JP4829959B2 - ペンダント型ヒドロキシル基とカチオンを有するポリアレーンアゾール重合体繊維 - Google Patents

ペンダント型ヒドロキシル基とカチオンを有するポリアレーンアゾール重合体繊維 Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2005年3月28日付けで出願した米国出願番号60/665,742(これの全体を引用することによって本明細書に組み入れられる)の利点を請求するものである。
本発明は、一般に、重合体繊維および前記繊維の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、ポリ燐酸をとりわけ重合体を含んで成るフィラメントおよび紡績ヤーンから除去する方法に関する。
重合体を溶媒に入れることで生じさせた溶液(「重合体ドープ(polymer dope)」と呼ぶ)をダイスまたは紡績口金に通して押出し加工または紡績してドープフィラメント(dope filament)を生じさせるか或はそれを紡績することによって重合体ドープからいろいろな繊維が製造されている。その後、当該繊維もしくはヤーンがもたらされるように前記溶媒を除去する。ある繊維の製造で用いられる溶媒は溶媒である酸、例えばポリ燐酸(PPA)などである。いろいろな典型的溶媒とは異なり、PPAの除去は一般により困難であるが、その理由は、ある程度ではあるが、それが高分子性質を有することによる。また、ヘテロ原子が重合体の中に入っていると、それは、その繊維またはヤーンからポリ燐酸を除去する時に邪魔をする働きをし得る。溶媒である高分子量のPPAを重合体材料から除去する現存方法では、典型的に、PPAを実質的な量で除去する必要がある時に長時間洗浄するか或は滲出の温度を高くする必要がある。
例えば、ポリベンゾアゾールドープフィラメントを温度が少なくとも約60℃の滲出用流体と接触させてポリ燐酸をそれから滲出させる方法が特許文献1に開示されている。
申し立てによると結果として得る重合体繊維の物性が向上するようにポリベンゾアゾールドープフィラメントを多数回洗浄、典型的にはほぼ室温で多数回洗浄してポリ燐酸を前記フィラメントから洗い流すことで紡績繊維の燐濃度をゆっくり低下させる方法が特許文献2に開示されている。
ポリ燐酸を用いて紡績した繊維の物性を更に向上させそして/またはそれから燐を除去することが求められている。本明細書および請求項によって本発明の前記および他の目的がより明らかになるであろう。
Sen他、米国特許第5,393,478号 Sen他、米国特許第5,525,638号
発明の要約
本発明は、一部として、ポリ燐酸を繊維から除去する方法に向けたものであり、この方法は、重合体およびポリ燐酸を含有して成る繊維を少なくとも120摂氏度(「℃」)にポリ燐酸が加水分解を受けるに有効な時間加熱し、そして個別の段階で、温度が100℃以下の流体を用いてポリ燐酸の加水分解物を前記繊維から除去する段階を含んで成る。
本発明は、また、一部として、繊維中のポリ燐酸に加水分解を受けさせる方法にも向けたものであり、この方法は、重合体およびポリ燐酸を含有して成る繊維をpHが4.0未満の酸性媒体中で100℃を超える温度にポリ燐酸が加水分解を受けるに有効な時間加熱する段階を含んで成る。
本発明は、また、一部として、ポリアレーンアゾール重合体材料中のポリ燐酸に加水分解を受けさせる方法にも向けたものであり、この方法は、ポリアレーンアゾールおよびポリ燐酸を含有して成っていて前記ポリアレーンアゾールの繰り返し単位構造の少なくとも50モルパーセントが2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン部分を含有して成る重合体材料を準備し、そして前記重合体材料を100℃以上に加熱することでポリ燐酸の少なくとも一部に加水分解を受けさせる段階を含んで成る。
本発明は、更に、一部として、ポリ燐酸を含有する重合体溶液から紡績したヤーン(このヤーンは燐をこのヤーンの少なくとも約1.5重量パーセントの量で含有する)から燐を除去する方法にも向けたものであり、この方法は、前記ヤーンを塩基と接触させた後に前記ヤーンを水性流体で洗浄することを含んで成る。
本発明は、また、ペンダント型ヒドロキシル基を有しかつカチオン(ナトリウム、カリウムもしくはカルシウムまたはこれらの任意組み合わせを包含)を繊維重量を基準にして少なくとも2パーセント有するポリアレーンアゾール重合体を含有して成る繊維も提供する。
本発明は、また、一部として、カチオンをポリアレーンアゾール繊維から除去する方法にも向けたものであり、この方法は、ペンダント型ヒドロキシル基を有しかつカチオンを少なくとも2重量パーセント有するポリアレーンアゾール重合体を含有して成る繊維を準備し、前記繊維を酸を含有する水溶液と接触させることで前記カチオンの少なくとも一部を放出させそして場合により前記繊維を水で洗浄してもよい段階を含んで成る。
具体的態様の詳細な説明
この上および本開示全体に渡って用いる如き下記の用語は、特に明記しない限り、下記の意味を有すると理解する。
本発明のフィラメントはポリアレーンアゾール重合体から製造可能である。本明細書で定義する如き「ポリアレーンアゾール」は、隣接する芳香基(Ar)と縮合している1個の複素芳香環[これは繰り返し単位構造(a):
Figure 0004829959
(ここで、Nは窒素原子であり、そしてZは硫黄、酸素またはNR基であり、ここで、Rは、Nと結合している水素または置換もしくは非置換アルキルもしくはアリールである)
で表される]、または各々が共通の芳香基(Ar)と縮合している2個の複素芳香環[これは繰り返し単位構造(b1またはb2):
Figure 0004829959
(ここで、Nは窒素原子であり、そしてBは酸素、硫黄またはNR基であり、ここで、Rは、Nと結合している水素または置換もしくは非置換アルキルもしくはアリールである)
で表される]のいずれかを有する重合体を指す。構造(a)、(b1)および(b2)で表される繰り返し単位構造の数は決定的ではない。各重合体鎖の繰り返し単位数を好適には10から25,000にする。ポリアレーンアゾール重合体には、ポリベンゾアゾール重合体もしくはポリピリドアゾール重合体もしくは両方が含まれる。特定の態様におけるポリベンゾアゾール重合体にはポリベンゾイミダゾールまたはポリベンゾビスイミダゾール重合体が含まれる。他の特定態様におけるポリピリドアゾール重合体にはポリピリドビスイミダゾールまたはポリピリドイミダゾール重合体が含まれる。好適な特定態様における重合体は、ポリベンゾビスイミダゾールまたはポリピリドビスイミダゾールの種類の重合体である。
