JP4529579B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像記録装置において用いられ、記録媒体上に担持された未定着トナー像を加熱溶融し、記録媒体に定着させる定着装置に関する。
一般に、粉状のトナーを用いる画像形成装置においてトナー像を定着する工程は、トナー像を記録媒体上に静電的に直接転写した後、あるいは、トナー像を中間転写体に一次転写してから記録媒体に二次転写した後、加熱部材と加圧部材との間に記録媒体を挟み込み、トナー像を加熱して記録媒体に圧着する方法が広く採用されている。
定着装置としては、例えば、円筒状芯金の内部にハロゲンランプ等の発熱体を有する定着ロールと、この定着ロールに押圧される加圧ロールとで構成されるものがあり、定着ロールと加圧ロールとの間に未定着トナー像を担持した記録媒体を挟み込んで加熱加圧する。
上記のような定着装置は、定着ロールの熱容量を低減することが難しいため、画像形成装置の電源をオン状態とすると同時に定着装置の熱源であるハロゲンランプに通電を開始しても、定着ロール等が冷え切っている状態から所定の定着可能温度に立ち上がるまでにはかなりの待ち時間を要し、クイックスタート性に欠ける。また、画像形成装置の待機状態(非画像出力時)では、何時でも画像形成動作が実行できるようにハロゲンランプに通電して定着ロールを所定の温度に維持しておく必要があり、電力消費量が大きい。
一方、上記定着ロールに代えて、定着部材として無端状の定着ベルトを用いるものがあり、該定着ベルトには複数の支持ロールによって張架されたタイプと、内部に押圧部材を有し、無張架の状態で加圧ロールに押圧されて回転駆動されるタイプとがある。定着ベルトは薄肉の耐熱性樹脂等を基層としており、ロール状部材に比べ熱容量が小さいため、ロール状部材より短時間でウォーミングアップを行なうことができる。さらに、無張架タイプの定着ベルトは、他の部材との接触する面積を小さくすることができ、他の部材への熱移動が低減される。このため、一層効率の良いウォーミングアップを行なうことができる。
定着ベルトを無張架の状態で回転駆動する定着装置としては、特許文献1及び特許文献2に開示されるものがある。これらの定着装置は、無端状となった定着ベルトの内側にガイド部材と加熱源を備えており、定着ベルトを回転が可能に支持するとともに、定着ベルトを内側から加熱することができるものとなっている。定着ベルトの外周面には加圧ロールが当接され、ガイド部材に定着ベルトを介して押し付けることによって定着ニップが形成されている。この加圧ロールが回転駆動されることにより、定着ニップにおける摩擦力によって定着ベルトが従動回転する。そして、未定着トナー像を担持した記録媒体は上記定着ニップを通過するときに定着ベルトに当接され、ガイド部材と加圧ロールの間で加熱・加圧されてトナー像が記録媒体上に定着される。
また、特許文献3に記載の定着装置は、ほぼ無張架状態の定着ベルトが電磁誘導加熱装置によって加熱されるものである。つまり、定着ベルトは周面に沿って誘導電流で発熱する導電性層を備えており、定着ベルトの外周面に対向するように励磁コイルが配置されている。この励磁コイルが誘起する変動磁界によって定着ベルトの導電性層に渦電流が誘導され、発熱する。また、この定着装置では、定着ベルトの中央部は周方向にほとんど張力が作用しない状態となっているが、側縁部では内周面にガイド部材が周方向に沿って当接され、定着ベルトの変形及び揺れを拘束するものとなっている。
上記特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載の定着装置では、いずれも外周面に加圧ロールが圧接され、定着ベルトの内周面には、加圧ロールとの間に定着ベルトを挟み込むパッド状の部材(以下、押圧パッドという)が摺擦されている。そして、加圧ロールが回転駆動されることによって定着ベルトが従動回転するものとなっている。このような装置では、使用初期においては摺動面の状態が良好で加圧ロールの回転駆動にともなって定着ベルトは円滑に従動回転する。しかし、装置が使用されるにつれて押圧パッドと定着ベルトとの間の摺動抵抗が上昇し、定着ベルトの回転速度は、加圧ロールの回転に対して遅れることがある。これは、加圧ロールとの当接面でスリップが生じることによるものであり、記録媒体上の定着画像が乱れたり、記録媒体に紙しわを発生する原因となる。
このような問題点に対しては、特許文献4及び特許文献5に押圧パッドと定着ベルトとの間の摩擦抵抗を低減する技術が開示されている。
特許文献4に記載の装置は、固定支持された押圧パッド(摺動部材)に摺動層としてガラスコート層を設けている。さらにそのガラスコート層に凹凸が形成されている。この凹凸は複数の溝状もしくは複数の穴状となっており、押圧パッドと定着ベルトとの摺動部における接触面積を少なくし、摺動摩擦抵抗を低減しようとするものである。また、定着ニップ部における押圧パッドと定着ベルトとの間に潤滑剤を介在させることも記載されており、潤滑剤を押圧パッドの摺動部に設けられた溝部もしくは凹部内に保持し、潤滑剤による摺動摩擦抵抗の低減効果を長期にわたって維持するものとなっている。
