JP4527237B2 - 感光性フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板、リードフレーム、半導体パッケージ等のパターン形成に用いられる感光性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プリント配線回路基板やリードフレーム等の製造において、微細な回路パターンや形状パターンを形成する際には、感光性樹脂組成物を層形成してなる感光性フィルムが用いられている。
【0003】
上記感光性フィルムとしては、通常、感光性樹脂組成物層の片面に光透過性の支持体フィルムが、また感光性樹脂組成物層の他面に保護フィルムが積層された多層構造のフィルムが用いられている。そして、上記感光性フィルムを用いた回路パターンの形成は、例えば、つぎのようにして行われる。すなわち、基板上に銅箔を積層した回路基板用基材を準備し、保護フィルム(カバーフィルム)層を剥がしながら、上記基板面に感光性樹脂組成物層を貼着させる。そして、その上にパターンマスクを載置し、露光工程、現像工程、エッチング工程を経由させることにより回路パターンを形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、回路パターンのファインピッチ化や基材の凹凸面への追従性の向上から、上記感光性フィルムの薄膜化が要望されている。しかしながら、感光性フィルムをより薄膜とした場合、基材上へのラミネート時に感光性フィルムに皺が形成され易いという問題が発生する。このように、感光性フィルムに皺が形成されると、後の工程で様々な問題、例えば、露光時のかぶり、密着不良が生じたり、テント膜強度が低下してフィルムに破れが発生するという問題が生じる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、ラミネート時に皺が形成されにくい支持体フィルムを用いた感光性フィルムの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、感光性樹脂組成物層の少なくとも片面に、支持体フィルムが積層されている感光性フィルムであって、上記支持体フィルムが、二軸延伸ポリエステルフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなり、上記支持体フィルムのフィルム縦方向(MD)の引張強度(X)と、フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)の比(Y/X)が1.10〜2.00を満足し、かつ上記フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)が300〜360MPaであり、感光性フィルムの厚みが11〜41μmである感光性フィルムを第1の要旨とする。
【0007】
すなわち、本発明者らは、薄膜化傾向にある感光性フィルムにおいて、基材上へのラミネート時に皺の入りにくい感光性フィルムを得る目的で一連の研究を重ねた。そして、感光性フィルムのうち、感光性樹脂組成物層とともに積層される支持体フィルム(キャリアフィルム)に着目し、薄膜化に影響されることなく皺の発生を効果的に抑制することのできる支持体フィルムの物性を突き止めるべくさらに研究を重ねた。その結果、支持体フィルムの物性として、縦方向(MD)の引張強度(X)と横方向(TD)の引張強度(Y)の比(Y/X)が上記特定の比率を備えるとともに、横方向(TD)の引張強度(Y)が特定の値であると、薄膜であってもラミネート時に皺が形成されにくくなることを見出し本発明に到達した。
【0008】
そして、上記支持体フィルムの縦方向(MD)の引張強度(X)が特定範囲の値であると、感光性フィルムが薄膜であってもラミネート時の皺の形成を防止することが特に効果的である。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0010】
本発明に係る支持体フィルム形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリプロピレン等からなる各種フィルムがあげられる。
【0011】
上記支持体フィルムは、例えば、PETフィルムの場合、つぎのようにして作製される。すなわち、フィルム形成材料を押出機に投入し、シート状(フィルム状)に押出し、冷却固化して未延伸シート(フィルム)を形成する。ついで、この未延伸シート(フィルム)を充分予熱した後、縦延伸工程に供し、1段もしくは多段で80〜90℃の延伸温度により所望の倍率となるよう縦延伸を行う。ついで、縦延伸後、所望の延伸倍率となるよう、横方向に延伸を行い200〜250℃にて熱固定する。このようにして縦方向および横方向に延伸した支持体フィルムを作製する。
【0012】
上記支持体フィルム作製時での延伸工程においては、縦方向の延伸倍率が2.0〜4.0倍となるよう縦延伸工程を行うことが好ましく、より好ましくは縦方向の延伸倍率は2.5〜3.5倍である。また、横方向の延伸倍率が3.0〜5.0倍となるよう横延伸工程を行うことが好ましく、より好ましくは横方向の延伸倍率は3.5〜4.5倍である。
【0013】
そして、得られた支持体フィルムのフィルム縦方向(MD)の引張強度(X)と、フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)の比(Y/X)が1.10〜2.00を満足する必要がある。特に好ましくはY/X=1.20〜2.0である。すなわち、Y/Xが1.10未満では、フィルム縦方向(MD)の引張強度が強くなりすぎて、感光性フィルムのラミネート時に皺が形成されるようになるからである。