構造(b1)および(b2)におけるYは、芳香、複素芳香、脂肪基または無し、好適には芳香基、より好適には炭素原子が6員の芳香基である。更により好適には、炭素原子が6員の芳香基(Y)は、結合がパラに配向していることに加えて2個のヒドロキシル置換基を有し、更により好適には2,5−ジヒドロキシ−パラ−フェニレンである。
構造(a)、(b1)または(b2)におけるArおよびArは、各々、芳香もしくは複素芳香基のいずれかを表す。その芳香もしくは複素芳香基は縮合もしくは非縮合多環式系であってもよいが、好適には、単一の6員環である。より好適には、ArまたはAr基は、好適には環系の炭素原子の中の1個が窒素原子に置き換わっている複素芳香であるか、或はArまたはArが含有する環原子は炭素のみであってもよい。更により好適には、ArまたはAr基は複素芳香である。
本明細書で定義する如き「ポリベンゾアゾール」は、ArまたはAr基が炭素原子が6員の単一芳香環である繰り返し構造(a)、(b1)または(b2)を有するポリアレーンアゾール重合体を指す。好適には、ポリベンゾアゾールは、構造(b1)または(b2)で表される種類の剛体棒状ポリベンゾアゾール、より好適には、6員炭素環式芳香環Arを有する構造(b1)または(b2)で表される剛体棒状ポリベンゾアゾールである。そのような好適なポリベンゾアゾールには、これらに限定するものでないが、ポリベンゾイミダゾール(B=NR)、ポリベンゾチアゾール(B=S)、ポリベンゾオキサゾール(B=O)およびこれらの混合物または共重合体が含まれる。ポリベンゾアゾールがポリベンゾイミダゾールの場合のそれは好適にはポリ(ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスイミダゾール−2,6−ジイル−1,4−フェニレン)である。ポリベンゾアゾールがポリベンゾチアゾールの場合のそれは好適にはポリ(ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスチアゾール−2,6−ジイル−1,4−フェニレン)である。ポリベンゾアゾールがポリベンゾオキサゾールの場合のそれは好適にはポリ(ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール−2,6−ジイル−1,4−フェニレン)である。
本明細書で定義する如き「ポリピリドアゾール」は、ArまたはAr基が炭素原子を5個と窒素原子を1個有する6員の単一芳香環である繰り返し構造(a)、(b1)または(b2)を有するポリアレーンアゾール重合体を指す。好適には、そのようなポリピリドアゾールは、構造(b1)または(b2)で表される種類の剛体棒状ポリピリドアゾール、より好適には、6員複素環式芳香環Arを有する構造(b1)または(b2)で表される剛体棒状ポリピリドアゾールである。そのようなより好適なポリピリドアゾールには、これらに限定するものでないが、ポリピリドビスイミダゾール(B=NR)、ポリピリドビスチアゾール(B=S)、ポリピリドビスオキサゾール(B=O)およびこれらの混合物または共重合体が含まれる。更により好適なポリピリドアゾールは構造:
Figure 0004829959
[ここで、Nは窒素原子であり、Rは、Nと結合している水素または置換もしくは非置換アルキルもしくはアリールであり、好適にはRはHであり、そしてYはこの上で定義した通りである]
で表されるポリピリドビスイミダゾール(B=NR)である。そのような構造で表される繰り返し構造もしくは単位の数は決定的ではない。各重合体鎖の繰り返し単位数を好適には10から25,000にする。
ポリベンゾアゾール(PBZ)またはポリピリドアゾール重合体を用いて本発明のフィラメントを生じさせる。本明細書の目的で、用語「フィラメント」または「繊維」は、長さ方向に垂直な断面領域を横切る幅に対する長さの比率が高い相対的に柔軟で巨視的に均一な素地を指す。そのフィラメントの断面形状は如何なる形状であってもよいが、典型的には円形である。
本明細書で定義する如き「ヤーン」は、連続ストランド(これは織り、編み、ひだつけまたは編み組などで使用可能であり、ここで、繊維はこの上で定義した通りである)が生じるようにある程度の撚りまたは交絡有り無しに一緒に撚ったか、束にしたか或は組み立てた多数のフィラメントを指す。
本明細書の目的で、「ファブリック」は、織り、編みまたは不織構造物のいずれかを指す。「織り」は、ファブリックの織り方、例えば平織り、カラス足(crowfoot)織り、バスケット織り、サテン織り、あや織りなどのいずれかを意味する。「編み」は、1個以上の末端部、繊維またはマルチフィラメントヤーンのインタールーピング(interlooping)またはインターメッシイング(intermeshing)で生じさせた構造物を意味する。「不織」は、繊維の網状組織を意味し、それには一方向繊維、フェルトなどが含まれる。
本明細書で定義する如き「凝固浴」は、ドープフィラメントを凝固させる媒体を指す。その浴には液体、典型的にはアルコール、水、酸水溶液または他の水性液混合物が入っている。その浴液は好適には水または燐酸水溶液であるが、その液体は、PPAの加水分解を補助し得る水もしくは他の成分を与える何かであってもよい。
いくつかの態様において、より好適な剛体棒状ポリピリドアゾールには、これらに限定するものでないが、ポリピリドビスイミダゾールのホモ重合体および共重合体、例えば米国特許第5,674,969号(Shikkema他、1997年10月7日)に記述されているそれらが含まれる。そのようなある種の典型的なポリピリドビスイミダゾールは、ホモ重合体であるポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4’,5’−e]ピリジニレン)である。
本発明で用いるポリアレーンアゾール重合体は、剛体棒状構造、半剛体棒状構造または柔軟なコイル構造、好適には剛体棒状構造に関連した特性を示し得る。この種類の剛体棒状重合体が構造(b1)または(b2)で表される場合、それは好適には芳香基Arと縮合している2個のアゾール基を有する。
本発明で用いるに有用な適切なポリアレーンアゾールにはホモ重合体および共重合体が含まれる。そのポリアレーンアゾールと一緒に混合可能な他の重合体材料の量は約25重量パーセント以下である。また、主要なポリアレーンアゾールの単量体の代わりに他のポリアレーンアゾール単量体もしくは他の単量体が約25パーセント以上入っている共重合体を用いることも可能である。適切なポリアレーンアゾールホモ重合体および共重合体の製造は公知手順を用いて実施可能であり、例えば米国特許第4,533,693号(Wolfe他、1985年8月6日)、米国特許第4,703,103号(Wolfe他、1987年10月27日)、米国特許第5,089,591号(Gregory他、1992年2月18日)、米国特許第4,772,678号(Sybert他、1988年9月20日)、米国特許第4,847,350号(Harris他、1992年8月11)、米国特許第5,276,128号(Rosenberg他、1994年1月4日)および米国特許第5,674,969号(Sikkema他、1997年10月7日)などに記述されている手順を用いて実施可能である。また、そのようなポリアレーンアゾールに添加剤、例えば抗酸化剤、滑剤、紫外線遮断剤、着色剤などを所望量で混合することも可能である。
