JP2005042215A - ポリベンザゾール繊維 - Google Patents
ポリベンザゾール繊維 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005042215A JP2005042215A JP2003199872A JP2003199872A JP2005042215A JP 2005042215 A JP2005042215 A JP 2005042215A JP 2003199872 A JP2003199872 A JP 2003199872A JP 2003199872 A JP2003199872 A JP 2003199872A JP 2005042215 A JP2005042215 A JP 2005042215A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- phenylenediamine
- polybenzazole
- yarn
- polybenzazole fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
【課題】高温かつ高湿度下に長時間暴露されることによる強度低下の小さいポリベンザゾール繊維を提供することを目的とする。
【解決手段】繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)を15〜70とすることにより、80℃80%RH下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上のポリベンザゾール繊維とする。
【選択図】 図1
【解決手段】繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)を15〜70とすることにより、80℃80%RH下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上のポリベンザゾール繊維とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温かつ高湿度下に暴露されたときに優れた耐久性を有するポリベンザゾール繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高強度、高耐熱性を有する繊維として、ポリベンゾオキサゾール若しくはポリベンゾチアゾールまたはこれらのコポリマーから構成されるポリベンザゾール繊維が知られている。
【0003】
通常、ポリベンザゾール繊維は、上記ポリマーやコポリマーと酸溶媒を含むドープを紡糸口金より押し出した後、凝固性流体(水、または水と無機酸の混合液)中に浸漬して凝固させ、さらに水洗浴中で徹底的に洗浄し大部分の溶媒を除去した後、水酸化ナトリウム等の無機塩基の水溶液槽を通り、糸中に抽出されずに残っている酸を中和した後、乾燥することによって得られる。
【0004】
この様にして製造されるポリベンザゾール繊維は上記に記載した通り、強度などの力学特性に優れ、かつ耐熱性も高いため、種々の用途に使用されているが、近年、さらに性能の向上が望まれており、特に、高温かつ高湿度下に長時間暴露された場合であっても強度を充分に維持することができるポリベンザゾール繊維が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、高温かつ高湿度下に長時間暴露されることによる強度低下の小さいポリベンザゾール繊維を提供せんとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)を15〜70の範囲になるように、フェニレンジアミンをモノマーあるいはその縮合物の形で繊維中に付与することで、高温かつ高湿度下に長時間暴露された場合であっても強度低下が起こりにくくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1.繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)が15〜70であることを特徴とするポリベンザゾール繊維。
2.温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上であること特徴とする上記1記載のポリベンザゾール繊維。
以下、本発明を詳述する。
【0008】
ポリベンザゾール繊維とは、ポリベンザゾールポリマーよりなる繊維をいい、ポリベンザゾール(以下、PBZともいう)とは、ポリベンゾオキサゾール(以下、PBOともいう)ホモポリマー、ポリベンゾチアゾール(以下、PBTともいう)ホモポリマーおよびPBOとPBTのランダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマー等をいう。
【0009】
PBZポリマーに含まれる構造単位としては、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択される。当該ポリマーは構造式 (a)〜(f)に記載されているモノマー単位から成る。
【0010】
【化1】
【0011】
ポリベンザゾール繊維は、PBZポリマーを含有するドープより製造されるが、当該ドープを調製するための好適な溶媒としては、クレゾールやそのポリマーを溶解しうる非酸化性の酸が挙げられる。好適な非酸化性の酸の例としては、ポリリン酸、メタンスルホン酸および高濃度の硫酸あるいはそれらの混合物が挙げられる。中でもポリリン酸及びメタンスルホン酸、特にポリリン酸が好適である。
【0012】
ドープ中のポリマー濃度は好ましくは少なくとも約7重量%であり、より好ましくは少なくとも10重量%、特に好ましくは少なくとも14重量%である。最大濃度は、例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際上の取り扱い性により限定される。それらの限界要因のために、ポリマー濃度は通常では20重量%を越えることはない。
【0013】
