッチングレジストを形成し、上記銅箔をエッチングした後、かかるエッチングレジストを剥離する(公知のサブトラクティブ法)。その結果、図2(A)に示すように、絶縁層22の表面上方に上記パターンに倣った配線層20が形成される。
次いで、絶縁層22および配線層20の表面上方に厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層16を形成する。かかる絶縁層16の所定の位置にレーザ(例えば炭酸ガスレーザ)を照射して配線層20の表面が露出するビアホールを形成し、かかるビアホール内を含む絶縁層16の表面上方に粗面化処理、無電解銅メッキ、および電解銅メッキを全面に施す。得られた銅メッキ膜の上面に形成したドライフィルム(図示せず)を露光・現像して所定パターンのエッチングレジストを形成し、上記銅メッキ膜をエッチングした後、上記エッチングレジストを剥離する。
【0026】
その結果、図2(A)に示すように、絶縁層16の表面上方に上記パターンに倣った配線層14が形成され、且つ上記ビアホール内には、配線層20,14間を接続するビア導体18が形成される。
更に、図2(B)に示すように、支持基板30から離れた最外層の絶縁層16および配線層14の表面上方に厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層8を形成する。尚、上記絶縁層22,16,8は、本発明の製造方法(前記請求項4)における「複数の絶縁層」に相当する。
次いで、図2(C)に示すように、かかる絶縁層8の表面上方に厚みが約35μmの金属コア基板2(金属薄板2e)を積層して圧着する。
この段階では、図3(A)の一部で示すように、前記支持基板30の上方は、製品単位である複数の金属コア基板2を含む金属薄板2eに覆われている。
【0027】
次に、金属コア基板2(金属薄板2e)の上面に形成したドライフィルムを露光・現像して所定パターンのエッチングレジストを形成し、金属コア基板2をエッチングした後、上記エッチングレジストを剥離する。その結果、図2(D)に示すように、金属コア基板2の所定の位置に表面3と裏面4との間を貫通する内径約100μmの第1貫通孔2aと内径約250μmの第2貫通孔2bとが穿孔される。尚、第1貫通孔2aの内径は、後述するレーザL1の径よりも小径である。
同時に、図2(D)および図3(B)に示すように、金属薄板2eには、複数の金属コア基板2の境界に沿って平面視が正方形(矩形)の区画孔(溝)2dが形成される。尚、図3(B)中の符号2fは、耳部を示す。
【0028】
次いで、図2(E)に示すように、金属コア基板2の上面(裏面4)上方に厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層9を形成する。かかる絶縁層9の一部は、第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bに充填され、後者では絶縁材12となる。同時に、絶縁層9の一部を上記区画孔2d内に充填して側面絶縁材2cを形成する。即ち、本形態では、側面絶縁材2cは、絶縁層9と一体である。尚、上記絶縁層9は、本発明の製造方法(前記請求項4)における「新たな絶縁層」に相当する。
かかる状態で、図2(E)に示すように、第1貫通孔2aの真上および第2貫通孔2bの中心部の上方から、絶縁層9などに対しレーザ(例えば炭酸ガスレーザ)L1,L2を照射する。このうち、レーザL1の径は、第1貫通孔2aの内径よりも大きく設定されている。
【0029】
その結果、図4(A)に示すように、絶縁層9、第1貫通孔2a、および絶縁層8を貫通し且つ配線層14の表面に達するほぼ円錐形の第1ビアホール5aが穿設される。第1ビアホール5aの径は約100μmであるが、第1貫通孔2aに遮られなかった表面3上方は、レーザL1の径とほぼ同じ大径部6aとなる。
一方、前記レーザL2の照射により、図4(A)の右側に示すように、絶縁層9、絶縁材12の中心部、および絶縁層8を貫通し且つ配線層14の表面に達するほぼ円錐形の第2ビアホール10aが穿設される。
【0030】
次いで、第1・第2ビアホール5a,10aの内壁を粗化処理し、且つ第1・第2ビアホール5a,10a内および絶縁層9の表面に無電解銅メッキおよび電解銅メッキを施す。更に、絶縁層9の表面上方に所定パターンのドライフィルムを形成した後、かかるドライフィルム間に銅メッキを施す。更に、当該フイルムを剥離した後、クイックエッチングを施す(公知のセミアディティブ法)。
その結果、図4(B)に示すように、第1ビアホール5a内には、これに倣ったほぼ円錐形の第1ビア導体5が形成される。同時に、第2ビアホール10a内には、これに倣った第2ビア導体10が形成される。
【0031】
上記第1ビア導体5のうち、絶縁層9側には、前記大径部6aに倣った大径部6が位置し且つこれは金属コア基板2の上面(裏面4)に接触している。
同時に、絶縁層9の表面上方には、第1・第2ビア導体5,10と接続し且つ所定パターンを有する配線層13が形成される。尚、配線層13は、本発明の製造方法における「新たな配線層」に相当する。
次に、図4(C)に示すように、絶縁層9および配線層13の上方に、厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層15を形成する。かかる絶縁層15の一部は、第1・第2ビア導体5,10内側の凹部に充填されて、絶縁材7,11となる。尚、絶縁層15は、本発明の製造方法(前記請求項4)における「別の絶縁層」に相当する。
【0032】
更に、絶縁層15の所定の位置をレーザ加工してビアホールを形成し、且つこのビアホール内および絶縁層15の表面上方に前記同様のセミアデティブ法を施す。この結果、図4(C)に示すように、絶縁層15の表面上方に所定パターンの配線層21が形成され、且つ上記ビアホール内に配線層13,21間を接続するビア導体19が形成される。