【0014】
さらに、上記支持体フィルムのフィルム横方向(TD)の引張強度(Y)は、300〜360MPaでなければならない。すなわち、300MPa未満では、上記フィルムの引張強度の比率が特定の範囲内であっても、ラミネート時に皺が形成されるからである。
【0015】
上記支持体フィルムのフィルム縦方向(MD)の引張強度(X)およびフィルム横方向(TD)の引張強度(Y)としては、具体的には、まず、フィルム縦方向(MD)の引張強度(X)としては、特に好ましくは160〜280MPaである。また、上記フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)としては、300〜360MPaである。すなわち、上記と同様、フィルム縦方向(MD)の引張強度(X)が150MPa未満では感光性フィルムのラミネート時に皺が形成されるようになり、299MPaを超えるとラミネート時に感光性フィルムが裂け易くなるからである。また、フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)が300MPa未満では感光性フィルムのラミネート時に皺が形成されるようになり、400MPaを超えるとラミネート時に感光性フィルムが裂け易くなるからである。
【0016】
上記支持体フィルムのフィルム縦方向(MD)の引張強度(X)およびフィルム横方向(TD)の引張強度(Y)は、それぞれつぎのようにして測定される。すなわち、JIS C2318に準じ、幅15mm×長さ約200mmの試験体フィルムを、200mm/分の速さで引っ張り、切断されたときの引張荷重を測定した。
【0017】
さらに、上記支持体フィルムの特性として、露光工程を考慮した場合、ヘイズ値が2.0%以下であることが好ましい。
【0018】
上記ヘイズ値は、例えば、JIS K6714に準じ、日本電色工業社製の製分球式ヘーズメーター「NDH−20D」により測定することができる。
【0019】
このような支持体フィルムの厚みとしては、薄膜化という点から、6〜16μmの範囲に設定することが好ましく、特に12〜16μmの厚みに設定することが好ましい。
【0020】
そして、上記支持体フィルムを用いた感光性フィルムは、感光性樹脂組成物層の少なくとも片面に、上記支持体フィルムが積層形成されている。
【0021】
上記支持体フィルムを用いた感光性フィルムとしては、感光性樹脂組成物層の片面に、上記特定の特性を有する支持体フィルム(キャリアフィルム)が積層形成されているとともに、感光性樹脂組成物層の他面には保護フィルム(カバーフィルム)が積層形成された3層構造の感光性フィルムが代表的にあげられる。
【0022】
上記感光性樹脂組成物層の形成材料としては、特に限定するものではなく従来公知のものがあげられる。例えば、バインダー成分、モノマー成分、光重合開始剤を必須成分とし、これに可塑剤、染料、顔料、充填剤、密着性付与剤および安定剤等の任意成分を適宜配合した形成材料があげられる。
【0023】
上記バインダー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸を主成分とし、これにエチレン性不飽和カルボン酸およびその他の共重合可能なモノマーを共重合させてなるアクリル系重合体を用いることが好ましい。
【0024】
上記(メタ)アクリル酸としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等があげられる。
【0025】
上記エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸が好適に用いられ、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等のジカルボン酸や、それらの無水物やハーフエステルを用いることもできる。これらのなかでも、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
【0026】
上記その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル、(メタ)アクリロニトリル等があげられる。
【0027】
上記モノマー成分としては、エチレン性不飽和化合物が好ましく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシヒバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチルジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーがあげられる。また、上記多官能モノマーとともに単官能モノマーを適当量併用することもでき、このような単官能モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等があげられる。
【0028】
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0029】
上記保護フィルム(カバーフィルム)は、感光性フィルムをロール状にして用いる場合に、粘着性を有する感光性樹脂組成物層が支持体フィルムに転着する等を防止する目的で使用されるものであり、特に限定するものではなく従来から保護フィルムとして用いられている各種フィルムがあげられる。例えば、ポリエチレン(PE)フィルム、PETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)フィルム等があげられ、好ましくはPEフィルムである。
