JP4534797B2 - 電波吸収体および電波吸収体の製造方法 - Google Patents

電波吸収体および電波吸収体の製造方法 Download PDF

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本発明は、電波吸収体および電波吸収体の製造方法に関するものである。また、本発明は、電磁波の反射等による通信障害を防止でき、かつ薄型化および軽量化が可能な電波吸収体および電波吸収体の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、無線LAN(Local Area Network)およびITS(Intelligent Transport Systems)などの無線通信システムの発達により、通信情報の保護および混信・誤通信の防止をする必要が生じている。主に通信情報の保護を目的とする場合には、外来電波の遮蔽と通信機器自身からの放射電波の遮蔽の為に、電磁波シールド材による室内外の電波を遮断することが行われている。しかし、この場合には通信機器自身からの放射電波が反射により室内に残ることになり、その反射波と所望の通信電波との干渉による通信品質の劣化を引き起こすことがある。このような通信品質の劣化および混信・誤通信などの通信障害を防止する為には、電磁波を吸収して熱に変換するような電波吸収体が用いられている。
このような電波吸収体には、一般に電磁波のエネルギーを熱に変換し消費することができる材料が用いられるが、それは磁性損、誘電体損、オーム損を持ち得る材料と言うことができる。電波吸収体としては、フェライト又は軟磁性金属などの磁性粉末をゴム又はプラスチックなどの絶縁マトリックスに混合分散させて、シート状又はブロック状に成型加工したものが考え出されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電波吸収体としては、カーボンブラックなどの誘電損失粉末を発泡ポリウレタンなどに含浸させ、ピラミッド状又は楔状に加工したものも考え出されている(例えば、特許文献2参照)。
また、電波吸収体としては、反射体からλ/4(λ:特定の周波数における電波の波長)離れた位置に自由空間の特性インピーダンスである377Ωにほぼ等しい抵抗膜を設置したλ/4型と呼ばれるものなども考え出されている(例えば、特許文献3参照)。
また、複数の導電性パターンが規則的に配置された周期パターンを吸収体表面に形成して軽量化および薄型化を図った電波吸収体(例えば、特許文献4参照)、更には、複数の導電性ループパターンが規則的に配置された周期ループパターンを吸収体表面に形成して、軽量化、薄型化および斜め方向からの電波吸収特性の改善を図った電波吸収体も考え出されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2001−308584号公報 特開平10−051180号公報 特開平05−335832号公報 特許第3209453号公報 特開2001−352191号公報
しかしながら、特許文献1にあるような、フェライト又は軟磁性金属などの磁性粉末をゴム又はプラスチックなどの絶縁マトリックスに混合分散させて成型加工した電波吸収体においては、比較的厚さの薄い吸収体が形成可能であるが、高い電波吸収性能を求める場合にはある程度の厚さが必要となり、比重の大きな材料を用いることになる為にその重量が大きくなってしまうといった問題点を有している。
次に、特許文献2にあるような、カーボンブラックなどの誘電損失粉末を発泡ポリウレタンなどに含浸させて加工した電波吸収体においては、基本的にその吸収性能が厚さに依存するため、所望の性能を得る為にピラミッド状又は楔状にする工夫あるいは吸収方向に対するかなりの厚さが必要となるといった問題点を有している。
また、特許文献3にあるような、反射体からλ/4離れた位置に自由空間の特性インピーダンスである377Ωに近い値の抵抗膜を設置したλ/4型と呼ばれる電波吸収体においては、光学的に透明な抵抗膜を用いることにより透明電波吸収体が作製可能である。しかし、特許文献3に記載されている電波吸収体では、原理的に特定の周波数におけるλ/4の厚さが必要であり、また電波の入射角度によって電波吸収特性が変動してしまうという点で問題を有している。
更に、特許文献4には、これら従来の電波吸収体に比べて軽くて薄いものとして、複数の導電性パターンが規則的に配置された周期ループパターン、損失材料を含有する中間樹脂層および導電性反射層からなる電波吸収体について記載されている。しかし、特許文献4に記載されている電波吸収体では、λ/4型と同様に電波の入射角度によって電波吸収特性(周波数)が変動してしまうという点で問題を有している。
