JP4311011B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を採用した複写機やプリンター、あるいはファクシミリ等の画像形成装置において、未定着トナー像を加熱・加圧定着するのに用いられる定着装置に係わり、特に加熱部材として無端状の定着ベルトを使用した定着装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】
特願2002−185818号
【0003】
【従来の技術】
従来、上記電子写真方式を採用した複写機やプリンター、あるいはファクシミリ等の画像形成装置において、未定着トナー像を加熱・加圧定着するのに用いられる定着装置としては、少なくとも金属製のコアを有する加熱ロールの内部に、ハロゲンランプ等の加熱源を設けて、加熱ロールを内部から加熱するとともに、前記加熱ロールに加圧ロールを圧接させた状態で配設し、これら加熱ロールと加圧ロールとのニップ部間を、未定着トナー像が転写された記録媒体を通過させることにより、記録媒体上に未定着トナー像を熱及び圧力で定着させ、定着画像を得るように構成したものが、主に用いられている。
【0004】
ところが、近年の定着装置においては、省エネルギーの観点や、画像形成装置の使用時にユーザーを待たせない等の観点から、加熱部材を瞬時に所定の温度に加熱することができ、待ち時間(ウオームアップタイム)を略ゼロとした装置が求められており、従来の加熱ロールや加圧ロールを用いたロールタイプの定着装置に代わって、熱容量の小さい定着ベルトを用いたベルトタイプの定着装置が増加してきている。
【0005】
上記ベルトタイプの定着装置は、定着ベルトを複数の支持ロールによって張架している張架タイプと、定着ベルトを複数の支持ロールによって張架せずに使用している無張架タイプに大別することができる。
【0006】
これらのうち、定着ベルトを張架している張架タイプの定着装置は、定着ベルトの駆動、及び当該定着ベルトの引き回しにより、用紙の剥離に必要な曲率を定着ベルトに付与することができ有利であるが、定着ベルトを張架しているロールなどにより、定着ベルトの熱が奪われてしまうため、省エネルギー・ウオームアップ短縮に関しては、不利であるという難点を有している。
【0007】
一方、定着ベルトを張架しない無張架タイプの定着装置は、基本的に、定着ニップ部以外では両端部のエッジガイドでしか、定着ベルトに接触する部材がないため、当該定着ベルトの熱を無駄に奪われることが少なく、省エネルギー及びウオームアップ短縮に関しては有利である。しかし、通常、上記定着ベルトは、加圧ロールに従動回転するように構成されるため、定着ベルト内部に配設される押圧部材と定着ベルトとの摺動性の問題、及び剥離に必要な定着ベルトの曲率を如何に得ることができるかということが課題となる。
【0008】
そこで、本発明者らは、無張架タイプの定着装置の利点を生かしつつ、定着ベルト内部の押圧部材と定着ベルトとの摺動性の問題、及び剥離に必要な定着ベルトの曲率を如何に得るかという課題を解決するために、特願2002−185818号に係る定着装置を既に提案している。
【0009】
この特願2002−185818号に係る定着装置は、薄肉で柔軟性のある定着ベルトを加熱部材として使用し、定着ベルトの内部に弾性層を有する押圧部材を配設し、定着ベルトに圧接する加圧部材に対して、定着ベルトの内部から当該定着ベルトを介して、加圧部材を押圧することにより定着ニップを形成するように構成されている。
【0010】
上記定着ベルトは、薄肉の導電層を有し、当該定着ベルトの外部に、定着ベルトに対して一定のギャップを持って配設された磁場発生手段によって、電磁誘導作用により加熱されるように構成されている。また、上記定着ベルトは、その両端部で当該定着ベルトの内径に略等しい外径を有し、軸方向に沿った定着ベルトの蛇行を規制するエッジガイドによって支持される以外、基本的に無張架である。そのため、上記定着ベルトは、定着ニップ部以外では熱を奪う部材と接触することがないので、熱効率が良く、ウオームアップ短縮に非常に優れている。また、この定着ベルトは、無張架であり、加圧ロールの回転運動に伴って、従動で回転駆動されるようになっている。
【0011】
さらに、上記定着ベルトは、内部に配設される押圧部材と加圧ロールとの間で定着ニップが形成されており、即ち、静止している押圧部材との間で摺動しているため、定着ベルトと押圧部材との間に摺動部材を設け、潤滑用オイルを使用することにより、摺動抵抗を問題のないレベルまで低減することが可能となっている。また、上記定着装置では、押圧部材の形状を、定着ベルトの曲率とは反対の曲率を有する形状とし、定着ベルトの曲率が、定着ニップの内部から出口にかけて、反転するような形状となるように構成し、多量の未定着トナーが転写された記録媒体が定着ニップに突入した場合であっても、記録媒体を定着ベルトから確実に剥離することが可能となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記本発明者らが提案した特願2002−185818号に係る定着装置の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、本発明者らの研究によれば、定着ベルトの摺動性をさらに改善するべく、摺動部材に関して開発を進めるうちに、当該摺動部材が、摺動性そのものだけではなく、定着ベルトの安定した回転運動と記録媒体の剥離の双方に関して、重要な役割を果たしていることが判ってきた。
【0013】
まず、本発明者らは、定着ベルトの安定した回転運動に関して、摺動部材は定着ベルトと加圧部材の接触部にのみ存在すれば、摺動抵抗が小さくなり、定着ベルトの回転運動がスムーズになると考えていた。
【0014】
ところが、上記摺動部材は、定着ベルトと押圧部材の接触部にのみ存在すれば、定着ベルトの回転自体は、加圧ロールの回転に対して滑ることなく従動するものの、定着ベルトが回転するときに、当該定着ベルトに回転方向に沿った非常に大きな振れ(回転変動)が発生することがわかった。このように、上記定着ベルトに回転方向に沿った大きな振れが発生すると、磁場発生手段と定着ベルトとの距離が、当該定着ベルトの周回運動中に変化することになり、定着ベルトに投入される電力が変化してしまい、定着ベルトの回転方向の温度分布にムラが発生するという問題点を有している。上記定着ベルトに回転方向に沿った温度分布のムラが発生すると、定着画像の光沢にムラが生じて、画質が低下するという問題点が生じることになる。また、上記定着ベルトの回転方向の振れが大きいと、定着した画像が定着ニップを出た直後に、再び定着ベルトに接触してしまう場合があり、画像の荒れが生じる虞れがあるという問題点をも有している。
【0015】
かかる問題点を解決し得る技術としては、例えば、本出願人が提案した特願2002−148972号公報に係る定着装置が、既に開示されている。
【0016】