本発明において、好適なポリマーまたはコポリマーとドープは公知の方法で合成される。例えばWolfeらの米国特許第4,533,693号明細書(1985.8.6)、Sybertらの米国特許第4,772,678号明細書(1988.9.22)、Harrisの米国特許第4,847,350号明細書(1989.7.11)またはGregoryらの米国特許第5,089,591号明細書(1992.2.18)に記載されている。要約すると、好適なモノマーは非酸化性で脱水性の酸溶液中、非酸化性雰囲気で高速撹拌及び高剪断条件のもと約60℃から230℃までの段階的または一定昇温速度で温度を上げることで反応させられる。
【0014】
このようにして得られるドープを紡糸口金から押し出し、空間で引き伸ばしてフィラメントに形成される。好適な製造法は先に述べた参考文献や米国特許第5,034,250号明細書に記載されている。紡糸口金を出たドープは紡糸口金と洗浄バス間の空間に入る。この空間は一般にエアギャップと呼ばれているが、空気である必要はない。この空間は、溶媒を除去すること無く、かつ、ドープと反応しない溶媒で満たされている必要があり、例えば空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。
【0015】
紡糸後のフィラメントは、過度の延伸を避けるために洗浄され溶媒の一部が除去される。ここでいう洗浄とは、ポリベンザゾールポリマーを溶解している鉱酸に対し相溶性であり、ポリベンザゾールポリマーに対して溶媒とならない液体に繊維またはフィラメントを接触させ、ドープから酸溶媒を除去することである。好適な洗浄液体としては、水や水と酸溶媒との混合物がある。その後、フィラメントは、乾燥、熱処理、巻き取り等が必要に応じて行われる。
【0016】
本発明に係るポリベンザゾール繊維の特徴は、繊維中にフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物あるいはそれら混合物が含まれており、かつ、繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)が15〜70の範囲であることである。
繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量P1(%)は、フェニレンジアミンを付与せずに巻き取った繊維を200℃1時間の条件で乾燥した後、JIS L 1013に準拠して求めた繊度W0(dtex)、フェニレンジアミンを付与した繊維を200℃1時間の条件で乾燥した後、JIS L 1013に準拠して求めた繊度W1(dtex)から、下記の計算式に従って算出する。
(式)P1(%)=(W1−W0)/W0×100
繊維中に含まれているリン量P2(%)は、繊維をペレット状に固めて蛍光X線測定装置(フィリップスPW1404/DY685)を用いて測定した繊維中のリン濃度(重量分率、%)である。
【0017】
P1をP2で割った値(P1/P2)が15〜70の範囲になるようにフェニレンジアミンを繊維中に付与することにより、温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上、好ましくは95%以上を達成できる。
ポリベンザゾール繊維が高温高湿下に長期間暴露されると吸湿した水分により繊維中に残留している鉱酸あるいはその縮合物が解離して水素イオンを放出するが、繊維中に付与したフェニレンジアミンのモノマーあるいは縮合体が水素イオンを捕捉して繊維内部を中性化させ、ポリベンザゾールの加水分解を抑制、すなわち、高温高湿下に長期間暴露したときの引張強度低下を抑制する。従って、繊維中に残留しているリン酸量に対して、繊維中に付与するフェニレンジアミンの量を適正化することが肝要であり、その比率(P1/P2)の適正化が重要である。P1/P2の値は15〜70の範囲、さらには45〜55の範囲であることが好ましく、これにより温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上、好ましくは95%以上を達成できる。P1/P2の値が15未満の場合は繊維中が酸性に近い雰囲気になり、また、P1/P2の値が70を超えると塩基性雰囲気になるため、どちらの場合も温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上を達成できなくなる。P1/P2の値さえ15〜70の範囲に適正化すれば温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上を達成できるので、フェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の付与量は特に限定されることはないが、フェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量P1が高すぎると、フェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の付与量の増加によるフィラメント繊度の増加で初期の糸強度が低くなるため、P1は10%以下、好ましくは8%以下、更に好ましくは2〜6%であることが好ましい。
【0018】
フェニレンジアミンを付与する場合、糸中の水分率が20%以下になる履歴を一度も与えることなしに付与することが好ましい。糸中の水分率が20%以下になる履歴を一度でも与えてしまうと、繊維表面の細孔が細くなり、繊維表面が緻密になってしまうため、フェニレンジアミンを糸内部まで付与することが難しくなる。具体的な付与方法として、紡糸口金からドープを押し出した後から乾燥するまでの間でガイドオイリング方式、シャワリング方式、ディップ方式により付与する方法、あるいは、糸を乾燥させずに巻き取って、フェニレンジアミン水溶液に浸漬して付与する方法などが挙げられるが、作業性の点から、糸を乾燥させずに巻き取って、フェニレンジアミン水溶液に長時間浸漬して付与することが好ましく、さらに好ましくはチーズ染色方式により長時間処理を行い、フェニレンジアミンを糸内部に十分に付与するのが良い。
【0019】
【実施例】
