JP4528031B2 - 架橋された複素環高分子およびそれからの繊維成型体 - Google Patents
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Description
で表わされる繰り返し単位からなる0.5g/100mlの濃度のメタンスルホン酸溶液で25℃にて測定した還元粘度が0.05〜100dl/gである剛直系複素環高分子100重量部に対しホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、およびヘキサメチレンテトラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を1重量部〜150重量部接触して得られる架橋された複素環高分子、それからなる繊維成形体、及びその製造方法を提供する事にある。
本発明における複素環高分子は下記式(A)及びまたは(B)
で表わされる繰り返し単位からなる0.5g/100mlの濃度のメタンスルホン酸溶液で25℃にて測定した還元粘度が0.05〜100dl/gである複素環高分子である。
ある。
複素環高分子(A)、及びまたは(B)は、次の方法によって良好な生産性で工業的に製造することができる。
(D)
(上記式(C)、(D)において、XはO、S、またはNHのいずれかを表し、Ar1は炭素数6〜20の4価の芳香族基を表わし、また(C)、(D)は塩酸塩でも構わない。)
で表わされる芳香族アミン誘導体およびその塩酸塩からなる群から選択される少なくとも1種と、下記式(E)
で表わされる芳香族ジカルボン酸誘導体の少なくとも1種とを反応させる方法が挙げられる。
0.8≦ (c+d)/e ≦1.2 (1)
(上記式中cは上記式(C)で表される芳香族アミン誘導体、dは上記式(D)で表される芳香族アミン誘導体、eは上記式(E)で表される芳香族ジカルボン酸誘導体の各仕込みモル数である。)
を満たすことが好ましい(c+d)/eが0.8より小さい場合や1.2より大きい場合には、重合度の十分なポリマーを得ることが困難である場合がある。(c+d)/eの下限としては、0.9以上が適当であり、より好ましくは0.93以上、さらに好ましくは0.95以上である。また、(c+d)/eの上限としては、1.1以下が適当であり、より好ましくは1.07以下、さらに好ましくは1.05以下である。従って、本発明における(c+d)/eの最適範囲は0.95≦(c+d)/e≦1.05ということができる。
上記記載の剛直系複素環高分子100重量部に対し、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、およびヘキサメチレンテトラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を1重量部〜150重量部接触させることにより架橋反応させ、架橋された剛直系複素環高分子を得ることができる。
好ましい架橋剤は、ホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミンで有るがこれに限定されるものではない。
架橋反応の温度は−30℃から1000℃好ましくは50℃から300℃である。架橋方法は成型前にポリマードープに加える方法、成型時に凝固浴に浸漬、及びまたは洗浄浴に浸漬することに加え成型し架橋することも好ましく利用できる。
上記記載の剛直系複素環高分子を紡糸することにより繊維成型体を得ることができる。
本発明の繊維成型体の紡糸方法は湿式紡糸、ドライジェット紡糸が好ましく利用できる。紡糸の際、上記記載の重合方法により得られた剛直系複素環高分子を溶媒に溶かしポリマードープとする、あるいは、溶液重合によって得られた反応溶液をそのままポリマードープとして用いることが出来る。
熱処理の際成型体に緊張を加えることも好ましく使用される。
(1)還元粘度:0.5g/100mlの濃度のメタンスルホン酸溶液で25℃にて測定した値である。
(2)機械特性:オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機1225Aにより引っ張り試験を行い、弾性率を求めた。
(3)架橋の進行の判断:得られた繊維をメタンスルホン酸に0.5g/100mlの濃度で溶解させた際のゲルの発生、及びIRスペクトル、広角X線写真により判断した。
4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジオール二塩酸塩7重量部を、窒素で脱気した水33mlに溶解した。2,5−ジヒドロキシテレフタル酸6.180重量部を、1M水酸化ナトリウム水溶液64重量部に溶解し窒素で脱気した。4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジオール二塩酸塩水溶液を、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸二ナトリウム塩水溶液に10分間かけて滴下し、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジオール/2,5−ジヒドロキシテレフタル酸塩の白色沈殿を形成させた。この際、反応温度は90℃に維持した。得られた塩を、ろ過し、窒素で脱気した水3000重量部に分散混合し、再度ろ過を行った。この分散混合、ろ過操作を3回繰り返し行った。