この段階で、支持基板32を塩化第2銅溶液のシャワー噴射によりエッチングして除去した後、図4(C)中の破線Sで示すように、区画孔2dの幅方向の中間位置に沿って、金属コア基板2ごとにダイシングブレードにより切断する。
この結果、図4(D)に示すように、金属コア基板2ごとの複数(本実施形態では4個)の製品単位が得られる共に、複数の金属コア基板2の各側面は、それらと平行で且つ一定の厚みである側面絶縁材2cによって覆われている。
【0033】
次に、図4(D)に示すように、絶縁層15および配線層21の表面上方に、厚みが約20μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着してソルダーレジスト層(絶縁層)23を形成し、その表面(第2主面)25から配線層21に達する開口部27をレーザ加工などで形成する。かかる開口部27の底面に露出する配線29の表面にNiメッキおよびAuメッキを施す。
次いで、図4(D)に示すように、最下層のソルダーレジスト層(絶縁層)22の表面(第1主面)24の所定の位置をレーザ加工などして、配線層20に達する開口部26を穿設し、配線層20の表面が露出するランド28を複数形成する。
【0034】
そして、図4(D)の下方に示すように、ランド28ごとにハンダバンプ30を第1主面24よりも高く突出して個別に形成する。これにより、前記配線基板1を複数個製造することができる。
以上のような配線基板1の製造方法によれば、薄肉の金属コア基板2に第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bを精度良く容易に形成できると共に、第1貫通孔2a内などに第1ビア導体5を、第2貫通孔2b内に絶縁材12を介して第2ビア導体10をそれぞれ容易に形成できる。しかも、金属コア基板2の表面3および裏面4の上方に形成する絶縁層8,9などや配線層13,14などを高密度で且つ精度良く配置することができ、且つ側面絶縁材2cも併せて形成できる。
尚、配線基板1の製造方法は、支持基板32の平坦面33の上方に、第2主面25側の絶縁層23,配線層21,絶縁層15,配線層13,絶縁層9、および金属コア基板2などの順序にして、前述した方法と逆向きに積層しても良い。
【0035】
図5(A)は、異なる形態の配線基板1aの断面を模式的に示す。尚、以下において、前記形態と共通する部分や要素には、前記形態と共通する符号を用いる。
配線基板1aも、図5(A)に示すように、表面3および裏面4を有する前記同様の金属コア基板2と、かかる金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方にそれぞれ形成した絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、上記金属コア基板2の表面3と裏面4との間を貫通する第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bと、を備えている。
第1貫通孔2aには、その内壁と接しつつ貫通し且つ表面3上方の配線層14と金属コア基板2の裏面4上方に形成した配線層13との間を接続する第1ビア導体(フィルドビア導体)35が位置する。第1ビア導体35は、絶縁層9側に大径部34を一体に有する。また、第2貫通孔2bには、絶縁材12を介して配線層14,13間を接続する第2ビア導体(フィルドビア導体)36が位置する。
【0036】
以上のような配線基板1aによれば、前記配線基板1と同様に、金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方に配線層14,13などが高密度にそれぞれ配置される。更に、金属コア基板2の各側面が側面絶縁材2cで被覆されているため、外部や基板内部との不要な導通を防止でき、配線基板1aの周辺部においても緻密な配線層を配置することが可能となる。しかも、第1ビア導体35および第2ビア導体36は、フィルドビアであるため、金属コア基板2、配線層13、および配線層14の間の電気的導通が安定して得られる。
【0037】
図5(B)は、更に異なる形態の配線基板1bの断面を模式的に示す。
図5(B)に示すように、配線基板1bも、前記同様の金属コア基板2と、そのの表面3上方や裏面4上方に形成した絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、前記第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bと、これらを貫通する前記同様の第1ビア導体35および第2ビア導体36と、を備えている。
配線基板1bでは、図5(B)に示すように、第1ビア導体35の真上に配線層14,20間を接続するフィルドビア導体38が同心で接続すると共に、第1ビア導体35の下方に配線層13,19間を接続するフィルドビア導体37がややずれて接続している点で、前記配線基板1aと相違する。
【0038】
以上のような配線基板1bによれば、前記配線基板1aと同様に高密度の配線ができ、且つ外部との不要な導通を防止できると共に、第1ビア導体35、第2ビア導体36がフィルドビアであり且つフィルドビア導体37,38がほぼ垂直に接続されるため、基板内部の電気的導通が一層安定して得られる。
尚、配線基板1a,1bは、前記図2〜図4に示した前記配線基板1の製造方法とほぼ同様にして製造することができる。
【0039】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、金属コア基板や金属薄板は、平面視で長方形を呈する形態としても良い。例えば、前記金属薄板2eに形成する複数の金属コア基板2は、縦×横方向の数が互いに異なる形態でも良い。
また、金属コア基板2および金属薄板2eの素材には、前記銅やFe−Ni系合金に限らず、純銅、無酸素銅、銅合金、各種の鋼材、チタンおよびその合金、または、アルミニウムおよびその合金などを適用することも可能である。
【0040】
