JP2003011289A - 積層フィルム及びプリント配線板の製造法 - Google Patents

積層フィルム及びプリント配線板の製造法

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JP2003011289A
JP2003011289A JP2001195144A JP2001195144A JP2003011289A JP 2003011289 A JP2003011289 A JP 2003011289A JP 2001195144 A JP2001195144 A JP 2001195144A JP 2001195144 A JP2001195144 A JP 2001195144A JP 2003011289 A JP2003011289 A JP 2003011289A
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film
layer
lubricant
laminated film
laminated
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Hakusei Kimura
伯世 木村
Kyoko Ozawa
恭子 小澤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板への追従性が良好で、解像性及びレジス
トパターン形状に優れ、プリント配線板の製造にあたり
作業効率を向上させることが期待できる積層フィルムを
提供する。 【解決手段】 第一のフィルムと感光性樹脂組成物層と
第二のフィルムとを積層した積層フィルムであって、
(1)第一のフィルムが、その両面に、各々1種以上の
滑剤を均一に含有し、その一の面に含まれる滑剤の個数
密度が、他の面に含まれる滑剤の個数密度の1.5〜5
00倍であり、(2)滑剤を含む第一のフィルムの80
℃における単位幅あたりのフィルム長手方向の5%伸び
荷重が、3.92×10-2〜8.83×10-1N/mm
(4〜90gf/mm)であり、(3)第二のフィルムに含
まれる直径80μm以上のフィッシュアイの個数が10
個/m2以下である、ことを特徴とする積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルム並び
にそれを用いたプリント配線板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層フィルムは、プリント配線板を製造
する際、めっき又はエッチング用のレジスト膜を形成す
るために用いられる。積層フィルムは、通常、図2
(a)に示すように、支持層(ベースフィルム)12の
上に、感光性樹脂組成物を塗布乾燥して感光性樹脂組成
物層13とし、次いで、感光性樹脂組成物層13の上に
被覆層(保護フィルム)14を支持層12と反対側に積
層して構成される。ここで感光性樹脂組成物層13と支
持層12とを積層したものを転移層15という。
【0003】積層フィルムを用いたプリント配線板の製
造は、通常、以下の工程で行われる。まず、積層フィル
ム11から被覆層14を剥離し、感光性樹脂組成物層1
3を基板16側に向けて、基板16の上に転移層15を
載せ、その後、支持層12側から加熱ロールにより、転
移層15をラミネートする。ラミネート後の基板16の
断面は、図2(b)のようになる。
【0004】次に、ラミネート後の基板の支持層12上
にネガマスクを置き、このネガマスクを介して、露光用
の光線を照射し感光性樹脂組成物層13を露光する。露
光後、ネガマスクを取外し、さらに支持層12を剥離
し、現像を行い、このネガマスクと同じパターンを持つ
感光性樹脂組成物層13が得られる。この感光性樹脂組
成物層13をレジスト膜として、次のめっき工程又はエ
ッチング工程を行い、プリント配線板を得る。
【0005】近年、プリント配線板の配線の高密度化が
進んでおり、積層フィルムには、高い解像性が要求され
ている。高解像性を有する積層フィルムを得るために
は、感光性樹脂組成物層の薄膜化が効果的であるが、以
下の問題があった。
【0006】従来、感光性樹脂組成物層は、紫外線等を
照射すると照射箇所の物性が変化する感光性樹脂組成物
により形成され、使用目的に応じて好適な組成物が選択
されていたが、一般にその厚みは、例えば、25μm、
33μm、40μm、又は50μmであった。高解像性を
得るために、この厚みを薄くしようとすると、上記のプ
リント配線板の製造工程で、基板に積層フィルムの転移
層をラミネートする際に、基材の表面凹凸へ追従する感
光性樹脂組成物層量が減少することになり、基板と転移
層との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得
られないという問題があった。
【0007】また、従来、支持層は、感光性樹脂組成物
を塗布・乾燥する際の熱、テンションに対する耐性を確
保するため、ある程度の厚み、引張強度が必要であり、
そのために80℃における単位幅あたりのフィルム長手
方向の5%伸び荷重(以下、L5値と称する)が9.8
×10-1N/mm(100gf/mm)以上で、また、厚さは
20μm程度のフィルム(例えば、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)のフィルム)が用いられていた。し
かし、この厚み及び硬さにより、転移層全体の柔軟性が
不充分となり、ラミネートすべき基板の表面の凹凸に転
移層が追従し難いという問題があった。一方、支持層の
厚みを薄くしたり、より柔らかくしようとすると、一般
に支持層のフィルムは、ロール状にして保管されること
が多いため、保管時に、支持層のフィルムにしわや変形
が生じ、支持層の上に感光性樹脂組成物を塗布する工程
で、感光性樹脂組成物層の膜厚精度が劣化し積層フィル
ム製造時の歩留り悪化や、積層フィルムの密着性、解像
性等の特性変動を招くこととなった。支持層のこれらの
問題は、感光性樹脂組成物層を薄膜化する際に、顕著に
表れる可能性がある。
【0008】さらに、従来、被覆層としては、ポリオレ
フィンフィルム等が用いられてきたが、一般にこれらの
フィルム中には、製造過程で生じるフィッシュアイとよ
ばれる未溶解及び熱劣化物が含まれている。フィッシュ
アイの大きさは、一般に直径(φ)が30〜600μm
で、フィルム表面から2〜40μmの高さで突き出て凸
部を形成しており、感光性樹脂組成物層の上に被覆層を
積層する際に、凸部が感光性樹脂組成物層に転写し、凹
みを生じさせる。この結果、ラミネート後の基板上にエ
アーボイド(基板と感光性樹脂組成物層との間の空隙)
が発生し、次工程である露光、現像、エッチングの像形
成において、パターン欠けや断線の原因となるという問
題があった。特に、エアーボイドは、感光性樹脂組成物
層の膜厚が薄いほど発生しやすいため、この問題は、感
光性樹脂組成物層を薄膜化する際に、顕著に表れる可能
性がある。
【0009】上記の問題を解決するため様々な方法が提
案されている。例えば、基板に水を塗布したのち、積層
フィルムを積層する方法が記載されているが(特開昭5
7−21890号公報及び特開昭57−21891号公
報)、この方法は、水の薄い層の付着に先立ち、基板表
面の清浄操作が必要であるため、作業効率に劣り、ま
た、小径スルーホール等がある場合、スルーホール中に
溜まった水分と感光性樹脂組成物層とが反応し、現像性
を低下させるといった欠点があった。
【0010】基板に液状の樹脂を積層して接着中間層を
形成した後、積層フィルムを積層する方法も提案されて
いるが(特開昭52−154363号公報)、この方法
には、小径スルーホールの現像性やレジスト膜の剥離性
の低下、及び液状樹脂塗布によるコスト増加といった欠
点があった。
【0011】また、真空ラミネーターを用いて減圧下に
積層する方法も知られているが(特公昭53−3167
0号公報及び特開昭51−63702号公報)、この方
法は、装置が高価であり、減圧状態にするのに時間がか
かるため、主として導体形成後に用いる永久マスクのラ
ミネートに利用され、通常の回路形成には使用されるこ
とが少ないものであった。
【0012】さらに、支持層に滑剤を含有させる方法も
提案されている(特開2001−42516号公報)。
この方法は、支持層を2層構造にし、片方の層にのみ滑