【0030】
本発明の感光性フィルムは、前記支持体フィルムを用い、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、上記支持体フィルムの片面に、感光性樹脂組成物形成材料を溶剤に溶解してなる溶液を均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で約5分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成する。ついで、上記支持体フィルムの他面に保護フィルムを加圧積層することにより、感光性樹脂組成物層の片面に支持体フィルムが、また感光性樹脂組成物層の他面に保護フィルムがそれぞれ積層されてなる3層構造の感光性フィルムを作製することができる。
【0031】
このようにして得られた感光性フィルムのうち、感光性樹脂組成物層としては、露光工程を考慮した場合、365nmにおける吸光度が0.3〜0.6であることが好ましい。上記365nmにおける吸光度は、保護フィルムを剥離し、日立製作所社製の分光光度計「U−3000」を用いて365nmの吸光度を測定する。
【0032】
このような感光性フィルムのうち感光性樹脂組成物層の厚みとしては、5〜25μmの範囲に設定することが好ましく、特に5〜20μmの厚みに設定することが好ましい。
【0033】
そして、感光性フィルム(支持体フィルムと感光性樹脂組成物層)の厚みとしては、11〜41μmの範囲に設定する必要があり、特に17〜36μmの厚みに設定することが好ましい。
【0034】
本発明の感光性フィルムは、例えば、プリント配線板,リードフレーム等の製造や、金属の精密加工等に用いられる。本発明の感光性フィルムを用いたプリント配線板の製法について、以下に説明する。
【0035】
〔露光〕
感光性フィルムによって画像を形成させるには、感光性樹脂組成物層の表面から保護フィルムを剥離した後、その感光性樹脂組成物層の表面を、銅張基板や42アロイ、SUS等の金属面に貼り付ける。ついで、支持体フィルム上にパターンマスクを密着させて露光する。上記露光は、通常、紫外線照射により行い、その際の光源としては、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ等が用いられる。なお、必要に応じて、紫外線照射後に加熱を行い、硬化の完全を図ることも可能である。
【0036】
〔現像〕
露光後は、上記感光性樹脂組成物層上の支持体フィルムを剥離除去してから現像を行う。上記感光性樹脂組成物が稀アルカリ現像型である場合、露光後の現像は、炭酸ソーダ、炭酸カリウム等の0.3〜2重量%程度のアルカリ水溶液を用いて行う。なお、上記アルカリ水溶液中には、界面活性剤,消泡剤や、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0037】
〔エッチング、めっき〕
エッチングは、通常、塩化第二銅−塩酸水溶液や、塩化第二鉄−塩酸水溶液等の酸性エッチング液を用いて、常法に従って行う。希にアンモニア系のアルカリエッチング液も用いられる。めっき法は、脱脂剤、ソフトエッチッグ剤等のめっき前処理剤を用いて前処理を行った後、めっき液を用いてめっきを行う。
【0038】
〔硬化レジストの剥離除去〕
エッチングまたはめっき工程後、残っている硬化レジストの剥離を行う。硬化レジストの剥離除去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の0.5〜5重量%程度の濃度のアルカリ水溶液あるいはエタノールアミン類等を含有する水溶液からなるアルカリ剥離液を用いて行う。
【0039】
上記工程を順次経由させることにより回路パターンを形成する。
【0040】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0041】
【実施例1】
支持体フィルムとして厚み16μmの二軸延伸ポリエステルフィルム〔三菱ポリエステル社製のR310、フィルム縦方向(MD)の引張強度250MPa、フィルム横方向(TD)の引張強度320MPa〕を準備した。そして、この支持体フィルムの片面に、感光性樹脂組成物層形成材料としてニチゴーモートン社製のALPHO NIT225感光液〔固形分50%、メチルエチルケトン40%+イソプロピレンアルコール(IPA)10%〕を塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で5分間乾燥して厚み15μmの感光性樹脂組成物層を形成した。ついで、上記感光性樹脂組成物層表面に保護フィルムとして、厚み25μmのポリエチレンフィルムを積層し、総厚み56μmの感光性フィルムを作製した。
【0042】
【実施例2】
支持体フィルムとして厚み12μmの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム〔王子製紙社製のE−500F、フィルム縦方向(MD)の引張強度170MPa、フィルム横方向(TD)の引張強度340MPa〕を用いた。それ以外は実施例1と同様にして総厚み52μmの感光性フィルムを作製した。
【0043】
【実施例3】
支持体フィルムとして厚み14.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルム〔三菱ポリエステル社製のV340、フィルム縦方向(MD)の引張強度280MPa、フィルム横方向(TD)の引張強度330MPa〕を用いた。それ以外は実施例1と同様にして総厚み約55μmの感光性フィルムを作製した。