本発明は、一般に、ポリアレーンアゾールフィラメント、より詳細にはポリベンゾアゾール(PBZ)フィラメントまたはポリピリドアゾールフィラメント、そしてそのようなフィラメントの製造方法に向けたものである。本発明は、更に、本発明のフィラメントを組み込んだヤーン、ファブリックおよび製品、そしてそのようなヤーン、ファブリックおよび製品を製造する方法にも関する。
いずれかの変項がいずれかの成分またはいずれかの式の中に2回以上存在する場合、各存在におけるそれの定義は他の全ての存在における定義から独立している。置換基および/または変項の組み合わせが許されるのはそのような組み合わせの結果として安定な化合物がもたらされる場合のみである。
従って、特定の態様において、本発明は、ポリ燐酸を繊維から除去する方法に向けたものであり、この方法は、重合体およびポリ燐酸を含有して成る繊維を典型的には少なくとも120℃にポリ燐酸が加水分解を受けるに有効な時間加熱し、そして個別の段階で、温度が100℃以下の流体を用いてポリ燐酸の加水分解物を前記繊維から除去する段階を含んで成る。いくつかの態様において、前記ポリ燐酸に加水分解を受けさせるに有効な時間は約120秒以内である。別の態様では、繊維を加熱する段階に、対流加熱、放射加熱、輻射加熱、RF加熱、伝導加熱、蒸気加熱またはこれらの任意組み合わせを含めてもよい。更に別の態様において、前記重合体はポリアレーンアゾールを含んで成り、より好適には、前記ポリアレーンアゾールはポリピリドアゾールである。他の特定態様におけるポリアレーンアゾールはポリピリドビスイミダゾール、より好適にはポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4’,5’−e]ピリジニレン)である。更に別の態様におけるポリアレーンアゾールはポリベンゾアゾール、より好適にはポリベンゾビスオキサゾールである。いくつかの態様において、より典型的には、ポリ燐酸の加水分解物の除去に前記繊維を塩基で洗浄することを含め、より好適には、前記繊維を前記塩基で洗浄する前および後に水で洗浄する。典型的には、前記塩基を前記重合体と燐酸の間の結合または会合を破壊するに充分なほど強いように選択すべきであり、典型的には、それに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、重炭酸ナトリウムまたはこれらの任意組み合わせ、好適には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはこれらの任意組み合わせを含める。特定の態様では、ポリ燐酸の加水分解物の除去に、前記繊維を塩基で洗浄した後に酸で洗浄することを含める。他の態様では、前記繊維を100℃未満に冷却する段階とポリ燐酸の加水分解を前記繊維から除去する段階を同時に実施する。更に他の態様では、ポリ燐酸の加水分解物を除去する時に用いる流体の温度を約60℃以下にする。
繊維中のポリ燐酸に加水分解を受けさせる本発明の方法のいろいろな態様では、重合体およびポリ燐酸を含有して成る繊維を典型的にはpHが4.0未満の酸性媒体中で100℃を超える温度にポリ燐酸が加水分解を受けるに有効な時間加熱する。いくつかの態様では、前記ポリ燐酸に加水分解を受けさせるに有効な時間は約120秒以内である。他のいくつかの態様において、前記酸性媒体の燐酸含有量を約80重量%以下にする。特定の態様では、前記酸性媒体のpHをより典型的には3.0未満、好適には2.0未満にする。特定の態様では、前記酸性媒体に好適には温度が140℃未満の沸騰している燐酸を含める。ポリ燐酸の加水分解物を必ずしも前記繊維から除去する必要はないが、特定の態様では、本方法に、更に、ポリ燐酸の加水分解物を前記繊維から除去する段階も含める。好適な態様では、前記ポリ燐酸の加水分解後に前記重合体が実質的に加水分解を受けていないままであるようにする。本明細書で定義するように、前記重合体が「実質的に加水分解を受けていないままである」は、前記重合体の固有粘度がその工程の影響を実質的に受けていないことを意味する。
他の態様において、本発明は、ポリアレーンアゾール重合体材料中のポリ燐酸に加水分解を受けさせる方法に向けたものであり、この方法は、a)ポリアレーンアゾールおよびポリ燐酸を含有して成っていて前記ポリアレーンアゾールの繰り返し単位構造の少なくとも50モルパーセントが2,5−ジヒドロキシ−パラ−フェニレン部分を含有して成る重合体材料を準備し、そしてb)前記重合体材料を典型的には100℃以上に加熱することでポリ燐酸の少なくとも一部に加水分解を受けさせる段階を含んで成る。より典型的には、本方法に、更に、ポリ燐酸の加水分解物を前記重合体材料から除去する段階も含める。
他の態様において、本発明は、ポリ燐酸を含有する重合体溶液から紡績したヤーン(このヤーンは燐をこのヤーンの少なくとも約1.5重量パーセントの量で含有する)から燐を除去する方法に向けたものであり、この方法は、典型的に、前記ヤーンを塩基と接触させた後に前記ヤーンを水性流体で洗浄することを含んで成る。特定の態様において、前記ヤーンと前記塩基を接触させる前の前記ヤーンの燐含有量は典型的にヤーンの重量を基準にして2から20パーセントの範囲であり、より典型的には、燐の含有量はヤーンの重量を基準にして4から15パーセントの範囲内である。いくつかの態様では、前記ヤーンと前記塩基の接触に噴霧、コーティング、フローイング(flowing)、ドローイング(drawing)、浸漬またはこれらの任意組み合わせを含める。典型的には、前記ヤーンと接触させる前記塩基に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、重炭酸ナトリウムまたはこれらの任意組み合わせを含める。他の態様では、前記ヤーンを洗浄する時に典型的に用いる水性流体に酸、より典型的には揮発性酸を入れておく。揮発性酸の適切な非限定例には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸またはこれらの任意組み合わせが含まれる。そのような揮発性酸は好適には酢酸またはプロピオン酸である。特定の態様において、前記重合体はポリアレーンアゾールを含んで成る。好適には、前記ポリアレーンアゾールはポリピリドアゾール、より好適にはポリピリドビスイミダゾールである。いくつか態様において、更により好適なポリアレーンアゾールはポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4’,5’−e]ピリジニレン)である。他の態様におけるポリアレーンアゾールはポリベンゾアゾール、より典型的にはポリベンゾビスオキサゾールである。
