JP2004349569A - 電波吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁波の反射等による通信障害を防止でき、かつ薄型化および軽量化が可能な電波吸収体を提供する。
【解決手段】金属等の導体面に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面(1)と誘電体層(2)と少なくとも一つの伝送線路(3)との積層体で構成され、前記伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して前記周期スロット構造面(1)に接続されることを特徴とする電波吸収体。
【効果】電磁波の反射等による通信障害を防止でき、従来に比べて薄型化および軽量化が可能な電波吸収体が可能となった。
【選択図】 図4
【解決手段】金属等の導体面に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面(1)と誘電体層(2)と少なくとも一つの伝送線路(3)との積層体で構成され、前記伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して前記周期スロット構造面(1)に接続されることを特徴とする電波吸収体。
【効果】電磁波の反射等による通信障害を防止でき、従来に比べて薄型化および軽量化が可能な電波吸収体が可能となった。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波の反射等による通信障害を防止でき、かつ薄型化および軽量化が可能な電波吸収体および電波吸収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や無線LAN、ITS等の無線通信システムの発達により、通信情報の保護や混信・誤通信の防止をする必要が生じている。主に通信情報の保護を目的とする場合には、外来電波の遮蔽と通信機器自身からの放射電波の遮蔽の為に、電磁波シールド材による室内外の電波を遮断することが行われている。しかし、この場合には通信機器自身からの放射電波が反射により室内に残ることになり、その反射波と所望の通信電波との干渉による通信品質の劣化を引き起こすことがある。このため、このような通信品質の劣化や混信・誤通信等の通信障害を防止する為には、電磁波を吸収して熱に変換するような電波吸収体が用いられている。
【0003】
このような電波吸収体には、電磁波のエネルギーを熱に変換し消費することができる材料が用いられるが、それは磁性損、誘電体損、オーム損を持ち得る材料ということができる。一般には、フェライトや軟磁性金属等の磁性粉末をゴムやプラスチックなどの絶縁マトリックスに混合分散させて、シート状やブロック状に成型加工したもの、カーボンブラック等の誘電損失粉末を発泡ポリウレタンなどに含浸させ、ピラミッド状あるいは楔状に加工したもの、あるいは反射体からλ/4(λ:特定の周波数における電波の波長)離れた位置に自由空間の特性インピーダンスである377Ω□に等しい抵抗膜を設置したλ/4型と呼ばれるもの、等が実用化されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−308584号公報
【特許文献2】
特開平10−051180号公報
【特許文献3】
特開平05−335832号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1にあるような、フェライトや軟磁性金属等の磁性粉末をゴムやプラスチックなどの絶縁マトリックスに混合分散させて成型加工した電波吸収体においては、比較的厚さの薄い吸収体が形成可能であるが、比重の大きな材料を用いることになる為にその重量が大きくなってしまうといった問題点を有している。
【0006】
次に、特許文献2にあるような、カーボンブラック等の誘電損失粉末を発泡ポリウレタンなどに含浸させて加工した電波吸収体においては、基本的にその吸収性能が厚さに依存するため、所望の性能を得る為にピラミッド状や楔状にする工夫や吸収方向に対する厚さが必要となるといった問題点を有している。
また、特許文献3にあるような、反射体からλ/4離れた位置に自由空間の特性インピーダンスである377Ω□に近い値の抵抗膜を設置したλ/4型と呼ばれる電波吸収体においては、光学的に透明な抵抗膜を用いることにより透明電波吸収体が作製可能であるが、原理的に特定の周波数に対してのみ吸収性能を発揮するものであり、特定の周波数におけるλ/4の厚さが必要であるという点で問題を有している。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、電磁波の反射等による通信障害を防止でき、かつ薄型化および軽量化が可能な電波吸収体および電波吸収方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、金属等の導体面に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面(1)と誘電体層(2)と少なくとも一つの伝送線路(3)との積層体で構成され、前記伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して前記周期スロット構造面(1)に接続されることを特徴とする電波吸収体である。
【0008】
本発明によれば、導体面に形成されたアンテナエレメントとしての周期スロットにより到来した特定の周波数の電波を受信し、誘電体を介して設置された伝送線路に電磁界結合により電力を伝え、この伝送線路を伝搬した電力は固定抵抗素子に到達して熱に変換され消費される。
なお、前記抵抗(4)が接続される先は電気的接地面であっても同様の動作をする。
また、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、この周期スロットがアンテナエレメントとして機能し、水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となるように作用する構造とするものである。
【0009】
あるいは、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、この周期スロットが円偏波アンテナエレメントとして機能し、右旋円偏波あるいは左旋円偏波いずれかに対して吸収可能となるように作用する構造とするものである。
また、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成された構造とするものである。このような構造をとることにより、水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となる。
【0010】
更に、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成され、且つ、直交するスロット部分同士および平行なスロット部分同士が互いに向かい合わせとなること無く形成された構造とするものである。このような構造によって、水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となると共に、向かい合ったスロット部分が存在しないことからスロットを流れる磁流の打ち消しあいが起こらず、効率的な電波吸収が可能となる。
【0011】
また更に、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットである構造とするものである。このような構造によって、上記と同様に水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となると共に、向かい合ったスロット部分が存在しないことからスロットを流れる磁流の打ち消しあいが起こらず、効率的な電波吸収が可能となる。
【0012】
また本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、個々のスロット同士が互いに接近して電磁界的に結合され、一つのスロットのみで作用する周波数帯域と異なる周波数帯域にて作用する構造とするものである。
また、本発明は、前記伝送線路(3)が、1列に並んだスロット列の各々の直下に各1本づつ複数形成され、これら複数の伝送線路(3)それぞれが特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続される構造とするものである。
あるいは、本発明は、前記伝送線路(3)が、周期スロット構造面(1)における特定の少なくとも一つのスロット直下に1本のみ形成され、この1本の伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続される構造とするものである。
【0013】
またあるいは、本発明は、前記伝送線路(3)が、1列に並んだスロット列の各々の直下に各1本づつ複数形成され、これら複数の伝送線路が接続して線路本数を減少させた後、特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続される構造とするものである。
また、本発明は、前記伝送線路(3)において、前記抵抗(4)と周期スロット構造面(1)のある特定のスロット直下との間に、少なくとも1回の伝送線路幅の変化部分が存在する構造とするものである。このような構造によって、インピーダンス不整合部分に対して整合を取ることが可能となる。
【0014】
また本発明は、前記伝送線路(3)において、抵抗に接続される直前部分の伝送線路の特性インピーダンスと前記抵抗(4)の抵抗値の比が0.5から2の範囲内である構造とするものである。このような構造によって、インピーダンスの不整合による電力の反射を抑えることが可能となり、伝送線路から90%以上の電力が固定抵抗素子へと伝えられ熱として消費される。
【0015】
また、本発明は、前記誘電体層(2)において、カーボン、フェライト、磁性金属紛のうち少なくとも1種の粉末が分散された誘電体材料からなる構造とするものである。このような構造によって、従来の電波吸収体における磁性損失材料や誘電損失材料の分散量に比べて少ない量でも、伝送線路を伝搬中にも熱損失として吸収されるため効果が得られる。更に、本発明は、前記誘電体層(2)において、ガラスクロスとカーボンブラックを分散させたエポキシ樹脂とから作製したガラスエポキシ基板を用いる構造とするものである。このような構造によって、伝送線路を伝搬中に熱損失として吸収される効果が得られ、且つ軽量なものとなる。
【0016】
また、本発明は、前記誘電体層(2)において、光学的に透明な誘電体材料を用いる構造とするものである。このような構造によって、導体面に形成された周期スロットを介して光の一部が透過可能となり、従来のλ/4型透明電波吸収体に比べて薄型の半透過型透明電波吸収体が実現可能となる。
また更に、本発明は、前記周期スロット構造面(1)に用いる導体として導電性酸化物や導電性有機材料等の透明な材料を用い、かつ、前記誘電体層(2)において、透明な誘電体材料を用いる構造とするものである。このような構造によって、従来のλ/4型透明電波吸収体に比べて薄型の透明電波吸収体が実現可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
実施形態1
図1は、本発明の一実施形態である2.5GHz帯用電波吸収体の概略構成を説明するための正面図および透視上面図である。この電波吸収体は、18μm厚の銅箔に周期的に同一形状のスロットが形成された周期スロット構造面1と、誘電体層としての0.8mm厚のガラスエポキシ基板2と、18μm厚の銅箔にて形成された伝送線路としての1本のマイクロストリップライン3との積層体で構成され、このマイクロストリップライン3が50Ωの純抵抗を有する固定抵抗4を介して周期スロット構造面1に接続される構造となっている。
【0018】
図2は、周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。周期スロットを構成する1つのスロット11は、マイクロストリップライン3に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットとなっている。図1および図2に示したスロット各部の寸法を表1に示す。
【0019】
図3は、マイクロストリップライン3の詳細を説明するための電波吸収体の正面図および下面図である。このマイクロストリップライン3はガラスエポキシ基板2の裏面中央に1本配置され、50Ωの純抵抗を有する固定抵抗4に接続されている。図3に示したマイクロストリップライン各部の寸法を同様に表1に示す。
これらの周期スロットパターンと伝送線路パターンは、ガラスエポキシ両面銅箔基板を使用して、通常のプリント基板のパターニング同様、フォトレジストマスクと塩化第二鉄でのエッチングによりパターン形成を行った。
【0020】
次に、このようにして作製された電波吸収体の電波吸収特性の測定方法について説明する。
測定対象となる周波数の電波に対する反射減衰量が−30dB以下のピラミッドコーン型電波吸収体を、壁面、床、測定面側方に設置して、測定試料に対する電波の入射角が15°となるように送信用アンテナを、光学反射の方向に受信用アンテナを設置した。これら送受信アンテナをベクトルネットワークアナライザ(Agilent 8722ES)に接続し、フリースペースタイムドメイン法によって試料から反射され到来する電波のみを分離してSパラメータ(S21)を測定した。まず、それぞれのアンテナから85cmの距離となる位置に金属反射板(Al板)を設置し、受信アンテナの受信レベルを測定する。次に、金属反射板(Al板)の代わりに同一サイズの測定対象試料を同じ位置に設置し、受信アンテナの受信レベルを測定する。このようにして測定された受信レベルの差(電力比)を反射減衰量として評価した結果を表2に示す。
【0021】
実施形態2
図4は、本発明の第2の実施形態である2.5GHz帯用電波吸収体の概略構成を説明するための正面図および透視上面図である。この電波吸収体は、18μm厚の銅箔に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面21のパターンを除いて実施形態1と同様の構造となっている。
図5は、周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。周期スロットを構成するスロット211および212は、マイクロストリップライン23に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットとなっており、それぞれが上下反転した形状となっている。図4および図5に示したスロット各部の寸法を表1に示す。
なお、この電波吸収体の作製方法および測定方法については、実施形態1と同様とした。反射減衰量として評価した結果を表2に示す。
【0022】
実施形態3
図6は、本発明の第3の実施形態である2.5GHz帯用電波吸収体の概略構成を説明するための正面図および透視上面図である。この電波吸収体は、18μm厚の銅箔に周期的に同一形状のスロットが形成された周期スロット構造面31と、誘電体層としての0.8mm厚のガラスエポキシ基板32と、18μm厚の銅箔にて形成された伝送線路としての5本のマイクロストリップライン33との積層体で構成され、このマイクロストリップライン33が50Ωの純抵抗を有する固定抵抗34を介して周期スロット構造面31に接続される構造となっている。
【0023】
図7は、周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。周期スロットを構成する1つのスロット311は、マイクロストリップライン33に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットとなっている。図6および図7に示したスロット各部の寸法を表1に示す。
【0024】
図8は、マイクロストリップライン33の詳細を説明するための電波吸収体35の正面図および下面図である。このマイクロストリップライン33はガラスエポキシ基板32の裏面中央に5本配置され、それぞれが左右反転した形状となっており、50Ωの純抵抗を有する固定抵抗34に接続されている。この図8に示したマイクロストリップライン各部の寸法を同様に表1に示す。
なお、この電波吸収体の作製方法および測定方法については、実施形態1と同様とした。反射減衰量として評価した結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の電波吸収体によれば、導体面に形成されたアンテナエレメントとしての周期スロットにより到来した特定の周波数の電波を受信し、誘電体を介して設置された伝送線路に電磁界結合により電力を伝え、この伝送線路を伝搬した電力が固定抵抗に到達して熱に変換され消費されることになる。よって、電磁波の反射等による通信障害を防止でき、従来に比べて薄型化および軽量化が可能な電波吸収体および電波吸収方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の1実施形態を示す正面図および透視上面図である。
【図2】本発明の電波吸収体の実施形態1における周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。
【図3】本発明の電波吸収体の実施形態1におけるマイクロストリップライン3の詳細を説明するための電波吸収体の下面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す正面図および透視上面図である。