更に、前記絶縁層8,9などの材質は、前記エポキシ樹脂を主成分とするもののほか、同様の耐熱性、パターン成形性等を有するポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、あるいは、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させた樹脂−樹脂系の複合材料などを用いることもできる。尚、絶縁層の形成には、絶縁性の樹脂フィルムを熱圧着する方法のほか、液状の樹脂をロールコータにより塗布する方法を用いることもできる。尚また、絶縁層に混入するガラス布またはガラスフィラの組成は、Eガラス、Dガラス、Qガラス、Sガラスの何れか、またはこれらのうちの2種類以上を併用したものとしても良い。
【0041】
また、前記配線層14などや第1ビア導体5などの材質は、銅(Cu)メッキの他、Ag、Ni、Ni−Au系などにしても良く、あるいは、これら金属のメッキ層を用いず、導電性樹脂を塗布するなどの方法により形成しても良い。
更に、配線基板1aにおいて、ビア導体(コンフォールビア導体)18,19もフィルドビア導体としても良い。
加えて、前記ビア導体は、複数のビア導体の軸心をずらしつつ積み重ねるスタッガードの形態でも良いし、途中で平面方向に延びる配線層が介在する形態としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1形態の配線基板を示す模式的な断面図。
【図2】(A)〜(E)は図1の配線基板の製造工程を示す概略図。
【図3】(A),(B)は図2(C),(D)の工程を示す平面図。
【図4】(A)〜(D)は図2(E)に続く製造工程を示す概略図。
【図5】(A),(B)はそれぞれ異なる形態の配線基板を示す模式的な断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b…………………配線基板
2…………………………………金属コア基板
2a………………………………第1貫通孔
2b………………………………第2貫通孔
3…………………………………表面
4…………………………………裏面
5,35…………………………第1ビア導体
5a………………………………第1ビアホール
6,34…………………………大径部
8,9,15,16,22,23…絶縁層
10,36………………………第2ビア導体
10a……………………………第2ビアホール
12………………………………絶縁材
13,14,20,21………配線層
32………………………………支持基板
33………………………………平坦面
L1………………………………レーザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属コア基板を内設する多層構造の配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から配線基板の強度を高めるため、厚みが約100μm〜数100μmの金属コア基板を用い、かかる金属コア基板の表面上方および裏面上方に複数の絶縁層とこれらの間に位置する配線層とをそれぞれ対称に積層した多層構造の配線基板が使用されている。かかる配線基板は、上記厚みで且つ多数個取り用の金属板にスルーホール導体用の貫通孔を穿孔した後、かかる金属板の表面上方および裏面上方に、絶縁層と配線層とを交互に積層するビルドアップ工程を行うことにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−101245号公報 (第4〜7頁、図5)
【0004】
ところで、金属コア基板は、薄肉であるほど配線基板全体の厚みを薄くできるが、上述した金属板およびこれを分割した金属コア基板を剛性のある芯材として用いると、その厚みを100μm未満の薄肉とするには自ずと限界があった。
このため、金属コア基板の表面上方および裏面上方の配線層同士間を導通するスルーホール導体を形成するべく、大きな内径のスルーホールの穿孔、銅メッキによるスルーホール導体の形成、穴埋め樹脂の充填、および蓋メッキの形成などの煩雑な工程を要すると共に、上記導体や配線層の精密な配置(ファインピッチ)が困難であった。しかも、複数の金属コア基板を有する金属板を薄肉化すると、製造工程内や製造工程間のハンドリングにも支障を来す、という問題もあった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、比較的薄肉の金属コア基板および高密度な配線層などを含む配線基板、およびこれを精度と効率良く得るための配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、金属コア基板を絶縁層や配線層と同様に積層すべき1単位と着想し且つかかる金属コア基板をビア導体と接続して配線の一部とする、ことにより成されたものである。
即ち、本発明の第1の配線基板(請求項1)は、表面および裏面を有する金属コア基板と、かかる金属コア基板の表面上方および裏面上方にそれぞれ形成した複数の絶縁層およびその間に位置する配線層と、上記金属コア基板の表面と裏面との間を貫通する第1貫通孔と、かかる第1貫通孔を貫通し且つ上記金属コア基板、上記表面上方の配線層、および裏面上方の配線層の間を接続する第1ビア導体と、を含む、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、第1ビア導体は、第1貫通孔を介して金属コア基板と導通し、且つその表面上方の配線層と裏面上方の配線層との3者を接続するため、金属コア基板が極く薄肉であっても、これらの間の電気的導通を確実に得ることができる。しかも、金属コア基板とその表面上方の配線層と裏面上方の配線層とを含め、全体を薄くして高密度にした多層基板とすることも可能となる。
尚、金属コア基板は、上記厚みの銅箔、ステンレス鋼(例えばSUS304)箔や、Fe−42wt%Ni(所謂42アロイ)またはFe−36wt%Ni(インバ−)などの箔を含む薄板が用いられる。また、前記ビア導体は、円錐形状の導体であるコンフォーマルビア導体の他、フィルドビア導体も含まれ、後者の場合は、金属コア基板の貫通孔内を貫通するフィルドビア導体の真上や真下に別のフィルドビア導体を接続しても良い。