ポリ燐酸を含有する重合体溶液から紡績したヤーンから燐を除去する更に別の方法において、前記水性流体で洗浄した後のヤーンが含有する燐の量はヤーンの重量を基準にして典型的に≦0.1パーセントである。特定の態様では、重合体およびポリ燐酸を含有して成る紡績したマルチフィラメントヤーンを少なくとも120℃にポリ燐酸が加水分解を受けるに有効な時間、好適には約600秒以内、より好適には約120秒以内の時間加熱することで前記ヤーンを準備する。特定の態様では、前記ヤーンと接触させる時に用いる塩基を水酸化ナトリウム水溶液にするか、或は水性洗浄用流体に酢酸を入れるか、或は両方にする。他の態様では、前記塩基と接触させる段階の時間を典型的には30秒以内、好適には20秒以内にする。同様に、他の特定態様では、水性流体を用いた洗浄段階の時間を30秒以内、好適には20秒以内にする。更に別の態様では、前記ヤーンを塩基と接触させる段階を前記ヤーンを水性流体で洗浄する段階の前に始める。
特定の態様において、本発明は、ペンダント型ヒドロキシル基を有しかつカチオン(ナトリウム、カリウムもしくはカルシウムまたはこれらの任意組み合わせを包含)を繊維重量を基準にして少なくとも2パーセント有するポリアレーンアゾール重合体を含有して成る繊維に向けたものである。いくつか態様におけるポリアレーンアゾールは典型的にポリピリドアゾール、好適にはポリピリドビスイミダゾールである。更により好適なポリピリドビスイミダゾールはポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4’,5’−e]ピリジニレン)である。他の態様におけるポリアレーンアゾールはポリベンゾアゾール、典型的にはポリベンゾビスオキサゾールである。特定の態様では、前記繊維が含有するナトリウムの量は典型的に繊維の重量を基準にして2パーセント以上である。更に別の態様において、前記繊維が含有するカチオンの量は典型的に繊維の重量を基準にして3パーセント以上である。特定の態様において、前記繊維が含有するナトリウムの量は繊維の重量を基準にして3パーセント以上である。
他の態様において、本発明は、カチオンをポリアレーンアゾール繊維から除去する方法に向けたものであり、この方法は、a)ペンダント型ヒドロキシル基を有しかつカチオンを少なくとも2重量パーセント有するポリアレーンアゾール重合体を含有して成る繊維を準備し、b)前記繊維を酸を含有する水溶液と接触させることで前記カチオンの少なくとも一部を放出させそしてc)場合により前記繊維を水で洗浄してもよい段階を含んで成る。特定の態様において、前記酸はより典型的には揮発性酸である。揮発性酸の適切な非限定例には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸またはこれらの任意組み合わせ、好適には酢酸、プロピオン酸またはこれらの任意組み合わせが含まれる。いくつかの態様では、そのような水溶性の酸含有量を典型的には約0.1から約10重量パーセントにする。他の態様では、ポリアレーンアゾール繊維から除去するカチオンにナトリウム、カリウム、カルシウムまたはこれらの任意組み合わせが含まれる。前記繊維と前記水溶液の接触に典型的には噴霧、コーティング、フローイング、ドローイング、浸漬またはこれらの任意組み合わせを含める。その接触段階を特定の重合体または繊維に応じてより短くか或はより長くしてもよいが、その接触段階の時間は典型的に約30秒以内、好適には約20秒以内である。同様に、任意の洗浄段階の時間も決定的ではあり得ないが、その任意の洗浄段階の時間は典型的に約30秒以内、好適には約20秒以内である。特定の態様において、前記繊維を酸が入っている水溶液と接触させそして場合により前記繊維を水で洗浄する段階の後の繊維が含有するカチオンの量は繊維の重量を基準にして約0.1パーセント以下、好適には繊維の重量を基準にして約0.05パーセント以下のカチオンである。他の態様において、更に、前記繊維を前記水溶液と接触させる前に前記繊維が含有していた燐の量は繊維の重量を基準にして少なくとも約0.1パーセント、より典型的には、前記繊維を前記水溶液と接触させる前の燐の量は繊維の重量を基準にして少なくとも約1パーセントである。更に別の態様におけるポリアレーンアゾールはポリピリドアゾール、典型的にはポリピリドビスイミダゾールである。好適な特定態様におけるポリピリドビスイミダゾールはポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4’,5’−e]ピリジニレン)である。更に他の態様におけるポリアレーンアゾールはポリベンゾアゾール、好適にはポリベンゾビスオキサゾールである。
適切なポリアレーンアゾールの単量体を非酸化性で脱水性の酸の溶液に入れて非酸化性雰囲気下で温度を約120℃以下の温度から少なくとも約170℃の温度にまで段階的または傾斜的上昇様式で高くしながら混合しつつ反応させる。そのポリアレーンアゾール重合体は剛体棒状、半剛体棒状または柔軟なコイル状であり得る。それは好適には離液性の液晶重合体であり、これは溶液中でそれの濃度が臨界濃度を超えると液晶ドメインを形成する。剛性ポリアレーンアゾール重合体が30℃のメタンスルホン酸中で示す固有粘度は好適には少なくとも約10dL/g、より好適には少なくとも約15dL/g、最も好適には少なくとも約20dL/gである。
本発明の特定態様を図1を参照して考察する。いくつかの態様では、当該重合体を酸である溶媒中で生じさせることでドープ溶液2を生じさせる。他の態様では、当該重合体を生じさせた後に酸である溶媒に溶解させる。いずれも本発明の範囲内である。好適には、当該重合体を酸である溶媒中で生じさせた後、それを本発明で用いる。その重合体とポリ燐酸が入っているドープ溶液2には重合体が典型的にこの重合体が押出し加工そして凝固後に受け入れられるフィラメント6を形成するに充分なほど高い濃度で入っている。その重合体が離液性液晶の場合、そのドープ2中の重合体濃度を好適には液晶ドープが生じるに充分なほど高くする。その重合体濃度を好適には少なくとも約7重量パーセント、より好適には少なくとも約10重量パーセント、最も好適には少なくとも約14重量パーセントにする。最大濃度を典型的には主に実用上の要因、例えば重合体の溶解性およびドープの粘度などによって選択する。その重合体の濃度を好適には30重量パーセント以下、より好適には約20重量パーセント以下にする。