以下に実例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の主旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。
【0020】
(高温かつ高湿度下における強度低下の評価方法)
高温かつ高湿度下における強度低下の評価は、直径10cmの樹脂ボビンに繊維を巻き付けた状態で恒温恒湿器中、高温かつ高湿度保管処理した後、サンプルを取り出し、室温下で引張試験を実施、高温かつ高湿度保管処理前の強度に対する処理後の強度保持率で評価を行った。なお、高温高湿度下での保管試験にはヤマト科学社製Humidic Chamber 1G43Mを使用し、恒温恒湿器中に光が入らないよう完全に遮光して、80℃、相対湿度80%の条件下にて500時間処理を実施した。
【0021】
強度保持率は、高温高湿度保管前後の引張強度を測定し、高温高湿度保管試験後の引張強度を高温高湿度保管試験前の引張強度で割って100を掛けて求めた。なお、引張強度の測定は、JIS−L1013に準じて引張試験機(島津製作所製、型式AG−50KNG)にて測定した。
【0022】
(フィラメント中の残留リン酸濃度、ナトリウム濃度の評価方法)
フィラメント中の残留リン濃度は、繊維をペレット状に固めて蛍光X線測定装置(フィリップスPW1404/DY685)を用いて測定した。
【0023】
水分率は、乾燥前重量:W0(g)、乾燥後重量:W1(g)から、下記の計算式に従って算出した。なお、乾燥は200℃1時間の条件で実施した。
(式)水分率(%)=(W0−W1)/W1×100
【0024】
(実施例1)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含有率84.3%のポリリン酸から成る紡糸ドープを紡糸温度175℃で孔径0.18mm、孔数166のノズルから押し出してフィラメントとした後、適当な位置で収束させてマルチフィラメントにするように配置された第1洗浄浴中に浸漬し、凝固させた。紡糸ノズルと第1洗浄浴の間のエアギャップには、より均一な温度でフィラメントが引き伸ばされるようにクエンチチャンバーを設置した。クエンチ温度は60℃とした。その後、ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度が5000ppm以下になるまで水洗し、乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取った。なお、巻取速度は200m/分、紡糸延伸倍率は40とし、フィラメントの巻き量は1500mとした。このようにして巻き取ったフィラメントの単糸繊度は1.5dpf(denier/filament)、その直径は11.5μmであり、水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン3gとp−フェニレンジアミン3gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で24時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は4.3(%)、P2は0.16(%)、P1/P2の値は27であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は92%であった。
【0025】
(実施例2)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン1gとp−フェニレンジアミン1gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で48時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は2.5(%)、P2は0.06(%)、P1/P2の値は42であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は97%であった。
【0026】
(実施例3)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン3gとp−フェニレンジアミン3gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で36時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は5.3(%)、P2は0.09(%)、P1/P2の値は59であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は93%であった。
【0027】
(比較例1)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン1gとp−フェニレンジアミン1gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で24時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は1.5(%)、P2は0.15(%)、P1/P2の値は10であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は83%であった。
【0028】
(比較例2)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン5gとp−フェニレンジアミン5gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で36時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は9.6(%)、P2は0.11(%)、P1/P2の値は87であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は88%であった。
【0029】
以上の結果を表1にまとめる。表1より明らかなように、比較例と比べ、実施例のポリベンザゾール繊維は高温高湿度下に暴露した後の強度保持率が非常に高いことがわかる。
【0030】
【表1】
【0031】
