JP2003213127A - 高耐久性ポリベンザゾール組成物 - Google Patents

高耐久性ポリベンザゾール組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温高湿度下に長時間保管された後も強度保持
率が高いポリベンザゾ−ル組成物、繊維およびフィルム
を提供すること。 【解決手段】グアニジン類、トリアゾール類、等の水ま
たは親水性溶剤に溶解する塩基性物質を含有する高耐久
性ポリベンザゾール組成物、繊維およびフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリベンザゾール
に対して優れた保存安定性を与える安定化剤をポリベン
ザゾールに含有させてなる高耐久性ポリベンザゾール組
成物、及び該ポリベンザゾール組成物からなる繊維又は
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高耐熱、高強力繊維としてポリベンゾオ
キサゾール(PBO)、ポリベンズイミダゾール(PB
I)またはポリベンゾチアゾール(PBT)のポリマー
(以下、ポリベンザゾールと呼ぶ)からなる繊維が知ら
れている。
【0003】通常、ポリベンザゾール繊維は鉱酸を溶媒
として液晶紡糸することにより製造される。紡糸ノズル
を出たポリマードープは水洗工程に入り、鉱酸が水層に
抽出される。この水洗工程では、糸は徹底的に水で洗浄
された後、水酸化ナトリウム等の無機塩基性化合物の水
溶液槽を通り、糸中に抽出されずに残っている鉱酸は中
和される。その後、再び洗浄される。糸の内部まで中和
されるように塩基性化合物を付与されることが非常に重
要である。水洗状態および無機塩基性化合物の付与量が
何らか原因で変動した場合、糸の内部環境は酸性側また
は塩基性側へずれる。もし、糸中に鉱酸が中和不充分な
形で残った場合、高温かつ高湿度下に長時間曝された時
に、ポリベンザゾール繊維はその引っ張り強度が低下す
る傾向がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、何らかの理由
で鉱酸が中和不充分な形で残った場合でも高温かつ高湿
度下に長時間曝されたことによる強力低下が小さいポリ
ベンザゾール繊維およびフィルムが望まれている。本発
明はこの強力低下が小さいポリベンザゾールを得ること
を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、下記の構成からな
る。 1.塩基性物質を含有することを特徴とする高耐久性ポ
リベンザゾール組成物。 2.塩基性物質が有機化合物であることを特徴とする上
記第1記載の高耐久性ポリベンザゾール組成物。 3.塩基性物質が水または親水性溶剤に溶解する有機化
合物であることを特徴とする上記第1記載の高耐久性ポ
リベンザゾール組成物。 4.塩基性物質が、グアニジン類、トリアゾール類、キ
ナゾリン類、ピペリジン類、アニリン類、ピリジン類ま
たはシアヌル酸類であることを特徴とする上記第1記載
の高耐久性ポリベンザゾール組成物。 5.上記第1のポリベンザゾール組成物からなることを
特徴とする高耐久性ポリベンザゾール繊維。 6.上記第1のポリベンザゾール組成物からなることを
特徴とする高耐久性ポリベンザゾールフィルム。 以下、本発明を詳述する。
【0006】本発明におけるグアニジン類としては、重
炭酸アミノグアニジン、1,3−ビス(2−ベンゾチア
ゾリル)グアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、
1,3−ジ(o−トルイル)グアニジン、1,2,3−
トリフェニルグアニジン等があげられる。トリアゾール
類としては2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−ト
リアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,
5,6−テトラヒドロフタルイミドーメチル)−5−メ
チルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ
−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。キナゾリン類としては、
キナゾリン−2,4−ジオン等があげられるピペリジン
類としてはピペラジン等があげられる。アニリン類とし
ては、アニリン、o−ヒドロキシアニリン、o−フェノ
キシアニリン、p−ヒドロキシアニリン等があげられ
る。ピリジン類としてはピリジン等があげられる。また
はシアヌル酸類としては、イソシアヌル酸等があげられ
る。これらの塩基性有機化合物の1つまたは2つ以上の
化合物の併用もあり得る。添加量はポリベンザゾールに
対して0.01%〜20%、好ましくは0.1%〜10%
である。勿論本発明技術内容はこれらに限定されるもの
ではない。
【0007】本発明におけるポリベンザゾールとは、ポ
リベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾー
ル(PBT)またはポリベンズイミダゾール(PBI)
から選ばれる一種以上のポリマーをいう。本発明におい
ては、PBOは芳香族基に結合されたオキサゾール環を
含むポリマーをいい、その芳香族基は必ずしもベンゼン
環である必要はない。さらにPBOは、ポリ(フェニレ
ンベンゾビスオキサゾール)や芳香族基に結合された複
数のオキサゾール環の単位からなるポリマーが広く含ま
れる。同様の考え方は、PBTやPBIにも適用され
る。また、PBO、PBT及び、またはPBIの混合
物、PBO、PBT及びPBIのブロックもしくはラン
ダムコポリマー等のような二つまたはそれ以上のポリベ
ンザゾールポリマーの混合物、コポリマー、ブロックポ
リマーも含まれる。好ましくは、ポリベンザゾールは、
ライオトロピック液晶ポリマーであり(鉱酸中、特定濃
度で液晶を形成する)、本発明においてはポリベンゾオ
キサゾールが好ましい。
【0008】PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択
される。モノマー単位は構造式(a)〜(i)に記載されて
いるモノマー単位から成る。
【0009】
【化1】
【0010】ポリベンザゾールポリマーの溶液(ポリマ
ードープという)は、ポリマーを酸性溶媒中で重合する
ことにより容易に調製することができる。溶媒として好
ましくは鉱酸であり、例えば硫酸、メタンスルフォン
酸、またはポリリン酸があるが、最も好ましくはポリリ
ン酸である。ドープ中のポリマー濃度は、1〜30%、
好ましくは1〜20%である。
【0011】本発明において、好適なポリマーまたはコ
ポリマーとドープは公知の方法で合成される。例えばWo
lfeらの米国特許第4,533,693号明細書(1985,8,6)、Sy