その重合体ドープ溶液2に添加剤、例えば抗酸化剤、滑剤、紫外線遮断剤、着色剤などを入れてもよく、通常はそれらを入れる。
前記重合体ドープ溶液2を典型的にはダイスもしくは紡績口金4に通して押出し加工または紡績することでドープフィラメントを生じさせるか或は紡績する。紡績口金4に含める穴の数を好適には多数にする。その紡績口金4の中の穴の数およびそれらの配置は本発明にとって決定的ではないが、経済性が理由で穴の数を最大限にするのが望ましい。紡績口金4に含める穴を数を約100から1000またはそれ以上にしてもよく、それらを円形、格子または他の所望配列のいずれかに配置してもよい。紡績口金4はドープ溶液2によって劣化しない如何なる材料で作られていてもよい。
溶液を用いて繊維を紡績する時、かなりの数の方法を用いることができるが、しかしながら、湿式紡績および「エアギャップ」紡績が最も良く知られている。そのような紡績方法に適した紡績口金および浴の一般的な配置は本技術分野で良く知られており、米国特許第3,227,793号、3,414,645号、3,767,756号および5,667,743号に示されている図が高強度の重合体をそのように紡績する方法の例示である。「エアギャップ」紡績では典型的に最初に紡績口金に通して繊維を押出して気体、例えば空気の中に入れる。「エアギャップ」紡績(時にはまた「ドライジェット」湿式紡績としても知られる)を用いる方法の例示に役立たせる目的で図1を用い、紡績口金4から出たドープ溶液2は、非常に短い時間ではあるが、紡績口金4と凝固浴10の間のギャップ8(必ずしも空気が入っている必要はないが典型的に「エアギャップ」と呼ばれる)の中に入る。そのギャップ8の中に入れる流体は、凝固を誘発することも当該ドープと不利な反応を起こすこともない如何なる流体であってもよく、例えば空気、窒素、アルゴン、ヘリウムまたは二酸化炭素などであってもよい。その押出されたドープ6は引き伸ばしの有り無しでエアギャップ8を通ることで延伸を受けた後、直ちに液状の凝固浴液の中に入る。別法として、その繊維に「湿式紡績」を受けさせることも可能である。湿式紡績の場合、典型的に、紡績口金に通して繊維を押出した後に凝固浴の液体の中に直接入らせるが、その紡績口金を一般的には前記凝固浴液の中に浸漬させておくか或は液面下に位置させる。本発明の方法で用いる繊維を生じさせる時にいずれの紡績方法も使用可能である。本発明のいくつかの態様では、エアギャップ紡績が好適である。
その押し出されたドープ6を水または水と燐酸の混合物を入れておいた凝固浴10の中で「凝固」させ、それによって、ポリ燐酸をその押し出されたドープ6が次のいずれかの工程中に実質的な伸びを示さなくなるに充分なほど除去する。多数の繊維を同時に押出す場合、それらに凝固段階を受けさせる前、間および後にそれらを一緒にすることでマルチフィラメントヤーンを生じさせてもよい。本明細書で用いる如き用語「凝固」は、必ずしも、その押し出されたドープ6が流動する流体でありそして固相に変化することを意味するものでない。その押し出されたドープ6の温度は、それが凝固浴10の中に入る前に本質的に流動しないほど低い温度であってもよい。しかしながら、その凝固浴10によって当該フィラメントの凝固を確保するか或は完了させる、即ち当該重合体をドープ溶液2から実質的に固体状の重合体フィラメント12に変化させる。この凝固段階中に除去される溶媒、即ちポリ燐酸の量は、そのドープフィラメントが凝固浴の中に入っている時間、その浴10の温度およびそれに入っている溶媒の濃度に依存するであろう。
如何なる特別な実施理論でも範囲を限定することを望むものでないが、本発明は、ある程度ではあるが、残存燐濃度が低いと長期の繊維特性がより良好に保存されることを見いだしたことが基になっていると考えている。これは、ある程度ではあるが、PPAを当該繊維から除去する前にそれに加水分解を受けさせておくことで達成可能であり、ポリ燐酸に実質的に加水分解を受けさせておくとその加水分解物を当該繊維から有効に除去することができることで低い残存燐を達成することができると考えている。典型的にはPPAに実質的な加水分解を当該繊維が実質的に加水分解を受けないままである条件下で受けさせる。本発明を習得した本分野の技術者は本発明を実施するいろいろな様式を認識するであろうが、便利には、洗浄および/または中和段階を実施する前に当該フィラメントもしくはヤーンを加熱することでPPAに加水分解を受けさせておいてもよい。1つの加水分解様式には、凝固させた繊維を短時間対流加熱することが含まれる。対流加熱の代替法として、凝固させたままの湿った状態のフィラメントもしくはヤーンを沸騰水または酸水溶液に入れて加熱することで加水分解を起こさせることも可能である。そのような加熱処理によって、製品である繊維の引張り強度は充分に保持されながらPPAが加水分解を起こすようにする。そのような熱処理段階を個別のキャビネット14内で実施してもよいか、或はそれを最初の工程順として実施した後に現存の洗浄用キャビネット14の中で洗浄を1回以上行う段階を設けてもよい。
いくつかの態様では、(a)当該ドープフィラメントと溶液の接触を浴槽またはキャビネット14中で起こさせることでPPAに加水分解を受けさせた後、(b)前記フィラメントと中和用溶液の接触を水と有効量の塩基が入っている浴槽またはキャビネット16の中で前記フィラメントに入っている燐酸、ポリ燐酸またはこれらの任意組み合わせが充分な量で中和されるに充分な条件下で起こさせることで加水分解と除去を実施する。
その凝固させたフィラメントに付随するポリ燐酸(PPA)に実質的な加水分解を受けさせる処理を実施した後、フィラメントもしくはヤーン12を1回以上の洗浄段階で洗浄して残存する酸である溶媒/およびまたはPPA加水分解物の大部分をフィラメントもしくはヤーン12から除去することで、PPA加水分解物を前記フィラメントもしくはヤーン12から除去してもよい。そのフィラメントもしくはヤーン12の洗浄は、このフィラメントもしくはヤーン12を塩基で処理するか或はフィラメントもしくはヤーンに塩基を用いた処理を行う前および/または後に水を用いた洗浄を行う複数回の洗浄で実施可能である。また、その後、そのフィラメントもしくはヤーンに酸を用いた処理を受けさせることで当該重合体に入っているカチオンの濃度を低くすることも可能である。その一連の洗浄は当該フィラメントを一連の浴槽および/または1個以上の洗浄用キャビネットの中に通すことによる連続工程として実施可能である。図1に、1種の洗浄用浴槽もしくはキャビネット14を示す。洗浄用キャビネットは、典型的に、1本以上のロールが入っている密封されたキャビネットを含んで成り、前記フィラメントは前記ロールの回りを複数回移動しかつ横切った後に前記キャビネットから出て行く。フィラメントもしくはヤーン12がロールの回りを移動している時にそれに洗浄用流体を噴霧する。その洗浄用流体を前記キャビネットの底に連続的に集めた後、それから排出させる。