【0044】
【比較例1】
支持体フィルムとして厚み16μmの二軸延伸ポリエステルフィルム〔東レ社製の16F69、フィルム縦方向(MD)の引張強度310MPa、フィルム横方向(TD)の引張強度300MPa〕を用いた。それ以外は実施例1と同様にして総厚み56μmの感光性フィルムを作製した。
【0045】
【比較例2】
支持体フィルムとして厚み16μmの二軸延伸ポリエステルフィルム〔帝人社製のGS−16、フィルム縦方向(MD)の引張強度250MPa、フィルム横方向(TD)の引張強度290MPa〕を用いた。それ以外は実施例1と同様にして総厚み56μmの感光性フィルムを作製した。
【0046】
このようにして作製された上記各感光性フィルムを、回路パターン形成に用いた。そして、ラミネート時の皺の形成、解像度、密着性について下記に示す方法に従って測定し評価した。その結果を後記の表1に示す。
【0047】
〔回路パターン形成〕
厚み0.2mmの銅張積層板(大きさ500×400mmで厚み18μmの銅箔が積層された基板)を準備し、銅箔表面を5%濃度の塩酸で洗浄し、水洗した後エアー乾燥を行うことにより、銅箔表面を微細な凹凸面に加工した。ついで、この銅箔表面に、上記感光性フィルムの保護フィルムを剥離しながら、支持体フィルムと感光性樹脂組成物層からなるフィルムをオートカットラミネーター(伯東社製、MACH610i)を用いてラミネートした(ラミネート条件:ロール温度110℃、ラミネート圧力0.3MPa、速度3m/min、仮付け温度60℃、1.3秒)。ラミネート後、所定のパターンマスクを載置し、2kWの水銀ショートアーク灯(平行光)で80mJ照射を行うことにより露光を行った。その後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を1.5kg/cm2の条件で30秒間スプレーして現像を行った。このような工程を経由して回路パターン形成を行った。
【0048】
〔ラミネート時の皺の形成〕
ラミネート後、皺の形成を目視にて確認した。その結果、皺の形成が確認されなかったものを○、皺の形成が確認されたものを×として表示した。
【0049】
〔解像度〕
上記銅張積層基板上にラミネートした感光性樹脂組成物層の表面に、ライン/スペース=1/1(10μm,15μm,20μm,25μm,30μm,35μm,40μm,45μm,50μm)の各々のパターンマスク(ガラスクロス乾板製)を真空密着させ、上記条件にて露光し、現像後にレジスト画像が解像される最小ライン幅を顕微鏡(倍率200倍)にて調べた。
【0050】
〔密着性〕
上記銅張積層基板上にラミネートした感光性樹脂組成物層の表面に、ライン幅(10μm,15μm,20μm,25μm,30μm,35μm,40μm,45μm,50μm)の独立細線の各々のパターンマスク(ガラスクロム乾板製)を密着させ、上記解像度の評価と同様にして現像を行い、密着性良好な独立細線部の最小ライン幅を顕微鏡(倍率200倍)にて調べた。
【0051】
【表1】
【0052】
上記表1の結果から、実施例品はラミネート時に皺が形成されず、しかも解像度および密着性に優れたものであることがわかる。これに対して、比較例1,2品は、解像度および密着性に関しては問題はなかったがラミネート時に皺が形成された。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、フィルム縦方向(MD)の引張強度(X)と、フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)の比(Y/X)が特定の値を満足し、かつ上記フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)が特定の値である支持体フィルムを用いて形成された特定範囲の厚みの感光性フィルムである。このため、ラミネート時に皺が形成されにくく、従って、後の工程で様々な問題、例えば、露光時のかぶり、密着不良が生じたり、テント膜強度が低下してフィルムに破れが発生するという問題も生じない。このように、上記支持体フィルムを用いた感光性フィルムは、薄膜化の要求に問題なく対応できるものである。
【0054】
そして、上記支持体フィルムの縦方向(MD)の引張強度(X)が特定範囲の値であると、感光性フィルムが薄膜であってもラミネート時の皺の形成を防止することが特に効果的である。
Claims (4)
- 感光性樹脂組成物層の少なくとも片面に、支持体フィルムが積層されている感光性フィルムであって、上記支持体フィルムが、二軸延伸ポリエステルフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなり、上記支持体フィルムのフィルム縦方向(MD)の引張強度(X)と、フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)の比(Y/X)が1.10〜2.00を満足し、かつ上記フィルム横方向(TD)の引張強度(Y)が300〜360MPaであり、感光性フィルム(支持体フィルムと感光性樹脂組成物層)の厚みが11〜41μmであることを特徴とする感光性フィルム。
- 支持体フィルムのフィルム縦方向(MD)の引張強度(X)が160〜280MPaである請求項1記載の感光性フィルム。
- 支持体フィルムの厚みが6〜16μmである請求項1または2記載の感光性フィルム。
- 上記感光性樹脂組成物層の厚みが5〜25μmである請求項1記載の感光性フィルム。
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