bertらの米国特許第4,772,678号明細書(1988,9,22)、
Harrisの米国特許第4,847,350号明細書(1989,7,11)ま
たはGregoryらの米国特許第5,089,591号明細書(1992,
2,18)に記載されている。要約すると、好適なモノマー
は非酸化性で脱水性の酸溶液中、非酸化性雰囲気で高速
撹拌及び高剪断条件のもと約60℃から230℃までの
段階的または一定昇温速度で温度を上げることで反応さ
せられる。
【0012】繊維を製造する場合、ドープは紡糸口金か
ら押し出し、空間で引き伸ばしてフィラメントに形成さ
れる。好適な製造法は先に述べた参考文献や米国特許第
5,034,250号明細書に記載されている。紡糸口金を出た
ドープは紡糸口金と洗浄バス間の空間に入る。この空間
は一般にエアギャップと呼ばれているが、空気である必
要はない。この空間は、溶媒を除去すること無く、か
つ、ドープと反応しない溶媒で満たされている必要があ
り、例えば空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭
素等が挙げられる。
【0013】紡糸後のフィラメントは、過度の延伸を避
けるために洗浄され溶媒の一部が除去される。そして、
更に洗浄され、適宜水酸化ナトリウム等の無機塩基性物
質で中和、さらに洗浄される。この段階までにほとんど
の溶媒は除去される。ここでいう洗浄とは、繊維または
フィラメントをポリベンザゾールポリマーを溶解してい
る鉱酸に対し相溶性であり、ポリベンザゾールポリマー
に対して溶媒とならない液体に接触させ、ドープから酸
溶媒を除去することである。好適な洗浄液体としては、
水や水と酸溶媒との混合物がある。フィラメントは、好
ましくは残留鉱酸濃度が8000ppm以下、更に好ま
しくは5000ppm以下に洗浄される。その後、フィ
ラメントは、乾燥、熱処理、巻き取り等が必要に応じて
行われる。ポリベンザゾール繊維はロープ、ケーブル、
繊維強化複合材料または耐切創衣料等に応用可能であ
る。
【0014】フィルムを製造する場合、典型的には米国
特許第4,487,735号明細書等に記載されている
ように粘稠なドープを回転ドラム上に押し出すことによ
り一軸配向フィルムができる。これをチューブとして押
し出し、マンドレル上で吹き込みまたは押し込むことに
より二軸配向させる。次いで水中に浸して凝固させるこ
とにより、フィルムを形成させることができる。そし
て、更に洗浄することにより溶媒を除去することができ
る。
【0015】本発明組成物を得る方法として、つまり前
記塩基性物質をポリベンザゾールに含有させる方法とし
ては特に限定されず、ポリベンザゾールの重合段階、ド
ープの洗浄段階、乾燥工程前、または後加工段階で含有
させることができる。ポリベンザゾールの重合段階での
塩基性物質の付与の方法としては、原料を仕込む際に同
時に塩基性物質を仕込む方法、段階的または一定昇温速
度で温度を上げて反応させている任意の時点で塩基性物
質を添加する方法、また、重合反応終了時に塩基性物質
を添加する方法が好ましい。ポリベンザゾールのドープ
の洗浄段階または乾燥工程前での付与方法としては、水
または親水性有機溶媒に塩基性物質を溶解し、この溶液
中にドープ、フィラメントまたはフィルムを浸漬する方
法が好ましい。剛直な構造となった後加工段階での付与
の方法としては、塩基性物質を溶剤に溶解し、マルチフ
ィラメント、ステープル、ファブリック等を浸漬し、後
に溶剤で洗浄して溶媒だけを除く方法が好ましい。塩基
性物質を賦与する場合の浸漬時間は0.1秒以上、好ま
しくは10秒以上であれば何秒でも十分量を賦与するこ
とが出来る。また、2種類以上の塩基性物質の同時添加
も可能である。
【0016】水洗後、50℃以上、通常300℃以下で
乾燥することにより塩基性物質をを固定する。熱処理後
の引っ張り強度保持率は、塩基性物質を付与していない
ポリベンザゾール成型体に対して80%以上を有し、熱
処理によるポリマーへの悪影響は少ない。
【0017】繊維内部における塩基性物質の化学的な存
在状態や作用については明確にはわかっていない。単純
には高温かつ高湿度下で環境中の水分がポリベンザゾー
ル繊維またはフィルム内に侵入し、残留している鉱酸が
この水分により解離してプロトンを放出する。このプロ
トンを塩基性物質が捕捉して系内を中性に保つことによ
り、強度低下を防止していると推定されるが、本発明は
この考察に拘束されるものではない。
【0018】評価方法は以下のとおりである。高温かつ
高湿度下での強度の評価は、繊維およびフィルムについ
ては高温高湿度環境下での保存の前後での繊維の強度保
持率を測定することで評価した。高温高湿度下での保管
試験にはヤマト科学社製Humidic Chambe
r 1G43Mを用いた。直径5cmの糸巻に繊維また
はフィルムを巻き付けて装置にセットし、80℃、相対
湿度80%の条件下にて100日間連続運転を行った。
【0019】強度保持率は、高温高湿度保管前後の繊維
強度をJIS−L1013に準じてテンシロン試験機
(A&D社製、型式RTM250)にて測定し、暴露試
験後の繊維強度値を高温高湿度保管試験前の繊維強度値
で除して求めた。フィルムについては、長さ5cm、幅
1mm、厚さ8.5μmにカットした後、同様にして強
度を求めた。
【0020】
【実施例】以下に実例を用いて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受
けるものではなく、前後記の主旨に適合し得る範囲で適
当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それ
らはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。なお実施例
における各特性値は、以下の方法によって測定した。
【0021】フィルム状ポリベンザゾール:ポリベンザ
ゾールのポリリン酸溶液(ポリマードープ)を調製後、
ヒートプレス機で175℃、150kg/cm2の条件
下でポリテトラフルオロエチレンシートに挟んだ状態で
プレスした。その後、ポリマードープをポリテトラフル
オロエチレンシートに挟んだまま130℃で縦方向に3
倍および横方向に3倍延伸した。冷却後、ポリテトラフ
ルオロエチレンシートからドープを剥ぎ取り、残留リン
濃度が5000ppm以下になるまで水洗した。
【0022】紡糸:フィラメント径が11.5μm、
1.5デニールになるような条件で行った。紡糸温度1
50℃で孔径160μm、孔数340のノズルからフィ
ラメントを適当な位置で収束させてマルチフィラメント
にするように配置された第1洗浄浴中に押し出した。紡
糸ノズルと第1洗浄浴の間のエアギャップには、より均
一な温度でフィラメントが引き伸ばされるようにクエン
チチャンバーを設置した。エアギャップ長は30cmと
した。60℃の空気中にフィラメントを紡出した。テー
クアップ速度を200m/分とし、紡糸延伸倍率を30