剤を含有させることにより、レジストパターン形状を向
上させ、かつ、支持層のフィルムの巻き取り時の滑り
(以下、巻き取り性という)を滑らかにするとともに、
フィルム面間の接触面積を減少させ、保管時のしわや変
形の発生といった問題を解決するものである。しかし、
支持層のフィルムをロール状に巻き取る際、及び巻き取
り後の保管時に、フィルムにしわや変形が生じやすいた
め、感光性樹脂組成物層の膜厚精度が劣化し、積層フィ
ルム製造時の歩留り水準の低さ、積層フィルムの密着
性、解像性等の特性変動の発生といった問題があり、支
持層のフィルムに対し巻き取り性の一段の向上が求めら
れていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基板
への追従性が良好で、解像性及びレジストパターン形状
に優れる積層フィルムを、生産コストを上昇させずに提
供することにある。具体的には、本発明は、積層フィル
ムの第一のフィルム(従来の支持層にあたる)に柔軟性
を付与することにより、基板への追従性が向上でき、ま
た、解像性及びレジストパターン形状が向上できるとと
もに、第一のフィルムの両面に滑剤を含有させることに
より、第一のフィルムの巻き取り性を改善でき、積層フ
ィルムの特性を維持しつつ、製造時の歩留りの向上を図
ることができる積層フィルムを提供するものである。
【0014】さらに、本発明は、積層フィルムのエアー
ボイド発生数の低減をも実現し、プリント配線板のパタ
ーンかけ及び断線を低減することができる積層フィルム
を提供するものである。
【0015】本発明の他の目的は、上記の積層フィルム
を使用することにより、高密度の配線を有するプリント
配線板を、作業性及び歩留まりよく製造する方法を提供
することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一のフィル
ムの面上に感光性樹脂組成物層を積層し、その感光性樹
脂組成物層の第一のフィルムとは反対の面上に第二のフ
ィルムを積層した積層フィルムであって、(1)第一の
フィルムが、その一の面(以下、A面という)及び他の
面(以下、B面という)に、各々1種以上の滑剤を均一
に含有し、一の面(A面)に含まれる滑剤の個数密度
(個/cm2)が、他の面(B面)に含まれる滑剤の個数
密度の1.5〜500倍であり、(2)滑剤を両面に含
む第一のフィルムの80℃における単位幅あたりのフィ
ルム長手方向の5%伸び荷重が、3.92×10-2
8.83×10-1N/mm(4〜90gf/mm)であり、
(3)第二のフィルム中に含まれる直径80μm以上の
フィッシュアイの個数が10個/m2以下である、ことを
特徴とする積層フィルムである。さらには、他の面(B
面)と感光性樹脂組成物層とが接する上記の積層フィル
ムであり、一の面(A面)に含まれる滑剤の個数密度が
500〜1,000,000(個/cm2)である上記の
積層フィルムである。また、一の面(A面)及び他の面
(B面)に含まれる滑剤の平均粒径が、それぞれ0.0
5〜4μmである上記の積層フィルムである。
【0017】また、本発明は、第一のフィルムの面上に
感光性樹脂組成物層を積層し、その感光性樹脂組成物層
の第一のフィルムとは反対の面上に第二のフィルムを積
層した積層フィルムであって、(1)第一のフィルム
が、一の層(以下、A層という)と他の層(以下、B層
という)からなる2層構造を有し、一の層(A層)及び
他の層(B層)に、各々1種以上の滑剤を均一に含有
し、滑剤を含む一の層(A層)の総重量に対する一の層
(A層)に含まれる滑剤の含有率(重量%)が、滑剤を
含む他の層(B層)の総重量に対する他の層(B層)に
含まれる滑剤の含有率の1.5〜500倍であり、
(2)滑剤を両層に含む第一のフィルムの80℃におけ
る単位幅あたりのフィルム長手方向の5%伸び荷重が、
3.92×10-2〜8.83×10-1N/mm(4〜90g
f/mm)であり、(3)第二のフィルム中に含まれる直
径80μm以上のフィッシュアイの個数が10個/m2
下である、ことを特徴とする積層フィルムである。さら
には、他の層(B層)が、感光性樹脂組成物層に接する
上記の積層フィルムであり、一の層(A層)の滑剤の含
有率が、滑剤を含む一の層(A層)の総重量に対して
0.01〜5重量%であり、他の層(B層)の滑剤の含
有率が、滑剤を含む他の層(B層)の総重量に対して
0.001〜0.5重量%である、上記の積層フィルム
である。また、一の層(A層)及び他の層(B層)に含
まれる滑剤の平均粒径が、それぞれ0.05〜4μmで
ある上記の積層フィルムである。
【0018】さらに本発明は、上記の積層フィルムの第
二のフィルムを剥離した後、積層フィルムの感光性樹脂
組成物層と基板とが接するように、積層フィルムを基板
上にラミネートして、次いで、露光、現像することによ
り得られるプリント配線板の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、第一のフィルムの面上に感光性樹脂組
成物層を積層し、その感光性樹脂組成物層の第一のフィ
ルムとは反対の面上に第二のフィルムを積層した積層フ
ィルムである。第一のフィルムは、従来の積層フィルム
の支持層にあたり、第二のフィルムは従来の被覆層にあ
たる。
【0020】〔第一のフィルム〕本発明において、第一
のフィルムは、フィルムに滑剤を含有させたものであ
る。第一のフィルム(滑剤を含まない)は、滑剤を含め
た場合に、後述する特性を満足するものであれば、特に
限定されないが、例えば、単独重合ポリエステル、共重
合ポリエステル、ブレンドポリエステル(単独重合ポリ
エステル同士のブレンド、単独重合ポリエステルと共重
合ポリエステルとのブレンド、共重合ポリエステル同士
のブレンド等)等の材質のフィルム、ガスバリヤ層(例
えばポリ塩化ビニリデンコート等)を設けた無延伸ポリ
プロピレンフィルム、又は二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム等が好ましい。これらは、後述する特性を満足する
上に、無延伸ポリエチレン、無延伸ポリアミド等と比較
して、耐熱性、防湿性のバランスの点で優れている。耐
熱性が低いと、ラミネートの際の温度により溶融しやす
く、また、吸湿性が高いと、感光性樹脂組成物層と第一
のフィルムの接着力が増加し、現像前の第一のフィルム
の剥離が困難となりやすい。入手容易性の観点からは、
例えば、二軸延伸イソフタル酸共重合ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、イソフタル酸共重合ポリエチレン
テレフタレートとポリブチレンテレフタレートとのブレ
ンドフィルム(二軸延伸)等が好ましい。
【0021】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)の厚みは、2〜30μmであることが好ましく、5
〜20μmがより好ましく、8〜14μmが特に好まし
い。この厚みが、2μm未満ではラミネートする際に転
移層が伸びるという不具合が生じる傾向があり、30μ
mを超えると露光用光線の屈折や散乱などが大きくなり
やすく解像性が低下する傾向がある上に、転移層の柔軟
性に欠け、ラミネートすべき対象の表面の凹凸への感光
性樹脂層の追従性が低下する傾向がある。
【0022】本発明における第一のフィルムは、その一
の面(A面)及び他の面(B面)に、各々1種以上の滑
剤を均一に含有し、A面に含まれる滑剤の個数密度(A
面の単位面積当たりに含まれる滑剤の個数とする。以下
も同様とする。)が、B面に含まれる滑剤の個数密度の
1.5〜500倍であるものである。ここで、第一のフ
ィルムの両面(A面及びB面)に滑剤を含ませるのは、
滑剤を含ませることにより、フィルムの表面に微妙な凹
凸が生じ、フィルムを巻き取りロール化する際に、表面
間の接触面積が減少し、滑り性が向上するからである。
すなわち、これにより、第一のフィルムをロール状に巻
き取る際、及び巻き取り後に保管する際に、しわや変形
が生じるのを防ぎ、第一のフィルム上に感光性樹脂組成
物を均一な膜厚で塗布することが可能になり、積層フィ
ルム製造時の歩留り低下や密着性、解像性等の積層フィ
ルムの特性変動を防止することができる。なお、第一の
フィルムの表面に含まれる滑剤とは、表面に滑剤のいず
れかの部分が接している滑剤をいう。また、滑剤は、均