この定着装置は、加熱側ではなく、加圧側に無張架の加圧ベルトを使用したものであるが、加圧ベルトの内部には、定着ニップを形成する押圧部材の他に、定着ニップの入口側及び出口側に加圧ベルトの回転運動を安定させるために、軸方向の全域にわたってガイド部材を設けるように構成したものである。上記加圧ベルトは、回転運動中にガイド部材に接触することによって、安定した回転運動が可能となっている。
【0017】
この定着装置では、加圧ベルトの熱をガイド部材に奪われてしまうため、加熱側の定着ベルトに使用した場合には、無駄に熱を消費することになるが、加熱側ではなく、加圧側であるため、省エネルギー・ウオームアップに与える影響は少ない。
【0018】
これに対して、加熱側にベルトを使用した省エネルギー及びインスタントオンを目的とした本発明者らの提案に係る定着装置では、上記のごときガイド部材を加熱側の定着ベルトの内部に設けて、当該定着ベルトに接触させることは、定着ベルトの熱をガイド部材に奪われることになってしまい、省エネルギー及びインスタントオンを達成することができなくなるため、ガイド部材を設けることはできないという問題点を有している。
【0019】
そのため、本発明者らの提案に係る定着装置では、摺動部材を用いることによって、定着ベルトの回転自体に伴う摺動抵抗を低減することができ、加圧ロールの回転に伴い滑ることなく定着ベルトを従動回転させることができるが、摺動部材が定着ニップ内部の定着ベルトと押圧部材の接触部にしか存在しない構成では、ガイド部材を設けることができず、定着ベルトの振れが大きくなり、上述したように、定着ベルトの回転方向に沿った温度分布のムラや、定着ベルトが定着ニップを出た直後の画像に接触することによる画像の荒れといった問題点を解決することができない。
【0020】
また、上記定着装置では、記録媒体を定着ベルトから剥離するのに、定着ベルトの曲率が定着ニップの内部から外部に行くにかけて、凹形状から凸形状に変形するような構成としており、この曲率の変化を利用して、用紙のコシ(剛性)により剥離する方式を採用している。また、剥離補助部材として、定着ニップの出口にバッフルを非接触状態で定着ベルトに近接させて配設させている。上記バッフルは、その先端と定着ベルトとのギャップが1mm以下程度になるように設定されているが、定着ベルトの曲率変化が少ないと、用紙のコシを充分に利用することができず、定着ニップを通過した後の用紙がバッフルの内側(ベルト側)に潜り込んだり、バッフルに引っ掛かったりして、紙詰まりが発生する虞れがあるという新たな問題点を有していた。
【0021】
つまり、上記本発明者らの提案に係る定着装置では、定着ベルトの曲率の変化が非常に重要なパラメータになっており、この定着ベルトの曲率変化の形状は、定着ベルトそのものの剛性や、押圧部材の形状・硬度、加圧ロールの径・硬度、及び荷重でほぼ決定されるものである。
【0022】
しかし、摺動部材として剛性が高いものを用いた場合には、定着ベルトの変形に影響を与えてしまう、つまり、定着ベルトが変形し難くなり、所望の剥離性能が得られなくなってしまうという問題点を有している。
【0023】
さらに、摺動部材の剛性がある程度低くても、当該摺動部材を、定着ニップの出口側の端面から突出させた場合、当該突出している長さが長いと、定着ニップの出口で定着ベルトが凸形状になるのを妨げてしまい、剥離に必要な曲率の変化が得られなくなってしまい、やはり所望の剥離性能が得られなくなってしまうという問題点を有している。
【0024】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、省エネルギー及びインスタントオンを達成することができるのは勿論のこと、ベルト状部材の回転方向に沿った振れを抑制することができ、定着ムラや画像の荒れを防止し、且つ転写媒体の剥離不良や紙詰まり等が発生するのを防止可能な定着装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、周方向への周回移動が可能かつ、軸方向の両端部と定着ニップ部以外では無張架となるように支持された薄肉の導電層を有する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトに磁界を作用させることにより発熱させる磁界発生手段と、前記定着ベルトの外周面と対向するように配置された加圧部材と、前記定着ベルトの内面に圧接され、当該定着ベルトを前記加圧部材に押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材と定着ベルトの間に、摺動性を向上させる摺動部材を設け、前記定着ベルトと加圧部材との定着ニップ部間を通過する記録媒体上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着像とし、かつ前記定着ベルトの曲率を定着ニップ部の内部とその出口近傍で反転するように構成した定着装置を前提としている。
【0026】
上記摺動部材は、定着ベルトと押圧部材との間に摺動性を向上させるために、必要な部材であるが、当該摺動部材の剛性が高いと、摺動部材が定着ベルトの変形に影響を与えるようになり、剥離に必要な定着ベルトの変形が得られなくなる。そこで、摺動部材の剛性を定着ベルトの剛性に対して小さくすることで、仮に摺動部材が無かったとしたときのベルトの変形形状を妨げることなく、所望とする剥離性能が得られるようになる。
【0027】
また、摺動部材としては、シート状の物を用いることが多いが、一般的には、シート状の部材は、熱と圧力を受けると、経時的に変形してしまう。そのため、予め剛性が高い摺動部材を使用していると、初期の定着ベルトの変形は、摺動部材の影響を受けた形状となるが、経時的には摺動部材の影響が弱まり、定着ベルトの変形形状が経時的に異なってしまう。これにより、剥離補助部材として定着ベルトに近接して設けている剥離バッフルとの距離が、経時的に変化してしまうため、初期的には剥離可能と設定することができても、経時的にはバッフルとの距離が広がってしまい、用紙がバッフルに引っかかったりするジャムが発生したり、逆にバッフルとベルトとの距離が徐々に狭くなり、最終的にはバッフルとベルトが接触してしまい、ベルト傷が発生したりする。そのため、摺動部材の剛性は、予め定着ベルトの変形に影響を与えない程度の剛性に設定しておくのが望ましい。
【0028】
上記定着ベルトの導電層を形成する材料としては、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなどの種々の材料を用いることができるが、その中でも銅は、導電率が高いため、薄層化することによって、単位面積あたりの抵抗値を所定の値に設定することができ、発熱効率を向上させることができる。
【0029】