参考例1にて得られた4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジオールの2,5−ジヒドロキシテレフタル酸塩13.1gにポリりん酸43.3重量部、5酸化りん15.0重量部、塩化スズ0.1重量部を加え80℃にて1時間攪拌混合した。その後2時間かけ150℃に昇温し150℃にて6時間攪拌を行った。その後1時間かけて200℃に昇温し200℃にて1時間反応を行った。得られたポリマーの還元粘度は15dl/gであった。
2,5−ジヒドロキシテレフタル酸6.180重量部の代わりにピリジンジカルボン酸5.213重量部を用いたほかは参考例1と同様の操作を行った。
参考例3にて得られた4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジオールのピリジンジカルボン酸塩を用いたほかは参考例2と同様の操作を行った。得られたポリマーの還元粘度は36dl/gであった。
参考例2にて得られたポリマードープを孔径0.5mm、孔数1個のキャップを用いド−プ温度を180℃に保ち、2.0/minでイオン交換水の凝固浴に押し出した。キャップ面と凝固浴との距離は20cmとした。押し出した繊維は30m/minで巻取り、約40重量パーセントのヘキサメチレンテトラミン水溶液中で3時間浸漬を行い150℃で12時間減圧乾燥しフィラメントを得た。得られたフィラメントの弾性率を表1に示す。得られた繊維をメタンスルホン酸に0.5g/100mlの濃度で浸漬させたところ自己支持性のあるゲルが得られた。
巻き取り速度を40m/minにしたほかは実施例1と同様の操作を行った。得られたフィラメントの弾性率を表1に示す。
得られたフィラメントのIRスペクトルを図1、広角X線写真を図2にしめす。
ヘキサメチレンテトラミン水溶液に代えてイオン交換水中に3時間浸漬したほかは実施例1と同様の操作を行った。0.5g/100mlの濃度でメタンスルホン酸に溶解させたところ均一な溶液が得られた。得られたフィラメントの弾性率を表1に示す。
巻き取り速度を40m/minにしたほかは比較例1と同様の操作を行った。得られたフィラメントの弾性率を表1に示す。
得られたフィラメントのIRスペクトルを図3、及び広角X線写真を図4にしめす。
参考例4にて得られたポリマードープを孔径0.5mm、孔数1個のキャップを用いド−プ温度を180℃に保ち、2.0/minでイオン交換水の凝固浴に押し出した。キャップ面と凝固浴との距離は20cmとした。押し出した繊維は75m/minで巻取り、約40重量パーセントのヘキサメチレンテトラミン水溶液中で3時間浸漬を行い150℃で12時間減圧乾燥しフィラメントを得た。得られたフィラメントの弾性率を表2に示す。得られた繊維をメタンスルホン酸に0.5g/100mlの濃度で浸漬させたところ自己支持性のあるゲルが得られた。
巻き取り速度を140m/minにしたほかは実施例3と同様の操作を行った。得られたフィラメントの弾性率を表2に示す。
得られたフィラメントの広角X線写真を図5に示す。
ヘキサメチレンテトラミン水溶液に代えてイオン交換水中に浸漬したほかは実施例1と同様の操作を行った。0.5g/100mlの濃度でメタンスルホン酸に溶解させたところ均一な溶液が得られた。得られたフィラメントの弾性率を表2に示す。
巻き取り速度を140m/minにしたほかは比較例4と同様の操作を行った。得られたフィラメントの弾性率を表2に示す。
得られたフィラメントの広角X線写真を図6に示す。
Claims (4)
- 下記式(A)及び/または(B)
で表わされる繰り返し単位からなる0.5g/100mlの濃度のメタンスルホン酸溶液で25℃にて測定した還元粘度が0.05〜200dl/gである剛直系複素環高分子100重量部に対し、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、およびヘキサメチレンテトラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を1重量部〜150重量部接触させることにより得られる架橋された複素環高分子。 - 請求項1に記載の架橋された複素環高分子からなる繊維成形体。
- 下記式(A)及びまたは(B)
で表わされる繰り返し単位からなる剛直系複素環高分子100重量部と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、およびヘキサメチレンテトラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種とを1重量部〜150重量部接触させることを特徴とする架橋された複素環高分子の製造方法。 - 下記式(A)及びまたは(B)
で表わされる繰り返し単位からなる剛直系複素環高分子を、湿式紡糸あるいはドライジェット紡糸により紡糸して、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、およびヘキサメチレンテトラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種類の溶液に浸漬することを特徴とする架橋された複素環高分子からなる繊維成型体の製造方法。
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