JP4536882B2 - エンドレス帆布の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

エンドレス帆布の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝動ベルトや搬送ベルト等の各種ベルトの内面または背面に設けられるゴム付帆布をエンドレスにするエンドレス帆布の製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、伝動ベルトや搬送ベルトとして、ベルト内面またはベルト背面に帆布層が形成されたベルトが用いられている。帆布層は、縦糸と横糸とがベルト長さ方向に対して例えば45°の角度で傾斜したゴム付帆布をエンドレスに成形したものである。
【0003】
この種のベルトは、以下のようにして製造される。まず、ゴム付帆布が長尺物として製造され、ロール状に巻かれる。このとき、ゴム付帆布が互いに粘着しないようにライナーと呼ばれる剥離シートがゴム付帆布の片面に張りつけられる。ライナーで隔離されたゴム付帆布はロール状に巻かれた原反として供給される。この原反から所定長さのゴム付帆布を引き出してカットし、ライナーが剥がされたゴム付帆布をドラムに巻き付け、カットされた端同志をドラム上で接合することにより筒状のエンドレス帆布を得る。
【0004】
このエンドレス帆布を成形ドラムに外嵌合し、接着ゴムシートを巻き付けた上から心線をスパイラル状に巻き付け、更に未加硫ゴムシートからなる接着用ゴムシート及びリブ用ゴムシートを順に巻き付ける。円筒状の加硫ジャケットをゴムシートに接するようにして成形ドラムに積層された成形体に外嵌合した後、加硫成形を行う。そして、筒状の加硫成形体を脱型し、円周方向にV溝を研削し、所定幅に幅切りすることにより、Vリブドベルトが得られる。
【0005】
エンドレス帆布は、ロール状の原反から引き出されたゴム付帆布からライナーを剥がし、引き出し可能に貯留されたゴム付帆布の所定長を引き出し、ドラムの表面に作業者が巻き付け、丁度ドラムの一周分になるとカットし、ゴム付帆布の先端と後端をジョイントして製造される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したエンドレス帆布の製造方法によると、ドラムに巻き付けられるゴム付帆布の引き込み速度と引き出し可能に貯留されたゴム付帆布の供給速度とを完全に一致させることが難しいため、ゴム付帆布に張力が作用し、ゴム付帆布が伸びたり、ゴム付帆布の幅やせが発生することがある。この場合、ゴム付帆布のバイアス状の織り目に狂いが生じ、規格から外れることがあるという問題点があった。また、ゴム付帆布の先端と後端をぴったり合わせることは難しい作業になり、この作業には熟練を要するという問題点もあった。
【0007】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みなされたもので、ゴム付帆布の伸びや幅やせの発生がなく、バイアス状にカットされたゴム付帆布の先端と後端とのジョイントも容易にできるエンドレス帆布の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する発明のうち請求項1は、バイアス状にカットされたゴム付帆布をドラム上で一周させ、前記ゴム付帆布の前端と後端とジョイントさせるエンドレス帆布の製造方法であって、前記前端を前記ドラムに保持したままドラムを一周させ、前記ゴム付帆布を前記ドラムの下方に弛ませ、前記前端と前記後端とを前記ドラムの上側でジョイントし、前記ドラムの周長より長い周長のエンドレス帆布とするエンドレス帆布の製造方法である。
この請求項1によると、バイアス状にカットされたゴム付帆布の先端をドラムに保持し、ドラムを一周させると、保持された先端が元の位置に戻り、同じくバイアス状にカットされた後端とをオーバーラッブジョイント等で接合する。所定長にカットされて送り込まれるゴム付帆布はドラムの下方に弛ませるため、送り込まれるゴム付帆布とドラムの回転とを同期させる必要がなく、ゴム付帆布にドラムの回転による張力が発生せず、所定長にカットされたゴム付帆布の周長で決まる径のエンドレス帆布が得られる。