一に含ませるが、これは第一のフィルムの表面に、凹凸
が平均的に生じるようにするためである。
【0023】滑剤は、一方の面(A面)に含まれる滑剤
の個数密度(個/cm2)が、他方の面(B面)に含まれ
る滑剤の個数密度の1.5〜500倍であり、滑剤の個
数密度の小さいB面が、感光性樹脂組成物層に接するこ
とが好ましい。滑剤を含有させることにより、第一のフ
ィルム表面上に生じる凹凸が、感光性樹脂組成物層に与
える影響を小さくするためである。
【0024】A面及びB面に含まれる滑剤は、平均粒径
0.05〜4μmであることが好ましく、0.1〜2μm
であることがより好ましい。滑剤の粒径が大きいと、滑
剤による影響(露光時の光線の散乱)等が顕著になり、
また表面の凹凸が感光性樹脂組成物層に転写し、解像
性、レジストパターン形状の悪化を招くからである。ま
た、滑剤の個数密度が高いと、同様に滑剤による影響等
が顕著になることから、第一のフィルムが含有する滑剤
の個数密度は、A面が500〜1,000,000(個
/cm2)、B面が50〜100,000(個/cm2)であ
ることが好ましく、特にA面が5,000〜100,0
00(個/cm2)、B面が500〜10,000(個/c
m2)であることが好ましい。
【0025】さらに、第一のフィルムは、表面(A面及
びB面)以外の部分、すなわち第一のフィルムの内部
に、露光時の光線の散乱を抑制する点から、プリント配
線板の製造にあたり、解像性、レジストパターン形状の
悪化を招かない範囲で、滑剤を含むことができる。
【0026】また、本発明における第一のフィルムは、
一の層(A層)と他の層(B層)からなる2層構造を有
し、A層及びB層に、各々1種以上の滑剤を均一に含有
し、滑剤を含むA層の総重量に対するA層に含まれる滑
剤の含有率(A層の総重量に対し、A層に含まれる滑剤
の重量を百分率で表したものとする。以下も同様とす
る。)が、滑剤を含むB層の総重量に対するB層に含ま
れる滑剤の含有率の1.5〜500倍であるものであ
る。さらに、A層に含まれる滑剤の含有率が、A層の総
重量に対して0.01〜5重量%であり、B層に含まれ
る滑剤の含有率が、B層の総重量に対して0.001〜
0.5重量%であることが、解像性、レジストパターン
形状の点から好ましい。上述したB面が感光性樹脂組成
物層と接することが好ましいのと同様の理由から、B層
が、感光性樹脂組成物層と接することが好ましく、A層
とB層の滑剤含有量の差は、0.009〜4.5重量%
で、A層が多いことが好ましい。さらに、解像性、レジ
ストパターン形状の点から、第一のフィルムに対するA
層の厚みは、0.1〜80%であることが好ましく、
0.1〜50%であることがより好ましく、0.1〜1
0%であることが特に好ましい。また、A層及びB層に
含まれる滑剤は、平均粒径0.05〜4μmであること
が好ましく、0.1〜2μmであることがより好まし
い。
【0027】本発明において使用する滑剤は、上記の特
性を満足するものであれば、特に種類は限定されない
が、無機粒子、例えば、シリカ、カリオン、タルク、ア
ルミナ、リン酸カルシウム、二酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウ
ム、ゼオライト、硫化モリブデン等;有機粒子、例え
ば、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等を使用する
ことができる。第一のフィルムの透明性の見地からは、
シリカ粒子が好ましい。これらは単独でも、又は2種類
以上を組み合わせても使用することができる。また、A
面とB面、又はA層とB層に含まれる滑剤の種類は、同
一であっても、異なっていてもよい。
【0028】なお、本発明の第一のフィルムにおいて、
滑剤は、例えば第一のフィルム(滑剤を含まない)の両
面に、滑剤を含む溶液を塗布し、乾燥させることにより
含有させることができる。また、滑剤の含有量の異なる
2枚以上のフィルムを積層して一体化したものを第一の
フィルムとして使用することもできる。
【0029】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)は、80℃における単位幅あたりのフィルム長手方
向の5%伸び荷重(L5値)が、3.92×10-2
8.83×10-1N/mm(4〜90gf/mm)であること
が必要であり、7.85×10- 2〜8.83×10-1N
/mm(8〜90gf/mm)であることが好ましく、7.8
5×10-2〜5.88×10-1N/mm(8〜60gf/m
m)であることがより好ましく、7.85×10-2
2.94×10-1N/mm(8〜30gf/mm)であること
が特に好ましい。L5値が3.92×10-2N/mm(4g
f/mm)未満では、ラミネートする際に転移層が伸びて
膜厚が減少するという不具合が生じ、8.83×10-1
N/mm(90gf/mm)を超えると、ラミネートすべき対
象の表面の凹凸に対する感光性樹脂組成物層の追従性が
低下するという不具合が生じる。
【0030】なお、本発明において、L5値は、テンシ
ロン万能型引張試験機に恒温槽を取りつけ80℃にて1
0mm幅の短冊型試料をチャック間10cm、引張速度10
cm/分で引張試験を行い、試料が5%の伸びをした時の
荷重を試料の幅で除した値とする。
【0031】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)は、破断伸びが50〜1000%であることが好ま
しく、100〜1000%であることがより好ましく、
100〜800%であることが特に好ましく、150〜
600%であることが極めて好ましく、150〜400
%であることがとりわけ極めて好ましい。この破断伸び
が50%未満では、ラミネートすべき対象の表面の凹凸
に対する感光性樹脂組成物層の追従性が低下する傾向が
あり、1000%を超えると、ラミネートする際に転移
層が伸びて膜厚が減少するという不具合が生じる傾向が
ある。本発明において、破断伸びは、JIS C 23
18に準拠して決められる。
【0032】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)は、酸素透過量が3.95×10-3ミリリットル/
m2・24h・Pa(400ml/m2・24h・atm)以下で
あることが好ましく、1.97×10-3ミリリットル/
m2・24h・Pa(200ml/m2・24h・atm)以下で
あることがより好ましく、9.87×10-4ミリリット
ル/m2・24h・Pa(100ml/m2・24h・atm)以
下であることが特に好ましい。この酸素透過量が、3.
95×10-3ミリリットル/m2・24h・Pa(400ml
/m2・24h・atm)を超えると、感光性樹脂組成物層
が酸素阻害を受けるため、露光時の感度低下、硬化レジ
スト膜の架橋密度低下等の問題が発生する傾向がある。
本発明において、酸素透過量は、JIS Z 1707
に準拠して決められる。
【0033】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)は、吸水率が5%以下であることが好ましく、1%
以下であることがより好ましく、0.5%以下であるこ
とが特に好ましい。この吸水率が5%を超えると、感光
性樹脂組成物層と第一のフィルムの接着力が増加し、現
像前の第一のフィルムの剥離が困難となる上、積層フィ
ルムの保存安定性も低下する傾向がある。本発明におい
て、吸水率は、JISK 7209に準拠して決められ
る。
【0034】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)は、ヘイズ(曇り度)が10%以下であることが好
ましく、6%以下であることがより好ましく、4%以下
であることが特に好ましく、1%以下であることが極め
て好ましい。このヘイズが10%を超えると、露光用光
線の透過率が減少すると同時に、屈折や散乱なども大き
くなるため、解像性が著しく悪化する傾向がある。本発
明において、ヘイズは、JIS K 6782に準拠し
て決められる。
【0035】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)は、エレメンドルフ引裂強度が44.13N/cm
(4.5kgf/cm)以上であることが好ましく、49.
