JPH10158213A - 微粉状芳香族ジカルボン酸 - Google Patents

微粉状芳香族ジカルボン酸

Info

Publication number
JPH10158213A
JPH10158213A JP31961396A JP31961396A JPH10158213A JP H10158213 A JPH10158213 A JP H10158213A JP 31961396 A JP31961396 A JP 31961396A JP 31961396 A JP31961396 A JP 31961396A JP H10158213 A JPH10158213 A JP H10158213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
aromatic dicarboxylic
dicarboxylic acid
particle size
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31961396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4092594B2 (ja
Inventor
Takeshi Matsuoka
豪 松岡
Fuyuhiko Kubota
冬彦 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP31961396A priority Critical patent/JP4092594B2/ja
Publication of JPH10158213A publication Critical patent/JPH10158213A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4092594B2 publication Critical patent/JP4092594B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高強力で耐熱性の高い繊維やフィルムに成形す
ることが出来る剛直高分子であるPBZポリマーの製造
に適した、微粉化された芳香族ジカルボン酸を得るこ
と。 【解決手段】微粉化された芳香族カルボン酸であって、
レーザー回折式の粒度分布計で測定したメジアン径が6
μm 以下で最大粒子径が20μm 以下である粒度分布を
持ち、かつ湿式ふるいで測定した32μm 以上の粗大粒
子の混入が0.2重量%以下である粒度分布を持つこと
を特徴とする微粉状芳香族ジカルボン酸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強力で耐熱性の
高い繊維やフィルムに成形することが出来る剛直高分子
であるPBZポリマーの製造に適した、微粉化された芳
香族ジカルボン酸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジカルボン酸は、一般にポリエス
テル、ナイロン等の汎用ポリマーの原料として広く用い
られている。芳香族ジカルボン酸は縮合反応によってこ
れらのポリマー骨格の一部を形成している。同じ様な縮
合反応により、芳香族ジカルボン酸を用いてPBZポリ
マーの様な高機能ポリマーも重合することが出来る。こ
のPBZポリマーを重合する場合、ポリリン酸が重合溶
媒兼縮合剤として用いられることが多い。しかしなが
ら、このPBZポリマーの重合をポリリン酸中で行う場
合に、高重合度のポリマーを得ることは困難である。つ
まり、芳香族ジカルボン酸はポリリン酸に対する溶解度
が著しく低いため、重合反応の進行がきわめて遅く、分
解反応がおこってしまうため、色調が悪く、低重合度の
ポリマーしか得られないのである。
【0003】そこで前記問題を解決するために、95%
以上が10μm 以下に粉砕された芳香族ジカルボン酸を
用いれば良いことが知られている。(Macromolecules 1
981,14,915)このような芳香族ジカルボン酸を使用すれ
ば、確かに高重合度で色調の良いポリマーが得られる
が、この場合でも成形時、例えば繊維やフィルムに成形
する場合には、フィルターの背圧が短時間で上昇し、成
形困難に陥るため、工業的に使用することは出来ないこ
とが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、これまで
知られていたPBZポリマーに用いられる芳香族ジカル
ボン酸は、高重合度で色調の良いポリマーを得るには充
分であったが、成形時の操業性は必ずしも良くなく、工
業的にPBZポリマーの繊維、フィルム製品等を得るに
は、不充分であった。従って本発明は高重合度で、色
調、成形時の操業性の良いPBZポリマーを工業的に得
るために好適な芳香族ジカルボン酸を得ることを課題と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
達成するために鋭意、研究、検討した結果、粗大粒子の
混入を極めて少なくした芳香族ジカルボン酸が好適であ
ることを見い出し、遂に本発明を完成するに到った。即
ち本発明は、微粉化された芳香族カルボン酸であって、
レーザー回折式の粒度分布計で測定したメジアン径が6
μm 以下で最大粒子径が20μm 以下である粒度分布を
持ち、かつ湿式ふるいで測定した32μm 以上の粗大粒
子の混入が0.2重量%以下である粒度分布を持つこと