また更に、特許文献5には、これら従来の電波吸収体に比べて軽くて薄いものとして、複数の導電性ループが規則的に配置された周期ループパターン、中間層および導電性反射層からなり、その厚さが吸収対象波長の0.027倍以上である電波吸収体について記載されている。しかし、特許文献5に記載されているような単一の大きさのパターンを周期的に並べた構造の電波吸収体においては、入射角度による電波吸収特性(周波数)の変動は抑止される一方、周波数帯域が限定され非常に狭帯域な特性となってしまい作製時の特性変動の点で問題を有している。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、電磁波の反射などによる通信障害を防止できるだけの反射減衰能力を有し、薄型化および軽量化が可能であり、且つ、電波の入射角度に対する特性変動の少ない電波吸収体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の電波吸収体は、少なくとも、導体からなる全面導体層(11)と、1層又は多層の誘電体からなる第1誘電体層(12)と、導電粉末を含有した誘電体からなる面状抵抗層(13)と、1層又は多層の誘電体からなる第2誘電体層(14)と、導体からなるパターンを複数有するパターン層(15)とを有することを特徴とする。なお、本発明の電波吸収体は、当該順序で積層することが好ましい。
本発明の電波吸収体によれば、パターン層のパターンがアンテナとして機能して電波を受信し、その受信の際に第1又は第2誘電体層などへの電磁波の漏れが生じる。この漏れた電磁波は、面状抵抗層により熱に変換されて消費される。また、パターン層で受信されなかった電波であっても、パターン層、第1及び第2誘電体層及び面状抵抗層を透過した電波は、その後、全面導体層で全反射などしてパターン層で受信され、面状抵抗層で熱に変換されて消費される。これらにより、本発明の電波吸収体は、電波を吸収して消費することができる。したがって、本発明は、電磁波の反射などによる通信障害を防止できるだけの反射減衰能力を有し、薄型化および軽量化が可能であり、且つ、電波の入射角度に対する特性変動の少ない電波吸収体を提供することができる。
本発明の電波吸収体によれば、第1誘電体層と第2誘電体層とを面状抵抗層によって接着した構造を有するものとすることができる。また、パターン層で電波が受信されるとともに、電磁波の第2誘電体層への漏れが生じたときに、その漏れた電磁波を面状抵抗層が熱に変換して消費することができる。これらにより、本発明は、容易に製造することができ、且つ、高性能な電波吸収体を提供することができる。
また、本発明の電波吸収体は、前記面状抵抗層(13)が、エポキシ樹脂に、カーボン、銀、ニッケル等の導電粉末を分散させてガラスクロスに含侵させた材料からなることを特徴とする。
本発明の電波吸収体によれば、面状抵抗層が電磁波を熱に変換する面状の抵抗体としての機能と、第1誘電体層と第2誘電体層などとを接着させる接着層としての機能を併せ持つことができる。そこで、本発明は、容易に製造することができて製造コストの低減化が図れ、且つ、高性能な電波吸収体を提供することができる。
また、本発明の電波吸収体は、前記パターン層における各パターンが、隣接する他のパターンに対して、大きさと形状のうちの少なくとも一方が異なることを特徴とする。
本発明の電波吸収体によれば、広帯域な反射減衰特性を備えることができ、且つ、所望波長の電磁波の入射角度に対する特性変動の少ない電波吸収体を提供することができる。
また、本発明の電波吸収体は、前記パターン層における各パターンが、円形、矩形、多角形又はこれら形状を外形とするループ形状のいずれかの形状と、該いずれかの形状に突起形状を付加した形状と、のうちの少なくとも一方からなることを特徴とする。
本発明の電波吸収体によれば、吸収対象とする電波の波長及び帯域の広さなどに応じてパターン層の各パターンの形状を設定することにより、所望波長及び所望帯域の電波について高効率で吸収することができる。したがって、本発明の電波吸収体によれば、電磁波の反射などによる通信障害などを効果的に防止することができる。
また、本発明の電波吸収体は、積層構造における表面および裏面の少なくとも一方に積層された保護層を有することを特徴とする。
本発明の電波吸収体によれば、電波吸収体の表面又は裏面に保護層を配置した構造とすることができる。そこで、本発明の電波吸収体をなす積層構造における少なくとも一方の露出面側に保護層を積層することにより、各層における導体(例えば金属)の導電率変化(例えば酸化)を防止することができる。また、保護層により、ハードコード又はUVカットなどの機能を付与することもできる。したがって、本発明によれば、製品寿命の長い電波吸収体を提供することができる。