03N/cm(5kgf/cm)以上であることがより好まし
く、68.65N/cm(7kgf/cm)以上であることが特
に好ましい。上限は特に限定されないが、490.3N
/cm(50kgf/cm)程度である。このエレメンドルフ
引裂強度が44.13N/cm(4.5kgf/cm)未満であ
ると、感光性樹脂組成物層から第一のフィルムを剥離す
る工程において、第一のフィルムが破れやすい傾向があ
る。本発明において、エレメンドルフ引裂強度は、JI
S K 7128 B法に準拠して決められる。
【0036】本発明における第一のフィルム(滑剤を含
む)は、屈折率(Nx)、屈折率(Ny)が共に1.55
以上であることが好ましく、1.60以上であることが
より好ましく、1.65以上であることが特に好まし
い。上限は特に限定されないが、3程度である。この屈
折率が1.55より小さいと、露光時に入射する斜め光
線を垂直方向に矯正する性能が低下するため、解像性が
悪化する傾向がある。本発明において、屈折率
(Nx)、屈折率(Ny)は、JIS K 7105に準
拠して決められる。
【0037】〔感光性樹脂組成物層〕本発明における感
光性樹脂組成物層としては、公知の感光性樹脂組成物を
用いることができ、バインダーポリマー(A)、光重合
開始剤(B)、及び分子内に少なくとも一つの重合可能
なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(C)を
含む感光性樹脂組成物であることが好ましい。また、ア
ルカリ現像液で、現像できるものが好ましい。
【0038】バインダーポリマー(A)としては、例え
ば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹
脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系
樹脂、フェノール系樹脂等を使用することができる。こ
れらは、単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。
【0039】上記バインダーポリマー(A)は、例え
ば、重合性の単量体をラジカル重合させることにより、
製造することができる。なお、以下の記載において(メ
タ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメ
タクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アク
リレート及びそれに対応するメタクリレートを意味す
る。他のものについても同様である。
【0040】上記の単量体としては、例えば、スチレン
及び重合可能なスチレン誘導体、例えばビニルトルエ
ン、α−位もしくは芳香族環において置換されているス
チレン(α−メチルスチレン等);アクリルアミド類、
例えばジアセトンアクリルアミド等;アクリロニトリ
ル;ビニルアルコールのエステル類、例えばビニル−n
−ブチルエーテル等;(メタ)アクリル酸エステル類、
例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)
アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アク
リル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロ
エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピル(メタ)アクリレート;(メタ)アク
リル酸類、例えば(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メ
タ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−
フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アク
リル酸等;マレイン酸及びマレイン酸モノエステル類、
例えばマレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプ
ロピル等;フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、
イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等、が挙げら
れる。
【0041】バインダーポリマー(A)は、アルカリ現
像液による現像性の観点から、アクリル系樹脂を含むこ
とが好ましい。アクリル系の重合性単量体としての(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば、一般式
(I):
【0042】
【化1】
【0043】(式中、R1は水素原子又はメチル基を示
し、R2は炭素数1〜12のアルキル基を示す)で表さ
れる化合物及びこれらの化合物のアルキル基に水酸基、
エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物等が挙げら
れる。これらは、単独で使用しても、又は2種以上を組
み合わせて使用してもよい。
【0044】一般式(I)で表される単量体としては、
例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)
アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピ
ルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸
へキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)
アクリル酸ドデシルエステル、等が挙げられる。
【0045】また、バインダーポリマー(A)は、やは
り、アルカリ現像液による現像性の観点から、カルボキ
シル基を含有させることが好ましく、例えば、メタクリ
ル酸等のカルボキシル基を有する重合性の単量体と、そ
の他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製
造することが好ましい。さらに、バインダーポリマー
(A)は、可とう性の観点から、スチレン又はスチレン
誘導体を重合性単量体として含有させることが好まし
い。
【0046】これらのバインダーポリマー(A)は、単
独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用して
もよい。
【0047】光重合開始剤(B)は、公知の光重合開始
剤を使用することができ、例えば、芳香族ケトン類、例
えば、ベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノ
ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ビスジ
エチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジ
メチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノ
ン、フェナントレンキノン等;ベンゾインエーテル類、
例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインフェニルエーテル等;ベンゾイン
類、例えば、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等;
ベンジル誘導体、例えば、ベンジルジメチルケタール
等;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、例
えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量
体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−
メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール
二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フ
ェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、
2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフ
ェニルイミダゾール二量体等;アクリジン誘導体、例え
ば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′
−アクリジニル)ヘプタン等、を使用することができ
る。これらは、単独で使用しても、又は2種以上を組み
合わせて使用してもよい。
【0048】分子内に少なくとも一つの重合可能なエチ
レン性不飽和基を有する光重合性化合物(C)は、例え
ば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応
させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα,
β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ウ
レタンモノマー;(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシ
ポリエトキシ)フェニル)プロパン;ノニルフェニルジ
オキシレン(メタ)アクリレート;ヒドロキシアルキル
−(メタ)アクリロイルオキシエチル−フタレート(例え
ば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−
ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−
β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレ
ート)等が挙げられる。上記のα,β−不飽和カルボン
酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられ
る。
【0049】上記の多価アルコールにα,β−不飽和カ
ルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例え
ば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2
〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキ
シトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
テトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0050】上記のグリシジル基含有化合物にα,β−
不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物として
は、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−