とした。ポリベンザゾール繊維中の残留リン酸濃度が5
000ppm以下になるまで水洗した。
【0023】(実施例1)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。重炭酸ア
ミノグアニジン450gを水10L中に溶解して得られ
た浴中に50℃で3時間浸し、80℃で4時間乾燥し
た。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を
行った結果を表1に示す。
【0024】(実施例2)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が27dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。3−アミ
ノ−1,2,4−トリアゾール500gを水10L中に
溶解して得られた浴中に50℃で6時間浸し、80℃で
4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿
度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0025】(実施例3)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が29dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。1,3−
ジフェニルグアニジン500gをアセトン10L中に溶
解して得られた浴中に50℃で10時間浸し、80℃で
4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿
度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0026】(実施例4)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。1,3−
ビス(2−ベンゾチアゾリル)グアニジン500gをア
セトン10L中に溶解して得られた浴中に50℃で9時
間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得ら
れた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示
す。
【0027】(実施例5)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。2−(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル500gをアセトン10L中に溶解して得られた浴中
に50℃で5時間浸し、80℃で4時間乾燥した。この
ようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結
果を表1に示す。
【0028】(実施例6)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。キナゾリ
ン−2,4−ジオン500gをアセトン10L中に溶解
して得られた浴中に50℃で10時間浸し、80℃で4
時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度
保管試験を行った結果を表1に示す。
【0029】(実施例7)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が29dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。ピラジン
500gを水10L中に溶解して得られた浴中に50℃
で10時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このように
して得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表
1に示す。
【0030】(実施例8)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。イソシア
ヌル酸500gをDMF10L中に溶解して得られた浴
中に50℃で9時間浸し、80℃で4時間乾燥した。こ
のようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った
結果を表1に示す。
【0031】(実施例9)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が30dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。アニリン
500gを水10L中に溶解して得られた浴中に50℃
で20時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このように
して得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表
1に示す。
【0032】(実施例10)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール13重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方
法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。ピリジ
ン300gを水10L中に溶解して得られた浴中に50
℃で10時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このよう
にして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を
表1に示す。
【0033】(比較例1)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法
により紡糸した。この糸を水で洗浄後、80℃で4時間
乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管
試験を行った結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例11)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法に
よりフィルム状にした。このフィルム状物質を重炭酸ア
ミノグアニジン100gを水10L中に溶解して得られ
た浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥
した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保
管試験を行った結果を表2に示す。