を特徴とする微粉状芳香族ジカルボン酸である。
【0006】本発明における芳香族ジカルボン酸とし
て、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,5−
ジメチルテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられ
るが、これらに限定されず、その他種々の誘導体も含ま
れる。
【0007】本発明の芳香族ジカルボン酸の特徴である
粒度分布は、レーザー回折式の他に遠心沈降式、コール
ターカウンター、画像処理等により測定できるが、一般
にレーザー回折式の粒度分布計が最も迅速に、再現性の
良いデータを与えてくれる。本発明の芳香族ジカルボン
酸の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布計を用い、水
に界面活性剤を添加して分散し、測定した値を採用して
いる。なお粒度分布は芳香族ジカルボン酸の表面積に関
係しており、例えば芳香族ジカルボン酸をPBZポリマ
ーの原料として用いる場合、芳香族ジカルボン酸は重合
溶媒であるポリリン酸に対する溶解度が低いため、出来
るだけ表面積を大きくして、溶解速度を速くする必要が
ある。工業的に許される程度の重合速度を得るために
は、レーザー回折式の粒度分布計で測定した場合、少な
くともメジアン径が6μm 以下で、最大粒子径が20μ
m 以下である粒度分布であることが必要であり、さらに
好ましくは、メジアン径が3.5μm 以下、最大粒子径
が10μm以下の粒度分布が必要である。これより大き
い粒度分布を持つ芳香族ジカルボン酸を使用した場合、
反応速度が遅く、工業的な生産には適さない。また反応
を速くするために、反応温度をむやみに上げると、分解
反応のためにポリマー色調が悪化し、高重合度のポリマ
ーが得られない。
【0008】上記の粒度分布を持つ芳香族ジカルボン酸
を使用すれば、色調の良い高重合度のポリマーが工業的
に許される程度の速度で重合できるが、成形時の操業性
が悪い場合がある。つまり、繊維、フィルム状に押し出
す際、異物除去の目的で設けられたフィルターの背圧が
上昇し、生産不能になることがしばしば起こる。これ
は、極少量混入した芳香族ジカルボン酸の粗大粒子が未
溶解のまま存在し、フィルターを閉塞するために起こる
現象である。従って、操業性の良いPBZポリマードー
プを得るためには、粗大粒子の極めて少ない芳香族ジカ
ルボン酸を使用する必要がある。ところが極めて少量の
粗大粒子の混入は、レーザー回折式粒度分布計では検知
出来ないため、湿式篩いにより評価する必要がある。本
発明では、粗大粒子を評価するのに、目開き32μmの
標準篩いを使用し、粗大粒子の混入量としては、湿式篩
いにより、篩い上に残った芳香族ジカルボン酸を適当な
溶媒に溶解し、紫外光の吸収を測定することにより定量
した。こうして定量した粗大粒子の量は、0.2%以下
であることが必要で、好ましくは0.05%以下、さら
に好ましくは0.01%以下である。これ以上粗大粒子
が混入すると成型時にフィルター背圧が上昇し、操業性
が極めて悪化するので好ましくない。
【0009】本発明微粉状芳香族ジカルボン酸を得る方
法としては、種々の方法を採用することができるが、特
にジェット気流中で粉砕することが好ましく、ジェット
気流を利用した気流式粉砕機にはスパイラル型や、ジェ
ットオーマイザー型、カウンタージェット型等がある
が、いずれの装置を使用してもよい。その他の衝撃式粉
砕機、ボールミルの様な媒体ミルは、装置磨耗によるコ
ンタミが多く混入するために、使用に適さない場合が多
い。一般に気流式粉砕機はそれ自身に分級機構を備えて
いるものが多いが、さらに気流式の分級機等により分級
し、粗大粒子を減らす操作を加えても良い。また粉砕操
作を2度、3度と繰り返してもよい。
【0010】以上かかる構成よりなる本発明微粉状芳香
族ジカルボン酸は、特にPBZポリマーの原料として用
いることが好ましく、前記PBZポリマーとは下記一般
式(1)、(2)で表される構造を主たる構成単位とす
る複素環含有ホモポリマー及びコポリマーである。
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】 (但し、一般式(1)、(2)において、Xは0、Sま
たはNHを表し、YはC又はNを表す。Zは二価の芳香
族有機残基であり、下記一般式(3)〜(6)で表すこ
とが出来る)
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】 (但し、一般式(3)〜(6)において、R1 、R2
水素原子、又はメチル基、スルホン酸基、ヒドロキシル
基を表し、互いに異なっていても同じであってもかまわ
ない)
【0017】前記PBZポリマーとして、具体的には、
シス−又はトランス−パラフェニレンベンゾビスオキサ
ゾール、シス−又はトランス−パラフェニレンベンゾビ
スチアゾール、シス−又はトランス−パラフェニレンベ
ンゾビスイミダゾール、ポリ(2,5−ジヒドロキシフ
ェニレン)ピリドビスオキサゾール、ポリ(2,5−ジ
ヒドロキシフェニレン)−ピリドビスイミダゾール等が
挙げられる。
【0018】なお前記PBZポリマーの重合溶媒として
は、ポリリン酸を用いることが多く、このポリリン酸の
濃度は110%以上のものが用いられることが多いが、
105〜121%までの濃度範囲で任意に選択できる。