(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキ
シ)フェニル等が挙げられる。
【0051】上記ウレタンモノマーとしては、例えば、
β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーと、イ
ソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシ
アネート、2,4−トルエンジイソシアネート又は1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応
物;トリス((メタ)アクリロイルオキシテトラエチレ
ングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシア
ヌレート;EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート;
EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙
げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、E
O変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック
構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示
し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基の
ブロック構造を有する。
【0052】上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アク
リル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシルエステル等が挙げられる。
【0053】上記の2,2−ビス(4−((メタ)アク
リロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとし
ては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロ
イルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシトリエトキ
シ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メ
タ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオ
キシデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、
2,2−ビス(4−(メタクリロイルオキシペンタエト
キシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村
化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能で
ある。
【0054】これらの光重合性化合物(C)は、単独で
使用しても、又は2種類以上を組み合わせて使用しても
よい。
【0055】バインダーポリマー(A)成分の配合量
は、バインダーポリマー(A)成分及び光重合性化合物
(C)成分の合計量を100重量部とした場合に、40
〜80重量部であることが好ましい。配合量がこの範囲
にあると、十分な塗膜性及び光硬化性を得ることができ
る。
【0056】光重合開始剤(B)の配合量は、バインダ
ーポリマー(A)成分及び光重合性化合物(C)成分の
合計量を100重量部とした場合に、0.01〜20重
量部であることが好ましい。配合量がこの範囲にある
と、十分な感度を確保でき、また、露光の際に組成物の
表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となるこ
ともない。
【0057】光重合性化合物(C)成分の配合量は、バ
インダーポリマー(A)成分及び光重合性化合物(C)
成分の合計量を100重量部とした場合に、20〜60
重量部であることが好ましい。配合量がこの範囲にある
と、光硬化性が十分であり、塗膜性も良好である。
【0058】また、本発明の感光性樹脂組成物は、必要
に応じて、染料(例えばマラカイトグリーン等)、光発
色剤(例えば、トリブロモフェニルスルホン、ロイコク
リスタルバイオレット等)、熱発色防止剤、可塑剤(例
えばp−トルエンスルホンアミド等)、顔料、充填剤、
消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング
剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、
熱架橋剤等の添加剤を、各々の添加剤が、バインダーポ
リマー(A)成分及び光重合性化合物(C)成分の合計
量を100重量部とした場合に、各々0.01〜20重
量部程度、含有させることができる。添加剤は、単独で
使用しても、又は2種類以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0059】本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じ
て、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤
に溶解して、固形分を含めた溶液の総重量に対する固形
分(不揮発性)が30〜60重量%程度の溶液として塗
布することができる。
【0060】上記の感光性樹脂組成物を用いた感光性樹
脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、生産性及び
細線形成性の観点から、乾燥後の厚みで1〜100μm
であることが好ましく、3〜100μmであることがよ
り好ましく、5〜100μmであることが特に好まし
い。
【0061】感光性樹脂組成物層の流動性は、基板等の
被着体への追従性、感光性樹脂組成物層の低変形性、低
エッジフュージョン性等の点から、50〜500μmで
あることが好ましく、100〜300μmであることが
より好ましく、100〜250μmであることが特に好
ましい。流動性の調整は、感光性樹脂組成物層を構成す
る各成分の種類と配合量を調節することにより行うこと
ができる。本発明においては、流動性は、直径20mm、
厚み2mmの感光性樹脂組成物層をサンプルとし、このサ
ンプルを平面の基板上に置いて、その上に直径50mmの
円筒形の5kgの静荷重を加え、変形していく感光性樹脂
組成物層の10秒後の厚み(T1μm)と900秒後の厚
み(T2μm)を測定した時のT1−T2(μm)を用い
る。
【0062】〔第二のフィルム〕本発明における第二の
フィルムは、フィルム中に含まれる直径80μm以上の
フィッシュアイの個数が10個/m2以下であるものであ
る。フィッシュアイの個数を10個/m2以下とすること
により、エアーボイドの発生を低減させて、次工程であ
る露光、現像、エッチングの像形成において、パターン
欠けや断線を防ぐことができる。ここで、フィッシュア
イとは、材料を熱溶融して混練を行い、次いで押出し延
伸法又はキャスティング法によりフィルムを製造する際
に、材料の未溶解及び劣化物がフィルム中に取り込まれ
たものをいい、フィッシュアイの直径(φ)とは、最大
径を意味する。なお、フィッシュアイの大きさの測定
は、例えば、光学顕微鏡、接触型表面粗さ計、走査型電
子顕微鏡、非接触型表面粗さ計等で行うことができる。
【0063】また、本発明において第二のフィルムは、
その表面粗さが、中心線平均粗さRaが0.005〜
0.05μmであることが好ましく、0.01〜0.0
3μmであることがより好ましい。表面粗さは、接触型
表面粗さ計を用いて測定することができる。
【0064】本発明における第二のフィルムの厚みは特
に限定されないが、第二のフィルムをロール状に巻いた
際のサイズを考慮すると、5〜200μmであることが
好ましく、10〜100μmがより好ましく、10〜5
0μmが特に好ましい。
【0065】本発明において使用されるフィッシュアイ
レベルの良好な第二のフィルムは、例えば、フィルムを
製造する際、原料樹脂を熱溶融後に濾過する等、フィル
ムの製造方法を変更することにより、製造することがで
きる。また、市販のポリプロピレンフィルム等を使用す
ることもでき、例えば、信越フィルム(株)製PP−タ
イプPT;東レ(株)製トレファンBO−2400、Y
R12タイプ;王子製紙(株)製アルファンE200シ
リーズ等が挙げられる。
【0066】〔積層フィルム〕本発明の積層フィルム
は、第一のフィルムの面上に感光性樹脂組成物層を積層
し、感光性樹脂組成物層の第一のフィルムとは反対の面
上に第二のフィルムを積層した積層フィルムである。
【0067】第一のフィルムと感光性樹脂組成物層との
間の接着力は、180°ピール強度が、9.8×10-3
N/cm(1gf/cm)〜9.8×10-1N/cm(100gf/
cm)であることが好ましい。
【0068】第二のフィルムと感光性樹脂組成物層の間
の接着力は、180°ピール強度が、1.96×10-3
〜9.80×10-2N/cm(0.2〜10gf/cm)であ
ることが好ましい。接着力がこの範囲にあると、製造時
における第二のフィルムと感光性樹脂組成物層との貼り
合わせが容易で、かつ第二のフィルムの剥離もスムーズ
に行うことができる。
【0069】なお、第一のフィルムの180°ピール強
度は、第二のフィルムのものよりも大きいことが好まし
い。すなわち、第一のフィルムと感光性樹脂組成物層と
の間の接着力が、第二のフィルムと感光性樹脂組成物層
との間の接着力よりも大きいことが好ましい。この場
合、第二のフィルムを剥離して、転移層を容易に形成す
ることができるからである。
【0070】なお、本発明の積層フィルムは、感光性樹
脂組成物層、第一のフィルム及び第二のフィルムの他
に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等
の中間層や保護層を有することができる。
【0071】〔積層フィルムの製造方法〕本発明の積層
フィルムは、例えば、第一のフィルムのB面の上に、感
光性樹脂組成物を塗布し、次いで乾燥して感光性樹脂組
成物層とし、さらに感光性樹脂組成物層の上(すなわち
第一のフィルムとは反対側の面)に、第二のフィルムを
積層して製造することができる。
【0072】また、本発明の積層フィルムは、第二のフ
ィルムの上に、感光性樹脂組成物を塗布し、次いで乾燥
して感光性樹脂組成物層とし、さらに感光性樹脂組成物
層の上(すなわち第二のフィルムとは反対側の面)に、
第一のフィルムを、感光性樹脂組成物層とB面が接する
ようにして積層して製造することもできる。
【0073】本発明において第一のフィルムは、従来の
支持層で使用されるフィルムに比べて軟かいため、比較
的腰のある第二のフィルムを使用して、第二のフィルム
上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥する後者の方法が、
均一な感光性樹脂組成物層の形成ができる点で好まし
い。
【0074】このようにして得られる本発明の積層フィ
ルムは、ロール状に巻いて保管することができる。
【0075】〔プリント配線板の製造方法〕本発明のプ