【0009】
請求項2は、前記ゴム付帆布の前記先端だけを前記ドラムに対して止め、前記ゴム付帆布のその他の部分は前記ドラムの表面に引っつかないようにした請求項1に記載のエンドレス帆布の製造方法である。
この請求項2によると、ドラム表面にフッ素樹脂コーティング等の粘着防止層を形成し、真空吸着やクリップ等でゴム付帆布の先端だけをドラムに止めるため、ゴム付帆布は自重でドラムから垂れ下がり、ドラムの下方に弛みやすくなる。
【0010】
請求項3は、ゴム付帆布の所定長さを引き出す引き出し手段と、引き出された前記ゴム付帆布をバイアス状にカットするカット手段と、カットされた前記ゴム付帆布が前端から順に巻回され、一周させてから前記ゴム付帆布の後端との間にジョイント部を形成するためのドラムとを備えてなるエンドレス帆布の製造装置であって、前記ゴム付帆布の前記先端を前記ドラムの表面に着脱自在に保持する保持手段と、前記引き出し手段を駆動させながら、前記ドラムの回転を止め、前記ゴム付帆布を前記ドラムの一周分より長くして垂れ下がらせるドラム回転制御手段と、を設けるエンドレス帆布の製造装置である。
請求項3によると、引き出し手段で引き出されたゴム付帆布がカット手段でバイアス状にカットされ、先端及び後端がバイアス状にカットされた所定長のゴム付帆布となる。このゴム付帆布の先端が保持手段によりドラムの表面に保持され、引き出し手段を経て送り込まれるゴム付帆布がドラムの回転とともに引き込まれる。ドラムが一周するとドラム回転制御手段によりドラムの回転が止まるため、ゴム付帆布は垂れ下がり、保持手段で保持された先端に合わさるように後端が位置する状態になる。ここで、ゴム付帆布の先端と後端をオーバーラップジョイント等で接合し、前記保持手段によるゴム付帆布の保持を解除すると、成形されたエンドレス帆布をドラムの軸方向に取り出すことができる。
【0011】
請求項4は、前記保持手段は、ドラム表面に前記先端のバイアスに沿って列設された吸引孔と、この吸引孔からの吸引のオンオフができる吸引手段とからなる請求項3に記載のエンドレス帆布の製造装置である。
この請求項4によると、ドラム表面にバイアス状にカットされたゴム付帆布の先端を吸引孔の列に沿わせると簡単に先端だけの保持ができ、吸引孔からの吸引をオンオフする吸引手段によりゴム付帆布のドラムへの着脱が簡単にできる。
【0012】
請求項5は、前記ゴム付帆布は、予めバイアスジョイントすることにより縦糸と横糸とが長さ方向に対してそれぞれ傾斜して配置された長尺物であり、前記カット手段は、前記ゴム付帆布の前記バイアスジョイントに沿って斜めにカットするものであり、前記バイアスジョイントと交差しない斜め角度に設定可能に構成されている請求項3に記載のエンドレス帆布の製造装置である。この請求項5によると、ゴム付帆布のバイアスジョイントと重ならないように、斜めのバイアス状にカットする角度を設定することができるため、ゴム付帆布のジョイント部分が前記バイアスジョイントと平行になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態例を説明する。図1は、本発明の実施形態に掛かるエンドレス帆布製造装置の機器配置図である。まず、製造装置を説明し、つぎに製造方法を説明する。
【0014】
図1において、製造装置1は、ゴム付帆布Rの供給装置2と、ゴム付帆布Rに対するダンサーローラ装置3と、ゴム付帆布Rの引き出し装置(引き出し手段)4と、ゴム付帆布Rをバイアス状にカットするカッター装置(カッター手段)5と、ゴム付帆布Rをエンドレス帆布Eにするためのドラム装置6とを順に配設して構成される。
【0015】
ゴム付帆布Rは、図2に示される。二点鎖線のように縦糸と横糸からなる長尺状の帆布に、カレンダーでゴムを擦り込みフリクション帆布Cとする。このフリクション帆布Cを所定長さ毎に長さ方向に対してα(図示例では45°)の角度でカットし、多数枚のカットされたフリクション帆布Cをカットされない側縁同志を接合してバイアスジョイントを形成することにより、縦糸と横糸が長さ方向に対してαの角度で傾斜したゴム付帆布Rの長尺物が得られる。このゴム付帆布Rの片面に剥離のためのライナーLを積層し、図1のように、芯子11の上にロール状に巻くことにより原反12が得られる。このフリクション帆布Cで形成されたゴム付帆布Rは、特に粘着性及び接着性があって扱い難く、本発明装置及び本発明方法で折り扱われるのに適している。