また、ポリリン酸の濃度を調整し、溶媒の脱水能力を高
めるために五酸化リンを加えたり、メタンスルホン酸を
加えたりすることも可能である。本発明微粉状芳香族ジ
カルボン酸は、前記ポリリン酸を重合溶媒として用いて
も重合反応は速やかに進行し、色調の良い、高重合度の
PBZパリマーを得ることができるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
テレフタル酸、及びそれを用いたシスーポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾールの製造を例に挙げて本発明
を具体的に実施する方法を説明する。まず、工業的に市
販されている高純度テレフタル酸を気流式粉砕機で粉砕
し、メジアン径が1.5〜6.0μmの微粉化したテレ
フタル酸を得る。このテレフタル酸を湿式ふるいで、3
2μm以上の粗大粒子を評価し、粗大粒子の混入量が
0.2%以下であれば、この後シス- ポリパラフェニレ
ンベンズビスオキサゾールを製造する。粗大粒子が0.
2%以上混入している場合には、再度粉砕を行うか、気
流式分級機を用いて粗大粒子を除去する。上記粉砕した
テレフタル酸、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸
塩、ポリリン酸、五酸化リンを70〜220℃で加熱混
合し、シスーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ルのポリマードープを得る。このポリマードープを押し
出し機を用いて、ノズル口金から押し出し、水中で凝固
させて、糸やフィルム状に成形する。
【0020】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお実施例中の測定値は以下の方法によって測定した値
である。 粒度分布:HORIBA LA-910 型レーザー光散乱粒度分布計
(堀場製作所製)を用い、分散媒を水とし、分散剤とし
てノニオン210を使用して、超音波を当てながら測定
した。 粗大粒子の量:440メッシュ、目開き32μmの標準
篩いを使用した湿式篩い法を採用し、分散媒を200ミ
リリットルの石鹸水とし、50gの試料を充分に分散さ
せた後、流水中で湿式篩いを行った。篩い上に残った粗
大粒子をさらに3分間、流水中で洗い、風乾した後、水
酸化ナトリウム水溶液に溶解して、紫外光の吸収を測定
することにより粗大粒子の量を定量した。 PBZポリマーの極限粘度:メタンスルホン酸を溶媒と
して、25℃で測定した。
【0021】実施例1 市販のテレフタル酸(メジアン径120 μm )100kg
をジェットミルで粉砕し、微粉化したテレフタル酸96
kgを得た。このテレフタル酸の粒度分布は、メジアン
径2.5μm、最大粒径21μmであった。湿式ふるい
で、粗粒を評価すると0.25%混入していたので、気
流式分級機で分級操作を行い、メジアン径2.3μm、
最大粒径15μm、粗粒0.01%のテレフタル酸84
kgを得た。かくして得られたテレフタル酸を用いてシ
スーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを重合
した。即ち、116%のポリリン酸43.86kgに窒
素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、
4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩9.10kg
及び上記微粉化したテレフタル酸7.10kgを加え、
70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、さらに
200℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを得
た。ポリマードープの色は黄色であり、固有粘度は30
dL/gであった。このポリマードープを押し出し機を
用いて0.2mm径のノズルから吐出し、延伸しながら
水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前
に800メッシュのナスロンフィルターをつけていた
が、その背圧上昇は皆無であった。
【0022】比較例1 市販のテレフタル酸(メジアン径120μm)100k
gをジェットミルで粉砕し、微粉化したテレフタル酸9
5kgを得た。このテレフタル酸の粒度分布は、メジア
ン径2.6μm、最大粒径21μmであった。湿式ふる
いで、粗粒を評価すると0.25%混入していた。この
粗粒が混入したテレフタル酸を用いてシスーポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールを重合した。即ち、1
16%のポリリン酸43.86kgに窒素気流下、五酸
化二リン14.49kgを加えた後、4,6−ジアミノ
レゾルシノール二塩酸塩9.10kg及び上記微粉化し
たテレフタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合
した後、130℃で19時間、さらに200℃で2時間
撹拌して重合させ、シスーポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾールのポリマードープを得た。ポリマードー
プの色は黄色であり、固有粘度は44dL/gであっ