リント配線板の製造方法は、本発明による積層フィルム
の第二のフィルムを剥離して、感光性樹脂組成物層と基
板とが接するように、転移層を基板上にラミネートし、
次いで、露光、現像することを特徴とする。
【0076】以下、図1を用いて、本発明のプリント配
線板の製造方法の一例について詳述する。図1(a)に
おいて、積層フィルム1は、感光性樹脂組成物層3、第
一のフィルム2及び第二のフィルム4で構成され、転移
層5は、感光性樹脂組成物層3及び第一のフィルム2で
構成される。本発明における基板6としては、例えば、
銅、鉄、アルミニウム等の金属シート、ステンレス、4
2アロイ等の合金シート、銅張り積層板等が挙げられ
る。
【0077】プリント配線板の製造にあたっては、まず
積層フィルム1から第二のフィルム4を剥離し、その
後、感光性樹脂組成物層3を基板6側に向けて、基板6
の上に転移層5を載せてラミネートする。ラミネート後
の基板6の断面は、図1(b)のようになる。
【0078】基板6上に積層フィルム1をラミネートす
る方法は、特に限定されないが、例えば、第一のフィル
ム側から、加熱可能なロールを備えたラミネーターを用
いてラミネートする方法等が挙げられる。通常、ラミネ
ート時の温度は、60〜150℃(好ましくは80〜1
30℃)であり、圧力は、0.1〜1MPa(1〜10kgf
/cm2)(好ましくは0.3〜0.7MPa(3〜7kgf/c
m2))であり、送り速度は、0.1〜10m/分(好ま
しくは1〜5m/分)である。
【0079】次に、ラミネート後の基板6を露光する。
本発明において、露光方法は、特に限定されないが、例
えば、第一のフィルム2上(第一のフィルムが剥離され
ている場合は感光性樹脂組成物層3上)に所定のパター
ンのネガマスクを載せ、このネガマスク上から超高圧水
銀ランプ等の光源を用いて活性光線を照射する方法、レ
ーザーを用いるCADにより活性光線をパターン状に照
射する方法等が挙げられる。
【0080】その次に、第一のフィルムを除去し(第一
のフィルムが剥離されている場合はそのまま)露光後の
基板6を現像する。本発明において、現像とは、感光性
樹脂組成物層3を現像して、感光性樹脂組成物層3のレ
ジストパターンとしたい部分以外の部分(不要部)を除
去することをいう。
【0081】現像の方法は、特に限定されないが、例え
ば、露光により生じた感光性樹脂組成物層3の露光部と
未露光部との現像液に対する溶解度差を利用するウェッ
ト現像法、露光部と未露光部との接着力差を利用するド
ライ現像法等が挙げられる。解像性の点からは、ウェッ
ト現像法が好ましく、その現像液は、特に限定されない
が、例えば、1,1,1,−トリクロロエタン等の有機
溶剤、1重量%炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶
液等が挙げられる。ウェット現像法では、これらの現像
液を、露光した後の感光性樹脂組成物層3に接触させ、
露光部及び未露光部のどちらか一方を溶解又は剥離して
除去する。
【0082】現像後、基板上にレジストパターンが形成
される。この後、常法により、エッチング、例えば、エ
ッチング液(塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカ
リエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液等)によ
るエッチング、又はめっき、例えば、銅めっき(硫酸銅
めっき、ピロリン酸銅めっき等)、はんだめっき(ハイ
スローはんだめっき等)、ワット浴めっき(硫酸ニッケ
ル−塩化ニッケル浴めっき等)、ニッケルめっき(スル
ファミン酸ニッケルめっき等)若しくは金めっき(ハー
ド金めっき、ソフト金めっき等)を行い、次いでレジス
トパターンを、強アルカリ性の水溶液(1〜10重量%
水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウ
ム水溶液等)で剥離することにより、本発明におけるプ
リント配線板を得ることができる。
【0083】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】実施例及び比較例では、第一のフィルムに
ついての測定値は、以下により測定した。 −L5値(N/mm)(gf/mm)は、テンシロン万能型引
張試験機に恒温槽を取りつけ80℃にて10mm幅の短冊
型試料をチャック間10cm、引張速度10cm/分で引張
試験を行い、試料が5%の伸びを示した時の荷重を試料
の幅で除した値である。 −破断伸び(%)は、JIS C 2318に準拠して
測定した値である。 −酸素透過量(ミリリットル/m2・24h・Pa)(ml/
m2・24h・atm)は、JIS Z 1707に準拠し
て測定した値である。 −吸水率(%)は、JIS K 7209に準拠して測
定した値である。 −ヘイズ(%)は、JIS K 6782に準拠して測
定した値である。 −エレメンドルフ引裂強度(N/cm)(kgf/cm)は、J
IS K 7128B法に準拠して測定した値である。 −屈折率(Nx、Ny)は、JIS K 7105に準拠
して測定した値である。
【0085】実施例及び比較例で、プリント配線板の作
製に使用した材料、機械等は、別のものであるという記
載がある場合を除き、以下を用いた。 −銅張積層板(厚み35μmの銅箔を片面に積層したガ
ラスエポキシ基板)は、日立化成工業(株)製、商品名
MCL−E67−35Sを用いた。 −研磨機は、三啓(株)製(#600相当のブラシを持
つ)を用いた。 −高温ラミネーターは、日立化成工業(株)製、HLM
−3000を用いた。 −露光機は、オーク製作所(株)製、型式HMW−59
0の水銀ショートアークランプを用いた。 −塩化第二銅エッチング液は、2NのHCl水溶液1リ
ットルあたり、2モルのCuCl2を溶解させた液を用
いた。 −レジストパターンの剥離液は、3重量%NaOH水溶
液を用いた。
【0086】〔感光性樹脂組成物層材料(I)の作製〕
実施例及び比較例では、感光性樹脂組成物層として、下
記の表1及び、表2に示す材料を配合した感光性樹脂組
成物層材料(I)を使用した。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】実施例1 〔積層フィルムAの作製〕第一のフィルムとして、A層
とB層の2層構造を有する厚み11μmの二軸延伸イソ
フタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム
(帝人(株)製、HK19−4(フィルムサンプル)を
用いた。フィルム(HK19−4)は、A層が、滑剤含
有率0.5重量%、滑剤の平均粒径0.5μmであり、
B層が、滑剤含有率0.03重量%、滑剤の平均粒径
0.5μmであり、A層の厚さ/B層の厚さ=1μm/1
0μm、であった。フィルム(HK19−4)は、L5
値5.39×10-1N/mm(55gf/mm)、破断伸び1
50%、酸素透過量1.68×10-3ミリリットル/m2
・24h・Pa(170ml/m2・24h・atm)、吸水率
0.3%、ヘイズ0.5%、エレメンドルフ引裂強度7
3.55N/cm(7.5kgf/cm)、屈折率Nx1.6
4、Ny1.64、であった。
【0090】第二のフィルムとして、厚み30μmの二
軸延伸ポリプロピレンフィルム(直径80μm以上のフ
ィッシュアイ数が0個/m2:王子製紙(株)製、商品名
E−200H)を用いた。
【0091】上記の第二のフィルムの上に、感光性樹脂
組成物層材料(I)を、乾燥後の厚みが15μmとなる
ように塗布し、80℃で10分間温風乾燥し、感光性樹
脂組成物層とした。次いで、上記の第一のフィルムを、
前記感光性樹脂組成物層に、感光性樹脂組成物層とB層
が接するように被覆して、積層フィルムAを作製した。
得られた積層フィルムAを、第一のフィルムが外側とな
るように巻き取った。
【0092】〔解像性評価用基板の作製〕厚み35μm
の銅箔を片面に積層したガラスエポキシ基板の銅表面
を、#600相当のブラシを持つ研磨機を用いて研磨
し、水洗後、空気流で乾燥して銅張積層板を得た。
【0093】次いで、得られた銅張積層板を80℃に加
温した後、高温ラミネーターを用いて、上記基板に、積
層フィルムAの第二のフィルムを、ラミネーターの巻き
取りロールを使用して連続的に剥離して、感光性樹脂組
成物層を基板に向けて(第一のフィルム側をロールに触
れるようにして)ラミネートした。ラミネート速度は、
1.5m/分、ロール温度は110℃、ロールのシリン
ダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2)であった。
【0094】ラミネート終了後、積層フィルムをラミネ
ートした基板を23℃まで冷却した後、基板上の第一の
フィルムの上に、ネガマスク(ストーファー21段ステ
ップタブレットと(ライン幅/スペース幅)が(400
μm/6μm)〜(400μm/47μm)の配線パターン
を有するネガマスク)を密着させ、露光機を用い、スト
ーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステ
ップ段数が6.0となるエネルギー量で露光した。
【0095】次いで、銅張積層板から第一のフィルムを
除去し、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液で20
秒間スプレー現像し、基板上にレジストパターンを形成
した。
【0096】〔凹凸追従性評価用基板の作製〕ネガマス
クとして(ライン幅/スペース幅)が(1000μm/
400μm)のものを用いたこと以外は、上記の〔解像
性評価用基板の作製〕と同様の方法で、レジストパター
ンの形成された銅張積層板を得た。次いで、得られた基
板を、30℃の過硫酸アンモニウム水溶液(100g/
l)に1.25〜15分間浸漬した後、基板に45℃、
スプレー圧力0.2Mpa(2kgf/cm2)の剥離液をスプ
レーし、レジストパターンを剥離し、凹み深さが1〜1
2μm、凹み幅が400μmの銅張積層板を得た。
【0097】その後、得られた銅張積層板を80℃に加
温した後、高温ラミネーターを用いて、積層フィルムA
の第二のフィルムを剥離して、感光性樹脂組成物層を基
板に向けて(第一のフィルム側をロールに触れるように
して)ラミネートした。ラミネートロールの軸と基板の
傷の長さ方向は平行とし、ラミネート速度は、1.5m
/分、ロール温度は、110℃、ロールのシリンダー圧
力は、0.4Mpa(4kgf/cm2)であった。
【0098】ラミネート終了後、積層フィルムをラミネ
ートした基板を23℃まで冷却した後、基板上の第一の
フィルムの上に、(ライン幅/スペース幅)が(100
μm/100μm)のネガマスクを、基板の傷の長さ方向
と直角に交差する方向に置き、露光機を用い、ストーフ
ァー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ
段数が6.0となるエネルギー量で露光した。
【0099】次いで、銅張積層板から第一のフィルムを
除去し、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液で20
秒間スプレー現像し、基板上にレジストパターンを形成
した。
【0100】その後、50℃の塩化第二銅エッチング液