【0016】
供給装置2は、原反12の芯子11に通される角シャフト13に対する軸受を有する走行自在な台車14と、ゴム付帆布RからライナーLを剥がすためのドクターナイフ15及び一対の剥離ローラ16,17と、ライナーLの巻取軸18を有する構成である。
【0017】
原反12に対する角シャフト13は、後述するライナーLの巻取停止によって弛まないようにブレーキ装置21が連結されている。第1剥離ローラ16と第2剥離ローラ17はベルト22を介して連動自在であり、第2剥離ローラ17に掛かるライナーLの走行が駆動源となっている。第1剥離ローラ16と第2剥離ローラ17とは、1:1.1の増速比となっており、ドクターナイフ15におけるライナーLの剥離が確実に行われる。ライナーLの巻取軸18には駆動モータ23が連結されており、この駆動モータ23は後述するダンサーローラ装置3の動きと連動して駆動される。この供給装置2によると、駆動モータ23で決まるライナーLの巻取速度に応じてゴム付帆布Rが第1剥離ローラ16から供給される構成になっている。
【0018】
ダンサーローラ装置3は、本体25の側に上下動自在に取り付けられたダンサーローラ26と、ダンサーローラ26に対するバランスウェイト27と、ダンサーローラ26の上下位置を検出する第1センサ28及び第2センサ29とを有する構成である。
【0019】
後述する引き出し装置4に応じてゴム付帆布Rが繰り出されると、ダンサーローラ26が上昇し、上昇したダンサーローラ26が第1センサ28で検出されると、供給装置2のライナーLの巻取軸18が駆動される。ゴム付帆布Rの供給が十分であると、ダンサーローラ26が下降し、下降したダンサーローラ26が第2センサ29で検出されると、供給装置2のライナーLの巻取軸18の駆動が停止される。このように、ダンサーローラ装置3は、繰り出されるゴム付帆布Rの貯留手段となっている。このダンサーローラ装置3で貯留されるゴム付帆布Rに余分なテンションが掛からないように、ダンサーローラ26が軽い力で行われ、バランスウェイト27も出来るだけ軽いものになっている。
【0020】
引き出し装置4は、駆動ローラ31と押さえローラ32をニップ自在に配設したものである。駆動ローラ31は駆動モータ32で駆動され、この駆動モータ32は後述するロータリーエンコーダ35で制御される。押さえローラ32はスリップ防止のために空圧シリンダ34によって押圧自在であるとともに、ロータリーエンコーダ35に連結される測長ローラとなっている。駆動ローラ31と押さえローラ32は、ゴム付帆布Rの粘着防止のために、フッ素樹脂コーティングが施されている。
【0021】
駆動モータ33は、ロータリーエンコーダ35に基づいて回転速度と回転量が制御されるインバータモータとなっており、この駆動モータ33により、所定長さのゴム付帆布Rが所定速度で引き出される。所定長さの終わりには、引き出し速度が低速に切り換わり、次に述べるカッター装置4の作動が引き出し速度に影響され難くなる。
【0022】
カッター装置5は、引き出し装置4からのゴム付帆布Rの滑り台41と、受け台と42と当て台43とからなるカッター44と、カッター44のバイアス角度変更装置45(図3参照)とを有する構成である。受け台42には刃421が走行可能に設けられ、当て台43は刃421の両側のゴム付帆布Rを押さえるように空圧シリンタ46で昇降自在である。
【0023】
図3に示されるように、滑り台41は、引き出し装置4から引き出されるゴム付帆布Rを滑らせるように、フッ素樹脂コーティングが施されるとともに、表面の多数穴から空気を送り込んで、ゴム付帆布Rの間に空気層が形成できるようになっている。カッター44は、その一端に於いて旋回自在に支持されており、この旋回軸にバイアス角度変更装置45が連結されている。図3(a)は、図2で示されるゴム付帆布Rの縦糸と横糸の角度が45°の場合、カッター44が斜めのバイアス状にカットする角度を45°にする状態を示している。図3(b)は、図2で示されるゴム付帆布Rの縦糸と横糸の角度が60°の場合、カッター44が斜めのバイアス状にカットする角度を60°にする状態を示している。このように、カッター44がゴム付帆布Rのバイアスジョイントと平行になるように斜めのバイアス状にカットすることにより、成形されたエンドレス帆布のジョイント部とバイアスジョイントがクロスして部分的に重ならない。