本発明によると、高温かつ高湿度下に長時間暴露された場合であっても強度を充分に維持することができるポリベンザゾール繊維を提供できるため、産業用資材として実用性を高め利用分野を拡大する効果が絶大である。即ち、ケーブル、電線や光ファイバー等のテンションメンバー、ロープ、等の緊張材、耐弾材等の耐衝撃用部材、手袋等の耐切創用部材、ベルト、タイヤ、靴底、ロープ、ホース、等のゴム補強材、等広範にわたる用途に使用可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によると、高温高湿度条件において高い耐久性を有するポリベンザゾール繊維を提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】チ−ズ染色装置の概略図。
【符号の説明】1:処理層、2:処理液、3:綾巻きされた未乾燥糸、4:透水性がある多孔質ボビン、5:ボビンの栓、6:処理液循環ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温かつ高湿度下に暴露されたときに優れた耐久性を有するポリベンザゾール繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高強度、高耐熱性を有する繊維として、ポリベンゾオキサゾール若しくはポリベンゾチアゾールまたはこれらのコポリマーから構成されるポリベンザゾール繊維が知られている。
【0003】
通常、ポリベンザゾール繊維は、上記ポリマーやコポリマーと酸溶媒を含むドープを紡糸口金より押し出した後、凝固性流体(水、または水と無機酸の混合液)中に浸漬して凝固させ、さらに水洗浴中で徹底的に洗浄し大部分の溶媒を除去した後、水酸化ナトリウム等の無機塩基の水溶液槽を通り、糸中に抽出されずに残っている酸を中和した後、乾燥することによって得られる。
【0004】
この様にして製造されるポリベンザゾール繊維は上記に記載した通り、強度などの力学特性に優れ、かつ耐熱性も高いため、種々の用途に使用されているが、近年、さらに性能の向上が望まれており、特に、高温かつ高湿度下に長時間暴露された場合であっても強度を充分に維持することができるポリベンザゾール繊維が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、高温かつ高湿度下に長時間暴露されることによる強度低下の小さいポリベンザゾール繊維を提供せんとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)を15〜70の範囲になるように、フェニレンジアミンをモノマーあるいはその縮合物の形で繊維中に付与することで、高温かつ高湿度下に長時間暴露された場合であっても強度低下が起こりにくくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1.繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)が15〜70であることを特徴とするポリベンザゾール繊維。
2.温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上であること特徴とする上記1記載のポリベンザゾール繊維。
以下、本発明を詳述する。
【0008】
ポリベンザゾール繊維とは、ポリベンザゾールポリマーよりなる繊維をいい、ポリベンザゾール(以下、PBZともいう)とは、ポリベンゾオキサゾール(以下、PBOともいう)ホモポリマー、ポリベンゾチアゾール(以下、PBTともいう)ホモポリマーおよびPBOとPBTのランダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマー等をいう。
【0009】
PBZポリマーに含まれる構造単位としては、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択される。当該ポリマーは構造式 (a)〜(f)に記載されているモノマー単位から成る。
【0010】
【化1】
【0011】
ポリベンザゾール繊維は、PBZポリマーを含有するドープより製造されるが、当該ドープを調製するための好適な溶媒としては、クレゾールやそのポリマーを溶解しうる非酸化性の酸が挙げられる。好適な非酸化性の酸の例としては、ポリリン酸、メタンスルホン酸および高濃度の硫酸あるいはそれらの混合物が挙げられる。中でもポリリン酸及びメタンスルホン酸、特にポリリン酸が好適である。
【0012】
ドープ中のポリマー濃度は好ましくは少なくとも約7重量%であり、より好ましくは少なくとも10重量%、特に好ましくは少なくとも14重量%である。最大濃度は、例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際上の取り扱い性により限定される。それらの限界要因のために、ポリマー濃度は通常では20重量%を越えることはない。
【0013】
本発明において、好適なポリマーまたはコポリマーとドープは公知の方法で合成される。例えばWolfeらの米国特許第4,533,693号明細書(1985.8.6)、Sybertらの米国特許第4,772,678号明細書(1988.9.22)、Harrisの米国特許第4,847,350号明細書(1989.7.11)またはGregoryらの米国特許第5,089,591号明細書(1992.2.18)に記載されている。要約すると、好適なモノマーは非酸化性で脱水性の酸溶液中、非酸化性雰囲気で高速撹拌及び高剪断条件のもと約60℃から230℃までの段階的または一定昇温速度で温度を上げることで反応させられる。
【0014】
このようにして得られるドープを紡糸口金から押し出し、空間で引き伸ばしてフィラメントに形成される。好適な製造法は先に述べた参考文献や米国特許第5,034,250号明細書に記載されている。紡糸口金を出たドープは紡糸口金と洗浄バス間の空間に入る。この空間は一般にエアギャップと呼ばれているが、空気である必要はない。この空間は、溶媒を除去すること無く、かつ、ドープと反応しない溶媒で満たされている必要があり、例えば空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。