洗浄工程を制御する拡散速度は洗浄用流体1種または2種以上の温度の影響を受けることから、温度の選択は実際上重要な事項である。必要な滞留時間に応じて好適には20から90Cの範囲の温度を用いる。その洗浄用流体を気体形態(蒸気)で加えてもよいが、より便利には、液状形態で供給する。好適には、多数の洗浄用浴槽またはキャビネットを用いる。フィラメントもしくはヤーン12をいずれか1つの洗浄用浴槽またはキャビネット14の中に滞留させる時間は、フィラメントもしくはヤーン12中の所望残存燐濃度に依存するが、好適には、滞留時間を約1秒から約2分以内の範囲内にする。連続工程の場合には、好適な多数の洗浄用浴槽および/またはキャビネットの中の全洗浄工程時間を好適には約10分以内、より好適には約5秒以上から約160秒以内にする。
いくつかの態様において、PPA加水分解物を除去するに好適な塩基には、NaOH、KOH、NaCO、NaHCO、KCO、KHCO、アンモニアまたはトリアルキルアミン、好適にはトリブチルアミンまたはこれらの混合物が含まれる。1つの態様における塩基は水溶性である。典型的な塩基水溶液には、NaOH、KOH、NaCO、NaHCO、KCO、KHCOおよびアンモニアまたはこれらの混合物、より典型的にはNaOHが含まれる。
当該繊維を塩基で処理した後の工程に、場合により、当該重合体繊維と結合または会合している過剰量の塩基もしくは塩基カチオンの全部または実質的に全部が除去されるように前記フィラメントを水もしくは酸または両方が入っている洗浄用溶液と接触させる段階を含めてもよい。その洗浄用溶液を洗浄用浴槽またはキャビネット18の中に加えてもよい。
洗浄後の繊維もしくはヤーン12を乾燥機20で乾燥させることで水および他の液体を除去してもよい。その乾燥機内の温度を典型的には80℃から130℃にする。その乾燥機内の滞留時間を典型的には5秒から恐らくは温度を低くした時の約5分にする。その乾燥機の雰囲気を窒素または他の非反応性雰囲気にしてもよい。次に、その繊維に場合によりさらなる処理を例えば熱硬化用装置22内などで受けさせてもよい。当該フィラメントの引っ張り強さを向上させそして/または分子の物理的歪みを解放するためのさらなる処理を窒素パージ管炉22内で実施してもよい。最後に、フィラメントもしくはヤーン12を巻き取り装置24で巻き取ってパッケージにする。そのフィラメントもしくはヤーンを工程全体に渡って移送する目的でロール、ピン、ガイドおよび/または電動装置26を適切に位置させる。
本明細書に記述する如き成形品には、押出し加工もしくはブロー成形品もしくはフィルム、鋳込み品などが含まれる。フィルムの製造は公知技術、例えば(1)当該ドープを平らな表面の上に流し込み成形するか、(2)当該ドープを押出し加工機で押出し加工することでフィルムを成形するか、或は(3)当該ドープフィルムを押出し加工およびブロー成形することで押出しブロー加工フィルムを成形することなどで実施可能である。典型的なドープフィルム押出し加工技術には、繊維で用いられる方法と同様な方法が含まれるが、その場合には、その溶液を紡績口金もしくはダイスに通してエアギャップまたは流体層の中に入らせた後に凝固浴槽の中に入らせる。ドープフィルムの押出し加工および配向のより詳細な記述をPierini他(米国特許第5,367,042号)、Chenevey(4,898,924)、Harvey他(4,939,235)およびHarvey他(4,963,428)に見ることができる。典型的には、その生じさせるドープフィルムの厚みを好適には約250ミル(6.35mm)以下にし、より好適には、それの厚みを最大で約100ミル(2.54mm)にする。
PPAの加水分解物を除去した後に乾燥させたフィラメントの燐含有量が好適には約5,000ppm(0.5%)重量未満、より好適には約4,000ppm(0.4%)重量未満、最も好適には約2,000ppm(0.2%)重量未満になるようにする。
本発明は、更に、一部として、本発明のフィラメントを多数含んで成るヤーン、本発明のフィラメントまたはヤーンを含有させたファブリック、そして本発明のファブリックを含有させた製品にも向けたものである。
実験試験方法
以下の実施例では以下に記述する試験方法を用いた。
温度:温度を全部摂氏度(℃)で測定する。
デニールをASTM D 1577に従って測定し、これは9000メートルの繊維の重量(グラム)として表される如き繊維の線形密度である。
引っ張り強さをASTM D 885に従って測定し、これはデニール当たりのグラムとして表される如き繊維の最大もしくは破断時応力である。
元素分析:アルカリカチオン(M)および燐(P)の元素分析値を下記の如き誘導結合プラズマ(ICP)方法に従って測定する。重量を正確に測定しておいたサンプル(1−2グラム)をCEM Star 6マイクロ波装置の石英製容器の中に入れる。濃硫酸(5ml)を加えた後、渦巻き撹拌することで湿らせる。前記容器に冷却器を連結した後、サンプルを適度炭化方法を用いて分解させる。この方法はサンプルを260℃以下のいろいろな温度に加熱することで有機材料を炭化させることを伴う。その装置を用いていろいろな分解段階で一定分量の硝酸を自動的に加える。透明な最終的液状分解物を室温に冷却した後、脱イオン水で50mlに希釈する。Perkin Elmer optima誘導結合プラズマ装置を製造業者が推奨する条件および設定で用いて前記溶液を分析することができる。1サンプル当たり数種の異なる波長を用いて全体で26種の異なる元素を分析することができる。特定の元素、例えばナトリウムおよび燐などの場合には1/10の希釈度が必要であり得る。較正標準は1から10ppmである。
工程実施例
以下の実施例の多くは本発明のいろいろな態様を例示する目的で示すものであり、決して限定するとして解釈されるべきでない。重合体の固体濃度、単量体を基にした重量パーセントおよび重合体溶液のP2O5濃度パーセントの全部をTAPとDHTAが1:1モルの複合体としてのTD−複合体を基準にして表す。このTD−複合体は一水化物であると考えている。
以下の実施例では、ポリ([ジヒドロキシ]パラ−フェニレンピリドビスイミダゾール)[本明細書ではまた「PIPD」とも呼び、これを互変異性形態の中の1つとして以下に示す]をポリ燐酸に18重量パーセント入れることで構成させた重合体溶液を用いてPIPDフィラメントを紡績した。その溶液を紡績口金から押出し、エアギャップに通すことでそれに延伸を受けさせた後、それを水中で凝固させた。次に、そのヤーンを湿った状態で追加的段階無しにボビンに巻き取った。湿った状態のボビンに処理を6時間以内に受けさせない時には、それにさらなる処理を受けさせるまでそれを冷蔵しておいた。