【0024】
図1に戻り、ドラム装置6は、ドラム51と、駆動モータ52と、フットスイッチ53と、吸引ブロア54とを有する構成である。ドラム51の正面に作業者が位置し、ドラム51の上に供給されるゴム付帆布Rを手で操作できる高さにドラム51が設けられている。作業者がフットスイッチ53を踏むと、ドラム51が駆動モータ52で回転し、一回転すると停止するドラム回転制御手段が図示されない制御部に内蔵されている。また、フットスイッチ53のインチング動作によって、作業者の意図に応じてドラム51を寸動で回転させることもできる。
【0025】
ドラム51の表面には、カッター装置5によってバイアス状にカットされたゴム付帆布Rの先端を集中的に保持するための吸引孔(保持手段)55が列状に形成されている。吸引孔55の第1列56は、45°のバイアス状カットに対応するものであり、吸引孔55の第2列57は、60°のバイアス状カットに対応するものである。第1列56又は第2列57の吸引のいずれかが、ドラム51内部の仕切り板で切り替え可能である。また、吸引孔55からの吸引は真空ポンプ(200〜700tor)による真空源(吸引手段)54の起動又は停止によりオンオフが可能である。また、吸引孔55からのゴム付帆布Rの先端の切り離しのために、圧縮エア源に切り換えて、吸引孔55から空気を吹き出させることも可能である。
【0026】
また、ドラム51の表面にはフッ素樹脂コーティング等の粘着防止層が形成されている。そのため、前記吸引孔55で保持される先端以外のゴム付帆布Rが引っつきにくく、ドラム51表面からのゴム付帆布Rの垂れ下がりが起こりやすく、且つドラム51からの成形後のエンドレス帆布の引き抜きも容易にできる。
【0027】
このドラム51上で、バイアス状にカットされたゴム付帆布Rが所定周長のエンドレス帆布Eに形成されるまでの工程が図5に示される。図5(a)において、ドラム51は吸引孔55の先頭を上にして停止している。ゴム付帆布Rの先端57が送り込まれると、先端57を手で案内して、先端57の始まりから、すなわち図4の吸引孔55の左端から順に吸着させる。フットスイッチ53(図1参照)をインチングで操作してドラム51を回転させ、先端のバイアス状のカット部分の全部を吸引孔55に吸引させる。図5(b)(c)のように、ゴム付帆布Rの引き出しが続き、ドラム51も回転を続ける。ドラム51の回転によってゴム付帆布Rが引っ張られないように、ドラム51の回転はゴム付帆布Rの引き出し速度より僅かに遅くなっている。これにより、ゴム付帆布Rはドラム51に引っつくことなく巻回される。ドラム51が一周又は一回転して吸引孔55が元の位置に戻ると、ドラム51の回転は自動的に停止する。引き続きゴム付帆布Rの引き出しが続くため、図5(d)のように、ゴム付帆布Rはドラム51の周長より長くなって下方に垂れ下がる。図5(d)において、ゴム付帆布Rの後端58の始まりが吸引孔55の位置に来ると、先端57の終わりに重なるように作業者が手作業を行う。フットスイッチ53(図1参照)をインチングで操作してドラム51を回転させ、後端58と先端57の全部と略均等にオーバーラップさせる。この状態が図5(e)に示される。
【0028】
つぎに、図1により、上述した構造の製造装置による製造工程を説明する。製造工程は、準備工程、所定長さのバイアスカットされたゴム付帆布の引き出し工程、ドラムへの巻回工程とに大きく区分される。
【0029】
準備工程
作業者が供給装置2の台車14を本体25にセットする。供給装置2を作動させ、ゴム付帆布Rが本体25側に供給できる状態にする。供給装置2から供給されるゴム付帆布Rは、ダンサーローラ装置3のダンサーローラ26、引き出し装置4の一対のローラ31,32を経てカッター装置5を過ぎるまで引き出される。カッター装置5を作動させて、ゴム付帆布Rをバイアス状にカットして先端を形成する。
【0030】
引き出し工程