【0036】(実施例12)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が24dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法に
よりフィルム状にした。このフィルム状物質を3−アミ
ノ−1,2,4−トリアゾール100gを水10L中に
溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80
℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルム
の高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0037】(実施例13)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法に
よりフィルム状にした。このフィルム状物質をイソシア
ヌル酸100gをDMF10L中に溶解して得られた浴
中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥し
た。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管
試験を行った結果を表2に示す。
【0038】(実施例14)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法に
よりフィルム状にした。このフィルム状物質をピラジン
100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間
浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このよう
にして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った
結果を表2に示す。
【0039】(実施例15)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法に
よりフィルム状にした。このフィルム状物質をキナゾリ
ン−2,4−ジオン100gをアセトン10L中に溶解
して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で
4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高
温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0040】(実施例16)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が23dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法に
よりフィルム状にした。このフィルム状物質をアニリン
100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間
浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このよう
にして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った
結果を表2に示す。
【0041】(実施例17)30℃のメタンスルホン酸
溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン
含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法に
よりフィルム状にした。このフィルム状物質をピリジン
100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間
浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このよう
にして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った
結果を表2に示す。
【0042】(比較例2)30℃のメタンスルホン酸溶
液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含
有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によ
りフィルム状にした。水で洗浄後、80℃で4時間乾燥
した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保
管試験を行った結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表1、2より明らかなように、塩基性有機
化合物が付与されたポリベンザゾール繊維およびフィル
ムは、高温高湿度下での強度保持率が高いことがわか
る。
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる組成物、繊維およびフィ
ルムは、高温高湿度下に長時間保管された後も強度保持
率が高いため、その利用分野を飛躍的に拡大することが
でき、産業界に寄与すること大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA58 AC12 AC19 BB03 BB07 BC01 4J002 CM021 EN066 ER026 EU046 EU076 EU136 EU166 EU186 GK01 4L035 GG03 JJ18 JJ21 MD06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性物質を含有することを特徴とす
    る高耐久性ポリベンザゾール組成物。
  2. 【請求項2】 塩基性物質が有機化合物であることを特
    徴とする請求項1記載の高耐久性ポリベンザゾール組成
    物。
  3. 【請求項3】 塩基性物質が水または親水性溶剤に溶解
    する有機化合物であることを特徴とする請求項1記載の
    高耐久性ポリベンザゾール組成物。
  4. 【請求項4】塩基性物質が、グアニジン類、トリアゾー
    ル類、キナゾリン類、ピペリジン類、アニリン類、ピリ
    ジン類またはシアヌル酸類であることを特徴とする請求
    項1記載の高耐久性ポリベンザゾール組成物。
  5. 【請求項5】請求項1のポリベンザゾール組成物からな
    ることを特徴とする高耐久性ポリベンザゾール繊維。
  6. 【請求項6】 請求項1のポリベンザゾール組成物から
    なることを特徴とする高耐久性ポリベンザゾールフィル
    ム。
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