た。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2m
m径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固さ
せ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッ
シュのナスロンフィルターをつけていたが背圧上昇のた
め、13kgを吐出した時点で紡糸不能になった。
【0023】実施例2 市販の2,6−ナフタレンジカルボン酸(メジアン径1
80μm)100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化
したナフタレンジカルボン酸97kgを得た。このナフ
タレンジカルボン酸の粒度分布は、メジアン径5.3μ
m、最大粒径28μmであった。湿式ふるいで、粗粒を
評価すると1.24%混入していたので、再度ジェット
ミルで粉砕を行い、メジアン径3.1μm、最大粒径1
4μm、粗粒0.02%のナフタレンジカルボン酸78
kgを得た。かくして得られたナフタレンジカルボン酸
を用いてシスーポリ−2,6−ナフタレンベンゾビスオ
キサゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸4
3.86kgに窒素気流下、五酸化二リン14.49k
gを加えた後、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸
塩9.10kg及び上記微粉化したナフタレンジカルボ
ン酸9.23kgを加え、70℃で撹拌混合した後、1
30℃で19時間、さらに200℃で2時間撹拌して重
合させ、シスーポリパラナフタレンベンゾビスオキサゾ
ールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は黄
色であり、固有粘度は34dL/gであった。このポリ
マードープを押し出し機を用いて0.2mm径のノズル
から吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに
巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロン
フィルターをつけていたが、その背圧上昇は皆無であっ
た。
【0024】実施例3 市販のビフェニルジカルボン酸(メジアン径230μ
m)100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化したビ
フェニルジカルボン酸98kgを得た。このビフェニル
ジカルボン酸の粒度分布は、メジアン径4.3μm、最
大粒径24μmであった。湿式ふるいで、粗粒を評価す
ると0.57%混入していたので、気流式分級機で分級
操作を行い、メジアン径3.8μm、最大粒径17μ
m、粗粒0.03%のビフェニルジカルボン酸79kg
を得た。かくして得られたビフェニルジカルボン酸を用
いてシスーポリパラビフェニレンベンゾビスチアゾール
を重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86k
gに窒素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた
後、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール二
塩酸塩10.47kg及び上記微粉化したビフェニルジ
カルボン酸10.34kgを加え、70℃で撹拌混合し
た後、130℃で19時間、200℃で2時間撹拌して重
合させ、シスーポリパラビフェニレンベンゾビスチアゾ
ールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は黄
色であり、固有粘度は45dL/gであった。このポリ
マードープを押し出し機を用いて0.2mm径のノズル
から吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに
巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロン
フィルターをつけていたが、その背圧上昇は皆無であっ
た。
【0025】比較例2 市販の2,6−ナフタレンジカルボン酸(メジアン径1
80μm)100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化
したナフタレンジカルボン酸97kgを得た。このナフ
タレンジカルボン酸の粒度分布は、メジアン径11.3
μm、最大粒径54.7μmであった。湿式ふるいで、
粗粒を評価すると15.7%混入していた。このナフタ
レンジカルボン酸を用いてシスーポリ−2,6−ナフタ
レンベンゾビスチアゾールを重合した。即ち、116%
のポリリン酸43.86kgに窒素気流下、五酸化二リ
ン14.49kgを加えた後、2,5−ジアミノ−1,
4−ベンゼンチオール二塩酸塩10.47kg及び上記
微粉化したナフタレンジカルボン酸9.23kgを加
え、70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、さ
らに200℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリ−
2,6−ナフタレンベンゾビスチアゾールのポリマード
ープを得た。ポリマードープの色は紫色であり、固有粘