本発明の電波吸収体の製造方法は、導体からなる全面導体層(11)と、1層又は多層の誘電体からなる第1誘電体層(12)と、導電粉末を含有した誘電体からなる面状抵抗層(13)と、1層又は多層の誘電体からなる第2誘電体層(14)と、導体からなるパターンを複数有するパターン層(15)とを積層する工程を有するとともに、前記面状抵抗層(13)について、該面状抵抗層(13)を挟んで前記第1誘電体層(12)と前記第2誘電体層(14)とを接着するプリプレグとして形成する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、第1及び第2誘電体層を2枚のガラスエポキシ基板などで形成したとき、そのガラスエポキシ基板同士を、導電粉末などを樹脂に含侵させたプリプレグをなす面状抵抗層で接着することができる。なお、プリプレグとは、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含侵させて途中まで硬化させたシートである。そして、プリプレグは、金属に比べて、軽量化、高強度、高剛性を実現できる材料である。したがって、面状抵抗層を形成することにより、電磁波を熱に変換する層の形成工程と、第1誘電体層と第2誘電体層などとを接着する工程とをほぼ同時に実行することもできる。そこで、本発明の製造方法によれば、製造コストの低減化が図れ、且つ、高性能な電波吸収体を製造することができる。
また、本発明の電波吸収体の製造方法は、エポキシ樹脂に、カーボン、銀、ニッケル等の導電粉末を分散させたものを、ガラスクロスに含侵させる工程を少なくとも用いて、前記面状抵抗層(13)を形成することを特徴とする。
本発明によれば、電磁波を熱に変換する層としての機能と、第1誘電体層と第2誘電体層などとを接着する層としての機能と、軽量化、高強度、高剛性などを実現するプリプレグとしての機能とを併せもつ面状抵抗層を、形成することができる。そこで、本発明の製造方法によれば、製造コストの低減化が図れ、且つ、高性能な電波吸収体を製造することができる。
本発明によれば、電磁波の反射などによる通信障害を防止できるだけの反射減衰能力を有し、従来の電波吸収体よりも薄型化および軽量化が可能であり、且つ、広帯域で電波の入射角に対する特性変動の少ない減衰特性を有する電波吸収体を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の電波吸収体は、例えば、ETC(Electronic Toll Collection)システムにおける通信障害を防止する電波吸収体に好適である。ETCシステムは、5.8GHz帯の電波を用いて、有料道路の料金所などに設置されたアンテナと自動車に搭載した端末とで通信を行い、自動車を止めずに有料道路の料金支払いなどをするシステムである。そこで、本実施形態の電波吸収体は、ETCシステムの不要電波を吸収し、かかるシステムの誤動作を回避するものとして好適である。例えば、ETCシステムを備えた料金所のゲートにおける天井(天井の下面)又はゲートの側壁面に、本実施形態例の電波吸収体を設置することが好ましい。さらには、本実施形態に記載したような透明体においては、ETCシステムを備えた料金所のETCレーン間に設置することが好ましい。
(実施形態)
図1は本発明の実施形態である電波吸収体の概略構成を示す部分断面図である。本実施形態の電波吸収体では、面状抵抗層が接着層を兼ねている。本実施形態の電波吸収体は、保護層をなすGE(ガラスエポキシ)基板10と、全面導体層11と、第1誘電体層をなすGE基板12と、カーボン分散GE基板からなる面状抵抗層13と、第2誘電体層をなすGE基板14と、パターン層15とを順次積層した構造となっている。
保護層10は、例えば厚さが0.3mmである。全面導体層11は、保護層10上に配置されており、例えば18μm厚の銅箔で形成されている。GE基板12は、全面導体層11上に配置されており、例えば厚さが2.0mmである。面状抵抗層13は、GE基板12上に配置されており、例えば厚さが0.1mmである。GE基板14は、面状抵抗層13上に配置されており、例えば厚さが0.6mmである。パターン層15は、18μm厚の銅箔で形成された形状の異なる複数のループパターンが周期的に配置されたものである。
ここで、カーボン分散GE基板からなる面状抵抗層13は、導電性カーボン粉末をエポキシ樹脂に分散混合したものをガラスクロスに含侵させることによって、GE基板同士を接着することが可能なプリプレグとして機能するものである。すなわち、面状抵抗層13によって、GE基板12とGE基板14とが接着されている。
図2は、図1に示す電波吸収体のパターン層15側の部分平面図である。パターン層15は、GE基板14の上面に形成された複数のループパターン101,102,103から構成されている。各ループパターン101,102,103は、18μm厚の銅箔からなり、GE基板14の上面に互いに一定の間隔をもって規則的に配置されている。ループパターン101,102,103は、図2に示すようにそれぞれ形状が異なった正方形ループとなっている。ループパターン101は、中心ループ長C1、線路幅W1となっている。ループパターン102は、中心ループ長C2、線路幅W2となっている。ループパターン103は、中心ループ長C3、線路幅W3となっている。隣り合うループパターン101,102,103の中心点同士は、中心間隔D1だけ離れた位置に配置されている。