をスプレー圧力0.2Mpa(2kgf/cm2)で100秒間
スプレーし、レジストで保護されていない部分の銅を溶
解した後、基板に45℃、スプレー圧力0.2Mpa(2k
gf/cm2)の剥離液をスプレーし、レジストパターンを
剥離し、基板上に銅のラインが形成された、凹凸追従性
評価用基板を作製した。
【0101】〔ウェーブ追従性評価用基板の作製〕厚み
35μmの銅箔を片面に積層したエポキシ基板(厚み
1.0mm)を、所定の凹凸を有した金型を備えたプレス
を用いてプレスすることにより、凹み深さが1〜18μ
m、凹み幅が300〜2000μmの銅張積層板を得た。
【0102】次いで、〔解像性評価用基板の作製〕と同
様にして、上記で得られた銅張積層板の上に積層フィル
ムAをラミネートした。
【0103】ラミネート終了後、積層フィルムをラミネ
ートした基板を23℃まで冷却した後、基板上の第一の
フィルムの上に、ネガマスク(ストーファー21段ステ
ップタブレットと(ライン幅/スペース幅)が(100
μm/100μm)の配線パターンを有するネガマスク)
を、凹み長さ方向と直角に交差する方向に密着させ、露
光機を用い、ストーファー21段ステップタブレットの
現像後の残存ステップ段数が6.0となるエネルギー量
で露光した。
【0104】次いで、室温で15分間放置した後、銅張
積層板から第一のフィルムを除去し、30℃の1重量%
炭酸ナトリウム水溶液で20秒間スプレー現像し、基板
上にレジストパターンを形成した。
【0105】その後、50℃の塩化第二鉄エッチング液
(45度ボーメ)を、スプレー圧力0.2Mpa(2kgf/
cm2)で100秒間スプレーし、レジストで保護されて
いない部分の銅を溶解した後、45℃の剥離液を、スプ
レー圧力0.2Mpa(2kgf/cm2)でスプレーし、基板
上に銅のラインが形成されたウェーブ追従性評価用基板
を作製した。
【0106】〔レジストパターン形状評価用基板の作
製〕ネガマスクとして(ライン幅/スペース幅)が(1
5μm/15μm)のネガマスク(ガラスネガ)を用いた
こと、及びストーファー21段ステップタブレットの現
像後の残存ステップ段数が5.0となるエネルギー量で
露光したこと以外は、〔解像性評価用基板〕と同様の方
法で、レジストパターンの形成された銅張積層板を得
て、〔レジストパターン形状評価用基板〕とした。
【0107】実施例2 〔積層フィルムBの作製〕実施例1において、第一のフ
ィルムに用いたHK19−4に代えて、2層構造を有す
る厚み11μmのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(帝人(株)製、HK19−2(フ
ィルムサンプル)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て積層フィルムBを作製し、得られた積層フィルムB
を、第一のフィルムが外側となるように巻き取った。フ
ィルム(HK19−2)は、A層が滑剤含有率0.35
重量%、滑剤の平均粒径0.5μmであり、B層が、滑
剤含有率0.05重量%、滑剤の平均粒径0.5μmで
あり、A層の厚さ/B層の厚さ=2μm/9μmであっ
た。フィルム(HK19−2)は、L5値5.39×1
-1N/mm(55gf/mm)、破断伸び150%、酸素透
過量1.68×10-3ミリリットル/m2・24h・Pa
(170ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、ヘ
イズ1.5%、エレメンドルフ引裂強度73.55N/c
m(7.5kgf/cm)、屈折率Nx1.64、Ny1.6
4、であった。
【0108】積層フィルムAの代わりに、積層フィルム
Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、解像性
評価用基板、凹凸追従性評価用基板(〔解像性評価用基
板の作製〕と同様の方法で、レジストパターンの形成さ
れた銅張積層板を作製する際は、積層フィルムAを使用
した。以下も同様とする。)、ウェーブ追従性評価用基
板、レジストパターン形状評価用基板を作製した。
【0109】実施例3 〔積層フィルムCの作製〕第一のフィルムとして、実施
例1で使用したHK19−4を用い、第二のフィルムと
して、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム
(直径80μm以上のフィッシュアイ数が0個/m2:王
子製紙(株)製、商品名E−200C)を用いた。前記
第一のフィルムの上に、感光性樹脂組成物層とB層が接
するように、感光性樹脂組成物層材料(I)を、乾燥後
の厚みが15μmとなるように塗布し、80℃で10分
間温風乾燥し、感光性樹脂組成物層とした。次いで、前
記第二のフィルムを、前記感光性樹脂組成物層に被覆し
て、積層フィルムCを作製した。得られた積層フィルム
Cを、第一のフィルムが外側となるように巻き取った。
【0110】積層フィルムAの代わりに、積層フィルム
Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、解像性
評価用基板、凹凸追従性評価用基板、ウェーブ追従性評
価用基板、レジストパターン形状評価用基板を作製し
た。
【0111】比較例1 〔積層フィルムDの作製〕実施例3において、第二のフ
ィルムに用いたE−200Cに代えて、厚み25μmの
無延伸ポリエチレンフィルム(直径80μm以上のフィ
ッシュアイ数が約1,000個/m2:タマポリ(株)
製、商品名NF−13)を用いた以外は、実施例3と同
様にして積層フィルムDを作製し、得られた積層フィル
ムDを、第一のフィルムが外側となるように巻き取っ
た。
【0112】積層フィルムAの代わりに、積層フィルム
Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、解像性
評価用基板、凹凸追従性評価用基板、ウェーブ追従性評
価用基板、レジストパターン形状評価用基板を作製し
た。
【0113】比較例2 〔積層フィルムEの作製〕実施例1において、第一のフ
ィルムに用いたHK19−4に代えて、2層構造を有す
る厚み11μmのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレ
フタレートとポリブチレンテレフタレートとのブレンド
フィルム(二軸延伸、帝人(株)製、HK−19(フィ
ルムサンプル))を用いた以外は、実施例1と同様にし
て積層フィルムEを作製し、得られた積層フィルムE
を、第一のフィルムが外側となるように巻き取った。フ
ィルム(HK−19)は、A層が、滑剤含有率0.1重
量%、滑剤の平均粒径1μmであり、B層が、滑剤含有
率0重量%であり、A層の厚さ/B層の厚さ=3μm/
8μmであった。フィルム(HK−19)は、L5値
1.96×10-1N/mm(20g/mm)、破断伸び180
%、酸素透過量1.28×10-3ミリリットル/m2・2
4h・Pa(130ミリリットル/m2・24h・atm)、
吸水率0.3%、ヘイズ0.9%、エレメンドルフ引裂
強度74.53N/cm(7.6kgf/cm)、屈折率N
x1.63、Ny1.64)、であった。
【0114】積層フィルムAの代わりに、積層フィルム
Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、解像性
評価用基板、凹凸追従性評価用基板、ウェーブ追従性評
価用基板、レジストパターン形状評価用基板を作製し
た。
【0115】比較例3 〔積層フィルムFの作製〕実施例1において、第一のフ
ィルムに用いたHK19−4に代えて、単層構造(滑剤
含有)の厚み11μmの二軸延伸イソフタル酸共重合ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、H
K−4(フィルムサンプル)を用いた以外は、実施例1
と同様にして積層フィルムFを作製し、得られた積層フ
ィルムFを、第一のフィルムが外側となるように巻き取
った。フィルム(HK−4)は、L5値5.39×10
-1N/mm(55gf/mm)、破断伸び150%、酸素透過
量1.68×10-3ミリリットル/m2・24h・Pa(1
70ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、ヘイズ
4%、エレメンドルフ引裂強度73.55N/cm(7.
5kgf/cm)、屈折率Nx1.64、Ny1.64、であ
った。
【0116】積層フィルムAの代わりに、積層フィルム
Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、解像性
評価用基板、凹凸追従性評価用基板、ウェーブ追従性評
価用基板、レジストパターン形状評価用基板を作製し
た。
【0117】比較例4 〔積層フィルムGの作製〕実施例3において、第一のフ
ィルムに用いたHK19−4に代えて、単層構造(滑剤
非含有)の厚み11μmの二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム(帝人(株)製、HK−20(フィル
ムサンプル))を用い、第二のフィルムに用いたE−2
00Cに代えて、厚み25μmの無延伸ポリエチレンフ
ィルム(直径80μm以上のフィッシュアイ数が約1,
000個/m2:タマポリ(株)製、商品名NF−13)
を用いた以外は、実施例3と同様にして積層フィルムG
を作製し、得られた積層フィルムGを、第一のフィルム
が外側となるように巻き取った。フィルム(HK−2
0)は、L5値8.34×10-1N/mm(85gf/m
m)、破断伸び110%、酸素透過量1.28×10-3
ミリリットル/m2・24h・Pa(130ml/m2・24h
・atm)、吸水率0.3%、ヘイズ0.3%、エレメン
ドルフ引裂強度39.23N/cm(4.0kgf/cm)、屈
折率Nx1.65、Ny1.66、であった。
【0118】積層フィルムAの代わりに、積層フィルム
Gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、解像性
評価用基板、凹凸追従性評価用基板、ウェーブ追従性評
価用基板、レジストパターン形状評価用基板を作製し
た。
【0119】比較例5 〔積層フィルムHの作製〕実施例3において、第一のフ
ィルムに用いたHK19−4に代えて、単層構造(滑剤
含有)の厚み19μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(帝人(株)製、商品名G2−19)を
用い、第二のフィルムに用いたE−200Cに代えて、
厚み25μmの無延伸ポリエチレンフィルム(直径80
μm以上のフィッシュアイ数が約1,000個/m2:タ
マポリ(株)製、商品名NF−13)を用いた以外は、
実施例3と同様にして、積層フィルムHを作製した。得
られた積層フィルムHを、第一のフィルムが外側となる
ように巻き取った。フィルム(G2−19)は、L5値
1.47N/mm(150gf/mm)、破断伸び150%、
酸素透過量8.88×10-4ミリリットル/m2・24h
・Pa(90ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、
ヘイズ1.5%、エレメンドルフ引裂強度58.84N
/cm(6.0kgf/cm)、屈折率Nx1.65、Ny1.