特許文献5に記載の装置は、押圧パッドの定着ベルトと摺動する部分に摺動層としてガラスコート層が形成され、さらにそのガラスコート層の摺動部が定着ベルト回転方向に研磨されている。また、研磨を施すのに代えて、定着ベルトの回転方向に凹部を設けた構成も提案されている。このような構成により、押圧パッドと定着ベルトとの摺動部における接触面積を少なくし、摺動摩擦抵抗の増加を抑制しようとするものである。
特開平7−281461号公報 特開2003−223064号公報 特開2003−84591号公報 特開2002−299007号公報 特開2003−77621号公報
しかしながら、上記無張架状態の定着ベルトを用いる定着装置では、次のような改良が望まれる課題がある。
特許文献4又は特許文献5に記載の装置では、押圧パッドの定着ベルトと摺動する部分にはガラスコート層が形成されており、定着ベルトが摺動されることによって定着ベルトの内周面が削られ、異音を発生するおそれがある。定着ベルトを構成する一般的な材料はポリイミド等の耐熱性樹脂であり、ガラスより硬度が小さく、繰り返し摺動されることによって徐々に削られることになる。そして、長期間の使用によって定着ベルトが損傷することも考えられる。
また、特許文献4及び特許文献5には、押圧パッドと定着ベルトとの摺動面に潤滑剤を介在させることも記載されているが、潤滑剤が介在されていても凸部においては定着ベルトの移動によって潤滑剤が排除され易く、潤滑剤を介さずにガラスコート層と定着ベルトとが直接に接触する部分も生じる。このため、長期間にわたって装置が使用されればやはり定着ベルトの内面が削れることになる。
また、上述の摺動層としてのガラスコート層の代わりに、ガラスと比較して柔らかく、摩擦係数が小さいフッ素樹脂などで摺動面を形成することが考えられる。しかし、フッ素樹脂はガラスに比べて格段に弾性係数が小さく、加熱時にはさらに低下するため、摺動面に凹凸を設けても加熱加圧時にフッ素樹脂がつぶれて凹凸は無くなる。これにより、摺動面のフッ素樹脂は定着ベルトの内面と密着状態になり、摺動抵抗が上昇してしまうことになる。また、潤滑剤を介在させようとしてもフッ素樹脂の表面と定着ベルトの内面とが密着するため、圧接部分から潤滑剤が掃き出されてしまい、潤滑剤の効果は期待できない。
一方、押圧パッドと定着ベルトの内面との間に滑りシートを介在させる方法が考えられる。この滑りシートは、例えばガラス繊維製のシートであり、数十μmの厚さでフッ素樹脂(PTFEなど)をコーティングすることも可能である。このような滑りシートを用いることにより、加熱加圧時でも摺動面の凹凸は硬いガラス繊維で保持され、定着ベルトとの接触面積を小さくすることができる。また、接触している部分をフッ素樹脂等で被覆することによって、さらに摺動抵抗が低い状態で維持される。
しかしながら、滑りシートを用いる構成では部品点数が多くなり、滑りシートを固定するための構造、押圧パッドを固定するための構造等、定着ベルトの内側の構成が複雑になってしまう。
また、定着ベルトの内側にハロゲンランプ等の加熱源を有する装置であって、押圧パッドとのニップ部で定着ベルトを加熱する定着装置では、滑りシートを用いるとハロゲンランプによる輻射光が集光される押圧パッドと定着ベルトとの間に滑りシートが介在されることになり、熱伝導が悪くなって加熱の効率が低下する。このため、装置の立ち上げ時の予備加熱のための時間が長くなり、生産性も悪くなる。また、押圧パッドとして透光性の部材を用い、定着ベルトを直接に加熱する装置では、滑りシートが光の透過を阻害し、定着ベルトの加熱に対して悪影響を及ぼすことになる。
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構造で、定着ベルトとこの定着ベルトの内周面に圧接される押圧パッドとの摩擦抵抗を低減するともに、定着ベルトが削られたり、加熱の効率が低下したりするなどの弊害を抑制することができる定着装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 周回移動が可能に支持された無端状の定着ベルトと、 前記定着ベルトの外周面に当接され、軸線回りに回転駆動される加圧ロールと、 前記定着ベルトの内周面に対して摺擦されるように当接され、該定着ベルトと前記加圧ロールとの間に押圧力を作用させる押圧部材とを有し、 前記定着ベルトと前記加圧ロールの周面との周回移動により、これらの間に形成された定着ニップ部を通過する記録媒体上の未定着トナー像を加熱及び加圧して定着像とする定着装置であって、 前記押圧部材の基部は、前記押圧力が作用したときの変形が無視できる程度に大きな剛性を有する材料からなり、 該基部の前記定着ベルトに当接される面には、凹部と凸部とが形成されており、 前記凸部は、前記凹部を囲むように連続した頂部を有し、前記記録媒体が搬送される方向に対して傾斜した2方向に軸線を有する網目状に形成され、 前記凹部及び凸部が形成された表面を低摩擦材料でほぼ等厚に被覆する摺動層が形成されており、
前記凹部に潤滑剤が保持されている定着装置を提供する。
この定着装置では、押圧部材の基部に凹凸が設けられ、これを被覆する摺動層がほぼ等厚となっているので、摺動層で被覆された表面も凹凸を有するものとなっている。この表面が定着ベルトの内周面に押圧されると接触面積が小さくなるとともに、摺動層が低摩擦材料で形成されているため、押圧部材と定着ベルトとの間の摩擦抵抗が低減される。また、摺動層は、定着ベルトの内周面を構成する材料より柔らかい材料となっているので、定着ベルトが削れるのを防止することができる。さらに、摺動層に柔らかい材料が用いられているので、押圧部材が定着ベルトに圧接されたときに摺動層には変形が生じるが、押圧部材の基部はほとんど変形せずに押圧状態でも凹部及び凸部が維持され、摩擦を低減する効果が発揮される。
また、凸部が定着ベルトの内周面に圧接されると、この凸部に囲まれた凹部は、定着ベルトによって閉鎖された状態となる。定着ベルトと押圧部材との間に潤滑剤が供給されていると潤滑剤が凹部に貯留され、定着ベルトが摺動されても潤滑剤が簡単には下流側に掃き出されなくなる。そして、凹部から定着ベルトに密接した凸部に徐々に供給される。したがって、潤滑剤は長期間にわたって定着ベルトと押圧部材との接触部分に徐々に供給され、円滑な摺動状態が長く持続される。
さらに、上記のように凸部が形成されていることにより、定着ベルトの幅方向に凸部及び凹部の分布が均等に近くなり、幅方向に均等に押圧して画像に定着状態のムラが生じるのを防ぐことができる。また、凸部と凹部とがほぼ均等に分布することによって潤滑剤もほぼ均等に供給することができ定着ベルトとの摩擦をより低減することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の定着装置において、 前記凹部と凸部との高低差は、前記摺動層の厚さより大きく設定されているものとする。
この定着装置では、摺動層の厚さが薄くなっているので、定着ベルトに圧接されて変形が生じても、押圧部材の表面に形成された凹凸の形状は大きく変化せず、摩擦を低減する効果が維持される。
以上説明したように、本願に係る定着装置では、押圧部材に凹凸が設けられているので、定着ベルトとの接触面積が小さくなる。また、低摩擦材料からなる摺動層が定着ベルトと接触するため、押圧部材と定着ベルトとの間の摩擦抵抗が低減され、定着ベルトの円滑な駆動が可能となる。また、押圧部材の定着ベルトとの接触面には、摺動層として柔らかい材料を用いることにより、定着ベルトが削れるのを防止するとともに、柔らかい材料を押しつけても押圧部材の表面の凹凸を維持して摩擦を低減する効果を発揮することが可能となる。
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である定着装置の断面図である。また、図2は同じ定着装置の正面図である。
この定着装置は、加熱(定着)部材として電磁誘導発熱性を備えた無端状(円筒状)の定着ベルトを用い、これを回転駆動される加圧ロールに無張架の状態で押圧し、従動回転させるものである。
この定着装置は、無端状の周面を有する定着ベルト1と、この定着ベルト1の外周面に当接される加圧ロール2と、定着ベルト1の内周面に当接され、定着ベルト1を介して加圧ロール2が押圧される押圧パッド3と、該押圧パッド3を支持するパッド支持部材4と、定着ベルト1の外周面に沿って設けられ、該定着ベルト1を発熱させる電磁誘導加熱装置5と、定着ベルト1の両側縁部の内周面に当接されるガイド部材6と、加圧ロール2の周面に当接されている金属ロール7と、定着ベルト1と加圧ロール2との圧接部の出口近傍に設けられている剥離補助部材8とで主要部が構成されている。
上記定着ベルト1は、加圧ロール2と押圧パッド3とに挟持されるとともに、両側縁部ではガイド部材6で案内されるものであり、中央部では周方向にほぼ無張力状態で支持されている。この定着ベルト1は、図3に示すように、その内側から、耐熱性の高いシート状部材からなる基層1aと、その上に積層された導電性層1bと、さらにその上に積層された弾性層1cと、最も上層となる表面離型層1dとから構成されている。また、各層の間には接着のためにプライマー層を設けても良い。
基層1aとしては、例えば厚さ10〜150μm、さらに好ましくは厚さ50〜100μm(例えば75μm)の耐熱性の高い樹脂シートが用いられ、本実施例では、厚さ80μmのポリイミド樹脂のシート状部材が使用されている。
上記導電性層1bは、電磁誘導加熱装置5によって生じる磁界の電磁誘導作用により誘導発熱する層であり、鉄・コバルト・ニッケル・銅・アルミニウム・クロム等の金属層を1〜80μm程度の厚さで形成したものである。この導電性層は、電磁誘導による渦電流で十分な発熱が得られるように固有抵抗値を考慮して材質及び厚さが選択される。本実施例では、厚さ5μm程度の銅が使用されている。
弾性層1cは、厚さは10〜500μm、さらに好ましくは50〜500μmの、耐熱性、熱伝導性が良いシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が用いられる。本実施例では、ゴム硬度15°(JIS-A)、厚さ300μmのシリコーンゴムが
使用されている。
上記表面離型層1dは、被記録材上に転写された未定着トナー像と、直接に接する層であるため、離型性の良い材料を使用する必要がある。この表面離型層1dを構成する材料としては、例えば厚さ10〜50μmの、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。本実施例では、厚さ30μmのPFAが使用されている。
上記加圧ロール2は、金属製の円筒状の芯金2aを芯材とし、該芯金2aの表面にシリコーンゴム・フッ素ゴムなどの耐熱性を有する弾性層2bと、最表面に表面離型層(図示しない)とを備えている。本実施例では、加圧ロール2は、直径φ18の鉄のロールの上に弾性層として厚さ5mmのシリコーンスポンジ層が形成され、さらにその外側には、最上層の表面離型層として厚さ50μmのPFAが形成されており、直径φが28.1mm、表面硬度が60°(Asker-C 9.8N)となっている。
この加圧ロール2は、定着ベルト1を介して押圧パッド3に、総荷重294N(30kgf)で付勢されており、圧接部に定着ニップを形成している。そして、 駆動モータ(図示しない)によって周回駆動され、これにともなって定着ベルト1が従動回転する。そして、定着ニップつまり圧接された定着ベルト1と加圧ロール2との間に未定着トナー像Tが転写された被記録材Pを通過させることにより、定着ベルト1から供給される熱及び圧力で未定着トナー像Tを被記録材P上に定着して、定着画像を形成するようになっている。
上記押圧パッド3は、図4に示すように、パッド基体3aと、定着ベルト内周面と接触する面に形成された摺動層3bとで構成されている。
上記パッド基体3aは、加圧ロール2の弾性層2bより十分に弾性係数が大きい材料からなり、定着ベルト1と加圧ロール2とを押し付けるものであり、加圧ロール2の弾性層30bが変形して、定着ベルト1と加圧ロール2との間にニップ部が形成される。このパッド基体3aの材料としては、弾性係数が大きいことからアルミニウムや鉄などの金属を用いることができるが、本実施例のように、定着ベルト1を電磁誘導加熱装置5により直接発熱させる方式においては、定着ベルト1以外の部材への熱移動を極力小さくすることで加熱効率が良くなる。このため、パッド基体3aの材料としてはできるだけ熱伝導率の小さいものが望ましい。例えば、PES(ポリエーテルサルフォン)、ガラス入りPPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)などを好適に用いることができる。
パッド基体3aは、弾性係数の大きい材料を用いることによって、加圧ロール2に押圧したときにほとんど変形せず、加圧ロール2の回転によって周回方向に摩擦力が作用しても材料に永久歪みが生じにくくなっている。このため、長期にわたって押圧パッド3と加圧ロール2との圧接部の形状及び圧接力が適切に維持されるものである。本実施例では、パッド基体3aの材料としてPESを使用しており、曲げ弾性率(ASTM D 790)は2600MPaである。
上記パッド基体3aの表面には、少なくとも定着ベルト1の内面に圧接される部分に凹凸が形成されている。このパッド基体3aの表面の凹凸は、例えばパッド基体3aを成型によって作製する際に、凹凸形状が施された型を用いることによって形成することができる。
上記パッド基体3aの、少なくとも凹凸が施された面上には摺動層3bが形成されている。摺動層3bの材料としては、定着ベルト1の内周面を構成する材料との摩擦係数が小さいものが選択され、例えばテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂が好適である。
上記パッド基体3aに形成される凹凸の形態及びこれを被覆する摺動層3bの厚さは、定着ベルトを駆動するときの摩擦抵抗及び耐久性に影響するものであり、次のように設定される。
パッド基体3aの凸部3cは高さ10μm以上であることが好ましく、より好ましくは50μm〜300μmである。高さ50μm以上とすることで、押圧パッド3と定着ベルト1内面との摺動抵抗を有効に低減することができ、300μm以上としても効果は変わらず、加工等が困難になる。また、凸部3cのピッチは、100μm〜1mmであることが好ましく、より好ましくは300μm〜600μmである。このピッチを上記範囲とすることで、押圧パッド3と定着ベルト1内面との摺動抵抗をより好適に低減することができるとともに、定着ベルトが凹凸に規制されて波打つように変形が生じるのを防止することができる。ここで、凸部3cの高さとは、凹部3dの最下点と凸部cの頂点との高低差であり、ピッチとは、各凸部の頂点間の面方向の距離である。
上記凸部3cは、定着ベルト1との接触面において、図5に示すように網目状に設ける。また、網目の軸線は、例えば定着ベルト1の移動方向に対して傾斜した2方向に設定する。このように網目状に凸部3cが形成されることにより、凹部3dは網目状の凸部3cに囲まれた範囲にそれぞれが独立して形成されている。
上記摺動層3bの厚さは5μm以上であることが好ましく、より好ましくは20μm〜50μmである。厚さが5μm未満であると、装置が長期間使用された場合の磨耗が問題となり、厚さが50μmよりも厚い場合には、加圧ロール2が定着ベルト1を介して押圧パッド3に圧接された際に、弾性係数の小さいフッ素樹脂からなる摺動層3bがつぶれ易くなり、定着ベルト1の内面と密着する面積が大きくなる。このため、パッド基体3aの表面に設けた凹凸の効果が生かされなくなってしまう。本実施例では、摺動層3bとして厚さ20μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いている。
上記にように、押圧パッド3がパッド基体3a及び摺動層3bから構成され、接触面に凹凸を有していることにより、定着ベルト1に圧接されたときに接触面積を小さくすることができ、しかも接触しているのは定着ベルト1の内面に対して摩擦係数の小さい材料であるため、定着ベルト1と押圧パッド3との摺動抵抗を好適に低減することができる。また、高温・高圧の条件においても、凹凸形状が施されているパッド基体3aは弾性係数が十分に大きく、その上に形成されている摺動層3bは薄いため、定着ベルト1内面との接触面積は小さいままに保たれるので摩擦抵抗が大幅に増大することはない。
また、定着ニップ部における定着ベルト1と押圧パッド3との間に潤滑剤を介在させても良く、潤滑剤がない場合よりも摺動抵抗は長期間にわたって低い状態で維持されることになる。また、上記パッド基体の凸部3cが網目状に形成されていると、凸部3cに囲まれた凹部3d内に潤滑剤が貯留され、圧接される定着ベルトによって閉じこめられる。そして、定着ベルトの摺動により徐々に潤滑剤が凸部3cに供給されるので、摩擦を低減す効果が長期間にわたって持続される。
押圧パッド3の定着ベルト1との接触面、すなわち凸部3cの各頂点を結ぶ曲面は、定着ベルト1の移動方向における上流部では加圧ロール2と同方向の曲率を有し、この部分は上流側から下流側に向かって接触圧が増大するように設定されている。そして、この部分で定着ベルト1と加圧ロール2との間に送り込まれた被記録材Pに、加熱の進行とともに大きな接触圧を作用させる。
また、接触面は、定着ベルト1の移動方向における接触範囲の中心より下流側の位置で、上流部から滑らかに連続するように曲率が反転し、下流部では加圧ロール2の周面と逆方向であって、上流部より大きい曲率を有する。定着ベルト1は、接触範囲の下流側で最も強い圧接力で加圧ロール2の弾性層2bに押し付けられ、圧接部の出口付近でこの状態から解放されるものとなっている。このとき、押圧パッド3の下流部の曲率は加圧ロールの曲率とは逆方向で、十分に大きい曲率となっているため、定着ベルト1は押圧パッド3によって拘束されずに周方向に大きな曲率で移動する。これにより、被記録材Pがニップ部から排出されるとき、被記録材Pは自身の剛性によって定着ベルト1から良好に剥離されることになる。
上記パッド支持部材4は、定着ベルト1の幅方向に軸線を有する棒状部材であり、この部材の両端部はガイド部材6に嵌め合わせて支持される。この棒状部材の加圧ロール2と対向する部分に押圧パッド3が取り付けられており、定着ベルト1を介して加圧ロール2から押圧パッド3に作用する圧接力を、このパッド支持部材4によって負担する。パッド支持部材4の材料としては、電磁誘導加熱装置5による磁束の影響で加熱されないように、ガラス入りPPS(ポリフェニレンサルファイド)、フェノール、ポリイミド、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂や、耐熱ガラスを用いることができる。また、非磁性で固有抵抗値が2.7×10-8Ω・m以下の金属であれば、磁束の分布に大きな影響を与えず、それ自体もほとんど発熱しないため、パッド支持部材4として使用することができる。これらの金属としてはアルミニウム、銅、銀などが挙げられ、これらの金属は弾性係数が大きく、定着ニップに大きな荷重を加えた時の撓みを小さく抑えることができる。
上記ガイド部材6は耐熱性樹脂からなり、パッド支持部材4と嵌め合わされて支持するものであり、画像形成装置本体フレームに固定支持される支持部6aと、定着ベルト1の両側縁部の内側に当接される内面ガイド部6bと、内面ガイド部6bより半径方向に張りだして定着ベルト1の横移動を拘束するエッジガイド部6cとを備えるものである。
上記電磁誘導加熱装置5は、定着ベルト1の外周面に沿って、この外周面とのギャップが2mm程度となるように配置されており、定着ベルト1の導電性層1bを発熱させるものである。この電磁誘導加熱装置5は、定着ベルト1に沿った曲面を有する台座5aと、台座5aに支持された励磁コイル5bと、この励磁コイル5bに交流電流を供給する励磁回路5cとで主要部が構成されている。
上記励磁回路5cから励磁コイル5bに交流電流が供給されると、励磁コイル5bの周囲に磁束が生成消滅を繰り返す。交流電流の周波数は、10〜30kHz程度に設定され、本実施例では30kHzに設定されている。そして、この磁束が定着ベルト1の導電性層1bを横切るとき、その磁界の変化を妨げる磁界を生じるように導電性層1b中に渦電流が発生し、導電性層1bの表皮抵抗に比例した電力(W=I2R)でジュール熱が発生する。これにより、定着ベルト1が所定の温度に加熱される。
上記金属ロール7は、加圧ロール2の軸線方向の温度差を是正するために設けられたものである。幅方向の寸法が小さい記録紙へのトナー像の定着を連続して行うと、定着ベルト1の非通紙領域の温度が過度に上昇してしまうおそれが生じるが、この金属ロール7を加圧ロール2の周面に接触させ、加圧ロール2との間で熱交換を行う。これにより、加圧ロール2の幅方向に熱の移動が速やかに生じ、大きな温度差の発生が抑制されるので、定着ベルト1の非通紙領域の温度が過度に上昇するのが防止される。したがって、上記金属ロールは、熱伝導性の良好な材料からなるが望ましく、本実施例ではアルミニウムからなる直径φ10の中実のロールが用いられている。また、金属ロール7の表面にトナー等が付着しにくいように、該金属ロール7の表面にPFA等の離型層を設けてもよい。
上記剥離補助部材8は、ステンレス等の薄い板状部材を基板8aとし、この基板8aの先端部にシリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性部材8bが取り付けられている。この先端部がニップ部の出口で定着ベルト1と近接対向するように配置されている。この剥離補助部材8は、ニップ部を通過して定着ベルト1から剥離した記録紙の先端をすくい取り、記録紙が再び定着ベルト1に巻き付くのを防ぐものである。この剥離補助部材8の先端部には弾性部材8bが設けられているため、先端部が定着ベルト1に接触しても定着ベルトに傷がつきにくい。本実施例では、0.2mmのステンレスからなる基板の先端部にフッ素ゴムの弾性部材8bが設けられており、基板の方向と35°の角度に傾斜面を設けて先端が尖った形状となっている。そして、ニップ部出口から先端部までの水平距離が5mm、定着ベルト1の回転停止時における該定着ベルト1との距離が0.5mmとなるように設置されている。
次に、上記定着装置の動作について説明する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーによるトナー像Tが画像信号に基づいて形成され、図示しない転写装置により被記録材Pに転写される。これらのトナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダに着色顔料を含有させることによって構成されている。
一方、トナー像を形成する動作が開始されるのとほぼ同時に、加圧ロール2の駆動モータ(図示しない)及び電磁誘導加熱装置5に電力が供給される。そして、加圧ロール2が回転すると、これに従動して定着ベルト1が回転を開始し、電磁誘導加熱装置5と対向する加熱領域を通過する際に、導電性層1bに渦電流が誘導され、発熱する。このとき、定着ベルト1は、両側縁付近は内面ガイド部6bに接触して摺動するが、中央部は押圧パッド3以外の部材に接触することなく周回移動している。したがって、他の部材に熱を奪われることが少なく、効率の良い加熱が行われる。
定着ベルト1が周回して所定の温度まで加熱されると、未定着トナー像を担持した被記録材Pが、定着ベルト1と加圧ロール2とが接するニップ部に送り込まれる。ニップ部内では、ニップ部入口から接触面の曲率が反転する位置にかけて、押圧パッド3による接触圧が増大しており、被記録材P及びトナー像は徐々に加熱・加圧され、最も下流側で強く押し付けられてトナー像が圧着される。
そして、定着ベルト1は、ニップ部の出口付近でこの状態から解放されることによって周回方向に大きな曲率で移動する。これに対し、定着ベルト1と加圧ロール2との間で搬送される被記録材Pは、ニップ部の出口付近で圧接力が低減され、被記録材P自身の剛性によって曲率が小さくなる方向へ進行しようとし、定着ベルト1から引き離される。また、被記録材Pの先端が定着ベルト1から剥離されると、該被記録材Pは剥離補助部材8に接触し、この剥離補助部材8に案内されて確実に定着ベルト1から引き離される。
上記のような定着動作が連続して行われても、押圧パッド3の表面には凹凸が設けられ、さらに低摩擦材料からなる摺動層で被覆されているので、押圧パッドと定着ベルト1の内周面との間の摩擦は、長時間にわたって小さく維持され、定着ベルト1の周回駆動に支障を生じることが防止される。
次に、本発明に係る定着装置の効果を確認するために行った実験の結果を説明する。
この実験は、本願発明の実施例である定着装置と、この定着装置で用いられる押圧パッド3に代えて従来から知られている押圧パッドを用いた定着装置とについて、定着ベルトの駆動トルクを時間の経過を追って測定したものである。
本実験で用いた押圧パッドは以下の3種類である。押圧パッドの形状は、定着ベルトとの接触面がほぼ平坦となったものを用いている。
1)本発明の実施例
ポリエーテルサルフォン(PES)からなるパッド基体の表面に上記実施の形態と同じ凹凸を設け、その上にフッ素樹脂(PTFE)の摺動層(20μm)を設けたもの。
2)比較例1
PESからなるパッド基体にガラスコートを施し、該ガラスコートに凹凸を設けたもの。
3)比較例2
PESからなるパッド基体の平滑な表面上に滑りシートを設けたもの。滑りシートは、ガラス繊維を織ったシートにフッ素樹脂(PTFE)のコーティングを施したものを用いる。
実験条件は、加圧ロールを総荷重294N(30kgf)で圧接し、周速度を140mm/sとして回転駆動し、定着ベルトを従動回転させる。潤滑剤として、300csのシリコーンオイル1ccを、定着ベルト1内面と押圧パッドとの間に介在させる。そして、加圧ロールの駆動トルクを所定時間ごとに測定する。
上記実験の結果を図6に示す。
本発明の実施例である定着装置では、回転駆動開始時の駆動トルクが0.15N・mであり、時間が経過しても大きなトルク変動は無く、100時間経過後も初期トルクを維持していることがわかる。それに対して、比較例1の定着装置では、初期トルクは0.18N・mとやや高く、時間の経過とともにトルクは上昇していく。80時間後に0.28N・mまで上昇し、その後は安定している。つまり、比較例1では、押圧パッドの表面に凹凸が設けられているが、定着ベルトの内周面に接触する材料が硬いガラスであるため、初期トルクとしても本発明の実施例より高くなる。そして、時間が経過するとガラスと定着ベルトとが摺動することで定着ベルトの内周面が削れ、削れた粉がシリコーンオイルと混合することで潤滑剤としての機能が低下し、駆動トルクが高くなっていくと考えられる。
また、比較例2では、初期トルク、100時間後のトルクともに本発明の実施例とほぼ同じであることから、本実施例における押圧パッドは滑りシートを用いた装置とほぼ同等の機能を備えることが分かる。
図7は、本願発明の他の実施形態である定着装置を示す概略断面図である。
この定着装置は、無端状となった定着ベルト21と、この定着ベルトに圧接される加圧ロール22と、上記定着ベルト21の内周面に当接され、加圧ロール22との間に定着ベルト21を挟持する押圧パッド23と、定着ベルト21の周回移動をガイドするとともに、押圧パッド23を支持するガイド部材27と、定着ベルト21の内側で押圧パッドを背面側から加熱するハロゲンランプ25と、ガイド部材を支持する加圧ステイ24とを備えている。
定着ベルト21は、加圧ロール22と押圧パッド23との間に挟持され、無張架の状態で加圧ロール22の回転に従動して周回移動するものである。この定着ベルト21は内側から、耐熱性の高いシート状部材からなる基層と、その上に積層された弾性層と、最も上層となる表面離型層とから構成されている。また、各層の間には接着のためにプライマー層を設けても良い。
上記基層、弾性層及び表面離型層は、図3に示す定着ベルトと同じ材料を用いることができ、それぞれの層厚もほぼ同じ程度に設定することができる。また、加圧ロール22も、図1に示す定着装置と同じものを用いることができる。
定着ベルト21の内部空間に配置されたハロゲンランプ25は、出力が500〜1000Wのものを用いることができ、温度検知手段(図示せず)によって検出される定着ベルト21の温度に従って電力が供給され、約90%が赤外領域の波長である出力光が輻射される。ハロゲンランプ21の背面側に反射板26が設けられ、輻射光を効果的に押圧パッド23が設けられた定着ニップに集光するようになっている。
ベルトガイド27は、無張架の状態で駆動される定着ベルト21を案内し、定着ベルト21にシワやたるみが生じないように保持ものであり、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂によって形成されている。このベルトガイド27は、定着ニップを形成する押圧パッド23と連続するものとなっており、これらが金属で形成された加圧ステイ24に支持されている。そして、加圧ステイ24と加圧ロール22とが、総荷重9.8N〜490N(1〜50kgf)にて互いに加圧され、定着ベルト21と加圧ロール22とを圧接させて定着ニップを形成している。
押圧パッド23は、熱伝導率の大きい金属からなるパッド基体と、定着ベルトの内周面と摺動する面に形成される摺動層からなるものである。パッド基体は、厚さが0.5mmのアルミニウム部材が用いられ、ハロゲンランプと対向する面には、赤外線を吸収するための黒色化処理が施されている。パッド基体の定着ベルト21と摺動する側の面には凹凸が設けられ、その上に摺動層が形成されている。凹凸及び摺動層については、図1に示す定着装置と同じように設定することができる。また、定着ニップ部における定着ベルト21と押圧パッド23との間には潤滑剤を介在させておくことができる。
このような定着装置では、加圧ロール22の回転駆動に従動して定着ベルト21が駆動される。このとき押圧パッド23と定着ベルト21の内周面との間では摩擦抵抗が小さくなっており、定着ベルト21は円滑に駆動される。そして、押圧パッド23はハロゲンランプ25からの輻射熱によって背面側から加熱される。したがって、定着ベルト21と押圧パッド23とが圧接された定着ニップに、未定着トナー像を担持した被記録材Pが送り込まれると、押圧パッド23を介して加熱された定着ベルト21と密着し、加熱・加圧されてトナー像が被記録材Pに定着される。
次に、本実施形態における押圧パッド23を用いた場合と、表面が平滑な押圧パッドと滑りシートを用いた場合について、定着ベルトの加熱時における温度の変化を測定した結果について説明する。
実験条件は、総荷重を294N(30kgf)、定着ベルトの回転速度を140mm/sとし、ハロゲンランプに1000Wを投入して常温から加熱したときの、定着ニップ部における定着ベルトの温度を測定した。
比較例とした滑りシート用いた定着装置は、押圧パッドの摺動面を平滑に形成し、滑りシートを被覆したものを用いた。滑りシートは、ガラス繊維を織ったシートにフッ素樹脂(PTFE)のコーティングを施したものを用いる。
時間を追って定着ベルトの温度を測定した結果を図8に示す。
本実施形態における押圧パッドを用いたときは、ハロゲンランプへの電力投入開始から8秒後に定着ベルトの温度が約180℃まで上昇しているのに対して、従来例のように滑りシートを用いると、同じく8秒後の定着ベルト温度は約160℃までしか上昇していない。この結果から、滑りシートを用いないことで、良好な摺動性を確保しつつ、装置の立ち上がり時間を短縮できることがわかる。
本願に係る発明の一実施形態である定着装置の概略断面図である。 図1に示す定着装置の概略正面図である。 図1に示す定着装置で用いられる定着ベルトの拡大断面図である。 図1に示す定着装置で用いられる押圧パッドの断面図である。 図4に示す押圧パッドの摺動面に形成された凹凸を示す概略平面図である。 図1に示す定着装置と、押圧パッドとして従来例を用いた定着装置とについて、定着ベルトの駆動トルクを時間の経過を追って示す図である 本願に係る発明の他の実施形態である定着装置を示す概略断面図である。 図6に示す定着装置の初期駆動時における定着ベルトの温度を、従来例と比較して示す図である。
1:定着ベルト、 1a:基層、 1b:導電性層、 1c:弾性層、 1d:表面離型層、 2:加圧ロール、 2a:芯金、 2b:弾性層、 3:押圧パッド、 3a:パッド基体、 3b:摺動層、 3c:定着ベルトとの押圧面に形成された凸部、 3d:定着ベルトとの押圧面に形成された凹部、 4:パッド支持部材、 5:電磁誘導加熱装置、 5a:台座、 5b:励磁コイル、 5c:励磁回路、 6:ガイド部材、 6a:支持部、 6b:内面ガイド部、 6c:エッジガイド部、 7:金属ロール、 8:剥離補助部材、 8a:基板、 8b:弾性部材、 21:定着ベルト、 22:加圧ロール、 23:押圧パッド、 24:加圧ステイ、 25:ハロゲンランプ、 26:反射板、 27:ガイド部材

Claims (2)

  1. 周回移動が可能に支持された無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの外周面に当接され、軸線回りに回転駆動される加圧ロールと、
    前記定着ベルトの内周面に対して摺擦されるように当接され、該定着ベルトと前記加圧ロールとの間に押圧力を作用させる押圧部材とを有し、
    前記定着ベルトと前記加圧ロールの周面との周回移動により、これらの間に形成された定着ニップ部を通過する記録媒体上の未定着トナー像を加熱及び加圧して定着像とする定着装置であって、
    前記押圧部材の基部は、前記押圧力が作用したときの変形が無視できる程度に大きな剛性を有する材料からなり、
    該基部の前記定着ベルトに当接される面には、凹部と凸部とが形成されており、
    前記凸部は、前記凹部を囲むように連続した頂部を有し、前記記録媒体が搬送される方向に対して傾斜した2方向に軸線を有する網目状に形成され、
    前記凹部及び凸部が形成された表面を低摩擦材料でほぼ等厚に被覆する摺動層が形成されており、
    前記凹部に潤滑剤が保持されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記凹部と凸部との高低差は、前記摺動層の厚さより大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
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