【図5】本発明の電波吸収体の実施形態2における周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す正面図および透視上面図である。
【図7】本発明の電波吸収体の実施形態3における周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。
【図8】本発明の電波吸収体の実施形態3におけるマイクロストリップライン33の詳細を説明するための電波吸収体の下面図である。
【符号の説明】
1・・・周期スロット面
2・・・ガラスエポキシ基板
3・・・マイクロストリップライン
4・・・固定抵抗
11・・・単一スロット
21・・・周期スロット面
22・・・ガラスエポキシ基板
23・・・マイクロストリップライン
24・・・固定抵抗
211, 212・・・単一スロット
31・・・周期スロット面
32・・・ガラスエポキシ基板
33・・・マイクロストリップライン
34・・・固定抵抗
311・・・単一スロット
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波の反射等による通信障害を防止でき、かつ薄型化および軽量化が可能な電波吸収体および電波吸収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や無線LAN、ITS等の無線通信システムの発達により、通信情報の保護や混信・誤通信の防止をする必要が生じている。主に通信情報の保護を目的とする場合には、外来電波の遮蔽と通信機器自身からの放射電波の遮蔽の為に、電磁波シールド材による室内外の電波を遮断することが行われている。しかし、この場合には通信機器自身からの放射電波が反射により室内に残ることになり、その反射波と所望の通信電波との干渉による通信品質の劣化を引き起こすことがある。このため、このような通信品質の劣化や混信・誤通信等の通信障害を防止する為には、電磁波を吸収して熱に変換するような電波吸収体が用いられている。
【0003】
このような電波吸収体には、電磁波のエネルギーを熱に変換し消費することができる材料が用いられるが、それは磁性損、誘電体損、オーム損を持ち得る材料ということができる。一般には、フェライトや軟磁性金属等の磁性粉末をゴムやプラスチックなどの絶縁マトリックスに混合分散させて、シート状やブロック状に成型加工したもの、カーボンブラック等の誘電損失粉末を発泡ポリウレタンなどに含浸させ、ピラミッド状あるいは楔状に加工したもの、あるいは反射体からλ/4(λ:特定の周波数における電波の波長)離れた位置に自由空間の特性インピーダンスである377Ω□に等しい抵抗膜を設置したλ/4型と呼ばれるもの、等が実用化されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−308584号公報
【特許文献2】
特開平10−051180号公報
【特許文献3】
特開平05−335832号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1にあるような、フェライトや軟磁性金属等の磁性粉末をゴムやプラスチックなどの絶縁マトリックスに混合分散させて成型加工した電波吸収体においては、比較的厚さの薄い吸収体が形成可能であるが、比重の大きな材料を用いることになる為にその重量が大きくなってしまうといった問題点を有している。
【0006】
次に、特許文献2にあるような、カーボンブラック等の誘電損失粉末を発泡ポリウレタンなどに含浸させて加工した電波吸収体においては、基本的にその吸収性能が厚さに依存するため、所望の性能を得る為にピラミッド状や楔状にする工夫や吸収方向に対する厚さが必要となるといった問題点を有している。
また、特許文献3にあるような、反射体からλ/4離れた位置に自由空間の特性インピーダンスである377Ω□に近い値の抵抗膜を設置したλ/4型と呼ばれる電波吸収体においては、光学的に透明な抵抗膜を用いることにより透明電波吸収体が作製可能であるが、原理的に特定の周波数に対してのみ吸収性能を発揮するものであり、特定の周波数におけるλ/4の厚さが必要であるという点で問題を有している。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、電磁波の反射等による通信障害を防止でき、かつ薄型化および軽量化が可能な電波吸収体および電波吸収方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、金属等の導体面に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面(1)と誘電体層(2)と少なくとも一つの伝送線路(3)との積層体で構成され、前記伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して前記周期スロット構造面(1)に接続されることを特徴とする電波吸収体である。
【0008】
本発明によれば、導体面に形成されたアンテナエレメントとしての周期スロットにより到来した特定の周波数の電波を受信し、誘電体を介して設置された伝送線路に電磁界結合により電力を伝え、この伝送線路を伝搬した電力は固定抵抗素子に到達して熱に変換され消費される。
なお、前記抵抗(4)が接続される先は電気的接地面であっても同様の動作をする。
また、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、この周期スロットがアンテナエレメントとして機能し、水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となるように作用する構造とするものである。
【0009】