度は8.2dL/gであった。このポリマードープを押
し出し機を用いて0.2mm径のノズルから吐出し、延
伸しながら、水中で凝固させたが糸に成形できなかっ
た。
【0026】実施例4 テレフタル酸(メジアン径120 μm )100kg をジェット
ミルで粉砕し、微粉化したテレフタル酸98kgを得た。こ
のテレフタル酸の粒度分布は、メジアン径3.8μm 、最
大粒径24μm であった。湿式ふるいで、粗粒を評価する
と0.57% 混入していたので、再度ジェットミルで粉砕
し、メジアン径1.8 μm 最大粒径9.2 μm、粗粒0.01%
のテレフタル酸88kgを得た。かくして得られたテレフタ
ル酸を用いてシスーポリパラフェニレンベンゾビスイミ
ダゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kg
に窒素気流下、五酸化二リン14.49kg を加えた後、1,2,
4,6-テトラアミノベンゼン5.90kg及び上記微粉化したテ
レフタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130
℃で19時間、さらに200 ℃で2時間撹拌して重合させ、
シスーポリパラフェニレンベンゾビスイミダゾールのポ
リマードープを得た。ポリマードープの色は薄黄色であ
り、固有粘度は28dl/gであった。このポリマードープを
押し出し機を用いて0.2mm 径のノズルから吐出し、延伸
しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズ
ルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけ
ていたがその背圧上昇は皆無であった。
【0027】実施例5 イソフタル酸(メジアン径130 μm )100kg をジェット
ミルで粉砕し、微粉化したイソフタル酸98kgを得た。こ
のイソフタル酸の粒度分布は、メジアン径3.3μm 、最
大粒径18μm であった。湿式ふるいで、粗粒を評価する
と0.43%混入していたので、気流式分級機で分級操作を
行い、メジアン径2.3 μm 最大粒径13μm 、粗粒0.11%
のビフェニルジカルボン酸92kgを得た。かくして得られ
たイソフタル酸を用いてトランスーポリメタフェニレン
ベンゾビスチアゾールを重合した。即ち、116%のポリリ
ン酸43.86kg に窒素気流下、五酸化二リン14.49kg を加
えた後、2,5-ジアミノ-1,4−ベンゼンジチオール二塩酸
塩10.47kg 及び上記微粉化したイソフタル酸7.10kgを加
え、70℃で撹拌混合した後、130 ℃で19時間、さらに20
0 ℃で2時間撹拌して重合させ、トランスーポリメタフ
ェニレンベンゾビスチアゾールのポリマードープを得
た。ポリマードープの色は薄黄色であり、固有粘度は31
dl/gであった。このポリマードープを押し出し機を用い
て0.2mm 径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝
固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800
メッシュのナスロンフィルターをつけていたがその背圧
上昇は皆無であった。
【0028】実施例6 2,5-ジヒドロキシテレフタル酸(メジアン径260 μm )
100kg をジェットミルで粉砕し、微粉化した2,4-ジヒド
ロキシテレフタル酸94kgを得た。この2,5-ジヒドロキシ
テレフタル酸の粒度分布は、メジアン径5.2 μm 、最大
粒径34μm であった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると
1.38%混入していたので、気流式分級機で分級操作
を行い、メジアン径3.1μm最大粒径16μm、粗粒
0.02%の2,5−ジヒドロキシテレフタル酸79k
gを得た。かくして得られた2,4-ジヒドロキシテレフタ
ル酸を用いてポリ- (2, 5- ジヒドロキシフェニレ
ン)- ピリドビスイミダゾールを重合した。即ち、116%
のポリリン酸43.86kg に窒素気流下、五酸化二リン1
4.49kgを加えた後、1,2,4,5-テトラアミノピリジ
ン5.94kg及び上記微粉化した2,5−ジヒドロキシテレ
フタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130
℃で19時間、さらに200℃で2時間撹拌して重合させ、
ポリ- (2, 5- ジヒドロキシフェニレン)- ピリドビ
スイミダゾールのポリマードープを得た。ポリマードー
プの色は薄黄色であり、固有粘度は23dL/gであっ
た。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm 径
のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ロ
ーラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュの
ナスロンフィルターをつけていたがその背圧上昇は皆無
であった。
【0029】実施例7 市販の3-スルホイソフタル酸ナトリウム(メジアン径31
0 μm )100kg をジェットミルで粉砕し、微粉化した3-
スルホイソフタル酸ナトリウム92kgを得た。この3-スル
ホイソフタル酸ナトリウムの粒度分布は、メジアン径3.