Figure 0004829959
以下に示す実施例の中のいくつかは、新しく紡績した繊維に残存する(ポリ)燐酸を除去するのが困難であることを例示するものである。例えば、実施例Aに、目的のある除去を行わなかった時に繊維中に存在するPの典型的な濃度を示す。実施例Bに、水を用いた典型的な洗浄を利用したのでは湿った状態のヤーンからPPAを洗い流すのが困難であることを例示する。実施例Cに、PIPD繊維を処理する時の好適な酸濃度上限であると考えている酸濃度を例示する。濃度がそれ以上の場合、特定の態様では、当該繊維が崩壊し始める可能性がある。
実施例Dに、沸騰水を用いた伝統的な洗浄を利用したのでは湿った状態のヤーンからPPAを洗い流すのが困難であることを例示する。実施例E−Kに、残存するポリ燐酸に加水分解を受けさせる熱処理段階を繊維もしくはヤーンの洗浄と組み合わせて実施するのが有利であることを示す。
実施例A
この実施例では、水を用いた典型的な洗浄を利用したのでは湿った状態のヤーンからPPAを洗い流すのが困難であることを例示する。250穴の紡績口金を用いてPが81.6重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。その凝固させたままの湿った状態のヤーンを空気で乾燥させた後、燐に関する分析を実施した。このサンプルは燐を非常に高い濃度(63400ppm)で含有することに加えてナトリウムを175ppm含有することを確認した。
次に、前記凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを室温の新鮮な水に5分間浸漬した。次に、そのヤーンサンプルを新鮮な水で20秒間濯ぎ、空気で乾燥させた後、燐に関する分析を実施した。そのサンプルは燐を58500ppmおよびナトリウムを453ppm含有することを確認した。
次に、前記凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを100℃で穏やかに沸騰している水に5分間浸漬した。次に、そのヤーンサンプルを室温の新鮮な水で20秒間濯いだ後、空気で乾燥させた。そのサンプルは燐を55700ppmおよびナトリウムを700ppm含有することを確認した。
実施例B
250穴の紡績口金を用いてPが82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。その凝固させたままの湿った状態のヤーンを100℃の水に入れて20分間穏やかに沸騰させた。次に、そのヤーンサンプルを新鮮な水で10秒間濯いだ後、空気で乾燥させた。そのサンプルは燐を44500ppmおよびナトリウムを1000ppm含有することを確認した。
実施例C
250穴の紡績口金を用いてPが81.9重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。その凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを沸騰している80%の燐酸(142℃)中で15秒間処理し、91℃の水で10秒間洗浄し、次に2%の苛性水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして水が入っている60℃の浴中で各々10秒ずつ洗浄した。次に、そのサンプルを空気で乾燥させた。このサンプルはフィラメントの粘着および融合を示すことを確認し、残存燐濃度は7.44%であった。
前記凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンの別のサンプルを沸騰(180℃)している90%の燐酸中に入れた。サンプルが急に崩壊した。
実施例D
250穴の紡績口金を用いてPが約82.1重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。次に、その凝固させたままの湿った状態のヤーンのサンプルを水に入れて表1に示す如きいろいろな時間に渡って沸騰させた。次に、そのサンプルを更に60℃で水、2重量%の苛性水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして次に水の逐次的浴中で各浴毎に20秒ずつ洗浄した。乾燥後のサンプルが含有する燐の含有量は以下の表に示す如くであることを確認した。
Figure 0004829959
実施例E
250穴の紡績口金を用いてPが82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを採取した後、最初に表2に示す如きいろいろな濃度の沸騰している燐酸を用いることによる高温の酸加水分解条件による処理を実施した。ヤーンのサンプルに加水分解用媒体中の処理を示す温度で示す時間に渡って受けさせた。次に、そのサンプルの洗浄を表2に示す如く実施した。この洗浄段階に、a)水中の洗浄、b)水中2%の水酸化ナトリウム水溶液中の洗浄、c)水中の洗浄、d)水中2%の酢酸水溶液中の洗浄そして水中の洗浄の段階の組み合わせを含めた。これらの洗浄を以下の表に示す如き温度で示す時間に渡って実施した。そのような攻撃的加水分解条件を洗浄と組み合わせることによって2重量%以下の残存燐濃度を達成することができる。
Figure 0004829959
実施例F
250穴の紡績口金を用いてPが82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを大気圧の蒸気(100℃)中で60秒間処理した後、60℃の水で20秒間濯いだ。そのサンプルを空気で乾燥させた後のP含有量は6.48重量%であることを確認した。空気で乾燥させなかった別の同様な処理を受けさせておいたサンプルを更に60℃で2重量%の水酸化ナトリウム水溶液に続く水の逐次的浴中で20秒間ずつ洗浄した。乾燥させた後の前記サンプルの燐含有量は2.1重量%であることを確認した。
実施例G
250穴の紡績口金を用いてPが82.5重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。そのようにして紡績して凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンのサンプルを約58psigで148℃の飽和状態の蒸気中で60秒間処理した後、60℃の下記の浴中で20秒間ずつ洗浄した:水、2重量%の苛性水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして次に水。乾燥後のサンプルの燐含有量は0.33重量%であることを確認した。
凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンの別のサンプルを100psigで165℃の飽和状態の蒸気中で60秒間処理した後、この上に示した洗浄段階と同じ段階を実施した。その洗浄して乾燥させたサンプルの燐含有量は0.11重量%であることを確認した。実施例HおよびIに、迅速な加水分解を起こさせる目的で乾燥の熱を用いることを示す。実施例Jに、加水分解を起こさせる目的で蒸気の熱を用いることを示す。
実施例H
100穴の紡績口金を用いてPが82.1重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンを吊るした状態で長さが1フィートの窒素パージ管オーブンの中に通した。表3に、洗浄そして乾燥させた後に結果としてもたらされるサンプルに入っている燐の濃度に対して管オーブンの温度および滞留時間が示した影響を示す。あらゆるサンプルを水に続いて2%の水酸化ナトリウム水溶液、水、水中2%の酢酸そして水が入っている60℃の浴中で各々20秒間ずつ洗浄した。凝固させたままの湿った状態のヤーンに乾燥熱による加水分解を受けさせた後に示す洗浄を用いるいろいろな条件下で得た燐濃度は1重量%以下である。
Figure 0004829959
実施例I
250穴の紡績口金を用いてPが82.7重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。実施例Hに記述したようにして、凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンをオーブンに入れて連続的に処理したが、しかしながら、滞留時間および温度は表4に示す通りであった。今回は、ヤーンサンプルに処理を単に45−50℃の下記の浴の各々の中で20秒間ずつ受けさせた:水、2%の水酸化ナトリウム水溶液そして水。残存燐およびナトリウム値を表3に示し、残存燐濃度を低くしようとする時の高温加水分解処理の利点を例示する。
Figure 0004829959
処理を受けさせる前の繊維に入っている燐の濃度を確認する目的で、この上で用いた如き急冷したままの湿った状態のヤーンに燐に関する分析を受けさせた結果、それの含有量は34600ppmであることを確認した。そのサンプルを乾燥させた後の燐含有量は63900ppmであることを確認した。そのようなヤーンサンプル間の燐重量パーセントの差は湿った状態のヤーンに余分な流体が入っていることによるものであった。
実施例J
100穴の紡績口金を用いてPが82.1重量%のポリ燐酸とPIPD重合体が入っている溶液を繊維に紡績した。凝固させたままの湿った状態のPIPDヤーンを吊るした状態で長さが1フィートの管オーブンの中に大気圧の蒸気でパージしながら通した。表5に、洗浄そして乾燥させた後に結果としてもたらされるサンプルに入っている燐の濃度に対して温度および滞留時間が示した影響を示す。あらゆるサンプルを水に続いて2%の水酸化ナトリウム水溶液、水、2%の酢酸水溶液そして水が入っている60℃の浴中で各々20秒間ずつ洗浄した。好適な条件にすると再び1重量%以下の燐濃度が容易に得られる。
Figure 0004829959
実施例K
PIPDがポリ燐酸(Pが82.1重量%)に18重量パーセント入っている重合体溶液からPIPDフィラメントを紡績した。その溶液を穴の数が約250個の紡績口金から押出し、エアギャップに通すことでそれに延伸を受けさせた後、それを水中で凝固させた。その湿った状態のヤーンに処理を201−221℃の測定表面温度で作動している1対の加熱ロール上で61メートル/分(200フィート/分)で受けさせた後、それをボビン上に巻き取った。前記熱ロール上で処理を受けさせたヤーンは非常に堅くかつ個々のフィラメントが過度に融合していることを確認した。加うるに、前記熱ロール上に望ましくない繊維残留物が存在することも観察した。処理の追加的詳細および結果を表6に示す。次に、前記ボビンを5個の逐次的浴の中に室温で各々5分間ずつ浸漬することで前記ボビン上のヤーンに洗浄および中和を受けさせた。そのような浴は順に水、水中2%の水酸化ナトリウム、水、水中2%の酢酸そして水であった。次に、前記ボビン上のヤーンを空気で乾燥させた後、ヤーンのサンプルを採取し、残留燐含有量は極めて様々であり、燐が約0.77重量パーセントから約3.42重量パーセントの範囲であることを確認した。
Figure 0004829959
本資料に引用または記述した特許、特許出願および公開の各々の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。
本分野の技術者は、本発明の好適な態様に対して数多くの変更および修飾を成すことができそしてそのような変更および修飾を本発明の精神から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。従って、添付請求項に本発明の真の精神および範囲内に入る如きそのような相当する変形の全部を包含させることを意図する。
詳細な説明を以下の如く記述する添付図と関連させることで本発明をより完全に理解することができるであろう。
図1は、ポリアレーンアゾール繊維製造工程の図式図である。

Claims (9)

  1. ペンダント型ヒドロキシル基を有しかつナトリウム、カリウムもしくはカルシウムまたはこれらの任意組み合わせを包含するカチオンを繊維重量を基準にして少なくとも2パーセント有し、燐含有量が0.5重量%以下であるポリアレーンアゾール重合体を含有して成る繊維。
  2. 前記ポリアレーンアゾールがポリピリドアゾールである請求項1記載の繊維。
  3. 前記ポリピリドアゾールがポリピリドビスイミダゾールである請求項2記載の繊維。
  4. 前記ポリピリドビスイミダゾールがポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ピリド[2,3−d:5,6−d’]ビスイミダゾールである請求項3記載の繊維。
  5. 前記ポリアレーンアゾールがポリベンゾアゾールである請求項1記載の繊維。
  6. 前記ポリベンゾアゾールがポリベンゾビスオキサゾールである請求項5記載の繊維。
  7. ナトリウムの含有量が繊維の重量を基準にして2パーセント以上である請求項1記載の繊維。
  8. カチオンの含有量が繊維の重量を基準にして3パーセント以上である請求項1記載の繊維。
  9. ナトリウムの含有量が繊維の重量を基準にして3パーセント以上である請求項1記載の繊維。
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