あるいは、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、この周期スロットが円偏波アンテナエレメントとして機能し、右旋円偏波あるいは左旋円偏波いずれかに対して吸収可能となるように作用する構造とするものである。
また、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成された構造とするものである。このような構造をとることにより、水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となる。
【0010】
更に、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成され、且つ、直交するスロット部分同士および平行なスロット部分同士が互いに向かい合わせとなること無く形成された構造とするものである。このような構造によって、水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となると共に、向かい合ったスロット部分が存在しないことからスロットを流れる磁流の打ち消しあいが起こらず、効率的な電波吸収が可能となる。
【0011】
また更に、本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットである構造とするものである。このような構造によって、上記と同様に水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となると共に、向かい合ったスロット部分が存在しないことからスロットを流れる磁流の打ち消しあいが起こらず、効率的な電波吸収が可能となる。
【0012】
また本発明は、前記周期スロット構造面(1)において、個々のスロット同士が互いに接近して電磁界的に結合され、一つのスロットのみで作用する周波数帯域と異なる周波数帯域にて作用する構造とするものである。
また、本発明は、前記伝送線路(3)が、1列に並んだスロット列の各々の直下に各1本づつ複数形成され、これら複数の伝送線路(3)それぞれが特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続される構造とするものである。
あるいは、本発明は、前記伝送線路(3)が、周期スロット構造面(1)における特定の少なくとも一つのスロット直下に1本のみ形成され、この1本の伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続される構造とするものである。
【0013】
またあるいは、本発明は、前記伝送線路(3)が、1列に並んだスロット列の各々の直下に各1本づつ複数形成され、これら複数の伝送線路が接続して線路本数を減少させた後、特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続される構造とするものである。
また、本発明は、前記伝送線路(3)において、前記抵抗(4)と周期スロット構造面(1)のある特定のスロット直下との間に、少なくとも1回の伝送線路幅の変化部分が存在する構造とするものである。このような構造によって、インピーダンス不整合部分に対して整合を取ることが可能となる。
【0014】
また本発明は、前記伝送線路(3)において、抵抗に接続される直前部分の伝送線路の特性インピーダンスと前記抵抗(4)の抵抗値の比が0.5から2の範囲内である構造とするものである。このような構造によって、インピーダンスの不整合による電力の反射を抑えることが可能となり、伝送線路から90%以上の電力が固定抵抗素子へと伝えられ熱として消費される。
【0015】
また、本発明は、前記誘電体層(2)において、カーボン、フェライト、磁性金属紛のうち少なくとも1種の粉末が分散された誘電体材料からなる構造とするものである。このような構造によって、従来の電波吸収体における磁性損失材料や誘電損失材料の分散量に比べて少ない量でも、伝送線路を伝搬中にも熱損失として吸収されるため効果が得られる。更に、本発明は、前記誘電体層(2)において、ガラスクロスとカーボンブラックを分散させたエポキシ樹脂とから作製したガラスエポキシ基板を用いる構造とするものである。このような構造によって、伝送線路を伝搬中に熱損失として吸収される効果が得られ、且つ軽量なものとなる。
【0016】
また、本発明は、前記誘電体層(2)において、光学的に透明な誘電体材料を用いる構造とするものである。このような構造によって、導体面に形成された周期スロットを介して光の一部が透過可能となり、従来のλ/4型透明電波吸収体に比べて薄型の半透過型透明電波吸収体が実現可能となる。
また更に、本発明は、前記周期スロット構造面(1)に用いる導体として導電性酸化物や導電性有機材料等の透明な材料を用い、かつ、前記誘電体層(2)において、透明な誘電体材料を用いる構造とするものである。このような構造によって、従来のλ/4型透明電波吸収体に比べて薄型の透明電波吸収体が実現可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
実施形態1
図1は、本発明の一実施形態である2.5GHz帯用電波吸収体の概略構成を説明するための正面図および透視上面図である。この電波吸収体は、18μm厚の銅箔に周期的に同一形状のスロットが形成された周期スロット構造面1と、誘電体層としての0.8mm厚のガラスエポキシ基板2と、18μm厚の銅箔にて形成された伝送線路としての1本のマイクロストリップライン3との積層体で構成され、このマイクロストリップライン3が50Ωの純抵抗を有する固定抵抗4を介して周期スロット構造面1に接続される構造となっている。
【0018】
図2は、周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。周期スロットを構成する1つのスロット11は、マイクロストリップライン3に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットとなっている。図1および図2に示したスロット各部の寸法を表1に示す。