2 μm 、最大粒径18μm であった。湿式ふるいで、粗粒
を評価すると0.13% 混入していたので、再度ジェットミ
ルで粉砕を行い、メジアン径1.8 μm 最大粒径8.9 μm
、粗粒0.01% の3-スルホイソフタル酸ナトリウム91kg
を得た。かくして得られた3-スルホイソフタル酸ナトリ
ウムを用いてシス- ポリ- (3-スルホン酸ナトリウム-
メタフェニレン)- ベンゾビスオキサゾールを重合し
た。即ち、116%のポリリン酸43.86kg に窒素気流下、五
酸化二リン14.49kg を加えた後、4,6-ジアミノレゾルシ
ノール二塩酸塩9.10kg及び上記微粉化した3-スルホイソ
フタル酸ナトリウム酸10.3kgを加え、70℃で撹拌混合し
た後、130 ℃で19時間、さらに200 ℃で2時間撹拌して
重合させ、スーポリ- (3-スルホン酸ナトリウム- メタ
フェニレン)- ベンゾビスオキサゾールのポリマードー
プを得た。ポリマードープの色は赤橙色であり、固有粘
度は20dl/gであった。このポリマードープを押し出し機
を用いて0.2mm 径のノズルから吐出し、延伸しながら水
中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に
800メッシュのナスロンフィルターをつけていたが、
その背圧上昇は皆無であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の微分状芳香族ジカルボン酸を用
いれば、高重合度で色調がよく、しかも操業性の良いP
BZポリマーを製造できる。このことは、非常に高性能
のポリマーであるPBZポリマーを工業的に生産するこ
とを容易ならしめ、産業界に寄与すること大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粉化された芳香族カルボン酸であって、
    レーザー回折式の粒度分布計で測定したメジアン径が6
    μm 以下で最大粒子径が20μm 以下である粒度分布を
    持ち、かつ湿式ふるいで測定した32μm 以上の粗大粒
    子の混入が0.2重量%以下である粒度分布を持つこと
    を特徴とする微粉状芳香族ジカルボン酸。
  2. 【請求項2】芳香族ジカルボン酸を、ジェット気流中で
    粉砕することによって得られる請求項1記載の微粉状芳
    香族ジカルボン酸。
  3. 【請求項3】芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸または
    ナフタレンジカルボン酸である請求項1記載の微粉状芳
    香族ジカルボン酸。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の微粉状芳
    香族ジカルボン酸であって、下記一般式(1)、(2)
    で表されるPBZポリマーの原料として用いられること
    を特徴とする微粉状芳香族ジカルボン酸。 【化1】 【化2】 (但し、一般式(1)、(2)において、Xは0、Sま
    たはNHを表し、YはC又はNを表す。Zは二価の芳香
    族有機残基であり、下記一般式(3)〜(6)で表すこ
    とが出来る) 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 (但し、一般式(3)〜(6)において、R1 、R2
    水素原子、又はメチル基、スルホン酸基、ヒドロキシル
    基を表し、互いに異なっていても同じであってもかまわ
    ない)
JP31961396A 1996-11-29 1996-11-29 微粉状芳香族ジカルボン酸 Expired - Fee Related JP4092594B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31961396A JP4092594B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 微粉状芳香族ジカルボン酸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31961396A JP4092594B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 微粉状芳香族ジカルボン酸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10158213A true JPH10158213A (ja) 1998-06-16
JP4092594B2 JP4092594B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=18112243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31961396A Expired - Fee Related JP4092594B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 微粉状芳香族ジカルボン酸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4092594B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6818287B1 (en) 1998-09-02 2004-11-16 Nidec Copal Corporation Light shielding blade material for optical apparatus
WO2006098495A1 (ja) * 2005-03-17 2006-09-21 Teijin Limited 電解質膜
US7288603B2 (en) 2000-11-13 2007-10-30 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Polybenzazole compound having sulfonic acid group and/or phosphonic acid group, resin composition containing the same, resin molding, solid polymer electrolyte membrane, solid polymer electrolyte membrane/electrode assembly and method of preparing assembly
JP2008534748A (ja) * 2005-03-28 2008-08-28 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 高い固有粘度をもつポリマーおよびそれから得られる繊維
JP2009520127A (ja) * 2005-12-16 2009-05-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリピリドビスイミダゾール/難燃処理されたセルロース繊維の配合物から作られた布帛およびそれから作られた物品