【0015】
紡糸後のフィラメントは、過度の延伸を避けるために洗浄され溶媒の一部が除去される。ここでいう洗浄とは、ポリベンザゾールポリマーを溶解している鉱酸に対し相溶性であり、ポリベンザゾールポリマーに対して溶媒とならない液体に繊維またはフィラメントを接触させ、ドープから酸溶媒を除去することである。好適な洗浄液体としては、水や水と酸溶媒との混合物がある。その後、フィラメントは、乾燥、熱処理、巻き取り等が必要に応じて行われる。
【0016】
本発明に係るポリベンザゾール繊維の特徴は、繊維中にフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物あるいはそれら混合物が含まれており、かつ、繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)が15〜70の範囲であることである。
繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量P1(%)は、フェニレンジアミンを付与せずに巻き取った繊維を200℃1時間の条件で乾燥した後、JIS L 1013に準拠して求めた繊度W0(dtex)、フェニレンジアミンを付与した繊維を200℃1時間の条件で乾燥した後、JIS L 1013に準拠して求めた繊度W1(dtex)から、下記の計算式に従って算出する。
(式)P1(%)=(W1−W0)/W0×100
繊維中に含まれているリン量P2(%)は、繊維をペレット状に固めて蛍光X線測定装置(フィリップスPW1404/DY685)を用いて測定した繊維中のリン濃度(重量分率、%)である。
【0017】
P1をP2で割った値(P1/P2)が15〜70の範囲になるようにフェニレンジアミンを繊維中に付与することにより、温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上、好ましくは95%以上を達成できる。
ポリベンザゾール繊維が高温高湿下に長期間暴露されると吸湿した水分により繊維中に残留している鉱酸あるいはその縮合物が解離して水素イオンを放出するが、繊維中に付与したフェニレンジアミンのモノマーあるいは縮合体が水素イオンを捕捉して繊維内部を中性化させ、ポリベンザゾールの加水分解を抑制、すなわち、高温高湿下に長期間暴露したときの引張強度低下を抑制する。従って、繊維中に残留しているリン酸量に対して、繊維中に付与するフェニレンジアミンの量を適正化することが肝要であり、その比率(P1/P2)の適正化が重要である。P1/P2の値は15〜70の範囲、さらには45〜55の範囲であることが好ましく、これにより温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上、好ましくは95%以上を達成できる。P1/P2の値が15未満の場合は繊維中が酸性に近い雰囲気になり、また、P1/P2の値が70を超えると塩基性雰囲気になるため、どちらの場合も温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上を達成できなくなる。P1/P2の値さえ15〜70の範囲に適正化すれば温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上を達成できるので、フェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の付与量は特に限定されることはないが、フェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量P1が高すぎると、フェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の付与量の増加によるフィラメント繊度の増加で初期の糸強度が低くなるため、P1は10%以下、好ましくは8%以下、更に好ましくは2〜6%であることが好ましい。
【0018】
フェニレンジアミンを付与する場合、糸中の水分率が20%以下になる履歴を一度も与えることなしに付与することが好ましい。糸中の水分率が20%以下になる履歴を一度でも与えてしまうと、繊維表面の細孔が細くなり、繊維表面が緻密になってしまうため、フェニレンジアミンを糸内部まで付与することが難しくなる。具体的な付与方法として、紡糸口金からドープを押し出した後から乾燥するまでの間でガイドオイリング方式、シャワリング方式、ディップ方式により付与する方法、あるいは、糸を乾燥させずに巻き取って、フェニレンジアミン水溶液に浸漬して付与する方法などが挙げられるが、作業性の点から、糸を乾燥させずに巻き取って、フェニレンジアミン水溶液に長時間浸漬して付与することが好ましく、さらに好ましくはチーズ染色方式により長時間処理を行い、フェニレンジアミンを糸内部に十分に付与するのが良い。
【0019】
【実施例】
以下に実例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の主旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。
【0020】
(高温かつ高湿度下における強度低下の評価方法)
高温かつ高湿度下における強度低下の評価は、直径10cmの樹脂ボビンに繊維を巻き付けた状態で恒温恒湿器中、高温かつ高湿度保管処理した後、サンプルを取り出し、室温下で引張試験を実施、高温かつ高湿度保管処理前の強度に対する処理後の強度保持率で評価を行った。なお、高温高湿度下での保管試験にはヤマト科学社製Humidic Chamber 1G43Mを使用し、恒温恒湿器中に光が入らないよう完全に遮光して、80℃、相対湿度80%の条件下にて500時間処理を実施した。
【0021】
強度保持率は、高温高湿度保管前後の引張強度を測定し、高温高湿度保管試験後の引張強度を高温高湿度保管試験前の引張強度で割って100を掛けて求めた。なお、引張強度の測定は、JIS−L1013に準じて引張試験機(島津製作所製、型式AG−50KNG)にて測定した。
【0022】