【0019】
図3は、マイクロストリップライン3の詳細を説明するための電波吸収体の正面図および下面図である。このマイクロストリップライン3はガラスエポキシ基板2の裏面中央に1本配置され、50Ωの純抵抗を有する固定抵抗4に接続されている。図3に示したマイクロストリップライン各部の寸法を同様に表1に示す。
これらの周期スロットパターンと伝送線路パターンは、ガラスエポキシ両面銅箔基板を使用して、通常のプリント基板のパターニング同様、フォトレジストマスクと塩化第二鉄でのエッチングによりパターン形成を行った。
【0020】
次に、このようにして作製された電波吸収体の電波吸収特性の測定方法について説明する。
測定対象となる周波数の電波に対する反射減衰量が−30dB以下のピラミッドコーン型電波吸収体を、壁面、床、測定面側方に設置して、測定試料に対する電波の入射角が15°となるように送信用アンテナを、光学反射の方向に受信用アンテナを設置した。これら送受信アンテナをベクトルネットワークアナライザ(Agilent 8722ES)に接続し、フリースペースタイムドメイン法によって試料から反射され到来する電波のみを分離してSパラメータ(S21)を測定した。まず、それぞれのアンテナから85cmの距離となる位置に金属反射板(Al板)を設置し、受信アンテナの受信レベルを測定する。次に、金属反射板(Al板)の代わりに同一サイズの測定対象試料を同じ位置に設置し、受信アンテナの受信レベルを測定する。このようにして測定された受信レベルの差(電力比)を反射減衰量として評価した結果を表2に示す。
【0021】
実施形態2
図4は、本発明の第2の実施形態である2.5GHz帯用電波吸収体の概略構成を説明するための正面図および透視上面図である。この電波吸収体は、18μm厚の銅箔に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面21のパターンを除いて実施形態1と同様の構造となっている。
図5は、周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。周期スロットを構成するスロット211および212は、マイクロストリップライン23に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットとなっており、それぞれが上下反転した形状となっている。図4および図5に示したスロット各部の寸法を表1に示す。
なお、この電波吸収体の作製方法および測定方法については、実施形態1と同様とした。反射減衰量として評価した結果を表2に示す。
【0022】
実施形態3
図6は、本発明の第3の実施形態である2.5GHz帯用電波吸収体の概略構成を説明するための正面図および透視上面図である。この電波吸収体は、18μm厚の銅箔に周期的に同一形状のスロットが形成された周期スロット構造面31と、誘電体層としての0.8mm厚のガラスエポキシ基板32と、18μm厚の銅箔にて形成された伝送線路としての5本のマイクロストリップライン33との積層体で構成され、このマイクロストリップライン33が50Ωの純抵抗を有する固定抵抗34を介して周期スロット構造面31に接続される構造となっている。
【0023】
図7は、周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。周期スロットを構成する1つのスロット311は、マイクロストリップライン33に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットとなっている。図6および図7に示したスロット各部の寸法を表1に示す。
【0024】
図8は、マイクロストリップライン33の詳細を説明するための電波吸収体35の正面図および下面図である。このマイクロストリップライン33はガラスエポキシ基板32の裏面中央に5本配置され、それぞれが左右反転した形状となっており、50Ωの純抵抗を有する固定抵抗34に接続されている。この図8に示したマイクロストリップライン各部の寸法を同様に表1に示す。
なお、この電波吸収体の作製方法および測定方法については、実施形態1と同様とした。反射減衰量として評価した結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の電波吸収体によれば、導体面に形成されたアンテナエレメントとしての周期スロットにより到来した特定の周波数の電波を受信し、誘電体を介して設置された伝送線路に電磁界結合により電力を伝え、この伝送線路を伝搬した電力が固定抵抗に到達して熱に変換され消費されることになる。よって、電磁波の反射等による通信障害を防止でき、従来に比べて薄型化および軽量化が可能な電波吸収体および電波吸収方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の1実施形態を示す正面図および透視上面図である。
【図2】本発明の電波吸収体の実施形態1における周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。
【図3】本発明の電波吸収体の実施形態1におけるマイクロストリップライン3の詳細を説明するための電波吸収体の下面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す正面図および透視上面図である。
【図5】本発明の電波吸収体の実施形態2における周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す正面図および透視上面図である。
【図7】本発明の電波吸収体の実施形態3における周期スロット構造の詳細を説明するための電波吸収体の部分上面図である。