更に、ループパターン103には、図2に示すように、ループ形状の線路に突起形状の線状パターン(オープンスタブ)103a,103bを付加した構成となっている。これらのオープンスタブ103a,103bは、正方形ループの一部の頂点に付加されている。そして、オープンスタブ103aは線幅2.0mm、長さ2.1mmの長方形、オープンスタブ103bは線幅2.0mm、長さ4.1のmmの長方形となっており、それらの長方形の長手方向が正方形ループの一辺に対して45度の角度となっている。ループパターン101,102,103における各部の寸法を表1に示す。
これらのループパターン101,102,103を有するパターン層15の形成方法としては、例えば次の手法を適用できる。すなわち、表面に銅箔が形成されたGE基板について、通常のプリント配線板のパターニングと同様にしてエッチングすることにより、ループパターン101,102,103をパターニング形成する。エッチングにおいては、例えばフォトレジストマスクと塩化第二鉄とを用いる。
また、ループパターン101,102,103の形成は、インクジェット法を用いてもよい。例えば、インクジェット・プリンタに用いられるものと同様な構成のインクジェット・ノズルを用いる。そして、インクジェット・ノズルから導電性材料等を含む液状体を液滴として所定領域に吐出する。その吐出された液状体は乾燥又は焼成することにより所定パターンの導体となり、ループパターン101,102,103が完成する。インクジェット法によってループパターン101,102,103を形成すると、エッチングなどが不要となる。したがって、エッチングなどで無駄となる材料を無くすことができ、製造コストを低減することができる。また、ループパターン101,102,103の形成についてのマスクパターン等の設計・製造も不要となるので、さらに製造コストを低減することができる。
ここで、ループパターン101,102,103は、それぞれの線路幅W1が中心ループ長C1に対して5パーセントから25パーセントの値とすることが好ましい。また、ループパターン101の線路幅W1は、基板パターン面における吸収対象とする電磁波の実効波長(λg,下記の式1参照)の60パーセントから140パーセントの長さとすることが好ましい。
[式1]
λg = λ×√(2/(ε+1)) (λ:自由空間波長,ε:基板の比誘電率)
次に、上記のような構成をした本実施形態の電波吸収体が持つ電波吸収特性の測定方法について説明する。まず、測定対象(吸収対象)とする所定周波数の電波に対する反射量が−40[dB]以下のピラミッドコーン形電波吸収体を、測定室内における壁面、床および測定面側方に設置しておく。そして、測定試料(本電波吸収体)に対する電波の入射角が所定の角度(例えば正面から20度)となるように送信用ホーンアンテナを配置する。また、送信用ホーンアンテナから出射された電磁波が測定試料で反射して向かう方向(光学反射の方向)に受信用ホーンアンテナを設置する。ここで、送信用ホーンアンテナは右旋円偏波ホーンアンテナを用い、受信用ホーンアンテナは左旋円偏波ホーンアンテナを用いた。
このような構成により、送信用ホーンアンテナから送信された電波は金属板では全反射して回旋方向が変化し、受信用ホーンアンテナで受信されることになる。次いで、これら送受信用ホーンアンテナをベクトルネットワークアナライザ(Agilent 8722ES)に接続し、フリースペースタイムドメイン法を用いて測定試料(電波吸収体)から反射され到来する電波のみを分離してSパラメータ(S21)を測定する。
先ず、それぞれのアンテナからおよそ100cmの距離となる位置に金属反射板(Cu板)を設置する。そして、送信用ホーンアンテナから所定周波数および所定強度の電波を出射させ、そのときの受信アンテナの受信レベルを測定する。次に、金属反射板(Cu板)の代わりに同一サイズの測定試料(電波吸収体)を前記金属反射板(Cu板)と同じ位置に設置する。そして、前記金属反射板(Cu板)に出射した電波と同一の電波を送信用ホーンアンテナから出射させ、そのときの受信アンテナの受信レベルを測定する。
このようにして測定試料に対する電波の入射角が15度、20度、30度、40度の際の反射減衰量を測定した結果を図3に示す。図3より本実施形態の電波吸収体は、最大減衰量としておよそ40[dB]の減衰量が得られていることが分かる。また、20[dB]以上の減衰特性を有する周波数帯域幅を有効吸収帯域と定義した場合、およそ300[MHz]の有効吸収帯域を有し広帯域な減衰特性を有していることがわかる。
(比較例)
次に、本実施形態の電波吸収体の効果を示すために、比較例を挙げて説明する。
図4は、本実施形態に対する比較例である電波吸収体の概略構成を示す部分断面図である。この比較例の電波吸収体は、図1などに示す本発明の実施形態の構造から、面状抵抗層13を除いた構成となっている。具体的には、保護層として機能するGE基板20と、全面導体層21と、第1誘電体層をなすGE基板22と、第2誘電体層をなすGE基板23と、パターン層24とを順次積層した構造となっている。
GE基板20は、厚さが0.3mmである。全面導体層21は、GE基板20上に配置されており、電波反射層として機能する。厚さ18μmの銅箔で、全面導体層21を構成している。GE基板22は、全面導体層21上に配置されており、厚さが2.0mmである。GE基板23は、GE基板22上に配置されており、厚さが0.6mmである。パターン層24は、GE基板23上に配置されている。そして、パターン層24は、第1実施形態のパターン層15と同様に、18μm厚の銅箔で形成された複数のループパターンがGE基板の上面に周期的に配置されたものである。
また、比較例の電波吸収体の作製方法およびその特性の測定方法については、上記実施形態と同一の手法を用いた。このようにして反射減衰量を測定した結果を、図5に示す。図5に示されているように、比較例の電波吸収体は、減衰量がおよそ26[dB]であり、また、20[dB]以上の減衰特性を有する周波数帯域幅を有効吸収帯域と定義した場合、およそ150[MHz]の有効吸収帯域となっており、本実施形態に比べて電波吸収性能が低いことがわかる。
以上より、本発明の実施形態の電波吸収体は、面状抵抗層13を有していることなどにより、比較例の電波吸収体に比べて、良好な減衰特性を示すことがわかる。したがって、本発明の実施形態に係る電波吸収体は、減衰特性の中心周波数を5.8GHzに合わせた構造とすることにより、ETCシステムなどにおいて用いられる電波吸収体として十分な性能を持つことができる。
Figure 0004534797
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記実施形態の電波吸収体におけるパターン層のループパターンは、方形ループパターンであるが、円形ループパターン又は楕円ループパターンなど他の形状のループパターンとしてもよい。また、これらのループパターンは、閉ループであってもよいし一部が途切れた開ループであってもよい。
上記の実施形態では本発明の電波吸収体をETCシステムに適用する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ETCシステム以外にも適用することができる。すなわち、ループパターンの形状、大きさ、配置を調整し、あるいは、各層の厚さ、表面抵抗値、構成材料などを調整することにより、吸収対象とする電波の周波数および帯域を変更することができる。
本発明の実施形態である電波吸収体の部分断面図である。 同上の電波吸収体におけるパターン層側の部分平面図である。 同上の電波吸収体における電波吸収特性を示す図である。 本発明の実施形態に対する比較例の電波吸収体の部分断面図である。 同上の比較例の電波吸収特性を示す図である。
符号の説明
10,20・・・GE基板(保護層)
11,21・・・全面導体層
12,22・・・GE基板(第1誘電体層)
13・・・面状抵抗層
14,23・・・GE基板(第2誘電体層)
15,24・・・パターン層
101,102,103・・・ループパターン
103a,103b・・・オープンスタブ

Claims (6)

  1. 少なくとも、
    導体からなる全面導体層と、
    1層又は多層の誘電体からなる第1誘電体層と、
    導電粉末を含有した誘電体からなる面状抵抗層と、
    1層又は多層の誘電体からなる第2誘電体層と、
    導体からなるパターンを複数有するパターン層とを有し、
    前記面状抵抗層は、前記第1誘電体層と前記第2誘電体層とを接着するプリプレグで構成されたものであり、
    前記パターン層における各パターンは、隣接する他のパターンに対して、大きさと形状のうちの少なくとも一方が異なり、
    前記パターン層における各パターンは、円形、矩形、多角形のいずれかの形状を外形とするループ形状と、該ループ形状に突起形状を付加した形状と、のうちの少なくとも一方からなり、
    前記パターン層における各パターンは、行列に配置されており、
    前記行列における第1行では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第2行では、大きさの異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第3行では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列において、前記第1行の次の行に前記第2行が配置され、前記第2行の次の行に前記第3行が配置されており、
    前記行列における第1列では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第2列では、大きさの異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第3列では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列において、前記第1列の次の列に前記第2列が配置され、前記第2列の次の列に前記第3列が配置されており、
    前記形状の異なる2種類のパターンは、ループ形状の一部に突起形状を設けた形状の第1パターンと、前記突起形状が設けられていないループ形状の第2パターンとで構成されており、
    前記第1行における第1パターンと前記第3行における第1パターンとは、前記ループ形状に対して前記突起形状の設けられている方向が異なり、