【0008】
付言すれば、上記配線基板は、前記金属コア基板の厚みが50μm以下である、とすることも可能である。望ましい厚みは、35μmまたはこれ以下である。
また、本発明には、前記第1ビア導体は、前記金属コア基板の表面上方または裏面上方に前記貫通孔の内径よりも大径の大径部を含んでいる、配線基板(請求項2)も含まれる。これによれば、第1ビア導体は、金属コア基板の第1貫通孔の内壁と共に、これに隣接する表面または裏面でも、当該金属コア基板と接触する。従って、かかる第1ビア導体を介して金属コア基板とその表面上方の配線層と裏面上方の配線層との3者間の導通を確実に取ることが可能となる。
【0009】
更に、本発明には、前記金属コア基板の表面と裏面との間を貫通し且つ前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔内を絶縁材を介して貫通し且つ前記表面上方の配線層と前記裏面上方の配線層との間を接続する第2ビア導体を更に有する、配線基板(請求項3)も含まれる。これによれば、金属コア基板が極く薄肉であっても、第1ビア導体および第2ビア導体によって、金属コア基板とその表面上方の配線層と裏面上方の配線層との間の電気的導通を確実に得ることができ、全体を薄くして高密度にした多層基板とすることが一層容易となる。
【0010】
付言すれば、本発明の配線基板は、前記金属コア基板の各側面は、前記表面上方の絶縁層または裏面上方の絶縁層と一体の側面絶縁材に被覆されている、とすることもできる。これによる場合、金属コア基板の4つの側面は、上記絶縁層の何れかと一体で且つ当該金属コア基板の各側面とほぼ平行な側面絶縁材によって被覆される。このため、従来のような金属コア基板の側面からタイバーが突出しないので、これによる外部や基板内部との不用意な導通を防止できると共に、配線基板の周辺部においても緻密な配線層を配置することが可能となる。
【0011】
一方、本発明の配線基板の製造方法(請求項4)は、支持基板の平坦面の上に複数の絶縁層およびその間に位置する配線層を形成する工程と、前記のうち最外層の絶縁層の上に金属コア基板を積層する工程と、かかる金属コア基板を貫通する第1貫通孔を穿孔する工程と、上記金属コア基板の上面に新たな絶縁層を形成する工程と、上記複数の絶縁層の何れか、上記第1貫通孔、および上記新たな絶縁層に、上記配線層に達する第1ビアホールを穿設する工程と、かかる第1ビアホール内に第1ビア導体を形成し且つ上記新たな絶縁層の上にかかる第1ビア導体と接続する新たな配線層を形成する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、金属コア基板は、剛性を有する支持基板の平坦面(平坦な表面)上に予め形成された絶縁層の上方に積層されるため、前述した薄肉の銅箔などとすることができる。また、薄肉の金属コア基板を貫通する第1貫通孔も精度良く容易に形成できると共に、かかる第1貫通孔を含む第1ビアホールに第1ビア導体を確実に形成できる。しかも、剛性を有する支持基板の平坦面の上方に絶縁層や配線層などを順次積層するため、ハンドリング性も向上する。
【0012】
尚、上記「最外層の絶縁層」とは、支持基板から相対的に離れている絶縁層を指す。また、支持基板には、剛性を有する厚みが約1mmの銅板、銅合金板、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板、あるいはチタン合金板などが用いられ、且つ平坦な表面である平坦面を有するものである。かかる平坦面は、製品単位である前記金属コア基板を平面方向に沿って複数個載置できる多数個取り用の広さを有しても良く、かかる平坦面を有する大きな支持基板(パネル)としても良い。更に、支持基板の平坦面上に、積層する順序は、前記配線基板の第1主面側のソルダーレジスト層(絶縁層)、配線層、絶縁層、および金属コア基板などの順の他、前記配線基板の第2主面側のソルダーレジスト層(絶縁層)、配線層、絶縁層、および金属コア基板などの順としても良い。即ち、前記「新たな絶縁層」や後述する「新たな配線層」および「別の絶縁層」は、製造工程における支持基板の平坦面上に積層する順序における相対的な呼称である。
【0013】
更に、本発明には、前記第1ビアホールを穿設する工程は、前記第1貫通孔の内径よりもレーザ径の大きなレーザを照射して行われる、配線基板の製造方法(請求項5)も含まれる。尚、上記レーザには、炭酸ガスレーザが推奨される。
これによれば、第1ビアホールを穿設するために照射するレーザの径を第1貫通孔の内径よりも大きくている。この結果、金属コア基板の上面側に当該レーザ径に応じた大径のビアホール部分が形成されると共に、金属コア基板の下面側には、第1貫通孔を通過したレーザのみが照射されるため、かかる第1貫通孔の内径に応じた小径のビアホール部分が形成される。このため、これら大小2つのビアホール部分からなる第1ビアホールに追って形成される第1ビア導体は、金属コア基板に対し第1貫通孔の内壁およびその上面の両方で確実に接続できる。
【0014】
更に、本発明には、前記新たな絶縁層、前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔内に位置する絶縁材、およびかかる第2貫通孔の直下に位置する前記複数の絶縁層の何れかに、前記配線層に達する第2ビアホールを穿設する工程と、上記第2ビアホール内に第2ビア導体を形成し且つ上記新たな絶縁層の上に第2ビア導体と接続する前記新たな配線層を形成する工程と、を更に有する、配線基板の製造方法(請求項6)も含まれる。これによる場合、前記第1ビア導体のほかに、金属コア基板と接続せず表面および裏面の上方の配線層同士の間を直に接続する第2ビア導体を有する配線基板を確実に製造することが可能となる。
【0015】