すなわち、上記導電層を有する薄肉の定着ベルトは、磁界の強度及び周波数を一定とすれば、単位面積あたりの抵抗値によって発熱量が決まり、鉄やニッケルなどの比較的導電率が低い材料を用いた場合には、導電層の厚さをある程度(約50〜70μm)程度に厚く設定しないと、所定の抵抗値が得られない。このように、鉄やニッケルなどからなる導電層の厚さをある程度厚くすると、必然的に定着ベルト自体の剛性が高くなり、当該定着ベルトは、柔軟性(フレキシビリティ)を失うことになる。上記定着ベルトは、剛性が高くなり、柔軟性(フレキシビリティ)を失うと、前記定着ベルトの内部に、弾性層を有する押圧部材を設け、当該押圧部材を定着ベルトを介して加圧部材に押圧することにより、定着のためのニップ部を形成する際に、加熱ベルトが加圧部材の表面形状に沿って変形し難くなる。その結果、剥離に必要な曲率変化を得ることが困難になる。また、仮に曲率変化を得たとしても、50〜70μmの厚さを有する金属層が、定着ニップを通過するたびに、繰り返し曲率変化を受けることで、金属層中にクラックが発生してしまう。金属層中にクラックが発生することで、所望の発熱を得ることが出来なくなってしまい、定着不良が発生してしまう。
【0030】
更に説明すると、上記定着ベルトの剛性については、例えば、当該定着ベルトの基材として用いられるポリイミドの物性値(ヤング率E)は、各メーカ・各種類により異なるが、2〜6Gpa程度である。ちなみに、ニッケルのヤング率Eは、205Gpaである。これに対して、銅の物性値(ヤング率E)は123Gpaであるが、ポリイミド層の厚さが例えば75μmに対して、銅からなる導電性層の厚みは、5μm程度であるため、剛性(EI:Iは厚さの3乗で効く)に対しては、たかだか1〜2%の寄与であり、定着ベルトの剛性は、基材であるポリイミド層などによって決まる。
【0031】
また、上記加圧部材としては、例えば、加圧ロールが用いられるが、この加圧ロールは、金属製コアの外周に弾性体層を有しないものであっても、弾性体層を有するものであっても何れでも良いが、定着ベルトの熱を奪いにくいという点で熱伝導率の悪い弾性体層を有する加圧ロールの方が好ましい。
【0032】
さらに、上記押圧部材としては、例えば、定着ベルトの内部に固定して配置されるパッド部材が用いられ、このパッド部材は、シリコンゴム等からなる弾性層と、当該弾性層を支持する金属等からなる支持部材などから構成されたものが用いられる。
【0033】
さらに、請求項1に記載された発明は、上記の如く構成された定着装置において、前記摺動部材の端部を、前記押圧部材の定着ニップ部出口側の端面から突出させるとともに、前記摺動部材の突出部を、前記定着ベルトの内面に接触するように配置したことを特徴とする定着装置である。
【0034】
このように、摺動部材の端部を、前記押圧部材の定着ニップ部出口側の端面から突出させることにより、その突出した摺動部材の先端部が、ベルトを加圧ロール側に軽く押さえつける板バネのような働きをし、無張架である定着ベルトの回転運動時の振れを小さくすることができる。定着ベルトの回転運動時の振れを小さくすることにより、加熱部材であるコイルと被加熱部材であるベルトとの距離をほぼ一定に保つことができ、電力の振れによる温度の振れや、ニップを出た直後の記録媒体が再びベルトと接触することで、画像が荒れてしまうといったような障害が解決できる。
【0035】
さらに、請求項1に記載の発明は、上記の構成に加えて、前記摺動部材の突出長が、前記定着ベルトの曲率が反転する変曲点の位置よりも短く設定されていることを特徴とする定着装置である。
【0036】
これは、ある程度剛性が低い摺動部材を用いても、その突出長が定着ベルトの曲率が反転する変曲点の位置よりも長いと、定着ベルトが凸に変形するのを妨げてしまうからである。すなわち、この変曲点では、定着ベルトは本来、他の部材に接触しておらず、この変形により記録材を剥離している。摺動部材の突出長さが長いと、ニップを出た後で凸形状になろうとしているベルトを、外に押し出す方向、すなわち、凸になろうとしているのを妨げる方向に力を与えることになり、凸の曲率が小さくなってしまい、所望とする剥離性能が得られなくなってしまう。
【0037】
そこで、摺動部材の突出長が、前記定着ベルトの曲率が反転する変曲点の位置よりも短くなるように設定する。このように、定着ベルトの変曲点よりも短くすることは、すなわち定着ベルトが凹になっている部分にだけ、摺動部材を沿わせるということであり、摺動部材はもともとニップ部の内部でベルトの変形に合わせた形状になっているため、ベルトの凹形状になっている部分、すなわち凹から凸に変曲する変曲点の位置までは、摺動部材の形状はベルトの形状にほぼ沿っており、ベルトの変形を妨げることはなくなる。よって、所望とする剥離性能に悪影響を与えることはなくなる。
【0038】
【作用】
【0039】
請求項1に記載の発明においては、摺動部材を定着ベルトと押圧部材の接触部よりも、プロセス方向でニップの出口側に突出させたので、無張架のベルトを、ガイド部材を設けなくても、安定した回転運動をさせることができ、コイルとのギャップをほぼ均一に保つことができるので、定着ベルトの周方向での温度の振れによる画像光沢ムラや、定着後の画像が定着ニップを出た後に再び定着ベルトと接触することにより生じる画像荒れなどの障害が無くなる。
【0040】
さらに、請求項1に記載の発明においては、定着ベルトの安定した回転運動が得られ、かつ柔軟な定着ベルトの変形を妨げることがなくなるので、画像に障害が無く、所望とする剥離性能を得ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0042】
参考実施の形態
まず、この参考実施の形態に係る定着装置の構成と、当該定着装置を構成する部材について説明する。
【0043】
この参考実施の形態に係る定着装置は、ウオームアップタイムの短縮化、及び記録媒体の剥離性能の確保を目的とし、定着部材としては、熱容量の小さい柔軟(フレキシブル)なベルト状の部材を使用し、このベルト状部材の内部には、熱を奪う部材を極力少なくする(極力部材を配設しない)ように構成されている。すなわち、上記ベルト状部材(定着ベルト)の内部には、加圧部材に対向して、定着ニップ部を形成する弾性層を有するパッド部材(押圧部材)のみしか、基本的には設けない構成を採用している。また、加熱対象となるベルト状部材を直接加熱できるように、ベルト状部材に導電性層を持たせ、磁界発生手段が発生する磁界によって誘導加熱させる方式を用いている。
【0044】
図1はこの発明の参考実施の形態に係る定着装置を示す概略構成図である。
【0045】
図1において、1は加熱定着部材としての定着ベルトを示すものであり、この定着ベルト1は、周方向(図中、矢印方向)への周回移動が可能かつ、軸方向の両端部と定着ニップ部以外では無張架となるように支持された薄肉の導電層を有する無端状の柔軟なベルトから構成されている。上記定着ベルト1は、図2に示すように、その内側から、耐熱性の高いシート状部材からなる基材層2と、当該基材層2の上に積層された導電層3と、トナー像の定着性を向上させる弾性層4と、最も上層となる表面離型層5とから構成されている。この実施の形態では、定着ベルト1として、シート状の基材層2と、導電層3と、弾性層4と、表面離型層5の4層からなる直径φ30mmの無端状ベルトが使用されている。