    前記第1列における第1パターンと前記第3列における第1パターンとは、前記ループ形状に対して前記突起形状の設けられている方向が異なり、
    前記第1パターンは、該第1パターンから前記突起形状を削除した形状が線対称となっており、
    前記第2パターンは、前記第1パターンから前記突起形状を削除した形状と比較して前記突起形状が設けられていないループ形状である点で共通点のある形状であり、
    前記大きさの異なる2種類のパターン同士は、ともにループ形状であるとともに、前記ループ形状がなす線路の長手方向の中心軸についての長さである中心線長が異なることを特徴とする電波吸収体。
  2. 前記全面導体層と、前記第1誘電体層と、前記面状抵抗層と、前記第2誘電体層と、前記パターン層とを当該順序で積層したことを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  3. 前記面状抵抗層は、エポキシ樹脂に、カーボン、銀、ニッケルのいずれかの導電粉末を分散させてガラスクロスに含侵させた材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電波吸収体。
  4. 前記全面導体層と、前記第1誘電体層と、前記面状抵抗層と、前記第2誘電体層と、前記パターン層とを当該順序で積層した積層構造における表面および裏面の少なくとも一方に積層された保護層を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の電波吸収体。
  5. 導体からなる全面導体層と、1層又は多層の誘電体からなる第1誘電体層と、導電粉末を含有した誘電体からなる面状抵抗層と、1層又は多層の誘電体からなる第2誘電体層と、導体からなるパターンを複数有するパターン層とを積層する工程を有するとともに、
    前記面状抵抗層について、該面状抵抗層を挟んで前記第1誘電体層と前記第2誘電体層とを接着するプリプレグとして形成する工程を有し、
    前記パターン層における各パターンは、隣接する他のパターンに対して、大きさと形状のうちの少なくとも一方が異なり、
    前記パターン層における各パターンは、円形、矩形、多角形のいずれかの形状を外形とするループ形状と、該ループ形状に突起形状を付加した形状と、のうちの少なくとも一方からなり、
    前記パターン層における各パターンは、行列に配置されており、
    前記行列における第1行では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第2行では、大きさの異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第3行では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列において、前記第1行の次の行に前記第2行が配置され、前記第2行の次の行に前記第3行が配置されており、
    前記行列における第1列では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第2列では、大きさの異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列における第3列では、形状の異なる2種類のパターンが交互に配置されており、
    前記行列において、前記第1列の次の列に前記第2列が配置され、前記第2列の次の列に前記第3列が配置されており、
    前記形状の異なる2種類のパターンは、ループ形状の一部に突起形状を設けた形状の第1パターンと、前記突起形状が設けられていないループ形状の第2パターンとで構成されており、
    前記第1行における第1パターンと前記第3行における第1パターンとは、前記ループ形状に対して前記突起形状の設けられている方向が異なり、
    前記第1列における第1パターンと前記第3列における第1パターンとは、前記ループ形状に対して前記突起形状の設けられている方向が異なり、
    前記第1パターンは、該第1パターンから前記突起形状を削除した形状が線対称となっており、
    前記第2パターンは、前記第1パターンから前記突起形状を削除した形状と比較して前記突起形状が設けられていないループ形状である点で共通点のある形状であり、
    前記大きさの異なる2種類のパターン同士は、ともにループ形状であるとともに、前記ループ形状がなす線路の長手方向の中心軸についての長さである中心線長が異なることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
  6. エポキシ樹脂に、カーボン、銀、ニッケルのいずれかの導電粉末を分散させたものを、ガラスクロスに含侵させる工程を少なくとも用いて、前記面状抵抗層を形成することを特徴とする請求項記載の電波吸収体の製造方法。
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