更に付言すれば、本発明の配線基板の製造方法は、前記金属コア基板には、製品単位(金属コア基板)を複数有する多数個取りの金属薄板が用いられ、前記第1貫通孔および第2貫通孔を先行する工程と同時に、上記金属薄板を穿孔することにより、かかる金属薄板を複数の金属コア基板に分離する平面視が矩形の区画溝が形成する工程を有する、とすることもできる。
これによる場合、金属薄板は、上記区画孔(溝)に囲まれた製品単位である複数の金属コア基板に分割されると共に、前記支持基板を除去した後で、区画孔の幅方向の中間に沿ってダイシング加工などにより切断することにより、金属コア基板の側面が側面絶縁材で覆われている前記配線基板を確実に得ることが可能となる。尚、上記金属薄板には、銅や銅合金などからなる金属箔が含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明の1形態である配線基板1の模式的断面を示す。
配線基板1は、図1に示すように、表面3および裏面4を有する金属コア基板2と、この金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方(図示で下方)にそれぞれ形成した複数の絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、上記金属コア基板2の表面3と裏面4との間を貫通する第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bと、を備えている。
【0017】
金属コア基板2は、平面視が正方形(矩形)で厚みが35μmの銅箔または銅合金(例えばCu−2.3wt%Fe−0.03wt%P:所謂194アロイ)の箔からなる。金属コア基板2には、表面3と裏面4との間を貫通する内径約100μmの第1貫通孔2aと、異なる位置で貫通する内径約250μmの第2貫通孔2bとが所定の位置に複数貫通している。
第1貫通孔2aには、その内壁と接触しつつ貫通し且つ金属コア基板2の裏面4上方の配線層13と表面3上方の配線層14との間を接続する第1ビア導体(コンフォーマルビア導体)5が位置する。かかる第1ビア導体5は、第1貫通孔2aに隣接する金属コア基板2の裏面4にも接触する大径部6を一体に有し、図示で内側の凹んだ部分には、絶縁層15と一体の絶縁材7が充填されている。
【0018】
また、図1の左右に示すように、第2貫通孔2bには、絶縁材12を介して、金属コア基板2の裏面4上方の配線層13と表面3上方の配線層14との間を接続する第2ビア導体(コンフォーマルビア導体)10が貫通している。かかる第2ビア導体10の内側の凹んだ部分には、絶縁層15と一体の絶縁材11が充填されている。尚、第2貫通孔2b内に充填された絶縁材12は、絶縁層8,9の何れかの一方と一体である。
図1に示すように、金属コア基板2の各側面は、当該側面と平行で且つ一定の厚み(約35μm:金属コア基板2の厚み分)の側面絶縁材2cに被覆され、かかる側面絶縁材2cは、絶縁層8,9の何れかの一方と一体である。
【0019】
図1に示すように、金属コア基板2の表面3上方には、厚みが約40μmでエポキシ系樹脂からなる絶縁層8,16および厚みが約20μmで同様の樹脂からなるソルダーレジスト層(絶縁層)22と、これらの間に位置し所定のパターンを有する厚みが約15μmの配線層14,20が積層されている。この配線層14,20間は、ビア導体(コンフォーマルビア導体)18により接続される。
尚、絶縁層8などは、例えばシリカフィラなどの無機フィラを含み、上記配線層14などは、銅メッキ膜や銅箔からなる。また、絶縁層8,16および配線層14,20は、一方のビルドアップ層を形成している。
【0020】
一方、図1に示すように、金属コア基板2の裏面4の上方(図示で下方)には、厚み約40μmでエポキシ系樹脂からなる上記同様の絶縁層9,15および厚み約20μmで同様の樹脂からなるソルダーレジスト層(絶縁層)23と、これらの間に位置し所定のパターンを有する厚み約15μmの配線層13,21が積層される。上記配線層13,21間は、ビア導体(コンフォーマルビア)19により接続されている。尚、絶縁層9,15および配線層13,21は、他方のビルドアップ層を形成している。
【0021】
更に、図1に示すように、配線層20における所定の表面には、ソルダーレジスト層22を貫通する複数の開口部26が形成され、それらの底面にランド28が個別に露出する。かかるランド28の表面上に、半球形状のハンダバンプ30が第1主面24よりも高く突出して形成される。かかるハンダバンプ30は、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系、Pb−Sn系など(本実施形態ではSn−Ag系)の低融点合金からなり、第1主面24上に実装されるICチップ(電子部品)31の接続端子と個別に接続される。
尚、ハンダバンプ30とICチップ31の接続端子とは、図示しないアンダーフィル材に覆われ且つ保護される。
【0022】
一方、図1に示すように、配線層21から延びた配線29は、最下層のソルダーレジスト層(絶縁層)23に設けた開口部27の底面に位置し且つ第2主面25側に露出している。かかる配線29は、その表面にNiメッキおよびAuメッキが薄く被覆され、当該配線基板1自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子として活用される。尚、配線29の表面には、ハンダボールや銅系合金あるいは鉄系合金の導体ピンなどを接合しても良い。
【0023】
以上のような配線基板1によれば、金属コア基板2が薄肉であるため、かかる金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方に配線層14,13などを高密度にそれぞれ形成できる。また、第1ビア導体5を介して、配線層14,13および金属コア基板2の間が互いに接続されるため、配線構造を緻密化および高性能化することができる。更に、第2ビア導体10を介して、配線層14,13間を直に接続できる。加えて、金属コア基板2の各側面が側面絶縁材2cで被覆され且つ従来のようなタイバーが突出しないため、外部や基板内部との不要な導通を防止でき、配線基板1の周辺部にも緻密な配線層を配置することが可能となる。尚、配線基板1の金属コア基板2は、信号電極として活用するほか、電源電極あるいは接地電極としても活用することができる。