【0046】
上記定着ベルト1の基材層2は、例えば、厚さ10〜150μm、更に好ましくは厚さ50〜100μm(例えば、75μm)の耐熱性の高いシートであることが好ましく、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の耐熱性の高い合成樹脂からなるものが挙げられる。
【0047】
また、この参考実施の形態では、図3に示すように、無端状のベルトからなる定着ベルト1の両端部を、エッジガイド6に突き当てることによって、当該定着ベルト1の蛇行を規制して使用するように構成されている。このエッジガイド6は、定着ベルト1の内径よりも若干小さな外径を有する円筒状部7と、当該円筒状部7の端部に設けられたフランジ部8と、当該フランジ部8の外側に突設された円筒状あるいは円柱状の保持部9とから構成されている。なお、この保持部9を設ける代わりに、後述するボデイ17の端部を両端側に延長して設けても良い。上記エッジガイド6は、両フランジ部8の内壁面間の距離が、定着ベルト1の軸方向に沿った長さよりも若干長くなるように、当該定着ベルト1の両端部に固定した状態で配設されている。そのため、上記基材層2としては、定着ベルト1の回転中に、ニップ部以外の部分では、それ自身がつぶれることなく略円柱状の形状を保ち、当該定着ベルト1の端部がエッジガイド6に突き当たった場合でも、この定着ベルト1に座屈等が生じない程度の剛性を有する必要があり、例えば、厚さ50μmのポリイミド製のシートが使用されている。
【0048】
また、上記導電層3は、後述の磁界発生手段によって生じる磁界の電磁誘導作用により、誘導発熱する層であり、鉄・コバルト・ニッケル・銅・クロム等の金属層を1〜80μm程度の厚みで形成したものが用いられる。ただし、この実施の形態では、後述するパッド部材10(押圧部材)と加圧ロール11(加圧部材)とで形成される定着ニップ部12の内部、及びニップ部近傍で、当該定着ベルト1を変形させて使用する必要があるため、フレキシブルなベルトである必要があり、導電層3は、可能な限り薄層にすることが好ましい。
【0049】
この参考実施の形態では、導電層3として、導電率の高い銅を、発熱効率が高くなるように10μm程度の極薄い厚さで、上述のポリイミドからなる基材層2上に蒸着等の手段で形成したものが用いられている。
【0050】
上記弾性層4については、粉体であるが故に、凹凸を有する未定着画像に、定着ニップ内部にて、ムラ無く熱を与えられる程度の厚さがあれば良く、すなわち、定着された画像のグロスのムラが許容できるレベルになる程度の厚さがあれば良く、この厚さは、当該弾性層4の硬度にもよるが、例えばJIS−A硬度で10〜30°程度のシリコーンゴムであれば、100〜600μm程度の厚さがあれば良い。
【0051】
この参考実施の形態では、弾性層4として、硬度がJIS−A硬度で15°程度のシリコーンゴムを、300μmの厚さで導電層3である銅の上に形成したものが用いられている。
【0052】
さらに、上記表面離型層5は、記録媒体13上に転写された未定着トナー像14と、直接接する層であるため、離型性の良い材料を使用する必要がある。この表面離型層5を構成する材料としては、例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコン共重合体、またはこれらの複合層等が挙げられる。上記表面離型層5は、これらの材料のうちから適宜選択されたものを、10〜50μmの厚さでベルトの最上層に設けたものである。この表面離型層5の厚さは、薄すぎると、耐磨耗性の面で耐久性が悪く、定着ベルト1の寿命が短くなってしまい、逆に、厚すぎると、ベルトの熱容量が大きくなってしまう、つまりウオームアップが長くなってしまうため、望ましくない。
【0053】
この参考実施の形態では、耐磨耗性と、ベルトの熱容量のバランスを考慮して、定着ベルト1の表面離型層5として、厚さ30μmのテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)が使用されている。
【0054】
また、上記の如く構成される定着ベルト1の内部には、図1に示すように、例えば、シリコーンゴム等の弾性層15を有する押圧部材としてのパッド部材10が設けられている。このパッド部材10の形状は、例えば、図4に示すように、表面10aが円弧状になっており、相対する定着ベルト1とは反対の曲率を有している。さらに、上記パッド部材10は、定着ニップ部12の出口側に相当する側の弾性層15の厚さが、入口側よりも厚くなるように構成されている。また、このパッド部材10は、ハンドリングなどの観点から、SUS・鉄などの金属からなる厚さ1〜2mm程度のパッド支持部材16に支持されているが、このパッド支持部材16は、必ずしも必要ではない。なお、上記パッド支持部材16に支持されたパッド部材10は、図1に示すように、断面矩形状に形成されたボデイ17に保持された状態で、当該定着ベルト1を介して、後述する加圧ロール11に所定の荷重で押圧されて、定着ニップ部12を形成するように構成されている。
【0055】
この参考実施の形態では、図4に示すように、当該パッド部材10として、ゴム硬度がJIS−Aで20°のシリコーンゴム15を、幅が8.5mm、曲率半径Rが14mm、入口側のゴム厚が2.5mm、出口側の厚さが約5mmの形状のものが使用されている。このシリコーンゴム15は、SUS・鉄等の金属や、耐熱性の高い合成樹脂等からなる剛性を持つ支持部材16に積層されて用いられている。また、図5に示すように、上記シリコーンゴムからなる弾性層15自体の厚さは、一定であっても、パッド支持部材16の形状を同図に示すような円弧形状とすることで、加圧時の弾性層15の変形量を、定着ニップ部12の出口側の方が入口側よりも大きくなるようにしても良い。
【0056】
また、上記パッド部材10及び支持部材16を保持しているボディ17は、図示しない定着装置のフレームに固定した状態で配置されているが、弾性層15が所定の押圧力で後述する加圧ロール11の表面に圧接するように、図示しないスプリング等の付勢手段によって、加圧ロール11の表面に向けて押圧してもよい。
【0057】
ボディ17としては、たわみを一定量以下に抑えるための剛性を有する材料であること、誘導加熱に影響を与えない(与え難い)、または影響を受けない(受け難い)材料であることが求められる。これらの材料としては、例えばガラス入りPPSのような耐熱性樹脂や、磁場発生手段の影響を受けないように、磁場発生手段から出来るだけ遠い位置にアルミのような非磁性金属が使用される。本実施例では1辺が概略12mmのアルミを使用している。
【0058】
そして、上記定着装置は、図1に示すように、パッド部材10と定着ベルト1を介して対向する部分に、加圧部材11が設けられている。この加圧部材11は、当該加圧部材11とパッド部材10とで定着ベルト1を挟持した状態に保持して定着ニップ部12を形成し、当該定着ニップ部12を未定着トナー像14が転写された記録媒体13を通過させることにより、熱及び圧力で未定着トナー像14を記録媒体13上に定着して、定着画像を形成するようになっている。
【0059】
上記加圧部材11として、この実施の形態では、直径φ18mmの中実の鉄製ロール18の表面に、弾性層19として、厚さ5mmのスポンジ層が形成され、さらにその外側に、最上層として、表面離型層20が厚さ50μmのテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)を被覆した、外径φ28mmの加圧ロール11が使用されている。この加圧ロール11は、20kgfの荷重で定着ベルト1を介して押圧部材10に圧接されている。
【0060】
また、上記加圧ロール11の表面には、図1に示すように、熱伝導性の良いアルミニウムやステンレス等の金属からなる温度均一化ロール21が、離接可能に設けられている。この温度均一化ロール21は、定着装置に通電が開始された朝一番などで、定着ベルト1や加圧ロール11の温度が冷えているときには、加圧ロール11から離れた位置に停止している。そして、上記定着装置において、例えば、小サイズ用紙を連続して定着処理した場合など、当該定着装置が使用されるに連れて、定着ベルト1や加圧ロール11に軸方向に沿った温度差が生じたときには、上記金属ロール18を加圧ロール11と当接させるように構成されている。なお、上記温度均一化ロール21は、加圧ロール11に当接した際に、当該加圧ロール11と従動するようになっている。この実施の形態では、温度均一化ロール21として、直径φ10mmのアルミニウム製の中実ロールが使用されている。また、この実施の形態では、当該温度均一化ロール21の表面には、コーティング等を施していないが、例えば、PFA等の離型性の良いものをコーティングして、トナーなどの異物が付着しにくいようにしても良い。また、温度均一化ロールは、ウオームアップが多少遅くなるが、加圧ロールに常時当接する構成としてももちろん良い。
【0061】
この参考実施の形態では、上記加圧ロール11は、図示しない加圧手段により、定着ベルト1を介してパッド部材10に押圧された状態で、図示しない駆動手段によって回転駆動されている。
【0062】
加熱部材である定着ベルト1は、加圧ロール11の回転に従動して、循環移動するものである。そこで、この参考実施の形態では、図6に示すように、定着ベルト1とパッド部材10の間に、摺動性を良好とするため、摺動部材22を設ける必要がある。また、摺動部材22と組み合わせて潤滑オイル、潤滑グリース等の潤滑剤23を使用すると良い。この摺動部材22としては、摺動性が良く、耐摩擦性が強く、かつ熱に強い材料である必要があり、例えばテフロン(登録商標)樹脂を含浸させたガラス繊維シート(中興化成工業:FGF400−4等)、オイル保持のために表面を凹凸の形状としたポリイミドシート、オイルを保持しやすいゴアテックス(登録商標)のシートなどが用いられる。さらに、潤滑剤23としては、シリコーンオイルなどの離型剤を、定着ベルト1と摺動部材22との間に介在させることで、摺動性を向上させるように構成されている。
【0063】
この参考実施の形態では、摺動部材22としてテフロン(登録商標)樹脂を含浸させたガラス繊維シートを使用し、潤滑剤23としてアミン変性シリコーンオイルを使用している。図6に示すように、摺動シート22は、定着ベルト1とパッド部材10の接触面に設けられており、オイル23は、定着ベルト1と摺動シート22の間に介在する構成としている。
【0064】
このようにすることで、実際の加熱時において、加圧ロール11の空回転時の駆動トルクを、約0.6N・mから約0.3N・mにまで低減させることができる。従って、上記定着ベルト1は、加圧ロール11と滑ること無く従動し、加圧ロール14の回転速度と等しい速度で循環移動することが可能となっている。
【0065】
また、上記定着ベルト1は、上述したように、その軸方向の両端部において、図3に示すように、エッジガイド6により、軸方向の動きが規制されており、当該定着ベルト1が蛇行した場合には、当該定着ベルト1の端部が、エッジガイド6に突き当たることにより、それ以上の蛇行は防止される。かつ、当該定着ベルト1は、エッジガイド6にその端面が突き当たった場合においても、座屈が生じないレベルの強度を有しているので、当該定着ベルト1は、両端に設けたエッジガイド6による規制のみで、充分に使用に耐えうる。
【0066】
ところで、この参考実施の形態では、定着ベルトに磁界を作用させることにより発熱させる磁界発生手段を備え、前記導電層を有する薄肉の定着ベルトを、磁界発生手段が発生する磁界によって誘導加熱するように構成されている。
【0067】
上記磁界発生手段30は、図1に示すように、定着ベルト1の回転方向と直交する方向を長手方向とする横長に形成された部材であり、上方から見ると、中央部には空間が空いている楕円形状をしており、また断面方向で見ると、定着ベルト1の外形形状に沿ったアールを有する形状となっており、被加熱部材である定着ベルト1と0.5mm〜2mm程度のギャップを保持して、定着ベルト1に相対して設置されている。この実施の形態では、定着ベルト1の外側に配置される構成となっているが、ベルトの内側に設けても良い。
【0068】
上記磁界発生手段30としては、図7に示すように、例えば、励磁コイル31と、当該励磁コイル31を保持するコイル支持部材32と、励磁コイル31の中心部に設けられる強磁性体からなる芯材33と、励磁コイル31に対して定着ベルト1の反対側に設けられる磁場遮蔽手段34とで形成されている。
【0069】
上記励磁コイル31としては、例えば本参考実施の形態では、相互に絶縁された直径φ0.5mmの銅線材を20本束ねたリッツ線を、上記形状となるように巻いたものが用いられる。本実施の形態では、当該コイルを接着剤にて固めており、それ自身で形状を維持できるようになっており、図示しないホルダーに部分的に保持された状態で、当該定着ベルト1に対して所定のギャップが得られるように設置されている。もちろん、磁束を強めるために、コイルの中央部分にフェライトなどの強磁性体からなる芯材33を設けても良いし、耐熱性を有する樹脂等をボビンとして、それにコイルを巻き付けた状態で使用しても良い。
【0070】
この励磁コイル31には、図7に示すように、励磁回路35によって、所定の周波数の交流電流を印加することにより、当該励磁コイル31の周囲には変動磁界Hが発生し、この変動磁界Hが、定着ベルト1の導電層3を横切るときに、電磁誘導作用によって、その磁界Hの変化を妨げる磁界を生じるように、加熱ベルト1の導電層3に渦電流Bが生じる。上記励磁コイル31に印加する交流電流の周波数は、例えば、10〜50kHzに設定されるが、この参考実施の形態では、交流電流の周波数が30kHzに設定されている。すると、この渦電流Bが定着ベルト1の導電層3を流れることにより、当該導電層3の抵抗に比例した電力(W=I2 R)でジュール熱が発生し、加熱部材である定着ベルト1を加熱するものである。
【0071】
上記コイル支持部材32としては、耐熱性のある非磁性材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート等の耐熱性樹脂が用いられる。
【0072】
また、上記磁界遮蔽手段34としては、ソフトフェライトを用いるのが好ましい。この磁界遮蔽手段34は、励磁コイル31で発生した磁束を集めて、磁路を形成するものであり、効率の良い加熱を可能とすると同時に、磁束が定着装置外に漏れて、周辺部材が不本位に加熱されるのを防止するためのものである。
【0073】
また、上記励磁コイル31の中心部には、強磁性体であるフェライト等からなる芯材33が設けられている。このように構成することで、励磁コイル31で発生する磁束を効率よく集めることが出来、加熱効率を上昇させることができる。そのため、励磁コイル31に交流電流を印加する高周波電源の周波数を下げたり、励磁コイル31の巻き数を減少させたりすることが可能となり、電源の小型化、励磁コイル31の小型化、コストダウンを可能とすることができる。
【0074】
なお、この参考実施の形態では、図1に示すように、剥離補助部材として、定着ニップ部12の出口にバッフル40が、非接触状態で定着ベルト1に近接させて配設されている。上記バッフル40は、その先端と定着ベルト1とのギャップが1mm以下程度になるように設定されている。
【0075】
以上の構成において、この参考実施の形態に係る定着装置では、次のように、省エネルギー及びインスタントオンを達成することができるのは勿論のこと、ベルト状部材の回転方向に沿った振れを抑制することができ、定着ムラや画像の荒れを防止し、且つ転写媒体の剥離不良や紙詰まり等が発生するのを防止可能となっている。
【0076】
すなわち、この参考実施の形態に係る定着装置では、図1に示すように、加圧ロール14が例えば140mm/sのプロセススピードで、図示しない駆動源により回転駆動される。また、定着ベルト1は、上記加圧ロール14に圧接しており、当該加圧ロール14の移動速度と等しい140mm/sの速度で循環移動するようになっている。
【0077】
そして、上記定着装置では、図1に示すように、図示しない転写装置により、未定着トナー14が転写された記録媒体13が、定着ベルト1と加圧ロール11との間に形成された定着ニップ部12を通過し、当該定着ニップ部12内を記録媒体13が通過する間に、定着ベルト1と加圧ロール11とによって加熱及び加圧されることにより、トナー像14が記録媒体13上に定着されるようになっている。
【0078】
上記参考実施の形態に係る定着装置は、電力の投入、すなわち、加熱部材である定着ベルト1の加熱は、当該定着ベルト1の回転動作時のみ行うものであり、ウオームアップタイムが短くて、余熱をしなくてもユーザーをほとんど待たせないため、装置が使用される場合にのみ、電力を投入するものである。すなわち、上記定着装置は、薄肉で非常に熱容量が小さい定着ベルト1を加熱対象としており、当該定着ベルト1が接触している部材が、用紙が通過する領域においては、ほぼニップ部の内部で接触する押圧パッド10、摺動シート22と、加圧ロール11だけであり、かつ押圧パッド10は、シリコーンゴム、加圧ロール11は、シリコーンスポンジと熱伝導率の低い材料で形成しているので、定着ベルト1は、誘導加熱により生じた熱を他部材に奪われにくく、発熱したエネルギーを定着動作に有効に使用できる。
【0079】
例えば、この参考実施の形態では、A4サイズのL.E.F(Long EggeFeed)の記録媒体の場合で、1分間に30枚の記録媒体13が定着ニップ部12を通過する仕様であり、定着ベルト1の回転方向に対して、定着ニップ部12の上流側(ニップ入口)の温度が、朝一番の立ち上げ時は190℃、通常定着時は170℃にコントロールされることにより、1分間に30枚のカラー画像が乗った記録媒体13が定着ニップ部12を通過しても、定着レベルを維持することができるようになっている。また、朝一番の立ち上げ時間、すなわちウオームアップタイムは、1200Wの電力投入時には、約10秒となる。通常、このクラスの定着装置のウオームアップタイムは、3分〜7分であり、現段階で最も最速の定着装置においても30〜45秒は有しているので、カラー定着装置としては、最速の立ち上げ時間を達成し、室温からの立ち上げで10秒と言う極短時間で定着できるということを考えると、まさに使用するときだけ、電力を投入すれば良く、スタイバイモードやローパワーモードを必要としないため、非常に消費電力の少ない、省エネルギーの観点で非常に優れた定着装置であると言える。
【0080】
一般に、定着装置の定着ニップ部12に、60gsm程度の薄紙に、カラーのベタ画像など、トナーが多量に転写された記録媒体13が進入した場合には、トナーと定着ベルト1表面の離型層4との間で、引き付け合う力が強くなり、定着ベルト1の表面から記録媒体13を剥離するのが難しくなる。また、上記記録媒体13に転写されたトナー像が、記録媒体13上のどの位置にあるかにより、剥離の困難さが左右される。すなわち、記録媒体13の先端の余白が狭くなればなるほど、定着ベルト1と記憶媒体12の分離は困難になり、ジャム、画像グロスの荒れ・ムラ等が発生しやすい。
【0081】
上記記憶媒体12先端の余白部は、定着ベルト1に対して密着する力がほとんどないため、極端に言えば、先端の余白部が多ければ、余白部が定着ニップ部12内に存在する間に、ニップ出口において、記録媒体12の先端を出口ロールによって挟持し、定着ベルト1と離れる方向に、記録媒体12が定着ニップ部12内でスリップしない程度の力で引っ張ってやれば、上述のようなトラブルは発生しなくなる。
【0082】
しかし、近年は、余白の少なく定着装置が要求されており、カラー画像用の定着装置においても、3〜5mm程度の先端余白の記録媒体13を、画質にデイフェクトがないように剥離させる必要がある。
【0083】
この参考実施の形態では、記録媒体13を定着ベルト1から剥離させる方式として、当該定着ベルト1の曲率を利用した曲率剥離方式を採用している。この方式は、定着ニップ部12の内部で定着ベルト1を本来の凸の形状ではなく、凹の形状にし、定着ニップ部12を出た直後に、本来の凸形状に戻るような構成とすることで、定着ニップ部12を出た直後の記録媒体13が、定着ベルト1のニップ出口直後の変形に倣うことができず、用紙のコシ自体により、定着ベルト1から分離されるという方式である。そのため、上記定着ベルト1は、凹形状から凸形状への変化量が大きいほど、また凸形状の曲率が大きいほど、記録媒体13は、定着ベルト1から分離されやすくなり、剥離の性能が良くなる。すなわち、剥離性能を良好にするには、上述した定着ベルト1の変形が非常に重要となる。