JP4829959B2 (ja) * 2005-03-28 2011-12-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ペンダント型ヒドロキシル基とカチオンを有するポリアレーンアゾール重合体繊維
CN114829450A (zh) * 2019-12-19 2022-07-29 住友化学株式会社 液晶性聚酯的制造方法以及液晶性聚酯

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6818287B1 (en) 1998-09-02 2004-11-16 Nidec Copal Corporation Light shielding blade material for optical apparatus
US7288603B2 (en) 2000-11-13 2007-10-30 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Polybenzazole compound having sulfonic acid group and/or phosphonic acid group, resin composition containing the same, resin molding, solid polymer electrolyte membrane, solid polymer electrolyte membrane/electrode assembly and method of preparing assembly
WO2006098495A1 (ja) * 2005-03-17 2006-09-21 Teijin Limited 電解質膜
US7833644B2 (en) 2005-03-17 2010-11-16 Teijin Limited Electrolytic membrane
JP4886675B2 (ja) * 2005-03-17 2012-02-29 帝人株式会社 電解質膜
JP2008534748A (ja) * 2005-03-28 2008-08-28 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 高い固有粘度をもつポリマーおよびそれから得られる繊維
JP4829959B2 (ja) * 2005-03-28 2011-12-07 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ペンダント型ヒドロキシル基とカチオンを有するポリアレーンアゾール重合体繊維
JP2009520127A (ja) * 2005-12-16 2009-05-21 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリピリドビスイミダゾール/難燃処理されたセルロース繊維の配合物から作られた布帛およびそれから作られた物品
CN114829450A (zh) * 2019-12-19 2022-07-29 住友化学株式会社 液晶性聚酯的制造方法以及液晶性聚酯

Also Published As

Publication number Publication date
JP4092594B2 (ja) 2008-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110041686B (zh) 聚合物粉末及其制备方法
JP5792178B2 (ja) ポリプロピレンのナノスケールのβ−核形成剤
Zhou et al. In situ preparation and continuous fiber spinning of poly (p-phenylene benzobisoxazole) composites with oligo-hydroxyamide-functionalized multi-walled carbon nanotubes
CN105566894B (zh) 一种回收尼龙制备聚酰胺粉末的方法
CA2338115A1 (en) A process for producing particulate, water-soluble, cellulose derivatives using a superheated gas mixture containing steam
CN112980182B (zh) COFs/尼龙6复合材料及其制备方法
JPH10158213A (ja) 微粉状芳香族ジカルボン酸
Soares et al. Evaluation of the influence of modified TiO2 particles on polypropylene composites
US4379871A (en) Process for the production of carbon black containing pigment-synthetic resin concentrates
CN109666142B (zh) 聚酰胺酸溶液及制备方法及应用
JPH0314832A (ja) ポリ(パラフエニレンテレフタルアミド)繊維性ゲル組成物の製造法及びこの組成物からポリ(パラフエニレンテレフタルアミド)紙を製造する方法
US4524191A (en) Polyester composition and production thereof
JPH11501071A (ja) 微細固体粒子を含有する組成物
JPS6289711A (ja) アクリロニトリル系重合体微粒子集合体及びその製造法
JPS62162013A (ja) ポリ(p−フエニレンテレフタラミド)からなるパルプ状短繊維の製造法
JPS6178862A (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
WO2023152993A1 (ja) マスターバッチの製造方法
JP7250593B2 (ja) 粒子状イミドオリゴマーおよびその製造方法
JP2001226485A (ja) ポリベンザゾールおよびその繊維
JPH08120077A (ja) ポリイミド前駆体粉体の製造方法
JPH0776015A (ja) ポリアリーレンエーテル凝集物
JP3250219B2 (ja) 層間化合物粒子を含むフィルム
JPH02185529A (ja) 芳香族ポリエーテルケトン系ポリマー微粒子の製造法
EP2868685A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Polymerpulver
JPS63199262A (ja) ポリアミド組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140314

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees