JP4829959B2 - ペンダント型ヒドロキシル基とカチオンを有するポリアレーンアゾール重合体繊維 - Google Patents
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Description
本出願は、2005年3月28日付けで出願した米国出願番号60/665,742(これの全体を引用することによって本明細書に組み入れられる)の利点を請求するものである。
本発明は、一部として、ポリ燐酸を繊維から除去する方法に向けたものであり、この方法は、重合体およびポリ燐酸を含有して成る繊維を少なくとも120摂氏度(「℃」)にポリ燐酸が加水分解を受けるに有効な時間加熱し、そして個別の段階で、温度が100℃以下の流体を用いてポリ燐酸の加水分解物を前記繊維から除去する段階を含んで成る。
この上および本開示全体に渡って用いる如き下記の用語は、特に明記しない限り、下記の意味を有すると理解する。
で表される]、または各々が共通の芳香基(Ar1)と縮合している2個の複素芳香環[これは繰り返し単位構造(b1またはb2):
で表される]のいずれかを有する重合体を指す。構造(a)、(b1)および(b2)で表される繰り返し単位構造の数は決定的ではない。各重合体鎖の繰り返し単位数を好適には10から25,000にする。ポリアレーンアゾール重合体には、ポリベンゾアゾール重合体もしくはポリピリドアゾール重合体もしくは両方が含まれる。特定の態様におけるポリベンゾアゾール重合体にはポリベンゾイミダゾールまたはポリベンゾビスイミダゾール重合体が含まれる。他の特定態様におけるポリピリドアゾール重合体にはポリピリドビスイミダゾールまたはポリピリドイミダゾール重合体が含まれる。好適な特定態様における重合体は、ポリベンゾビスイミダゾールまたはポリピリドビスイミダゾールの種類の重合体である。
で表されるポリピリドビスイミダゾール(B=NR)である。そのような構造で表される繰り返し構造もしくは単位の数は決定的ではない。各重合体鎖の繰り返し単位数を好適には10から25,000にする。
以下の実施例では以下に記述する試験方法を用いた。
以下の実施例の多くは本発明のいろいろな態様を例示する目的で示すものであり、決して限定するとして解釈されるべきでない。重合体の固体濃度、単量体を基にした重量パーセントおよび重合体溶液のP2O5濃度パーセントの全部をTAPとDHTAが1:1モルの複合体としてのTD−複合体を基準にして表す。このTD−複合体は一水化物であると考えている。
この実施例では、水を用いた典型的な洗浄を利用したのでは湿った状態のヤーンからPPAを洗い流すのが困難であることを例示する。250穴の紡績口金を用いてP2O5が81.6重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。その凝固させたままの湿った状態のヤーンを空気で乾燥させた後、燐に関する分析を実施した。このサンプルは燐を非常に高い濃度(63400ppm)で含有することに加えてナトリウムを175ppm含有することを確認した。
250穴の紡績口金を用いてP2O5が82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。その凝固させたままの湿った状態のヤーンを100℃の水に入れて20分間穏やかに沸騰させた。次に、そのヤーンサンプルを新鮮な水で10秒間濯いだ後、空気で乾燥させた。そのサンプルは燐を44500ppmおよびナトリウムを1000ppm含有することを確認した。
250穴の紡績口金を用いてP2O5が81.9重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。その凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを沸騰している80%の燐酸(142℃)中で15秒間処理し、91℃の水で10秒間洗浄し、次に2%の苛性水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして水が入っている60℃の浴中で各々10秒ずつ洗浄した。次に、そのサンプルを空気で乾燥させた。このサンプルはフィラメントの粘着および融合を示すことを確認し、残存燐濃度は7.44%であった。
250穴の紡績口金を用いてP2O5が約82.1重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。次に、その凝固させたままの湿った状態のヤーンのサンプルを水に入れて表1に示す如きいろいろな時間に渡って沸騰させた。次に、そのサンプルを更に60℃で水、2重量%の苛性水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして次に水の逐次的浴中で各浴毎に20秒ずつ洗浄した。乾燥後のサンプルが含有する燐の含有量は以下の表に示す如くであることを確認した。
250穴の紡績口金を用いてP2O5が82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを採取した後、最初に表2に示す如きいろいろな濃度の沸騰している燐酸を用いることによる高温の酸加水分解条件による処理を実施した。ヤーンのサンプルに加水分解用媒体中の処理を示す温度で示す時間に渡って受けさせた。次に、そのサンプルの洗浄を表2に示す如く実施した。この洗浄段階に、a)水中の洗浄、b)水中2%の水酸化ナトリウム水溶液中の洗浄、c)水中の洗浄、d)水中2%の酢酸水溶液中の洗浄そして水中の洗浄の段階の組み合わせを含めた。これらの洗浄を以下の表に示す如き温度で示す時間に渡って実施した。そのような攻撃的加水分解条件を洗浄と組み合わせることによって2重量%以下の残存燐濃度を達成することができる。
250穴の紡績口金を用いてP2O5が82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを大気圧の蒸気(100℃)中で60秒間処理した後、60℃の水で20秒間濯いだ。そのサンプルを空気で乾燥させた後のP含有量は6.48重量%であることを確認した。空気で乾燥させなかった別の同様な処理を受けさせておいたサンプルを更に60℃で2重量%の水酸化ナトリウム水溶液に続く水の逐次的浴中で20秒間ずつ洗浄した。乾燥させた後の前記サンプルの燐含有量は2.1重量%であることを確認した。
250穴の紡績口金を用いてP2O5が82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。そのようにして紡績して凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを約58psigで148℃の飽和状態の蒸気中で60秒間処理した後、60℃の下記の浴中で20秒間ずつ洗浄した:水、2重量%の苛性水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして次に水。乾燥後のサンプルの燐含有量は0.33重量%であることを確認した。
100穴の紡績口金を用いてP2O5が82.1重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンを吊るした状態で長さが1フィートの窒素パージ管オーブンの中に通した。表3に、洗浄そして乾燥させた後に結果としてもたらされるサンプルに入っている燐の濃度に対して管オーブンの温度および滞留時間が示した影響を示す。あらゆるサンプルを水に続いて2%の水酸化ナトリウム水溶液、水、水中2%の酢酸そして水が入っている60℃の浴中で各々20秒間ずつ洗浄した。凝固させたままの湿った状態のヤーンに乾燥熱による加水分解を受けさせた後に示す洗浄を用いるいろいろな条件下で得た燐濃度は1重量%以下である。
250穴の紡績口金を用いてP2O5が82.7重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。実施例Hに記述したようにして、凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンをオーブンに入れて連続的に処理したが、しかしながら、滞留時間および温度は表4に示す通りであった。今回は、ヤーンサンプルに処理を単に45−50℃の下記の浴の各々の中で20秒間ずつ受けさせた:水、2%の水酸化ナトリウム水溶液そして水。残存燐およびナトリウム値を表3に示し、残存燐濃度を低くしようとする時の高温加水分解処理の利点を例示する。
100穴の紡績口金を用いてP2O5が82.1重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンを吊るした状態で長さが1フィートの管オーブンの中に大気圧の蒸気でパージしながら通した。表5に、洗浄そして乾燥させた後に結果としてもたらされるサンプルに入っている燐の濃度に対して温度および滞留時間が示した影響を示す。あらゆるサンプルを水に続いて2%の水酸化ナトリウム水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして水が入っている60℃の浴中で各々20秒間ずつ洗浄した。好適な条件にすると再び1重量%以下の燐濃度が容易に得られる。
PIPDがポリ燐酸(P2O5が82.1重量%)に18重量パーセント入っている重合体溶液からPIPDフィラメントを紡績した。その溶液を穴の数が約250個の紡績口金から押出し、エアギャップに通すことでそれに延伸を受けさせた後、それを水中で凝固させた。その湿った状態のヤーンに処理を201−221℃の測定表面温度で作動している1対の加熱ロール上で61メートル/分(200フィート/分)で受けさせた後、それをボビン上に巻き取った。前記熱ロール上で処理を受けさせたヤーンは非常に堅くかつ個々のフィラメントが過度に融合していることを確認した。加うるに、前記熱ロール上に望ましくない繊維残留物が存在することも観察した。処理の追加的詳細および結果を表6に示す。次に、前記ボビンを5個の逐次的浴の中に室温で各々5分間ずつ浸漬することで前記ボビン上のヤーンに洗浄および中和を受けさせた。そのような浴は順に水、水中2%の水酸化ナトリウム、水、水中2%の酢酸そして水であった。次に、前記ボビン上のヤーンを空気で乾燥させた後、ヤーンのサンプルを採取し、残留燐含有量は極めて様々であり、燐が約0.77重量パーセントから約3.42重量パーセントの範囲であることを確認した。
Claims (9)
- ペンダント型ヒドロキシル基を有しかつナトリウム、カリウムもしくはカルシウムまたはこれらの任意組み合わせを包含するカチオンを繊維重量を基準にして少なくとも2パーセント有し、燐含有量が0.5重量%以下であるポリアレーンアゾール重合体を含有して成る繊維。
- 前記ポリアレーンアゾールがポリピリドアゾールである請求項1記載の繊維。
- 前記ポリピリドアゾールがポリピリドビスイミダゾールである請求項2記載の繊維。
- 前記ポリピリドビスイミダゾールがポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ピリド[2,3−d:5,6−d’]ビスイミダゾールである請求項3記載の繊維。
- 前記ポリアレーンアゾールがポリベンゾアゾールである請求項1記載の繊維。
- 前記ポリベンゾアゾールがポリベンゾビスオキサゾールである請求項5記載の繊維。
- ナトリウムの含有量が繊維の重量を基準にして2パーセント以上である請求項1記載の繊維。
- カチオンの含有量が繊維の重量を基準にして3パーセント以上である請求項1記載の繊維。
- ナトリウムの含有量が繊維の重量を基準にして3パーセント以上である請求項1記載の繊維。
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