66、であった。
【0120】積層フィルムAの代わりに、積層フィルム
Hを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、解像性
評価用基板、凹凸追従性評価用基板、ウェーブ追従性評
価用基板、レジストパターン形状評価用基板を作製し
た。
【0121】実施例、及び比較例で得られた積層板、基
板の評価結果について、表3にまとめた。
【0122】
【表3】
【0123】解像性は、解像性評価用基板を用いて、得
られたレジストパターンの、現像残りのない最小スペー
ス幅の値を測定したものである。この値が小さいほど解
像性が優れたものである。
【0124】凹凸追従性は、凹凸追従性評価用基板を用
いて、銅ラインの断線が開始するスクラッチの深さ(μ
m)を測定したものである。この値が大きい程、凹凸追
従性に優れる。基板上にスクラッチがあり、その凹みに
積層フィルムが追従していない場合は、レジストと基板
との間に空隙が生じ、レジストと凹みの交点部分にエッ
チング液が染み込んで銅を溶解させるため、銅ラインの
接続が途切れ断線する。
【0125】ウェーブ追従性は、ウェーブ追従性評価用
基板を用いて、銅ラインの断線が開始する基板上の凹み
の深さ(μm)を測定したものである。この値が大きい
程、ウェーブ追従性に優れる。基板上に凹みがあり、そ
の凹みに積層フィルムが追従していない場合は、レジス
トと基板との間に空隙が生じ、レジストと凹みの交点部
分にエッチング液が染み込んで、銅ラインの接続が途切
れ断線する。
【0126】ピール破れ率は、解像性評価用基板の作製
と同様の方法で露光工程まで行った基板を用いて、第一
のフィルムを感光性樹脂組成物層から手作業により剥離
するテスト(ピールテスト)を、実施例及び比較例の基
板について100回実施し、テストの際に剥離した又は
しようとしたフィルムに破れが発生した割合を測定した
ものである。この値が小さい程、第一のフィルムの感光
性樹脂組成物層からの剥離性に優れるため、作業性が良
好となる。
【0127】レジストパターン形状は、レジストパター
ン形状評価用基板を用いて、積層板の銅上のレジストパ
ターンの形状を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて
観察したものである。レジストパターンの欠けや断線の
発生がわかる。
【0128】エアーボイド発生数は、基板としてヤマハ
オーリンメタル(株)製、商品名C−7025(板厚
0.15mm)を使用し、ネガマスクを使用せずに全面露
光した以外は、解像性評価基板の作製と同様の方法で露
光工程まで行った基板のエアーボイド発生数を、投影機
により測定したものである。エアーボイド発生数が少な
いほど、パターン欠けや断線が少ない。
【0129】第一のフィルムの巻外観は、HK19−
4、HK19−2、HK−19、HK−4、HK−2
0、G2−19のフィルムサンプル(フィルム幅:13
00mm、巻長さ:3000m)をフィルムメーカーより
入手し、巻外観を観察したものである。巻外観に問題が
有る場合、第一のフィルムに感光性樹脂組成物をコー
ティングする際に、感光性樹脂組成物層の膜厚精度が低
下する、第一のフィルムを感光性樹脂組成物層に貼合
わせる際に、しわが生じる、積層フィルムの長尺巻が
困難になる、といった問題が生じる。
【0130】本発明の積層フィルム(積層フィルムA〜
C)を用いた実施例1〜3は、解像性、追従性に優れ、
欠け・断線の原因となるエアーボイドの発生が抑制さ
れ、レジストパターン形状も良好である。さらに、第一
のフィルムの巻外観が良好であることから、積層フィル
ム製造時の歩留り低下や積層フィルムの特性変動を防止
できる。
【0131】一方、第二のフィルムが、フィッシュアイ
を含有する比較例1では、エアーボイドが発生し、レジ
ストパターン形状に劣る結果となった。第一のフィルム
が、2層構造ではあるが、1層にのみ滑剤を有する比較
例2では、第一のフィルムの巻外観においてしわがみら
れ、作業効率に劣る結果となった。第一のフィルムが単
層で滑剤を含む比較例3では、第一のフィルムの巻外観
は良好ではあるものの、滑剤によりヘイズが悪化し、解
像性がやや劣り、レジストパターン形状もやや劣る結果
となった。第一のフィルムに滑剤を含まず、第二のフィ
ルムがフィッシュアイを含有する比較例4では、解像性
以外の総ての特性が他の実施例及び比較例に劣る結果と
なった。第一のフィルムが単層で滑剤を含み、L5値が
1.47(N/mm)と大きく、第二のフィルムがフィッ
シュアイを含有する比較例5では、解像性、追従性が劣
り、レジストパターン形状も劣る結果となった。
【0132】
【発明の効果】上記の結果より、本発明の要素を備えた
積層フィルムのみが、基板への追従性が良好で、解像性
及びレジストパターン形状に優れる積層フィルムを提供
することがわかる。さらに、本発明の積層フィルムは、
第一のフィルムの巻外観がよく、破損率も少ないことか
ら、プリント配線板の製造にあたり作業効率を向上させ
ることが期待できる。また、本発明は、新たな設備を必
要とせずに行うことができ、生産コストを増大させるこ
となく行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の積層フィルムの模式図の一例及
び(b)基板上に本発明の積層フィルムがラミネートさ
れた状態の模式図の一例。
【図2】(a)従来の積層フィルムの模式図の一例及び
(b)基板上に従来の積層フィルムがラミネートされた
状態の模式図の一例。
【符号の説明】
1 積層フィルム 2 第一のフィルム 3 感光性樹脂組成物層 4 第二のフィルム 5 転移層 6 基板 11 積層フィルム 12 支持層 13 感光性樹脂組成物層 14 被覆層 15 転移層 16 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/06 H05K 3/06 J L 3/18 3/18 D Fターム(参考) 2H025 AA02 AB11 AB15 AC01 AD01 BC32 BC42 CA01 CA28 CB14 CB16 DA02 DA19 DA20 EA08 FA03 FA17 4F100 AK01A AK01B AK01C AK07 AK12 AK25 AK42 AL01 AT00A AT00C CA13 CA19A CA19H CA30 EJ38 GB43 JB14B JK08A JK14C JL01 JL02 JL05 JL14C YY00A 5E339 AA02 AB02 BE13 CC01 CD01 CE11 CE16 CF01 CF02 CF15 GG02 5E343 AA12 AA33 CC62 CC63 DD21 ER16 ER18 FF12 GG01 GG08 GG11

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一のフィルムの面上に感光性樹脂組成
    物層を積層し、前記感光性樹脂組成物層の前記第一のフ
    ィルムとは反対の面上に第二のフィルムを積層した積層
    フィルムであって、(1)前記第一のフィルムが、その
    一の面及び他の面に、各々1種以上の滑剤を均一に含有
    し、前記一の面に含まれる滑剤の個数密度が、前記他の
    面に含まれる滑剤の個数密度の1.5〜500倍であ
    り、(2)滑剤を両面に含む前記第一のフィルムの80
    ℃における単位幅あたりのフィルム長手方向の5%伸び
    荷重が、3.92×10-2〜8.83×10-1N/mm
    (4〜90gf/mm)であり、(3)前記第二のフィルム
    中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイの個数
    が10個/m2以下である、ことを特徴とする積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記第一の面に含まれる滑剤の個数密度
    が、500〜1,000,000(個/cm2)である、
    請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 前記他の面と感光性樹脂組成物層とが接
    する、請求項1又は2記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 第一のフィルムの面上に感光性樹脂組成
    物層を積層し、前記感光性樹脂組成物層の前記第一のフ
    ィルムとは反対の面上に第二のフィルムを積層した積層
    フィルムであって、(1)前記第一のフィルムが、一の
    層と他の層とからなる2層構造を有し、前記一の層及び
    前記他の層に、各々1種以上の滑剤を均一に含有し、滑
    剤を含む前記一の層の総重量に対する前記一の層に含ま
    れる滑剤の含有率が、滑剤を含む前記他の層の総重量に
    対する前記他の層に含まれる滑剤の含有率の1.5〜5
    00倍であり、(2)滑剤を両層に含む前記第一のフィ
    ルムの80℃における単位幅あたりのフィルム長手方向
    の5%伸び荷重が、3.92×10-2〜8.83×10
    -1N/mm(4〜90gf/mm)であり、(3)前記第二の
    フィルム中に含まれる直径80μm以上のフィッシュア
    イの個数が10個/m2以下である、ことを特徴とする積
    層フィルム。
  5. 【請求項5】 前記他の層と感光性樹脂組成物層とが接
    する、請求項4記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 前記一の層の滑剤の含有率が、滑剤を含
    む前記一の層の総重量に対して0.01〜5重量%であ
    り、前記他の層の滑剤の含有率が、滑剤を含む前記他の
    層の総重量に対して0.001〜0.5重量%である、
    請求項4又は5記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 前記一の層の厚みが、前記第一のフィル
    ムの厚みの0.1〜80%である、請求項4〜6のいず
    れか1項記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】 前記滑剤の平均粒径が、それぞれ0.0
    5〜4μmである、請求項1〜7のいずれか1項記載の
    積層フィルム。
  9. 【請求項9】 滑剤を含む前記第一のフィルムの長手方
    向の破断伸びが、50〜1000%である、請求項1〜
    8のいずれか1項記載の積層フィルム。
  10. 【請求項10】 滑剤を含む前記第一のフィルムの酸素
    透過量が、3.95×10-3ミリリットル/m2・24h
    ・Pa以下(400ミリリットル/m2・24h・atm以
    下)である、請求項1〜9のいずれか1項記載の積層フ
    ィルム。
  11. 【請求項11】 滑剤を含む前記第一のフィルムの吸水
    率が、5%以下である、請求項1〜10のいずれか1項
    記載の積層フィルム。
  12. 【請求項12】 滑剤を含む前記第一のフィルムのヘイ
    ズが、10%以下である、請求項1〜11のいずれか1
    項記載の積層フィルム。
  13. 【請求項13】 滑剤を含む前記第一のフィルムのエレ
    メンドルフ引裂強度が、44.13N/cm以上(4.5k
    gf/cm以上)である、請求項1〜12のいずれか1項記
    載の積層フィルム。
  14. 【請求項14】 前記第二のフィルムと前記感光性樹脂
    組成物層の間の接着力が、前記第一のフィルムと前記感
    光性樹脂組成物層の間の接着力よりも小さいものであ
    る、請求項1〜13のいずれか1項記載の積層フィル
    ム。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項記載の
    積層フィルムを使用したプリント配線板の製造法であっ
    て、前記積層フィルムの第二のフィルムを剥離して、前
    記積層フィルムの感光性樹脂組成物層と基板とが接する
    ように、前記積層フィルムを前記基板上にラミネートし
    て、次いで、露光、現像することを特徴とするプリント
    配線板の製造法。
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