カットされるゴム付帆布Rの周長を設定したあと、供給装置2、ダンサーローラ装置4及び引き出し装置4を一斉に自動運転する。すると、カッター装置5からゴム付帆布Rがドラム51に向けて引き出されてくる。引き出されるゴム付帆布Rの長さは引き出し装置4で制御されており、所定長の引き出しが至ると引き出し速度が低速になり、カッター装置5が作動してゴム付帆布Rをバイアス状にカットして後端を形成する。
【0031】
巻回工程
図5で説明した一連の手順により、ドラム51に所定長さのゴム付帆布Rが先端と後端がドラム51上で接合状態になる。ドラム51の吸引孔55からの吸引を停止すると同時に、吸引孔55からブローを行って、エンドレス帆布Eをドラム51の軸方向に取り出す。
【0032】
この巻回工程と前記引き出し工程とを所定間隔で繰り返すことにより、エンドレス帆布Eが連続的に成形できる。巻回工程と前記引き出し工程の一回で消費されるゴム付帆布Rは、供給装置2から貯留装置であるダンサーローラ装置3を経て順次供給される。
【0033】
以上のように、まずエンドレス帆布Eを成形し、このエンドレス帆布Eを次のベルト製造工程に回す製法を、オフライン製造法という。このオフラインによってエンドレス帆布Eが成形される場合の、次工程の概要を図6により説明する。まず、エンドレス帆布Eに対してベルトマークを転写する。ベルトマークが転写されたエンドレス帆布Eは、成形ドラム101に外嵌される。この際、エンドレス帆布Eは成形ドラム101の側に向けておく。エンドレス帆布Eの上から心線102をスパイラル状に巻き付け、更に未加硫ゴムシートからなる接着用ゴムシート103及びリブ用ゴムシート104を順に巻き付ける。Vリブドベルトの場合、円筒状の加硫ジャケットをリブ用ゴムシート104に接するようにして成形ドラム101に外嵌合した後、加硫成形を行う。そして、筒状の加硫成形体を脱型し、円周方向にV溝を研削し、所定幅に幅切りすることにより、Vリブドベルトが得られる。
【0034】
以上説明した実施の形態は以下の効果を有する。
(1)図5に示されるように、ドラム51の周長より長いゴム付帆布Rをドラム51に巻回することにより、ドラム51を一周させたあと、ゴム付帆布Rを下方に弛ませ、ゴム付帆布Rの先端と後端とを接合する工程であるため、ドラムの周長に左右されることなく、ゴム付帆布Rの先端と後端のオーバーラップジョイントなどの接合が正確にできる。また、ドラムの周長に制限されることなく、周長が大小のエンドレス帆布Eを製造することができる。
【0035】
(2)このようなドラム51での弛ませ工程は、ゴム付帆布Rの先端を選択的に保持する吸引孔55(保持手段)をドラム51に設けることと、ドラム51の回転を一周又は一回転で停止させ、更にゴム付帆布Rの引き出しを行う駆動モータ52の回転制御手段によって簡単に実現することができる。
【0036】
(3)吸引孔55によって、作業者が簡単且つ確実に、ゴム付帆布Rの先端をドラム51の表面に選択的に保持することができる。また、先端以外のゴム付帆布Rはドラム51に保持されないため、ドラム51の周長より長いゴム付帆布Rは自重で下方に垂れ下がる。
【0037】
(4)カッター装置4のバイアス状のカットの角度を可変とすることにより、ゴム付帆布Rのバイアスジョイントと平行なバイアスカットが可能になり、ゴム付帆布Rの先端と後端とをオーバーラップジョイントするときに、バイアスジョイントとオーバーラップジョイントがクロスして部分的に重なることがない。
【0038】
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)ドラム51上でのゴム付帆布Eの先端と後端のジョイントは、粘着性と接着性を有するフリクション帆布にあっては、オーバーラップジョイントとすることが好ましい。しかし、オーバーラップジョイント以外の縫合によるジョイントを採用することもできる。特に、ゴムを溶剤で溶かして液状に溶かして液浸させ乾燥させる乾燥帆布の場合、ドラム上で先端と後端とを突き合わせ、ミシンを走らせて縫合する場合にも、適用できる。
【0039】