(フィラメント中の残留リン酸濃度、ナトリウム濃度の評価方法)
フィラメント中の残留リン濃度は、繊維をペレット状に固めて蛍光X線測定装置(フィリップスPW1404/DY685)を用いて測定した。
【0023】
水分率は、乾燥前重量:W0(g)、乾燥後重量:W1(g)から、下記の計算式に従って算出した。なお、乾燥は200℃1時間の条件で実施した。
(式)水分率(%)=(W0−W1)/W1×100
【0024】
(実施例1)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含有率84.3%のポリリン酸から成る紡糸ドープを紡糸温度175℃で孔径0.18mm、孔数166のノズルから押し出してフィラメントとした後、適当な位置で収束させてマルチフィラメントにするように配置された第1洗浄浴中に浸漬し、凝固させた。紡糸ノズルと第1洗浄浴の間のエアギャップには、より均一な温度でフィラメントが引き伸ばされるようにクエンチチャンバーを設置した。クエンチ温度は60℃とした。その後、ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度が5000ppm以下になるまで水洗し、乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取った。なお、巻取速度は200m/分、紡糸延伸倍率は40とし、フィラメントの巻き量は1500mとした。このようにして巻き取ったフィラメントの単糸繊度は1.5dpf(denier/filament)、その直径は11.5μmであり、水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン3gとp−フェニレンジアミン3gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で24時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は4.3(%)、P2は0.16(%)、P1/P2の値は27であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は92%であった。
【0025】
(実施例2)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン1gとp−フェニレンジアミン1gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で48時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は2.5(%)、P2は0.06(%)、P1/P2の値は42であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は97%であった。
【0026】
(実施例3)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン3gとp−フェニレンジアミン3gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で36時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は5.3(%)、P2は0.09(%)、P1/P2の値は59であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は93%であった。
【0027】
(比較例1)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン1gとp−フェニレンジアミン1gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で24時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は1.5(%)、P2は0.15(%)、P1/P2の値は10であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は83%であった。
【0028】
(比較例2)
ポリベンザゾール繊維中の残留リン濃度を5000ppm以下になるまで水洗し乾燥させずにフィラメントを多孔質樹脂ボビンに巻き取るところまでは実施例1と同様に行った。巻き取った糸の水分率は50%であった。
12Lの水に、m−フェニレンジアミン5gとp−フェニレンジアミン5gを溶解した液を図1に示す装置に入れ、巻き取った糸を入れて常温(20℃)で36時間液を循環した後、さらに装置内の液を純水に置換して常温(20℃)で1時間かけて循環した。その後、装置から糸を取り出して80℃にて4時間乾燥した。なお、液の循環は液中に空気を供給しながら実施した。得られた糸のP1、P2の値を測定した結果、P1は9.6(%)、P2は0.11(%)、P1/P2の値は87であった。また、高温高湿度保管後の強度保持率は88%であった。
【0029】
以上の結果を表1にまとめる。表1より明らかなように、比較例と比べ、実施例のポリベンザゾール繊維は高温高湿度下に暴露した後の強度保持率が非常に高いことがわかる。
【0030】
【表1】
【0031】
本発明によると、高温かつ高湿度下に長時間暴露された場合であっても強度を充分に維持することができるポリベンザゾール繊維を提供できるため、産業用資材として実用性を高め利用分野を拡大する効果が絶大である。即ち、ケーブル、電線や光ファイバー等のテンションメンバー、ロープ、等の緊張材、耐弾材等の耐衝撃用部材、手袋等の耐切創用部材、ベルト、タイヤ、靴底、ロープ、ホース、等のゴム補強材、等広範にわたる用途に使用可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によると、高温高湿度条件において高い耐久性を有するポリベンザゾール繊維を提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】チ−ズ染色装置の概略図。
【符号の説明】1:処理層、2:処理液、3:綾巻きされた未乾燥糸、4:透水性がある多孔質ボビン、5:ボビンの栓、6:処理液循環ポンプ