【0084】
また、この参考実施の形態では、定着ニップ部12の出口近傍に、剥離補助部材として軸方向の全域に渡ってバッフル40が設けられており、記録媒体が定着ベルト1に巻き付くのを防止するように構成されている。上記バッフル40は、厚さ0.2mmのSUS板の全面にフッ素コーティングが施されており、定着ベルト1の静止時において、当該定着ベルト1とバッフル40先端のギャップが0.5mmになるように配設されている。
【0085】
上述したように、この参考実施の形態に係る定着装置では、定着ベルト1の変形が記録媒体13の剥離に対して非常に重要な役割を果たしており、この定着ベルト1の変形は、基本的には、ベルトの径・剛性、押圧パッド10の定着ベルト1と接触する面の形状、押圧パッド10の硬度、加圧ロール11の径・硬度、定着ニップに加わる荷重で決定される。
【0086】
しかし、本発明者らは、記録媒体13の剥離性等に関して、実験を進めるに連れて、定着ベルト1の摺動性を確保するために用いている摺動シート22の剛性によって、定着ベルト1の変形状態が異なり、剥離性能が異なることが判明した。以下に詳細を説明する。
【0087】
この参考実施の形態のように構成された定着装置において、先端余白が3mmの位置に、カラーのベタ画像などトナーが多量に乗った、60gsm程度の薄い記録媒体13が定着ニップ通過後に、画像に障害を受けることなく分離できるか否かのテストを、前述の摺動シート22の剛性を変化させて実施した。ここでは、前述の定着ベルト1の剛性を1としたときの摺動シート22の剛性を1、1/2、1/5、1/10と変化させ、バッフル40の先端の位置をそれぞれの場合のベルト変形に合わせて、ニップ出口からの距離が4mm、ベルトとのギャップが0.5mmになるように調整し、先端余白3mmを空けた位置に、坪量12.0g/m2 のトナーをほぼ全面に乗せた富士ゼロックス(株)製のS紙(56gsm)をそれぞれ10枚定着処理した。その際、画像に障害が出たものを△、用紙が定着ベルト1に巻き付いたり、バッフル40に引っ掛かったりしたものを×として、その発生率の比較を実施した。結果を図8に示す。ただし、この場合は摺動シート22の周方向の長さは、ベルト1と押圧部材10のほぼ接触部に等しい長さとした。
【0088】
ここで、上記定着ベルト1と摺動シート22の剛性については、以下の方法で測定を行った。大きさが10mm×30mmの試験片を、図9に示すように、先端の突出量が10mmとなるように片持ち梁状に支持した状態で設置する。その試験片の先端に、シートの厚さ方向に対して、1点集中荷重を加え、先端が5mm変位したときの荷重を測定する。また、定着ベルト1は、実際のベルトと同じ層構成を有するシートを試験片とし、同様に測定する。このとき、定着ベルト1に相当する試験片を5mm変位させるときの荷重(g)を1とし、例えば、その半分の荷重で5mm変位するものの剛性を1/2、1/5の荷重で5mm変位するものの剛性を1/5の剛性とした。
【0089】
その結果、図8に示すように、摺動シート22の剛性を定着ベルト1の剛性の1/5以下とすることで、所望とする剥離性能を得ることができることがわかった。
【0090】
また、このときの定着ベルト1のニップ内部、及びニップ出口近傍での変形を調べると、摺動シート22を無くしたときの定着ベルト1の変形形状とほぼ同等であった。すなわち、摺動シート22の剛性を定着ベルト1の剛性の1/5以下にすることで、定着ベルト1の変形を妨げることなく、定着ベルト1の曲率を利用して、所望の剥離性能を得ることができることがわかった。
【0091】
さらに、摺動シート22が長期間の使用で熱と圧力を受けることにより、ヘタってきた場合でも、もともと摺動シート22の剛性によって、定着ベルト1の変形形状は変わらないレベルの弱い剛性としているので、経時にわたり、定着ベルト1の変形形状は変わることがなく、安定した剥離性能を得ることができる。
【0092】
実施の形態1
図10及び図11はこの発明の実施の形態1を示すものであり、前記参考実施の形態と 同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態1では、摺動部材の端 部を、押圧部材の定着ニップ部出口側の端面から所定の長さだけ突出させるように構成 したものである。
【0093】
また、この実施の形態1では、前記摺動部材の突出長が、前記定着ベルトの曲率が反転する変曲点の位置よりも短く設定されるように構成されている。
【0094】
すなわち、この実施の形態1では、基本的な部分は、前記参考実施の形態と同じであるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0095】
この実施の形態1に係る定着装置は、前記参考実施の形態で説明したように、無張架である定着ベルト1の外部に、図1に示すように、例えば1.5mmの距離を隔てて配設された磁界発生手段30により、薄肉の定着ベルト1内の導電層3を誘導加熱し、定着ベルト1の内部に設けられた押圧部材10と、定着ベルト1を介して圧接される加圧ロール11との間で定着ニップ部12を形成し、加圧ロール11の回転運動に従動して定着ベルト1が回動する構成となっている。また、この定着装置は、省エネルギー・インスタントオンを目的とした定着装置であって、定着ベルト1から熱を奪う部材を極力少なくした構成となっており、軸方向全域にわたり定着ベルト1をガイドするガイド部材は、当該定着ベルト1の軸方向の両端部のエッジガイド6以外に設けられていない。
【0096】
また、上記定着ベルト1と押圧部材10の接触抵抗を低減するために、摺動シート22を介在させているが、この摺動シート22を図10に示すように、押圧部材10のニップ出口側端面から突出させることで、定着ベルト1の回転を安定させることができることがわかった。以下に詳しく説明する。
【0097】
ここでは、図1に示す定着装置を使用して、摺動シート22としては、その剛性が定着ベルト1の剛性の1/5であるテフロン(登録商標)樹脂を含浸させたガラス繊維シートを用い、その突出長さにより定着ベルト1の回転運動の振れがどの程度になるかを調べた。その際、摺動シート22の押圧部材22のニップ出口側の端面からの突出量を0mm、2mm、4mmと変化させ、回転時の定着ベルト1の振れを、非接触レーザー変位計を、ニップ出口90°の部分、ニップ部真上(ベルト頂点)の部分に設置して、鉛直方向と、水平方向の振れを測定し、比較を行った。結果を図12に示す。
【0098】
図12から明らかなように、摺動シート22が押圧部材22の端面から突出していないと、定着ベルト1の回転時の振れが大きいことが判る。
【0099】
実際に、摺動シート22の突出量を0mmに設定すると、定着ベルト1と励磁コイルの距離が、静止時の設定距離1.5mmに対して、回転中に鉛直方向で0.6mm振れているため、定着ベルト1の導電層3に投入される電力にも振れが生じ、結果として、定着ベルト1の表面温度にも周方向で10℃以上の振れが生じ、画像によっては、目に付くレベルの画像グロスのムラとなったり、部分的な定着不良となったりする。また、定着直後の用紙も定着ベルト1に再接触しやすく、画像が荒れてしまうなどという障害が発生した。