【図8】本発明の電波吸収体の実施形態3におけるマイクロストリップライン33の詳細を説明するための電波吸収体の下面図である。
【符号の説明】
1・・・周期スロット面
2・・・ガラスエポキシ基板
3・・・マイクロストリップライン
4・・・固定抵抗
11・・・単一スロット
21・・・周期スロット面
22・・・ガラスエポキシ基板
23・・・マイクロストリップライン
24・・・固定抵抗
211, 212・・・単一スロット
31・・・周期スロット面
32・・・ガラスエポキシ基板
33・・・マイクロストリップライン
34・・・固定抵抗
311・・・単一スロット
Claims (17)
- 金属等の導体面に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面(1)と誘電体層(2)と少なくとも一つの伝送線路(3)との積層体で構成され、前記伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して前記周期スロット構造面(1)に接続されることを特徴とする電波吸収体。
- 金属等の導体面に周期的にスロットが形成された周期スロット構造面(1)と誘電体層(2)と少なくとも一つの伝送線路(3)との積層体で構成され、前記伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して電気的接地面に接続されることを特徴とする電波吸収体。
- 前記周期スロット構造面(1)において、この周期スロットがアンテナエレメントとして機能し、水平偏波および垂直偏波いずれに対しても吸収可能となるように作用することを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記周期スロット構造面(1)において、この周期スロットが円偏波アンテナエレメントとして機能し、右旋円偏波あるいは左旋円偏波いずれかに対して吸収可能となるように作用することを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されてなることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成され、且つ、直交するスロット部分同士および平行なスロット部分同士が互いに向かい合わせとなること無く形成されることを特徴とする請求項5記載の電波吸収体。
- 前記周期スロット構造面(1)において、一つのスロットの形状が前記伝送線路(3)に対して直交するスロット部分と平行なスロット部分の組合せにより形成されたZ形状スロットであることを特徴とする請求項6記載の電波吸収体。
- 前記周期スロット構造面(1)において、個々のスロット同士が互いに接近して電磁界的に結合され、一つのスロットのみで作用する周波数帯域と異なる周波数帯域にて作用することを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記伝送線路(3)が、1列に並んだスロット列の各々の直下に各1本づつ複数形成され、これら複数の伝送線路(3)それぞれが特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続されることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記伝送線路(3)が、周期スロット構造面(1)における特定の少なくとも一つのスロット直下に1本のみ形成され、この1本の伝送線路(3)が特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続されることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記伝送線路(3)が、1列に並んだスロット列の各々の直下に各1本づつ複数形成され、これら複数の伝送線路が接続して線路本数を減少させた後、特定の抵抗値を有する抵抗(4)を介して周期スロット構造面(1)或いは電気的接地面に接続されることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記伝送線路(3)において、前記抵抗(4)と周期スロット構造面(1)のある特定のスロット直下との間に、少なくとも1回の伝送線路幅の変化部分が存在することを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記伝送線路(3)において、抵抗に接続される直前部分の伝送線路の特性インピーダンスと前記抵抗(4)の抵抗値の比が0.5から2の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記誘電体層(2)において、カーボン、フェライト、磁性金属紛のうち少なくとも1種の粉末が分散された誘電体材料からなることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記誘電体層(2)において、ガラスクロスとカーボンブラックを分散させたエポキシ樹脂とから作製したガラスエポキシ基板を用いることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記誘電体層(2)において、光学的に透明な誘電体材料を用いることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
- 前記周期スロット構造面(1)に用いる導体として導電性酸化物や導電性有機材料等の光学的に透明な材料を用い、かつ、前記誘電体層(2)において、透明な誘電体材料を用いることを特徴とする請求項1乃至2記載の電波吸収体。
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2003
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