Claims (2)
- 繊維中に含まれているフェニレンジアミンモノマーあるいはフェニレンジアミン縮合物の総量(%)をP1、繊維中に含まれているリン量(%)をP2としたときに、P1をP2で割った値(P1/P2)が15〜70であることを特徴とするポリベンザゾール繊維。
- 温度80℃相対湿度80%雰囲気下で500時間暴露した後の引張強度保持率が90%以上であること特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003199872A JP2005042215A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | ポリベンザゾール繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003199872A JP2005042215A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | ポリベンザゾール繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005042215A true JP2005042215A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34260502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003199872A Pending JP2005042215A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | ポリベンザゾール繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005042215A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4829959B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-12-07 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ペンダント型ヒドロキシル基とカチオンを有するポリアレーンアゾール重合体繊維 |
-
2003
- 2003-07-22 JP JP2003199872A patent/JP2005042215A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4829959B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-12-07 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ペンダント型ヒドロキシル基とカチオンを有するポリアレーンアゾール重合体繊維 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3593766B2 (ja) | ポリベンザゾール繊維の製造方法 | |
JP4695644B2 (ja) | ポリリン酸を除去することによるポリベンザゾール繊維の製造方法 | |
US5993963A (en) | Polybenzazole fiber and method for production thereof | |
WO1995006147A1 (en) | Improved process for coagulation and washing of polybenzazole fibers | |
JP7015854B2 (ja) | ホスホン酸化pbi繊維 | |
JP4381295B2 (ja) | ポリベンザゾール系ポリマー及びそれを用いた繊維 | |
JP2005042215A (ja) | ポリベンザゾール繊維 | |
JP2009001917A (ja) | リオトロピック液晶ポリマーマルチフィラメントの製造方法 | |
JP4062497B2 (ja) | 耐久性に優れるポリベンザゾール繊維 | |
EP2218807B1 (en) | Heat treatment for increasing compressive strentgh of PPTA filaments | |
US20100227984A1 (en) | HYDROLYSIS-RESISTANT POLY (p-PHENYLENEBENZOBISOXAZOLE) (PBO) FIBERS | |
JP4016318B2 (ja) | 高耐久性ポリベンザゾール組成物 | |
JP2004076214A (ja) | 耐久性に優れる高強度繊維ロープ | |
JP2004100081A (ja) | ゴム補強用ポリベンザゾール繊維コード | |
JPS62184111A (ja) | 新規なポリエチレンフイラメント | |
JP2004100082A (ja) | セメント・コンクリート補強用ポリベンザゾール繊維製シート | |
JP2004149957A (ja) | ポリベンザゾール繊維からなる紡績糸 | |
KR101946318B1 (ko) | 공중합 아라미드 섬유의 제조방법 및 이로 제조된 공중합 아라미드 섬유 | |
JPH11228820A (ja) | ポリベンザゾール組成物、繊維およびフィルム | |
JP2004143730A (ja) | セメント・コンクリート補強用ポリベンザゾール繊維製ロッド | |
JPH08504007A (ja) | 低デニールポリベンズアゾール繊維及びその製造方法 | |
JP2004149956A (ja) | ポリベンザゾール繊維からなる織編物 | |
JP2004150758A (ja) | ポリベンザゾール繊維からなる防弾チョッキ | |
JP2004149975A (ja) | ポリベンザゾール繊維からなる複合材料 | |
JP4009885B2 (ja) | 高弾性率ポリベンザゾール繊維及びその製造法 |