【0024】
ここで、前記配線基板1の製造方法を図2〜図4に基づいて説明する。尚、図2,図4は、前記図1における配線基板1の左側部分に基づいて図示する。
図2(A)に示すように、予め厚みが約1mmの銅板からなり且つ剛性を有するる支持基板32を用意し、その平坦な表面である平坦面33の表面上方に、厚みが約20μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着することで、絶縁層(ソルダーレジスト層)22を形成する。尚、この製造方法では、前記配線基板1の第1主面24側の部分から順次積層を行う。また、支持基板32は、複数の配線基板1を製造可能な多数個取り用の金属パネルである。
【0025】
次に、絶縁層22の表面上方に図示しない厚さ約15μmの銅箔を貼り付け、その上に形成した図示しないドライフィルムを露光・現像して所定パターンのエッチングレジストを形成し、上記銅箔をエッチングした後、かかるエッチングレジストを剥離する(公知のサブトラクティブ法)。その結果、図2(A)に示すように、絶縁層22の表面上方に上記パターンに倣った配線層20が形成される。
次いで、絶縁層22および配線層20の表面上方に厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層16を形成する。かかる絶縁層16の所定の位置にレーザ(例えば炭酸ガスレーザ)を照射して配線層20の表面が露出するビアホールを形成し、かかるビアホール内を含む絶縁層16の表面上方に粗面化処理、無電解銅メッキ、および電解銅メッキを全面に施す。得られた銅メッキ膜の上面に形成したドライフィルム(図示せず)を露光・現像して所定パターンのエッチングレジストを形成し、上記銅メッキ膜をエッチングした後、上記エッチングレジストを剥離する。
【0026】
その結果、図2(A)に示すように、絶縁層16の表面上方に上記パターンに倣った配線層14が形成され、且つ上記ビアホール内には、配線層20,14間を接続するビア導体18が形成される。
更に、図2(B)に示すように、支持基板30から離れた最外層の絶縁層16および配線層14の表面上方に厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層8を形成する。尚、上記絶縁層22,16,8は、本発明の製造方法(前記請求項4)における「複数の絶縁層」に相当する。
次いで、図2(C)に示すように、かかる絶縁層8の表面上方に厚みが約35μmの金属コア基板2(金属薄板2e)を積層して圧着する。
この段階では、図3(A)の一部で示すように、前記支持基板30の上方は、製品単位である複数の金属コア基板2を含む金属薄板2eに覆われている。
【0027】
次に、金属コア基板2(金属薄板2e)の上面に形成したドライフィルムを露光・現像して所定パターンのエッチングレジストを形成し、金属コア基板2をエッチングした後、上記エッチングレジストを剥離する。その結果、図2(D)に示すように、金属コア基板2の所定の位置に表面3と裏面4との間を貫通する内径約100μmの第1貫通孔2aと内径約250μmの第2貫通孔2bとが穿孔される。尚、第1貫通孔2aの内径は、後述するレーザL1の径よりも小径である。
同時に、図2(D)および図3(B)に示すように、金属薄板2eには、複数の金属コア基板2の境界に沿って平面視が正方形(矩形)の区画孔(溝)2dが形成される。尚、図3(B)中の符号2fは、耳部を示す。
【0028】
次いで、図2(E)に示すように、金属コア基板2の上面(裏面4)上方に厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層9を形成する。かかる絶縁層9の一部は、第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bに充填され、後者では絶縁材12となる。同時に、絶縁層9の一部を上記区画孔2d内に充填して側面絶縁材2cを形成する。即ち、本形態では、側面絶縁材2cは、絶縁層9と一体である。尚、上記絶縁層9は、本発明の製造方法(前記請求項4)における「新たな絶縁層」に相当する。
かかる状態で、図2(E)に示すように、第1貫通孔2aの真上および第2貫通孔2bの中心部の上方から、絶縁層9などに対しレーザ(例えば炭酸ガスレーザ)L1,L2を照射する。このうち、レーザL1の径は、第1貫通孔2aの内径よりも大きく設定されている。
【0029】
その結果、図4(A)に示すように、絶縁層9、第1貫通孔2a、および絶縁層8を貫通し且つ配線層14の表面に達するほぼ円錐形の第1ビアホール5aが穿設される。第1ビアホール5aの径は約100μmであるが、第1貫通孔2aに遮られなかった表面3上方は、レーザL1の径とほぼ同じ大径部6aとなる。
一方、前記レーザL2の照射により、図4(A)の右側に示すように、絶縁層9、絶縁材12の中心部、および絶縁層8を貫通し且つ配線層14の表面に達するほぼ円錐形の第2ビアホール10aが穿設される。
【0030】
次いで、第1・第2ビアホール5a,10aの内壁を粗化処理し、且つ第1・第2ビアホール5a,10a内および絶縁層9の表面に無電解銅メッキおよび電解銅メッキを施す。更に、絶縁層9の表面上方に所定パターンのドライフィルムを形成した後、かかるドライフィルム間に銅メッキを施す。更に、当該フイルムを剥離した後、クイックエッチングを施す(公知のセミアディティブ法)。
その結果、図4(B)に示すように、第1ビアホール5a内には、これに倣ったほぼ円錐形の第1ビア導体5が形成される。同時に、第2ビアホール10a内には、これに倣った第2ビア導体10が形成される。
【0031】
上記第1ビア導体5のうち、絶縁層9側には、前記大径部6aに倣った大径部6が位置し且つこれは金属コア基板2の上面(裏面4)に接触している。