【0100】
一方、摺動シート22の突出量が2mm以上であれば、鉛直方向の振れは、0.2mmであり、定着ベルト1の表面温度の振れは5℃程度に収まり、画像に肉眼で検出できるレベルのグロスムラが出たり、部分的な定着不良が出たりすることがなかった。また、定着直後の用紙も定着ベルト1に再接触することがなく、画像の荒れなどの障害も発生しなかった。
【0101】
よって、上記摺動シート22は、押圧部材10のニップ出口側側面から突出させることが望ましく、これによりフリーな定着ベルト1の回転運動を安定させることができる。
【0102】
しかし、上記摺動シート22の突出量が長すぎると、剥離性能が悪化することが更なる実験により判明した。
【0103】
摺動シート22の突出量として、2mmのシートと、4mmのシートとで、先端余白が3mmの位置に、12.5g/m2 のトナーがほぼ全面に乗った60gsmの用紙の剥離性能がどう異なるかを、剥離補助部材として使用するバッフル40の先端の位置(ニップ出口からの距離、ベルトとのギャップ)を、それぞれどこまで近付けなければならないかという観点で比較した。結果を図13に示す。図13の表中の○が剥離可能、△が剥離はできるが画像に若干の障害がでるもの、×はバッフル40に引っ掛かったり、定着ベルト1に巻き付くものである。
【0104】
図13から判るように、摺動シート22の突出量を4mmにしてしまうと、明らかに用紙の剥離性能が悪化している。これは、突出量が4mmの摺動シート22を使用すると、ニップ出口側でベルト1が凸に変化しようとするのを妨げる方向の力を、摺動シート22が定着ベルト1に対して与えるため、凸の曲率が小さくなってしまい、剥離性能が悪化したものである。これは、この摺動シート22の先端の位置が、定着ベルト1が凹から凸に変化する変曲点の位置よりも長い部分にまで達しているため、凹から凸に変化しようとしている定着ベルト1の変形を妨げてしまっているためである。
【0105】
すなわち、摺動シート22は、ニップ部の内部では押圧部材10の変形、及び定着ベルト1の変形と同じ形状になっており、ニップ部を出た直後も定着ベルト1と同じ凹の向きである。定着ベルト1は、ニップ部を出た後に凹から凸に曲率を変化させるが、その変曲点よりもニップ部に近い位置に摺動シート22の先端があることが重要であり、変曲点の位置よりも長いと、定着ベルト1が凸に変形しようとするのを妨げることになってしまい、剥離性能が悪化してしまう。
【0106】
図11に示すように、本実施の形態の構成の定着ベルト1の変曲点は、ニップ出口からの距離が約3mmの位置にあるため、突出量が4mmの摺動シート22を使用した場合には、剥離性能が悪く、突出量が2mmの摺動シート22を使用した場合には、ベルトの変曲点よりもニップ側に、摺動シート22の先端がくるので、定着ベルト1が凹に変形するのを妨げないため、所望とする剥離性能が得れる。
【0107】
装置に求められる性能により、必要な定着ベルト1の変形量が異なり、すなわち、ニップ部を出た後、定着ベルト1の変曲点までの長さが異なり、摺動シート22の長さもそれに合わせて決めていく必要がある。
【0108】
よって、摺動シート22を押圧部材10のニップ出口側から突出させ、その先端の位置を、定着ベルト1の変曲点よりもニップ側にあるようにしたので、無張架で柔軟な定着ベルト1を安定して運動させることができ、かつ所望の剥離性能を得ることができる。
【0109】
その他の構成及び作用は、前記参考実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0110】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、省エネルギー及びインスタントオンを達成することができるのは勿論のこと、ベルト状部材の回転方向に沿った振れを抑制することができ、定着ムラや画像の荒れを防止し、且つ転写媒体の剥離不良や紙詰まり等が発生するのを防止可能な定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の参考実施の形態に係る定着装置を示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の参考実施の形態に係る定着装置で使用する定着ベルトを示す断面構成図である。
【図3】 図3は定着ベルトの支持構造を示す構成図である。
【図4】 図4は押圧部材を示す断面構成図である。
【図5】 図5は他の押圧部材を示す断面構成図である。
【図6】 図6は押圧パッドが定着ベルトに圧接する状態を示す模式図である。
【図7】 図7はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の更に具体的な構成を示す構成図である。
【図8】 図8は摺動部材の剛性を示す図表である。
【図9】 図9は摺動部材及び定着ベルトの剛性の測定方法を示す説明図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す構成図である。
【図12】 図12は実験結果を示す図表である。
【図13】 図13は実験結果を示す図表である。
【符号の説明】
1:定着ベルト、10:パッド部材、11:加圧ロール、22:摺動シート、30:磁界発生手段。

Claims (1)

  1. 周方向への周回移動が可能かつ、軸方向の両端部と定着ニップ部以外では無張架となるように支持された薄肉の導電層を有する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトに磁界を作用させることにより発熱させる磁界発生手段と、前記定着ベルトの外周面と対向するように配置された加圧部材と、前記定着ベルトの内面に圧接され、当該定着ベルトを前記加圧部材に押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材と定着ベルトの間に、摺動性を向上させる摺動部材を設け、前記定着ベルトと加圧部材との定着ニップ部間を通過する記録媒体上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着像とし、かつ前記定着ベルトの曲率を定着ニップ部の内部とその出口近傍で反転するように構成した定着装置において、
    前記摺動部材の端部を、前記押圧部材の定着ニップ部出口側の端面から突出させるとともに、前記摺動部材の突出部を、前記定着ベルトの内面に接触するように配置し、かつ前記摺動部材の突出長が、前記定着ベルトの曲率が反転する変曲点の位置よりも短く設定されていることを特徴とする定着装置。
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