(2)ドラム51表面での先端を選択的な保持手段は吸引孔55が好ましいが、これに限らず、開閉自在なクリップの如く機械的な保持手段を併用又は単独で使用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の製造方法及び請求項3の製造装置によると、引き出されてくるゴム付帆布をドラムの表面に先端だけ保持し、ドラムが一周して前記先端が元の位置に戻った後もゴム付帆布を弛ませながら前記ドラムに沿わせるため、先端と後端のジョイント位置の設定がし易く、ジョイント形成作業が誰でも容易にできる。また、ドラムの回転ともにゴム付帆布が弛みながら沿わされるため、ゴム付帆布に作用する張力による伸びや幅やせが発生せず、ゴム付帆布の厚み精度が向上するとともに、帆布の編み目角度も狂わない。また、ドラムの大きさに関係なく、種々の周長のエンドレス帆布を製造することができる。
【0041】
請求項2の製造方法及び請求項4の製造装置によると、ドラムに対するゴム付帆布の先端の保持と、その他のゴム付帆布のドラム表面から弛みの形成が確実にできるため、作業者によるジョイント形成作業がよりし易くなる。
【0042】
請求項5の製造装置によると、予めバイアスジョイントされたゴム付帆布をバイアス状にカットするときに、バイアスジョイントと平行にカットし、バイアスジョイントとジョイント部分とがクロスして部分的に重ならないことを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に掛かるエンドレス帆布製造装置の機器配置図である。
【図2】バイアスジョイントされたゴム付帆布の上面図である。
【図3】カッタ手段のバイアス状のカット角度の設定変更状態を示す上面図である。
【図4】吸引孔を有するドラムの斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に掛かるエンドレス帆布製造方法の要部の工程図である。
【図6】エンドレス帆布を用いたベルトの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 エンドレス帆布の製造装置
2 供給装置
3 ダンサーローラ装置
4 引き出し装置
5 カッター装置
6 ドラム装置
44 カッター
45 角度変更装置
51 ドラム
52 駆動モータ(一回転のドラム回転制御手段)
54 吸引ブロア(オンオフ自在な吸引手段)
55 吸引孔(保持手段)

Claims (5)

  1. バイアス状にカットされたゴム付帆布をドラム上で一周させ、前記ゴム付帆布の前端と後端とジョイントさせるエンドレス帆布の製造方法であって、
    前記前端を前記ドラムに保持したままドラムを一周させ、前記ゴム付帆布を前記ドラムの下方に弛ませ、前記前端と前記後端とを前記ドラムの上側でジョイントし、前記ドラムの周長より長い周長のエンドレス帆布とするエンドレス帆布の製造方法。
  2. 前記ゴム付帆布の前記先端だけを前記ドラムに対して止め、前記ゴム付帆布のその他の部分は前記ドラムの表面に引っつかないようにした請求項1に記載のエンドレス帆布の製造方法。
  3. ゴム付帆布の所定長さを引き出す引き出し手段と、引き出された前記ゴム付帆布をバイアス状にカットするカット手段と、カットされた前記ゴム付帆布が前端から順に巻回され、一周させてから前記ゴム付帆布の後端との間にジョイント部を形成するためのドラムとを備えてなるエンドレス帆布の製造装置であって、
    前記ゴム付帆布の前記先端を前記ドラムの表面に着脱自在に保持する保持手段と、前記引き出し手段を駆動させながら、前記ドラムの回転を止め、前記ゴム付帆布を前記ドラムの一周分より長くして垂れ下がらせるドラム回転制御手段と、を設けるエンドレス帆布の製造装置。
  4. 前記保持手段は、ドラム表面に前記先端のバイアスに沿って列設された吸引孔と、この吸引孔からの吸引のオンオフができる吸引手段とからなる請求項3に記載のエンドレス帆布の製造装置。
  5. 前記ゴム付帆布は、予めバイアスジョイントすることにより縦糸と横糸とが長さ方向に対してそれぞれ傾斜して配置された長尺物であり、前記カット手段は、前記ゴム付帆布の前記バイアスジョイントに沿って斜めにカットするものであり、前記バイアスジョイントと交差しない斜め角度に設定可能に構成されている請求項3に記載のエンドレス帆布の製造装置。
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