同時に、絶縁層9の表面上方には、第1・第2ビア導体5,10と接続し且つ所定パターンを有する配線層13が形成される。尚、配線層13は、本発明の製造方法における「新たな配線層」に相当する。
次に、図4(C)に示すように、絶縁層9および配線層13の上方に、厚みが約40μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着して絶縁層15を形成する。かかる絶縁層15の一部は、第1・第2ビア導体5,10内側の凹部に充填されて、絶縁材7,11となる。尚、絶縁層15は、本発明の製造方法(前記請求項4)における「別の絶縁層」に相当する。
【0032】
更に、絶縁層15の所定の位置をレーザ加工してビアホールを形成し、且つこのビアホール内および絶縁層15の表面上方に前記同様のセミアデティブ法を施す。この結果、図4(C)に示すように、絶縁層15の表面上方に所定パターンの配線層21が形成され、且つ上記ビアホール内に配線層13,21間を接続するビア導体19が形成される。
この段階で、支持基板32を塩化第2銅溶液のシャワー噴射によりエッチングして除去した後、図4(C)中の破線Sで示すように、区画孔2dの幅方向の中間位置に沿って、金属コア基板2ごとにダイシングブレードにより切断する。
この結果、図4(D)に示すように、金属コア基板2ごとの複数(本実施形態では4個)の製品単位が得られる共に、複数の金属コア基板2の各側面は、それらと平行で且つ一定の厚みである側面絶縁材2cによって覆われている。
【0033】
次に、図4(D)に示すように、絶縁層15および配線層21の表面上方に、厚みが約20μmのエポキシ系樹脂フィルムを積層し且つ熱圧着してソルダーレジスト層(絶縁層)23を形成し、その表面(第2主面)25から配線層21に達する開口部27をレーザ加工などで形成する。かかる開口部27の底面に露出する配線29の表面にNiメッキおよびAuメッキを施す。
次いで、図4(D)に示すように、最下層のソルダーレジスト層(絶縁層)22の表面(第1主面)24の所定の位置をレーザ加工などして、配線層20に達する開口部26を穿設し、配線層20の表面が露出するランド28を複数形成する。
【0034】
そして、図4(D)の下方に示すように、ランド28ごとにハンダバンプ30を第1主面24よりも高く突出して個別に形成する。これにより、前記配線基板1を複数個製造することができる。
以上のような配線基板1の製造方法によれば、薄肉の金属コア基板2に第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bを精度良く容易に形成できると共に、第1貫通孔2a内などに第1ビア導体5を、第2貫通孔2b内に絶縁材12を介して第2ビア導体10をそれぞれ容易に形成できる。しかも、金属コア基板2の表面3および裏面4の上方に形成する絶縁層8,9などや配線層13,14などを高密度で且つ精度良く配置することができ、且つ側面絶縁材2cも併せて形成できる。
尚、配線基板1の製造方法は、支持基板32の平坦面33の上方に、第2主面25側の絶縁層23,配線層21,絶縁層15,配線層13,絶縁層9、および金属コア基板2などの順序にして、前述した方法と逆向きに積層しても良い。
【0035】
図5(A)は、異なる形態の配線基板1aの断面を模式的に示す。尚、以下において、前記形態と共通する部分や要素には、前記形態と共通する符号を用いる。
配線基板1aも、図5(A)に示すように、表面3および裏面4を有する前記同様の金属コア基板2と、かかる金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方にそれぞれ形成した絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、上記金属コア基板2の表面3と裏面4との間を貫通する第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bと、を備えている。
第1貫通孔2aには、その内壁と接しつつ貫通し且つ表面3上方の配線層14と金属コア基板2の裏面4上方に形成した配線層13との間を接続する第1ビア導体(フィルドビア導体)35が位置する。第1ビア導体35は、絶縁層9側に大径部34を一体に有する。また、第2貫通孔2bには、絶縁材12を介して配線層14,13間を接続する第2ビア導体(フィルドビア導体)36が位置する。
【0036】
以上のような配線基板1aによれば、前記配線基板1と同様に、金属コア基板2の表面3上方および裏面4上方に配線層14,13などが高密度にそれぞれ配置される。更に、金属コア基板2の各側面が側面絶縁材2cで被覆されているため、外部や基板内部との不要な導通を防止でき、配線基板1aの周辺部においても緻密な配線層を配置することが可能となる。しかも、第1ビア導体35および第2ビア導体36は、フィルドビアであるため、金属コア基板2、配線層13、および配線層14の間の電気的導通が安定して得られる。
【0037】
図5(B)は、更に異なる形態の配線基板1bの断面を模式的に示す。
図5(B)に示すように、配線基板1bも、前記同様の金属コア基板2と、そのの表面3上方や裏面4上方に形成した絶縁層8,16,22,9,15,23およびその間に位置する配線層14,20,13,21と、前記第1貫通孔2aおよび第2貫通孔2bと、これらを貫通する前記同様の第1ビア導体35および第2ビア導体36と、を備えている。
配線基板1bでは、図5(B)に示すように、第1ビア導体35の真上に配線層14,20間を接続するフィルドビア導体38が同心で接続すると共に、第1ビア導体35の下方に配線層13,19間を接続するフィルドビア導体37がややずれて接続している点で、前記配線基板1aと相違する。
【0038】
以上のような配線基板1bによれば、前記配線基板1aと同様に高密度の配線ができ、且つ外部との不要な導通を防止できると共に、第1ビア導体35、第2ビア導体36がフィルドビアであり且つフィルドビア導体37,38がほぼ垂直に接続されるため、基板内部の電気的導通が一層安定して得られる。
尚、配線基板1a,1bは、前記図2〜図4に示した前記配線基板1の製造方法とほぼ同様にして製造することができる。
【0039】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、金属コア基板や金属薄板は、平面視で長方形を呈する形態としても良い。例えば、前記金属薄板2eに形成する複数の金属コア基板2は、縦×横方向の数が互いに異なる形態でも良い。
また、金属コア基板2および金属薄板2eの素材には、前記銅やFe−Ni系合金に限らず、純銅、無酸素銅、銅合金、各種の鋼材、チタンおよびその合金、または、アルミニウムおよびその合金などを適用することも可能である。
【0040】
更に、前記絶縁層8,9などの材質は、前記エポキシ樹脂を主成分とするもののほか、同様の耐熱性、パターン成形性等を有するポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、あるいは、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させた樹脂−樹脂系の複合材料などを用いることもできる。尚、絶縁層の形成には、絶縁性の樹脂フィルムを熱圧着する方法のほか、液状の樹脂をロールコータにより塗布する方法を用いることもできる。尚また、絶縁層に混入するガラス布またはガラスフィラの組成は、Eガラス、Dガラス、Qガラス、Sガラスの何れか、またはこれらのうちの2種類以上を併用したものとしても良い。
【0041】
また、前記配線層14などや第1ビア導体5などの材質は、銅(Cu)メッキの他、Ag、Ni、Ni−Au系などにしても良く、あるいは、これら金属のメッキ層を用いず、導電性樹脂を塗布するなどの方法により形成しても良い。
更に、配線基板1aにおいて、ビア導体(コンフォールビア導体)18,19もフィルドビア導体としても良い。
加えて、前記ビア導体は、複数のビア導体の軸心をずらしつつ積み重ねるスタッガードの形態でも良いし、途中で平面方向に延びる配線層が介在する形態としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1形態の配線基板を示す模式的な断面図。
【図2】(A)〜(E)は図1の配線基板の製造工程を示す概略図。
【図3】(A),(B)は図2(C),(D)の工程を示す平面図。
【図4】(A)〜(D)は図2(E)に続く製造工程を示す概略図。
【図5】(A),(B)はそれぞれ異なる形態の配線基板を示す模式的な断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b…………………配線基板
2…………………………………金属コア基板
2a………………………………第1貫通孔
2b………………………………第2貫通孔
3…………………………………表面
4…………………………………裏面
5,35…………………………第1ビア導体
5a………………………………第1ビアホール
6,34…………………………大径部
8,9,15,16,22,23…絶縁層
10,36………………………第2ビア導体
10a……………………………第2ビアホール
12………………………………絶縁材
13,14,20,21………配線層
32………………………………支持基板
33………………………………平坦面
L1………………………………レーザ
Claims (6)
- 表面および裏面を有する金属コア基板と、
上記金属コア基板の表面上方および裏面上方にそれぞれ形成した複数の絶縁層およびその間に位置する配線層と、
上記金属コア基板の表面と裏面との間を貫通する第1貫通孔と、
上記第1貫通孔を貫通し且つ上記金属コア基板、上記表面上方の配線層、および裏面上方の配線層の間を接続する第1ビア導体と、を含む、
ことを特徴とする配線基板。 - 前記第1ビア導体は、前記金属コア基板の表面上方または裏面上方に前記貫通孔の内径よりも大径の大径部を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。 - 前記金属コア基板の表面と裏面との間を貫通し且つ前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔内を絶縁材を介して貫通し且つ前記表面上方の配線層と前記裏面上方の配線層との間を接続する第2ビア導体を、更に有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。 - 支持基板の平坦面の上に複数の絶縁層およびその間に位置する配線層を形成する工程と、
上記のうち最外層の絶縁層の上に金属コア基板を積層する工程と、
上記金属コア基板を貫通する第1貫通孔を穿孔する工程と、
上記金属コア基板の上面に新たな絶縁層を形成する工程と、
上記複数の絶縁層の何れか、上記第1貫通孔、および上記新たな絶縁層に、上記配線層に達する第1ビアホールを穿設する工程と、
上記第1ビアホール内に第1ビア導体を形成し且つ上記新たな絶縁層の上にかかる第1ビア導体と接続する新たな配線層を形成する工程と、を含む、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記第1ビアホールを穿設する工程は、前記第1貫通孔の内径よりもレーザ径の大きなレーザを照射して行われる、
ことを特徴とする請求項4に記載の配線基板の製造方法。 - 前記新たな絶縁層、前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔内に位置する絶縁材、およびかかる第2貫通孔の直下に位置する前記複数の絶縁層の何れかに、前記配線層に達する第2ビアホールを穿設する工程と、
上記第2ビアホール内に第2ビア導体を形成し且つ上記新たな絶縁層の上に第2ビア導体と接続する前記新たな配線層を形成する工程と、を更に有する、
ことを特徴とする請求項4または5に記載の配線基板の製造方法。
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